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DAZのレンダリング画像をレイヤー分けする方法

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DAZのレンダリング画像をレイヤー分けする方法
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こういうチュートリアル的な記事は、FantiaよりFANBOXの方が作りやすいです。

ねぎしょも多くの先人たちのチュートリアルに何度となく助けられてきましたので、恩返しってわけでもないですが、ねぎしょの制作においてわりとコア的に重要な作業についてご紹介します。ほとんどの人には関心のない内容だと思います。そういう方は一番下に参考例の完成版イラストを載せてありますので、そこまでスクロールしてください。

DAZ Studioでレンダリングしてできた画像にPhotoshopなどで加筆・修正したいとき、部分ごとに正確にレイヤーを分ける方法のチュートリアルです。

【使用ソフトウェア】

DAZ Studio Ver. 4.21/Photoshop 2023(Photoshop以外でもできます)


今回は、↓レンダリングしてできた一枚の原画を、

↓こんな感じに、

・手前のバーベル

・競パン

・少年

・少女

・背後のダンベル

・元画像(背景)

の六つのレイヤーに分離してみます。レイヤーを分離できれば、必要な箇所ごとに加筆修正を行ったり、レイヤー間に別の要素を挿入したりといったことが簡単にできるようになります。

実際の手順

①普通にシーン全体をレンダリングして、元画像を作る

レンダリングは普通に行います。ただし、この後の作業中に画角がわずかにでも変わってしまうと無意味になってしまうので、カメラは不用意に動かないよう、ロックをかけて位置を固定しておきます。レンダリング画像ができあがったら、次の工程に進みます。


②シーンに含まれる全ての照明をオフにする

Sceneタブで、シーン内にある全ての照明を非表示にします。

また、シーン内に発光するオブジェクトがある場合は、Surfaceタブで光らないようにしておきます(Emission Colorをまっ黒にすると光らなくなる)。なんならSceneタブでシーン内の全てを選択後、Surfaceタブで全Surfaceを選択していっぺんに発光しないようにしてしまえばよい。


ここまでの手順、(めんどくせぇ…)と思った方は、Rendering Settingsタブの「Tone Mapping」→「Exposure Value」をMAXの「100000」にするだけでもだいたい同じ効果が得られます(要するに画面を極端に暗くする)。

ただしこれ以下の手順は必須です。


さらに、Rendering Settingsタブの「Auto Headlamp」をNeverにしておきます。

仕上げに、Rendering Settingsタブの「Environment」→「Environment Mode」を「Scene Only」としておきます。

以上で、シーン内に光が全く無い状態となります。


シーンに大気エフェクトを加えるVolumetricsなど、被写体とカメラとの間に何か半透明な要素が含まれる場合は、これらは全て非表示にしておきます。また、Environment設定で"Matte Fog"や"Ground Fog"などを使用している場合も、オフにしておきます。要するに、レイヤー分けしたい要素のみが、全く光のない状態でレンダリングされる状態を作ります。


この状態でirayプレビューすると、当然まっ黒のシルエットが表示されます(べつに表示しなくても大丈夫です)。


③レイヤーを分けたい要素のみを表示して、レンダリングする

手始めに、背後にあるダンベルをレンダリングしてみます。このダンベルは、画面上では少年らと重なっていますが、3D上ではどことも交差したりめり込んだりはしていません。こういうものは簡単です。単に、Sceneタブでダンベルのみを表示した状態でレンダリングするだけです。当然、元画像と同じカメラ(画角)、同じ縦横サイズでレンダリングしなければなりません

②の手順で、シーン内には光が全く無い状態になっています。irayは光子をシミュレーションするレイトレーシングで画像を生成するレンダラーです。シーン内に光が無ければ、シミュレーションする光子が存在しないため、レンダリングは爆速で終了します。②の手順は、このように、部分ごとのシルエットを高速で得るために行ったわけです。


同じ手順で、手前のバーベルも簡単にシルエットを得ることができます。

交差する形態のシルエットを得る

ある意味ここからが今回の本題です。

さっきのダンベルやバーベルのように、3D上でどことも交差していないものは簡単にシルエットを得られました。しかし、少年と少女の部分はそう簡単にはいきません。


少女は少年の背後にいますが、彼女の両手は少年より手前に出てきています。

少年の競パンは、お尻側の布は少年の背後にありますが、前側の布は当然少年より手前にあります。

このように、前後が交差していたり、一部が他のオブジェクトにめり込んでいたりするものは、③の手順では分離できません。こういうオブジェクトを分離するのが、以下の手順です。


