0日目
東京の大学に進学した主人公はある日大学の近くで偶然たまたまばったり先輩と出会ってしまう。
1人暮らしになれていなかった主人公は、そのまま先輩とシェアハウスすることに……!
健康も勉強も人間関係も将来も全て先輩に管理されてしまうことになった後輩くんの明日はいかに……!!
次回、外出自粛命令。デュエルスタンバイ!!
1日目
前回先輩とシェアハウス生活することになった主人公。
これから一体どんな大学生活が始まるのだろう、そう思いながらテレビを見ていた時だった。。
“ウイルスによる影響で、政府は本日より31日まで外出自粛命令を下すことを明らかにしました。”
テレビのニュースによると、どうやら世界的なパンデミックが起こっているらしい。
ぶちっとテレビのコンセントを引き抜く先輩。
すると彼女はこちらを振り向いて、ニコニコ顔でこう言った。
その表情はいつになく楽しそうだった。
ーーー。
先輩との外出自粛生活はこうして幕を開ける。
果たして、外出自粛が解除される22日後主人公と先輩はどうなってしまうのか!!
次回、外は危険だよ。
2日目
外出自粛がこの先も続くのだとしたら買い物は早いうちに済ませないといけないだろう。
俺は缶詰とカップ麺を買いにスーパーに行くことにした。
軽く身支度を済ませ玄関へと進む。ちょうど靴を履き替えた時だった。
「後輩くん?--」
声のする方向に振り返ると物凄い勢いで手を掴まれた。
声の主は案の定この家の同居人、先輩だった。
「でも先輩、食糧とか買わないと自粛期間持たないですよ……?」
その言葉を聞いて先輩はニヤりとほほ笑む。
「大丈夫だよ。こうなることを見越してちゃんと備蓄はしておいたから。だから買い物は行かなくていいんだよ」
「そ、そうなんですか……」
「うん! 後輩くんは外のこと、一切心配しなくていいんだよ? 全部私が対処してあげるから大丈夫。さ、お部屋で私とゆっくりしよ?」
「は、はい」
こんな時もしっかり備蓄しているなんて流石先輩だな。
俺は何の疑いも持たぬまま、先輩に腕を引かれ、部屋へと戻った。
ーーーーーー
夫婦になるまであと19日
3日目
台所へ行くと先輩が包丁を持って立っていた。
そういうと、手に持った凶器を軽やかに振り回しながらにこにことほほ笑んだ。
「せ、先輩。包丁そんな持ち方したら危ないですよ……?」
「うん、知ってるよ? 後輩くんがあっちで大人しく私の料理を楽しみにしてないと間違って刺しちゃうかも♡」
「ひえっ」
「あはは、冗談だよ」
冗談に聞こえないところが恐ろしい。
俺は仕方なく居間の方で過ごすことにした。
ーーーーーー。
ーーーー。
(あれから何時間も台所から出てくる気配無いけど大丈夫か……?)
俺は先輩にバレないようにこっそりと台所を覗く。
そこには慎重に包丁で野菜を切る先輩の姿があった。
(なんか築地の三代目みたいになってるぞ……?)
見た感じどうやら包丁を握ったことがなさそうだ。
手伝ってあげようかとも思ったが、それでは先輩のメンツが丸つぶれだろう。
俺は先輩がご飯を作り終わるまでじっと居間で待機することにした。
ーー5時間後ーー
「ご、ごめんね~ ちょっと時間かかっちゃったけどできたよ!」
待っていると先輩が台所から料理を運んできた。ようやく夕食の時間みたいだ。
いただきますの挨拶を済ませると俺は先輩の手料理に手を伸ばす。
はむっ。
……!!
「ねえ? おいしい??」
「すっごくおいしいです……!」
「よかった~!! 後輩くんの好みをちゃんと分析して作ったからね!!」
「そ、そうなんですか」
俺の好みを一体どうやって分析したのかは分からなかったが、とにかく箸が止まらない。
それほど先輩の手料理は美味かった。
ーーーーー
先輩と夫婦になるまであと18日。
4日目
外出自粛命令が発令されてから4日目。
外の様子は家の窓から見た景色からしか分からないが、どうやら酷いことになっているらしい。
ウイルスが拡散されることが無ければ今頃外で友達と遊んでいたりしたのだろうか……。
ぼんやりと窓を眺めていると向こうから先輩がやってきた。
「どうしたの? 後輩くん。外なんかじっくり見てるけど……」
「ああいえ。……ウイルスが無かったら外に出かけていたのかなって」
「どこか行きたいところでもあるの?」
「え? いや特別行きたいところはないですけど……ただ、ずっと家にいるのじゃ飽きてしまいますし……」
「ふむふむ。そっか~後輩くんはそう思うわけね。でもわたしは……」
髪を結びながら先輩は言いなおす。
「あはは、先輩度々際どい冗談言いますよね(笑) 濃厚接触って……(笑)」
「(濃厚接触)する?」
「え?!」
ーーーーー
夫婦になるまであと17日
5日目
外出自粛命令が出て5日目。
何にもない1日が今日も始まる。
「それにしても、先輩思わせぶりだよな」
昨日は「濃厚接触する?」なんて、期待させるようなことを言ってきたけど結局いつもの冗談だった。
はあ……。
いや、別に冗談だって分かってるからいいんだけど……でも、やっぱり期待とかしちゃうよな。
だって、あんな強調された格好をいつも見せつけてくるんだぞ……?
こっちの身にもなって欲しいよ、……全く。
はあ、それにしてもずっと家の中にいるとやることないよな。
こんな時はスマホゲームに限るっと……
……?
あれ、いつも置いている位置にスマホが無いぞ?
