1話
ドリームワールド~あなたに都合のいい多重クロスオーバーで現パロ風のエロ世界~(前編)(非エロパート)

Skebのご依頼で書かせてもらいました。よろしくお願いします。 ──────────────────────────────────────────────── 夢野公男は、S県K市で生まれ育ち、高校卒業後に一人暮らしで近隣県へと就職をして、十五年ほどが経ったまま働いている、平凡な三十代の独身男性である。 現在の彼に恋人はなし――――これは『今は居ない...
2話
02:ドリームワールド❤~あなたに都合のいい多重クロスオーバーで現パロ風のエロ世界~『学校紹介編』(前編)

1話 ─────────────────────────────────────────────── 理想の現パロ多重クロスオーバー世界・『ドリームワールド』に、『夢野公男』が来てから最初の一日が終わった。 と言っても、このドリームワールドの初日とは夕方から訪れての一日であるため、より正確に言えば『半日』と呼ぶべきだろうが、ともかく、その異常...
3話
03:ドリームワールド~あなたに都合のいい多重クロスオーバーで現パロ風のエロ世界~『百合女子チンポ堕ち編』(前編)

1話 2話 ─────────────────────────────────── 【プロローグ】 ドリームワールド。 それは夢野公男にガチ恋をした、神のような超常存在であるプロト・マーリンが創り上げた公男のためだけの箱庭である。 技術基準は公男が暮らしていた時代よりも遥かに優れた科学技術を誇っている。 例えば、百数十年前に繋がっ...
4話
04:ドリームワールド~あなたに都合のいい多重クロスオーバーで現パロ風のエロ世界~『性教育実習・Wパイズリ編』(前編・導入のみ)(前編後編ともに挿入シーンはありません)

1話 2話 3話 ───────────────────────────────────── ドリームワールド。 夢野公男という平凡な男に、彼が生まれたその瞬間からガチ恋をしていた女神ごとき上位存在・プロトマーリンが創り上げた、夢野公男が心地よく暮らせるためだけの世界である。 そこでは夢野公男もよく知るオタク・カルチャーの登場人物が、...
─────────────────────────────────────
夢野公男がこのドリームワールドに転移して、すでにニヶ月が経とうとしていた。
その期間、夢ノ国学園の高等部を中心として生活をしていた公男だが、家族であるエリカやアルトリアたちから、『見聞を広めるためにも』ということで、妹である夢野和を同伴しての中等部の授業にも参加するようになった。
ただし、その参加する授業は『国語』や『数学』のような基本的な授業ではなく、往々にして『歴史』や『性教育』に関する授業となっている。
マジカルチンポを持つ唯一の存在、『本物の男性』として特待生待遇で夢ノ国学園に通っているという『設定』の公男にとって、周囲もまたこのドリームワールドの成り立ちや社会情勢を学び、そのマジカルチンポを社会と女性のために使うことを望んでいるためである。
高等部では行わないような基本的な部分も和と同伴して受けた中等部の授業で学んでいった公男は、次は大学の授業を聴講することとなった。
「俺……高卒で前の会社に入社したから、大学に通うの初めてだなぁ」
公男は今、夢ノ国学園の大学キャンパスの正門をくぐり、思わず足を止めた。
歴史が元の世界とは異なるために技術レベルも数段上のドリームワールドの中学と高校も、公男の知るものとは厳密に言えば大きな違いが存在するのだが、それでもやはり、いわゆるベースとなり得る基本的な知識は持っていた。
しかし、高校卒業後に地元の飲食チェーン店に就職した公男にとって、『大学』というものはまさしく未知の世界なのである。
微妙に『未来』を感じさせるSF的な技術、例えばドラム缶タイプの掃除ロボがキャンパスの中を歩いていたり、立ち並んでいる校舎もどこか鋭角な未来的デザインを施されていた。
正門から入ってすぐの案内板もまた電子掲示板となっており、そこにはホログラム映像が浮かび上がって、それを指でタッチすることでズームが行えたり詳細な説明文を読み取るなど、まさに近未来SFの舞台のようなキャンパスだった。
筋道を立てて学ばなければいけない勉学に対しては怠惰なのだが、こういうところでは好奇心が旺盛な公男は、思わずワクワクと胸を高鳴らせてしまうギミックが満載である。
「約束の時間まではまだちょっと余裕があるな……榛名姉さんは先に講義室に行って待ってるってことだし、散歩代わりにちょっとキャンパスを見ていこうかな」
公男はそのまま中央広場へと向かって歩いていく。
学生たちは木製のベンチに腰掛けて、紙のノートとタブレットを同時に広げて議論を交わしているものもいれば、恐らくはキャンパス内部に出店しているのだろうドリームワールドにも存在する有名コーヒーチェーンの紙コップを片手にのんびりと歓談を楽しんでいるものもいる。
ドリームワールドの中学や高校では、複数存在する制服の中から自身が好むものを自由に着ていいという校則だったが、大学にはそもそもとして制服が存在しないために私服姿だ。
それは元の世界でも当たり前のことなのに、私服登校の高校が地元にはなかった高卒の公男にとっては、ここが学校の内部だということがうまく認識できなかったほどに奇妙な光景に映った。
「やっぱり……おっさん臭が全開だけど、女子大生ってそれだけでなんか美人に見えるよなぁ」
そして何よりも、女子大生はやはりどこか洗練されたオシャレさというものを感じた。
全員がそうというわけではないのだが、やはり友人や知人に自身のファッションセンスをチェックされているかもしれないという奇妙な警戒心が、特に女性は強いのだろう。
男子学生などはジャージ姿にサンダルというラフを越えて不精な姿も目立つのだが、女性大生は大学は学びの場なのにどこか気合の入ったおしゃれな服装の女性が多かった。
飲食チェーン店の正社員である公男にとって女子大生とはすなわち女性バイトとイコールで繋がる存在であり、同時にパートのおばちゃんたちよりも可愛らしさが目立つためにデレデレとしてしまうことも珍しくない相手だった。
しかも、このドリームワールドで暮らす人間は男性女性問わず、全員が元の世界ではイケメンや美少女と称せるほどに顔立ちやスタイルが整っているのだ。
花の女子大生たちが溢れかえっているキャンパス内を見て、公男は自然とだらしない表情になってしまうのだった。
ただ見ているだけで自分も華やかな気持ちになれる大学の空気を楽しむために、公男もまたベンチに座り込む。
すると、数少ない大学での顔見知りから声をかけられた。
「うん……? そこにいるのは、公男くんか? どうしたんだ、アルトリアも居ないで一人で大学に来るなんて珍しいじゃないか」
「あ、カタリナさんだ」
姉であり高等部の剣道部エースである夢野アルトリアが出稽古として出向いた大学剣道部で出会った、カタリナ・アリゼであった。
小麦色の長髪に凛々しい顔立ちにスラリと伸びたモデル体型、そして、その長い手足を颯爽と動かす立ち振舞は、男性である公男よりもずっとかっこいいような、そんな圧倒的イケメンオーラを醸し出す花の女子大生である。
