「私が勝利の女神さまになってあげる」
緩やかにカールさせた輝かしい銀髪を腰まで伸ばした、赤眼の少女。
身に纏う衣服は紫基調にフリルをあしらった可愛らしいドレス。しかし、胸部だけは大きく開かれており、小柄で華奢に見える彼女には似つかわしくない、豊満な乳房の上半分が晒されている。
人形のように美しく整った容貌。猫を思わせる縦長の瞳孔を持つ赤い眼は綺麗なツリ目。ツン、と澄ましたように通った鼻筋と小さな口は気品を湛えており、俺はあまりの美しさに息を吞んでしまう。
一方で、深々とした谷間と眩い乳肌を隠そうともせずにあらわにしている様子は官能的で、彼女の持つ気品と合わさって俺をドキドキさせてくる。しかも、そんな俺の前で誇るように堂々と胸を張って丸々と実ったバストを見せつけてくる彼女に、緊張しながらも問いかける。
「君は……?」
「私の名前はアリス。よろしくね、下僕(マスター)さん♡」
フリルのついたヘッドドレスを乗せた頭を傾け、長く豊かな睫毛をたたえるツリ目を細めて微笑を浮かべた少女が答え、すらっとした細く、白い腕を伸ばしてくる。
差し出された手を握り返していたことに気が付いたのは、手のひらの中に箱から出したばかりのトランプを思わせる、カードの束の存在を認めてからだった。
「楽しいお遊戯(ゲーム)にしましょうね?」
★
「んー? どうされましたぁ? おにーさん……カードバトルのやり方がわからないんですかぁ?」
気が付くとアリスと名乗った少女の姿は既になく、俺は船室でテーブルに向かっていた。
(そうだ……。俺はカードゲームのプロモーション大会に招待されて……)
全くの初心者である自分のような人間を集め、中級者以上のプレイヤーと交流させ、カードゲームの人口の増加を図る名目の大会。俺は抽選によってその大会に参加する権利を得て、予選会場である船に乗り込んだのだった。
(船旅の疲れかな……)
どうやら、自室から船内の対戦スペースに移動してテーブルに着いたところで眠ってしまっていたらしい。入ってきた時は一人だったから、女の子は俺の後にこの部屋に着いたのだろう。
「すみません。本当に初めてなもので……」
六畳間程度のスペースを挟んで、自分と同じようにテーブルに向かっている女の子に返事をする。
ピンクの髪を黒のリボンでツーサイドアップにした、中学生ほどに見える少女。服装は地雷系と呼ばれるものだろうか。着ているのは胸元や袖にフリルをあしらったピンク色のブラウスと、丈の短い黒のジャンパースカート。それから黒のニーハイソックスとローファーを履いた姿は、髪色と合わさってとても可愛らしい。
「ふふ♡ そっかぁ……♡ 初心者さん……なんですね♡ じゃあ……まいんが優しく手ほどしてあげないと……ですね♡」
袖元で口を隠してくすくす……と控えめに笑う彼女の様子は小動物的で可愛らしく、俺は自然と心を許してしまう。口ぶりからして恐らくは、俺のような初心者にゲームの基本的なルールや遊び方、面白さを教えるインストラクタープレイヤーなのだろう。
「ありがとうございます。助かります」
「平気ですよー……♡ ビギナーさんに優しく教えるのも……まいんのお仕事……ですから♡」
眉を「ハ」の字にした穏やかな笑みを崩さぬまま、少女は懐からデッキを取り出す。慣れた手つきからして、インストラクターらしく熟練のプレイヤーなのだろう。
「改めて……自己紹介……させていただきますね♡ わたしの名前はまいん……です♡ ビギナーのおにーさんに、優しく……やさし~く……このゲームの魅力と楽しさ……教えてあげますね♡」
まいんと名乗った少女がデッキからカードを一枚引き、口元に持って行く。目を細め、口元をカードで隠して笑う所作に、どきりとしてしまう。
「〈セイレーン〉……おーいーで♡」
ちゅ♡ と口付けをしてから、まいんさんがカードをテーブルの中央に置く。すると、彼女の前にモンスターが現れた。
「はーい♡ セイレーンさんですよー♡」
水色の髪をまいんさんと同じくツーサイドアップにした、両腕が鳥翼になった人魚、とでも呼ぶべき女性型モンスター。宙を泳ぐように飛ぶたびに下半身の魚体の鱗が黄色や青やピンク色に光るのが美しい。
「おにーさんも同じように……自分のウィクトーリアのカードをテーブルに置いてください……♡ モンスターカードとは別の……枠が金色で、ウィクトーリアって書かれたカードのこと……です♡」
言われた通り、カードを一枚パッと手に取ってテーブルに置く。
何故だか、見てもいないのにウィクトーリアのカードが何なのか、手に取った一枚が何であるのかわかった。その一枚が俺の手の中に自然と入ってきたのだ。まるで、あの子が「私よ」と言って俺の手を引いたかのように。
「俺のウィクトーリアは……〈アリス〉」
カードを卓の中央に置いて表側にめくった瞬間、先ほど夢で出会った銀髪の少女が目の前に現れる。
(あの子だ……!)