「おっかしいな~……確かここら辺に置いておいたはずなんだけどな」
「どうしたの、後輩くん?」
スマホが見当たらなくて困っていると、後ろから先輩の声がした。
「ああ、えっとここら辺にスマホを置いておいたはずなんですけど……先輩見ませんでしたか?」
「ああ、それなら私預かってるよ!」
そういうと、先輩はポケットから俺のスマホを取り出した。
「ほら、探し物はこれでしょ?」
「はい……でも、どうして先輩が俺のスマホ持ってるんですか??」
「ああそれはね、私たちが心地よく過ごすためだよ。スマホには有害な情報がいっぱいあるからね。アクセスできないように設定して置こうって思って!!」
「え、勝手にいじったんですか!?」
「うん!! それとねーーー」
すっと見せてきた俺のスマホの画面には先輩のLIMEだけが表示されていた。
察するにどうやら他の連絡先は全部消されてしまったらしい。
「せ、先輩!! 何てことするんですか!! それじゃ学校始まった時とか困るんですけど」
「ああ、それなら大丈夫だよ。その時になったらちゃんと連絡先戻してあげるから!」
「え、でも……」
「後輩くん、いっつも携帯ばっかで私つまんないな~。折角1つ屋根の下で暮らしているんだからもっと私とコミュニケーションしようよ~!」
「うーん……」
「折角の自粛期間なんだからさ! もっと有意義なことしようよ!!ね?」
「はい…」
「ほら、学校とかサークルとかで気になることがあったら私に聞いていいからさ! 多分私、後輩くんの身の回りのこと一番詳しいし!!」
「……まあ分かりました。確かにちょっとスマホに依存しすぎていたかもしれないんで、この外出自粛中はアクセス制限かけたり連絡先消した状態でもいいですよ。でも、外出自粛命令が解除されたらちゃんと元に戻してくださいね」
「うん!! それじゃ、先輩とあっちで遊ぼっか♡」
ーーーーー
夫婦になるまであと16日
6日目
先輩とシェアハウスしているこの家は、1人暮らしの大学生が住むにしては広い。
そういえばこの家の家賃ってどうなっているんだろう。
家の立地と広さを考えると月にかかる費用は高いに決まっていた。
けれどなぜか俺は今までこの家の家賃を支払ったことが無かったのである。
もしかして先輩が全部立て替えてる……?
俺は気になって、先輩のいる部屋に行った。
「あ、先輩。そういえばなんですけど、ーー」
ーーこの家の家賃ってどうなっているんですか?
そう言いかけて俺は思わず唾をのんだ。
「え、あ、はい……!」
先輩のポーズに気を取られて俺は話そうとした内容が飛んでしまう。
仕方ないので俺は先輩に言われた通りゲームを探し始めた。
「あの……ゲームって何を探しているんですか?」
「うん? 色々♡」
「いや、色々って言われても分かんないんですけど……」
「実はね、こういう外出自粛のことも考えてたくさんお家で遊べるおもちゃを買っておいたんだ~。黄色いビニール袋に全部まとめてあるから、頑張って見つけて!」
「は、はい……」
お、おもちゃ……? 一体、先輩は何を買ったって言うんだ??
「あ、あった!! これこれ」
先輩があったよと黄色い袋を指さす。
激安の殿堂と書かれたその黄色い袋の中にはたくさんのボードゲームやアクティビティグッズが入っていた。
「ああ、おもちゃってそういう……」
「ん? 後輩くんどうかした??」
「え、ああ……いえ」
下心を悟られまいと、俺は取り繕うように再度視線を黄色の袋に移す。
リバーシにジェンガに、ツイスターに、トランプ。そしてこれは……もしや?
視線の先には『0.01ミリ』と書かれた箱。
「これで外出自粛も完璧だね!!」
俺の反応を楽しむように、先輩はただにこにこと笑っていた。
ーーーーーーーーーー
夫婦になるまであと15日
7日目
昨日黄色い袋に入っていた『0.01ミリ』と書かれていた箱は今日見たらどこかに消えてしまっていた。
あれは見間違いだったのだろうか。
そもそもたくさんボードゲームが入ってる中に1つだけ避妊具が入ってるなんておかしいよな。
きっと、何かの見間違いに決まっている。
……。
それにしても何だか今日は暑かったよな……。
室内にいるのに結構汗かいちゃったし。
今先輩お風呂入ってるんだっけか。
もう30分ぐらい経ってるしそろそろ上がるころかな……?
(ガチャ)
ん?
俺は扉の開く方向につい視線を向けてしまった。
そこには下着姿の先輩が立っていた。
「ちょっ、先輩!! み、見えてる!!」
「ん? 何が見えてるのかな? ほらこっち向いてちゃんと教えて?」
「いや、向けるわけないじゃないですか!!」
視線を下に向けるも白いものが見えて何だか気まずかったので俺は前に突き出した手で必死に視界を遮る。
というかそもそもこの人に羞恥心という言葉はないのだろうか。
「後輩くん。早くお風呂入ってきて? 私、先に寝室で待ってるから♡」
「っ……!」
予想だにしない誘い文句に俺は返答に詰まってしまう。
もしや、もしかしてこれってそういうことだよな……?
昨日見たアレは実は今寝室にあって、それで俺は今から身体を洗って、そして……
この後何が起こるのかを想像したら、脳がバグって処理しきれなくなってしまった。
あわあわしている俺に先輩はこういった。
「あはは、後輩くん顔真っ赤だけどどうしたの? もしかしてえっちなこと想像した??」
ニマニマとからかってくる先輩。
俺はツンデレ風に切り返す。
「別に、ち、違いますけど……ただ先輩って羞恥心無いんだな~ってあきれただけです」
「へえ、下着を見せてくる痴女だって後輩くんは言いたいのかな??」
「え、いやそうでしょ」
「でも見たがっていたのは後輩くんの方だよね?」
「え?」
すっと、白い布を指さす先輩。
「私知ってるんだよ。後輩くんちょくちょく私のここ見てるもんね? 隠しても無駄だよ? 昨日とかとくに、後ろからまじまじと見てたもんね?」
「うっ……あれは、不可抗力で……」
「ふふっ、ヘ・ン・タ・イ♡」
「うううっ……」
この先輩と一緒にいると何だか平常心でいられなくなりそうだと俺はこの時思った。
ーーーーーーー
夫婦になるまであと14日
8日目
先輩が最近あまりにも大胆すぎるせいで俺は理性が保てなくなりかけていた。
いくら同居しているとはいえ、あれはあまりにラフすぎる恰好だ。
「あんなのどうやっても意識しちゃうだろ……」
かといって、襲うとかそういうことはできない。
そんなことしたら先輩と俺との関係性に亀裂が入ってしまうに決まっているからだ。
この家に安く住まわせてもらっている以上、先輩との仲を壊すわけにはいかない。
仕方がないので、少しでも意識してしまった時は先輩に隠れてことを済ますようにしていた。
一応この家には俺の部屋と、先輩の部屋があり、お互いそれぞれパーソナルスペースが守られている。
だから俺は先輩の目が付かない自室でいつも理性を保とうとしているのだが……、
居間から自室に戻ると先輩が俺のベッドに寝っ転がっていた。
「ちょっ、先輩……! 何してるんですか!!」
「むにゃむにゃ……」
だめだこりゃ。完全に寝ているようだ。
それにしても……なんて恰好してるんだ。
この人には危機感ってものが無いんだろうか。
同居している人はまがいなりにも異性なんだぞ……?