日本人の成人男性の平均はあるはずの公男と同じ高さの視線を持ち、それでいて腰の高さはカタリナのほうが高い位置にある足長美人であり、その長く美しい足をタイトなジーンズに包んだパンツスタイルであることも、よりそのかっこよさを強調していた。
その白シャツを膨らましている巨乳などからも、間違いなく女性として十分に魅力的なはずなのに、驚異的な小顔に加えた脚が長く、さらに女性にしては長身とあっては、男であればカタリナの隣に並んで『比較対象』となることを無意識に拒んでしまいたくなるような、ある意味では男ウケのしない美人である。
「嬉しいな、剣道部の活動以外でも君と出会えるなんて。今日は聴講かな? 勤勉なのは素晴らしいことだね」
だが、今のカタリナは顔を嬉しそうにほころばせ、さらには頬を赤く染めながら公男へと話しかけてくる。
この世界において公男は『本物の男性』として女性を無条件で魅了する力を持っており、カタリナもまたアルトリアに連れられて大学剣道部に出入りしている公男にすっかりとメロメロになってしまったのだ。
元々が『かわいいもの好き』という少女趣味と呼ばれかねない一面も持っているカタリナは、自身が周囲からどう見られているのかも忘れる勢いで、胸元で指を絡ませるように両手を組んだ『恋する乙女のポーズ』とでも言うべき姿勢を取っているほどだった。
カタリナをお姉様と慕う『一ヶ月ほど前』のヴィーラ・リーリエであったら、悪鬼羅刹のような恐ろしい顔を浮かべて公男を睨みつけていたであろうこと間違いなしな可愛らしい姿だった。
「あぁ~……その、姉さんに大学の授業に誘われてて。グループレポートを作成しているんだけど、それに協力してみないかって」
「姉さん……? 夢野アルトリアのことか?」
「いや、榛名姉さんの方です。三つ上で、今は大学二年の……カタリナさんは知ってますか?」
「あぁ! 上の方の姉か! 私も親しいわけではないが、夢野榛名といえばこの大学でも有名人だからね。お淑やかで、優しく、そして美しい。キャンパスを歩くだけで目立つ存在だよ」
目を引くという意味ではとんでもないイケメン美人であるカタリナも同様なのだが、それでもやはり、公男の『姉』という役割を与えられた榛名も別格の存在のようだ。
(…………そ、そんな人と、俺って家でセックスしてるんだよな)
そして、本人以外の人間の口から榛名の評価を聞くことで、そんな榛名とセックス漬けの日々を送っている自身の特別感が実感できてしまう。
基本がハーレムセックスで、一人の女性とセックスをしている時に別の女性によって『犯している女の子、こんなにすごい女の子なんですよ~❤』と囁きサポートをされることが常である公男は、条件反射的に勃起をしてしまったほどである。
(だ、ダメだダメだ! きょ、今日は勉強に来たんだし……! 大学をソープランド扱いしてるわけじゃあるましい、榛名姉さんだってセックスのために俺を呼んだんじゃないんだぞ! うぅ……カタリナさんの開いた胸の谷間見てたら興奮してきちまうから……こ、ここは、姉さんのところまで逃げよう!)
だが、変なところで良識が残っている公男は、自身の半勃起状態となっているチンポを隠すようにわずかに前かがみになると、愛想笑いを浮かべてカタリナへと別れの言葉を告げる。
「そ、それじゃあ、俺はそろそろ榛名姉さんのところに行くんで……また会いましょうね、カタリナさん」
「ああ、また……おっと、そう言えば、前にヴィーラが夢野榛名とゼミが同じだと言っていたな。ひょっとすると、同じグループかもしれない。なにか困って、姉にも相談しづらいことがあったら、彼女に相談するといい」
「ああ、ヴィーラさんもっ……! 美人が多いんだな、やっぱり……!」
公男はそんなカタリナの言葉を聞きながら股間の膨らみを隠すためにひょこひょこと奇妙な足取りで中央広場から立ち去っていく。
すでに指定された場所は確認しており、東棟のとある教室ということである。
公男はそこへと向かっていくのだった。
「ここかぁ。教室っていうより、研究室って感じなのかな」
指定された階数へとエレベーターを使って入った公男は、一つのフロアに二つか三つほどの大教室があるのではなく、マンションや貸しビルのように複数の部屋が並んでいるその光景を見つめていく。
教室といえば中学や高校のように机と椅子を三十人か四十人ほどの規模で並べるイメージを持っている公男にとっては、この手の会議室のような部屋を教室と呼ぶのは少々落ち着かないところがあった。
高卒特有の大学というものそのものへの奇妙な負い目を抱いているのか、どこか居心地を悪く思いながら、榛名から聞いていた部屋へとたどり着くのだった。
「失礼しまーす、公男でーす!」
「あっ、弟くん! どうぞ、入ってください!」
公男はコンコンコンと扉を軽く叩いた後に大きな声で呼びかける。
呑気な性格がそのまま現れたかのようなのんびりしたその声に、扉の奥から喜悦に満ちた榛名の声が響いた。
カタリナの様子もそうだったが、その声を聞いただけでも公男へと恋慕や愛情を抱いていることがわかるような弾んだ声だった。
榛名の声やカタリナの表情などをとっても、公男に対して愛の告白をいちいち口にしないでもこの世界の女性の全てが公男に強い感情を抱いていることを感じ取れるというものだろう。
とは言え、その呑気さが鈍感さにも繋がっている公男は榛名の声から溢れ出る恋慕の強さを理解しているのかいないのか、公男はどこか間抜けさを感じるのほほんとした顔で扉を開けていく。
「それじゃあ、改めて失礼します……って、ぉぉっ……!?」
そして、その扉を開いた瞬間に思わず感嘆の声を漏らしてしまった。
ひとえに、教室の中で待っていた女子大生たちの華やかさに気圧されてしまったからである。
そこには無機質な扉がコの字型に並べられたテーブルと、椅子を複数置かれて、ホワイトボードがあるという、まさしく会議室のような内装に過ぎない。
なのに、そこに座っている四人の女子大生の存在だけでまさしく極楽のような強烈なオーラを放っていた。
「待ってたよ、弟くん。ほら、座って座って!」
「うふふ……未来を考える会や剣道部以外でもあなたに会えるなんて、これほどに嬉しいことはありませんね」
四人のうちの二人は、ドリームワールドの世界では公男の姉となっている榛名と、未来を考える会という『百合キャラ』が夢ノ国学園の中等部や高等部も含めて集まったサークルを見学した際に出会った『元・百合キャラ』であるカタリナである。
すでに何度となく公男に抱かれて、その子宮を公男の精液で占領されてマーキングされている自他ともに認める『公男のハーレムメンバー』である二人は、榛名は淡い茶色の、カタリナは艶やかな赤い色の、清楚さな印象を与える膝丈ワンピースを着ていた。
まるで少女のような、ともすれば『清楚系』をアピールしすぎていて痛々しい印象さえ与えるものだが、あまりにも楚々とした美貌を持っているがためにこれ以上ないほどに似合っている。
その胸元も巨乳と爆乳で淫靡に膨らませてもなお清楚な印象を与えるのだから、榛名とカタリナの美貌の凄まじさがわかるというものだ。
そして、残りの二人も榛名とカタリナの『引き立て役』では終わらない、むしろ、二人に勝るとも劣らない美貌を持つ美人女子大生だったのである。
