俺は、至って普通の……人は、主観でしかモノを捉えることは出来ないのだから、俺にとってはこれが普通で…とは言え、世間一般の物差しで測るならば、そして実際に物差しで測った結果、26cmのちんこを持っている俺は “巨根” ということになるのだろう。
どうして急にそんな話をしているかと言うと、今から起こる出来事に “この巨根が関わってくるから” と言う他ない。
俺の目線の先、まっすぐ進んだその先には、背丈が3尺6寸ほどの童女が居て……
どんっ!
俺は童女にぶつかった。
「痛っ!」
「…あぁ〜悪い、ちっちゃくて “見えなかった” わ……」
全くの嘘である。
俺はしっかりと童女を認識していたわけで、それでいて “わざと” 童女へ目掛けて “ぶつかりに行った” のだ。
「戯(たわ)けたことを吐かしよって、ウチを誰と心得る? かの有名な酒呑童子(しゅてんどうじ)であるぞっ!! よもやそうと知らぬ狼藉ではあるまいな?」
「………(…戯け、か。言い得て妙だな……)」
もちろん知っている。
よく知っての行動だ。
面白さを求めて行う、遊び、芝居…… “戯(ぎ)” 。
俺がしているのは、そんな戯(たわむ)れ、遊戯(ゆうぎ)である。
こいつは、歴史的にも有名な酒呑童子。
偽りでも何でもなく本物で、頭に二つの角を持つ悪鬼。
元を辿れば平安時代に生きたとされる鬼だが、こういった伝承・伝説の類は時代をこえて何処にでも存在し、覚えている者がいればそれだけで顕現させる。
生まれ変わりとも、憑依とも呼べる霊障によって、この時代にもこいつは生まれ落ちた。
人の心象から生まれた酒呑童子は、その姿・背格好がイメージに引っ張られる。
目の前の酒呑童子は紫色のショートヘアに、同じく紫色の瞳を持ち、妖艶で魅惑的な声。
少し着崩されたと言うか、子どものようなロリ体型には不釣り合いな大きさの着物。
ブカブカで、肩や胸元を露出させており、靴は履いておらず裸足。
そのうえ、白くすらっとした生足を惜しげもなく見せるなど、扇情的な格好をしていた。
「おい人間? 何を黙って……いや、笑っておるのだ???」
ある “期待” から俺の口元は緩み、ニヤけていた。
なぜなら長年の “望み” が今日、この瞬間に叶うかも知れないからだ。
「何だよ、“ガキ” が難しい言葉を使ってさ…」
静かに、けれども粛々と怒りを溜めている酒呑童子を、俺はさらに怒らせるように煽る。
「ほほう、鬼に向かって餓鬼とはまぁ…日本の鬼(おに)と中国の鬼(き)とでは違いがあるもののじゃなぁ。時代をこえて存在するウチにとっては霊魂や亡霊に近いとも言えるし、あながち間違ってもいないが……だからと言って、“はいそうですか” と聞き流せるものでもないよのう?」
効果覿面、効いている。
自分に絶対の自信がある者こそ、自分よりも下の者からの無礼な態度を受け入れられない。
自分は上なのだと、もっと敬って然るべきなのだという思いが強いのだ。
見た目こそガキだが、実際には何歳か分からない。
もしかしたら本当に10くらいかも知れないし、100を超えているかも知れない。
それに “この” 酒呑童子が何歳であれ、これまでの全ての記憶だったり記録だったりが、どの酒呑童子にも受け継がれて共有されているため、何千年も生きているのと変わらないのだ。
つまり向こうからすれば俺の方が赤子同然のガキなのだから、バカにすれば怒るのも当然なのである。
「鬼? そんな世迷言を誰が信じる? その格好も口調もRP(ロールプレイ)だろ? コスプレするにしたって、もっと時と場所を選んだ方がいいんじゃないのか?」
それでも俺の挑発は止まらない。
そうする理由は、ただひたすらに “この状況を待っていた” のだ。
ここでようやく話は冒頭へと繋がるが、巨根である俺は…巨根であることを最大限に活かして、“粗チンと軽蔑されたい欲” がある。
さも当然の欲であるように言うが、そんな欲は当たり前には存在しない特殊な欲で……しかし当たり前でないのは巨根が希少だからであり、世の中が巨根で溢れていたら…それはそれで逆に粗チンの価値や概念が歪んで、皆が粗チンを保護対象のように大切に扱うことだって考えられる。
そうなってしまえば、俺も粗チンになろうと思わないわけで……俺がこの欲を抱くのは26cmの希少な巨根だからであって、謂わば粗チンは “隣の芝” なのだ。
そんな俺の望みを叶え、欲を解消する者として選んだのが酒呑童子というわけである。
俺を “辱め、蔑み、貶める” と期待し、相手が酒呑童子だと分かった上で、わざとぶつかり、わざと煽るのだ。
「…それにだ。もし本当に鬼だと言うのなら、“神通力” の一つでも見せて欲しいものだな」
神通力とは、読んで字の如く “神に通ずる力” で、言ってしまえば “何事も自由自在にやってのける力” のことである。
「鬼の存在は世迷言と信じぬくせに、神通力を知っているとは珍しいのう」
「……それは…(……しくったか…)」
「どこで耳にしたかは……まぁ良いか…だがのう、神通力とは芸のように見せるものないのじゃ」
「………(……ダメか…)」
「…が、言葉で言っても通じぬのなら、神にも通ずるこの力で実力行使とするしかありゃせんか?」
そう言うや否や酒呑童子は、ふわっと宙に体を浮かべ、そのまま俺の首を取りに掛かるかの如く急降下する。
「ひぃ〜 お助けを〜〜〜」
「カッカッカッ♪ “鬼に横道なし” 、そんなことはせんさ」
ほんの数cm手前で着地して見せ、高らかに笑う酒呑童子。
そして、“鬼は騙し討ちなどの卑怯なことはしない” と告げる。
「…とは言え、これでウチが酒呑童子であると理解できたかえ?」
何度も言うが、“十二分に分かっている” 。
その上で敢えて怯える “フリ” をして、お詫びに “面白い” ものを見せると口にする。
「う、疑って申し訳なかった。……そうだっ! 無礼を働いたお詫びに、一つ面白い提案をさせては貰えないだろうか?」
「ほう、お詫びとは殊勝な心がけだのう。…して、その提案とやらは一体どのような?」
「ゲームは好きですか?」
「…ゲーム……遊戯のことじゃな?」
「そうです」
「ああ、愉しいのは好きだ。酒のつまみになる」
名前に “酒を呑む” とあるくらいに酒好きとして知られ、その由来にもなった酒呑童子は、それが命を落とす一因になったとは言え、今でも極度の酒好きである。
「突然ですが、私には “伝家の宝刀” がございます」
「……その禍々しいほどの気を放つ巨根のことか?」
「!? その通りです…」
「何も驚くことはないじゃろう? ウチの神通力を前にして、“隠し事など不可能だ” と分かるではないか」
「………(……確かに、でもそれじゃあ “俺の思惑” もバレて…)」
酒呑童子は、ニヤリと不適な笑みを浮かべている。
「………(……道化を演じて “踊っていた” つもりが、“踊らされていた” のか…)」
「のうお主よ。早く “希望する” ゲームの内容を述べてみぃ?」
こうなっては後に引けないと言うか、無理して隠す必要もないと、俺は覚悟を持って全てを話す。
「……俺はこの巨根を粗チンとして辱め、軽蔑して欲しいのです。その為のゲームとして、“貞操帯チャレンジ” を提案したいと考えています。その具体的な内容は…」
「…なるほどのう。だがそれでは、ウチが “見て” 愉しむことにはならぬな。う〜ん、どうしたものか。ウチはお主を苦しめるより、苦しむ姿をあてにして酒を呑みたいのじゃが……そうじゃ! 適任がおるではないかっ!! “彼奴(きゃつ)” にやらせよう」
「…彼奴?」
「なに、心配することはない。お主の求めるものは分かっておるし、何よりウチもそのゲームは面白そうで楽しみじゃ! 無下に扱いはせんから待っておれ。準備が出来次第、日を改めて宴の場に招待してやるわ。カッカッカッカッ♪」
そう言うと、酒呑童子はまたふわりと浮き、どこかへ飛んでいってしまった。
「…本当に大丈夫だろうか?」
ポツンと、一人その場に残され俺は不安になる。
「日を改めると言ってたが、この場から離れても平気だよな? いざとなれば神通力で何とでもなるのか??? それよりも彼奴とは誰だ? 俺は “酒呑童子に” と思っていたけど…あの状況で口を挟むことは出来なかったし……彼奴、まさか男じゃないよな???」
そんなことを考えながら、この日は家に帰った。
ーーー 数日後。
「元気じゃったか? 待たせたのう」
鬱々としていた俺の目の前に、酒呑童子が舞い降りる。
「(……本当に来た。まずは一安心…)ええ、お陰様で…」
「なんじゃ他人行儀な。それにテンションも低いし、楽しみではないのか?」
「もちろん楽しみですけど、不安の方が勝ってしまって…」
やはり気になるのは、俺の貞操を管理する “彼奴” の存在。
「…どうしても酒呑童子様にプレイヤーをお願いすることは出来ませんか?」
「無理じゃ、ウチはゲームマスター兼オーディエンスなのでな」
俺の願い出は一蹴される。
これ以上は酒呑童子の機嫌を損ねる可能性もあり、最悪なのは “ゲームそのものを止めると言い出すこと” だと判断した俺は、黙って酒呑童子の決定を受け入れるしか無かった。
「あまりゴチャゴチャ言っておると…」
「………(まさか本当に “止める” と言うんじゃないだろうな!?)」