「先輩、起きてくださいよ」
俺は肩を優しくゆする。
たゆんたゆんと近くのものが揺れて、俺は気まずく顔をそむけた。
「せ、先輩起きてくださいよ!! ここ、俺の部屋ですよ?」
「むにゃむにゃ……?」
ようやく起きたのか目をこすりゆっくりと先輩は起き上がった。
「先輩、やっと目覚ましましたね……。ここ俺の部屋ですけど、なんで先輩こんなところにいるんですか?」
「ん……? ああ、ちょっと掃除してただけだよ。後輩くん、あんまり部屋掃除しないから私してあげたんだよ。でも何だか疲れて寝ちゃってたみたい……」
そうだったのか……。
「どうしたの後輩くん、なんか疑ってる顔してるけど。せっかく掃除してあげたのになんか酷いな~」
「え、いや先輩のことだから、またからかおうとしてるのかと思って……」
「あはは、違うよ~。掃除も終わったことだし、私自分の部屋に戻るね」
「は、はい……」
立ち去る先輩の手には一瞬小型カメラのようなものが見えた気がした。
まあ、気のせいだろう。
俺は先輩がいなくなったのを見計らうと事を済ませた。
なぜかティッシュが補充されていた。
ーーーーーーーーーー
夫婦になるまであと13日
9日目
「ねえ、後輩くん。これで遊ぼう?」
にこにこと笑う先輩の手には白黒の円盤と緑のボードがあった。
「これって、オセロですよね? いいですよ~」
家にいてもやることが無いので俺は先輩とオセロで遊ぶことにした。
ボードを前に対面に座り、ゲームの準備を済ませる。
「ああ、そういえばなんだけど、」
にやっと笑う先輩。
何か嫌な予感がした。
「ば、罰ゲームって何ですか……?」
「え? それは勝負がついてから言うよ」
「え、そんな」
「だって、今罰ゲームの内容言ったら後輩くんオセロ放棄するかもでしょ?」
「いやまあ、酷い罰だったら負けた時が恐ろしいんでやりたくないですけど……」
「ああ、大丈夫大丈夫。そんな酷い罰ゲームじゃないよ。むしろ気持ちいいかも?」
「えっ」
気持ちいいって、それ本当に罰ゲームなのか……?
もしや、もしかすると……?
「後輩くんの番だよ」
気が付くと先輩はもう駒を置いていた。
俺は罰ゲームのことは置いておいてひとまず試合に集中することにした。
ーーーーーー
「はい、これで私の勝ち!」
いつの間にか自分の白の駒はほぼ全て先輩の黒に侵食されていた。
「ううっ……」
「ふふふ、まさか後輩くんがこんなにオセロ弱かったとは思わなかったよ。私の勝ちだね、後輩くん。罰ゲーム、忘れてないよね?」
「うっ、忘れてませんけど……一体何をするつもりですか……?」
「ふふふ、それはね……」
ーーーーーーーー
夫婦になるまであと12日
10日目
どんな罰ゲームを受けるかハラハラしていたけど、結局昨日は何もなかった。
先輩に聞くと、どうやらもう罰は受けた後らしい。
一体、俺は何をされたというのだろう。
全く身に覚えがなかった。
それにしても、今日は先輩見ないな。
いつもだったらこの時間は居間にいるのに全然見かけない。
トイレもお風呂も廊下も玄関も見渡してみたが先輩の姿は無かった。
そうなるともう、先輩の部屋しかない。
俺は冷蔵庫から麦茶を取り出すとおぼんの上のコップに注ぎ、先輩の部屋へと向かった。
(コンコン)
「先輩、お茶持ってきたんですけどいりますか??」
すると、扉越しに「入ってきて」と返答が返ってきた。
先輩の安否を声で確認すると、俺はほっと胸をなでおろし取っ手を回す。
(きー)
「えっ」
扉の先の制服姿の女性に俺は動揺を隠せなかった。
「後輩くん、見て見て! 高校の頃の制服!」
腕をぐいっと引っ張られると、俺はそのままベッドへと押し倒される。
流石にまずいと思った俺はベッドから抜け出そうとするが、上半身を起き上がらせたところで先輩に跨られ、立てなくなってしまった。
「せ、先輩……」
その先の言葉を言わせまいと、先輩は俺の口を口でふさいだ。
「んむっ……ん…んっ」
先輩の舌が俺の口を割って入りこんでくる。
俺はその侵入を拒むことはできなかった。
俺が何もしないのを察したのか、先輩はそう命令してくる。
言われるがまま舌を突き出すと、先輩は吸い付くように舌を絡めてきた。
「ん……っ、んむ」
先輩の舌の動きに合わせて俺も舌を絡ませた。
ねっとりと互いを探り合う感覚。
キスってこんなに気持ちいいのかーー。
唾液と吐息が入り混じるこの雰囲気に俺は興奮せざるを得なかった。
「あれ、後輩くん……?」
跨っている先輩が異変に気付いたのか、こちらを見てにやりと笑う。
俺は恥ずかしくて先輩の目を見ることができなかった。
ゆっくりと腰をスライドさせる先輩。
布越しに伝わる感覚とその仕草がどこまでもエロく、言い訳ができないほどに全身の血液がそこに集まっていく。
我慢できなくなった俺は、行き場を失ってベッドシーツに置いていた腕を先輩の腰に回してしまった。
ーーーーーー
夫婦になるまであと11日
11日目
昨日はあの後すぐにイってしまった。
まだ何も始まってすらいなかったが、突然のあの雰囲気に耐えられるわけが無い。
俺の表情から、俺が果ててしまったのを察した先輩は「ざーこ♡」と言い残すとそのまま居間の方へと行ってしまった。
その後一緒に食べた夕食ほど気まずい時は無いだろう。
すぐに果ててしまったことに対しての屈辱感や先輩とそういう関係になってしまったことへの罪悪感や期待感で、とてもじゃないが先輩の方を向くことはできなかった。
ーーー。
日付が変わって朝になった今も、やはり昨日のことが頭から離れない。
もう午前も11時に差し掛かろうとしている。
俺は先輩となるべく顔を合わせたくなかったので、再び布団にくるまろうとした。
そんな時だった。
(ガチャリ)
「いやお帰りなさいって既に家にいるし、しかも疲れてないし……って」
正当なツッコミを入れつつ声の先を向く。
美人なメイドに俺は思わず生唾を飲んだ。