「はじめまして、夢野公男くん。私、黒川あかねです。一応……劇団に所属して女優をやってて、テレビとかにもでたことがあるんだけど……知ってくれてるかな?」
「く、黒川あかね……! し、知ってる……知ってます!」
黒川あかね。
『推しの子』に登場するヒロインの一人であり、この世界でも同様に女優として活躍している美少女キャラクターである。
原作では女子高生だったが、どうやらその大人びた美貌や落ち着いた性格から、このドリームワールドでは原作よりも未来に当たる女子大生として活動しているようだ。
パッチリとした大きな目があるとは思えないほどの驚異的な小顔は、まさに舞台で活躍するために必要な『目を引く容姿』という条件を大きくクリアしている美貌だった。
こちらも、まるで示し合わせたかのように膝丈のワンピースを纏っており、色合いは原作からのイメージカラーである濃くも鮮やかな紫の色合いである。
また、原作では初登場エピソードの『恋愛リアリティショー編』でのショートカット髪型ではなく、背中までかかるようなロングヘアーの状態は、あかねが持つ清楚な印象をさらに強調するような艷やかな美しさを持っていた。
そして何よりも、顔立ちも服装も、そのストレートロングヘアーも、全てが理想的な『清楚系美女』の印象を与えるというのに、そのワンピースを押し上げている爆乳一歩手前の美巨乳が淫靡にアピールされているのだった。
美人女子大生のあかねは、自分を一人の個人として認識された上で優しく微笑まれるだけでも一生分の幸運を使い切ったのではないかと思ってしまいそうなほどの圧倒的なカースト上位の雰囲気を持っていた。
そんなあかねの微笑みに、公男は何人もの美女と美少女とのセックスを繰り返してきたくせしてどきりと胸を高鳴らせてしまう。
「ふふふ……あなたが噂の夢野公男、ですか。なるほど、どこか独特の雰囲気を持っています……ね。私はテノチティトラン、『都市精霊』としてこの大学に留学生として通っています。
さて……一目惚れではありませんが、どうですか? 私という都市の神官(トラマカスキ)となってはみません……か?」
「テノチティトラン……! 精霊って、雪姫先生たちみたいなファンタジー系のキャラなんだ!」
そして、最後の一人の美人女子大生はテノチティトランだ。
アルトリア・オルタと同シリーズの作品である『Fate/Grand Order』を原作とするこの女子大生もまた、榛名やカタリナ、あかねほどの美女と並んでも引けを取らない美貌の持ち主である。
このドリームワールドでは歴史的に百数十年前に『異世界』とぶつかり、溶け合い、同居を続けることとなったこともあり、『人外』と呼ぶべき存在が多くいるのだが、テノチティトランもそういう『設定』でドリームワールドで暮らしているようだ。
テノチティトランはどこか気だるげに細められた切れ長の目に、美人の条件と呼ぶべき小顔を持つ、退廃的とも蠱惑的とも言える独特の雰囲気を持っている。
長く美しい黒髪という点では榛名と同様ではあるが、同時にインナーカラーとしてコバルトブルーに染髪しており、公男が漠然と抱いている『女子大生はオシャレ』という小学生のようなイメージに合致する印象を与えてくれる容貌だ。
服装は原作ゲームでは水着霊基で着用していたミニスカート丈の白ワンピースで、そのボディラインは他の三人よりも幾分か胸が控え目な、スレンダー美巨乳なモデル体型である。
月の湖メストリアパンに存在していた精霊にして、歴史にも名高い水上都市テノチティトランの『都市精霊』でもあるために、その美しさは折り紙付きだった。
また、水上都市そのものでもあるために自認は人間ではなく都市であるために行う独特の言い回しはこのドリームワールドでも健在のようで、この世界の『主人公』である公男をひと目見て気に入ったのか、早々に自分の中心である大神殿に務める神官としてスカウトしだす始末である。
「すごい、メンツだ……皆美人で、なんか、俺なんかがここに居ていいのかな……?」
榛名、カタリナ、あかね、テノチティトラン。
洗練された美貌を持つ女子大生グループは、高卒でサービス業に就職し、その会社でも出世ルートから外れている公男にとって、存在するだけで後退りをしてしまうほどのキラキラに満ちた『陽』の輝きを放っていた。
元の世界で出会っても、間違いなく自分のような凡庸な男と関わることがないだろうと断言できるような美人女子大生に、公男は勝手に引け目を感じているのだ。
「何を言っているんですか、弟くん。それはむしろ、私たちが考えることですよ? 弟くんはかっこよくてすごい人だけど、その自信のなさはちょっと欠点ですね」
「そうですね。あなたは多くの女性の羨望を集めて、その大きな器でその女性たちを全員愛している大人物なんですから」
「特待生の噂は聞いてたからずっと会いたかったのはこっちの方だよ? 君のお姉ちゃんっていう榛名ちゃんのコネを使わなかったら、きっとずっと会えないままだったんだろうね」
「トラマカスキとしてあなた以上に相応しい人物にはまだ会えていませんし、そもそもこれからも会うこともないでしょう……ね」
そして、女子大生軍団はそんな弱気の虫が出てきた公男に対して畳み掛けるように全肯定の言葉を投げかけていく。
このドリームワールドの創造主であるプロト・マーリンは『夢野公男は元の世界で不当な評価を受けている』と認識していることに由来していた。
マーリンの意思によって、このドリームワールドで暮らす存在は一部の例外を除いて、総じて公男のことを『この世で最も優れた人物である』という認識が徹底されているのだ。
コンプレックスとも呼べないほどの高卒としての負い目が現れただけで、これほどの自身を『よいしょっ』と持ち上げてくる言葉の数々に、公男は気を良くしてだらしなく頬を緩ませてしまったため、マーリンの狙いは成功と言えるだろう。
「いやぁ、それほどじゃないんだけど……でもでも、褒めてもらえるとやっぱり嬉しいな! それじゃあ、その、グループ論文の見学させてもらいます! よろしくお願いしまーす!」
そうして、公男は四人と同じくコの字型に並べられているテーブルの中にある空き席へと腰掛けるのだった。
ホワイトボードには論文のテーマになるのであろう文章が大きく書かれていた。
「え~っと……『新時代の都市開発のあり方』?」
「うん、私たちの論文のテーマ。私たちはまだ二回生だから卒論ってわけじゃないけど、この論文を完成させるとゼミの単位がもらえるの。ちょっと行き詰まってて……弟くんの意見も聞きたいんだけど、いいかな?」
「もちろん! 俺なんかで良ければ、力になるよ!」
胸をドンと叩いて快く引き受ける公男だが、同時にその胸にある期待があった。
なんの期待かと言えば、言葉にする必要もないだろうが、もちろん『これもエッチなイベントに繋がるのではないか』という期待である。
(さっきはちゃんとしようとしてたけど……でも、やっぱり榛名姉さんやヴィーラさんたちみたいな美人に囲まれてると、やっぱりそういうこと期待しちゃうよな! 和と一緒にやった中等部の見学でも、性教育とかそういうのばっかりやってたし……大学でも、そうなっちゃうんじゃないかって思っちゃうのは変じゃないよな?)
