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堕ちた王者と幻影の銀閃~凛香VSソフィア~Part.4(Fin)/The Fallen Champion and the Silver Flash of Illusion - Rinka VS Sophia - Part.4(Fin)

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堕ちた王者と幻影の銀閃~凛香VSソフィア~Part.4(Fin)/The Fallen Champion and the Silver Flash of Illusion - Rinka VS Sophia - Part.4(Fin)
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■前回


■試合内容

凛香VSソフィアの完結編です!!

多くは語りませんが、プロット的に5000字位で終わるだろうとか思ってたら何故か倍以上に文量が増えておりました(*^^*)


挿絵は全6枚+α、SSは約10800文字です(pixiv換算で読了まで約21分)。

それでは対戦よろしくお願いします~。


■Content of the match

This is the final part of Rinka vs. Sophia!

We won't say much, but I thought it would be finished in about 5,000 words in terms of plot, but for some reason the amount of text has more than doubled (*^^*).


Please enjoy the game!


There are a total of 6+α illustrations including standing pictures and differences.


★最後にアンケートがあります。プラン内容の方針を決める要素になりますので、よければ皆さんのご意見を教えていただけると幸いです。

There is a survey at the end. This will be a factor in deciding the content, so if you would like to give us your opinion, please do so. (Japanese)


★For non-Japanese users★

Please take a moment to translate and read this short story on sites such as https://www.deepl.com/translator m(_ _)m


---

堕ちた王者と幻影の銀閃~凛香VSソフィア~Part.4(Fin)

The Fallen Champion and the Silver Flash of Illusion - Rinka VS Sophia - Part.4(Fin)



カーン!!!


「あ~っと、ここでゴングですっっ!!!

 凛香選手、またしてもゴングに救われました…………というよりこれは、もしやソフィア選手が狙ってやっているのでしょうか!?」




「ワォ!! また仕留めきれなかったわ……これがアンブロークンの底力ってやつなのね?」


わざとらしくおどけた銀髪の少女は、顔面にめり込んだ拳を引き抜いて対戦相手を無様なサンドイッチから解放していく。


その直後、支えを失った肉体はぺたんと力なく腰をついてしまい、次いでちょろちょろとした水音と共にリング上に特有のアンモニア臭が漂い始めていった。




「あ~っと凛香選手崩れ落ちて…………失禁、失禁してしまっております!!

 凛香、この試合でも失禁させられてしまいました!!!」


顔も身体も至る所に紅い拳の痕が残っており、試合の激しさ──より正確に言うのであればソフィアのドミネーションの苛烈さ──を物語っている凛香の肉体。


ビクビクと痙攣し股間から黄金水を漏らし続けてしまっている彼女は、未だインターバルに入った事すら理解できてはいなかった。



「アハッ…………だっさ♪」


そんな凛香の姿を見て、すこぶる上機嫌な声で残虐な笑みを浮かべていくソフィア。

その顔にはかすり傷の一つすらなく、試合前の美貌を完璧に保ったままであった。






「おねぇっっ!!!」

「凛香っっ!!!」


女の子座りをしながらの失禁ダウンという余りにも情けない姿に、セコンドの二人はたまらず凛香へと駆け寄っていく。


観客へアピールをしながら青コーナーへと足を進めていたソフィアだったが、慌ただしく動き回る彼女達を横目でみるやいなや、歩みを止め口を開いていった。


「あら、貴女達……毎度毎度ご苦労さま♪」


先程まで激しい試合をしていた事を一切感じさせない優雅な声色。

銀髪の女は、対戦相手の妹である由乃を見つめながら言葉を続けていった。


「特にそう、シスターちゃん…………貴女、本当に可哀想よね。

 そこに転がってる情けない女のせいで、こんな試合を見せられているのだもの」


「っっ…………」


反論したいのは山々だが、由乃は何も言葉を紡げずにただ黙ってソフィアを睨めつけている。

その瞳は大粒の涙を浮かべており、握りしめた拳はぷるぷると震えていた。


「まぁいいや…………”それ”、ちゃんと起こしておいてよね♡」


あきらに引きずられ赤コーナーへと運ばれていっている凛香を顎で指し示しながらそう言った女は、悠々と振り返り再び青コーナーへと向かっていく。


由乃の反応に満足したのか、その表情は実ににこやかな笑顔を浮かべていた。








二人がかりで抱き起こされ、スツールに”乗せられた”少女。

まるで壊れた人形の如く虚ろに座っているその姿からは、元王者の威厳など微塵も感じる事は出来ない。


幾度となく顔面へ打ち込まれた拳によって元の美貌は台無しになってしまっており、加えて未だに股間から漏れてしまっている生暖かい黄金水が、彼女の惨めさをより引き立てていた。