④分離したいオブジェクトのうち、最も後ろにあるものは、③と同じ手順でシルエットを作る。

今から「少女/少年/少年の競パン」を分離しますが、このうち一番背後側にある「少女」については、③と同じ手順で少女のみを表示した状態で普通にシルエットをレンダリングします。↓こんな感じのシルエットができあがります。


⑤手前側のオブジェクト(少年)にCanvasを設定する

シーンに少女を表示したまま、少年を表示させます(競パンはまだ表示させない)。そして、Sceneタブで少年の全ての要素を選択します。

少年全体を選択した状態で、Rendering Settingsタブ内の「Advanced」タブを開き、さらに「Canvases」タブを開きます。そして、「Canvases」にチェックを入れます。

チェックボックスの下の「+」をクリックし、中ほどに出てきた設定の「Alpha」にチェック。Typeは「Beauty」。

Nodesをクリックし、「Create from Selection...」をクリックし、「Accept」。

この「Canvas」という機能は、任意のNodeごとに個別のキャンバスを設定し、設定したキャンバスごとにファイルを分けてレンダリング画像を生成してくれるってな感じのものです。「なんだ、だったらこの機能使えばはじめっからレイヤーに分かれたレンダリング画像ができあがるんじゃないの?」と思っちゃうところですが、残念ながらそううまく働いてはくれません。


レンダリング時間が増大するだけでなく、できあがったレイヤーを重ねてみても、多くの場合、全体を一枚でレンダリングした画像と同一にはならないのです。また、Node Instanceが無視され描画されないという致命的な欠点もあります(同じ理由で、レイヤーを分割したい重要な箇所にはNode Instanceを使用しないようにしなければなりません)。


そんなわけで、本番画像のレンダリング自体は、あくまでも一枚の画像として全体をレンダリングしたほうがよいと思います。今回やっているのは、そうしてできた画像を後からレイヤーに分離する作業です。


⑥Canvasを設定したら、レンダリングする

⑤で少年にのみCanvasを設定した状態でレンダリングすると、以下のようなシルエットが得られます。

少年の背後にいる少女本体はレンダリングされませんが、少年より手前に来ている手の部分はくり抜かれたようになっています。


「Canvases」のタブに戻り、「Node Lists」と「Canvases」を「-」ボタンでクリアしたら、⑤と同じ手順で、今度は競パンにCanvasを設定します。

少女・少年・競パンを全て表示させた状態で、競パンのみを選択しCanvasを設定してレンダリングします。

すると、ちゃんと手前に見えている部分のみの競パンのシルエットが得られます。

以上で、元画像から部分をレイヤー分けするために必要な全てのシルエットデータが得られました。


Photoshopでのレイヤー分離

あとは、Photoshopなどレイヤーに対応した画像編集ソフトを使い、作成したシルエットで選択範囲を作成して元画像からレイヤーを分離していくだけです。以下はPhotoshopの場合の作業手順例です。

↑Canvas機能を使ってレンダリングすると、保存フォルダ内に「○○_canvases」というフォルダが作られます。このフォルダと中身のデータは全く使用しませんので、まとめて削除してしまって構いません。


⑦レンダリング元画像と、作ったシルエットをまとめて読み込む

Photoshopの「ファイル」→「スクリプト」→「ファイルをレイヤーとして読み込み」を開き、「参照」から、元画像と、作った全てのシルエットデータを選択して読み込みます。


⑧レイヤー順を整理する

シルエットデータは表示しておく必要はないので非表示にし、元画像を一番下に、シルエットは奥にあるものから順に下から積み上げるように順番を並べ替えます。


⑨元画像を複製し、シルエットで選択範囲を作成して切り抜く

元画像のレイヤーを複製し、そのレイヤーを選択しておきます。

次に、Ctrlキー(Macの場合はCommandキー)を押しながら任意のシルエットレイヤーのサムネイル部分をクリックすると、そのシルエットで選択範囲が作成されます。選択範囲を反転し、編集→消去すると、シルエット部分で正確に切り抜かれたレイヤーが得られます。

※少女の髪の毛のような入りくんだ形や、輪郭にボカシがかかっているようなシルエットの場合は、フチが残ってしまうことがあります。そういう箇所は、消去を二度繰り返します。

