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地下女子ボクサーアンナと怒れる妖精~アンナVSアリサ~Part3/Underground Female Boxer Anna and the Angry Fairy ~Anna vs. Arisa~ Part 3

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地下女子ボクサーアンナと怒れる妖精~アンナVSアリサ~Part3/Underground Female Boxer Anna and the Angry Fairy ~Anna vs. Arisa~ Part 3
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■前回

■試合内容

アンナVSアリサの完結編です。


挿絵は全7枚+α、SSは約8800文字です(pixiv換算で読了まで約17分)。

それでは対戦よろしくお願いします~。


■Content of the match

This is the final chapter of Anna vs. Arisa.


There are a total of 7 illustrations +α including standing pictures and differences.


Thank you for your support.


★最後にアンケートがあります。プラン内容の方針を決める要素になりますので、よければ皆さんのご意見を教えていただけると幸いです。

There is a survey at the end. This will be a factor in deciding the content, so if you would like to give us your opinion, please do so. (Japanese)


★For non-Japanese users★

Please take a moment to translate and read this short story on sites such as https://www.deepl.com/translator m(_ _)m


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地下女子ボクサーアンナと怒れる妖精~アンナVSアリサ~Part3

Underground Female Boxer Anna and the Angry Fairy ~Anna vs. Arisa~ Part3




「アンナ選手、完全にサンドバッグになってしまっております!!

 これはもはや勝負あったか!!?」


「がひゅっっ……はぶぅっっ……お゙え゙え゙っっ…………んぶぅっっっ!!!」


手も足も出ず、長い間アリサのされるがままになってしまっていたアンナだが──────


「ぶひゅぅぅぅぅぅぅっっ……………………」


強烈なアッパーを顎に貰い、ド派手に殴り飛ばされる事で漸くその惨劇から開放されていった。




「アンナ、またしてもダウンですっっ!!!

 …………ですが、流石にこれは試合続行不可能かぁ!!?」


上ずった瞳を浮かべ、ビクビクと激しく痙攣を繰り返してしまっている少女。

偶然にも絡んだ腕はロープをギシギシと揺らしている。



「ぅ…………ぅぁ……………………」


確かに、試合はまだ終わってはいない。


だがその表情を見れば彼女が失神してしまっている事は明らかであり、ボコボコに腫れ上がった少女の顔面は、明らかに惨敗を喫してしまったボクサーのそれであった。






「どう見ても意識トンじゃってますねぇこれ…………

 アンナ選手、ズタボロになりながら必死に耐えたものの、もはやこれまでかぁ!?」


「お゙っ…………んぁっ………………」


序盤に一度ダウンを奪いこそしたものの、アリサが本領を発揮してからは一度たりとも攻撃を当てる事が出来ず、ひたすら滅多打ちにされ続けてしまったアンナ。


下馬評に反して余りにも情けない試合内容を見せる少女に対して、観客の大多数はこのまま生意気なルーキーが格の差をわからせられて惨敗を喫する物だと考えていた。




「んぅっ………………まりな……おねぇ…………さまっ…………」


────そんな中、少女は失われた意識の中で夢を見ていた。



【ねぇ貴女……いっそ、このままチャンピオンを目指しちゃいなさいよ】


温かな春の陽光と柔らかなジャズピアノと共に、敬愛する師匠が自分にそう告げてくる。


彼女の眼差しは熱を帯びており、いつも通りの軽い口調ではあるものの、その言葉には確かな重みが宿っていた。



【元々そのつもりでしたけど……師匠の命令とあらば、頑張るしかないですね】


【期待してるわよ♪…………未来のチャンピオンさん♡】



優しげな微笑みを浮かべる愛しい女の顔を見つめながら、幸せな記憶の余韻は徐々に揺らいでいき───少女の意識は、再び戦場の熱へと引き戻されていった。




「………あぇっ…………しあい、は…………?」


未だ微睡みつつある意識の中、何となくアンナは周囲を見渡していく。

紫色の瞳に真っ先に飛び込んで来たのは、先程まで夢に見ていた女の姿だった。


「なにやってんのよアンナちゃん!!

