ちょっと暑すぎませんか奥さん。
自作解説ならそう書けばいいのに「的」とか「あれな」とか「とか」とか、近頃の言葉は断定を避けて意味を薄める方向にばかり発展していくということに対するアイロニー的なあれなやつとかですね!
……。
さて、今回は特にエッチでもないし差分もないイラストです。
このシンプルな画像に色々効果をかけて間を保たせているテクニック、というか考え方をご紹介するということでよろしくおねがいします。
以前にも途中経過をご紹介しましたが、このイラストは昔描いたラクガキのリメイクとなります。
包丁と切り裂かれている描写はイラストの不穏さを強調するためにリメイクの際に付け足した要素となります。
『Brain,Whisper,Head,Hate is noise』というタイトルはBUCK-TICKというバンドの楽曲から曲名をそのままつけました。
特に意味はないのですが不穏さとマッチするかなと思いまして。
描かれているキャラクターは「くる美」ちゃん。
2000年初期くらいに運営していた自作画を載せるウェブサイトに登場させたマスコットキャラクターです。
本来の髪型は真ん中分けですが元のラクガキが7:3くらいの横分けにしていたので準じました。
多分髪型バリエーションをやってみたかったんでしょう。
手にしているのは同じく「フゲッチ」というマスコットキャラクター、これは僕の分身みたいなキャラクターですね、鳥山明さんの自画像ロボみたいな、のぬいぐるみです。
頭と胴体が切り裂かれて中身が出ています。致命傷です。
ウオォン、なんということを……。
一枚目が完成品です。
乗っている効果レイヤーの中には昔スキャナーで取り込んだ紙の模様を使ったテクスチャも含まれています。
こういうの色々作っておくと色々便利です。色々。
これらはプルの誕生日のイラストなどに使っていたセピア調の写真風にするためのものをそのまま移植して、ちょっと薄めにしています。
やってみたらデザイン面でのレトロな感じとマッチして良かったので採用しました。
こういう効果の中にはPhotoshopにしかない機能を使ったものが含まれていますので、着色とか仕上げは今でもPhotoshopを使うことが多いです。
二枚目は完成品からセピア調に退色した感じのフィルター各種を取っ払ったものです。
ぼかし具合を変えたレイヤーが数種類元絵に乗っていて光学拡散っぽい感じを出しています。
あるいはレンズに曇りがあるかのような。
これは『劇場版エヴァンゲリオン』いわゆる旧劇のセントラルドグマあたりの滲んだ感じの映像表現にインスパイアされています。
ああいう湿度感とそれにともなう不穏なイメージが欲しかったんです。
ちょうど日本は今じめっとした季節ですし。
三枚目がそれらの効果レイヤーを全て取り去ったものです。
これはこれで完全に均一な背景の面がポップさを醸していて良いですね。
線もスッキリシャッキリしていてシャープです。
某炭酸飲料水っぽいデザインもそういうポップアートっぽさとマッチしています。
間を保たせずあえて作ることが逆に大胆で印象的になるということですかね。
僕は好きです。
けど今回はちょっと不穏な感じがテーマにあるのでこれで良しとはしませんでした。
四枚目は背景のないもの。
キャラクターは全面に出てきますがイラストとしての主張や全体のデザインされた感じがほぼなくなります。
背景や効果の小手先っぽいあれこれが意外と効いてるのがわかるかと思います。
逆に言うとキャラが弱いということかもしれません。
ぐぬ……。
五枚目は完成したものから服に透けるシルエットだけを取り去ったものです。
包丁の形があったほうが一枚絵としてはわかりやすくていいかなということで。
説明過剰になるかどうかの判断が難しいところでもあります。
このへんはイラストを見てくれる方との見えないコミュニケーションというか、どのへんに線を引くかで距離を測っているようなところはあります。
その他小物デザインについて。
服の肩紐を接続する金具は古い缶ジュースのプルタブ、缶から引き離すタイプのレトロなものから。
服の白いうねったラインはそれにあわせてデザインしました。
ペンダントは実際に僕が所持しているもので、どこかの路上で1000円くらいで購入したものです。
白い石がおそらく手作りで荒々しく削り出されています。
これも70~80年代っぽいレトロ感あるといえばあるので採用してみました。
服の変なロゴは「krm」でこのキャラクター「くる美」を表しています。
元のラクガキにあったものを整えてみましたがあまり良い感じになりませんでした。
マークみたいにしたら良かったですね。
あるいはサイケな感じのロゴとか、今思いつきました……。そうしとけば良かった。
サンダルは適当です。
リメイク前のラクガキには服やサンダルにブルーが入っていたのでその名残りでブルーを配色しました。
包丁はわりと普通な量産品としましたけど、それは説明としてわかりやすいからそうしてしまっただけなので、イラストとしてはもうちょっとデザインされたものにしてもよかったかもしれませんね。
以上、そんなことを意識したり無意識だったりしながら描いてますという記事でした。
追記です。
これが同人ゲームの一枚絵だとまた話がぜんぜん違ってきます。
目的が決まっているものに目的外の余計な情報がたくさん入りすぎるとかえってノイズになりかねないと考えるからです。
逆に目的のためにどこをどう見せるか構図やポーズで悩むことも多いです。
どうしても似たものばかりになるので難しい!
ということで、ではまた!的なあれなやつとか。