インターバルが折り返しを迎えてもピクリとも反応を見せないでいた凛香だったが、一度ビクッと大きく身体を震わせた後に、モゴモゴと口を動かしていく。


「んぁっ…………よ、よし……の……………………」


「おねぇ!!」

「凛香!!」


微かに生気を取り戻した凛香の姿を見て声を上げるセコンド陣。

だが、殴られ過ぎた顔面は依然として原形を留めぬ程に腫れ上がっており、特に左目はほとんど開く事さえ出来ない状態である。



ここまでの試合展開を考えればどう楽観的に考えても勝ち目は薄いどころか、もはやいつKOされてもおかしくない状況。


故に、由乃の口は自然と弱気な言葉を紡いでいった。


「おねぇ……もう良いよ。

 無理しないで、もう棄権しようよ……」


自身に全幅の信頼を寄せていたはず妹から出た諦めの言葉。


「いくらおねぇでも……ソフィアさんには勝てないよ…………」


瞳に涙を浮かべながら語るその姿は凛香の心に少なくない衝撃を与えており、加えてその言葉が厳然たる事実であるという事は、少女が一番よく理解していた。



「えぇ…………確かに、今から逆転するのは……難しいかもしれないわね…………」


弱々しく震えつつも、それでも愛する妹を安心させるべく、しっかりとした口ぶりで凛香は言葉を返していく。


(そもそも……格が違い過ぎて、勝つどころか試合にすらなってない…………)


身も心も徹底的に蹂躙されてしまった結果、凛香は既に敗北を認めてしまっている。



「…………でもね」


──────だが、その心はまだ折れてはいなかった。


「このままやられっぱなしは悔しいから…………せめて、一発だけでもアイツをぶん殴ってやるんだから!!」


例え力及ばず敗北を喫したとしても、由乃の前では最後までカッコいい姉でありたい。

その想いだけを支えにして、少女は再び闘争心を奮い立たせていった。



「おねぇ…………そっか、わかった」


最初は心配そうな顔を浮かべていた由乃だが、姉の決意が固い事を悟るやいなや、自身も覚悟を決めていく。


「最後まで応援してるから……おねぇのカッコいい所、楽しみにしてるね!!」


いつも通りに満面の笑みを浮かべている少女。

だがその笑顔の裏には、顔に出すことが出来ない複雑な感情を抱えたままだった。






カーン!!!


「さぁ始まりました第6ラウンド!!

 凛香選手は大分苦しい状況ですが、果たしてまだ闘う力が残されているのか!?」



「ぜぇっ……はぁっっ…………ぅぅっ……………………」

(由乃の前だからカッコつけたは良いけど……正直、立ってるのがやっとかも)


ダメージは全く癒えてはおらず、身体は鉛の様に重くファイティングポーズを取るだけで精一杯な有様。


だがそれでも少女は必死に心を奮い立たせ、ゆっくりと前へ足を踏み出していった。



(こんな状態でソフィアさんの疾さをどう攻略していけば…………)


無傷で闘っていた時ですら一発も攻撃を当てられていない凛香は、この状況から一矢報いる為に作戦を考えようとしていたのだが──────そんな彼女を嘲笑うかの様な圧倒的な速度で、漆黒の弾丸が少女の頭を弾いていった。


「ぶふぅっっっ!!!」


「ソフィア選手の左がクリーンヒットぉ!!

 凛香選手、一発でふらついてしまったかぁ!!?」


挨拶代わりに軽く当てただけの、ソフィアにしてみれば撫でる様な一撃。


だが、そんな攻撃ですら今の凛香にとっては致命傷になりかねない程の脅威となっており、少女はあっさりと後退させられてしまう。



「がひゅっっ、はぶぅっっ!!!」


即座に距離を詰めて放たれる追撃の高速ジャブ。

回避はおろか反応する事すら出来ず、顔面のド真ん中を連続で弾かれ少女の口元からは透明な飛沫が舞い散っていった。



「んぅっっ、あべっっっ、ぶふっっ、ん゙あ゙っっっっ……」


「ソフィア選手の左が止まらない~~~~~!!