「どうかな、後輩くん? 今日はメイドになってみたよ!」
「ど、どうって言われても……」
先輩に気が付かれないように、俺は反応してしまった部位を布団の中に隠す。
「ん、後輩くん。なんで布団なんかかぶったのかな? 何か隠してるのかな??」
ニコニコとこちらに近づくと先輩は勢いよく俺の布団を剥がした。
「あっ」
布団が無くなって露になっってしまった突起。
俺は恥ずかしくて見られないように体勢を変えた。
「ねえねえ後輩くん。さっきから何を隠してるのかな~? 私気になるな~」
「せ、先輩には関係ないですよ……! そ、そんなことよりここ俺の部屋ですよ! 出ていってください」
「ふ~ん、そういうこと言うんだ~。せっかく私後輩くんのためにマッサージしてあげようと思ったのにな~」
「えっ」
馬乗りになってくる先輩。
「だ、ダメですって!!」
「そんなこと言って、本当は喜んでるくせに~」
体勢を無理矢理仰向けにすると、先輩は左手で俺の手を隠せないように封じた。
「あれれ~? 後輩くん、これは何かな~」
「な、何のことですか……」
「ん、分からないのかな? 仕方ない、触って教えてあげる♡」
「あっ」
先輩の優しい手の感触に俺はさらに大きくしてしまう。
「せ、先輩ダメですって!!」
「ん~何がダメなのかな~。後輩くんのここはこんなに喜んでるけど?」
「うっ」
ニマニマとこちらの表情を楽しむ先輩。
すると、先輩の手はさらにエロい手つきでさすってきた。
「ご主人様、どうされたいんですか?」
「……」
「言われないと私、分かりませんよ?」
「……して、欲しいです」
「ん? 何をどうして欲しいの??」
「うっ……」
「あははごめんね後輩くん、ちょっといじわるしちゃった。いいよ、ご奉仕してあげる」
そういって、先輩は優しく突起物を覆う布を脱がせた。
ーーーーー
夫婦になるまであと10日
12日目
「全く……なんだっていうんだ」
昨日先輩はご奉仕してあげるといい俺のズボンを脱がせたが、洗濯物のことを急に思い出して結局何もないまま部屋を出ていってしまった。
何というか、非常にタイミングが悪い。
俺はその後自分で満足させようか悩んだが、先日先輩に自慰を監視されていたことを思い出し留まった。
それにしても先輩は何を考えているんだろうか。
非常に悶々とした状態が続く。
ーーーーー
部屋で天井を見ているとがちゃりとドアが開いた。
「後輩くん、オセロして遊ぼ!」
そういうと、先輩は俺が座るベッドの隣によいしょと座り、オセロをセッティングをし始める。
「先輩、俺オセロで遊ぶなんて言ってないんですけど」
「え? じゃあ、やらない?」
「いや、やりますけど……」
先輩がやってくるときはいつも何か悪いことをたくらんでいる時だ。
今回も負けたら罰ゲームとか、そういうことを考えているに違いない。
だが、罰ゲームも悪くないなと思う自分がいた。
なぜなら、先輩の言う罰ゲームは半分ご褒美みたいなものだからだ。
「今回も負けた方が罰ゲームだけどいい?」
その言葉に思わず生唾を飲んでしまう。
「いいですけど……、どんな罰ですか?」
「それはね……」
ニヤニヤと不敵な笑みを浮かべると先輩は話を続けた。
「野球拳って知ってるかな? 負けた方が服を1枚脱ぐっていうゲームなんだけど。オセロで負けた方は服を1枚ずつ脱いでいくの、どう??」
「え!? や、野球拳するんですか……?」
「うん!! 嫌だ?」
どう考えてもエッチな展開になるのは目に見えていたため、俺は欲望に忠実になることに決めた。
「い、嫌じゃないですけど……でも、先輩はいいんですか? 勝ったら俺の裸を見ることになるし、負けたら自分の裸を俺に見せることになるんですよ……?」
「私の裸を見られるのはちょっと抵抗あるけど、でも私オセロ強いから後輩くんに負けるわけなもんね~。ああ、後輩くんの裸を見る分には別に大丈夫だよ? だってこの間後輩くんが私に隠れてあんなことをーー」
「そ、その先は言わないでください!!!」
俺は自慰のことに触れられる前に先輩の言葉を遮った。
「あはは、恥ずかしがってる後輩くん可愛い」
「ぐぬぬ」
ーーーーー
そうして先輩とのオセロ野球拳は始まった。
緑の盤面を白と黒の駒が徐々に埋めていく。
「あれ?」
何手かして、俺はある異変に気が付いた。
「あ~あ~、負けちゃった~」
俺が置いた白駒によって盤面は全て白に変わってしまったのだ。
「マジか」
「まさか後輩くんに負けるなんてな~。約束通り服、脱ぐね」
そう言ってワンピースを脱ぎ去ると、先輩はもはや裸に近い姿になった。
きめ細やかな肌に、きれいな身体。
そんなものを見てしまったら、どうなるのか容易に想像がつくだろう。
俺のアレは反応せずにはいられなかった。
「ん、後輩くんどうしたの? 下に何かあるのかな~?」
わざとらしく視線を俺の股間に向けて話す先輩。
「何にも、無いです! それより、次の試合しましょ!」
この悶々とした雰囲気をどうにかするべく俺は次の試合を急がせた。
フィールドに4枚の白黒を並べる先輩。
わざとなのか、俺の目線の50センチ先には先輩の丸みを帯びた谷間が見えた。
もし次、俺がオセロに勝ったらどうなってしまうのだろう。
2枚の布に隠された秘密を想像すると、俺の鼓動が少しばかりか早くなった。
「じゃあ、二回戦しよっか♡」
「うわっ、また負けた……」
気が付くと俺はオセロを4連敗してパンツ一丁になっていた。
薄々感づいてはいたが、やっぱり最初の試合は手加減されていたのだろう。
「後輩くんあと1枚で負けだね~」
そう、言うと先輩は俺の股間を見てニヤニヤと笑った。
「うっ……」
もはやごまかしがきかないほどに膨れたそれを、俺は空いた手で隠す。
「ねえ、後輩くん。次の試合で最後にしよっか。私も後輩くんも次負けたら見せられないところ見せちゃうしさ」
「は、はい……」
次の勝敗でどちらかが素っ裸になってしまうのか。
もし俺が勝ったら……?
