DESCRIPTION
弱体化《デバフ》の魔法刻印を施された身に拘束魔法をかけられて、まったく動けない状態で、縦に2分割された女性形金属塊、永久封印拘束具に身体を押し込められる。
鍛えあげた身体能力と闘う技を封じられて、一般帝国兵にいいようにされる悔しさ。意図をギレットに読まれ、最後の反攻も叶わない口惜しさ。
だが、どうすることもできない。
自分の意思に従わない身体を、逆海老反りの姿勢で永久封印拘束具の半身に収められてしまう。
その金属製拘束具――吊り上げる器具も含めて、拘束装置と呼ぶのが的確かもしれない――内側の凹みは、ロクサーナの身体がぴったり収まるサイズだった。
(この金属製拘束具は、おそらく……)
ロクサーナを永久封印晒し刑に処すために、特注で製作されたものだ。
20日以上にわたった乳首の性感開発調教は、ただギレットの性癖を満たすためのものではなく、拘束具の製作期間を利用して行なわれたのかもしれない。
そうと気づいたところで、ふたりの兵士が永久封印拘束具の半分を持ち上げた。
屈強な兵士がふたりがかりで持たなければならないほどの重量の半身が、動けないロクサーナに迫る。
そのとき、永久封印拘束具の内側、胸の膨らみを収める部分の中央に、紅《あか》い肉質の物体が仕込まれているのが見えた。
とはいえ、それは一瞬のこと。
凝視してそれがなにかを確認する暇《いとま》もなく、永久封印拘束具の半身が、もう一方の半身に重ねられる。
顔を除く全身に拘束具内側の金属が触れた状態で、数えきれないほどのボルトナットが締められる。
ご丁寧にも、締められたボルトナットに、ギレットが魔法の封印を施す。
それで、工具があってもボルトナットを緩められなくして、ギレットが拘束魔法を解除した。
だがすでに、ロクサーナは永久封印拘束具に囚われている。
頭のてっぺんから足の指先まで、唯一露出した顔以外、肌に張りつくぶ厚い金属に覆いつくされ、ピクリとも動かせない。
そんな状態で、永久封印拘束具ごと鎖で吊り上げられた。
『大罪人 元近衛騎士、ロクサーナ・アーシュ』
帝国言語で書かれた札を、永久封印拘束具の首元に吊るされた。
耳の上をぶ厚い金属板に覆われたせいだろう。聞こえる音は、どこか遠いところのもののように感じられる。
顔以外を永久封印拘束具に閉じ込められた状態で、ロクサーナは監獄前に晒され――。
いや、違う。
それで終わりではなかった。
「うふふ……」
薄く嗤ったギレットが、唯一露出したロクサーナの顔も封印するための装具を手に取る。
卵を半分に切ったような形のそれの内側には、紅い肉質の塊。1本は太く、2本は細い。
(これは……)
おそらく、拘束具本体の内側にチラッと見えたものと同じだ。
そうと気づいたところで、ギレットが薄く嗤ったまま口を開いた。
「ルードヒュドラ……」
ぶ厚い金属に覆われ、いつもより聞こえの悪い耳に届いた声で告げられた名称は、大陸南部の湖沼地帯に生息する触手生物のものである。
通りがかったヒト種の雌を捕らえ、媚薬成分入りの粘液で栄養や水分を与えて生命を維持させながら、性的に昂ぶらせて淫気を吸収する。
「その触手生物を帝国の後宮付き魔導師が品種改良したものが、これに取りつけられているわ。その効果は……それは、実際に体験してもらいましょうか」
言いながら、改造触手生物つきの金属蓋が、ロクサーナの顔に近づけられる。
ロクサーナから女の匂いを感じ取り、覚醒したのか。肉質の物体――品種改良された触手生物――が、ブルンと蠢いた。
そのことに例えようのない不気味さを覚え、勇猛無比なロクサーナには珍しく、怖気《おぞけ》が走る。
「や、やめろッ」
そのせいで、思わず声をあげたときである
「あっがッ!?」
太い触手が突然成長し、開いた口に侵入してきた。