 弱った凛香選手を容赦なく追い詰めていきます!!!」


放たれるのは全て左のみ。

右の強打を打ち込めば容易にダウンを奪える事はソフィアも理解していたのだが、敢えて”凛香が倒れない”程度の強さでジャブを放ち続け、サンドバッグの味をたっぷりと堪能していた。



「ほらほら、手が止まってるわよ~……そんなんじゃ妹ちゃん、がっかりするんじゃない?」


「ぶべっっ、ぶひゅっっっ…………んびゅっっっ!!!」


屈辱的な煽りに言葉を返す事すら出来ず、ただ殴られっぱなしになってしまっている凛香だが、ソフィアの拳が綺麗に顎に突き刺さった事で一際情けない嬌声を発し、膝が折れていってしまう。



「アハッ、顎に入っちゃった♪」


口角を釣り上げて愉しげに笑うソフィアは、目の前で崩れ落ちていく凛香に強烈な一撃を見舞うべく、右腕を大きく引き絞っていく。



だが、攻撃の為の構えを取っていたのは彼女だけではなかった。


(せめて…………せめて、この一発だけは!!!)


崩れかけている体勢の中で凛香は右拳に力を込めて、関節の許す限り腕を捻っていく。


「やぁぁぁぁぁっっっ!!!!!」


油断しきった相手に向けて放たれるのは、"堕ちない少女(アンブロークン)”の得意技であるコークスクリュー・ブロー。


「んなっっ!!?」


「おねぇ、やっちゃぇ~~~!!!」


これまで数々の強敵をキャンバスへと沈めてきた自慢の一打は、驚愕の表情を浮かべているソフィアの顔面へと真っ直ぐ突き進んでいき─────あっさりと避けられてしまっていた。


「…………なんてね♪」


彼女は学んでいた。

前回のニノとの闘いで、日本の地下女子ボクサーは窮地に追い詰められた時でも諦めず、最後まで力を振り絞り闘う事を。


「ジャパンのボクサーはしぶといってこの前学んだからね……この位は想定内よ♪」


故に、この場面でも決して油断はしておらず、常に凛香の反撃を警戒していたのだった。




「凛香選手、決死のコークスクリューも躱されてしまいました!!

 これは万策尽きてしまったかぁ!!?」


「そ……そんな…………」


全てを賭けて放った一撃をあっさり躱され、呆然としてしまっている凛香。

当然ながら、そんな無防備なサンドバッグを放置する程ソフィアは甘くはなく──────腰の入った右アッパーを少女の顎に叩きつけていった。


「んびゅっっっっっっ……………………」




「凛香、またしてもダウンを奪われてしまいました!!

 この試合何度目のダウンでしょうか、もはや数え切れません!!!」



「ぁ………………ぅぅっ………………………………」


汗に濡れた肉体をビクビクと艶めかしく震わせ、虚ろな瞳を浮かべている少女。

呼吸は浅く、弱々しく不規則な呻き声だけが喉から漏れている。


「おねぇ!!!」

「凛香!!!」


悲痛な叫びを上げる凛香のセコンド陣。

特に、無理に笑顔を作って姉をリングへ送り出した由乃にとってこの光景はショックが大きく、必死に抑えていた感情がその反動で爆発的に膨れ上がってしまっていた。



「おねぇ……もう、もう立たなくて良いからっ…………」


瞳からは自然と大粒の雫が流れて落ちていき、少女は涙声で意識の残されていないであろう姉に向かって懇願していく。



自身を絶望の淵から救い出してくれた強くてカッコいい姉は、今や目を覆いたくなるほど惨めで無様な姿を晒してしまっている。


「お願いだからっ…………そのまま、倒れててよぉっ………………」


それ故、少女の中にあった”最強のお姉ちゃん”という幻想は完膚なきまでに打ち砕かれてしまっていた。




だが妹の願いに反し、リング上で弱々しく身体を痙攣させていた少女はその二つ名通りの行動を取っていく。


「な、なんと…………凛香、またしても立ち上がりました!!

