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勃起罪のある町

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 城壁都市アーマグラは山岳にそびえる強固な町である。周囲を堅牢な壁で守られ、さらには崖によって侵入経路も限られている。崖によって国が分かれていた昔に王城であったそこは鉄壁を誇り、今では交通の要所として知られていた。

 魔物はもちろん、軍隊すら寄せ付けないこの町は歴史を紐解いてみても陥落したことなどなかった。控える騎士団もつわものぞろいであり、安心を売りに発展し続けてきた町でもある。


 この町が落ちることなどありえない……それがどうしてなのかを知るものは少数でしかなかった。


「ようこそ城壁都市アーマグラへ。観光ですか?」


 簡素な検問所で犬の衛兵から簡単な質問をされ、牛の男は頷いた。

 門を守る兵よりも高い背丈に、分厚い肉体。特に胸部は水風船でも仕込んでいるのかと疑いたくなるほどに膨らんでいる。だが、それがアンバランスになることがないのは、しっかりと筋肉が盛り上がっているためだ。上腕一つとっても、そこらの兵の倍はくだらない。


 よほど肉体に自信があるのだろう、軽装からはこぼれんばかりの肉体美が拝めてしまう。

 艶のある黒い毛皮にはたてがみや顎先から耳の下まで広がる髭、そして腕や胸にももっさりと生える金の体毛が彼の雄々しさを強調している。腕を上げればノースリーブの終わりからのぞく腋にも、きらきらと黄金が輝いていた。


「まあ、そんなところだ」牛の男は鼻輪を揺らしながら答える。「知り合いを尋ねに来た」

「そうですか、素敵な滞在になることを祈っております」


 衛兵はにこやかに対応し、どこにも不審な点など牛からは見受けられない。

 だが、この門をくぐってから、彼には絶えず違和感が襲い掛かっていた。

 まるですでに敵の術中にあるかのような不快感。いくたびもの死線を潜り抜けた猛者の勘が、警鐘を鳴らし続けている。どれだけ視線をさまよわせても原因がわからないというのに、焦燥だけが牛の男を内側から焼き続けていた。


「お名前をお伺いしても?」

「……エイズワン。エイズワン=ラトリガッツだ」

「えぇっ! あの『重戦車のエイズワン』ですか!」

「人によっては、俺をそう呼ぶな」


 目の前ではしゃぐ衛兵はきれいな黒い軍服を着こんでいる。町自体に金があるのか、彼らの制服は一様に整っていた。

 そして城門と同じ素材で作られた無機質な廊下には、せわしなく行き来する人々が波を作っている。


 ……おかしなことは何もない。


「うわーっ! ということはお知り合いというのはうちの団長、ドリゴード様のことですね! 団長はいつもエイズワン様との武勇伝を自慢しておられました!」

「そうか……どうせろくでもないことだろうが、これで俺の検問は終わりか?」

「はい、持ち物にも怪しい点もなく、ドリゴード様からの推薦状も確認できました。エイズワン様なら正直必要ないものなのですが、本物にお会いできて光栄です! ご協力感謝します!」


 戻って来た荷物に素早く目線を送り、変わったことがないかを確認する。緊張がエイズワンをむしばんで、表情から硬さが取れることはない。


(あとで確認しよう。あいつが送って来た手紙もそうだが、この町は何かがおかしい)


 親友ドリゴードのしたためた文章から、この町が何かに犯されている可能性は高い。

 そう判断して、黒牛は尻尾で自分の尻を叩いた。いざとなれば、力づくでもここを突破するつもりだった。


 友を救うために彼は様々な準備をしてきた。傭兵として渡り歩いて得たいくつもの武具や魔法具は、彼の英雄譚を彩る大事な仲間だ。


「それでは次に、この町について説明させていただきます」

「別に来るのが初めてってわけじゃない。そんなに時間を割かなくても大丈夫だ」

「いいえ、実はここ最近新しい法が施行されたので、ぜひとも聞いていただきたいのです。特にエイズワン様のような屈強な男性に関係する法ですので」

「……なんだそれは?」


 いぶかし気に眉を上げ、エイズワンは衛兵を見た。


 ――――先ほどからずっと下半身を丸出しにしている衛兵を。


「エイズワン様はドリゴード様の推薦によりある程度免除されていますが、ここ城塞都市アーマグラでは武器の所持に制限がかかっていることはご存じですよね?」

「まあな」

「そのため、その証明として男性は下半身に衣服の着用は禁止されております」

「……そうだったか?」


 何か今、とてつもない違和感が牛の胸をかすめた気がする。

 だが、それをつかもうにも掌から抜けて行ってしまった。


「はい、ですので、エイズワン様にもズボンを脱いでいただきたいのです」

「…………」

「エイズワン様?」

「あ、ああ、そうか……わかった」


 こんなにも違和感が胸中で叫んでいるというのに、黒牛はまともな反論もできずにズボンに手をかける。不定形の猜疑が立ち込めているにもかかわらず、それはもやとなって常識を覆い隠しているようだった。