 貴女ならまだ全然イケるでしょ!!!」


力強く声を張り上げ、必死に愛弟子へと声援を送っているマリナ。


ここまでほぼ一方的な試合展開だったにも関わらず、彼女は自身の弟子が負ける事など一切考えていないかの如く、全幅の信頼を置いている様に見えた。



(マリナさん………………)


その姿を見た瞬間、少女の脳内に大量のアドレナリンが分泌され、心臓はドクドクと力強く脈打っていく。



(そう、だから私は…………)


彼女の言葉を嘘にしてしまわない様に、この胸に秘めた想いをいつか正面から伝える事が出来る様に─────少女は、再び立ち上がっていったのだった。






「ボックスッッ!!!」


「……………………」

(あれでもまだ立ってくるとか…………本当になんなのよこの女!!)


半ばKOを確信していたにも関わらず対戦相手の少女は立ち上がり、加えて先程までとは明らかに雰囲気が異なっている。


異様な雰囲気を醸し出しているアンナの姿を前に、圧倒的優勢である筈のアリサは手が出せないでいたのだが、それを見た少女は徐ろに口を開いていった。



「こんなパンチじゃ、いくら殴っても私はKO出来ないですよ…………

 ほらアリサさん、”アレ”……やってみて下さいよ」


「ッッ!!!」


余りにも見え透いた挑発に妖精の片眉がピクリと吊り上がっていく。


”アレ”を使うなどという博打を打たずとも、相手が自分の疾さに対応出来ない以上、このまま遠距離から削れば勝利はほぼ確実である状況。


加えてこれはエリカの雪辱を賭けた絶対に負けたくない闘いである。

故に、アリサが取るべき”正解”は解りきっていたのだが─────



「上等よ…………その舐めくさったツラ、ぶっ飛ばしてやるんだからっ!!!」


試合で昂った感情に抗う事が出来ず、闘技場の妖精は大きく息を吸い込むと精一杯自身の肺へ酸素を送り込んでいった。



「あ~っと、アリサ選手大きく息を吸い込んでいったぁ!!!

 という事は……この試合二度目の…………!!?」



観客の期待が最高潮に高まったと同時に、妖精は羽が生えているかの如く軽やかな動きで少女へと肉薄していく。


そして眼前にいる相手が反応できない程の疾さと鋭さで両の拳を振り抜いていき、リングに情けない悲鳴を響かせていった。




「アリサ、必殺の超高速連打が炸裂~~~~!!

 アンナはガードすら出来ずロープ際で滅多打ちだ~~~~~!!!」


「あ゙ゔっ……ゔあ゙っ……んぶぅっっ……がひゅっっ……ぐぴゅっっっ!!!」


絶対に相手を倒すという意思を感じさせるかの様な徹底した顔面への集中砲火。


この試合で二度目となる無呼吸状態での超高速連打は、一度目の時よりも更に速度と精度を増して、入念に対戦相手の顔面を打ち続けていった。



「あ~っとアンナ選手、殴られながら失禁してしまっております!!

 自分から挑発しておいてこれは余りにも情けない!!!」


絶え間なく上下左右に顔面を弾かれ続け、既に虚ろな光を瞳に浮かべてしまっている少女。


「ぁっ…………ん゙あ゙っ………………」


鍛え上げた白い太ももを伝い、生ぬるい黄金の雫が静かに滴り落ちていく。

数ヶ月前までベルトを巻いていた選手とは思えない余りにも無様な悲鳴と共に織り成されるその光景は、どこか独特の色気を帯びていた。



(これで…………決めてやるっっ!!!)