俺と同じくまいんさんとセイレーンの方を向いているので表情は伺えないが、後ろ姿でも彼女が夢の中でアリスと名乗った少女であることは分かった。
「これでお互いのウィクトーリアが揃いました……ね♡ それでは……ゲームスタート……です♡」
★
「まいんのターンから始めさせてもらいますね……♡ まいんは……手札から永続スペル〈セイレーンの囁き〉を使います……♡ お願い♡ セイレーン♡」
「うん♡ いーよー♡」
場に置かれたカードの効果なのだろう。しゅるり、ゆらり、とセイレーンが宙を泳ぎ、飛び、俺のすぐ左横にやってくる。
「ビギナーくん、よろしくねー♡ セイレーンさんだよー♡」
穏やかな表情と間延びした声。彼女の纏う緩やかでおっとりとした空気が、俺に自然と安心感を抱かせた。ずっと聞いていたくなる、耳を傾けているだけで心地よさを覚える、そんな声だ。
(綺麗だ……)
一方で、整った美しい顔をしたセイレーンがすぐ隣でこちらの顔を覗き込んでくることに緊張もする。相手はあくまでゲームのモンスターであるとわかっていても、美しい姿をした女性型モンスターではどうしてもドキドキしてしまう。
しかも、セイレーンは大きくて柔らかそうな乳房のトップを貝殻のみで隠している状態で、深い谷間や胸部の魅力的な膨らみはどうしても目に入ってくる。
(ち、近い……)
女性の裸を間近で見た経験がなく、もっと言えば日常的に女性と至近距離で接することが皆無であるため、胸のふくらみや谷間を惜しげもなく晒しているセイレーンに戸惑い、目のやり場に困ってしまう。
「この〈セイレーンの囁き〉の効果で……おにーさんにはセイレーンの言葉をたっ……ぷり聞いてもらいます♡ 耳元でルール説明や……カードの効果の説明をしてあげますから……しっかり聞いてくださいね♡」
「あ、はい。親切にありがとうございます、まいんさん」
俺がセイレーンの方からまいんさんの方へ向き直って礼を述べると、まいんさんは左手に持っていた四枚の手札で口元を隠し、くすくすと笑った。
「さん付け……じゃなくていいですよ♡ 呼び捨てで……まいんって呼んでください♡ それとも……おにーさんは女の子の名前、呼び捨てにしたことなかったりするんですかー……?」
図星を突かれた俺は、咄嗟に返事ができない。ただ顔が赤くなっていくのを、火照りによって自覚するだけだった。
「くふふっ……♡ カードだけじゃなくて、女の子とのお付き合いも初心者さんなんですねー……♡ じゃあ……そっちの手ほどきも必要かな……?」
まいんさんが目を細め、にんまりと笑みを浮かべる。可愛らしさと悪戯っぽさが同居した蠱惑的な笑み。余計に顔が赤くなるのを感じ、俺はその眼差しから逃げるように顔を背ける。が、視線を逸らした先にはセイレーンの大きな胸があり、俺は更にドキドキしてしまう。
「えっと。じゃ、じゃあ……まいんちゃんで……」
「おにーさん……本当にかわいい……ですねー……♡ じゃあ……まいんはこれで、ターンエンド……です♡」
くすくすと笑って自分のターンを終わらせたまいんちゃんが、セイレーンに手を振る。よろしく、とでも伝えたのだろうか。セイレーンが右の翼で俺の身体を抱き寄せ、豊満な乳房が押し付けられてしまうほど密着してくる。
「えっとねー? まずー、最初にデッキの上からカードを五枚引いてー、手札にするの♡」
左腕に当たるふくよかな胸の肉感に戸惑い、心臓の鼓動が強くなるのを覚えつつも、平静を装って言われた通りにやってみる。
