no preview
DESCRIPTION
歌ユニットを組んだ影響や、案件などで事務所に行くことが多くなった私は、基本的にはタクシー移動だった。
でも、日本の電車にも興味があった。定刻きっちりに来て、乗客のマナーも基本的には良くて、清潔に保たれている。
今日の用事も別にタクシーで良かったんだけど、ちょっとした興味と時間の余裕もあり、電車を使ってみることにした。
最寄り駅、とりあえず行く方面の電車が止まるホームに来た電車に乗り込む。どうやら各駅停車みたいだが、それでも時間は問題ない。
スマホを操作してspotifyからお気に入りのリストを再生する。
電車の中は混んではいるがまだスペースはある。
座席は埋まっていたから立っているけど、全然つらくはない。
早く着かないかな~と思いながら、電車は駅に着く。
目の前のドアが開き、ホームにいたおじさんと目が合う。
気まずくなり、目線を逸らすと目に映ったのはおじさんの後ろに並ぶ無数の人々。
声を出して驚きそうになったが、そんな暇もなく電車の中になだれ込んでくる。後退りしながら流れに身を任せて、電車内の中央の方まで移動する。
都会の電車の本気を感じて恐れているのも束の間、次の駅に着く。
身体の後ろ側にあるドアが開いたみたいで、後ろから押されるようにまた移動が始まる。
日本人の優しさなど微塵も感じない後ろからのプレスに圧倒され、再びドアの前までたどり着く。
胸が押しつぶされて変形しているのを見て、薄着で来るんじゃなかったという後悔と共に、所謂えっちな同人誌みたいな感じでドアに押し付けられるおっぱいが自分で再現できていて、少し笑ってしまう。
満員電車には驚いてしまったけど、まぁこのくらいなら大丈夫だろう。
そんな呑気に構えていた矢先、太ももに触れる固いものを感じる。
・・・え?
いや、流石に何かの気のせいだろう。
サラリーマンさんたちが持っているカバンとかが当たったのかもしれない。
触れたのも一瞬だったし…。
ただ、改めて今日の自分の服装を考えてみると、上は胸元が少し見えるシャツに、下はミニスカート。上はアウターを羽織っているからそこまで露出をしているわけではないけど…。
あれ、あんまり良くない気がしてきた。
・・・!
今度は柔らかい、人の肌のような感触が触れた。
しかもさっきみたいにちょっと触れたくらいじゃない、反応を少しずつ確かめるような、触れて離れてを繰り返している。
まるで我慢する人かどうかを確かめているみたいで気持ちが悪い。
でも、実際声は出せない。
注目を集めて変に騒がれたら、事務所を巻き込んで迷惑をかけちゃうかもしれない。
この後の用事も遅れるかもしれない。
そんなことを考えていると、段々と触っていた場所が上にあがってきた。
あー、もう最悪だ…。
痴漢の手がいよいよお尻の部分に触れる。
最初は指先で撫でるように、離したかと思うと次はしっかりと揉んでくる。沈み込む自分以外の手を、こんな状況だからこそ鮮明に意識してしまう。
私も自分の手を間に差し込んで抵抗してみるが、あっけなく躱されてしまう。
ドアに向かって正面を向いているから、周りの人に助けを求められない。隣の人はスマホの画面をずっと見ているし…。
パンツにも手を触れられる。脱がすわけではなく、指で引っ掛けては、ちょっとずらして、また尻を触る。
痴漢は私がこれ以上の抵抗ができないと踏んでいるのか、手を離すようなことがなくなってきた。
「初めて見る顔だねぇ」
!?
声をかけてきた、しかも声の感じあまり年を取っていない。
30とか、40ぐらいだろう。
「周りは仲間で固めてるから、無駄だからねぇ」
なに?仲間?ふざけるなそんなの…
…無理じゃんか。
今に至るまで2回ほど駅には止まっているけど、その2回とも反対側のドアだ。このことも痴漢の計画の内なのだろうか。
ちょっと触らせたら満足するだろうなんて軽い気持ちでいた自分も、いまはどっかにいってしまった。
「前も失礼するよ~」
そう言って、痴漢はお尻を触っていない右手を肩から抱きしめるように胸元へ手を伸ばしてきた。
「ちょっ!?………」
自然と声が出そうになり、自分で口を閉じる。
痴漢も胸から口へ手を伸ばそうとしたが、口に辿り着くまでに私が自分で喋らなくなったのをみて、再び胸へと手を伸ばす。
「へぇ~。そうなんだ。なるほどね…」
何かを察した痴漢。
最悪だ、きっと私が声を出せない、注目されたくない人なんだってことを察したのだろう。
痴漢は堂々と服の隙間から谷間へと手を伸ばし、ブラの上から胸を揉み始める。その間もずっとお尻を触る手は止まらない。
電車が揺れ、後ろから押される度にドアに押しつぶされる胸と一緒に挟まる男の手。
女とは違う、ゴツゴツとした角ばった手を無理やりにも意識させられる。
やばい、なんか、段々と……ううん、違う、そんなことはない。
決して―――
「お、濡れてきたね」
―――濡れてなんかいない!
パンティの上から割れ目をなぞるように指を押し付けてくる。
湿ったあそこがパンティにシミを作り、そこを何度も触られる。
もう何分経ったかわからないけど、こんだけ触られたらそりゃ濡れてくる。これはしょうがないのだ。
そう自分に言い聞かせながら、もう私は抵抗など形だけでしかなく、痴漢のされるがままになっていた。
「はぁ……はぁ……」
興奮した男の息が首筋にかかる。
指の動きから、何をしようかわかっていた。
ゆっくりとパンティをずらして、濡れている穴へと指を一本入れてきた。
「っ…!?」
男はいきなり指の第二関節ほど奥まで入れてきた。
驚いて声を漏らしかけて、寸前で止めることに成功する。
指を曲げて、手前の浅いところをまるで探るようにいじってくる。
気持ちいいところを探っているような手つきがマジで気持ち悪いけど、でも、こいつ……
「ここでしょ」
ビクンッ!
気持ちいいところを見つけられてしまった。
決して声で返事はしないけど、身体が返事をしてしまっている。
狙い所を見つけた後は、やりたい放題だ。
音を立てない程度に激しく指をかき回し、私の股を少しずつ開かせる。これも痴漢に開かせられているのか、自ら開いているのかわからない。ドアにもたれ掛かるように前屈みになり、お尻を突き出すように差し出すと指は二本になった。
「ハァ……ハァ……」
気付かないうちに自分も興奮して息を漏らしていた。
このまま、私、痴漢にイかされ―――
「〇〇駅ー。〇〇駅ー。」
聞き覚えのある駅名がアナウンスされ、我に返る。
まだ、まだイってないのに…。
偶然か必然か、開くのは目の前のドアのようだ。
「ちっ、ここまでか」
痴漢もこれで終わりみたいで、そそくさと平然を装い始めた。
このまま手首を掴んで引きずり降ろしてやろうかと考えるも、この後の用事に絶対遅れるだろうなと思い、諦める。
「―――楽しかったよ。またね~」
降り際に言われたこの言葉が、脳裏に焼き付いて離れなかった。