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覗き部の朝は早いー…。
まだ暗い中団内の誰よりも早く起き、脱衣所へ足を運ぶ。
「今日誰が来るだろうとか、誰々が来てほしいなとか、そういうこと考えながら設置してます」
手慣れた手つきで観葉植物の植木鉢にカメラを隠しながら彼は語る。
「誰が来てもうれしいんですけどね(笑)」
隠し終わった後こちらを向き、はにかんだように笑う。
彼のやっていることは間違いなく間違いであろう。秩序の騎空団が聞けばすっ飛んでくるようなものである。しかも彼は団長であり、バレたならばこの騎空団は解散になるだろう。
「データは残しません。一度見て、目に焼き付けて、心に刻んで、感謝して、消去します」
感謝ー…彼のその言葉に私は感銘を受けた。
彼の目には透き通った、雑念のない信念のようなものが見える。
バレるかもしれないといったスリルを楽しんでいるわけでもなく、ただただ純粋な下心だ。
女体が見たいー…その一点において、彼はこの空の誰よりも真摯であると断言できる。
いずれ必ず来る破滅を彼は微塵も恐れていない。その目に宿る信念に裏付けされた情熱はきっと明日も明後日もずっと輝き続けるだろう。
取材を終えた私は何とも言えないさわやかな気持ちになっていた。
純粋なものを見たとき、こちらもまた純粋になる。
私は今まであれほどの情熱を持ったことはあったろうか。まだ、私も持てるだろうか。
今日の空はいつもより澄んで見える。朝日が心の中にまで差し込んでくるようだったー…。
エキスパート-変態の流儀-