 何という凄まじい執念、まさに"堕ちない少女(アンブロークン)”の二つ名を体現するかの様な粘り強さです!!!」


瞳は虚ろな光を湛えており、ふらふらとリングを彷徨い歩く姿はまさに幽鬼の様な有様である。


「……ま………まだ…………まだっ、やれっ……………」


もはや意識があるのかすら定かではないが、曲がりなりにもファイティングポーズを構えている以上試合を止める訳にもいかず、レフェリーは高らかに試合の再開を宣言していった。


「ボックスッッ!!!」






「ぜぇっ…………はぁっ………………こひゅっ……………………」

(てを、手を出さなきゃ…………せめて、いっぱつ…………)


辛うじて立ち上がりはしたものの、その場から動くことすら出来ずに呆然と立ち尽くしている凛香。


もはや拳を握ることさえ出来ず、幾多の強敵を殴り倒してきた蒼のグローブは半ば開かれてしまっていた。



「まだ立ってくれるなんて……ほんと貴女、最高のサンドバッグよ、ねっ!!!」


嬉々とした表情で間合いまで迫りよったソフィアは大振りの右フックを放っていく。


大げさな予備動作で放たれたそれは、満身創痍の凛香ですら目で追う事が可能な程にわかりやすい軌道を描いていた。


(ぁ、来る…………でも……身体、うごかな)


だが彼女に出来るのはそこまでであり─────まるでパンチが来るのをただ黙って待っているサンドバッグの如く、その力任せに振るわれた一撃を顔面で受け止めてしまっていた。



「ぶひゅっっっっ!!!!」


「強烈なフックが炸裂~~~~~!!

 凛香、もはや反応すら出来ておりません!!!」


鍛え上げた剛腕による強打で少女の顔は90度回転させられてしまい、口元からは白いマウスピースがにゅっと顔を覗かせていく。


「そら、もう一発っ!!!」


「がびゅっっっっっ…………」


返しの左フックを浴びた衝撃で少女の紅く染まった頬肉は大きく歪み、美貌を失ってしまった顔面は先程とは正反対の向きを向かされてしまう。




「「おねぇ…………」」


リング下で涙ぐむ由乃は静かに姉の名前を呟いていく。


その手にはタオルが握りしめられていたのだが、地下試合故にタオル投入のルールは存在しておらず、少女はただ黙って痛めつけられる姉を見つめる事しか出来ないでいた。



「お腹がガラ空き……よっっ!!!」


「お゙ぶぅぅぅぅっっっ!!!!」


間髪入れずに無防備な腹を打ち抜かれてしまう凛香。

力の込められていない腹筋は相手の拳を深々と受け入れ、肺の中の空気が絞り出されると共に、口からはマウスピースが勢いよく射出されてしまっていた。



そして唾液に塗れた”それ”は放物線を描きながら対戦相手であるソフィアの胸へと直撃し、柔らかく跳ね返った後にべちゃりと水音を奏でながらキャンバスへと落ちていく。


皮肉にも”この日初めて当たった攻撃”となったそれはソフィアに何のダメージを与える事も出来ず、むしろ相手の怒りを買うだけとなってしまっていた。


「このっ……汚いもの、吐き出してんじゃないわよっっ!!!」


「ぐぴゅっっっっっ!!!!!」


ボディでくの字に身体が折れ曲がっていた所に強烈なアッパーを叩き込まれ、海老反りにさせられてしまったままヨタヨタと後退していく凛香。


そのまま背中にロープが当たるやいなや、今度は反動で前へと力なく崩れ落ちていく。



「このラウンドも良い所がない凛香選手、またしてもダウンを奪われてしまうのか!?」


そのままキャンバスにドサッとした物音が響くかと思われたのだが─────脱力した肉体をソフィアが抱きかかえ、強引にクリンチの形に持ち込んでいった。



「あ~っとクリンチ、クリンチです!!!