「舌を噛むことになるぞ」
次の瞬間、俺の体は宙に舞う。
「うわぁ!?」
「カカカッ♪ 愉快愉快、実に愉快。そのままウチの根城までゆくぞ」
俺は、酒呑童子の神通力で運ばれた。
担がれるでもなく、フワフワと浮遊した状態だった俺は、まるで海の上で船に乗って揺られているのと同じ状況に陥り……。
「おえぇぇぇぇええええ!!!」
吐いた。
「情けない男よのう」
「そんなこと言われても、あなたと違って空を飛ぶのは初めてなんですから……うぷっ…」
「ウチにかかってきた時には気概のある男じゃと思ったのだが、そんなんじゃ “こやつ” の相手が務まるかどうか心配になってきたわい」
「…?」
吐いて前屈みに俯いていた俺が顔を上げるとそこには、一匹の鬼が立っている。
「ウチの子分、“寝取り童子” じゃ♪」
楽しげに酒呑童子が紹介したこの鬼こそが、“彼奴” であり “こやつ” 。
名前の通りで、寝取りを得意とする鬼である。
ただ鬼にも種類があり、小鬼に属する……つまり、人間で言うところの底辺雑魚。
劣等意識を持ち、鬼の中では短小に当たる16cmのチンコの持ち主。
そう、チンコを持っている “男” だ。
寝取るのだから “異性” である方が都合がいい……と言うか、普通である。
しかし、寝取り童子の “癖” を紐解けば、その理由にも頷ける。
驚くかも知れないが、彼の根源は “純愛” だ。
“略奪愛” の寝取りと、“純愛” は真逆のようにも思えるが…元を辿れば “愛” であって同じである。
そして彼の愛は強く、“嫉妬” にも近い形で存在し、“束縛欲” とも言えるものに昇華される。
そうして生まれた “癖” が、“巨根の愛人に対して精神面の調教をし、雑魚粗チンと見なして、永遠に貞操を封じること” なのだ。
16cmというサイズは決して小さくはないのだが、彼の置かれる環境・種族においてはコンプレックスとなり得て、この癖はその反動だとも言えた。
なぜなら “巨根を粗チンにすれば、相対的に自身が巨根になれる” からである。
だから今日も彼は、“巨根を愛するが故に、世の中の巨根を根絶する” のだ。
「…なるほど、じゃないっ!! ちょっと待ってくれ、こいつが俺の相手をするのかっ!?」
「なんじゃ? 不満か???」
「不満も何もこいつ男だろ?」
「男で何が悪い? むしろ男に堕とされるなんて屈辱的じゃないか? それになんだ、ちゃんとウチが見てやるさかい。目の前にウチがおると言うのに、実際に弄られるのはウチにではなく、ウチに見られながら男に慰めらるのは……嫌か?」
「(……そう言われると興奮するかも…)し、仕方ないなぁ。」
かくして俺と、酒呑童子、寝取り童子との、まさしく “俺の貞操をめぐる” ゲームの開催が決定した。
ーーーーー
「オラは寝取り童子。“巨根NTRマゾ調教の専門家” をやってる」
「(そんな専門家が居てたまるかっ!)……そうなんですね…」
頭の中ではツッコミつつも、口では自然を装う。
「…でだ。酒呑童子様からオマエの話を聞いて考えたゲームがある」
「あの、ゲームに関してなら俺が既に用意して…」
「うるさいぞ、黙ってオラの話を聞け。オマエの用意したゲームは、オマエに都合がいい可能性だってあるし、何より先の展開が読めてしまってつまらないだろう? …それに、オマエには拒否する権利はないはずだが???」
「(…拒否する権利がないとは?)…それはどういうことですか?」
「酒呑童子様から、これは “償い” だと聞いている」
「(たしかに “お詫び” とは言ったけど、少し盛られているような…まぁいいか。意味にそう違いはないのだしな)…ええ、そうですね」
「であれば、酒呑童子様の指示には “絶対服従” 」
「(…服従っ♡♡)」
「オラはその酒呑童子様からオマエを任されているわけだから、オマエはオラにも服従するってことさ」
この場での序列は上から順に “酒呑童子” → “寝取り童子” → “俺” ということのようだ。
「(……こいつにも服従か…でも今は仕方ない。あくまでもこいつは酒呑童子の “代わり” に過ぎない。俺を責める様子を見てダメそうなら “つまらない” と、酒呑童子が変わってくれるはず…そう信じて従っておくしかないか)…分かった。“お前” の言う通りにしよう」
寝取り童子の言い分を受け入れはしたのだが、俺の放った言葉が気に入らなようで怒鳴られる。
「おい! オマエはオマエだが、オラはお前ではなく寝取り童子 “様” だっ!!」
「(己の立場をはっきりとさせるつもりか)…わ、分かりました。寝取り童子様……」
「それでいい。さて話を戻すが、ゲームの内容は至極単純で “ちんこ比べ” だ」
「…ちんこ比べ? 俺と……誰のですか???」
確認のために改めて言っておくと、俺は26cmのちんこを持っている。
だから誰が相手であろうと、そう簡単には負けない自信があるのだ。
「誰ってそりゃあ、決まってるじゃないか。この場に居るのはオマエを除いて “酒呑童子様” と ”オラ” だけだろ?」
「(…であれば、やはり……)しゅ…」
「オラだよ!」
「(……ですよねぇ…)」
気持ちだけで言うならやっぱり酒呑童子に相手をしてもらいたいのだが、“ちんこが生えていない” のでは比べることもできないので……いや、鬼に人間の常識が通じるとは限らないし、酒呑童子にちんこが生えている可能性も…ないか。
「……大変申し上げ辛いのですが、それではゲームに…」
俺のちんこが大きいという以前に、寝取り童子のちんこが小さいという事実がある。
そのため勝負にならず、俺の勝ちが見えていると思えてならないのだ。
「は?」
「(…やったか!?)」
逆鱗に触れてしまったのではないかと感じたが、寝取り童子の反応は違った。
「オラだってそんな事は “分かっている” さ」
「…はい? ではどうして???」
なぜ勝てないと分かっていてゲームをするのかが不思議でならない。
「けどな、やってみないと “分からない” 事だってあるからだよ」
「………(矛盾してやいないか? 一体、何を言ってるんだ???)」
“分かっている” と “分からない” 。
数秒もしない間に相反する事を言う寝取り童子。
しかし、それについて言及するより先に話を進めてしまう。
「それよりもゲームの説明を続けるぞ。一度しか言わんからよく聞いておけよ?」
「あ、はい」
「実際にちんこを比べる方法だが…ゲームの開始から “1時間後” に、この30cm定規を用いて測定をし、“その時に” ちんこの長さが長かった方の勝ちとする……以上だ」
「………、えっ!?(それだけ? すごくシンプルで分かりやすいと言えばそうなんだけど、どうしてすぐにではなく1時間後なんだ? …いや、そうかっ! ちんこが最大を時を競うのであれば納得できる。1時間の間に勃起させればいいってことだなっ!! …しかし、勃起のタイミングを1時間ちょうどに合わせるとなるとすぐにシコるのは得策ではないな。勃起の状態を維持できる時間を見極めないと測定の時に萎えてしまう可能性も……シンプルだと思ったが、これは意外に高度なゲームなのかも知れん)」
勝手に深読みし、想像を膨らませていると、少し離れた場所から声がした。
「こっちの準備は終わったのじゃが、そっちはまだかのう?」
声の主は酒呑童子だ。
その傍を見れば、大量の酒に食べ物と……まさに宴の様相を呈する。
俺と寝取り童子のゲームを観覧する準備が整ったというわけである。
「………(本当に参加はせず、ただ見ているつもりか)」
黙っていた俺に、寝取り童子が耳打ちをする。
「負けた時には、当然 “罰” もあるからな」
「…罰って?」
「ほら、酒呑童子様がお待ちだ。行くぞ」
寝取り童子は、俺の問いを無視して話を進める。
罰の内容は気になるものの、主催であり、主賓であり、主人である酒呑童子を待たせるわけにはいかないと、俺は寝取り童子に従うことにした。
「お待たせして申し訳ありません。これより始めさせていただきます故、酒呑童子様より開始の合図を頂戴したく思うのですが……」
寝取り童子からの進言を受け、酒呑童子が言葉を発する。
「よかろう。では始めよっ!」
ついに、酒呑童子の一声でゲームが始まった。
…しかしながら、俺も寝取り童子も目立った動きをする様子を見せない。
そのまましばらく、何も起きない時間が過ぎる。
それも当然で、たとえ “俺のちんこに持久力がある” と言っても、1時間もの刻を勃起させた状態で保たせることは不可能だからだ。
「………(勝負をかけるのは、早くても15分前。それまでは “何もしない” のが吉。見せ物としてはつまらないかも知れないが、これは “真剣勝負” なのだから仕方がない……仕方がない、のか? 真剣勝負? 本当に? これは “ゲーム” では無かったか? …そうであれば ”遊戯” であって、手を抜くのは違うにしても、一切の遊び心を持たないというのも違うんじゃないか?)」
悶々とする俺に、酒呑童子が “救いの手” を差し伸べる。
いや、実際は…地獄へ誘い、引き摺り込む手であるのだが……。
俺はその手を取った。
「ほら、ウチの体を使っても良いのだぞ?」
…だって、こんな誘惑をされたら乗るしかないだろ?