 

 『重戦車のエイズワン』、恵まれた肢体と剛腕でどんな困難も薙ぎ払ってきた男に対して、賛辞と畏怖をこめてつけられた名。

 そんな彼が往来激しい検問所であっけなく下半身を露出した。


 ボロンと巨躯にふさわしい一物がまろび出る。へそまで続く金色の陰毛に覆われたそれは、萎えているはずなのに血管を浮かばせた雄々しいもの。男女問わず引き付ける臭気をまき散らす肉と玉が、張り詰めた太ももの間でぶらぶらと揺れていた。

 勃起すれば十分な『凶器』になりうると、誰の目にも明らかだった。


「ありがとうございます」あまりに立派な巨根に目を奪われながら衛兵が言う。「ここから一たび町に入れば武器の所持が、すなわち『勃起』が禁止されています。兵の監視下でなら問題ありませんから、今のうちに一発出していかれますか?」

「……いや、いい……大丈夫だ……」


 自分は今、何を言われている?

 エイズワンは言葉の意味を理解できるのに、異常性に関しては何一つして理解できていない。こんな場所で露出していることが、当然のように思えている。

 それは周りにしても同様で、むちむちとした黒牛の尻に対して通行人たちは無関心か、あるいは鼻の下を伸ばして見入るかのどちらかだ。それを忌避する感情などどこにも見当たらない。


 胸をかきむしりたくなるような嫌悪感に、黒牛はついに耐えきれなくなってしまった。

 彼は戻って来た荷物の中から小さな水晶を取り出すと、衛兵に気づかれないように強く握った。


(こういう時は『真実のタリスマン』に頼るのが一番だ)


 『真実のタリスマン』と呼ばれる魔法具は、対象にかけられた偽りを暴く力を持っている。暗示などに解除に役立つ水晶で、エイズワンはいくつもの策を破ってきた。


 そして、黒牛はとあることに気づいてしまう。


 先ほどまで何の違和感も抱いていなかった雄が公然と下半身を露出する光景が目に入れば、黒牛は驚愕に鼻輪を揺らした。戻って来た常識に照らし合わせてみれば、到底許されていいことではない。


「――――な、なんだこれはっ!!」

「どうかなさいましたか?」


 衛兵の股間でもちんぽがぶらぶらと揺れている。しかもエイズワンの堂々としたものに興奮しているようで、萎えた先端からはとろーとした蜜がこぼれていた。


 この町はすでに狂っている。牛は確信した。


(それなら早くドリゴードを助けなければ……だが、町全体が汚染されているのならば、俺一人で何ができる……ここはいったん引き返して応援を呼んだほうが……)


 手紙が届く速度を考えると、すでに汚染が広まってから時間がたっていると考える方が筋だ。歴戦の猛者である牛は冷静に思考し、分が悪いことを認めた。

 今ならまだ引き返せる。衛兵にその旨を伝えようとしたとき。


「エイズワンっ!」


 大きな声が牛の策事を無に帰した。

 それはエイズワンとは違う薄い茶色の毛皮を持った牛だった。エイズワンが黒い毛皮に金の体毛を持っているならば、ドリゴードはベージュに近い薄茶色の毛皮に黒い体毛を持っている。眉の太さではドリゴードが太く、髭の面積では顎髭しかないドリゴードに比べてラウンド髭を持つエイズワンの方が広い。

 どちらも立派な雄牛であり、甲乙つけがたい角が鋭利な光を放っていた。昔傭兵をしていた頃は『突撃艇のドリゴード』として恐れられた男だった。


「ドリゴード様、こんなところにわざわざご足労いただき光栄ですっ!」


 衛兵は即座に敬礼し、上官の到着を迎えた。茶牛はにこやかに手を振って、楽にしろと伝える。そして背丈も胸も黒牛とためを張るほどに大きな茶牛は、ばるんばるんと巨乳を揺らしながら腕組をして笑った。


「なに、おれの親友が来ていると聞いてな。いても立ってもいられなくなって来てしまった。仕事の邪魔して悪かったな」

「いえ、あの高名なエイズワン様にお会いできただけで満足です。お二人の雄姿は噂でも聞いているくらいですから」

「そうかそうか、それなら今度本人に聞いてみるといい。おれと似たような話しかないだろうがな」


 がはがはと笑う茶牛を前に、黒牛は言葉を失くしていた。

 衛兵と同じように下半身だけが裸なら、まだ耐えられた。だが、手紙で助けを寄こした親友は、エイズワンが想像した以上に汚染されていたのだ。


「どうしたエイズワン。久しぶりとはいえ、そんなに見つめられたらさすがにおれも照れるが?」

「お前、その恰好……」


 ドリゴードはそのたくましく豊満な肢体を卑猥な衣装で覆っていた。

 赤い首輪におっぱいを強調するように巻かれたハーネス、そしていきり立ったちんぽの根元にはコックリングがはめられていた。さらには肥大化した乳首にはリングがぶら下がり、乳輪が毛皮からぷっくりと浮かび上がっている。