先輩の隠れた部分を想像して、俺は息が荒くなってしまった。
「じゃあ、勝負だね!」
ーーーーー
盤面にオセロを敷き詰めていく。
最後の試合ともあって、今までにない集中力で戦いに臨んだ結果、互角の戦いが繰り広げられる。
そして、最後の駒を置いてオセロの盤面は白黒で埋め尽くされた。
一体どっちが勝ったのだろう。
ぱっと見で勝敗が分からなかったので、白と黒の駒を重ねて数を数えていく。
「あ、後輩くんの勝ちだ……」
まさかと思って見て見ると、4枚差で俺の駒が先輩の駒よりも多かった。
「あ~あ、負けちゃったな~。私これ脱がないといけないのか~」
「や、約束ですし……。 でも、先輩が嫌なら別にいいですよ、、、俺は先輩にオセロで勝てただけで嬉しいので」
「そっかそっか~。でも、約束は約束だもんね」
そういうと先輩は立ち上がりパンツを脱ぎだした。
「ちょっ、先輩……! いいですよ、本当に脱がなくて!」
「え? 何後輩くん見たくないの?」
「え、いや見たい……じゃなくて! 見たくないです!!」
「へえ、そう。じゃあ、見なくてもいいよ」
ベッドがきしむ。
その感覚から先輩が俺の横を歩いて通ったのだと分かった。
「後輩くん、前向いて目開けてみて? 大丈夫、私は今後輩くんの後ろにいるから」
ゆっくり目を開けると目の前には先ほど遊んでいたオセロのボードと駒と、それから先輩の身に着けていたブラジャーとパンツが転がっていた。
「私ね、今すっぽんぽんなんだよ」
耳元で甘く囁く先輩。
背中に柔らかいものが当たる。
その先端は少し硬く膨らんでいて、俺は感触でそれが何であるか察してしまった。
「な、何してるんですか先輩!」
「黙って」
すると、俺の耳は先輩に優しく甘噛みされた。
「っ……」
「後輩くん、こんなにしちゃって……そんなにえっちなこと考えてたの?」
先輩のエロい手つきと吐息交じりの声に思わず俺はびくっと身体が反応してしまう。
「ダメです……せんぱい」
「ん? 何がダメなのかな? 後輩くん全然抵抗してないし、むしろもっとしてほしそうだけど??」
「うっ……」
「後輩くん隠れて一人でしてた時こんな感じに手を動かしていたよねえ?」
パンツの中に手を入れると、先輩の手つきは激しくなった。
「だ、だめですって……先輩。俺、そんなことされたら……」
俺は我慢できなくなって、体勢を勢いよく変えるとそのまま先輩を押し倒した。
「え、ちょっ、後輩くん……///」
有無を言わさず口を口で塞ぐ。
「先輩がいけないんですよ、先輩がそうやって誘惑するから……!」
ーーーーー
ーーー
ーー
ーーーーー
夫婦になるまであと9日
13日目
昨日、俺は先輩を貪った。
あんなシチュエーションになって、あんな誘惑されたら我慢なんてできるわけないだろう。
一通りの前戯を済ませると先輩はどこから用意したのか『0.01ミリ』と書かれた新品の箱をこちらに差し出した。
以前黄色の袋の中にあったような気がした例のアレだ。
俺はその時、先輩はこうなることをずっと待ち望んでいたんだと察した。
ーーーーー
「あ、後輩くんだ。今夜ごはん作ってるところだよ!」
「…先輩……」
「ん、どうしたの後輩くん?」
(ばっ)
「えっ」
「先輩…………俺」
(がっ)
「ちょっ、後輩くん何するの……! ち、近いよ……!」
「っ先輩、俺我慢できないんです……!」
「えっ……?」
「ここ見てくださいよ先輩。俺、もう……」
「こ、後輩くん……」
「先輩がいけないんですよ。先輩が俺を本気にさせるから」
「後輩くんダメだよ……。そんなことしたら、私たち今までの関係じゃいられなくなっちゃうよ?」
「今更何言ってるんですか。最初に誘ってきたのはそっちじゃないですか。むしろそういう関係になりたかったのは先輩の方なんじゃないですか??」
「ち、違っ……昨日のは、一種の気の迷いで……」
「へえ、そういうこと言うんですね、分かりました」
「え、ちょっ……後輩くん!?」
「んは……はんっ……///」
「何ですか先輩。耳、弱いんですか?」
「ち、ちがっ……」
「んっ……、んんん///」
「やっぱり感じてるじゃないですか先輩」
「そ、そんなところ舐められたら、誰だってそういう反応しちゃうに決まってるでしょ……!」
「へえ」
「後輩くん、ち、近……」
「んむっ……」
「……んっ…………んん」
「後輩くん……」
「何だかんだいって、先輩も舌を這わせてくるんですね」
「そ、それは……///」
「ねえ、先輩。……俺、先輩が食べたいです」
ーーーーー
続く。
14日目
「先輩……」
「いいよ……、きて……?」
俺は先輩の下着をゆっくり脱がす。
露になった乳房を優しく撫でると、先輩は甘い声で鳴いた。
俺はもっと先輩の鳴き声が聴きたくて、徐々に攻める範囲を広げていく。
普段見せないような先輩の表情や仕草に俺は興奮を抑えきれなかった。
「先輩、これは何ですか?」
パンツの中のぬめっとした感触。
一瞬で俺はそれが何か気が付いたが、いじわるしたくて敢えて先輩に質問した。
「し、知らない……」
そういうと、先輩は首元に置かれた枕を顔に押し当て恥ずかしがる。
俺はもっともっと愛したくなってしまった。
ーーーーー
「ねえ、後輩くん」
事を済ませ、疲れて抱き合っていると先輩がふと口を開いた。
「後輩くんは私のこと好き?」
そんなの決まってる。
「……好きです」
「えへへそっか! 嬉しい!!」
「先輩は、俺のこと好きですか……?」
「うん! 私も後輩くんのこと好きだよ。私たち両思いだね!」
ちゅっと軽い口づけをする先輩。
何だかとっても心地がいい気がした。
「よかった~、後輩くんがようやく私のことを好きになってくれて」
「え?」
「ずっと前から私後輩くんを自分のものにしたかったんだよ? でも、後輩くんたら私じゃなくてあんな子を選ぶからさ……」
あんな子とは、高校の頃の俺の彼女『宇佐美ウサ』のことを言っているんだろう。
