蠍毒
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DESCRIPTION


「こんにちは!今日はよろしくお願いします!」


リング上での彼女の第一声に目を丸くする。

溌剌とした明るさ、瑞々しい振る舞い。

そして何より、、この可愛さ!


「こちらこそよろしく。

こんなに綺麗な子と戦ったことないから。。変に緊張します笑

しっかり実力が出せるかな」


「ほんとですか?

ありがとうございます!私も早坂さんみたいにかっこよくて男らしい人、大好きです!」


少し固い日本語に違和感はあるものの、

教えられなければ外国人とはわからないだろう。


彼女はリンというらしい。


台湾からの留学生で、ボクシングの経験は浅いらしい。

巷の噂では、SNS上で人気のインフルエンサーとのことだが

、、、このかわいさならそれもうなづける。


最近ランキングに浮上し、団体の注目を集めている新星だ。


「今日も私から闘いたいってわがままを言ったのに、試合を受けていただけてすごくうれしいです!

早坂さん絶対に倒します!」


「はは、、、こちらこそありがとう。

挑戦を受けた立場としては絶対負けられないね笑

お互い、いい試合にしましょう!」


差し出された青グローブにタッチする。

小気味の良い音ともにコーナーへ戻る。


こんなかわいい子とボクシングなんて初めてだ。なんだかすごく調子が上がる。

試合が終わったらインスタのアカウントでも聞いてみよっかな。


微かな高揚感と共に、ゴングを待った。





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パンっ!


バシっ!





「ぶ・・・」



ガードの隙間を、青い一線が貫く。

直接脳をぶっ叩かれたような衝撃


な、なんだこれ・・

絶対おかしいよ・・


全身に毒が回ったようなめまいと倦怠感。体が重い。

息切れし、目まぐるしく展開する試合に意識が追いつかない。


「大丈夫ですか・・?早坂さん。

だいぶパンチが効いてきたみたいですね・・・


試合前はかっこよくキリッとしてたのに、

今は目がとろ〜ん、てしちゃって面白いです⭐︎」


クソッ・・

なんなんだよこの子、強すぎるだろ・・


不敵にファイティングポーズをとるリン。

両の拳から覗く彼女の笑み。


そこには試合前とは違う・・

快楽で獲物を屠る、野生動物のような獰猛さが垣間見えるようだった。


「ハァ、ハァ、、」


序盤からもらい続けていたジャブのせいか。

鋭さはあっても一発一発は大したことなかったのに。

まるで・・・遅効性の毒。


じっくりと鋭い毒針で何度も刺され、徐々に動きが鈍くなる。

今、私が捕食される側なんだ。


怖い、、ボクシングがこんなに怖いなんて。

でも、逃げたくない。


必死に拳を打ち返す。

が、反撃空しく、すぐにカウンタージャブを叩き込まれる。

必然的にガードを固めるしかない。


「ぐふっ」


強烈なボディフックが、ガードしきれない脇腹を叩き打ち、肋骨がみしりと悲鳴を上げた。


「ほいなっ♡」


ドゴッッ!!!




ガードの上から畳み掛けるようなフックにロープ際に追いやられる。


「・・・!!っ」


ボディで緩んだガードを、切り裂くように、

リンのストレートに顔面を打ち抜かれた。

絞り出すように、体液の飛沫が上がり、ロープ際まで吹き飛ばされる。


『ワンツーからダメ押しのストレートォォ!!

早坂、大きくふらつきました!

もはやガードが機能していない!下位ランクのリン選手になすがまま、打たれるがままです!

とても危険な状態だ!』


あー、、


やばい。


電気が切れたように腰がマットに落ちる。

ふらふらとロープにもたれかかった。


レフェリーが心配そうに顔を覗き込んでくる。



まだ、、やれるから。

だから、、止めないで_____________



『レフェリーが早坂の様子をうかがっているようです、、


あ!試合を止めた!


この瞬間、勝敗が決しました!

なんとランク13位のリンが6位の早坂を下しました!

文句なしの素晴らしい勝利です!』


呆然とロープにもたれかかったまま。

目の前の出来事が、他人事のように、遠くに感じた。


「やった、やった!」


勝利に喜びを爆発させるリン。


一通り観客に笑顔を振り撒くと、足取り軽く私に近づいてきた。


「早坂さんに勝てちゃうなんて・・びっくりしました!

今日は闘えて本当に楽しかったです!

ありがとうございました!」


それになんて返したのか、もう思い出せないけど。

あの屈託のない笑顔は、絶対に忘れられない。






早坂 めぐみ

茶髪ショートヘアで男の子のような見た目の熱血少女。実直かつ素直で負けず嫌い。かわいい女の子が好きだし、実際女の子からもモテる。

ボクシングは幼い頃から男子に混ざってやっており、卓越した実力の持ち主。

だが、この日にランク下のリンの才能の前にボコボコにされ屈辱的に敗北してしまう。


リン

台湾からの留学生。2年前の留学生活のスタートを機にボクシングを始める。

ボクシングの経験年数は短いものの、持ち前の運動神経の良さを生かし、めきめきと頭角を現した。

基本的に優しくて明るい子だが、勝負事に熱すぎる面があり、特にボクシングでは手加減をあまり知らない。

対戦中に夢中になって挑発の言葉が口をついて出ることがあるが、普段は本当に温厚。





↓差分





先月は色々ご迷惑をおかけしました。


少し修正加えたものから、あまり修正加えていないものまで、複数の過去作品を再公開いたしました。


まだアカウントが消えたりしてないのでセーフっぽいですが、まだ分かりませんね


あと十作品程度、表現が怪しく、再公開できておりません。


修正して再公開するか、修正なしで別の支援サイトにあげるか。。

困ったものですねー




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POSTEDJul 1, 2023
ARCHIVEDJun 10, 2026