 そんな親友の姿に絶句する黒牛に気が付いたようで、あっけらかんと笑って茶牛は言う。


「ああ、これか。そういえば前に会ったときは昔の制服だったな。すでに説明があったと思うが、この町では勃起ちんぽは犯罪だ。だからこそ、おれのようなむっちむちでドスケベな雄が勃起ちんぽを隠し持っていないか検査する必要があるってわけだ」

「その通りです。ドリゴード団長はこの町で一番の検挙率を誇るんです。この町で一番ドスケベな雄と言っても過言ではありません!」


 自身の常識が通用しない空間で、黒牛はめまいがした。

 こんなことが許されていいはずがない。ドリゴードを貶める悪意に、胃のむかつきが高ぶって仕方がなかった。

 すでに茶牛は狂っている。だとするならば自分にできることは何もない。

 エイズワンは嫌悪を呑み込んで判断を下す。町一つ掌握できる何かに対して、黒牛一人では心もとなさ過ぎた。


(王国の騎士隊にもつてがある。まずはそこに相談して、このふざけた異常事態についての情報収集をすべきだな。……いや、すでにもう動いているかもしれん。往来が変わらない以上、誰かが気づいていても不思議じゃない。『真実のタリスマン』があるとはいえ、永続的な魔法下では屈して壊れることもある。そうなれば俺も終わりだ)


 広大な範囲を支配できるほどの魔法となれば、慎重に行動しなければならない。


(こいつは便利なんだが、身につけたもの一人にしか効果がないのが難点だな。今のドリゴードには何を言っても聞いてくれない可能性が高い。強引に町の外に連れ出してもいいが、衛兵全員を相手にするのはさすがに分が悪い)


 こうなれば早くここを去るのが一番だと結論付けた黒牛は、何と言い訳をしようか頭を悩ませる。ここまで来て帰るというのもおかしな話だが、なりふり構っている場合ではなかった。


「今日は仕事も早めに切り上げるから、おれの家で飲もうぜエイズワン」


 などと言いながら肩を組んでくる茶牛が、そっと黒い耳元でささやいた。


「……手紙についてはその時に話そう。帰りたい気持ちはわかるがここはこらえて付き合ってくれ」

「……お前、正気かっ?!」

「しっ、声がでかい。あとそのいやそうな顔を今すぐやめろ。ばれるだろうが馬鹿」

「誰が馬鹿だ、誰が」


 屈強な牛二人が顔を寄せ合ってひそひそ言い争う光景を、衛兵は嬉しそうな顔で眺めていた。距離が近づけば豊満なおっぱい同士がぶつかり、むっちりと歪むのだ。目の保養とばかりに眺める衛兵に、牛二人は咳払いでごまかした。


「それじゃあこいつはおれが引き取っていく。後は頼んだぞ」

「かしこまりました! それではエイズワン様、良い帰省になることを祈っております!」

「……ああ、どうも」


 いい滞在になるわけがない。そう皮肉を投げたい気持ちをこらえて、黒牛は茶牛の後を付いて行った。


****


 気が付くと町がおかしくなっていた。

 そうドリゴートは言う。


 下半身を露出することが当たり前になっており、そのくせ勃起が犯罪として扱われている。勃起が許されるのは武器を所有することが許可された職業だけであり、ドリゴードのような兵士は一日中勃起させることが当然となった。


 許可されていないものが勃起すればその場で処罰され、様々な辱めを受ける。おかげで城塞都市として名高いアーマグラは、いたるところで性臭が立ち込める下劣な町へと変わっていた。


 質素だが豪華な部屋に通されたエイズワンはソファに深々と座りながら耳を傾けている。出された果実酒の肴にするには、荒唐無稽すぎる話だった。

 それでも茶牛の表情は真剣そのもので、卑猥な格好を茶化す気にもなれない。自分も下半身丸出しだと思えば、黒牛は苦々し気に酒をあおるのだ。


「なんだそれは……」

「お前はおれの推薦があるから、勃起程度は許されるはずだ。仮に勃起したとしても、この町でお前に便宜を図らないところはないだろうがな。まあいざとなればおれの名前を出せばひどいことにはならんだろ」