「こうですか?」
シャッフルしてテーブルの上に置いた紙の束の上から一枚ずつカードを五枚取り、左手で持つ。
「そーそー♡ それでねー、ビギナーくんは後攻さんだから、もう一枚カードをドローできるんだよー♡」
続いて、六枚目のカードを手札に加える。左肘にセイレーンの胸がずっと当たっているせいで、手のひらが汗っぽい。
「これでー、準備かんりょーだねー♡ 次はねー? 手札からモンスターを出してみよっかー。モンスターはねー? ウィクトーリアを相手の攻撃から守ったりー、相手のウィクトーリアを攻撃したりするのに使うんだよー♡」
セイレーンの言葉に従い、手札からモンスターを場に出そうとする。だが、六枚ある手札はいずれもモンスターカードではなく、俺は固まってしまう。
「あのねー、セイレーンさんみたいなウィクトーリアがー、相手の攻撃でHPが0になっちゃうとー、ゲームに負けちゃうんだよー」
「そのために兵隊や壁としてモンスターが必要なんですね」
そして、今の俺は兵隊や壁を出すことができない状況なのだ。手札のカードは全て呪文や罠のカードで、使い方すらわからない。
「すごーい♡ よくわかったねー♡ セイレーンさんが褒めてあげるー♡」
よしよし、と言いながらセイレーンが右翼で俺の頭を撫でてくる。ふわふわと柔らかく、それでいて羽の一枚一枚がすべすべとしている右翼の心地よい感触にうっとりしてしまう。
「出せるモンスターがいないのかなー? そうなるとー、ウィクトーリアで攻撃するしかないかなー?」
君のウィクトーリアはどんな娘なのかなー? と言われ、既に場に出ている〈アリス〉のカードを見てみる。
「攻撃されない。攻撃できない。相手のカードの効果を受けない……?」
なんだこのカードは? と思わず続けて口に出してしまいそうになる。もちろん、〈アリス〉本人がすぐそこにこちらに背を向けて立っているのだから、声には出さない。それでも、表情には出てしまっていただろう。彼女がこちらを向いていなくて本当に良かったと思う。
「ステータスはどうかなー?」
「攻撃力0……。HPは……い、いちっ!?」
壁にもならないし、相手を攻撃することもできない。それどころかそもそも戦うことを想定していないとしか考えられない数値。参考までに確認させてもらうと、セイレーンは攻撃力が12、HPが30もある。それがどれくらい強いのかはわからないが、少なくとも〈アリス〉と比較したら圧倒的だ。
「あらあらー。それじゃー、ウィクトーリアで戦うこともできないねー。ターンエンドするしかないねー」
眉を垂らし、残念そうな声色でセイレーンが言う。だが、俺はふと疑問を覚える。手札が六枚もあるのに、本当に使えるカードは無いのだろうか?
「呪文や罠のカードも使えないんですか?」
まいんちゃんが先程のターンで永続呪文(スペル)を使用していたのと同じように、俺も手札のカードを使えるのではないか? そう思ったところで、セイレーンが俺の左腕にむにゅっと乳房を押し付け、耳元に口を寄せてくる。
「だーめ♡ ターンエンド、しちゃお? ね?」
「なっ……?」
唐突に囁かれた言葉に、俺はたじろぐ。言葉の内容にだけではない。今までのものとは違う、脳が痺れるような甘い声。聞いていてはいけないと本能的に感じるのに、聞いていたいと思ってしまう魅惑的な声。
(ダメだ……この声を聞いていたら……!)
