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ーーーー“あの阿呆の座っていた席を私にください閣下”
オリヴィエ・ミラ・アームストロング少将は、あの日の発言を後悔する羽目になった。
「う゛ぉ゛っ……♡♡ お゛……、お゛う゛………っ♡♡♡」
アメストリス国の中央に位置する、アメストリス軍中央司令部。
そのとある将校の一室、そのベッドの上で、オリヴィエは大股開きで倒れてザーメンをひり出しながら失神していた。
傍らには事後の一服を行う男の姿が。
彼はオリヴィエから見て階級が一つ上の中将、上官に当たる人物。
彼は乱れた呼吸に合わせてフルフルと揺れるオリヴィエの爆乳を鷲掴み、ねっとりとした笑みを浮かべる。
「ふぅ~……どうかね、アームストロング少将、私のオンナになる気は?」
「ハァッ……♡♡ ハ……♡♡ ……ッお゛、断り……させて……いただ、こ……う…………!♡♡♡」
現在、オリヴィエ・ミラ・アームストロングは中央司令部にて日々ありとあらゆる調教を受けていた。
ーーーー……
半年前。
“不死の軍団”。
“アメストリス国の成り立ち”。
“人造人間(ホムンクルス)について”。
“ブラッドレイ大総統の正体”。
アメストリス国全土を巻き込んだ、腐敗した軍上層部の野望を知り、レイヴン中将を斬殺したオリヴィエは中央へと呼び出された。
誤魔化しきれぬ事を悟った彼女は全てを打ち明けた上で、“あのような粗忽者より自分をその計画に加えろ”として、彼女はブリッグズの北方司令部からアメストリス軍中央部へと席を移すに至る。
味方も連れずたった一人で。
ーーーー彼女の一つ目の誤算は、中央(セントラル)の腐敗の酷さ。
当初はささやかなセクハラどまりだった。肩を撫でられたり手の甲で微かに接触されたり。
“随分と手癖が悪いな、中央(セントラル)司令部の者達は”
彼女がある日自分の尻を撫でた少佐の腕を捻り折りながら口にした言葉である。
当然弱肉強食を地で行くオリヴィエ・ミラ・アームストロング少将がそれを好きにさせる筈もなく、そのままその少佐は全治二週間の重傷を負った。
その後彼女を待ち受けていたのは、あまりにも荒唐無稽でオリヴィエにとって不利でしかない馬鹿げた現象だった。
数多いるオリヴィエにセクハラを働く中央軍人の中で、たまたまその日調子に乗ってオリヴィエの目に余る接触を働いてその場で処罰された少佐は、上層部により罪を揉み消された。
更に“証言の存在しない、アームストロング少将の極めて私的な理由による私刑である”として、逆に彼女に罪が課せられたのである。
“馬鹿げている”として彼女は当然抗議したが、それを聞き入れる者は一人としていない。
オリヴィエが中央司令部勤務になったのは、決して不死の計画に加えられたのではなく、あくまで北の屈強なブリッグズ兵達への牽制、人質として。
アメストリス軍で上から四番目の極めて高い“少将”の階級も、ここ中央司令部ではほぼ名前だけでしかない。
彼女は改めて、単身中央司令部に乗り込んだ事を実感したのだった。
軍規を乱したとして罪に問われたオリヴィエが受けた罰は、快楽拷問器具を用いた懲罰であった。
アメストリスは“機械鎧(オートメイル)”の普及から分かるように、機械工学に著しい発展を見せている国。
そのため人の手を介在しない自動で動く快楽拷問器具など満ち溢れており、彼女はそれにかけられた。
ーー時間にしておよそ35時間。
四肢を拘束され、機械のアームに固定された腰を強制的に上下させるもの。
股座には的確に女を殺す形状のディルドが設置され、オリヴィエはひたすらそれでイキ地獄を味わった。