 ソフィア選手、何故かクリンチに出ました!! 一体何が狙いなのか!!?」






「こひゅっ………………うぅっ…………」


汗に濡れた肢体を密着させ合う二人のJK地下女子ボクサー。


だが銀髪の少女は傷一つない健康的な白い肌を保っているのに対し、黒髪の少女はその顔と肉体の至る所に紅い拳の痕が刻まれてしまっており、両者の実力の差が残酷なまでに映し出されていた。



そして妖艶な色香を漂わせながら、銀髪の女は対戦相手の耳元でそっと囁いていく。


「ねぇ…………貴女、気付いてる?」


「ふぁっ……ぁ…………んぇっ!?」


朦朧としていた意識が徐々に戻り始めたのか凛香の瞳に光が宿り、自らの状況を把握して驚きの表情を浮かべていた。


それを見たソフィアは右拳をゆっくりと相手の頬に添えると、力を入れて凛香の顔を強引に横へと向けていく。


「んぅっ…………」


「ほら見て……シスターちゃん、泣いちゃってるわよ♪」


向かされた視線の先には愛する妹の泣き顔。

頬にグローブを突き立てられているため頬肉をぐにゃりと歪めたまま、凛香は泣いている由乃と強制的に目を合わされてしまう。


「ぁ…………よし、の……………………」


「おねぇ……………………」


由乃は何も言えない。

”頑張って”とも、”負けるな”とも、”信じてる”とも。


今までどれだけ窮地に立たされていようと最後まで声援を送り続けてきていた彼女だが、ここに来て完全に言葉を失ってしまっていた。



「姉である貴女が弱いばっかりに…………全く、可哀想な娘よね」


「あっ……あ…………ぁ……………………」


彼女の胸を覆い尽くすのは果てしない無力感。

それと唯一心の支えにしていた妹からの信頼すら失ってしまった事に対する、言葉では言い表わせない程の喪失感だった。




「アハッ♪…………とうとう壊れちゃったかしら?」


生気の抜けた表情を浮かべたまま硬直してしまった凛香。

それを見て”潮時”だと悟ったソフィアは、この惨劇のフィナーレを飾るべく少女の肉体を器用にロープへと引っ掛けていった。


そしてロープに腕を絡めたまま凛香が崩れ落ちない事を確認したソフィアは、右腕を真っ直ぐ突き上げると、観客へ向けて大声でその台詞を叫んでいく。


「It's showtime!!」



そのパフォーマンスに大盛りあがりする会場の中、ソフィアは大きく、深く息を吸い込むと、妖艶な笑みを浮かべていく。


「それじゃ…………グランドフィナーレと洒落込みましょうか♡」


そしてこの試合で初めて見せる、”本気”のラッシュを放っていった。




「がひゅっっ……んぶっ…………お゙え゙え゙っっ…………」


これ以上”生かしておく必要はない”と判断したソフィアによる、出し惜しみなし正真正銘本気の連撃。


自らの足で立っているのではなく、ロープに吊るされているだけの少女には当然ながら回避も防御も出来ず、その全てを身体で受け止めてしまっていた。



「あ~っと、これはいけません!!

 凛香、為す術なく滅多打ちにされてしまっております、これは万事休すかぁ!!?」


一撃貰う度に長い黒髪は左右に揺れ、豊かに実った乳房は激しく暴れまわり、腫れ上がった顔は更に無様に歪まされてしまう。



「おねぇ…………」


少女が滅多打ちにされ股間から温かい液体を垂れ流してしまっているそのすぐ背後では、由乃が涙を流しながら、蹂躙されている姉の背中を見つめている。


気づけば、握りしめたタオルに力がこもっていた。



「ぶほっっっ…………お゙べぇぇっ…………がびゅっっ……………………」


遠心力を込めたフックで頬肉を弾かれ、腰の入ったボディで柔らかな腹肉を抉られ、身体ごと突き上げる様な派手なアッパーカットで脳を揺らされてしまう凛香。


そこには数ヶ月前までベルトを巻いていた王者の面影はなく、ただ惨めに嬲られ続ける敗者の喘ぎ声だけが響いていた。



(もう、なにも…………なにも……かんがえられない…………)


相手のされるがまま、無抵抗に殴られ続けてしまっている凛香。


その瞳にはもはや闘志や誇りの欠片すら残されてはおらず、まさにサンドバッグとして完成したと言っても過言ではない姿を観客達に晒してしまっていた。



「凛香、完全にサンドバッグになってしまっております!!