「セイレーンさんの声を聞いていると、胸がくすぐったくなってドキドキしてきちゃうねー? いいんだよー♡ このままずっと声を聞いちゃおうねー♡」
そのまま、セイレーンがターンエンドを促してくる。従ってはいけない。声を聞いていてはいけない。そうわかっているはずなのに、何故だか彼女の声を聞いていると興奮と安心感の両方を覚えてしまって抗えなくなっていく。
「声を聞いていたせいでー、だんだん力が抜けてきちゃったねー? いいよー♡ セイレーンさんに身体、預けちゃおうねー♡」
「う、うん……♡」
セイレーンの言葉に従い、彼女の右肩に顎を乗せるようにして脱力した身体をセイレーンに委ねる。柔らかな彼女の肉体に受け止められ、右翼で背中を支えられ、抱きかかえられるように左翼で身体を覆われると安心感はいっそう強くなり、このままずっと彼女に密着していたくなる。
「うんうん♡ いい子だねー♡ よしよしなでなでしてあげるー♡」
温かみのある優しい声と共に、セイレーンが左翼を動かして俺の身体をさする。
「ううっ……♡」
柔らかくてふわふわの、セイレーンの翼。撫でられているとくすぐったく、それでいて心が落ち着く翼の感触に、甘え声を漏らしてしまう。
「あれー? 可愛い声が出ちゃったねー♡ セイレーンさんの翼、気に入ってくれたのかなー?」
両翼で俺の身体を挟んでいるために彼女の口元は自然と俺の耳元に寄せられており、彼女の声を聞いていてはいけないと思っても防ぐことができない。
「はいぃ……♡ セイレーンさんの羽、好きですぅ……♡」
心をくすぐり、脳を痺れさせる魅惑の囁き声を耳元で聞かされてしまい、素直に頷いてしまう。自分が不利な状況に追い込まれているのはわかっているのだが、それでも彼女の声を聞いていると抵抗する意思がかき消されていく。
「じゃあねー、ターンエンドしてくれたらー、いーっぱいなでなでしてあげるー♡ セイレーンさんの翼でー、身体をなでなでされるの、好きだよねー?」
あえて俺の身体に触れないように、密着させていた左の翼を浮かせてギリギリの位置でふりふりとセイレーンが振る。その時に起こる風さえもくすぐったくて心地よく、それでいて直接撫でてもらえないもどかしさを覚え、俺は素直に頷いてしまう。
「す、好きですぅ……♡」
「そっかぁ♡ じゃー……ターンエンド、しちゃおーねー♡ そしたらぁー、またいーっぱいなでなでしてあげるよー♡」
耳に流し込まれる、蜂蜜のように甘くてねっとりとした声。脳みそに直接響く声に、心が捕らわれてしまう。
「羽で……いっぱい……♡」
セイレーンさんのやわらかな翼で撫でられる。その甘美な感触を想起させられてしまい、心が揺らぐ。
胸がドキドキして、でも心から安心しきってしまっていて、セイレーンの言葉に抗いきれない。彼女の言葉に従うことそのものが気持ちよく感じるようになっていく。
「いーんだよー♡ このままー、セイレーンさんの声を聞いていようねー♡」
聞いているだけで胸がムズムズして、それが心地よくて、俺は彼女の言葉に浸ってしまう。
「セイレーンさんの声を聞いているとー、胸がぽわぽわしてきてだんだん気持ちよーくなってきちゃうよねー? 気持ちよくなっていたいよねー? ターンエンドしてくれたらー、ずっと聞かせながらなでなでしてあげるー♡」
胸を甘く疼かせるセイレーンの囁きと、左腕に感じる乳房のやわらかな感触。そして彼女の翼で撫でてもらえるという誘惑に心が揺らいでいき――
(ダメだ……抵抗しないと……でも……♡)
「た、ターンエンドぉ……♡」
――俺は、とうとうターンエンドを宣言してしまう。
「うんうん♡ ビギナーくんはお利口さんだねー♡ まいんちゃんのターンもー、ずっとおっぱいを押し付けてあげたままー、セイレーンさんがお話していてあげるー♡ それでー、なでなでもしていてあげるからねー♡」
言った通り、俺がターンエンドを宣言した瞬間から彼女は大きな翼で俺の身体を包み、ゆっくりと上下に動かして胸元から股間までを撫で擦る。
「ふうぅっ……♡」