「下半身が裸の時点で十分ひどいんだがな……」

「それはそうだ、おれはもう慣れちまったがな、わははっ!」

「笑い話じゃないだろうが」

「笑わないとやってられないんだよ!」

「ああ……それはご愁傷様だ」


 ドリゴードの屋敷に着くまでの道のりで、エイズワンはこの町が終わっていることを確認している。

 一物をぶらぶらさせながら路上を歩く男性に、持ち物検査と言いながら誘惑する兵士たち。鍛え上げた体をくねらせる様は娼夫そのもので、それで勃起しようものならその場でしょっ引かれて絞られてしまう。

 往来のど真ん中だというのに、ちんぽにまたがって腰を振る兵士たちを黒牛は数多く見てきた。そして、兵士たちはそれが当然の責務だと思っているようだ。


「恥ずかしい話だが、おれが異変に気付いたのは最近だ。それまでの間、この格好で……まあ想像通りのことをしてた。お前に手紙を出したのはそのころだ」

「『町に異常が起きているため、お前に調査を頼みたい。詳しくは町に着けばわかる』えらく簡素だとは思ったが、本当に着いた瞬間理解した」

「この町の有り様をそのまま書いたところで、お前は信じないだろ?」

「それはそうだ。実際に見てもまだ悪夢を疑っているくらいだ。よく正気に戻れたな」

「お前に『真実のタリスマン』があるように、おれにも魔道具がある。それでなんとかな。もっと早く使ってれば胸にピアスなんて開けなくて済んだってのに……」

「ああ、『虚栄の鏡』か。確かにあれは常に装備するものじゃなく、のぞき込む必要があるものだ。のぞき込んだものの真実を暴く、だったか」


 そう考えればドリゴードが正気を取り戻せたのは幸運だろう。違和感に抗う気がない限り、まず使おうと思わない魔道具だからだ。


「そうそう、それでようやく気付けたわけ。それで、お前に『真実のタリスマン』があるのは知ってたから、呼び出しても大丈夫だと踏んだ」

「なるほどな。王宮へ知らせは出したか?」

「……こっそりと出したが、異常なしだと。町に着いた瞬間に洗脳されちまった。一応洗脳への対策をするように進言もしたんだが、効果はなかったみたいだな」

「向こうもまさか、町一つを覆うほどの魔法が展開されているとは思ってないだろう。俺だって対応が遅れたくらいだ。だが、王宮騎士団にはユーニスがいると思うんだが、あいつに頼まなかったのか?」


 エイズワンたちと同じく昔は傭兵として名をとどろかせた牛が、今は騎士団の部隊長をしていると記憶している。ドリゴードも当然知っているはずだと、黒牛は問うた。


「頼んだよ。だから、何かしらのアクションは起こしてるはずだ。おれになんの返事もないが、そう信じてる」

「城壁都市が陥落してるとあれば、向こうにとっても非常事態だからな。慎重になっているんだろう」

「そうだといいんだけどな」


 茶牛の嘆息を消すだけの根拠をエイズワンは提示できない。異常事態でも逃げ出すことのない責任感の強さは変わらずだと苦笑するが、彼としては親友にこんな真似をさせることを許すことはできなかった。


「逃げ出せばいいだろうが」わかっていてもエイズワンは口にしてしまう。

「馬鹿。おれだけそんな真似できるかよ」

「はいはい、そうだな。お前はそういうやつだ」


 だからこそ傭兵を辞めてこの町の騎士団長になった男だ。エイズワンと違い、ドリゴードは生まれ故郷を愛していた。

 乳首にピアスを通されて、変態そのものの格好で町を歩かされているというのに、この茶牛は逃げるどころか仲間を呼んで事態を解決しようとしている。

 そんな茶牛を、黒牛は誇りに思っていた。


「巻き込まれる方としてはたまったものじゃないんだがな」

「悪かったよ。でも、お前くらいしか頼れるやつがいないんだ。本当なら、お前をこの町に呼びたくはなかった……」

「わかってる。対策持ちじゃないと、何もできないだろうからな。それで、原因について何かわかったことは?」

「……おそらくだが、城主になにかあったとおれはにらんでいる」

「その根拠は?」

「最近公務以外で顔を見ることがなくなったんだ。そのくせ夜になると騎士を呼んで盛り続けている。そしてなにより、この法律を通したのがあいつだからだ」

「あいつか……本当にろくなことしねえな」


 この町の主は城壁都市の名前から城主と呼ばれている。城主ゼタラウス、それが男の尻を追いかけ続けているくずだとは町の外でも有名だった。

 エイズワンを見る目はじっとりと気持ち悪く、昔から顔を見るたびに嫌悪していた記憶しかない。


「だが」黒牛がグラスに酒を注ぎながら。「あいつにそんなことができるか? 町一つを洗脳するなんて古代の呪いよりも厄介だぞ。そんなものがここら辺に転がっていてたまるか」