更には解放直後、イキ失神して完全に意識を失ったオリヴィエの身体は、軍お抱えの医療錬金術師により肉体改造を施され、彼女の預かり知らぬ内に全身の性感帯を弄くられていたのである。
国家ぐるみで行う悪事。当然、人の命を材料にした“賢者の石”はいくらでもある。
“軍規違反”と言う名の言い掛かりによる懲罰を終え元の業務に戻ったオリヴィエは、自らの体験で幾つかの事実と詳細な自らを取り巻く状況を把握した。
“そもそも元から叛意を疑われて目を付けられており、大胆な叛逆工作は行えない事。実家であるアームストロング邸でならまだしも、少なくとも中央司令部の中で工作は行えない”
“中央司令部に用意された自分の部署は、軍部のかなり奥の中央の息のかかった者しか利用しない場所である事”
“常識的に考えて相手に非がある事でも、周りに敵しかいないこの状況ではいとも簡単に自分が悪者にされる事”
“奴らは常に、アームストロング少将を無力化出来るよう、こじつけられる口実を狙っている事”
以上の四つから、彼女は正面切っての闘いは自らが不利になる事を察した。
別に暴れて殺す事も出来るが、彼女も軍のど真ん中でアメストリス中央軍全員と一人で戦うような愚か者ではない。
虎児を得んとして虎穴に入った彼女は、来(きた)る作戦の時に備え自分なりに戦い、抗う事を決めたのだった。
「………………」
懲罰を終えた翌日、業務に戻った彼女を迎えたのは相も変わらずセクハラだった。
書類を纏め提出する際の移動で、エレベーターに乗った彼女。
それにたまたま同乗した男が、無言でオリヴィエの隣に立ち彼女の豊満なデカ尻をズボンの上から撫でていたのだ。
金糸のような美しい金髪、その前髪の下からチラリと確認すれば、エンブレムが示す階級は“軍曹”。
具体的には、10以上も彼女より階級が下である。格下も良い所だった。
(ブッた斬ってしまいたい……! ……が…………)
彼女はグッ、と奥歯を噛みしめ、表面上は平静を保ちつつ無抵抗にその接触を受け入れた。
一切反抗してこない事を確認した男はニヤリと下卑た笑みを浮かべ、より踏み入ったものに。
「…………っ…………」
表面をサワサワと撫でるだけだった動きから、感触を楽しむかのような揉みしだく動きに。
ギュウ、グッ、ムニィ……ッ、と何度も何度も。
指を開いては閉じてオリヴィエのムチムチに肉の乗ったデカ尻に指を沈み混ませていく。
(挑発だ。尻尾を出さんと隙を窺っている……些細な反抗を見せれば即座にまた言い掛かりや口実を作られ、馬鹿げた懲罰を課せられる)
オリヴィエは目を閉じたまま、肉厚で血色の良い桜色の唇を真一文字に引き締め、思惑通りになってたまるものか、と無視をした。
グニィ……ッ! と握り締めたオリヴィエの尻を、掴んだまま弄ぶように上下左右に揺さぶる。
下着がズレ、尻に食い込んでいき、それでもなお男は手を離さない。
「…………よく鍛えられておりますな、アームストロング少将」
エレベーターには彼女と男の二人きりではない。
オリヴィエから見て左側に立つ、尻を揉む男とは反対側、彼女を挟むようにして、中央司令部勤務となってから付けられた部下が右側にいた。
彼はそう言って、オリヴィエの右ももを撫でさすり始める。
「………………、……」
(白々しい……人の身体を……!!)
彼女の軍服着用スタイルは上はジャケット、下はブーツインにした生地にゆとりのあるカーゴパンツ。
そのため当然接触は生地の上からであったが、そんな事もお構い無しに部下は何度も上下に手のひらを往復させながら、よく跳ね返してくるオリヴィエのふとももの弾力を楽しむように揉んでくる。
(……チィ……!! 首をはねてやりたい……! 舐め腐りおって……!!)