「あはー♡ 情けない声が出ちゃったねー♡ セイレーンさんの翼なでなで、すっかり好きになっちゃったねー♡」
言いながら、翼を大振りに動かしてセイレーンがこちらの全身を撫で回す。耳元で魅了の声を聞かされ、服の上からとはいえ全身を翼で撫でられ、次第にセイレーンに対して恋に近い感情を覚え始めてしまう。
「セイレーンさんのお声を聞いて―、頭の中まで気持ちよくなってきちゃうねー♡ そのままセイレーンさんに恋しちゃっても平気だよー♡」
興奮と安らぎ。相反する感情を彼女の声によって覚えさせられた俺は、無抵抗に声を聞きながら翼で撫でられ続けるしかないのだった。
「じゃあ……私のターン……♡ カードをドローして、セイレーンでおにーさんに攻撃……します♡」
まいんちゃんがデッキからカードを引き、カードをプレイせずにそのまま攻撃宣言をする。
「こう……げき……?」
いったい、なにをされてしまうのだろう? とぼんやりとした頭で考えていると、セイレーンが耳に唇が振れるほど密着してくる。
「ねーねー、ビギナーくぅん♡ もっとセイレーンさんに撫でてほしくないかなー?」
「な、なでてほしいですぅ……♡」
「うんうん♡ そーだよねー♡ じゃ~あ……服、脱いじゃおうよー♡」
(そ、それは……)
セイレーンの声を聞かされ続けたせいで思考がまとまらない中でも、女性の前で服を脱ぐことはためらわれた。セイレーンはカードだとしても、対戦相手のまいんちゃんは生身の人間。いくらなんでも、服を脱いで裸を晒すことには抵抗がある。
「服の上からしかなでなでしてもらえなくてもいいのかなー? 裸になってー、直接なでなでされたらもっと気持ちよくなれるよー?」
そう言ってセイレーンは、翼をわざと俺の首や頬といった露出した部分に擦りつけてくる。
「あうう……♡」
くすぐったく、それでいて気持ちのいい感触、柔らかな羽がびっしりと生えている翼に肌を撫でられると、思考が蕩けて恍惚としてしまう。
「ねー? セイレーンさんの羽、気持ちいいでしょー♡ この羽でー……」
言いながら、セイレーンは翼を俺の股間へ押し付け、さすり、さすり、と撫で回してくる。ズボンの上から撫でられただけでも背筋が震えてしまうほど甘美な刺激に、ペニスへ血液が集中していく。
「おちんちんを直接なでなでして、たっぷり気持ち良くしてあげるよー♡」
「なっ!?」
流石の提案に驚いていると、まいんちゃんが楽しそうに笑いだす。
「くすくすくすっ……♡ 本当になぁんにも知らない初心者さんだったんですね……♡ プレイヤーとのバトルは、モンスター娘とおちんちんで行うんですよ……♡」
とても信じられない言葉に、何を言っているんだと思っているところに、セイレーンが更に囁いてくる。
「難しいことは考えずにー、セイレーンさんの羽で気持ちよくなっちゃえばいいんだよー♡」
「で、でもぉ……♡」
セイレーンの声に魅了されながらも抵抗を図る俺に、今度はまいんちゃんが言葉を投げてくる。
「このゲームの勝敗のつけ方はとってもシンプル……です♡ ウィクトーリアのHPがなくなるか……プレイヤーが三回射精するか……それだけ♡ 男の人が……とーっても不利なゲーム……なんですよ♡」
(それじゃあ、羽で撫でられたりしたら……っ)
服の上から股間をまさぐられているだけでも鳥肌が立ち、背筋が震えるほどの快感を覚えてしまっている。だというのに、性器を直接撫でられてしまったら……。
「あー、今、セイレーンさんの羽でおちんちんを撫でられるのを想像しちゃったでしょー? ズボンの下でー、ぴくぴくって震えちゃったの、ばれてるよー♡」
甘い声で意地悪な言葉を囁かれ、驚愕によって正気を取り戻しかけていたところを再び魅了されてしまう。彼女の声を聞いているだけで胸が疼き、言われた通りに行動して褒められたい、という欲求を覚えてしまう。
「いいんだよー♡ まいんちゃんの話、聞いてたでしょー? 三回射精したら負けって♡ つまりー、二回までは大丈夫なんだよー♡」
「うう……♡」
確かに、彼女の言う通り二回までは射精してしまっても構わないはず……。だが、本当にそうなのだろうか?