 普通の魔法とはわけが違うのだ。ましてやここは城塞都市。魔法に対する備えも完備されているはずだ。

 『真実のタリスマン』など有能な魔道具はそこら中にあるわけではない。神話時代からあるようなダンジョンや、朽ちた王宮の奥など、それ相応の場所に保管されている。

 だからこそ、それらをもつエイズワンたちは名誉ある傭兵として知られていた。


 町一つを暗示で抑え込める技術があるならば、もっと話題になっていないとおかしい。エイズワンは流布している噂話を思い起こしてみるが、やはり何も思い当たらなかった。


「……それが」

「あるのかよ」


 驚きのあまり果実酒が少しテーブルにこぼれてしまった。目を丸くして茶牛を見れば、言いにくそうに頬をかいている。


「少し前に、この城に隠し通路があることがわかったんだ。その奥に、なにやら不思議なものが置かれてたらしい。どうやらかなり古いもので、古代魔法文明の遺産かもしれないらしいそうだ。詳しい解析結果がまだ上がってこないんだが、ひょっとしてあいつが握りつぶしてる可能性があって……」

「最悪だ。よりにもよってあのくずがよくない力を手に入れたとか……」

「じゃないと、逆にこんな変態的な魔法で町を覆うやつって他にいると思うか?」

「いない……」


 黒牛は果実酒に舌鼓を打ちながら、同時に事態の深刻さに辟易としていた。

 城主が相手となると、慎重に動かざるを得ない。権力に逆らうめんどくささを、この二人はよく知っていた。


「……帰っていいか?」

「なあ頼むよ! お前だけが頼りなんだ!」

「あいつが俺みたいなでかい雄が好きって知ってて頼んできたよな? 俺がここに来たことがあいつの耳に入れば、絶対に呼び出されるのがわかってて呼んだよな? あのくずがこんな力を手に入れて、俺に何もしないはずがないだろ」

「だから……あいつに取り入って探ってくれないかなー……なんて」

「帰る。お前もわかってるだろうが。あいつだけはない。普通に考えて倫理にもとるだろ」

「頼むよーーーーっ!! おれも股開いて頑張ってんだからさぁ!!」

「うわ……そこまでするか……」

「だって、ここはおれらの故郷だろ! あんな奴にいいようにされたままにしておけねえよ!」


 茶牛の目は真剣で、こうなれば梃子でも動かないことをエイズワンは知っている。

 あきらめたようなため息が持つ意味を感じ取って、ドリゴードの顔が輝いた。

 

「わかった。俺も別に処女ってわけじゃねえんだ、そのくらいしてやるよ」

「さすがマゾ牛! クールぶってても一番のどM! 助かるぜ!」

「ぶっ潰すぞお前っ?!」


 顔を真っ赤にして叫ぶエイズワンに対して、ドリゴードは満面の笑みを返すだけ。エイズワンも別に否定するつもりはないが、面と向かって言われればやはり恥ずかしさが先立つようだ。

 議題を変えるために、エイズワンは鼻息強めに言葉を放り投げた。


「この広い町を覆いつくす魔法を永続的に展開するなんて至難の業だろ。いったいその魔力源はどこから出してるんだ?」

「えー、実はこの町の防壁に使う予定の魔石をゼタラウスはせき止めておりまして……」

「だめすぎるだろ! 今攻め込まれたらこの町は確実に陥落するぞ!」

「そーなんだよぉ! だからおれも早く解決したいんだ! だが、その魔石をどこに持っていくのかはわからねえんだ。忍び込もうにも鏡から離れたおれは暗示に勝てないから、あまり変な動きもできねえ」

「あの鏡は持ち運びできるもんじゃないからな……ユーニスがいればうってつけの魔道具を持ってるんだが……」

「そこでお前だエイズワン!」

「わかった、わかったよ。それに、隠し通路って言ったよな? それなら話には聞いたことがあるから、大体の目星がある」

「さすが! それならお前に忍び込んでもらって、魔道具をぶっ壊してくれれば解決だ!」

「それが一番手っ取り早いな」


 解決策が見つかったのがよほどうれしかったのか、ドリゴードは嬉々として酒を胃へと流し込む。上機嫌に尻尾を揺らす親友を見て、エイズワンも嬉しそうに耳を揺らした。


「んでさ、おれやユーニスと違ってお前だけまだ傭兵やってるのは、素敵な出会いを探してるからだもんな。就職したって話も聞かないから、まだ探してる最中か?」

「どうでもいいだろそんなことはよぉ! ……ごほん、俺の方からもユーニスに手紙を出しておく。さすがに俺ら二人からの報告だと無視できないだろうから、もし行動を起こしていなかった場合保険になる」

「助かる。生活に関してはおれの家にいればいいから、必要時以外は外に出る必要もねえ。お前も実家に帰りづらいだろうからな。それにおれが働いてるところを見せたくもねえし……」

