*来月から各プランについて変更があります。詳しくは9/24投稿の別記事「今後のfanboxに関するお知らせ」をご覧ください。
注意:当記事では3Dソフトやフォトバッシュにおいて様々な素材を使用しています。
ご自身でこれらの手法をとられる際は、ご自身の責任の上で各素材の権利等の確認を忘れず行ってください。
●方針決め
今回はふと見かけた「暗い場所に細い隙間から強い光が差す」というシーンを自分でも描いてみたくて設計を始めました。相変わらずのライティング先行型制作計画です。
●シチュエーション設定
世界観設定は前回の創作絵「空の落ちるを憂う可」と共通です。つまり「宇宙からの何らかの脅威に対抗するために頑張ってるけど、そろそろダメそうな世界」です。
前回の絵は異様な空と半ば壊れた装置たちの絵でしたが、今回はその地下にある、装置を動かすシステムの方を描いています。
魔女っ子が地上の探索を進めて問題をあぶりだし、地下では猫耳っ子がその修繕をしています。
●ラフ
Blenderで壁と床を作り、マテリアルを暫定的に設定してみました。その状態でライティングを数パターン試し出力。
とはいえもともとやりたいライティングがはっきりしているので、正面構図と全体的な印象はあまり変わりません。
そういうわけで、今回一番慎重に検討するべきは回路部分です。
前回のものと世界観を一にすることは確定なので、金素材を画面構成のベースにすることは決まっていました。とはいえ「金色の素材で何をするのか?⇒回路を作ろう」となるまでにかなり悩みました。ライティングだけ先行しすぎて、アイデアが練れていなかったのが原因ですね。色々写真や他の作品を見て回っているうちに回路というアイデアに行き着き、さらにそこからかなり悩むことになります。
というのも、普通の回路だとみっちり埋まりすぎているし面白みに欠けるからです。
そういうわけで「普通の回路をデフォルメしたうえで斜め45度に傾けたもの(左側2枚)」、「通常の回路を円形にデフォルメしたもの(右上)」、「航空図や宇宙っぽさをベースにしたもの(右下)」の3案を出しました。
結果、右上はシンプルすぎるし、右下はごちゃつきすぎるうえ回路っぽくないので今回は没となりました。捻りすぎたアイデアは見る側に伝わりづらいことも多いので、ほどほどに既存の概念に寄せておいた方が安パイです。
「俺の世界を表現したいぜ!人が見てくれるかとかどうでもいいぜ!」っていう人は全然気にしなくていいです。そういう絵も好き。世間からの評価を気にせず描けるのはかっこいいと思います。
何はともあれ、伝わりやすさも考えて今回は通常の回路をデフォルメする方針でいきます。
ライティングは本当にさっきのものでいいのか?とふと思ったのでさらに何パターンか検証しました。先ほどは偉そうなことを言っていましたが、宇宙+航空図+回路とかいう面白そうな案を捨てきれずに一枚試し描きしています。悪あがくな。
結局、人の視線が左上から始まるということもあり、左上スタート右下終わりのライティングが一番いいなとなりました。これでいきます。
ただ、この時点でも何か物足りなかったので、もう少し3Dの方を詰めて最終ラフを切ります。
「航空図+宇宙」というアイデアを回路ではなく壁画調にして画面に追加することで、物足りなさを克服することができました。ラフ段階で散々資料集めといてよかったね。
●清書
恒例の3Dポン出し。
先ほどのラフをベースに調整したものです。ここからおなじみBlenderのパス機能を使いつつ塗り進めます。
ただ今回は、塗る前の段階としてテクスチャの追加も忘れずに。
一応3D時点でコンクリテクスチャは貼っていますが、引き延ばされて荒くなっていたので写真素材を使って上から質感を追加しました。
そのあと混合ブラシで適度になじませています。
壁面のうちコンクリだけきれいに選んでテクスチャを載せる方法は簡単で、「workbench」というレンダーエンジンで出力した画像を用意するだけです。