射精してしまうことで、単純に敗北に近付く以外のデメリットが何かあるのではないだろうか……? そう思いつつも、翼で股間を撫で回され続けているせいでそれ以上考えがまとまらない。
「想像しちゃったせいでー、おちんちんムズムズしてきちゃってるよねー? 一回射精して、すっきりしちゃおー? ねー?」
「セイレーン……まだ時間がかかるなら、ズボンの上からでも射精させちゃっていいよ♡ どうせ……おにーさんは我慢なんてできないんだから……♡」
ちら、と袖口から顔をのぞかせている腕時計に目をやったまいんちゃんが、セイレーンに向かってそう言った。
「はいはーい♡」
主人であるまいんちゃんの言葉に頷いたセイレーンが、むぎゅっとおっぱいを押し付けてきながら、股間をさする翼の動きを速くする。
「このままお漏らしなんて嫌だよねー? おちんちん、出しちゃおうねー♡ おちんちんを出してくれたらー、いーっぱい褒めてあげる♡」
(褒め……っ♡)
セイレーンに褒めてもらえる。そう考えただけで胸が高鳴り、彼女の言葉に対する抵抗心を失ってしまう。
気が付けば俺はズボンも下着も脱ぎ、股間をすっかり晒してしまっていた。
「自分で脱げて偉いねー♡ まいんちゃんに見られないようにー、ちゃんと翼で隠しておいたよー♡」
「あうう……♡」
セイレーンに褒められたことで嬉しくなり、甘えるように彼女に身を寄せる。
「うんうん♡ せっかく脱いだんだからー、いっぱい甘えながら気持ちよくなろうねー♡」
フワッと翼で俺の身体を抱き締めてきたセイレーンが、そのままむき出しになった性器に翼を押し付けてくる。
「あぁっ……♡」
柔らかな羽毛の集合体である彼女の翼は、ただ密着してきただけで性器に快感を与えてくるほど触り心地が良く、そのまま上下に擦られたら……と思うだけで我慢汁が漏れ出てしまう。
「お羽でなでなで♡ なでなでー♡」
「あぁう……♡ それ、すきぃ……♡」
我慢汁が潤滑油になったことでなめらかにペニスを撫でられ、甘えた声を止められなくなる。さらには自分から身を寄せ、彼女の翼の中に全身を包んでもらうようになる。
「甘えちゃってるの可愛いねー♡ おちんちん気持ち良くしてもらえて幸せだねー♡ セイレーンさんのことが大好きになっちゃうねー♡」
「ううっ……すき♡ すきぃ……♡」
「ほんとー? セイレーンさんもビギナーくんのこと、大好きだよー♡」
甘い声で優しい言葉を囁かれ続けながら柔らかな翼でペニスを摩擦され、次第に腰が浮いていく。自分から股間を委ね、セイレーンに身を任せてしまう情けない体勢のはずなのに、背中をそっと翼で支えられると彼女に受け入れられた心地になって安心してしまう。
「うんうん♡ 甘えるのが上手になってきたねー♡ そのままー、セイレーンさんにぜーんぶお任せで平気だからねー♡ ビギナーくんはー、セイレーンさんに抱きつきながら、おちんちん気持ちよくなることだけ集中していようねー♡」
「うん……うん……♡」
快感と声のせいでぼんやりとした頭で頷き、左腕をセイレーンの腰に回してぎゅっと抱き締める。そうしたことによって身体の重心が安定し、落ち着いて性器に与えられる快感を享受できるようになった。
(やわらか……っ♡)
腕を回して抱き締めたセイレーンの肉体。腹部までは人間女性のもので、そこから下は魚類の尾となっている特殊なそれは、人間の物とは比べ物にならないほど柔らかく、すべすべしていた。
「セイレーンさんはねー、お水の中で生きるモンスターだから、全身がすべすべムチムチなんだよー♡」
彼女の言う通り、セイレーンの身体はどこを触ってもむっちりとした肉厚な感触を味わえ、鱗に包まれた尻尾ですら信じられないほど触り心地が良い。
いや、良いなんてものでは済まない。もっちりとした脂肪の層の奥に感じる筋肉質な感触が豊かな弾力を生み出しており、揉んでいると手の方が気持ちよくなってきて夢中になって揉みしだいてしまう。
「あー、いけないんだー♡ セイレーンさんのお尻、いっぱい揉んじゃってるー♡」
「セクハラ……♡ 痴漢さんに……なっちゃいますよ♡」
二人の声で一瞬我に返り、手を止めようとする。だが、手のひらいっぱいに伝わってくるもちもちの感触には抗えず、セイレーンのお尻を揉み続けてしまう。
「そんなにセイレーンさんのお尻が気に入ったのー? じゃー、お仕置きにきもちよーくぴゅっぴゅさせてあげようかなー♡」
その言葉と共に、セイレーンは翼の動きを速めていく。それまでは羽毛を擦り付けてくすぐる程度のものだったのが、性器に翼を押し付けたうえでこねくり回すような動きに変化する。