「私辛かったんだよ」
「そう、だったんですか……」
「辛くて、ずっと殺したいと思ってたもん」
「……え?」
「あはは、そのくらい後輩くんのことが好きだってことだよ! よかった、ようやく後輩くんが私を振り向いてくれて。私とっても嬉しいの」
「そ、そうですか……」
「うん! これからもよろしくね!」
ーーーーー
夫婦になるまであと7日
15日目
「後輩くん、ツイスターゲームしよっか!」
先輩の手には、いつかの時にみたツイスターゲームがあった。
「い、いいですけど……でも、先輩。このゲームって確かルーレット回さないといけないですよね? 二人で一緒にやったら多分途中でルーレット回せなくなると思うんですけど」
「ああ、大丈夫だよ。今回のゲームは相手にどこの部位をどこにおいて欲しいか、自分で決めて口で告げる形にしようと思うの」
なるほど。口で指定できるならルーレットを回す必要はないな。
ーーーーー
「次は私の番だね。後輩くんは右手を緑に置いて」
「うっ……お、置きました! 次俺の番ですね。先輩は左足を緑に置いてください」
「よっと、……置いたよ。ふふふ。後輩くん、すごく辛そうな体勢しているね。じゃあ、後輩くんはおしりを黄色につけて」
「え、いいんですか? それしたら俺結構楽な体勢になっちゃいますけど」
「うん、いいよ」
先輩の言う通り俺は尻を黄色につける。
上を見上げて座るような体勢になった。
「じゃあ、俺の番ーー」
(すすす)
「え、先輩……?」
俺が次の指示をしようとしたタイミングでで先輩は俺の上に跨るように座った。
「ちょっと、何してるんですか先輩」
「ん? 後輩くんの上に跨っただけだよ。ほら続けて? 後輩くんは私のどこをどこにくっつけて欲しいのかな?」
ニヤニヤと笑う先輩。その表情と体勢からこれは誘っているのだと分かった。
「せ、先輩の口を、・・・・・・俺の口にくっつけてください……?」
「そっか、後輩くんが言うなら仕方ないな~」
そういうと先輩は待ってましたと言わんばかりに俺の口に口を重ねる。
もう何回かキスをしたからか、何も言わず俺たちはゆっくりと舌を絡め合わせた。
「次は、先輩の番ですよ……俺にどうされたいんですか?」
「えへへ、後輩くんこの数日でだいぶノリが良くなったよね。じゃあ、後輩くんの手でここ触って」
少し照れ臭そうに胸を指さす先輩。
俺は床に着けた両手をそのまま先輩の〇へとくっつける。
「はぁん……」
びくっと身体を振るわせる先輩。
その姿に居てもたってもいられなくなった俺は先輩の声が聴きたくてゆっくりと優しく揉んでいく。
すると、甘い声が締め切った室内に響いた。
「こ、後輩くん……はぅ……次は後輩くんの……んっ、番、だよ……」
わざわざ催促するところを見るに、先輩はもっと欲しがってるみたいだった。
「じゃあ、先輩。……先輩のここを俺の口につけてください」
手で優しく乳首をつねりながら俺は先輩に次の指示を出した。
ゆっくりと服を脱いでいく先輩。
きめ細やかな肌があたりの光によって艶やかに映る。
膝を立てて俺が吸い付きやすいように乳房を口元へと運ぶと先輩は、小さな声「舐めて」とつぶやいた。
俺は先輩のそれを優しく撫でるように舌を這わせてやる。
声が聞こえないように先輩は口元を隠すが、愛撫が激しくなっていくと漏れだすように雌の鳴き声を発した。
興奮が抑えきれない。
ぱんぱんになった下半身に先輩は気がついたのか、先輩は次の命令を発した。
「私も、舐めたい」
ーーー。
ーー。
ツイスターゲームはその後も続いた。
最初は満たしてほしくて指示を出し合っていたが、いつの間にか相手が喜ぶ指示を出し合うようになり、俺たちは互いに互いを満たしあっていた。
何時間もゲームは続き、何回戦もゲームは続いた。
ーーーーー
夫婦になるまであと6日
16日目
「後輩くん、ダメっ。こんなところでしたら料理できないでしょ……!」
「でも先輩。ここ、ほら……もうこんなだよ」
「っ・・・・・//////」
「先輩、ほらこっち向いてください」
「こう……はい、くん……」
「先輩……?」
「後輩くん……。私、……作りたいの」
「料理のことですか……? 料理とこっち、どっちがいいんですか?」
「違うの。私が作りたいのはねーー」
ーーーーー
夫婦になるまであと5日
17日目
「あ、後輩くん……いれて……♡」
「はい……!」
もうそろそろいいだろう、そう思うと俺は避妊具の箱に手を伸ばす。
「あれ……」
「ん、どうしたの後輩くん?」
箱の中には何も入っていなかった。
かなりの個数入っていたはずだが、もしかして俺と先輩はこの短期間にそんなにやったのか……?
「もしかして、もう無いの?」
「は、はい……」
「どうしよう、避妊具それしか買ってないんだよね~」
「じゃあ、買いに行きましょうか……? 流石に無いとダメですよ…俺たちまだ学生ですし」
「でも、後輩くん。今外出自粛命令出てるから外出られないんだよ?」
「ああ……」
そういえば外出自粛命令が出ていたことをすっかり忘れていた。
原因不明のウイルスが蔓延しているせいで今外に行くのは危険なのだ。
「どうしよっか、後輩くん」
「ど、どうしましょうね……」
ゴムを買いにいけないとなると、この先には進めない。
流石に避妊具無しでやるのは危険だからだ。
俺は先輩の身体からゆっくり自分の身体を離す。
すると先輩は俺の頭に手を添えた。
「ねえ、このまま無しでしちゃおうよ」
「えっ……で、でも、……ダメですよ。だって、俺たちまだ学生じゃないですか。流石に危ないですって……!」
「大丈夫だよ、後輩くん。要はここに出さなければいいってことでしょ?」
「そ、それでもダメですよ! だってーー」
「じゃあ後輩くんは我慢できるの? んん??」
先輩の小さな手が優しく愛撫する。
俺は思わず吐息をこぼしてしまった。
「大丈夫。ほら」