 ラウンド終了まではまだまだ遠い…………最早これまでかぁ!!?」


一方的という言葉すら生ぬるい程の凄惨な蹂躙劇が繰り広げられている中、ソフィアへの声援が会場を揺るがしていく。


「ソフィア! ソフィア! ソフィア!」


彼女を応援していた者はもちろんのこと、凛香に賭けていた者までもが、勝敗が見えた今となっては賭けに負けた苛立ちを少女にぶつけるかの様に、ソフィアへの声援を送っていた。




「ん゙あ゙っっ…………お゙ゔっ……………………ぐびゅっっ…………」


(わたし、は……カッコいいお姉ちゃんじゃなきゃ…………いけないの、に…………)


自身の理想の姿とは余りにもかけ離れてしまった惨めな現状を認識し、少女の瞳から流れる雫の粒が一際大きさを増していく。


そんな中、銀髪の少女は軽く数歩ほど後退すると、助走をつけた右ストレートで凛香の顔面のド真ん中を強烈に打ち抜いていった。


「ぎゅぷぅっっっっっ!!!!」


余りの衝撃でギシギシとロープが揺らされていき、少女の腕がロープから解けて反動で前のめりに倒れ込みそうになっていく。


すかさずトドメの一撃を放つべく、右腕を引き絞っていくソフィア。

拳を放つ直前、対戦相手の背後にいる泣き顔の少女の方を一瞥すると、口元を歪めてにやりと残酷な笑みを浮かべていった。


「これで………………フィニッシュ!!!」


「ッッ……おねぇっ!!!」




「ぐびゅぅぅぅぅぅっっっ……………………」


「「渾身のアッパーカットが決まってしまった~~~!!

 あ~っと、これは……タオル、タオルが投げ込まれております!!!」


ルール上存在しないはずのタオル投入だがそんな些事は気にせず、観客達はソフィアが放った豪快な一打でこの日最高潮の盛り上がりを見せていく。



「………………ぁ……………………」


だが、薄れゆく意識の中少女は目にしてしまった。

ふわりと舞っている純白のタオルを、表の試合において降伏宣言であるそれを。


そして脱力しきった肉体がキャンバスへ引き込まれるにつれて視界が下がっていき、その人物と目が合う事で気付いてしまった。


(これ…………由乃、が……………………)


その白旗を投げ入れた人物が誰であるのかを。

顔をぐしゃぐしゃにして泣きながらタオルを投入した愛する妹と、少女は視線を交錯させてしまっていた。


「ぁ……………………ぅぁ………………………………」


その瞬間、少女の心の中で”何か”がプッツリと切れてしまい、薄れかけていた意識は完全に途絶えてしまう。


そして完全に力を失った"堕ちない少女(アンブロークン)”の肉体は、ドスンと音を立てて地べたへと堕ちていってしまった。




「だ……ダウンっ!! 凛香選手、またしてもダウンですっっ!!!

 しかしこれは……いくら彼女でも流石に…………」


タオルが投げられはしたものの、ルール上それで試合が終わる事は無いため、レフェリーによってカウントが数えられていく。


「ダ、ダウンッ!! 1……………………2……………………3……………………」



「……………………………………………………ぁ………………………………」


一匙の生気すら残されていない抜け殻の様に、虚ろな表情を浮かべている凛香。

最後のアッパーを貰った時の衝撃でコスチュームが外れて大切な部分が露わになっていたのだが、それに気付いている気配すらない。



「おねぇ…………」

「凛香…………」


余りにも劇的なダウンに会場が割れんばかりの熱狂に包まれる中、彼女に声援を送るべきセコンド陣は沈黙してしまっており、ただ呆然と少女の姿を見つめていた。




「4……………………5……………………6………………………………」


「凛香選手、失神したままピクリとも動けませんっ!!