内心舌打ちしつつ、彼女は大きく鼻で息を吸いこみ深呼吸。
ブリッグズの全てを凍らせる寒波の如き冷たい思考で、あくまで彼女は冷静さを保ち続けた。
(尻を触る男も、足を触るこの部下も……手を振り払えば幾らでも拡大解釈で反抗の意思アリと喚き立てる事が出来る。…………それを事実として歪曲、捏造出来るだけの環境がここには揃っている。ーーーー落ち着け、牙を喉元に突き立てる機会は今ではない)
「ーー中央軍は鍛え方が足りんのだ」
尻とふとももを触る手をそのままに、彼女は目を閉じたまま腕を組みつつそう言った。
ニヤリと同時に笑う中央軍人の二人。少なくとも今、この場での反抗は無いと判断したのだろう。
尻を揉む男の手はより激しく大胆に。
ふとももを揉み続ける部下の手は、やがて往復するにつれてカーゴパンツの上からオリヴィエの女性器を撫でるようになっていた。
グニグニと指を押し込むようにして、下半身への接触を試みる。
「…………っ……」
エレベーターが目的の階に到着。
移動に伴い部下の手は離れ、尻を揉んでいた男はパンッ♡ と最後のお楽しみと言わんばかりに尻を叩く。
オリヴィエの表情には出ておらず、また、セクハラを働いた二人の中央軍人も気付いてはいなかったが、既に彼女のカーゴパンツの下ーー下着はひっそりと僅かな湿り気を帯びていたのだった。
また、“中央司令部勤務となってから日が浅いアームストロング少将に施設を案内をする”、と言う名目で、オリヴィエにとって一つ上の階級の上官に当たる中将の初老の男性に連れ添われていた時の事。
場所はアメストリスの軍人達が訓練を行う広大な演習場を見下ろせる、天井の無いテラスのような場所。
腐敗した軍上層部、このオリヴィエを取り巻く状況の元凶の一人と、北方司令部への人質として飼い殺す目的で中央に加わったアームストロング少将の間には、階級の差以上の大きな権力の差がある。
つまりそれは、一般軍人のセクハラに対する行いよりも、更に振る舞いに気を遣う必要があるということ。
勿論それも織り込み済みの中将の接触には一切の遠慮が無かった。
「アームストロング少将。君は結婚は考えていないのかね。君ほどの年なら鋼の錬金術師ぐらいの子供がいてもおかしくないだろう。その美貌なら引く手数多と思うが」
「女せーーーー」
ーーーー危なかった。反射的に皮肉の言葉がオリヴィエの口から飛び出そうになった。
思わず、
『女性に無遠慮に年齢の話をするとは、中将も然程遊び慣れていない御様子。御自分の家庭にも今一度目を向け直してみては?』
……と言いかけた。もし言っていたらあの少佐を叩きのめした時とは比較にならないレベルの罰が課せられていたかもしれない。
「ん…………?」
「っ……いえ、何でも。……そうですね。今のところはまだそのような予定は」
「そうか。それはもったいない」
オリヴィエの返答にそう溢した中将はニヤニヤと笑いながら髭を撫でる。
ぞんざいに扱う事も出来ず、聞き流し生返事する事も出来ない。
(これなら部下に尻でも揉まれていた方がまだマシーーーー)
と、オリヴィエがそんな事を考えていると、中将はおもむろに彼女の胸元へ手を伸ばす。
「ーーーーこれだけ良い身体をしているというのに」
そしてなんと、彼は正面からオリヴィエの爆乳を鷲掴みにしてゆさゆさと手の中で弄び始めたのだ。
「っ」
この男が権力だけの雑魚で心底助かった、と、オリヴィエは自らのデカ乳を揉まれる不快感も忘れて二つの安堵に内心で溜め息をついていた。
思わずあまりの怒りに反射的に斬り殺す所だった。
一つ目の安堵は、寸前で理性が働き斬り殺さずに済んだ事。
よりにもよって中将を、しかも怪我や暴行ではなく殺害していた場合、まず確実に処刑されていた。