酒呑童子は着物を脱いで、綺麗なロリ体型の体を露にする。
着物の下には何も身につけておらず、一糸纏わぬ生まれたままの姿を晒した。
「それって!?(好きにしていいのか???)」
「まぁ見るだけじゃがな♪♪」
「そ、そんな殺生な……」
これ以上に “生殺し” という言葉が合う場面はないだろう。
…とは思うが、それでも十分なほどにエロく、俺を興奮させる。
「(ちんこに触れるか? まだ我慢するか?)」
「…なんじゃ、女子にここまでさせておいて乗ってこないとはのう……実に男らしくない女々しいやつじゃな」
「(……いや、俺は絶倫なんだ。1回くらい出したってすぐに勃つ! 受け取ってやるぜ、その引導っ!!)」
シコシコシコ
一般人であれば賢者タイムに入ってしまい、再び勃起するのにはそれなりの時間を要するのだろう。
これは当たり前と言えば当たり前だが、酒呑童子が見学するだけの身ではあっても、別に中立の立場というわけではなく、寝取り童子の側に付いているはずである。
だから俺を誘惑し、勃起させ、萎えるように仕向けているのだ。
シコシコシコ
「(…そのままでは俺に勝てないから、こうすることで寝取り童子を勝たせる算段に違いない……だが、俺の実力を見誤ったな)」
シコシコシコ
俺は酒呑童子で見抜きする。
「本当にシコっておるぞっ♪ こんなに近くにおると言うのに、ただウチの体を見るだけで…何とも惨めじゃのう……キャハハハッ♪♪」
貶され、俺はシコる手を早める。
シコシコシコシコシコ
「うわっ、言葉責めされてスピードを上げおったぞ!? …きもっ♪」
シコシコシコシコシコ
シコシコシコシコシコ
分かっていて、わざと俺を喜ばせる言動をする酒呑童子。
シコシコシコシコシコ
シコシコシコシコシコ
シコシコシコシコシコ
俺のシコる手はさらに早まり……。
「(まずい、ペースを上げ過ぎたか)もう出るっ!」
開始から20分くらい経った頃、俺は一回目の射精をする……はずだった。
…けれども、そうはならなかった。
俺の考えの “全てが間違っていた” 。
酒呑童子が己の体を好きにさせたのは、本当にただ余興のためでしか無かったのである。
俺のちんこが完全に勃起した瞬間、静観していた寝取り童子が動く。
「神通力っ!」
「なんだと!?(寝取り童子も使えるのかっ!?)」
“実力を見誤っていた” のは、他の誰でもなく俺の方だった。
「……う、動けない…」
寝取り童子の神通力、それは “金縛り” だった。
「くそっ、これじゃあちんこをしごけない。妄想だけで膨らませるのには限界があるぞ…」
“このまま俺のちんこは射精すら決められぬ状態で残りの時間を過ごすのか” と、ちんこが萎えるよりも先に俺の心が萎えそうになる。
しかし、寝取り童子がそれを許さなかった。
もっと鬼畜な……いや、結果的には “俺好み” の出し物を用意していた。
「それだけじゃ無いぞ?」
「何っ!?」
そう言って寝取り童子が取り出したのは、350mlペットボトルと言えば伝わるだろうか、大きさ(高さ)にして15cmくらいの筒状の容器である。
「今から “これに” オマエのちんこを入れてやるからな?」
元々26cmある俺のちんこが、ましてや今は勃起した状態で、そんな物に収まり切るはずは無かった。
「ちょっと待ってくださいよ、そんなのに入れてどうするんですか? オナホにしては気持ちよさそうにもに思えないし、何よりもサイズを間違えてませんか? 先っちょだけって感じですか?」
「待つのはオマエの方だ、焦るなよ。これをこうしてっとだな…」
寝取り童子が容器の中に “氷水” を入れる。
「なぁこれでもまだ、その大口を叩くことができるか?」
「なっ!?(おいおい冬のワカサギ釣りじゃないんだから、そんな極寒の穴にちんこを突っ込むなんて…いや、ワカサギ釣りもちんこは突っ込まないか……)」
…と、ツッコミを入れながらも “恐怖と寒さに” 二重の意味で俺はガクブルと身震いした。
「カッカッカッ、これは見物じゃのう♪ 酒が進むのじゃ♪♪」
大喜びの酒呑童子を横目に、ちんこの先端が触れる。
「う"〜"〜"〜"〜"っ"、冷てぇぇぇぇぇえええ〜〜〜〜〜!?」
大袈裟ではあるが、何の変哲もない至って普通の感想が漏れた。
「…騒ぐのはまだ早い、凄いのはこれからだぞ?」
「え?」
次の瞬間、俺のちんこを襲ったのは “痛み” だった。
「いってぇ(なんだこれは…チクチク・ヒリヒリとするような、冷たいはずなのにジンジン・ジクジクと焼けるような……)」
痛ぇではなく凍て。
俺のちんこは、霜焼けや凍傷に近い状態になっているのだ。
「……う"ぅ"ぅ"ぅ"う"う"う"…」
続けて、俺は情けない声を上げる。
「(触りたい、触りたい、触りたい、触りたい、掻きたい、掻きたい、掻きたい、掻きたい)」
痛みの次は、痒みが俺を襲う。
しかしながら、ただちんこが容器の中に入っているだけでなく、金縛りをされていて体の自由を奪われている俺には、何も成す術などない。
「おおー♪」
俺の嘆く声とは反対に、傍からは感嘆の声が上がる。
「見よ♪ 見よ♪♪ どんどん呑み込まれてゆくぞっ♪♪♪」
俺がどう感じていようとそちらを気にする様子はなく、酒呑童子の興味は “俺のちんこにだけ” 向いていた。
初めは10cm以上も容器から飛び出していた俺のちんこが、徐々に…徐々に……容器へと収まっていく。
「ちんことは面白い物じゃのう♪」
まるで新種の生物でも観察をするように見つめる中で、俺の勃起したちんこは冷やされ、縮まり、小さく、小さくなって…通常の26cmよりもさらに、さらに短くなって……最後にはソーセージからポークビッツにその見た目を変えた。
「……お、俺のちんこが…」
その時点で1時間が経過し、計測の時を迎える。
わざわざ測らずとも、ぱっと見ただけで勝敗がハッキリと分かる。
それでも見せしめるように、敗北を理解させるように、しっかりと測定をした。
「たったの6cmか、オラの勝ちだなww」
「カッカッカッ♪ してやったと言うか、さすがは寝取り童子じゃな」
10cm以上も勝っていたはずの俺が、逆に10cmの差をつけられて寝取り童子に敗北した。
「あぁ♡ 負けたっ♡♡」
そうだと言うのに、俺は負けた悔しい気持ちより、負けたことによる興奮の方が勝っていた。
「寝取り童子様ぁ♡♡♡」
俺は、神通力を決してズルだとは思わない。
この結果をもたらしたのは、己の持つ力を最大限に利用した寝取り童子の良策であり、慢心していた俺の失策である。
明らかに格上だった俺を負かす素晴らしい作戦に感服することはあっても、不服に思うことはない。