そうして、公男は榛名たちの論文のお手伝いをすることになったのだった————。
■
「ありがとう、弟くん。おかげですっごい捗りました! ここは私たちが奢るから、たっぷりと食べてくださいね! うちの大学の学食って結構有名でテレビの情報番組でも取り扱ったり、学外から食べに来る人もいるぐらいなんですよ?」
「う、うん……いただきます……!」
そうして数時間。
一区切りがついたこともあって、公男は榛名たちとともに学食へと移動していた。
ニコニコと朗らかな笑みを浮かべている四人の美人女子大生に囲まれながら、公男は恥ずかしそうに身体を小さくしている。
もちろん、美人女子大生たちに囲まれて緊張しているわけではない。
(全然、エロいことなんてなかった…………! は、恥ずかしすぎるっ! 榛名姉さんもヴィーラさんも、すっごい真面目に論文に取り組んでたじゃないか……! 真面目な大学生に囲まれて、こ、高卒の俺だけがエロいことに期待してて、穴があったら入りたいぐらいだ!)
そう、密かに期待してしまっていた『エッチなイベント』が午前中には全くと言ってもいいほどに起こらなかったのである。
ドリームワールドでの日々がハーレムセックス漬けの日々だったのだから、公男がエッチな出来事が起こるのだろうと考えてしまうのも仕方ないことと言えばその通りだが、勝手に性的な期待を抱いていた本人は恥ずかしくてたまらなかった。
(ぅぅ……女性グループだから男性目線の意見が欲しいだけだったんだな……休みの日にあったほうがいい施設とか、観光業としての方向性とか、公衆トイレや自販機の数についてとかっ……本当、めちゃくちゃ真面目な話だったよ……! 最後の方なんて、俺はついていけなくてポツンと座ってるだけだったし……!)
榛名たちのグループの会議は、真面目な話し合いの中に突然とラブホテルや風俗街についてのエッチな話題が入り込むというようなこともまるでなく、徹頭徹尾真面目な話で終わったのだ。
公男なりにかつての世界で培った社会人としての経験を活かしていくつか意見を出したものの、そもそもとして洞察力や知性に優れた四人にとってはさほど目新しい意見だったというわけでもなく、役に立てたという手応えは一切なしだ。
公男は午前中の話し合いでの役立たずっぷりを自覚してか、広々として清潔感のある食堂の中で四人と同じテーブルに腰掛けているものの、勝手に疎外感のようなものを覚えてしまうほどに落ち込んでしまうのだった。
「ぉぉ……夢野さんや黒川さんのグループだ……留学生二人もいるよ……!」
「やっぱり目立つよな……話しかけたいけど、高嶺の花オーラ凄すぎるよ……」
そんな公男に対して、榛名たち四人はやはり目立つようだった。
カタリナのようにこの四人に比肩する美人女子大生は多く存在するのだが、それよりもさらに多く『モブ女子大生』とでも呼ぶべき人物も存在する。
メインキャラクターとでも呼ぶべき四人たちへと、特に男子大学生たちの視線が不躾に突き刺さっていることにようやく公男も気付いた。
「…………ちっ」
「ヴィ、ヴィーラちゃん。その、少し落ち着いて……舌打ちとかはしないほうがいいって」
このドリームワールドではカタリナへの同性愛が極まりすぎた影響か、男嫌いも発症しているヴィーラがこの視線に完全な不快感を覚えたために舌打ちを一つ漏らしてしまう。
それを慌てた様子であかねが慰めるが、ヴィーラのどことなく溢れ出る不快なオーラは一向に収まる様子を見せなかった。
(でも、男の意見っていうならそこの男子大学生たちに聞いても問題ないよな……? ヴィーラさんはさすがにアレだけど、榛名姉さんやあかねは男嫌いとかないはずだし。それだとやっぱり、俺、いらないよな……? 大学生の方が頭いいし、まともな意見が出るんじゃないか?)