決して処刑も死も恐れてはいない。しかし、命を失くしてしまえば本懐を遂げる事が出来ない。それどころか、後々に控える全ての計画がご破算である。
二つ目の安堵は、この男が弱かった事。
仮にこの中将がそれなりの実戦経験を持つ実力者だった場合、恐らく自分が一瞬殺意を向けた事に気付かれていただろう。
その先に待つのは、反逆罪、上官殺害未遂による投獄か、それともこれまた処刑か。
目の前の男の弱さのおかげで、オリヴィエの首の皮はギリギリ一枚繋がったのである。
「ふむ……やはりこの大きさ……形状……重量感……素晴らしい。軍服の前を閉じるのもやっとではないかね」
しかしその安堵も通り過ぎてしまえば継続して行われるセクハラの不快感が残るのみ。
彼はオリヴィエのはち切れんばかりのドスケベなデカ乳を揉んで、押し込み、持ち上げ、揺らして、オモチャのようにして楽しんでいる。
抵抗は出来ない。
一般軍人相手なら抵抗は出来ずとも言葉でチクリと釘を刺したり不快を露にして威圧するだけなら可能だが、中将が相手ともなればそれも出来ない。
ただ直立して自身の弄られる乳房を眺めるのみである
「……っ……えぇ」
「それにこの尻もだ。雌としては満点のこのデカ尻……子供を産むのも容易かろう」
オリヴィエからの抵抗が無いと見るや否や、中将は左手で彼女の爆乳を揉みながら、身体を近付け右手で尻まで揉み始めた。
「~~っ……、……ん……っ……」
口を固く閉ざし、目を閉じてただ与えられる不快感を堪え続ける。
一般軍人には“まだ”出来ない、ここまでの表立っての大胆なセクハラ。
その接触に、流石の彼女の反応にも色が混じり始める。
「んっ……、……ふ……っ……♡」
オリヴィエは把握していない事だが、前回の懲罰後の気絶中の感度改造はバッチリと作用していた。
ネチネチと与えられ続ける感触に、肉体反射で各所に血流が流れ始める。
「ここにイチモツを咥え込んだ事は?」
中将はそう言って爆乳を弄る手はそのままに、尻を揉む右手を股の間に差し込みグイグイと足を押し開く。
踵を付けて直立するオリヴィエに、動作と接触によって言外に“足を開け”と告げているのであり、彼女は不規則にピクッと小さく震えながら肩幅に足を開いた。
カーゴパンツの布地の上から、オリヴィエの秘裂が擦られる。
「……っ……あ、りません」
「そうか、ではこの前の懲罰の器具が、君の始めてと言うわけか。申し訳ない事をした」
「い、えっ。…………っ……♡」
いくら布地の上からでも敏感な部位の女性器は如実にその刺激を受け取り、先日散々オンナの快楽を叩き込まれたマンコが味を思い出して目覚め始める。
湿り気は増していき、やがて紺色の軍用ズボン、カーゴパンツの布地に届いてほんの小さい濃いシミを作った。
「ではまだ子供を作る気は無い、と」
「んっ……はい。まだこの国っ、の情勢は不安、定。余計な戦が起こらなっ……くなるまで……戦い続っ、ける所存です。我がアーっ……ムストロング家の血筋はそれか、らで……もっ」
「素晴らしい」
甘くももどかしい弱々しい性感帯への刺激に詰まりながらも、オリヴィエは自らの口上を述べ切った。
それを聞いた中将は最後にグリュッと弾くように彼女の股から指を引抜き、接触を終えた。
「~~~~ッ……ん……!♡♡」
その最後の刺激で甘イキを迎えたオリヴィエは、悟られぬよう声を噛み締めながら身を硬直させる。
ジワ……と股に出来た愛液のシミを広げながら、何とか彼女は中将からの責め苦に堪えきる。
「本日の案内はここまでだ。仕事が控えていてね。その意気でこの国の未来のために全てを捧げてくれたまえ」
「……ふぅっ……はぁ……、……はい。本日はありがとうございました」
立ち去っていく中将をオリヴィエは敬礼して見送る。
軍服の下で乳首とクリトリスを勃起させ、肉ヒダを充血させ透明な蜜で下着を濡らしながら。
(見ていろよ老害共……!!)