必死の形相を浮かべて拳をふるい続ける闘技場の妖精。

ここまでの攻め疲れと序盤に奪われたダウンのダメージに加え、本日二度目となる超高速連打。


理不尽なまでの速度と威力を兼ね備えた技ではあるものの、その代償として莫大な体力を消費するそれを二回も使わされてしまった事がトドメとなり、彼女の体力も底を尽きかけてしまっていた。



「アンナちゃん、ぼけっとしてないでちゃんとガードしなさい!!!」


「んぶぅっ……がひゅっっ……ごぷぅっっ……あべぇっっ…………」


師匠の叫びも意味をなさず、少女はただひたすら殴られ続けてしまっており、失禁しながらのドミネーションという最上級の無様を配信を通じて世界中に晒してしまっている。



「これでっ…………沈めぇっっっ!!!!」


そんな中、一歩だけ後退して助走をつけたアリサが右腕を大きく振りかぶり、全身の体重を乗せて勢いよく拳を振り抜いていく。


「んびゅっっっ………………」


空色の拳は真紅に染められてしまった顔面のド真ん中を寸分の狂いなく貫いていき、少女の肉体はビクッと大きく跳ね上がってしまっていた。



「強烈な一撃が炸裂~~~~~~!!

 アンナ、流石にこれは耐えきれないかぁ!!?」


「ぜぇっ…………はぁっ………………ざ、ざまぁみな……さい……」


それは間違いなく今のアリサが出来る最高の攻撃。


全てを出し尽くした妖精はその場から動けずに、惨めにキャンバスへ這いつくばるであろう対戦相手の姿を眺めていたのだが─────いつまで経ってもアンナは膝を屈しなかった。




(アリサさん……本当に強い………………けど、)


徹底的に顔面を殴られ続けてしまったアンナだが、脳内を駆け巡るアドレナリンのお陰で未だ鮮明に意識を保ち続けている。


(チャンピオンのラッシュは多分、もっと凄いから…………ここで倒れちゃ、駄目なんだ!!)


バクバクと脈打つ心臓は彼女の肉体が闘える状態である事を示しており、少女は力強く拳を握りしめていく。



「えっ…………嘘、でしょ……!?」


幽鬼の様にフラリと構えを取った対戦相手の姿を見て、思わずアリサは声を漏らすものの、全く予想外の事態に対して何の対応も取ることが出来ず──────


漆黒の弾丸を、その柔らかな生腹で受け入れてしまっていた。


「おぶぅぅぅぅぅっっっっ!!!!!」




「なんとアンナ選手、あそこから反撃してきました!!

 ”鉄の女”の二つ名に相応しい、驚くべきタフさです!!!」


ダウン必至と思われた状況から放たれたその拳はまるで鉄の様に硬く握りしめられており、疲弊しきっていたアリサの柔らかな腹に大きなクレーターを生み出していく。



「ん゙お゙っっ…………ん゙が、ぁっ……」


薄い唇からマウスピースを覗かせ、白目を剥いて悶絶してしまっている”闘技場の妖精”。


プルプルと震えてはいるものの未だ己の足で立っていた、否───立ち続けてしまっていた為、”鉄の女”は容赦なく追撃の拳を振り抜いていった。



「おぶぅぅっっ!!……ごひゅぅぅぅっっ!!!……んぶぅぅぅぅぅっっっ!!!!」


「あ~っとこれは酷い!! アンナ、悶絶して動けないでいるアリサの腹を徹底的にいじめ抜くつもりだぁ~~~!!!」


まるでサンドバッグを叩くかの如く一定のリズムでアンナは大きく拳を振りかぶり、腰の入ったボディアッパーを繰り返していく。



「あ゙え゙え゙っっっ…………がぶぅぅぅっっっ…………お゙っ、お゙お゙お゙っっっっっ!!!!」

(やばっ……コイツ、腹っ…………ばっかりぃっ……)


妖精とまで称賛された美貌は見る影もなく、無様な悲鳴を上げながら苦悶の表情を浮かべる事しか出来ないでいるアリサ。



「おぶぅぅぅぅぅっっっっ………………」


そして鋭いボディアッパーが鳩尾に突き刺さった事により、女の肉体はくの字に折れ曲がり自然とつま先立ちになってしまう。



「お゙っ…………ん゙あ゙あ゙っっ………………」


必死に噛み締めていたマウスピースはキャンバスへべちゃりと落下し、生気の残されていない表情を浮かべ舌を突き出していたアリサだが────ラウンド終了を告げる鐘が鳴り響いた事により、辛うじて望みを繋ぐ事が出来た。


カーン!!!