性欲に支配されていたことに負い目を感じているのか、公男は珍しくネガティブになっていた。
そして、同時にそんな公男を見ていた榛名の目がキランと輝く。
姉として長く公男と接している榛名は、公男が落ち込んでいることとその原因を確かに見抜いたのだろう。
「そうだ! せっかく弟くんから男の人目線の意見がもらえましたし、サンプル数を増やすためにも他の男の子にも聞いてみましょうか!」
「なっ……! なんでそんなことが! 彼の意見ならばともかく、他の男の意見なんて必要がな————」
「あっ……! そ、そうだね! 公男くんだけの意見じゃ数が少ないから問題だよね!」
「……? いりますか、それ?」
ヴィーラやテノチティトランはそんな榛名の言葉にどこか不満げな顔をしたが、洞察力や観察力に優れているあかねは榛名の狙いを見抜いたようだ。
四人の美人女子大生グループをコソコソと盗み見ていた男子大学生の二人組に、榛名とあかねがニコニコとした人当たりのいい笑みを浮かべながら近づいていく。
「お食事中二ごめんなさい、少しお時間いいですか?」
「私たちのグループ論文について、ちょっとアンケートを取りたいんだけど……時間は、大丈夫かな?」
「ゆ、ゆゆゆ、夢野さんに、黒川さん!?」
「ひゃ、ひゃい! 全然構いません! 何でも答えます!」
大学でも評判の美人、しかも、一人だけではなく二人に話しかけられたその男子大学生たちは、挙動不審と言えるほどに身体をガクガクと不自然に震わせながら、上ずった声で答えた。
童貞中学生のようなその反応は、このドリームワールドではさほど珍しくない反応である。
基本的に性的な能力の低くなっている男性だが、人並みに性欲と恋愛願望を持っていた。
そんなところに絶世の美少女と呼んでなんの問題もない榛名とあかねからにこやかな笑みとともに話しかけられたのだから、あのようになってしまうのも当然だろう。
「そのですね、都市開発についてなんだけど……」
そうして、榛名はわずかに前かがみなりながらプリントをテーブルに差し出す。
ただし、公男相手には絶対にしなかった、緩むワンピースの胸元をしっかりと片手で抑えてその美巨乳の谷間を男子大学生相手には完全にガードをしている。
あかねも同様だ。
公男の前ではその大きな乳房を強調するように二の腕でおっぱいを挟んでいる体勢を取っていたのだが、男子大学生たちには腕を緩めて、また榛名と同様に胸元を意識的に抑えて性的な視線を完全に拒絶しているではないか。
「は、はい! その、今の時代だとやっぱりジェンダーレスというか……! 女性に向けた都市開発が基本になるんじゃないですかね! 自治体レベルである程度は女性を優遇すべきだと……!」
「シングルマザーや女性の同性カップルが暮らしやすいように、女性向けの施設が多いほうがいいし、女性の観光客に向けて治安の維持も忘れちゃいけないですよね。あとは、外国人誘致も大事だと思うし……!」
そうして聞こえてくる男子大学生たちの言葉は、公男が元いた世界でも同意を得られそうな意見に溢れていた。
同時に、公男は意見を求められたくせに大したものを出せなかった自分がまた恥ずかしくなってしまう。
「…………はい。そうですね。ありがとうございます」
「その…………そうだね、わざわざ協力してくれて、助かりました」
だが、榛名とあかねの表情は実に冷めたものだった。
ため息を漏らしていないのが不思議なほどのテンションが下がったまま、このテーブルへと戻って来るではないか。
そして、憧れの美人である榛名やあかねに協力できた歓びに盛り上がっている男子大学生コンビへと聞こえないように声を潜めながら、公男へと語りかける。
「聞こえましたか、弟くん? その、協力してくれたあの人達には申し訳ないけど……弟くん以外だと、男性独特の意見ってのがなかなかもらえないんです。女性でもできる意見というか……むしろ、女性に気を使いすぎてるというか……『男性だからこそ!』って意見を、なかなか出してくれないんですよね」
「大学まで上がってくる男子は、やっぱりそういう面でもしっかりしてるというか……女性を尊重するべきって意識が強すぎて、高学歴の自分が社会的に排斥される可能性をあんまり考えてないから、女性が優遇されて当然って考えが行き過ぎてるの。だから、今回は公男くんみたいなナチュラルな男性目線をもらえて、すごく助かったよ」
「………………ああ、なるほど。そういうことですか」
「トラマカスキの意見は取り入れるべきですが……あちらの意見はさほどです、ね。榛名やヴィーラ、あかねが出したものとさほど違いがありませんから」
榛名とあかねの言葉からもわかるかもしれないだろうが、実はこの男子大学生たちへとアンケートを行ったのは、他の男子と比較することで公男を持ち上げるためだ。
あかねも口にした通り、ベーシック・インカムを代表として充実した社会保障が完成しているこのドリームワールドは、すでに『働かずとも生きていける社会』が完成している。
そのため、勉強意欲の低い人間は中卒で学歴を終えることは多いし、逆に大学まで来る人間は過剰なまでにリベラルであったりフェミニストであったり、『先進的』とされる属性の男性が多くなるのだ。
そのため、この大学でアンケートをとっても、先程のように女性を優遇する意見を『当然のもの』として、媚びでもなんでもなく口にする男子大学生がほとんどなのだ。
「生理とか出産とかがある女性を大事にすることはありがたいけど……でも、それって女性だけでもでてくる意見ですからね。男性独自の意見をはっきりと言ってくれた弟くんのお陰で、論文もいいものになりそうです♪」
「そ、そっか……! うん、役に立てたのなら良かったよ!」
榛名の徹底した褒め言葉に、落ち込んでいた公男の気持ちも上向きになってくる。
ニコニコとした榛名の愛らしい笑みに釣られるように、公男もまた笑い出すのだった。
「……なるほど、勉強になりますわ。他の男もうまく使うことで、彼の気持ちを盛り上げる材料にできるのですね。榛名さんやあかねさんも、可愛い顔をして意外と悪女の素質もあるというのも、なかなか身になる出来事ですね」
「悪女って……こうなるかなとは思って話しかけたけど、別に馬鹿にしているわけじゃないよ? 他の男子と公男くんはそもそもとして格が違うんだから、それをわかりやすくしただけだし」
「私たちを見ただけで反射的にお漏らし射精をして、尿のように薄い精液がプンプンと臭うあの手の男性は私には必要ないと思っていました。だけど、あなたたちのようにトラマカスキとの比較には使えます……ね。将来的に私への居住基準を高めすぎる必要はないというわけです……ね」
その陰で、三人の美人女子大生はヒソヒソと内緒話をしていた。
重ねてになるが、この世界の男性たちは性的弱者である。
榛名やあかねのような美人女子大生を見るだけでもちょろっと薄い我慢汁を流しだしてしまうのに、先程のようにその芳しい体臭が感じ取れるほどの至近距離で笑いかけられて、弾んだ会話(と男子大学生たちは思っている)を行ってしまえば、やはり水のように薄い精液を『お漏らし射精』してしまうのだ。
一方で、この四人の美人女子大生グループと午前中ずっと同じ部屋に居ながらもお漏らし射精をせずに、堂々と会話を繰り広げて実のある意見を次々に出した(と榛名たちは思っている)公男へと、ヴィーラたちはより強い好意を抱いていたのである。
「それじゃあ、食事をしましょう!」
「ええ、せっかくあなたと昼食が取れる貴重な機会を得ましたしね」
「うん。もっと公男くんのこと……教えて欲しいな」
「あなたのことだけでなく、私のことも知ってもらわないといけませんから……ね」
そうして、美人女子大生に囲まれて、楽しい食事が始まった。
この四人は全員が男子からモテてきたか、だとか。
公男はマジカルチンポを持つ『本物の男性』ではなくとも人格的にいい子だから話していた楽しいか、だとか。
そんな風にどこか公男に媚びるような内容ではあれども、直接的なエッチな話をしないままに、その会話はどんどんと弾んでいくのだった。
その様子を周囲の男子大学生、いや、女子大生たちも羨望の視線を向けていた。
男子たちは言うまでもなく美人グループに囲まれてハーレムを築いている公男を羨ましく思っており、女子たちは逆に『本物の男性』である公男と『お話』ができる榛名たちに憧れの視線を向けているのである。
しかし、先程も言ったが、ドリームワールドでは基本的に働かずとも生きていけるために中卒も多く存在し、その中で大学まで進学する人間は基本的に勤勉で真面目な人間だ。
そのため、その視線は羨望や憧憬に溢れつつも、嫉妬や悪意のようなものは含まれていない。
こうして、美人女子大生に囲まれた公男のランチタイムは過ぎていくのだった————。
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昼食を終えた公男と美人女子大生たちは、街へと繰り出した。
論文はまだ研究のためのアイディア出しや検証が主になるために、研究室にこもりきりという必要はないというのが大きいだろう。
「午後は実地調査ですね。学園都市のメインストリートには何度か来たことありますよね?」
榛名に先導されて向かった先は、ドリームワールドでも有数の歓楽街として知られている学園都市の中心地だった。
そこはアルトリアや和とも何度か訪れたことのある繁華街で、地方都市で生まれ育った公男にとってはテレビでしか見ない観光地のような場所である。
平日の昼間だが人混みは凄まじいもので、モブまで顔立ちの整った男女がごった返していた。
そして、美男美女しか存在しないようなこのドリームワールドには美醜の差が存在しないかというと、決してそんなことはない。
(でも、みんなを見てるんだよな……やっぱり、この四人の美人っぷりって特別なんだ……!)