「本当に、よくやるよ」

「おれじゃなくてお前の方が向いてると思うんだよなぁ。お前は昔から雄に媚びるのが得意だったし……」

「よしわかった。今すぐその角をへし折ってから帰ることにするか」

「悪かったってっ!」


 今すぐ足元に縋り付きそうな茶牛を蹴り上げながら、エイズワンは安堵していた。

 狂った町にあっても親友は変わりなく、こうして馬鹿な話に花を咲かせることができている。本心ではこんな町など見捨てて逃げてほしいのだが、そうできないことは黒牛が一番よくわかっていた。


(逆に俺が薄情なんだろうな。まったく、ゼタラウスの野郎がこれじゃあ前城主も浮かばれたもんじゃない)


 だから、やけになって酒をあおることでしか、不満を表することしかできない。ドリゴードもそれを理解しているからこそ、エイズワンの好きなものを存分に用意していた。


「たくさん飲み食いしてくれ。せめてものお礼だ」

「お前の金を根こそぎ食いつぶしてやるから覚悟しておけよ」

「おれは別にお前と違って高給取りだからな。好きにしてくれ」

「……っち、こんなことになるなら俺も騎士団への誘いを受けとけばよかった」

「いやお前……王宮騎士団の軍団長をふったせいで顔を合わせられないって……」

「あぁん?!」

「……何でもないです」


 茶牛はご機嫌取りもかねてグラスに酒を注ぎ、いくつかの軽食も持ってくるように指示した。

 だが、執事たちが持ってきたものはそれだけではなく、そびえたつ張り型がエイズワンの目の前に置かれたのだった。黒牛が黄金の眉をひそめて茶色をにらみつければ、肩をすくめて返される。


「……なんだこれは」

「『真実のタリスマン』は洗脳には効くだろうが、性欲の向上には効かないだろ。この町にいる間は馬鹿みたいに金玉が活発になる。これで処理しておいてくれ」

「どうりでこの町に来てからムラつきが止まらないわけだ。だが、こんなものを執事に持ってこさせるなよ……」

「あいつらからすれば、これは当然のものだ。おれは城壁都市騎士団長として、雄の勃起ちんぽを取り締まる必要がある。だから、これはただの訓練器具でしかないわけだ」

「……狂ってるな」

「本当にな。だからおれは、この町を正しい姿に戻したいんだ。何もないときはここでゆっくりしていてくれ」

「久しぶりに金持ちの生活とやらを堪能させてもらうさ。……ほら、まだ乾杯すらしてないだろ」

「そういえばそうだな」


 事情の説明に苦心していた茶牛はようやく一息ついたようで、照れくさそうに笑ってグラスを手に取った。

 エイズワンからの協力が得られるかどうかで状況がかなり変わる。二度と故郷に帰るつもりのなかったこの黒牛を呼び出すのは憚られたが、茶牛はどうしてもこの町を救いたかった。


 その思いが結実して、二人のグラスが涼やかな音を立てようとしたその時。


 コンコンとノックの音が響いた。


「ん、何か急用かもしれないな」

「騎士団長様のつらいところだな」

「それがおれの責務だ、しょうがねえさ。――――入ってくれ」


 そう言いながら笑顔で来客を迎えた茶牛の顔が――――


****


 エイズワンがアーマグラにやってきた次の日、彼はドリゴードに連れられて騎士団の広場にいた。広場には団長である茶牛の話に耳を傾ける数多の騎士たちがいる。騎士たちは検問をしていた衛兵とは違いドリゴードと似たような恰好で、ハーネスやピアス、そして首輪など、煽情的に鍛え上げた肉体を日の下にさらしていた。


 朝礼として部下たちを招集したドリゴードは慣れた態度で口火を切る。


「急なことで悪いが、今日の勤務にこいつを連れていくことになった! 話には知ってるだろうがこいつがおれの親友、『重戦車のエイズワン』だ! 戦えばだれよりも強いだろうが、新しい法が施行されたこの町には不慣れだ。みんな、よろしくしてやってくれ!」

『はいっ!』


 はきはきと返事をする彼らの股間では勃起ちんぽがいきり立っており、凶器としての存在を誇示していた。兵士が武器を所有するのは当然のことだと言わんばかりの態度だ。鈴口から汁をこぼす数多の雄がひしめいているせいで、広間にはイカ臭さが満ち始めていた。


 エイズワンはそんな光景を見ながら、嫌悪が表情に出ないように努めている。自分が正気だとばれることは、なんとしてでも避けなければならなかった。


(だが、これは想像以上にきついな。ドリゴードのやつ、こんな環境でよく働けるものだ)


 茶牛に横目を送れば、ぬらぬらと輝く勃起ちんぽが目に入る。血管の凹凸すら鮮明なほどいきり立ったその根元を覆う真っ黒な陰毛から、濁った水滴がぽたりと落ちた。


(あいつ、朝一発やってきたな……性欲向上の魔法があるせいで、俺もムラムラが止まらん。ちぃ、めんどくさがらずやっておけばよかったか。昨晩かなり出したはずなんだがな)


 どうせ兵士に勃起罪は適用されないのだと、気楽に構えたのがあだとなったようだ。エイズワンも血管を浮かばせる巨根ちんぽを勃起させて、鈴口に玉を浮かばせていた。


(どこかで一発出してからいくしかないな。さすがに人前でやるなんて御免だ。……いや、そういえば、なんで俺がこいつの仕事を手伝うことになったんだったか……?)