「うふふ……触手の間近で口の粘膜を曝すなんて、ここに侵入してくれと言ったのも同じよ」
嘲るようにギレットに言われた直後、2本の細い触手が鼻孔に侵入した。
「少しのあいだ息ができないけれど、ちょっとだけ我慢しなさいね。鼻の触手が気道を占拠すれば、そこから空気が供給されるから。それに口の触手が食道に達したら、分泌される粘液とともに、水分や栄養の補給が行なわれるわ。」
ギレットがそう告げた直後、視界が闇に包まれた。
それから、顔のまわりでボルトを締められて金属蓋を固定され、さらに魔法封印を施されて、ロクサーナは完全に永久封印拘束具に閉じ込められた。
「ん、ン……」
永久封印拘束具の中で、くぐもってうめく。
すでに拘束魔法は解除されているが、ぶ厚い金属製拘束装置に封印された身体は、ピクリとも動かせない。
口中を占拠し、先端が食道に達する触手のせいで、まともな声は出せない。うめき声をあげても、永久封印拘束具本体と同じ素材で作られた顔の金属蓋の外には、けっして聞こえないだろう。
舌に触れるのは、その触手のみ。そこで感じ取れるのは、甘ったるい味だけ。
鼻孔をみっちり満たす触手のせいで、なんの匂いも感じない。
唯一肌に触れるものは、永久封印拘束具のぶ厚い金属板。
その金属板は顔も覆い、視界は真っ暗闇。
顔の金属蓋を嵌められる前ならほんのわずかに届いていた音は、今はほとんど聞こえない。
ロクサーナは身体の自由を完全に奪われ、五感を支配されてしまった。
そんなロクサーナに、さらなる試練が訪れる。
まず感じたのは、海老反りの姿勢を強いられることで覚え始めていた節々の痛みが、嘘のように消えていく感覚。
きつい体勢に馴らされてきたのか。
いやそれには、もっと長い時間を要するだろう。
(だとすれば、なぜ……)
痛みが和らぐ理由を考えて、思い出した。
口と鼻から内臓にまで侵入した触手は、大陸南部の呼称地帯に生息するルードヒュドラを品種改良したもの。
その原種は、媚薬成分入りの粘液で栄養や水分を与えて生命を維持させながら、性的に昂ぶらせて淫気を吸収するという性質を持っている。
(もしかしたら……)
触手が分泌する粘液に含まれる媚薬成分が、鎮痛作用を併せ持っているのかもしれない。
金属製の拘束具そのものに、治癒魔法の効果が付与されている可能性もある。
(だとすれば……)
ロクサーナの身体は、すでに媚薬に冒されている。
そのうえで、身体に不具合が出ても、魔法の力で自動的に治癒される。
(つまり……)
寿命が尽きるまで、何十年もここでこうして、封印されたまま晒される。
まさに、永久封印晒し刑。
そうと思い至ったところで、乳首の上でなにかが蠢いた。
(こ、これは……)
触手だ。
閉じ込められる寸前、一瞬見えた紅い物体は、口鼻のものと同じ改造触手生物だったのだ。
そうと察するあいだにも、乳首を捉えた触手は、蠢きを強めていく。
ピアスが穿ち貫く乳首を、覚醒した触手が舐めしゃぶる。
人の指や舌では不可能な、淫なる触手生物ならではの玩弄。
それが、乳首に快感を生む。
(な、なぜ……)
残酷きわまりない状況に陥りながら、乳首に快感を覚えてしまうのか。
もちろん、ロクサーナの肉体が、媚薬成分に冒されているからである。
加えて、無垢な女騎士の乳首は、ギレットの手により徹底的に開発されている。
そんな状態で、ギレット並みの――いや、淫技の達人たる女魔導師を凌駕するほど巧みさで――乳首を弄られて、快感を覚えないわけがない。
20日間にわたり、ギレットが乳首を弄り、開発し続けたのは、ただ彼女の性癖を満たす目的ではなかった。
金属製拘束具の製作を待つために、行なわれたものでもなかった。
それは、永久封印晒し刑に処された状態で、ロクサーナを性的に昂ぶらせるためだったのだ。
(でも、どうして……)