「お~っとここでゴングっ!!

 アリサ選手、先程までとは打って変わって一気に追い詰められてしまったぁ!!」



「………………………………」


インターバルに入った事を認識したアンナは、相手の腹に突き刺さっている拳を無表情で引き抜いていく。


「お゙っ…………」


だが、完全に意識が失われてしまっているアリサには何が起きているのかすら分かっておらず、そのまま重力の任せるまま大きな音を立ててキャンバスへと突っ伏してしまっていた。




「あ~っとアリサ、無惨にもリングに倒れ込んでしまいました!!

 これはゴングに救われてなければKOもあり得たかもしれませんねぇ…………」


「あ゙っ…………ん゙あ゙っ……………………」


尻を突き上げてビクビクと痙攣を繰り返すアリサだが、殴られ続けた胃袋の奥からゴポゴポと異音がしており────無意識状態の肉体はそれに抗う事が出来ず、神聖なリングへ吐瀉物を撒き散らしてしまっていた。




「アリサ選手……なんと、ここで吐いてしまったぁ!!! 格下のルーキー相手に失神嘔吐…………果たして彼女にまだ闘う力は残されているのか!!?」






「あそこから持ち直したのは偉いわよアンナちゃん!!

 流石、私の愛弟子ね♡」


「ありがと、師匠…………」


セコンドであるマリナの言葉に返事をしたものの、アンナは極度の集中状態に入っており、その瞳は今も対戦相手の姿を映し出している。


(今は身体が動くけど……この状態がいつまで保つか)


だがこの状態が永遠に続くわけではない事は本人が一番理解しており、それ故に、少女には短期決戦の選択肢しか残されてはいなかった。



選手が集中状態にあるのを察したマリナは声をかける事はせずに黙って介抱していたのだが、インターバルが終わる寸前、誰にも聞こえない程度の声量で静かに呟いていた。


「…………信じてるわよ、アンナ」






「お゙え゙っ…………アイツ、腹っ……ばっかりぃっ…………」


エリカに抱きかかえられて無理やりスツールに座らされたアリサだが、未だボディのダメージが抜けておらず時折嗚咽を溢しながら悔しげに表情を歪めている。


「大分キツそうだけど…………アリサ、まだやれるか?」


普段飄々としている悪友が心配そうな眼差しをアリサへ向けるも、その直後、女は鋭い眼光を返していく。


「当然っ……でしょ!! …………アイツにだけは、絶対負けないんだからっ!!!」



(身体も限界だし……何よりさっきので足が殺されて、多分もうロクに動けない…………でも、コイツにだけは、絶対に負けたくない!!!)






カーン!!!


「さぁ始まりました第6ラウンド!!

 アリサ選手、果たして先程のダメージはどこまで残っているのか!?」


短期決戦しか選択肢がないアンナと、武器である機動力を失ってしまったアリサ。


両者の思惑は奇しくも一致しており─────リング中央で、激しいインファイトが繰り広げられていった。



「開始早々リング中央での激しい打ち合い…………いや、この距離でもアリサ選手の方が上手かぁ!!?」


「…………シッ、ふっ……やぁっ!!!」

(全部躱せばいい……コイツのトロいパンチなんて、当たる訳ないんだからっ!!)


互いの肌が触れそうな程の超至近距離にも関わらず、アリサは女子リーグ最速の動きを可能にする動体視力と反射神経を遺憾なく発揮し、相手の攻撃を避け続け、その都度反撃の拳を振るっていく。



「アンナ選手……望み通りのインファイトですが、その拳は掠りもしません!!

 果たしてこのまま一方的な展開となってしまうのかぁ!!?」


リング上にはキャンバスを踏みしめる甲高い音と、空色の拳が相手を穿つ打撃音のみが響き渡っている。



(くっそ、コイツっ……なんで…………)


無様に腫れ上がった顔面や、真紅に染められた少女の腹筋を幾度となくアリサは殴りつけていくも、その表情は苦虫を噛み潰した様な悔しさに歪んでいた。


(これだけ殴ってるのに…………なんで、そんな平気な顔してるのよっ!!!)