ここだよ、と手で誘導してくる先輩。
俺の理性はそこで負けた。
ーーーー
初めての感覚だった。
粘液のまとわりつく感触。
今目に映るこの結合部には、今までのような0.01ミリの壁は存在しない。
これがいけないことだと分かっていながら、むしろクセになってしまいそうな背徳感があった。
体勢を変えて俺の上に先輩が乗る。
先輩の上下運動が、いつにもまして気持ちいい。
「せ、先輩……い、いきそう……ですっ……っ」
「いいよ♡」
「え? ああいやそうじゃなくて、このままだと中に……」
「いいよ♡」
「だダメですって……!!」
流石にヤバいと思って先輩をどかそうとすると。先輩は俺の手を強く握って制止した。
「後輩くん……♡ いいんだよ! ほら、きて!!」
「だ、ダメです、せ、せんぱい!! 出ちゃうから……!!」
「出しちゃえ♡」
「だ、ダメ……あっ、、、」
「あっ………」
ーーーー。
俺の頭の中はまずいことをしているという気持ちと快感でぐちゃぐちゃになった。
目の前にはニヤニヤと笑う先輩。
俺には彼女がどうして笑っているのか理解できなかった。
だって、こんなことしたら妊娠してしまうかもしれないからだ。
「せ、先輩……どうして、どいてくれなかったんですか……」
「えへへ。だって私昨日言ったじゃん」
「え?」
「私が作りたいのは、後輩くんとの子供だってーー」
ーーーーー
夫婦になるまであと4日
18日目
「私ね、後輩くんと子作りしたかったの!! これで後輩くんはお父さんとして、しっかりと責任を果たさないといけないよね? 私もお母さんとして頑張らなきゃな~!」
「ま、待ってください! でも、俺たちまだ学生なんですよ?!」
「うん、そうだね~! もしかしてお金とかそういうことを気にしているのかな? あはは、大丈夫だよ。お金なら全部私が用意してあげるからね。 実は私ね、学生しながら在宅でお仕事もしっかりやっているんだよ。そこら辺のサラリーマンよりも稼ぎあるから、全然お金の問題はないの。ここの家賃って実は月15万円くらいなんだけど、でも後輩くんはほとんど払ってないもんね? 水道代も光熱費も、ね?」
「そ、そうだったんですか……」
「うん、そうだよ! 後輩くんが今この家で生活できるのは私のおかげなの。食べ物も寝床も娯楽も快楽も、全部私が後輩くんに提供しているんだよ!!」
「……」
「後輩くん安心して。全部私に任せてくれればいいんだよ。だってシェアハウスするとき言ったよね? 『管理してあげる』って!!」
そういえば、確かにそんなことも言っていた。
「後輩くん、大学辞めちゃおっか! 辞めて私のヒモになろう? その方が幸せだよ。永遠にこの家で私と幸せに暮らすの。いいでしょ??」
「え、でも……大学は流石に辞められないですよ。だって、それじゃ俺の将来って」
「あはは、だからヒモになろうって言ってるんだよ。ああ言い方が悪かったかな。専業主夫になってねって言ってるの。苦労して働かなくていいんだよ? これって素晴らしいことなんだよ??」
「で、でも……」
「まあ、後輩くんがいくら大学に行きたかったとしてももう大学には行けないんだけどね」
「え、?」
「実はね、後輩君。世界的にウイルスが蔓延しているって話、あれ嘘なんだよ。外出自粛命令は確かに出たけどね、実はあの数日後に命令は解除されたの。もう外はとっくの等に自粛ムードは無くなっていつもの日常になってるよ(笑)だから大学ももう普通に始まってるの。後輩くんはもう必修の授業を全部3回欠席してるから留年は確定だし、お友達もみんな後輩君のことなんか忘れてるよ。もう、今から行ってもいいことなんか全然ないんだよ~」
「そ、そんな……!」
「もう、いいじゃん。大学のことなんか忘れようよ。何だかんだ言って後輩くん、この数日間とっても楽しそうにしてたよね? いっぱいエッチなことしたもんね? 気持ちよかったでしょう?? それがこの先もずっと続くんだよ! 後輩くんは私と仲良く死ぬまでずっとずっとずっーっと、愛し合うの。ね、素晴らしいよね??」
「……」
「まあ嘘ついちゃったのは謝るよ。ごめんね。後輩くんだってやりたいことあったかもしれないもんね。でも大丈夫。私が付いてるから、私が許す限りの夢は叶えてあげるよ。そうだね~、『私以外の女に会ってはいけない、見てはいけない、話してはいけない』っていう条件をクリアできるものだけね」
そんなのほとんど何もできないも同然じゃないか……。
俺は、まんまと先輩に騙されていたんだ。
「そういえば後輩くん。実は私、生理数日前に来てたんだ。だから、今が一番着床しやすい時期なんだよ~。私たちの間に生まれてくる赤ちゃんのためにもさ、」
「そ、そんな……でもーー」
「拒否権なんか無いんだよ。私は堕胎するつもりはないから。逃げても一生追いかけまわすし、私を捨てて別の女と結ばれようものなら結婚式にヤリ捨てした証拠映像を流してめちゃくちゃにしてあげるからね♡ もう後輩くんには私という選択肢以外残ってないんだよ! ね、分かったかな?」
にっこりと笑う先輩。
脳の整理が追い付かないまま、俺はただただ黙ってその場に寝転がっていた。
ーーーーー
日が明ける。
昨日あったことを俺はずっと脳内で反芻していた。
夫婦になるまであと3日
19日目
流石に学校に行かなきゃヤバイと思った俺は支度を済ませ玄関へと向かう。
靴を履き替えていた時だった。
「後輩くん。何で玄関にいるのかな?」
びくびくと振り返ると、そこには満面の笑みの先輩がいた。
「えっと、いや……大学に」
「私大学に行っても無駄だって言ったよね? 後輩くんはもう留年確定なの。今から授業を受けに行っても何の意味もないんだよ?」
「うっ……」
「ねえ、後輩くん。後輩くんは私の物なんだよ? そこのところ分かってる?」
「俺は……先輩の物じゃ」
「へえ、そういうこと言うんだ。この家の家賃とか光熱費とか後輩くんは払えるのかな?