弱々しい接触ではありつつも、眠っていた彼女の雌は確実に覚醒へと近付きつつあった。
ーーーー……
一般軍人の日常的なセクハラと上層部による更に直接的な接触。
抵抗すれば状況が悪化する事を悟っているが故にそれを受け入れる日々。
そんな彼女への扱いが続いた事で、中央司令部ではオリヴィエへのセクハラが常態化した。
“オリヴィエ・ミラ・アームストロング少将はセクハラOK。抵抗しない何しても良い雌”としての認識が浸透したのである。
それからおよそ数週間の月日が流れた。
ーーーー……
中央司令部の廊下を往く複数人の一般軍人。
訓練を終え束の間の休憩時間。これから何をしようかと雑談しながら進んでいると、正面の廊下の角からオリヴィエ・ミラ・アームストロング少将が姿を表す。
現在彼女の側に部下はおらず、一人でどこかへと向かっている最中のようだ。
一兵卒の彼らは足を止めて敬礼し、彼女が通り過ぎるのを見送ろうとするーー
「ーーーーんムッ……!」
ーーのではなく、彼らは通り過ぎようとする彼女の進路に被せると、何と何を言うでもなく無許可で正面から一人の軍人が唇を奪ったのである。
バサバサと床に落ちて広がる彼女の所持していた資料。
170センチ前後の彼女を上回る屈強な体格の軍人達。
キスをした軍人は左手をオリヴィエの頭に回し、右手でデカパイを乱雑に揉み始めた。
明らかに度を越えた接触。
もはやセクハラを超えてただの暴行に値する行為。
数週間前までの“一般軍人”が行える限界の行為は、軽く臀部を撫でたり理由を付けて身体に触れる程度の物。
こうして能動的な接触を図るものはいなかった。
何があったかその基準が大きく変わっている。
ここまで来れば如何にオリヴィエと言えど振りほどき、不満や不快感を口にしていたところだが、
「ぢゅる、ちゅぷ……れろっ、じゅるるるる……っ」
彼女は振りほどきもせず、露骨に不機嫌な表情になって威圧感を振り撒くこともせず、無抵抗に口付けをされていた。
自由になった手で拳を作るでもなく、腹部を殴るでもなく、突き飛ばすでもなく、ただダラリと。
「おはようございます少将。今日も良いケツしてますね」
別の男はゆったりとしたカーゴパンツの下からでもパツンと布を張らせるデカケツを気安く叩く。
「んっ……! じゅるるる……ちゅく……んム……ぷぁ」
如何にオリヴィエが圧倒的に不利な境遇にいたとしても、上官に軽口を叩きながらケツを叩くなど到底許される行為ではない。
数週間前の彼女であれば手を出すまではいかずとも、その産まれ持った強者のオーラと恐怖を煽る威圧感だけで圧倒させていただろう。
しかし、やはり彼女は何とも言わない。
平然と、ただ泰然と行われる度を越えたセクハラを受け入れ続けている。
そんな彼女の変化と、軍人達の増長っぷりには、オリヴィエの状況への“慣れ”が大きく関係していた。
毎日欠かすこと無く行われる日常的なセクハラに、最初こそ相手を威圧したり手を払ったり機嫌を悪くしていた彼女だが、それが一週間ほど続いた辺りで次第に慣れ始めたのである。
北国で寒さに震える人物が長い時間をかけてそこで過ごす内に、いつしか寒さを苦と思わず環境に適応するようになるのと同じもの。
不愉快であっても抵抗は許されず、ただ受け入れるしかない状況と、あまりにも日常生活と密接なセクハラの横行、それは彼女に順応という慣れをももたらした。
そうして彼女にとっては最早遠慮がちに触れる、偶然を装って撫でる、程度の接触であればセクハラに値しなくなった結果、その無意識での許容ラインの引き上げに併せて部下達のセクハラがエスカレートするという現象を引き起こした。
ある意味当然の帰結である。
当初はちょっと触れるだけで射殺さんばかりの眼光を向けてきた女将軍が、いつの間にやら軽く服の上から触る程度では対して怒らなくなってきたのだから。
そしてその都度、ラインを確かめるかのように“その時の”オリヴィエにとってギリギリのレベルまでセクハラの度合いが上がり、またそれにも慣れてまた増長し、また慣れて……というループをこの数週間で繰り返した結果が、この現状であった。
出会い頭にキスして胸を揉むなど、本来なら一発で牢屋の中である。
普通の女性ならその時点で大声をあげて平手を見舞い、足蹴にして通報されてもおかしくない。
しかし今のオリヴィエにとっては、数週間前の尻を手の甲でささやかに触れられた時と同程度の不快感しかなかった。
「ーーん゛ッお……!♡♡」
正面から貪るようなキスを続ける男が、自らの膝をオリヴィエの股に押し当てる。
グリグリと足を前後させ彼女の股を擦り、性器に摩擦による刺激を送る。
それだけで彼女はピクンと反応し、早くも濡れ始めた。
ーーーー彼女の二つ目の誤算は、己の中の雌の存在。