 このまま何も出来ずに連敗記録を更新してしまうのかぁ!!?」


世界中に試合の光景が生配信されている中、少女はこの日何度目かわからない失禁をしてしまっており、愛する妹が投げ入れたタオルや、ボクサーとしての誇りである相棒のグローブを自身の黄金水で穢してしまっていた。



「ふぅっ……ちょっとはスッキリしたわ。

 ありがとね…………サンドバッグちゃん♪」


ニュートラルコーナーでは、観客達に手を振りながら銀髪の少女が実に爽やかな笑顔を浮かべている。


身体中痣まみれでピクピクと痙攣してしまっている黒髪の少女とは対称的に、その肌にはかすり傷の一つすらなく、試合前の美貌を完璧に保ったままであった。



「8……………………9………………………………10ッッ!!!

 ウィナー、ソフィア~~~~~!!!!!」


カンカンカーン!!!!


試合という名のドミネーション劇の終焉を告げる鐘の音が高らかに鳴り響いていく。


それはまたしても少女が完膚なきまでの惨敗を喫してしまい、連敗記録が更新されてしまった事を意味していた。



「試合終了~~~!!! ソフィア選手、元王者である凛香選手を相手に圧倒的なまでの力の差を見せつけてくれました!!!」


「しかし、凛香選手はスランプなのか、完全に負け癖がついてしまってますねぇ…………果たしてこの泥沼の連敗地獄から抜け出せる日は来るのでしょうか!!?」


余りにも無様な元王者のKOシーンに観客達の熱気が最高潮になる中、ソフィアはゆっくりと凛香へ近づいていき、その右足を持ち上げると─────勢いよく敗者の胸を踏みつけていった。




「あ~っとソフィア、未だ動けないでいる凛香の胸を踏みつけていったぁ!!

 まるで”どちらが上なのか”を解らせる様な、余りにも屈辱的な行為です!!!」


地下格闘技である為この程度は問題なく許されており、レフェリーは止めもせず見守っていたのだが─────ふと、少女の口から艶のある声が吐き出されていった。


「んぁっ♡…………」


「まさか凛香選手……この状況で感じてしまっているのか!!?

 頬を紅く染めて悩ましげな吐息を漏らしております!!!」


媚薬を飲んでいたり、ソフィアに対して情欲を抱いている訳では決して無い。


だが、徹底的に壊され極限状態にあった肉体は本能的に感度が高くなってしまっており、直接敏感な部分を踏みにじられた事も相まって、少女の身体は意志とは無関係に感じさせられてしまっていた。



「あ゙っ♡…………ん゙あ゙っ♡……………………」


「アハッ♪ アンタ、これで感じてるとか…………本当にクソマゾサンドバッグじゃない♪」


満面の笑みを浮かべながら、ぐりぐりと踏みつけている足を動かし、少女の乳房を弄んでいくソフィア。


(ったく、なんでこんな雑魚にエリーは…………)


だが、まるで手応えの無かった哀れな敗北者に対して自身の好敵手が執着する理由が理解できず、内心苛立ちを覚えていた。



「ちょっとアンタ、いい加減にしなさいよ!!」


会場も配信でも盛り上がりを見せていたこのカーテンコールだったが、リングに上がった少女のセコンドによって強引に足を引き剥がされると、ソフィアは特に抵抗する事なくあっさりと背を向けていく。



「凛香……凛香、大丈夫!?」

「おねぇ………………」


そして未だに失神してしまっている惨めな敗北者は、そのまま担架に載せられてメディカルルームへと運ばれることとなった。




「これまで数々の敗北を喫してしまった凛香選手でしたが、今回のは流石に……」


連敗街道を突き進んでいる中で、無様な敗北姿は幾度となく晒してしまっていたのだが、今日の”それ”は明確に一線を超えてしまっていた。


「もはや”堕ちない少女(アンブロークン)”とは到底呼べません…………これではまるで、”堕ちた王者(ブロークンチャンピオン)”です!!」




この敗北で少女は失ってしまった。


上位ランカーの地位も、王座決定トーナメントへの出場権も、自身の二つ名さえも──────そして何より、由乃からの信頼という、最後まで守りたかった心の支えさえも、凛香は失ってしまったのだった。




■二つ名更新

”堕ちない少女(アンブロークン)” → ”堕ちた王者(ブロークンチャンピオン)”


■ランキング変動

JKボクシングリーグ:3位→7位(4ランクダウン)


■連敗数

現在7連敗中






【堕ちた王者と幻影の銀閃~凛香VSソフィア~】______Fin.







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POSTEDJun 29, 2025
ARCHIVEDJun 10, 2026