なぜなら俺は下剋上に、自分より下と見た相手に負けることで興奮するマゾだからだ。
いつの間にか金縛りは解けていたようで、気がつくと俺は “寝取り童子をおかずに” ちんこをシゴいていた。
「ストップだ」
「っ!?」
その声に俺は手コキの手を止める。
「負けたオマエがいい気分になるのは違うよな? 敗者に与えらるのは罰だろ???」
「申し訳ありませんっ! おっしゃる通りですっ!!」
つい1時間も前には酒呑童子がいて、それに追従する形で寝取り童子にも “嫌々” 従っていたはずだった俺が、今や完全に寝取り童子に対して服従していた。
「…で、その罰というのは何でしょうか?(ワクワク)」
「そうだなぁ。これはあくまで酒呑童子様が愉しむためのものだから、罰とは言っても罰 “ゲーム” をして貰うつもりだ。まぁ、さながら2回戦と言ったところだ」
酒呑童子と寝取り童子によるゲームは、これで終わりではないようである。
「まだゲームが出来るのですねっ♡♡」
「ああ、オマエにはまだ頑張ってもらうぞ?」
「はいっ♡♡」
「いい返事だ」
「ありがとうございますっ♡♡」
俺の心は寝取り童子で一杯だった。
…とは言え、勘違いをされないために釘を刺すがこの感情は愛ではない。
見抜きを出来るくらいには女性に対して性欲が働いているわけで、俺の気持ちは今でも酒呑童子に向いている。
だからこれは寝取り童子をではなく、寝取り童子の行為に好意を抱いているに過ぎないのだ。
「…さて罰ゲームについてだが、期限は10日間。その間オマエにはこの “特製貞操帯” をつけてもらう」
「…特製貞操帯?」
「ただ貞操を封じるだけじゃなく “様々な機能” を持っている特別製の貞操帯でな。中でも最大の機能は、“着用者の勃起と射精を禁止し、サイズは変幻自在に変化するため、常に皮膚と密着した状態を保つことが出来る” というものだ。ただし変幻自在とは言っても、変化するのは “一方向のみ” であり、それは “小さい方へ” だけ……つまりだ。それをつけているとオマエのちんこは段々小さくなり、最終的には勃起の仕方を忘れ…いや恐怖し、勃起不全の粗チンになるというわけだ」
「…その話だと10日後には外れるのですよね? つけている間は締め付けられていて勃起できないのは理解できますが、その後でも勃起できないとは…恐怖するとはどういったことなのですか?」
「それはな、勃起に対してのトラウマが生まれるってことだよ」
「……トラウマですか…(一体どんな恐ろしいことが…)」
「その貞操帯の内側には “トゲがある” んだよ」
「トゲっ!? 貞操帯の内側に? けどその貞操帯と俺のちんこは密着してるんですよね???」
「そうだ…だから10日間、オマエのちんこにはトゲが刺さることになる」
そんなの想像するだけで痛い。
いや、果たして痛いで済むのだろうか。
これは確かにとんだトラウマものだが、俺の体は武者震いする。
「何じゃお主、これでまだ興奮できておるとは驚きじゃな! ウチならこんな惨めで、拷問じみたことをされると聞いたら逃げ出したくもなるわい……まぁ、こない愉しそうな見せ物から逃しはせぬがのう…」
自分がやられるのは絶対に嫌だけど、他人がやられるのを見るのは愉快だと言う酒呑童子。
そして裏を返せば、“これを喜んで受ける者は、普通でない” と言っているのと同じであった。
「(……本当に酒呑童子はマゾ心をくすぐってくれるな…♡♡♡)」
「まだ説明は終わってないぞ。そのトゲには “感圧機能” が備わっており、実際には勃起することは叶わずとも “ちんこの膨らみを感知する” 。それを “勃起蓄積時間” として記録し、その時間60秒ごとに貞操帯の時間が1日増加することになっている」
「……ふ、増えるのか。じゃあ10日で終わらない可能性もあると…」
こんな仕様を用意するくらいだから “可能性” などという不確実なものではなく、むしろ10日で終わらせる気が無いと言った方が正しいのだろう。
「…さてとだ。説明は一旦この辺にして、そろそろ貞操帯をつけようではないか」
そう言って、貞操帯を持った寝取り童子が近づく。
ズズっ!!
「(寝取り童子様がつけるのかっ!?)」
ズサっ!
一歩退く俺の歩幅よりも大きい一歩で詰め寄る寝取り童子。
ズズっ!!
貞操帯をつけるのは、ただでさえ恥ずかしい行為だというのに……それを女につけられる惨めさもさる事ながら、男につけられる屈辱さには計り知れないものがある。
「(……うぅ、せめて酒呑童子様に…)」
カチャカチャ、モニモニ、カシュ、ガコッ!
しかし口には出せず、俺は初めての貞操帯を男である寝取り童子に捧げた。
「ここを通して、こっちに嵌めて、これを被せて、この部分を調整して……ボタンを押せば…」
貞操帯が収縮し出す。
「………(……これが変幻自在と言っていたサイズの調節機能か…)」
しかし貞操帯の素晴らしさに、こう呑気なことも言ってはいられない。
収縮が始まったということは当然……。
「うぐっ!」
内側に存在するというトゲが、俺のちんこに刺さるのだ。
そして、少し食い込んだくらいのところで収縮が止まる。
「あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"あ"あ"あ"あ"」
まだ痛みに慣れない俺は、かつて出したことないほどの汚い声を発する。
「カッカッカッカッ♪ 実に良い声で鳴くのう♪♪ こんなに活きが良いのを聞いたのは、平安貴族を拷問にかけたとき以来じゃ♪♪♪」
「う"ぅ"ぅ"る"る"る"る"る"」
まるで獣のような呻き声で痛みに耐える俺。
しばらくして、ようやく我慢できる程度には落ち着く。
「……はぁ…はぁ…(一時は潰されて無くなったのかと思ったが……いや、もう十分にお亡くなりなっているかも知れないけど…それでもこれ以上は縮まらないところを見れば “感圧機能” も働いていると安心できるな)」
感圧機能は、勃起蓄積時間を計測するだけでなく、必要以上にちんこを圧迫しないためのセーフティー機能も担っているのだ。
「ようやっと落ち着きおったか、では仕上げといこうかのう。寝取り童子よ」
「御意に」
「…し、仕上げですか?」
「ああ、貞操帯を外す方法は2種類あってだな。ひとつは期限を迎えること、そしてもうひとつは “専用の鍵” を使うこと」
「…鍵があるんですね!」
何か手違いで永久に外れないなんてことが起きたらという心配は失われた。
しかし同時に、別の問題が浮上する。
「その鍵は酒呑童子様が持っておられる」
「これじゃよ♪」
手で持ってヒラヒラと振って見せる。
「仕上げとはこの鍵で…」
カチャリ!