ブリッグズでは氷の女王として畏怖され“あんなんメスじゃねぇよぉ(泣)”と言われ、誰一人彼女を女性として見ていなかった。
彼女自身も性別を言い訳にせず弱肉強食のモットーに従い生きていた為、女性らしい快感、視点を知らずにいたのだ。
そうして奥深くに眠っていた“雌”は、この中央司令部に来てから急激に目覚めさせられる。
最初の懲罰によるイキ地獄を皮切りに、毎日の上層部や軍人達の接触は今まで雄を、“快楽”を知らずにいたオリヴィエを感じさせるには十分すぎる程の快感だった。
むしろ中途半端に目覚めさせられ、直接的な接触はなくセクハラ止まりでいたせいで、意図せず焦らしプレイの様相を成した事で“雌”の目覚めは加速したと言える。
「っっ……ンむ……ぢゅるるれろっ、じゅる、ンッ……う……!♡♡」
布越しに押し潰され愛撫されるクリトリス。
手の中の溢れんばかりのオリヴィエの乳肉の中に一点の硬くなる突起に気付いた男は、一息にその乳首を服の上から摘まんで強い刺激を与えた。
「ーーーーオ゛ッッ……!♡♡♡」
途端にビグッ! と全身を震わせ呆気なくアクメするオリヴィエ。
男達は笑いながら身体を離す。オリヴィエの肉厚な唇から唾液の糸が伸び、解放された彼女は頬を赤らめ呼吸を乱す。
訓練上がりにアームストロング少将をアクメさせた軍人達は気を良くしてそのまま何を言うでもなく、落とした書類を纏めて手渡すとそのままどこかへと行った。
「はぁ……はぁっ……!♡♡ ……ハァッ……♡ ……まったく…………!」
小さく悪態を吐き彼女はまた歩き出す。
オリヴィエは気付いていなかった。
濃厚なキス、胸への愛撫、尻への接触、軽度の絶頂。
これらの日常的となった行為でも彼女の奥深くに眠る性が刺激され、無自覚の内に肉体がジワジワと“雌”として適応しつつある事に。
使われずいた事で非活性化していた全身の性感帯や快楽信号が、少しずつ水面下で活性化しつつある事に。
ーーーー……
新しく発注していた軍服が届いた。
呼び出されて審査を終えて差程間を置かずに異動したため、軍服のスペアは全て北方司令部に残してきたのである。
当然こちらにそれらを輸送するよう手配も済ませてはいるが、それまで一つの服を使い続けるのも衛生的によろしくない。
そのためこちらでも着回すための軍服の発注であったが、ここにも中央の手は加えられていた。
「………………」
オリヴィエが普段着用している軍服はいずれも特注品。彼女の身体に合った逸品である。
アメストリス軍の軍服で上着は誰しも共通だが、下半身は人によってスカートやパンツを選択出来る。
無論彼女はゆったりとしたカーゴパンツ。
しかし、今回届けられたオリヴィエの下半身用の服は、発注を無視したとてつもなく丈の短いタイトなミニスカートであった。
見る限り股下10センチも無いだろう。
あって数センチ、後ろから見れば尻など丸見え。目線を股の高さにすれば股間がチラリと見え隠れする程。
屈もうものなら完全に尻が付け根まで露出する。
その上オリヴィエ本人の尻の大きさ、足の太さも相まって、歩くだけで勝手に丈がずり上がるレベルだった。
上着も生地が明らかに薄い。
前線に出て兵を使役し、時に自らの危険をも省みず銃弾や血潮や泥にまみれる事を想定した軍人が纏う生地ではない。
その上特注であるにも関わらず前のものよりパツパツで、強引にボタンを閉めればむしろ自分の爆乳の存在をアピールするかのように強調される。
肌にピッタリ張り付くそれはもはやボディースーツと言っても良く、凹凸に秀でた彼女の女性的なボディラインをこれでもかと主張するもの。
そのくせ民の血税をふんだんに注いで最新鋭の技術をつぎ込んだのか、一切の“窮屈感や不自由さ”を感じさせない。
肩を回しても胴を回してみても動きが全く阻害されないのだ。
「…………ふむ」
結局、発注を上からの権力と圧力でねじ曲げられた不快感やイラつきこそ僅かに抱いたものの、オリヴィエは特に反抗すること無くそれを着ることに決めた。
元々、彼女は徹底した実力主義、そしてゴリゴリの合理主義であり、それが仕事着であり仕事に支障が出ないのであれば頓着はない。
冗談程度の軽いやり取りであったが、昔、“アームストロング少将も大総統の地位を狙ってるんだって”、という話題から、“同じ大総統のイスを狙ってるマスタング大佐は不利なのでは”という雑談が繰り広げられた。
“マスタング大佐が大総統になったら軍属女性を全員ミニスカにするらしいから大丈夫!”と言ってマスタング派閥は冗談めいて笑っていて、現にマスタング大佐の支持率の方が勝っていたのだがーーーー
“ミニスカ政府? それで仕事の効率が上がるのか? よろしい! ならば検討しよう!”