 何かがおかしいと、エイズワンは首輪の正面につけたタリスマンを握る。そして幾度か深呼吸してから、自身の正常性を再確認した。


(そうだ、確か『俺が仕事に参加することで城主ゼタラウスを誘い出す』んだったな。家にこもっているだけだと声がかからない可能性がある。『忍び込むよりも誘われることを優先』したわけだが……はあ、こんなことを忘れるとは昨夜は飲みすぎたかもしれんな。とはいえ、なんで俺がこんなことを……)


 今のエイズワンはドリゴードと同じく赤い首輪にハーネス、コックリングまでも完備している。金色の陰毛が濃すぎてコックリングが完全に埋もれてしまっているが、装着者には確かな快感を与えていた。


(こいつは魔法のリングだな。ただでさえ町を覆う魔法のせいでムラムラするっていうのに、さらに精力を向上させてきやがる……)


 本音を言うならば今すぐにでも射精したい。だが、彼の理性が異常に染まることを良しとしていなかった。

 兵士たちが常に強い発情に襲われているというのなら、昨日見た逆レイプのような職務も納得できた。彼らは射精したくてたまらないのだ。


(だからこそ、武器の違法所持者を見つけておマンコされたいから、あんなに雄を挑発してるってわけか……くそみたいな仕組みだな)

「……以上が本日の担当区画だ。おれがエイズワンを案内する関係上、急に持ち場が変わったことについては謝罪しよう。だが、おれらのやることは変わらない。この町を守るために、安全を確保するように努めてほしい!」

『かしこまりましたっ!』

(ドリゴードも思ったより団長が板についてるな。昔はどこかに所属するより三人の方が気楽だと言っていたのに。時間の流れは速いもんだ)


 そう考えれば、ドリゴードがこの町に対して一層の愛着を持っているのもうなずける。彼は自分の部下も助けたいと願っているのだろう。


「それじゃあ最後に、エイズワンから自己紹介してもらって終わるとしよう。しばらくこの町にいるから、腕試しをしたい奴は挑んでみるといい。きっと得られるものがあるはずだ。あと、こいつは伴侶探しもしてるんで、我こそはと思うやつも挑んでみるといいぞ。ちなみにアドバイスをすると、好きなタイプはおれみたいに強くてかっこよくて愛嬌があって……」

「ぶっ殺すぞ?! それならお前がへましてヘリザレックの正教師団につかまったときに何されたか詳細に語ってやってもいいんだが?」

「おれの威厳を壊そうとしないでください、ごめんなさい! ほ、ほら、エイズワン。みんながお前の言葉を待ってるぞ」

「……ったく、えらくなっても相変わらずだな」


 それでも口元がにやけてしまうのは懐かしさゆえだろう。緊張のほぐれた雄牛の顔は兵士たちに親しみやすさを与えることに成功している。おそらくそれが目的だったのだろうと、エイズワンは理解していた。


「エイズワンだ。お前たちの間では『重戦車のエイズワン』と言えば聞こえがいいかもしれん」


 その名を聞けば、周囲からどよめきが走る。本物に会えた嬉しさで幾人かの尻尾が揺れるのが見えた。


「隣にいる馬鹿……もとい、ドリゴードとは旧知の仲で、今日はお邪魔させてもらうことになった。……まあこんな情報今更過ぎるよな。俺がこの町を飛び出してから結構たったから、あえて言わせてもらった。迷惑をかけるかもしれないが、よろしく頼む」


 人前で話すことがあまり得意ではない黒牛は、次に何を言うべきかと考え。


「どちらかといえばちんぽを使うよりかはマンコを使うほうが得意だ。ドリゴードらと傭兵をしていたころは、もっぱら俺がオナホ係だった」


 などと言いながらちんぽを揺らした。


(……自己紹介とはこんなことを言えばいいものだったか? なんだ、さっきから胸をかきむしりたくなる)


 首輪につけたタリスマンのおかげで自分に洗脳はかからないはずだ。そうエイズワンは自分に言い聞かせながら、言葉を紡ぎ続ける。


「あまりエッチなことをしないと思われることが多いのだが、実際は大好きだ。三度の飯よりちんぽが大好きでどMな雌牛。それが俺だ。セックスから生まれる恋もありだと思っているから、試しにハメてみたい奴がいれば遠慮なく声をかけてくれ」

(俺は……何を……?)