榛名、ヴィーラ、あかね、テノチティトラン。
この四人はモブ群衆たちと比較すればまさにメインキャラクターとでも呼ぶべき華やかさを兼ね備えており、事実、群衆たちは男女を問わずすれ違うたびにこの清楚系美人女子大生を思わず二度見してしまっていた。
また、一人だけでも目立つような美人が、おそろいコーデというわけではないが、やはり公男の視線を意識してアイドルグループのように色違いのワンピースを着ているのだから、目立たないわけがない。
そんな四人が自分を囲んでハーレムのような様相を作っているのだから、公男は自然と優越感を覚えてしまうのだった。
「繁華街は街の顔ですから、ね。この学園都市は創立が五十年ほどの、まだまだ尻の青い都市ですが……世界が誇る技術の粋を集めて、常に最新の形に更新されています。サンプルとするにはこれ以上ない都市です、よ」
テノチティトランは年長者が赤ん坊を見るような独特の目つきでこの繁華街を見つめていた。
その言葉に付け加えるように、あかねとヴィーラもまた言葉を続ける。
「五十年前に、今の夢ノ国学園の学園長が主導となってこの街ができたの。異世界の技術を見事に融合させた、新時代の都市開発のモデルケース。しかも、学生が学ぶ場が旧態然としてはいけないって思想で、常に新しい発想や技術を取り入れているから、『世界で最も新しい都市』とも言われているんだよ」
「私もこの夢ノ国学園を卒業した後は領地に戻って家を継ぐ予定ですが、ここでの学びは非常に大きかったですね。今回の論文でまとめた情報をその領地改革にも使って、この都市のように住みやすく華やかな街を作るつもりです」
余談ではあるが、学園都市の学園長はテノチティトランのように人外に当たる存在で、五十年まえからこのドリームワールドで活躍しているという設定だが、未だに若々しい美貌の持ち主だ。
その人物がリーダーとして創り上げたこの学園都市は世界でも注目された最先端都市であり続けており、だからこそこの街で散策とするだけでも勉強になるのだと取ってつけたような言葉を四人は放つのだった。
「とりあえず、どこに行きましょうか? 若年層は未来のために絶対に必要な層で、その年齢層の子が楽しむための街作りをするのも大事ですから、弟くんが行きたいところ、全部回っちゃいましょう!」
「あなたとはこうして街へと出向くこともありませんでしたから……デート、ふふふっ……! これは、夢のグループデートというものですね……! あぁ……なんて甘美な響き……♪」
「私は女優でちょっとした有名人だから、一対一なら顔を隠したり身バレ対策しなきゃいけないけど……こういうグループならそういう心配をしなくていいね。もちろん、公男くんが望むのなら……また別の日に個人的なデート、してもいいよ♪」
「姉妹都市契約を結んでいるため、この都市についてのデータは些細なものまで全て頭に入っています。どうぞ、たっぷりと私のエスコートと妹たる学園都市のおもてなしを楽しんでください、ね♪」
むぎゅりと、それぞれが順番にその柔らかな手で公男の身体を優しくボディタッチを行いながら、その整いすぎてる清楚系の美貌を近づけると、耳元で甘い吐息を吹きかけるようにゆっくりと語りかけてくる。
それはなんのエロい言葉も発していないのに、脳みそがぐつぐつと沸騰して溶けてなくなりそうなほどの興奮を産んでしまうものだった。
(だ、ダメだ……! この人たち、普通にしてるのにエロすぎる……! 俺ってもともと年上好きなところもあったから……! 和たちや美森ちゃんたち中学生と居る時はロリコンの気があると思ってたけど、俺ってお姉さん好きだったんだな……い、いや、これじゃあ単なる女好きじゃないのか、俺!?)