「選択範囲を反転」→「消去」は、数が多くなるとけっこう面倒くさいので、アクションを設定してショートカットキーを割り当てておくと便利です。

ねぎしょは、Shift+F11に「選択範囲を反転して1回消去」、Shift+F12に「選択範囲を反転して2回消去」のアクションを割り当てています。


※2回消去が必要ないようなわりと単純な形態ばかりの場合は、わざわざ元画像を複製せず、元画像レイヤー上で各シルエットレイヤーを使って選択範囲を作成Ctrl+C(コピー)→Ctrl+Shift+V(同じ位置にペースト)とした方が早いかもです。

こんな感じで、各レイヤーを作成できました。長かったですが、流れに慣れればけっこう簡単です。


なお、ねぎしょはこの方法を独自に編み出したと思ってますが、もしかしたら「いや、普通にみんなそうやってんだろ」みたいな当たり前の方法なのかもしれないし、逆に「いやもっと簡単な方法あるがな」みたいなこともあるかもしれません(あったら誰か教えてくれ…)。


ねぎしょはこれまで作品化した全てのイラストでこの方法でレイヤー分割を行って加筆修正をしています。Canvas機能が使えるようになる以前は、分離したい部分のSurfaceを「全面均一発光する面」と「光を一切反射しない暗黒の面」に分けた画像を別に用意し色域選択で分離するという、信じ難いほどクソ面倒くさい方法で分離していました(それでも手で選択範囲を作って分離するよりはまだ早かった)。


その他の付記

画像サイズはできるだけ大きい方がいい

シルエットから選択範囲を作って元画像から切り取る方法である以上、元画像のサイズ(pixel数)は大きいほどきれいに切り抜けると思います。

とはいえ、pixel数が縦横2倍になればレンダリング時間は単純に4倍かかりますので、限度というものはあります。いずれにしても、これ以上正確に選択範囲を作る方法は無いと思うので、あとはバランスです…。


無駄にレイヤー数を増やさない

この方法を使うと、少年・少女の「髪の毛だけ」とか、少女の「スカート/シャツ/ソックス/靴」など、かなり細かくレイヤー分けすることも可能です。

でも、数が多くなるとやっぱり大変ですし、苦労のわりに実際にはあまり意味がなかったりします。

たとえば、髪の毛に関しては、髪色だけを後から大幅に変えたいというのでない限り、あえて分離しなくてもとくに問題ないことが多いです(とくに濃色の髪の場合)。無意味にレイヤーを増やさず、最低限の分離に留めましょう(自戒)。

※なお、おㄘんㄘんはレイヤー分けた方がいいです。理由は…やってみればわかるw



半透明・透明なオブジェクトの場合

少年がガラスのコップを持っていて、それを分離したいというような場合。

この手順をそのまま行うと、「半透明なコップのシルエット」ができることになります。

「半透明なシルエット」を使えば、当然「半透明な選択範囲」ができるわけですが、「半透明な選択範囲」というのは大抵あまりいい結果を生みません。そのため、コップの背景に何か大幅な加筆を行うというのでない限りは、シルエット作成手順の前にSurfaceタブでコップにプラスチックのマテリアルを適用するなどして「不透明化」しておき、全面不透明なシルエットを得られるようにしておいた方がいいと思います。


大きなボカシのあるものを分離する場合

カメラの被写界深度を使って、手前や奥にあるオブジェクトをボカしたりした場合、それらはこの方法で分離できるか?

大抵問題なく分離できます。輪郭のボケているものはくっきりしたものよりはきれいに分離しにくいですが、わりと大きくボカしたオブジェクトでも、多くの場合は同じ手順でほとんど問題なく分離できています。選択範囲外を消去する際に、消去を二度かけるのがコツです。


この方法が使えない例外

この方法では分離できない、例外的なケース。

ガラス越しや水越しに、その奥にあるオブジェクトを分離することはできません

例えば、ガラスの水槽内を泳ぐ魚をこの手順で元画像から分離することはできません。また、膝下まで水に浸かっている少年の全身を、水面下の部分も含めて正しく分離することはできません(水面上の部分のみなら可)。


ガラスや水は空気と異なる屈折率を持っており、界面での光の屈折を再現することで「ガラスらしさ」や「水らしさ」が表現されます。しかしこの屈折のために、「実際にオブジェクトが存在している位置」と、「レンダリングされる位置」がズレるのです。

ズレる以上はシルエットはぴったり重なりませんので、この方法では分離できません。

このようなシーンでオブジェクトを分離するうまい手段は、いまのところ思いついていません。諦めてレイヤーを分割せず加筆するか、頑張って手で選択範囲を作るしかありません。

できあがった作品例

どういうシーンなんだろこれ


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POSTEDMar 8, 2023
ARCHIVEDJun 10, 2026