羽の一枚一枚に微細な柔毛が生えているため、ペニスがこねくり回されるのと同時にくすぐられる。竿を圧迫される心地よさと亀頭付近を撫でられるくすぐったさ、そして翼によってペニス全体に与えられる快感によって、どんどん射精欲を掻き立てられていく。
「おちんちん気持ち良くしてもらいながら……お尻も揉んじゃうなんて贅沢な人……♡ よわっち~いマゾさんなんですね……♡」
「そのままー、セイレーンさんの声を聞きながらお尻もみもみしていようねー♡」
耳に流し込まれる魅惑色の囁き声によって、身体が勝手に動いてセイレーンのお尻を揉みしだくことがやめられなくなる。
すると、俺の左手に臀部を揉まれ続けているセイレーンが、「やーんっ♡」と可愛らしい声で鳴いた。
「やんやーんっ♡ お尻をさわられて気持ち良くなっちゃう~♡ やーんっ♡ お尻触るのやめてくださーいっ♡」
(ああっ、それっ、ずるっ……♡)
演技だと簡単に見抜ける、わざとらしい嬌声。だというのに、聞き心地の良いセイレーンの声で喘がれると、どうしようもなく興奮してしまう。
なんとかして手を止めなければならないとわかっていても、身体がまるで言うことを聞かずにお尻を揉み続けてしまう。手に伝わってくる豊かな弾力のある感触と、耳に囁かれるわざとらしい嬌声のせいで、どんどん心が彼女に傾いていく。
「あぁ~んっ♡ どうしてお尻触るのやめてくれないんですかー♡ ビギナーくんひどーいっ♡」
(ううっ……♡)
既に高まってしまっている興奮をさらに煽り立てるように、セイレーンが嘘喘ぎを続行していく。
「いやぁ~んっ♡ ビギナーくんのお尻の触り方、とってもエッチですぅ~♡ やんや~ん♡ セイレーンさん、負けちゃう~~♡」
最高潮にまで達してしまった興奮と、セイレーンの翼による愛撫で絶え間なく与えられる快感により、いよいよ精液が尿道を上り始める。
(もう、ダメだ……)
射精してしまう、となったその瞬間、ピピピピっというアラームが鳴り、セイレーンの動きが止まる。
(なんだ?)
何が起こったのだろうと不思議に思っている俺の前で、まいんちゃんが深いため息を吐く。
「セイレーン……遊びすぎ。バトルタイム……終わっちゃった」
「あぅ……まいんちゃん、ごめんねー……」
どうやら戦闘には時間制限があるらしく、その時間内に俺を射精させられなかったことを嘆いているらしい。
(助かった……!)
射精直前で快感を取り上げられてしまった名残惜しさはあるものの、ともかく射精せずに済んだことに安堵する。
「あはっ……♡ 助かった……って顔してる♡ そんな顔されたら……いじめたくなっちゃうじゃないですか♡」
だが、その前に俺のターンがきて何かしらの対抗策を講じれるはず……と思っていると、まいんちゃんが一枚のカードを手札からテーブルの上に置いた。
「呪文カード、〈おねだり〉発動……です♡ 効果でバトルを延長……させちゃいますね♡」
(そ、そんなっ……!)
なんとか射精せずにやり過ごせたというのに、まさかのバトル延長。これ以上セイレーンによって声を聞かされながら性器を刺激されたら、間違いなく絶頂させられてしまう。
「でもぉ……おにーさんが手札を一枚捨てたらぁ……この効果は無効になって、エッチお終い……ですよ♡ どうしますかぁ?」
(ど、どうするって……そんなの……)
決まっている。そう考えて手札から無造作にカードを一枚捨てようとしたところで、セイレーンに抱き着かれる。
「エッチおしまいやだやだ~♡ セイレーンさん、もっとビギナーくんとエッチしたい~♡ ビギナーくんもー、もっともーっとセイレーンさんとエッチしたいよねー?」
「あうぅ……♡」
抱きつき、身をよじっておっぱいを押し付けながらセイレーンが囁く。その声により、性器の疼きが蘇り始める。
「射精直前でなでなでやめられちゃってー、おちんちんムズムズしっぱなしだもんねー? ダメだよー? 次のターンもムラムラしちゃってエッチのことしか考えられなくなっちゃうよー?」
「うぅ……♡」
確かに、彼女の言う通りこのまま射精直前のもどかしさを次のターンまで持ち越したら、セイレーンの声に誘惑され続けてマトモにゲームができなくなってしまうかもしれない。
だが、やっとのことで射精を耐えたというのに、ここで誘惑に屈してしまうのはもったいない気もする。何より、射精してしまったら敗北に一歩近づいてしまうのだ。
(だから、ここで屈するわけにはいかない……!)