そんなことをするのか。
王国の近衛騎士をみじめな状態で晒すことが目的なら、こんなしかけを施す意味がない。
そう考えたロクサーナは、知らなかった。
永久封印拘束具に仕込まれた改造触手生物が覚醒すると、その部位の拘束具表面に、魔法の燐光が生まれることを。
それにより、見る者にも、ロクサーナが乳首への触手玩弄を受けていることがわかるという事実も。
知らず教えられず、永久封印拘束具に閉じ込められたまま、無垢な女騎士は乳首の快感に翻弄されていく。
「ッ……ッ……!」
音にすらならない声で喘ぎながら、一直線に高められる。
気持ちいい。
永久封印拘束具の中には、ギレットの視線はない。
彼女のみならず、誰にも見られない。喘ぎ声も聞かれない。自分が昂ぶり高まっていることは、絶対に知られない。
魔法の燐光のしかけを知らないゆえ、そう信じ込んだまま、ロクサーナは押し寄せる快楽に飲み込まれる。
飲み込まれ、押し流されて、たどり着く。
「……ッ! ……ッ!」
音にならない矯正をあげながら。
「……ッ! ……ッ!」
動かせない身体をぶ厚い金属の奥で震わせて。
永久封印晒し刑に処された無垢な女騎士が、絶頂に到達する。
そして、たどり着いた恍惚の世界で、誰にもそうと知られていないと信じ込んだまま、絶頂後の多幸感を堪能していたときである。
お股の上でも、なにかがモゾモゾと蠢き始めた。
「……?」
しばし考え、そこにも触手が仕込まれていて、媚肉から溢れた蜜を吸って覚醒したのだと気づく。
そのあいだも、乳首はいやらしく責め続けられていた。
「……ッ……ッ!」
再び、高められる。
乳首の快感に、媚肉の割れめに沿って蠢く触手の刺激も上乗せされて、先ほどより速いペースで押し上げられる。
より大きくなった快感が背すじを駆け上がり、ロクサーナの頭を蕩けさせる。
そして、無垢な女騎士が悦びに酔い始めたときである。
媚肉を舐めしゃぶっていた細い触手の1本が長く伸び、肉の割れめをこじ開けた。
「……ッ!?」
驚き、思わずあげた声は、やはり音にすらならない。
「ッッッ(やめろ)!」
声をかぎりに叫んでも同じこと。
触手はロクサーナの意思を無視して、いまだ何者の侵入も許したことのない場所に、不躾に入り込んでくる。
「ッッ(なぜ)……」
あっさりと、触手の侵入を許してしまったのか。
それは、媚薬成分に冒されているうえ、乳首への責めで絶頂させられていたからである。
肉体的に受け入れる準備が整っていたところに、精神が快楽で蕩けていたゆえである。
そんな状態では、いかに意思強固な女騎士といえど、小指ほどの太さの触手の侵入を拒めるものではない。
さらに、初めての挿入にとまどうロクサーナの乳首と媚肉周りでは、小さな触手群がいやらしく蠢き続けていた。
侵入した触手が細いせいで、破瓜の痛みを覚えないロクサーナは、ますます昂ぶらされる。
「……ッ! ……ッ!」
触手に処女を奪われた精神的衝撃《ショック》のなかでも、どんどん高められる。
そこで、侵入した触手が膨張し始めた。
「……ッ!?」
触手が膣内で太くなることを感じとっても、なにもできない。
「……ッ! ……ッ!」
快感が大きすぎて、痛みを覚えることもない。
「……ッ! ……ッ!」
襲いくる快感が、精神的衝撃すらも押し流す。
「……ッ! ……ッ!」
もはや無垢ではなくなった肉体も、蕩けきった精神も、快楽に翻弄されていく。
そんなロクサーナを、さらなる触手陵辱が襲った。
媚肉のときと同じように、細い触手が後ろの窄まりに侵入したのだ。
「ッッッ(なにを)……」
音にならない声に触手が答えないのも、処女喪失のときと一緒。
簡単に侵入を許してしまった理由も、ほぼ共通。
侵入した触手が蠢きながら成長。肛門を押し拡げられるのも、前の穴と同じ。