詳しくは
を参考にしてください。
オブジェクトごとに色分けされるので、色域選択と合わせると大変便利です。
今回は回路部分を塗るときなどにも使用しており、いつも以上にお世話になりました。
金属も塗っていきます。さっきの方法で色域選択をし、それをもとにマスクを作っているので適当にブラシを動かしてもはみ出ません。気軽にブラシタッチ追加し放題。
よく見ると回路とは別に、コンクリに溝があります。こういった細かい部分の角にも環境光などを追加してあげることで、よりリアルにしていきます。
ブラシタッチや明るい色は、質感や光源との距離、向きなどを考慮して置いていくのが原則です。ただし今回は画面構成のために、多少物理法則を無視して塗っています。リフトの左隣の部分とか、金属とはいえこれほどは明るくならないはずですし。
なんにせよ壁面が大方できあがったら、穴部分も最低限情報を追加しておきます。
ひとまず壁部分完成。手前部分に移ります。
リフトの塗りにはパス機能で出力した画像たちがいまいち使いづらかったので、普通に自動選択ツールも併用しています。使用ツールや手法にこだわりなく、臨機応変に切り替えるのって大事だけど忘れがち。
モノリス的なやつとかも同様に塗り進めます。画面構成を意識しながら物理法則的正しさとのバランスをとって塗っていくだけです。
物理的正しさは
①素材(金属なのか木なのか布なのかなど)
②テクスチャ(ザラザラかつるつるかなど)
③光源(向き、色、数、環境光、反射光など)
を意識してあげれば何とかなります。脳内レンダリングです。ただ、もちろん観察や練習をたくさんしている方が精度が上がるので、そこは日ごろから頑張ります。かく言う自分は最近ゲームで練習時間を溶かしてます。
画面構成の方は、「見せたいものを見せる、伝えたいことを伝えるにはどこにどんな情報を置いたらいいか」を意識してあげましょう。構図、配色、ライティングの知識があればより高い精度と低いコストでそれが実現できます。
結果、「ここに赤色があると画面構成的にいいけど、物理法則的にありえない」みたいなことが起こります。そういった時に程よい落としどころを見つけてあげるのが大事、といった感じですね。
床にもコンクリの地面の写真素材を貼りました。色も調整。
写真を馴染ませつつ、ケーブルにも環境光乗せていきます。
3Dへのレタッチはひとまず完成。ここからは壁画部分です。
クリスタに移動してパース定規をフル活用しました。パース定規が有効な状態で図形ツールを使うと、パースに合わせた図形を一発で出力できます。変形の手間なし。クリスタ君は本当に優秀です。優秀すぎてフォトショにない機能なので、psdに対応しておらず、一度データを閉じると定規が消えること以外は完璧です。そこはAdobeが頑張って?
ラフ時点では計画していなかったオレンジ星を追加しました。隙間を埋めるためです。ひとまずこんなものでしょうか。壁画部分の残りはフォトショに戻ってから詰めます。
というわけで先にキャラをば
これが
こう。
一通り要素はそろったので、フォトショに戻して壁画部分を調整しました。情報過多にならないよう気をつけつつ。
世界観が共通していることもあり、前回に続きカラーハーフトーンと輪郭への高彩度の線画を追加。
スクリーンやらなんやら効果レイヤーと色調補正レイヤーを使いまくり、雰囲気を作っていきます。
ふわふわした物言いですが、とにかく作品のコンセプトを演出するために情報量を調整するイメージです。今回だと上部の陰は目いっぱい見えづらくして、光の筋に沿って情報量を盛る。そして最下層が一番見えやすいように……という具合ですね。
最後にcamerarawフィルターで微調整したら出来上がりです。
psdデータは別途投稿にて配布しますので、お手数ですがそちらからご確認ください。
最後までご覧くださりありがとうございました。
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