鋼の意思で手札のカードを一枚、右手で摘まむ。あとは引き抜き、捨てるだけ……!
「セイレーンさん、ビギナーくんのこと大好きなのになー♡ 大好きなビギナーくんとエッチできないの悲しいなー♡」
好き、という言葉に反応して手が止まってしまう。心臓がドキドキして、思考が止まってしまう。
その隙をセイレーンが見逃すはずもなく、耳元で告白を囁かれ続けてしまう。
「好き♡ 好き♡ 好き♡ セイレーンさんは、ビギナーくんが大好き♡ 大好き♡ 大好き♡ 大好き♡ 好き好き好き好き♡ だ~いすきっ♡」
「あっ♡ あっ……♡」
好き、と囁かれるだけで心が傾き、身体から力が抜けていく、だんだんと、カードを摘まむ右手の力が入らなくなってしまう。
「ビギナーくんはセイレーンさんが大好き♡ セイレーンさんのふわふわな翼が好き♡ やわらか~いおっぱいも好き♡ ムチムチのお尻も大好き♡ 大好き♡ 大好き♡ ビギナーくんのおちんちんはー、セイレーンさんのことが大好きだよねー♡」
「ああっ♡ 好き♡ 好き♡ 好き♡ セイレーンさぁん……♡」
カードを摘まんでいた右手でセイレーンを抱き寄せるようにして身体を密着させ、自分から媚びるように性器を彼女のむっちりとした尻尾に擦りつける。
「うんうん♡ 素直ないい子だねー♡ じゃー、セイレーンさんのことが大好きなビギナーくんは何がしたいのか、答えてくれるかなー?」
「えっち♡ えっち♡ えっち、したいですぅ……♡」
言った瞬間、セイレーンが再び翼で俺の身体を抱き包んで、性器を撫で回してくる。期待していた快感を与えてもらえたために、「うう♡ うう……♡」と悦びの声が自然と漏れてしまう。
「バトルタイム延長……です♡ 負けるってわかってるのに選んじゃった……セイレーンとのエッチ……楽しんでくださいね♡」
まいんちゃんがくすくすと笑い、口元を〈おねだり〉のカードで隠す。カード名の通り、俺は見事におねだりに負けてしまったのだ。
「よそ見しちゃダメだよー♡ セイレーンさんの声と、おちんちんに集中しようねー♡」
むぎゅうっとおっぱいを押し付けながら翼で俺の身体を抱きかかえたセイレーンが、羽先で性器をこねくり回しながら囁く。
「セイレーンさん、ビギナーくんが大好き♡ おちんちんがよわよわなところが可愛い♡ お尻を夢中で揉んじゃうところが可愛い♡ おっぱいが大好きなところが可愛い♡ セイレーンさんとのエッチを選んでくれたの可愛い♡」
「あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡」
可愛い、と囁かれるたびに胸とペニスが疼き、その疼きに応えるように羽先で性器をまさぐられる。絶頂を直前で取り上げられていたペニスがその快感に抗えるはずもなく、あっという間に絶頂に導かれていく。
「かわいい♡ かわいい♡ かわいい♡ かわいい♡ セイレーンさんはー、かわいいかわいいビギナーくんのことがだーいすきだよー♡ ちゅっ♡」
「あっ♡ あっ♡ あぁっ……♡」
最後のキスがトドメになり、どくどく……びゅるるっ……と白濁液を吐き出してしまう。背筋が震えて脳みそが蕩け、全身が多幸感に包まれていく。
「わー、たっぷり射精してくれたから羽が重たくなっちゃったー♡ そんなに気持ちよくなってもらえて、セイレーンさん嬉しいなー♡」
「くすくす……♡ おにーさん、すっかり蕩けた顔……しちゃってますね♡ 覚えちゃいけない気持ちよさ……おちんちんが覚えちゃいましたね♡」
「またねー、ビギナーくん♡ 次のターンも、セイレーンさんが気持ち良くしてあげるからねー♡」
そう言ってセイレーンが頬にキスをしたのと同時に、まいんちゃんがターンエンド宣言をする。
「俺の、ターン……」
射精の余韻がまだ引き切らず、快感の残滓に全身を包まれて思考がふわふわした状態で迎えた自分のターン。
(ここから、どうにかしなくては……)
たった一回の射精で心が溶かされ、快感のせいでカードのテキストもロクに頭に入ってこない状態。たった一回の射精が、俺をすっかりピンチに追い込んでいた。