「封印じゃ♪」
「それでその貞操帯は、先に言った2種類の方法以外では決して外れなくなった。一応の最終手段として、オマエのちんこを貞操帯ごと切り落とすことで外すことは可能だがな」
「(それはちんこが小さくなる以上に取り返しがつかないでしょ。何としてもその未来だけは回避しなければ……そのためにはあの鍵をって、あれが見た目通りのガキであったなら簡単に奪えるが…まぁ無理だな)」
浮上した別の問題、それは鍵が存在すれども俺にはその使用選択権がないことである。
それではあってないような物であるが、無いよりはマシとするしかない。
「…にしても、至って普通の鍵ですね」
「そうでもないのだが…まぁよい、“ここにでも” 付けておくかのう」
「?(ん? そうでもないとはどういうことだ???)」
酒呑童子は鍵の存在を隠さず、見えるように裸足の足首に掛ける。
「(くそぅ、何であんな取ってくれとでも言っているような場所に……けれどもやはり無謀。いざとなっても酒呑童子の目を盗んで鍵を取るなんて不可能だろ…もし寝首を襲えれば、いや殺されるな)」
酒呑童子を退治した源頼光らのように、とも考えるが俺は一人だし、何より同じ手を二度もくらうとは思えなかった。
「ああそして最後に、期間中はオラと酒呑童子様からの様々な責めがあるから “期待” しておくといい」
「よろしゅうな♪」
「はいっ♡(様々な責めっ♡♡)」
“注意” ではなく、“期待” 。
俺の性癖を確実につく言い方だ。
バカにしていた “巨根NTRマゾ調教の専門家” というのも、あながち間違っていないと言うか……実力はその名に恥じぬ本物のように感じられた。
「…とは言っても、“時間はたっぷりとある” んだ。今日はオラも疲れたし、もう休むといい」
「うぬ。ウチも眠くなってきたし、そうするが良い……そうじゃなぁ、ウチはこれで失礼させてもらうさかい。空いてる部屋ならいくらでもあるから好きなところを使え、他にもこの施設のものは自由に使ってよいからな…ほなまた」
それだけ言うと酒呑童子は姿を消し、後に続く形で寝取り童子も去って行く。
この根城の主人である酒呑童子に許可を貰った俺は、ひとまずゲームの期間中はここで過ごすことになるのだった。
ーーーーー
一人その場に残された俺は、こうしていても仕方がないので軽く探索を始める。
「寝床として使えそうな部屋だけでも見つけないと…」
少し歩いた程度だが確かに部屋はたくさんあり、誰か居る気配こそないが、ところどころ物が散乱している部屋ばかり。
そんな中で使われていなそうな部屋を見つけ、俺はそこを使わせて貰うことにした。
「自由にしていいと言われたが、知らないところでやることも特には無いし、かと言ってこれ以上は探索する元気もないしなぁ……ふぅ…あっ! そうだ」
一息ついたところで思い出す。
ボーッとすると嫌でも意識してしまうのは、例の貞操帯だ。
「…これは夢じゃなくて現実……」
それを伝えるのは頬をつねる痛みでも、殴られた痛みでもなく、ちんこに刺さるトゲの痛み。
「これを10日間…いや、“それ以上” になるだろうな……」
そう確信じみた何かを感じさせるのは、貞操帯を意識したついでに思い出した先刻の出来事たち。
「酒呑童子様も寝取り童子様も、俺のツボを的確に突いてくるから平常心を保たなければと思っても、それは無理な話だよなぁ……うっ股間が…」
膨らもうとするのを検知し、俺のちんこにチクッとトゲの感触が伝わる。
それによって防がれてしまい、これ以上は大きくはなれない。
「くぅ〜 思い出しただけでもこれだって言うのに、代わりばんこで責めてくださるなんて……んん〜〜〜〜っ♡♡ 最っ高だろっ!!」
そんな風に興奮する俺の股間が音を発する。
正確には股間が音を出す事はないから、股間の方……そう、貞操帯からである。
ピコンっ♪
「しゃべったぁ!? …じゃなくて、何やら音が……」
貞操帯を見ると、小さなモニターが目に入る。
「こんなモニターなんかついてたんだな。しかし一体何のためだ?」
モニターにはデジタル数字で “11” が表示されていて……。
ピコンっ♪
「また音が…って、数字が変わった?」
音と共に、貞操帯にある小さなモニターの数字は “12” へと変化する。
「いや、増えたのか…なるほど、これが言っていたやつか……」
ただ単に数字だけが表示され、“日” という表記はどこにもないが、それ以外には考えられない。
勃起蓄積時間が60秒に達し、貞操帯の期限が1日増えたのだ。
「…まぁこれくらいなら」
数字にしてみれば “1” だが、実際には1時間ではなく1日と、1分の勃起蓄積に対する増加量としては多い。
現にこの一瞬で2度も増えたと言うのに、この時の俺はハイにでもなっていたのか、それとも単純に長くゲームを楽しめると考えていたのか、“これくらい” と軽く見てしまったのである。
そして俺は特に何も考えぬまま床に就き、ここでの初夜を過ごした。
ーーーーー
次の日から、前説の通り酒呑童子と寝取り童子による責めが始まる。
その記念すべき初日は、酒呑童子からの責めだった。
「いつまで寝ておるのじゃ?」
甘い声で目を覚まし、眠気眼を擦って開いた視線の先には、両手を腰に当ててエッヘンと偉そうに立つ……実際にここでは一番偉いのだが…仁王立ちのメスガキ、じゃなくて酒呑童子の姿があった。
「何かよからぬ事を考えておるようじゃのう」
「神通力かっ!?」
「カカッ、墓穴を掘ったな♪」
「はっ! 違います、これは寝起きのせいで…」
「ほう。寝ぼけていたと?」
「はい、そうです」
「…じゃあ特別に……ウチがその目、覚まさせてありんすっ♪」
そう言うと酒呑童子は大きく足を後ろに引き、そしてシュートを決めるかの如く全力で振り抜いた。
ゴーーーーーーーン!!!
ゴールでもあり、朝の鐘…いや、金たまが鳴った音がした気がする。
「ふぁおいふぉゔぁjぬcあyfがんjcお」
しかし現実に鳴り響いたのは、その音の代わりとしては酷く耳障りな、言葉にならない俺の奇声であった。
「どうじゃ? もう一回行っとくか???」
「あ"、あ"あ"…」
「何を言っておるのか分からぬ。そうか、まだ起きてないのじゃな」
ゴーーーーーーーン!!!
「ふでゃfんじゅうりcあcんrはxら…酒て」
ゴーーーーーーーン!!!
「vrhふぁじのmdゔぁhろvh…もう起きて」
ゴーーーーーーーン!!!
「あおいhcねいlhあおhゔぉあbclk……」
酒呑童子にして見れば、すでに俺が起きてるかどうかは関係なく、ただ面白いという理由で蹴り続けているのだろう。
「(……しゅ、酒呑童子様が飽きるまで待つしか…)」
ゴーーーーーーーン!!!
「kぁじあひおdんfjcあおうvっ♡♡」
ゴーーーーーーーン!!!
「あそhゔぉう♡♡♡」
「ふむ。足が疲れてきたのう」
けれども、飽きが来るよりも先に酒呑童子の足に限界が来たようで蹴りが止まる。
「(えっもう終わり?)」
早く終わって欲しいと待っていたはずなのに、いつしか俺は金玉を蹴られることに快感を得ていたようだ。
「お願いです酒呑童子様、もっと蹴ってくださいっ!」
ついには土下座をし、俺は懇願していた。
「嫌じゃ♪ もうお昼だし、腹も減ったのでのう。ウチは失礼するのじゃ」
俺が望んでも、酒呑童子がしたいと思わなければ絶対にやらない。
足が疲れたのだから、お腹が空いたのだから止めるのだ。
それに、俺が楽しむのはあまり面白く無いのだろう。
過度な求めには、突き放すという手段を取ったと言うわけだ。
「…結局、戻っては来なかったな……」
お昼を食べたら続きかと期待したが、この日再び酒呑童子が現れることは無かった。
中途半端で切り上げられ、発散できず沸々と煮えたぎる欲求に、貞操帯の示す数字は “30” に達するのだった。
ーーーーー
翌る日は、酒呑童子ではなく寝取り童子が現れた。
「よお、貞操帯の具合はどうだ?」
「あ、寝取り童子様っ! 別段おかしな痛みなどは無いのですが、逆に刺激不足と言いますか…」
「ははぁん。酒呑童子様から聞いているぞ? オマエ、金蹴りで興奮したんだってな」
「は、はぃ…」
「それで酒呑童子様が帰ってしまわれたから、オラに期待してるってことだろ?」
全てお見通しだった。
自分でするにも足で蹴ることなどは不可能だし、手で弄るにも貞操帯が邪魔をして限界がある。
そこで一番使えそうなのは貞操帯内部のトゲだが、感圧機能により完全に刺さることはなく、程よい刺激にしかならず……結果として無駄に数字を増やすだけになっていたのだ。
「どうかお願いします。このままでは…」
「いいぞ」
「え? いま何と???」
「オマエの願いを聞いてやると言ったんだ」
最後まで言う前に、寝取り童子は了承した。
「本当ですかっ!!」
「ああ。ただし “蹴る” のではなくて、“踏む” ことにはなるがな」
どんな形であれ、刺激をもらえるのであれば構わなかった。
「ありがとうございますっ♡♡」
責苦を与えられるというのに、俺は感謝する。
「それじゃあ仰向けになれ、分かってると思うが…って言うまでも無いようだな」
俺は服を脱ぎ捨て、裸になって横たわる。
「ではお望みのっ!」
グリっ!