そして、本来は排泄にしか使われない場所を犯されても、肉の昂ぶりが冷めることはない。高まりが治まったりもしない。
それどころか、肛門でも快感を得ている気がする。
実のところ、人の肛門には、少なからず性感帯が存在している。
そのうえ、ロクサーナの肉体は媚薬成分に冒されていた。女騎士の精神は蕩けきり、快楽に翻弄されていた。
肛門陵辱の不快感も、嫌悪感も、圧倒的な快楽に飲み込まれて感じない。
口を、鼻を、乳首を、膣を、肛門を、触手がいやらしく責める。
人の指でも舌でも不可能な淫らで艶めかしい刺激に、ひと息に追い上げられる。
「……ッ! ……ッッ!」
音にすらならない嬌声をあげ、たどり着いた。
2度めの絶頂。
先ほどより、悦びが大きい。恍惚が深い。
そのうえ、絶頂後の多幸感を堪能させるかのように、触手が蠢きを弱めた。
とはいえ、完全に停止したわけではない。
乳首の上の触手は、ユルユルと動いている。膣と肛門を犯す触手は、2穴を占拠して離れない。
それで肉の昂ぶりが冷めることのないまま、恍惚から醒めてきたところで――。
「……ッ!?」
ロクサーナはぶ厚い金属製の永久封印拘束具に閉じ込められたまま、3たびの絶頂に向かって押し上げられていった。
それから、どれほどの時間が経過しただろう。
身体の自由と言葉を奪われ、なにも見えず、なにも聞こえず、なににも触れられず、匂いも嗅げず、口中の触手しが味わえないロクサーナにはわからない。
生きていくために必要な空気は、鼻孔を経て気道に達する触手に供給される。
栄養と水分は、口から食道を占拠する触手から、媚薬成分を含む粘液として与えられる。
それは、きわめて栄養価が高く、吸収率にも優れているのだろう。排泄の必要はほとんどない。あったとしても、知らないうちに媚肉周りや肛門の触手に吸収処理される。
鎮痛効果のある媚薬成分に冒され、永久封印拘束具に治癒魔法の効果も付与されていているせいで、いっさいの苦痛はない。
永久封印晒し刑に処されたロクサーナが覚えるのは、乳首と2穴の触手がもたらす快感のみ。
その快楽に酔わされ、蕩けさせられ、思考力を保てない。
かつてエルヴェシウス王国第1王女付き近衛騎士だったロクサーナは、ぶ厚い金属製の永久封印拘束具の中に在る、女の形をした肉塊のような存在に堕ちた。
だが、それでいい。
麗しくも聡明な王女殿下が健在で、捲土重来を期しておられるなら、わが身はどうなろうと――。
そこで、不意に視界が開けた。
顔の金属蓋が外されたのか。
いや、違う。
魔法的な処置により、ロクサーナ以外の誰か――おそらくは憎き敵の女魔導師、ギレット・ベルトレーデ――が視覚で捉えた映像が、脳に直接送り込まれているのだ。
その証拠に『大罪人 元近衛騎士、ロクサーナ・アーシュ』と書かれた札を首元にぶら下げた永久封印拘束具が、映像の中央に捉えられている。
(いえ……)
太い鎖で吊られた永久封印拘束具は、ひとつではない。
ロクサーナの金属製拘束具の隣に、もうひとつ永久封印拘束具が吊るされている。
そして、その首元に吊られた札に書かれた文字は、『大罪人 元第1王女、クローディア』。
(ま、まさか、王女殿下が……)
その金属塊の中に、封印されているのか。
(で、でも……)
王女は、隣国に逃れているはず。
帝国もそのことを把握していたからこそ、自分は拷問にかけられなかったのではないのか――。
そこまで考えて、ハッとした。
自分が拷問にかけられ、王女の行方を詰問されなかったのは、すでに彼女を捕らえていたからだったのかもしれない。
(いえ……だけれども……)
混乱するロクサーナの乳首と2穴で触手が激しく蠢き始め、元近衛騎士だった女は、再び思考能力を奪われた。
かつて近衛騎士だった頃、忠誠を誓っていた、クローディア王女の隣で。
(了)