今回はよく使用している3Dモデルの活用法の一つとして、ラフ制作への使用方法を解説します。
▼完成図
①モデルにポーズをとらせる
②LT線画抽出
3DモデルをLT変換して線画を抽出します。
3Dモデルを薄くして上のレイヤーとして配置して目安線として利用します。
③線の色を変える&いらない線を消す
線の色がそのままでは濃くて使いづらいのでグレーに変更します。
LT線画抽出時に出来た不要な線を消します。(上図参照)
モデルの関節など途切れている箇所を描き足して繋げます。
この作業をやるとそれなりに人体っぽく見えるようになります。
④形状を整える
顔輪郭に微妙なカーブを描くように調整。
ゆがみツールを使うと楽です。
首回りが太くなりがちなので、細めな形状に描き直しています。
鎖骨ラインは線として抽出されないことが多いので描き足します。
腰回りや肩などのなめらかなラインがカクつきやすいので調整を加えます。
肘や膝、指などの関節部分は形状が崩れやすいので、曲げているポージングの時は形状を整えましょう。
今回は胸が抽出されていないので描き足しました。
▼形状調整後人体
▼パーツ分け
パーツ同士が重なる部分は分けておくと、衣類や髪の毛を描き入れるときに便利です。
今回の場合は顔、後頭部、左手首、右腕、右脚を分離しました。
⑤顔パーツを描き入れる
3Dモデルの赤い目安線をガイドにしながら、顔のパーツを描き入れていきます。
この3Dモデルは、目安線同士の位置関係に合わせてパーツを配置することで、自然と10代女性らしい顔立ちになるよう調整してあります。
なお、目の具体的な描き方については内容が長くなるため、本記事では割愛します。こちらは別の記事で詳しく解説する予定です。
⑥髪の毛を描き入れる
私は髪の毛を描く際、まず前髪から描き始めることが多いです。
前髪はおでこの丸みに沿って形状が作られるため、顔の正中線や目安線を意識しながら、髪の流れに自然なカーブを持たせていきます。
また、生え際が見えるデザインの場合は、おでこの目安線付近に境界線が来るよう意識して描写しています。
⑦衣服や他パーツを描き足してラフ完成
■あとがき:ラフ制作に3Dモデルを薦める理由
作画用の3Dモデルは便利ですが、
そのままLT変換して線画として使う用途には、あまり向いていないと感じています。
理由としては、不要な線が多く出てしまったり、
形状の歪みや立体特有のクセが線として目立ちやすいからです。
特に顔周りや手指などは、線画としてそのまま使うと違和感が出やすい印象があります。
そのため、自分は3Dモデルを「完成線画の素材」というより、
ラフやポーズ検討用の補助ツールとして使うことが多いです。
イラスト制作って、実は“描き始めるまで”が一番大変だったりします。
白紙の状態から構図やポーズを考えるのは、かなりエネルギーを使う工程です。
そこで3Dモデルを使うと、
「とりあえずキャラクターを立たせてみる」
「カメラを動かして構図を探す」
といったことがすぐにできるので、描き始めるまでのハードルをかなり下げられます。
完成品をそのまま使うというより、
“描き始めやすい状態を作るための道具”として使うのが、
3Dモデルの一番大きな強みなのかなと思っています。