ビキビキとズボンの下でチンポが熱く脈打つのを感じてしまう。
別にあの魅力的な巨乳を押し付けられたわけでも、その長く細い指で股間や乳首をさすさすと愛撫されたわけでもないし、もちろん耳舐めをしてもらえたわけでもない。
榛名とヴィーラは指を絡めるように手と手を結んだだけだし、あかねは胸板の厚さを確かめるよにツツツと胴に指を滑らしただけで、もっと言えばテノチティトランなどはそもそも触れることもなくその蠱惑的で挑発的な笑みを浮かべただけだ。
はっきり言って、かわいいや美しいという印象は覚えても、エロいというのは性欲が過剰すぎると非難されてもおかしくない状況だろう。
それにエロを感じてしまう公男は、少し後ろめたい気持ちになってしまう。
「公男くんの表情が曇った……興奮よりも後悔が強まってる……ここで私が言うべきことは……」
そして、それを観察力が非常に優れているあかねは的確に見抜いた。
あかねは途端に真面目な顔になると、美人女子大生グループとのハーレムデートというシチュエーションへの興奮で舞い上がっている公男には聞こえない程度の声量でぶつぶつと呟く。
自身の脳内で情報を処理し終えると、『今もっとも人気と実力がある若手女優』と言っても過言ではないその美貌に可愛らしい笑みを浮かべて、さらに公男へと語りかけた。
「公男くんとはこうやって話しかけても、全然だらしなくならないから一緒に居てすごく楽しいな。その……私たち、男の子と話すと相手が勝手に前かがみになったり……相手の、こ、股間が湿ってたりするから……普通に触れ合うこともなんだか遠慮しちゃうんだよね。だから、普通に男の子と遊ぶのってひょっとしたら初めてかも」
「え、ええ……? それって黒川さんが可愛すぎてお漏らし射精して……って、ごめん! なんか変で下品なこと言っちゃったよ、俺……!」
あかねが選んだのは比較での持ち上げだった。
公男が今興奮しているのは何もおかしなことではなく、むしろ、興奮しているだけでお漏らし射精をしていない分で女の子はすごく嬉しいのだと、ドリームワールド特有の独特の価値観を使って『公男くんすごい!』と褒め称えているのだ。
その反応が良かったことも感じて、あかねは相変わらずの美少女スマイルを維持したまま、女子大生のお姉さんらしい余裕のある雰囲気のまま会話を続けていく。
「気にしないでいいよ、本当のことだもん! あっ……本当のことって言ったら、ちょっと調子に乗ってるみたいで引いちゃったかな?」
「い、いやいや! 黒川さんみたいな美人だったら、全然嫌味にもならないっていうか!」
「ふふふ、ありがとう♪ でも、榛名ちゃんやヴィーラちゃん、テノチちゃんは名前呼びなのに、私だけ黒川さんってのは寂しいから……今度はあかねって呼んでね。できれば、さん付けじゃなくて呼び捨てかちゃん呼びの方が、距離感がなくて嬉しいかな」
「あ、あかね……!? 嘘、あの黒川あかねを、呼び捨てにしていいの……!?」
怒涛の攻めだった。
美しさという意味ではこのドリームワールドには、それぞれの作品のメインヒロインやサブヒロインまで数え切れないほどの美少女と美女が存在するだろう。
だが、あかねのように『芸能界で活躍している女性』というのは、未だ元の世界の価値観を強く持っている公男にとっては、やはり特別な存在だった。
そんな美少女からの『呼び捨て希望』な発言に、ミーハーなところがある公男はそのテンションを大いにあげてしまう。
「さすがあかねちゃんです……弟くんが、あんな楽しそうに……!」
これには榛名も感嘆の声を漏らしてしまう。
清楚な容貌に相応しい真面目な性格の榛名は、お淑やかであるからこそあかねのように知恵を巡らせて、公男の優越感を刺激するという技術は、どうしても他者と比べるところ見劣りするところがあったのである。
このように、互いの不得意を互いの得意で補えるのもハーレムの長所と言えるだろう。
「それではまずは、モールに向かいましょう!」
こうして、公男と四人の美人女子大生たちのハーレムデートは始まるのだった。
「このショッピングモールは、新しくできた若年層向けの施設です。きっと公男さんも楽しめるし、私たちの論文の参考になるところがいっぱいあるはずですよ」
まず榛名の先導で向かった先は、学園都市に新しくできたショッピングモールである。
現代日本のそれとおおよその雰囲気こそ似ているものの、そのモールの中にはSFとファンタジー、その両方の要素がさり気なく混在していた。
ウィンドウショッピングを楽しめるガラス張りのショッピングモールでは、ファストファッションやカフェチェーンのお店が立ち並んでおり、さらにはモールの通りにも紙コップのコーヒーやタピオカのプラスチックカップを手に持った若者たちが楽しそうに歩いている。
これもまた、マーリンがその魔術で公男の思考を読み取って基礎データとして登録してある、公男の呑気であるがゆえに貧相な価値観から生まれる『おしゃれな若者像』が形になったものだ。
さらに、モールの奥には映画館やゲームセンターなどのレクリエーションとなる施設も備えており、その充実っぷりはどこに向かうか迷ってしまうほどである。
「まずはショッピングから楽しみましょうか。あなたはファッションに興味がないようですが……いい機会ですから、私に服をプレゼントさせてもらえませんか?」
「えっ、ヴィーラさんが俺の服を選んでくれる……ってこと?」
「そう言っています。ふふふ……あなたを私の好みに変えられると思うと、あぁっ! どうしようもなく興奮してしまう♪」
自身の頬に両手を当てた、いわゆる『ヤンデレポーズ』を取りながらヴィーラはくねくねと赤いワンピースに包んだそのドスケベボディをくねらせていく。
ヴィーラは学園都市の外のとある領地の主のもとに生まれた『貴族』であり、言うならば『お嬢様』である。
その資金はこの中で最も優れており、また、どこか『貢ぎ癖』というようなものを持っていた。
ヴィーラはヤンデレ特有の妖しげな笑みを浮かべながら公男を紳士服売り場へと連れていき、試着室を用いて様々なファッションショーを行っていくのだった。
すでにドリームワールドで生活をして相当な時間が経っているというのに、未だに前の世界の価値観が色濃く残っている公男としては、むしろファッションショーをする美人女子大生たちの荷物持ち係になるのだろうと思っていたために、これは意外なことだった。
ただ、榛名やヴィーラのような清楚系美女が、自分が服を着替えるために嬉々として黄色い悲鳴を上げて喜んでいる様子は、まるで自分がイケメンアイドルになったかのように大変気分を良くしたのも事実である。
結局、四人それぞれが気に入った『公男に着て欲しい服』をヴィーラの財布で四セット買っただけで、普通は買い物が大好きなはずの美人女子大生たちは自身の服を何も買わないままウィンドウショッピングは終わった。
しかも、本来は荷物持ちをすべき男性である公男は手ぶらのまま、四人が公男に着せたい服の入った袋を持ち歩いているために、まさに『この集団は公男を中心としたハーレムです』という事実を強調しているかのようだった。
ちなみに、それらの値段は公男は確認していないが、一着だけでも小市民の気持ちが抜けていない公男なら目が飛び出るような金額であったことだけは書かせてもらおう。
「公男くん、次はゲームセンターに行こうか! デートってイメージだしね♪」
あかねの発言に公男が頷くと、一行はそのままショッピングモール内の大型ゲームセンターへと足を向けた。
ネオンライトと騒々しい音が響くそこでは、多くの若者が楽しそうに集まっている。
だが、公男たちハーレムデート中の面々が入ると、一斉に視線が美人女子大生の四人へと向けられていく。
その視線に交じる羨望や憧憬の感情は、意地汚いことではあるが公男をなんとも気分良く優越感を抱かせてくれるのだった。
そして、このゲームセンターもドリームワールドの進んだ科学技術によって独自のゲームが立ち並んでいた。
高水準のVR機能を使ったダイブ型のシューティングゲームや格闘ゲームに、ロボットを操縦する対戦ゲーム、それでいて、公男にとっては慣れ親しんだゲームセンター独自のダンスゲームや音楽ゲーム、さらにはプリクラなども当然のように完備されている。
どれで遊ぶかも悩んでしまうようなその状況も、あかねやヴィーラたちに促されることで大変満足のいくゲーセンデートを楽しめるのだった。
ただし、ここで一つだけ問題が発生した。
「せーの、いえーい♪」
カシャリ、と。
昔懐かしいレトロなプリクラの機体へと入った面々は、公男を中心として様々な構図で何枚も写真を取っていく。
それだけならば、良い。
問題は、レトロと言ったとおりにどこか古さの残ったその機体は、非常に手狭で五人入るとおしくらまんじゅうのようにぎゅうぎゅう詰めとなってしまうということだ。
(う、うぉぉ~~!? 榛名姉さんにあかね、ヴィーラさんのおっぱいが俺の体でむぎゅりって押し潰れて~!? テ、テノチの唇も、お、俺の項にブチュキスするみたいに押し当たってるし……しかも、匂いっ! 女子大生の甘い匂いで頭がおかしくなりそうなぐらいエロい! これ、やばっ! プリクラってこんなエロいものだったっけ!?)