「はぅっ♡」
グリグリっ!!
「おぉうっ♡♡」
「本当に踏まれて悦んでやがるぜ」
グリグリグリ、ブチュ。
「ん"ん"〜"〜"〜"〜"〜"〜"っ"♡♡♡」
何かが潰れたような鈍い音がする。
「おっ! 小さくなったか?」
見れば俺のちんこは、6cmよりも一回り小さくなっていた。
「あははっ、俺のちんこってばちっさ♡♡♡」
自分で自分のちんこを蔑む。
ピコンっ♪
貞操帯の期限が延びる。
「おいおい自給自足の自家発電かよ。オラは要らないってか?」
少し不満げな寝取り童子。
「(寝取り童子様、もしかしてイジケテル?)」
もちろんそんなことはなく、俺の勝手な妄想・思い違いである。
「寝取り童子様っ! ちんこだけでなく、顔も踏んでくださいっ!!」
俺は酒呑童子の機嫌が直るようにと提案する。
「まあいいだろう」
その提案に寝取り童子が乗ってきた。
「(よし、これでしばらく…)ぶぁっ!?」
大きな足の裏が顔に迫り、勢いそのまま押しつけられる。
「まずはニオイでも嗅がせてやるよ」
「(これは “ニオイを嗅げ” と言う意味だな!)すぅー、すぅー、ごほっ!」
「あっ? 臭いってか???」
「いえ、滅相もございません。ほら、すんすんっ、すんすんっ!(おえぇぇぇええ、屈辱的でちんこにくる行為だとは言え、臭いものは臭い。正直言って酷いニオイだ……でも逆に、足のニオイを嗅がされているのだと意識できるし、この強制的感がなんともいえない気持ちを呼び起こしてくれる…)すんっ♡ すんすんっ♡♡ すぅーっ♡♡♡」
「嗅ぐのはそれくらいでもういい。オラの足の裏のニオイはもう覚えただろ? 今度は舐めて綺麗にしろ、ニオイが取れるまで終わらないからな」
「(ん? “ニオイが取れるまで” ??? ……なるほど。寝取り童子様は、程度がどうあれ自らの足がニオイを放っていることは承知していて、それでいて俺に “臭いか” と聞いたのか。なんともせこいと言うか、誘導が上手いと言うか…やはり寝取り童子様は流石だなっ♡♡)」
全ての責めや悪意を都合の良い方向に解釈し、戦い(ゲーム)の中で俺のマゾは成長する。
「わかりましたぁ〜♡ 舐めさせていただきま〜すっ♡♡ レロレロレロ、ジュルっ、ジュルっ!」
「…裏だけじゃなく指の間もだ」
「はいっ♡♡♡ ゾゾっ、ジュゾゾゾゾっ!! ジュルルルル、ジュリュ〜〜〜っ!!!」
丁寧に、丹精込めて舐める。
シワの一本一本に舌を這わせて、垢の一つも残さないように刮ぎ取る。
「いいぞ、上手いな、そこだ、気持ちがいい。まるで妖怪あかなめだな」
寝取り童子はご満悦の様子だ。
「ありがとうございますっ♡♡♡ すんっ♡ レロっ! すんすんっ♡♡ レロレロっ!!」
豚が鼻を使ってきのこを探すかのように、ニオイを嗅ぎ、汚れを見つける。
それを舐め取り、次の箇所へ。
繰り返すこと数十回。
「すぅ〜〜っ♡♡♡ 終わりました、寝取り童子様っ♡♡♡」
「…ごくろう。しかし退屈で、眠くなってきたわい……どれどれ、40とちょっとか。これなら急ぐ必要もないな」
貞操帯の数字を確認すると、寝取り童子はどこかへ行ってしまった。
「……昨日の今日でもう40日に…ちとまずいか?」
…と思う俺だが、背に腹は……ではなく、欲望には逆らえない。
それから1ヶ月、ことあるごとに酒呑童子や寝取り童子が来ては “貶されたり” 、“揶揄されたり” 、“甚振られたり” 、その快感で勃起蓄積時間が稼がれる。
中でも酒呑童子の “SPH(Small Penis Humiliation)” ……所謂、“言葉責め” の数々は俺の股間と性癖にクリーンヒットを決めた。
「卑しいオスよ」
「はいっ♡」
「…キモいんじゃが、これ以上近よらないでくれぬか?」
「そんなぁ♡♡」
「なんじゃそのちんこ…いや、珍妙で小さい……珍小(ちんこ)は」
「上手いっ♡♡」
「ざっこ〜♪ ざこちん〜♪♪」
「はーいっ♡♡♡ ざっこでーす♡♡♡」
「あれ? お主メスじゃったか??? あ、悪いのう。ちっちゃくて見えんかったわ♪」
「(あっ♡♡ これは初めて会った時に俺が酒呑童子様へ言った言葉だ♡♡)感っ動っ♡♡♡」
そんなことを繰り返していたある日。
「そうだお主よ、“使用決定権” とは知っておるか?」
「いいえ、それが “何のなのか” も “何についての話か” もわかりません…」
「なんじゃ、寝取り童子の奴めは言っておらぬのか?」
「…はい……」
「仕方ない、ウチが教えてやろう」
「お願いします」
「お主のつけている貞操帯が特別なのと同様に、対となるこの鍵も特別でのう」
そう言って酒呑童子は、鍵をぶら下げた生足を振って見せる。
「じゅるりっ♡」
「おい、馬鹿なことは考えるでない」
“鬼足” ならぬ “御御足” を舐めようとしたことがバレる。
「…すみません」
「真剣な話をしているというのに…まぁ良いわ。お主をこのようにしたのもウチらであるし、文句は言えぬか……して話を戻すが、この鍵は誰でも使えると言うわけではないのじゃ」
「(…そうことなら納得だ。無防備にも程があると思ってはいたが、ちらちらと見せつけていたのはわざとだったか。俺が勇気を出して奪ったとしても使えない。もしもそのような行動を取っていたら、返ってそれを理由に辱めを受けていたことだろうな……なんて惜しいことをっ!…じゃなくて、)その使用決定権の話が何か?」
俺が考えたように “罠に嵌める目的” があったならば、酒呑童子がこの話をするのは不思議である。
一向に行動の起こさない俺を見かねてネタバラシということも可能性としてあるにはあるが、それでも “俺には存在しないであろう権利” の話をする理由には薄い。
だから俺は、“なぜこのタイミングで、どうしてそれを俺に話すのか” を酒呑童子に問い質した。
「…それはな。お主の相手はウチと寝取り童子とで “共に” やっておるじゃろう?」
「そうですね」
「…だがのう、この鍵をウチが持っているということは “共同所有” ではなくて、“お主はウチのもの” というのと同義なのじゃよ」
「そういうものなのですね(なんだってっ!!! 俺は酒呑童子様のものだったのかっ!? …きゅんっ♡♡♡)」
返す言葉では平生を装うが、内心バクバク・ドキドキのウハウハである。
なぜなら俺は、“誰でも良くて偶然に酒呑童子を選んだ” のではない。
この時代の酒呑童子に一目惚れして、しっかりと好きだという感情を抱いてるのだ。
「…しかしだ。この使用決定権は “譲渡” も可能でのう……」
「えっ!?(まさかそれって…)」
一瞬にして俺の心は凍りつく。
「これを寝取り童子に譲れば、お主は寝取り童子のものになるのじゃ♪」
テンション高く、悪い顔をする酒呑童子。
俺の大事なちんこを握られ…ごほん。
大事なちんこの運命を握られ、まるで安物のように軽くやり取りされる。
「……俺のちんこまでもが、もはや俺のモノではないのか…っ♡♡♡」
「何を今更、当たり前じゃろうて。お主のちんこは、最初のゲームで負けた時点でお主のものではないわ。お主の手を放れて、ウチの手の中にあるのじゃよ……でだ、お主はどうして欲しい?」
「………(どうして欲しいかだって? 返してと言って、返してくれるわけでもないのに??? ……っ!?)」
ほんの一瞬 “なぜか” と頭に浮かぶが、それは本当に一瞬で……。
「(酒呑童子様が言ってたじゃないかっ!!)寝取り童子様が “望むのであれば” 、俺のちんこにも等しいその鍵の権利を “譲渡” していただきたいですっ♡♡♡」
俺自らの言葉で権利の譲渡を願い出る。
ただしこれは寝取り童子が望めばという前提。
「…だそうじゃが、寝取り童子よ」
酒呑童子が言葉を発する先には、知らず間に寝取り童子が立っている。
「誰もオマエなんて欲しがらない…と言いたいところだが、その権利は貰ってやる。なぜならこの行為が、オマエと酒呑童子様を引き裂く行為になるからだ」
酒呑童子のモノである俺が、寝取り童子のモノになる。
それは単純な所有権の移動では済まない。
“恋愛感情を抱く” 酒呑童子から、“そうではない” 寝取り童子への所有権の移動は、直接的でないにしても俺と酒呑童子の(恋)仲を引き裂く行為であり、俺の権利が奪われるのではあるが、裏を返せば俺から酒呑童子を奪うとも考えることができる。
つまりこれは、望む望まぬは無関係に一種の “NTRの形” だと言えるのだ。
「オラが誰だか忘れたか? オラは “寝取り童子” 、これこそが本質だぞ?」