そして、私を穢した責任取ってくれないっていうの??」
「そ、それは……」
「後輩くん。私後輩くんのこと愛してるよ」
「えっ」
「世界で誰よりも愛してるの。だから、私を置いてどこかに行っちゃうのは嫌だな~。あっちでもっと楽しいことしよ?」
そういうと先輩は俺の腕を掴んでそのまま居間へと連れて行った。
「そこに座って」
「え、何で……」
「いいから」
「……」
「後輩くん、今から何するか言わなくても分かるよね?」
「え、いやわ、分かんないですけど……」
「嘘つき」
そういうと先輩は俺のチャックに手をかける。
するすると細い手で布をはぐと、先輩は優しく握った。
「あれ、後輩くん。もしかして興奮してるの?」
「ち、違いますっ」
「じゃあ、これは何かな~?」
意地悪く聞いてくる先輩。
不信感を抱いていても、身体は反応してしまう。
「いただきます♡」
「あっ」
有無を言わさず、ぬるっっとした感覚が包む。
揺れる髪の毛。
普段ドSな先輩が今こうして奉仕をしている様に俺は背徳感を感じざるを得なかった。
挿れたい、挿れたい挿れたい挿れたい……
先輩の舌使いが刺激的になるたび、心の底から欲望が湧き出る。
挿れたい、挿れたい挿れたい挿れたい……
俺の心の内を読んだのか、ジーンズとパンツを脱ぎすて跨る先輩。
これが危険なことであることが分かっていながら、俺の性の衝動は押さえきれなかった。
リズミカルに跳ねる先輩に合わせて俺も動く。
濃厚なセッションに、俺は陶酔していた。
気が付けば日は沈んであたりは暗くなっていた。
静かな居間に吐息と破裂音が響き渡る。
避妊なんて言葉はもう忘れてしまったらしい。
タガが外れたように、俺は何度も先輩に出した。
この先も永遠にこんな可愛い子とこうして過ごせるならいいじゃないか。
もうどうせ、大学に行っても意味ないんだし。
そう、心の中で諦めかけている自分がいた。
「よしよし。大丈夫。私が永遠に愛してあげるからね」
ーーーーー
夫婦になるまであと2日
20日目
「もう、6月か」
あれからちょうど1年が経過した。
気が付けば俺は大学を辞めて、無職のニートになっていた。
友達とも疎遠になり、俺の知り合いは一緒に同居している先輩だけ。
※イラストがR18指定されてしまったので現在公開していません。
「先輩……、俺もう我慢できそうにないです……!」
「いいよ、……来て後輩くん!!」
がっちりと脚で腰を押さえられ、俺はなすすべもなく何度も先輩の中に出した。
何度も、何度も。
この1年間、俺は数えきれないくらい先輩と身体を重ねてきた。
ずっとこの家で。
まるでケモノのように。
ーーーーー
「ねえ、後輩くん。私、できたみたいなの♡」
「も、もしかして」
「うん、私たちの子だよ♡ 後輩くんももうお父さんだね!!」
「は、はい……」
「後輩くん、何その反応。そんなんじゃお父さんやっていけないぞ~」
「だって、俺今大学にも通ってない無職ですし……自信ないですよ」
「あはは、そっか~。実は私もあんまり自信ないんだ。だけどね、後輩くんとなら上手くやっていけると思うの」
「先輩……」
「この子のためにも、これから一緒に頑張ろうね?」
「はい」
「ねえ、後輩くん」
「ど、どうしたんですか?」
「これ……!」
先輩の手には指輪の入った箱が入っていた。
するするっと、大きい方の指輪を俺の左手の薬指にはめる。
「子供ができたのに私たちが夫婦じゃなかったらおかしいでしょう?」
「そ、そうですけど」
「結婚しよう? ほら、この紙に必要事項書いて」
俺は言われた通り『婚姻届け』に名前を書いた。
「じゃあ、役場に届けに行こうか!」
ーーーーー
次回最終回
21日目
結婚を決めた俺は父親としてやれることはやろうと心に決めていた。
妊娠した先輩の体調のことを考えると、なるべくストレスを与えないようにしたい。
そんな思いから俺は求人サイトで就職先を探していた。
けれど外で働く仕事をしようとすると先輩は決まって働かないでと泣きついてきた。
どうやら、俺が近くにいないと不安になってしまうらしい。
幸い先輩の貯蓄はかなりあり、先輩自身も在宅でできる仕事をしているので俺は家事全般をやって生活を支えた。
先輩のお腹は日に日に膨れていく。
その様子が何だか尊くて、俺はますます自分の子供に愛着が湧いた。
けれど先輩は日に日につまらなそうな顔をするようになっていった。
検査でお腹の子が女の子だと分かると、先輩の目から光が無くなっていた。
恐らく出産が怖いのだろう。
新たな命の誕生というのはとても神秘的で、だからこそ不安にもなるものだ。
俺は先輩が折れないように必死にメンタルケアをした。
やがて生まれてくる娘のために俺はずっと気を張っていたんだ。
だけど、ある日悲劇は起こってしまった。
お腹の赤ちゃんが死んでいたのだ。
その衝撃の展開に俺はひどく落胆した。
恐らくこの衝撃は人生で一番だったかもしれない。
ただただ悲しかった。
罪悪感と悲壮感で胸がいっぱいだった。
恐らくこの気持ちは、俺よりも先輩の方が強いだろう。
なんせこの数か月間、先輩は赤ちゃんを身ごもっていたんだから……。
でも先輩は死産した後、妙に明るくなった。
その様子は明らかに不自然だったので俺は少し心配だった。
恐らく、辛い現実から目を背けたいのかもしれない。
もしくは年下の俺に対して気を遣っているのかもしれない。
笑顔の先輩を見るたび、俺は無理させていないか心配になった。
こんな苦労をさせてしまったのは俺にもせいだ。
俺は夫として、妻である先輩を一生支え続けていこうと決心した。
ーーーーー
お腹の中の赤ちゃんが育っていくにつれて後輩くんは段々とお腹の赤ちゃんに興味を抱くようになっていった。
私ではなく、このお腹の子に、だ。
親が子供に興味を示すのは当然のことだろう。
けれど分かっていても私には辛かった。
後輩くんが私以外の誰かに取られてしまうことに私は危機感を抱いていた。
お腹の中の赤ちゃんが女の子だと分かった日、後輩くんは凄く喜んでいた。
けれどその喜びは私に対しての喜びじゃなかった。
どうやら私は何か勘違いをしていたらしい。
後輩くんを私以外の女から遠ざけて、その上で既成事実を作れば後輩くんは私のものになるんだとばかり思っていた。
計画は上手くいき、後輩くんは私と生きる覚悟を抱くまでになったが……でも結果はどうだろう、今の後輩くんは私じゃなく子供に興味を持っている。
私は夜中、後輩くんに隠れてお腹を叩いた。
「お前のせいで、私の大切な人が私から離れていくんだ。お前なんか消えちゃえ」
お腹の赤ちゃんを殺すために私はあらゆる手を尽くした。
案の定赤ちゃんは死に、私は死産した。
ようやく邪魔者が消えたと思うと私はとても心が軽くなった。
自分でも思うが最近は笑顔が増えたように感じる。
あの一件以来、後輩くんは私に更に優しくなった。
恐らく私が辛いと思って気を遣ってくれているんだろう。
申し訳なさもあったが、何にせよ私に優しい後輩くんは好きだ。
赤ちゃんが消えてくれたおかげでこうして後輩くんが私のことをさらに想ってくれたんだと思うと、とても幸せな気分になった。
やっと、願いが叶ったんだ。
ーーーーー
終わり。