「良いように殴られてしまっているアンナ選手ですが、全くダメージがある様には見えません!! これが”鉄の女”の本気ということなのかぁ!!?」


身体に迸る痛みをアドレナリンで強引に無視し、マウスピースを食いしばって必死に相手の打撃に耐え続け、少女は虎視眈々と反撃の機会を伺っている。


(まだ……まだ耐えられるっ……………………そこっっ!!!)


そして、業を煮やしたアリサが大ぶりの右ストレートを繰り出して来た瞬間、相打ち狙いのボディブローを叩き込んでいった。



「おぶぅっっっっ!!!!!」


「あ~っとここで相打ち……いや、アリサが打ち負けてしまったか!!?

 完全に悶絶してしまっております!!!」



「お゙っ……お゙あ゙っ…………」

(だめっ……一撃でっ…………お腹、もうっ…………)


膝をガクガクと震わせて硬直してしまっている妖精は、純白のマウスピースを今にも吐き出しそうな程に大きく口からはみ出させてしまっている。



「ぶひゅぅぅぅっっっ…………」


返す刀で放たれたのは、遠心力を込めた強引な右フック。

それはアリサの間抜けな悶絶顔を盛大に弾き飛ばしていき、強烈な一撃で頭を揺らされた女は、意識を断ち切られてしまっていた。





「アリサ、真っ向からの殴り合いで完膚なきまでに打ち負けてしまったぁ!!!」


「んぅっ…………ぁ……………………」


辛うじてロープに腕を絡めてはいるものの、その肉体は完全に脱力しきってしまっており、女の豊かに育った脂肪の塊や相手を殴る為の拳が力なく揺れている。


「アリサ選手、完全に失神してしまっております!!

 このまま親友であるエリカ選手と同じく、アンナ選手にKOされてしまうのか!?」




「アリサ…………おいアリサ!!

 お前……まだやれるって言ってたろ!? 負けたくないんじゃなかったのかよ!?」


普段は憎まれ口を叩きあう間柄であるエリカによる必死の声援。

その声が届いたのか、アリサはカウント5が数えられる辺りで辛うじて意識を取り戻していく。


「ふぁ……………………んぁっ…………!!?」

(アレ……私、ダウンしてる…………はやく……立たない、と…………)


決して素直にはなれないものの、親友以上の想いを抱いている女からの叫びによってアリサは再び動き出し、カウント9で何とかファイティングポーズを構えていった。






「ボックスッッ!!!」


「くぅっ…………」

(これだけ殴ってるのに…………この女、いくら何でもタフ過ぎるわよっ!!)


自分がどれだけ殴っても平然としていたのにも関わらず、たった二発の反撃でダウンを奪われ、更には失神させられてしまったという絶望的な現実。


途方もない無力感と悔しさで瞳からは大粒の涙が止めどなく零れ落ちていき、女は紅く染まりつつある腕でそれを拭っていく。



(でも、それでも…………)


もはや力の差は歴然。

逆転の可能性など無い事は彼女自身が一番理解してしまっているのだが、それでもなお、闘技場の妖精はその拳に力を込めていった。


「アンタだけは…………絶対に許さないんだからっ!!」


残された僅かな力を全て注ぎ込んだその一撃は、憎き少女の顔面へと綺麗な軌道を描いていき─────その役目を果たす事なく、虚しく空振ってしまっていた。



「がぴゅっ……………………」




「「アリサ、決死の反撃も実らずカウンターで切って落とされてしまったぁ!!!」


頬肉を殴りつけられたと同時に空色の瞳はぐるんと上ずってしまい、そのままヨタヨタと後退してアリサはコーナーを背負わされてしまう。



「ぁっ…………ぅぁ……………………」


意識が朦朧としてしまっているのか口はうわ言を唱えており、闘うための武器であるその拳はだらんと力なく下がってしまっていた。


「あ~っとアリサ選手、完全にグロッキーです!!