と彼女が即決で現実的に視野に入れたことで、マスタング大佐の支持率がズギャンと低下する事態があった。
その事が示すように、元々デフォルトで彼女は“仕事に限り”業務効率、実用性、機能性を重視する傾向にある。
それと元から性に関して特に関心が無かった事が下地となり、中央に来てから度重なるセクハラに慣れて基準が引き上げられた事も合わさり、脚をさらけ出し雄の視線が集めるセックスアピールを、目覚め始めた“雌”が深層意識の内に選択していたのかもしれない。
新たな軍服に着替え終えたオリヴィエは姿見の前で自身の姿を確認する。
もはやボディコンと言っても良い。
彼女は鏡の前で片足を軽く持ち上げる。階段を上る程度の小さい動き。
しかし当然それだけでも簡単にスカートの中の白いショーツが丸見えになり、大きな丸みを帯びた尻肉に引っ掛かっていた後ろ側も容易く外れ、ブルンッと揺らしてデカ尻が露になる。
だが現在彼女が判断材料として思考の中に在ったのはあくまで“機能性”のみであり、そちらは全くと言って良いほど気にしていなかった。
(尻を覆う布地があるならともかく、これなら別に見えたとて然して不自然でもないか)
元々彼女は見せる相手も機会も予定も無かったため、下着は機能性と利便性から左右がほぼ紐の極小Tバックしか使わない。
「…………まぁ、良いだろう」
彼女はそれを良しとして、片手でずり上がったスカートの丈をグイと下へ引っ張ると衣替えをアッサリと終えた。
唯一新しい装備に変えなかったのは、黒のハイヒールブーツのみで、それだけは前と変わらず機能性に優れた黒い軍用ブーツを選んでいた。
理由は単純。ただ単に、動きにくいから。それだけの理由である。
そのタイミングで部下の訪問を報せるノックが行われる。
「入れ」
「失礼します。……おぉ……」
部屋に訪れた部下はより扇情的な姿となったオリヴィエを見て思わず感嘆の息を漏らす。
そのまま彼はオリヴィエへと近付くといつものように正面からむんずと彼女の爆乳を鷲掴みにした。
「…………」
グニグニと揉まれて柔軟に形を変える彼女の乳房。
どうせ下手に感情のままに罰を与えたり粛清を加えれば、更に不利で雁字搦めにされるのはこちら側。
もはやこの程度慣れたもので、彼女は一切心を乱すこと無くそれを見下ろしながら数秒程されるがままに受け入れていた。
生地に厚みのある寒冷地仕様の上着とは触り心地は雲泥の差であり、ズッシリとした質量、タプタプとした柔らかさが如実に伝わってくる。
このままだといつまでも揉まれそうだ、と断じた彼女は乳を触り続ける手を軽く払いのけ、素っ気なく告げる。
「先日の報告書類や申請書には全て判を捺してある。早く持っていけ」
「はい。新しい軍服、大変お似合いですよアームストロング少将」
「世辞は要らん。手を動かせ」
一ミリたりとも心を動かさず彼女は部下の隣を通り過ぎ、別の業務のために歩みを進める。
「しかし……凄まじいですね。あれだけの量を昨日の内に……」
背後から投げ掛けられるは部下の驚きの声。
彼の言う通り、如何に表立った抵抗が出来ないとは言え、その苛烈なまでの有能さは一切変わっていなかった。
「貴様らが遅いのだ」
バタン、と一言残して扉が閉ざされ、彼女は自室を後にする。
コツコツと軍靴の底が廊下の床を叩く。
少し歩いただけで既に尻がほぼ露出していたが、今の彼女は全く気にしない。
どうせ移動中に直したところですぐにまた上がるのだから。
「ご機嫌ようアームストロング少将」
「…………おはようございます」
オリヴィエが次に遭遇したのは、特に取り扱いやあしらい方に気を遣う中将であった。