そう名乗りを上げるの同時に、酒呑童子から寝取り童子に “使用決定権” が移った。
それは目に見える形での鍵の受け渡しでは無かったが、俺のちんこについている貞操帯が反応し、事が成したのを知る。
そして使用決定権が譲渡された瞬間、俺のちんこは限界に達した。
「酒てんじょうじしゃまぁkrくあんぱえはまはぴあp」
俺の脳が破壊される。
先ほども言ったように正確には違うのだが、この際それは些細な事であって、“酒呑童子との繋がりが失われ、代わりに寝取り童子と結ばれた” という事実だけが俺に降りかかったのだ。
それからの記憶はあまり定かでなく、いつの間にか部屋には俺ひとりだけなっていた。
夜になっても興奮とちんこの疼きは治まらず、勃起蓄積時間は溜まる。
ピコンっ♪
ピコンっ♪
ピコンっ♪
ピコンっ♪
ピコンっ♪
………
……
…
そうなれば期限は減るどころか増える一方で、気づけば貞操帯の数字は300を優に越していた。
「…くっ♡♡♡ まずいとわかってるけど、抑えることができない♡♡♡ ……ああっ♡♡♡ もうすぐ1年以上にっ♡♡♡ ……いつになったら治まるかも分からないし♡♡♡ どこまで増えるかも見当がつかないっ♡♡♡ ……このままでは永遠にぃ♡♡♡」
そう思い、酒呑童子と寝取り童子に相談しようと部屋を出る。
廊下を這うようにして、どうにか辿り着いた俺は地面に伏せたままでお願いをする。
「どうかお願いです。貞操帯を外してはいただけないでしょうか?」
「いやじゃ」
“ゲームを中止して、貞操帯を外す” ように願い出るが、酒呑童子に拒否される。
「そ、そこをなんとか…」
ここで食い下がるわけにはいかないと、声を振り絞る。
「鍵はウチが持っておるし、お主には使用決定権はない。その話はしたじゃろ? もう忘れたわけではあるまい。それに何より、ウチにメリットがない」
残念ながら、酒呑童子の言い分は最もである。
そもそも俺に鍵の使用決定権があるのであれば、酒呑童子に許可を得ずとも貞操帯を外せば良いだけのこと。
だからこその懇願であるのだ。
どうにか許しを得なければ、このまま来るかも分からぬ期限を待つしかないのである。
「(メリット、メリット、何か考えろ、絞り出せ、俺のちんこが掛かってるんだ)」
必死に思案する俺の横から声が発せられた。
「…酒呑童子様、少しよろしいでしょうか?」
「どうした? 寝取り童子よ」
「あの者のちんこは今や貞操帯をつけた時点のおよそ半分、3cmです」
「そうじゃな…で、それがどうかしたのか?」
「いくら “元が” 太く立派なちんこであっても、ずっと貞操帯をつけることはあまり得策とは言えません」
「…ほう、そういうものなのか?」
「はい。本来であれば貞操帯にちんこを小さくする機能はありませんから、この程度の期間などなんて言うこともないのですが、この特製貞操帯の場合はそうもいかないのです。つけていればつけているほど勃起できなくなり、終いには勃起不全になってしまう代物でして……それに加えて、一般的には1cmも縮むのには半年程度を要するはずなのですが、この者の場合は1ヶ月程度ですでに3cmも縮んでおります。全く同じペースで縮むわけではありませんが、そうだとしても1年保つかどうかです」
「つまり “開放する機会” を設けることで、長く愉しめるということか?」
「簡単に言えばそうなります」
“機会” と言っている時点で貞操帯の開放はしても、俺の身の解放はしない気でいるみたいである。
「まぁプロフェッショナルの寝取り童子が言うのであれば、嘘偽りなどなくそうなのだろうな。それに鍵の使用決定権はもう、お主に譲渡したしのう。好きにするが良い」
そう、鍵は酒呑童子が持っているが、その使用決定権は寝取り童子にあるのだ。
「ありがとうございます。…しかし、酒呑童子様にメリットがないのは看過できない問題だなぁ……」
寝取り童子は俺の味方をしてくれるようだが、ただで外してくれるわけでもないようだった。
「…ああ、こういうのはどうでしょう。罰ゲームの行方は、また別のゲームでつけるのはいかがですか?」
「それならウチも納得じゃ」
「オマエはどうだ?」
「(貞操帯を外して欲しいを頼んだのは俺で、これは譲歩した結果。だとしたら俺に拒否などできるはずないじゃないか)……そのゲームを受けさせて下さい…」
ゲームの内容を聞くより先に、俺は了承した。
わざわざ聞いてくるが、俺はその条件を飲むしかない。
だからこれは聞いておくことで、“同意の意思を確認する” 意味合いだと言えよう。
「…了承した。それではルール説明といこうか」
俺が貞操帯の件で願い出たのはつい先ほどのことで、それを新たなゲームで解決するとなったものまさに直前のこと。
それなのにいきなりルールの説明が始まろうとしている。
「(まさか俺が相談に来ることを予想して、事前に用意していたのか? …いや、そうか。この根城に来てから……違うな、その前からだったか)」
結局、最初から最後まで俺はこの鬼たちの手のひらの上で踊らされていたのだ。
それを理解してしまい、俺は黙って説明を聞くしか無かった。
「ここに酒呑童子様の持っておられる本物の鍵とそっくりの鍵が9本ある。これらを合わせた10本の鍵から、毎日1本だけ選んで試すことが出来る。間違っていたらその鍵を戻すが、その前にもう1本選んで別の箱に保管しておく」
「…それで正解の鍵を引いてしまった場合は?」
「それはオマエの “運が無かった” だけだが?」
「……ひ、非情な…」
「説明を続けるが…次の日は、戻した鍵を含めた9本で同じことを行う。間違えれば8本、7本と段々と鍵の本数は少なくなっていく」
「(着実に数は減っていくから、10日間続ければ鍵を引き切ることが出来る。けれどもそこに当たりの鍵があるかは分からないどころか、ない可能性だって存在すると……続ければいずれ本物の鍵を引けるとは限らないなんて…ん? だったら、)…最後まで間違いだった場合は?」
「まぁ焦るなよ、その前にだな。“明るい話” をしようじゃないか」
「…明るい話?」
「 “正しい鍵を選んだ場合” の話だよ」
「そんなの貞操帯を外して、ゲーム終了ではないのですか?」
「は? そんな簡単に外すわけないだろ???」
「えっ!?」
「正しい鍵を選んだ場合は、残った鍵の本数につき10秒。この “鬼伝摩” でオマエのちんこに刺激を与え、その間に “射精できれば” 晴れてゲーム終了って感じさ」
「(…おに、でんま……あの “鬼” にも効くという “伝” 説のあん “摩” マッサージ機、存在していたのかっ!? しかし、そんなのをちんこに当てられたら人間の俺は一瞬で射精してしまうのでは?)」
そんな俺の疑問を置き去りにして、説明は続けられる。
「 “もしも” 射精できなかった場合は、同じく残った鍵の本数につき1回の “金蹴り” が行われる。ただし失敗に終わったしても、一度に限り再挑戦は認めよう。まぁそれでも失敗した場合には追加のペナルティーとして、ゲームの1週間停止を与えるがな。ああそれとゲーム再開の際には、正しい鍵を選択しちまったわけだから仕切り直し……つまり全て元の箱に戻して10本の状態からスタートだ」
「(……ゲームオーバーにならないのなら、いつかは…)」
「明るい話はここまでで、最後まで正解を引けなかった時の話だったな。その時は問答無用で “金蹴り” 10回に、“寸止め” 10回……つまり、最低でも10日間は貞操帯の期限が延びるわけだが…はっきり言って誤差だろうな」
「(……たしかに、300日に対して10日はもう誤差の範疇か…それにゲームに勝てば全てチャラになるんだし、こんな数字に大した価値なんてない)」
俺は勝った時のことだけを考えることにして、最悪のケースは頭から消した。
「…それじゃあ1回目のゲームを始めるか?」
「これで決めてやりますよっ!」
「ほほう、気合十分じゃのう。ほれ、鍵じゃ」
酒呑童子は足から鍵を外すと、それを寝取り童子に向かって投げる。
「おっと危ない。これを入れて…」
キャッチし、箱に入れて中身を混ぜるように振る。
ガコガコ、カンカン。
箱の中で鍵同士がぶつかり音を立てる。
「ほら、引いていいぞ」
集中していた俺の前に箱が出される。
ガサゴソ、ガサゴソ……。
「これだっ!」
勢いよく引いた鍵を寝取り童子に手渡した。
自分で解錠しないのは、酒呑童子が言っていたように使用決定権を持たない者には鍵が使えないからだ。
「当たりかな? 外れかな?」
カチカチ、カチっ!