 これは余りにも危険な状況だ~~~~~!!!」


そして次の瞬間、実況だけでなく、会場の人間全てが予期していた展開がリング上で繰り広げられていく。



「ぶはっ…………がひゅっ…………おぶぅっ…………」


「アリサ、コーナーを背負っての滅多打ち~~~~!!

 失神してしまっているのか、まさに文字通り手も足も出ません!!!」


神秘的なまでの美しさを誇っていたその美貌はもはや欠片も残されてはおらず、妖精は情けない失神顔を浮かべながら相手の拳で永遠と殴られ続けてしまっている。



「ぶふっ…………んびゅっ…………あべぇっ…………がぅっ…………」


鉄の様に握りしめられた拳を受ける毎に声にならない悲鳴を上げ、その雌として魅力に溢れた肉体を左右に揺らしてしまう闘技場の妖精。


結んでいた髪も解けてしまっており、空色の綺麗なそれはまるで翅の様に、身体の動きに合わせて流麗になびいていた。



「アリサ……しっかりしろ、アリサ!!

 早くガード上げるんだよ!!!」


親友であるエリカが必死に叫び声を上げているものの、もはやその声は届く事はなく、会場の歓声に虚しく掻き消されてしまっている。



「ぶひゅっっ……お゙え゙え゙っ………………はぶぅぅぅぅぅっっっっ!!!!!」


右フックからの左ボディとお手本の様なコンビネーションで動きを止められた後に、アンナによる助走をつけた右ストレートが顔面へと叩き込まれていく。


失神してしまっている相手に容赦なく振り抜かれたその拳を受けて、アリサは軽々と吹き飛ばされてしまい─────上半身がリングアウトしてしまう程のド派手なダウンを喫してしまっていた。




「アリサ、またしてもダウン~~~~~!!!!

 ですが……これは流石に勝負あったか!!?」


「んぁっ………………ぅ…………」


ピクピクと小刻みに身体を震わせ、白目を剥いてしまっている闘技場の妖精。

辛うじて足がロープに引っかかってはいるものの、それがなければリングアウトしていてもおかしくない状況であった。



「6……………………7……………………8……………………」


当然ながら意識は深い闇の中へと落とされてしまっており、カウントが進んでもアリサの肉体は一向に動く気配を見せないでいる。


そして─────絶対に負けたくない試合だったにも関わらず、呆気なくその時が訪れてしまう。


「9……………………10!!! ウィナー、アンナ!!!!」


カンカンカーン!!!


「リングの妖精が儚く散ってしまったぁ~~~!!! アンナ選手は中盤まで圧倒的劣勢を演じていたものの、見事な逆転劇を見せつけてくれました!!!」



「ぁ……………………んぁっ………………………………」


親友以上の想いを抱いている女のかたきを討つために、固い決意を持ってリングへと上がったアリサ。


だが終わってみれば、格下であった筈の相手に完膚なきまでに打ちのめされてしまい、奇しくもエリカと同じ様な体勢で無様な失神KO負けを喫してしまっていた。




「これでランキングが変動し、アンナ選手は現在4位となっております!!

 果たしてこの勢いは一体どこまで続くのか!!?」




「マリナさん……私、勝ちましたよ…………見てくれました?」


試合の興奮が覚めやらぬ中アンナはリングに上がってきたマリナの顔を見つめ、ボコボコに腫れ上がった顔で、だがしかし、誇らしげに語りかけていく。


「えぇ、見てたわよアンナちゃん…………流石、私の愛弟子ね♡」


満身創痍の少女を優しげな微笑みで見つめるマリナ。

その視線は隠しきれない熱を帯びており、単なる師弟関係以上の、深い絆を感じさせるものだった。






【地下女子ボクサーアンナと怒れる妖精~アンナVSアリサ~】_____Fin.




■あとがき

更新が遅くなってしまい申し訳ありません。


月末更新分は多分30日に投稿されるとは思うのですが、最悪の場合来月頭にさせて頂くかもしれません。

(その場合は来月3話分更新します)




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POSTEDSep 24, 2025
ARCHIVEDJun 10, 2026