彼がオリヴィエの横に並んで歩幅を合わせる頃には既に手が彼女の豊満な剥き出しの尻をムニムニと揉んでおり、指先が埋まる程に大胆に弄んでいる。
オリヴィエは一切歩調を乱さず、中将もまた自然の理の如く当然のように尻を揉み続ける。
「新たな装備は気に入ってくれたかね?」
(私の発注に下らん細工をしたのはコイツか……)
上層部ともなれば軍部の指令系統に介入し、特定の意図を挟む事など造作もないのだろう。
ましてや現在のオリヴィエ・ミラ・アームストロング少将に対する扱いは腐敗したアメストリス軍中央司令部の総意。
ニヤニヤとした嫌悪感を招く表情で介入している姿が目に浮かぶ。
(誇り高くあるべきアメストリス軍人が個人への嫌がらせなど……ましてやこのようなみみっちい些末な事を…………。同じ軍人として情けない)
「はい。特に問題ありません」
尻を揉まれながらもオリヴィエの返答は淀みない。
氷のように冷めた心で返した言葉だったが、愚かなる中将はそれに気付いていないようだ。
「似合うと思っていたのだよ。君の身体は素晴らしい。一切の型崩れのない女として理想的なフォルム。これも日々の鍛練の賜物かな」
「お褒めに預かり光栄です」
失礼極まりなく、女性にとって侮辱にと値する称賛。
しかし事実彼女の尻はそれ程に美しかった。
30代の物とは思えぬヒップライン。
よく捏ねた餅のように丸々とした豊かな肉付きの尻は一切の垂れ下がりを見せず、形状としては完璧。
触り心地も深く柔らかく沈み込む柔軟性に、跳ね返すかのような弾力とハリ。
中央(セントラル)に来るまで一切手付かずだった、天然の宝石のようである。
そんな尻を触られ続けながらも二人は歩き続け、分かれ道へと到達する。
「それでは私はこちらへ。失礼します」
反応すればするだけこの卑劣な者共は喜びを得る。圧力をかけられていると理解しながらも表立って抵抗出来ずに悔しそうにする姿は奴らに優位に立っている実感を与えるだけ。
(尻を触られた程度ではもはや何とも思わん。精々その汚れた私欲を満たしているといい)
波風立たぬ静まり返った湖面のように、全くのノーリアクションを貫いて別れていくオリヴィエを見送る中将。
「………………ふ……」
しかし彼女の思惑に反し、彼は多少の接触では何とも思わなくなってきたオリヴィエの変化に嫌らしく笑みを浮かべるのみ。
一人になったオリヴィエは腰まで持ち上げられたスカートを歩きながらグイと下へ下ろす。
しかし二歩、三歩進むだけでまた彼女の尻は露になり、オリヴィエはその白い大きなデカ尻に、揉みしだかれた中将の手形をつけたまま平然と通路を往くのだった。
そして彼女は目的地へ向かう最中、人通りの多い一般中央兵達が頻繁に行き来する場所を通り掛かる。
(うぉぉ……へへ……)
(すっげ……エロすぎ……)
オリヴィエの来訪に気付いた瞬間一気に下半身に向けられる中央兵達の視線。
素肌を露にしたことで軍服をリニューアルする前よりも更に、ダイレクトにそれを感じた。
向けられる視線の色はどれも下卑た欲望の色。
ジロジロと視姦され、幾重もの手に全身を揉まれるような感覚。
また、いつものようにここを通り過ぎるだけでも数えるのもアホらしくなるくらい身体を弄られるのだろう。
もう急に唇を奪われる事も全く珍しくなくなってきた。
「………………」
それを内心で「くだらん」と吐き捨てて、彼女は淫猥で卑劣な中央兵達の欲望の坩堝の中へと踏み出した。
股下数センチ、歩くだけで揺れる尻肉を露出するもはやただの帯と表現しても良い布地で。
無自覚、無意識の内に目覚めた雌の身体でトロリと内腿を濡らしながら、今日も彼女は単身孤独な戦場に身を投じるのだった。
ーーーー……