高校時代に友人と利用したこともあるプリクラとはまるで違う、女子大生四人に揉みくちゃにされながら行うプリクラはあまりにもエロすぎた。
前かがみになった榛名の緩んだ胸元からは長い谷間が見えるし、後ろに回ったヴィーラは公男の背中にそのおっぱいを押し当てながら顔を近づけてくるし、右腕にむぎゅりと抱きついてその女優おっぱいを押し当てながら胸板に顔を沈み込ませてくるあかねは可愛すぎるし、テノチティトランに至ってはその美しい顔で首筋にキスをしてくるのである。
健全な男性ならば、いや、精神的に落ち込んでいたり聖人と呼ばれるような心の清い男性であっても、このようなシチュエーションになれば脳みそが海綿体に変貌してエロいことしか考えられなくなって当然と言えるだろう。
「……あら、トラマカスキ❤ この股間はどうしたのです、か❤」
「ふへぇっ!? テ、テノチさん!?」
「気づけばいつの間にか大神殿が立っているではない、ですか❤ ふふふ、これは実に意地が悪い人です、ね❤ こんな立派な建立を行ったことを、私たちに教えてくれないだなん、て❤」
「ご、ごめん……! みんながエロすぎるから、つ、つい……興奮して……! 普通のデートのはずなのに、き、気持ち悪かったかな?」
固く勃起したチンポに真っ先に気づいたのはテノチティトランだった。
独自のワードセンスでセクハラオヤジ同然の言葉をぽんぽんと繰り出すテノチティトランの顔には、元々浮かんでいた挑発的な笑みを更に深めた淫蕩なエロスマイルがにじみ出ている。
更に、その細い指でさすさすと股間を擦ってくるのだから、このドリームワールドの一般男性ならばそれだけで射精をしてしまっただろう。
「あぁ……ごめんなさい、弟くん❤ お姉ちゃんたちがはしゃぎすぎて、弟くんを誘惑しちゃったんだね❤」
「あなたは普通のデートを楽しんでいただけなのに……興奮した牝に群がられれば、雄として発情してしまうのは当然ですね……❤」
「心配しないでね、公男くん❤ このショッピングモールはぁ……最先端の設備だから❤ 少子化対策や性行為推進政策にも協力してるの❤」
どこかバツの悪そうな顔を浮かべる公男に対して、他の三人もまた淫蕩な微笑みを浮かべた。
公男はその手を榛名とあかねに握られる。
そして、引っ張られながらプリクラの機体を出ると、その背後にむぎゅりとおっぱいを押し付けるような体勢でヴィーラとテノチが抱きついた。
四人の美人女子大生の顔はすでに完全発情済み。
エロいフェロモンもプンプンと溢れ出しており、偶然にも通りかかったとある男子中学生は一瞬でお漏らし射精をしてしまった。
しかし、そんな男子中学生には目もくれず、四人はうっとりとした視線を公男へと向けるだけ。
この瞬間、その通りすがりの男子中学生はその性癖を『NTR』に固定されてしまう。
そんなドスケベ集団たちは足早に大型のゲームセンターコーナーを立ち去っていく。
「さあ……行きましょうか❤ 子作りルームへ❤ 勘違いレズすらその思想を矯正した……あなたが一番得意な、子作りセックスをしましょう❤」
「学園都市は産めよ増やせよが基本ですから、ね❤ 都市の繁栄は子供なくしてありえません❤ 期待していますよ……トラマカスキ❤」
榛名とあかねに引っ張られるように誘導されながら、ヴィーラとテノチティトランから直接的な囁きを受ける公男が向かう先は、この最新ショッピングモールに併設された『ラブホテルコーナー』である。
このドリームワールドでは異性間の性交が減少傾向にあり、さらに、その傾向はそのまま男女対立の社会問題にも繋がっていた。
女性同士で子供ができるのならばそのほうが良いという考えと、女性を満足に性的絶頂へと導けないような性欲が減少した情けない雑魚雄への蔑視が繋がり、一部の優秀な男性以外は必要ないのではないかという考えである。
ちなみに、ヴィーラが所属している『未来を考える会』はその過激派だったが、公男とのセックスで男性全てへの嫌悪は薄まった。
そういった対立の問題もあり、社会は基本的に『セックス推進』の向きにあり、それに同調して創られたこのショッピングモールにはラブホテルもあるのだ。
「それじゃあ、弟くん……❤ いっぱいセックスしようね❤」
「私……処女だから❤ 公男くんとのセックス、本当楽しみだな❤」
ロングヘアーの清楚美人との直球でのセックスのお誘いに、公男はすでにチンポを全力で勃起してしまう。
そして、その大きく膨らんだ股間を周囲に見せつけるかのように、ゲームセンターコーナーの反対側にあるラブホテルコーナーにたどり着くまで、ショッピングモールを連れ回される。
ハーレムを築いている公男を羨ましそうに見つめる男性の視線と、あれほどの勃起チンポを持つ男性とセックスができる榛名たちに憧れの視線を向ける女性に見送られながら、公男はハーレムセックスのための部屋へと向かうのだった————。
(続)
(後編)05:ドリームワールド~あなたに都合のいい多重クロスオーバーで現パロ風のエロ世界~『女子大生ハーレムデート編』