「え!? 開いたっ!」
「よもや、本当に一回で当ててしもうとはのう。ウチもびっくりじゃ」
「…でも、本番はこれからだぜ? 見よ、これが “鬼伝摩” だっ!!」
そう言って寝取り童子が取り出したのは、実に凶悪そうな電気マッサージ器。
「……ゴツゴツとしていて、まるで金棒みたいだ…」
「制限時間は90秒。ルール上、最大の時間だ」
1本につき10秒で、鍵は全部で10本。
引いた鍵は含めないわけだから、参照されるのは9本が最大であり、90秒がマックスである。
「(……もしもこれでイケなかったら…)」
これが最大と言うことは、同時にこれ以上の好条件がないことも示している。
この機会を逃せば、正解の鍵を引くことよりも射精そのものが課題に変わるのだ。
「準備は良いか? 当てるぜ…」
ブーーーーーッ!!!
「(……すごい振動音だ…)」
かつて聞いたことがないほどの轟音を鳴らす電マ。
「いつでも大丈夫ですっ!」
俺は覚悟を決める。
そして次の瞬間。
「お"ごぉ"ぉ"っ"ぉ"お"ぉ"ぉ"ぉ"ぉ"ぉ"お"お"♡♡♡♡♡」
俺は電マ以上の爆音を放つ。
「アガがガガガがガガガ♡♡♡♡ バババババババb♡♡♡♡」
それでも寝取り童子の電マを当てる手が離れることはない。
「…10秒」
「(え、まだ10秒っ!?)ウギャギャギャギャギャッ♡♡♡♡♡」
「……20秒」
体感の数十倍も時間の経つのが遅い。
「おぎょ!? びょびょぉぉぉおおお♡♡♡」
「………30秒」
しかし、そんなことよりも気掛かりと言うか、奇怪なのは……。
「(……どうして射精できないんだ?)」
快楽の具合は、鬼伝摩に名に相応しいくらい十二分に感じている。
そうだと言うのに、一向に “射精できる気配” すらしない。
「(……こんなのを当てられたら一瞬ではなかったのか? なのにどうして、勃起すらしていないのだ?)」
当てられてから30秒も経過しているのに、俺のちんこはピクリとも反応せず、微塵も大きくなる様子がない。
「…………40秒。どうした? 声に反して、こっちはちっともデカくならねぇじゃねーかww」
「あぶっガガギゴぉぉおお♡♡♡(どうしたって? そんなの俺が知りた、ガバばば♡♡♡)」
…………50秒………60秒……70秒……80秒…と時間が過ぎる。
「あと10秒だぞ?」
「(なんで、なんでなんでなんで)」
俺は焦っていた。
「(貞操帯をつけていた時はあんなに我慢してたはずなのに、どうして外した今は無反応なんだっ!! オナ禁直後は濃いのがたくさん出るんじゃ無かったのかっ!!! そうだ、刺激が足りないんだっ!!!!)お願いしますっ! もっと強く押し付けてくださいっ!!」
ゴリゴリっ!
「kd左飛fじゃhgふぉhfなぐふぉhdfhげお"お"っ"♡♡♡」
「…タイムリミットじゃな」
酒呑童子に、90秒の終わりを告げられる。
イクことは出来なかったが、最後の最後で鬼伝摩の衝撃に耐えられず、俺は意識を飛ばしていた。
「………」
「なんじゃ、こやつ気絶しておるわい」
「このままゲームの続きをやってしまいましょう」
「そうじゃな、“蹴って” 起こすとするかのう」
射精に失敗すれば、残った鍵の数に対して1回の “金蹴り” が行われる。
1度目で正解の鍵を引き当てるのは、射精にかけられる時間が最大であると同時に、もしダメだった際の反動……金蹴りの回数も最大なのだ。
「そーれっ♪」
ゴーーーーーーーン!!!
「(……ああ、懐かしい音が聞こえる…)」
実際には鳴っていないわけで、これは俺の脳内で補完し、再生されている音。
体が覚えているが故に聞こえてくる “幻聴” 。
そして現実はと言うと……。
「くんfへkmfびえあhんk♡♡♡(いっでぇぇぇぇぇええええ♡♡♡)」
やはり俺の悲鳴だけが響いていた。
「お、目を覚ましたな♪ でもぉもう一回っ♪♪」
ゴーーーーーーーン!!!
「うkdyhしぇろhんvそえr♡♡♡」
「カッカッカッ♪ しっかし良い声で鳴くもんじゃ♪♪」
「本当にそうですね。オラは踏んだことしかないけど、蹴るのも面白そう……」
「なんとっ! 寝取り童子は蹴ったことがないのか? それは勿体無い、代わってやるから蹴ると良いぞ!!」
またしても俺は蚊帳の外で、俺のちんこを蹴ることに関する話が進んでいる。
「それではお言葉に甘えて…」
ズシンっ!
「(ひぃぃいっ!?)」
酒呑童子の二回りも、三回りも寝取り童子の体は大きいのだ。
その蹴りの威力が比べものにならないのは承知の事実だとして、構えを取るだけでも地響きを起こすほどの迫力があるのは聞いてない。
俺は、ちんこだけで済めば御の字だと半ば諦め、命が助かることを願った。
「いくでよっ!」
バコーーーーーーーーンッ!!!!!
「(あ、終わった…)」
またしても脳内に変換された音。
それは衝撃の度合いを反映しており、それが聞こえた瞬間 “終わった” のだと察知した。
「♡♡♡♡♡」
悶えることなく気絶したのだから、悶絶を通り越して失神。
…けれども、その瞬間には確かに “快感っ♡” が存在しており、俺は本当に人としても “終わった” のだ。
鬼伝摩を当てられた時点で、既に機能していなかったちんこも、寝取り童子の蹴りで完全に沈黙。
もう正解の鍵を引いても、射精することはないだろう。
それでもゲームは続けられ、1年を越えた頃だろうか。
金蹴り等の影響で俺のちんこは “フラットに退化” して、ようやく終了するのだった。