 自分を出していくたびに、エイズワンの中にある違和感が肥大化していく。それでも口は止まらず、言うべきだといういびつな義務感に支配されている。


(だが、俺がどMでおマンコ好きというのは本当のことだ……それなのに、どうしてこんなにも苦しい?)


 まるで初めて検閲所に来た時のような不快感が黒牛の胸を締め付ける。

 それでも『真実のタリスマン』以外の防衛手段を持ち合わせていないエイズワンとしては、首輪の装飾に着けたそれを握り締めるしかなかった。


 そんな黒牛の葛藤も知らない兵士たちはエイズワンの色香にどよめきたち、すぐさま下卑た視線が豊満な肢体を舐めまわすように見つめ始めた。

 愛撫のような視線を受けたエイズワンはそのもどかしさに下腹部が熱くなることを感じつつ、尻尾をくねらせる。


「まさかお前がここまで言うなんてな。潜入するにしても、やりすぎじゃねえの?」


 隣で小さく茶牛が耳打ちをする。


「うるさい。俺だって好きでやってるわけじゃない」

「発情で頭のネジが緩んだか? なら仕事も大丈夫そうだな」

「……ふん」


 これ以上からかわれるのは癪だと、エイズワンは鼻息で会話を打ち切った。そして、尻尾で茶牛をぺしぺしと叩き、先に行けと発破をかけた。これ以上兵の視線にさらされ続けていれば、体のほてりを抑えきれなくなるのも時間の問題だったからだ。


 それから朝礼も解散し、黒牛は茶牛に従って町を歩くことになる。


 城壁都市アーマグラはすべての区画が整理された町としても有名だ。建物は計算によって作られ、栄えた町によく見られる無秩序な集合体などとは無縁の都市計画を敷いている。

 山を切り開いてはいくつもの区画を作り、そこにまた城壁を築くため、波紋状に広がる城壁はバラの開花を思わせる。

 

 そのため『山岳のバラ』とも呼ばれる城壁都市の中心部より少し東にある商業区に、二人はやって来た。

 多くの露店などが並ぶここは、町で一番の賑わいを見せているとドリゴードは言う。


「だから武器の不法保持者も多いんだ。気を引き締めて仕事にかかってくれ。……とは言っても、お前なら楽勝だろうけどな」

「だがやりたいわけじゃない。それにしても、なんで隊長のお前がこんな新兵のような仕事をしてるんだ?」

「おれが正気を取り戻す前に、そう決まったんだよ。ここは勃起ちんぽ不法所持者が多すぎるから、警備を強化するっていう名目でな」

「取り消せよ、そんな狂った仕事……」

「そんなことすれば、おれは正気ですって城主ゼタラウスに告白するようなもんじゃねえか。ただでさえこっそり王宮に調査願いとか出してるのに、これ以上目を付けられたくないんだ」

「ああ、まあ、そうだな……」


 よくこんな狂った環境で働けるものだと、エイズワンは改めてドリゴードの精神力に感服した。


 町の男性は皆下半身を露出しており、人によっては先走りどころか射精の残滓を垂らしている者もいる。人混みの密度は雄臭さの濃さと同義であり、エイズワンは思わず鼻をつまみかけた。


「そりゃそうか、こいつら全員性欲が向上してるんだもんな」

「そういうこと。だからおれらは勃起してる人がいないかどうか、また勃起を治めたい人がいないかどうかを調べるんだ」

「チラチラ見られてるが、これは警戒されてるのか?」

「いや、ただおれらがドスケベすぎるから魅了されてるだけだと思うぞ」

「……はあ?」


 何を言っているんだとエイズワンが腕を組むと、たわむ胸に周囲の視線が吸い寄せられる。ただでさえ巨体のドリゴードに、比肩するエイズワンがいるのだ。牛の爆乳が二つ並べば、どうしたって人目を引いてしまうようだ。 


 でかいとはいえ雄の胸部だ。鍛え上げた肉体に自信があるとはいえ。万人に受けるとはエイズワンも思っていなかった。


「つまり、全員ホモってわけだ」

「そういうこと。この町では雄同士のセックスはどこでだって合法だ。どちらかに武器の所持が認められている場合に限りな」

「改めて、狂ってるとしか思えないな」


 この話を聞いて狂っていると判断を下すことができる。

 ならば自分は正常だと、エイズワンは首輪をいじりながら安どのため息をはいた。


「それで、俺はなにをすればいい?」

「初めてだからな。まずはおれの仕事ぶりを見るといい。たとえば……あいつとか怪しいな」


 そう言いながら茶牛が目を付けたのは立派な体格をしたサイの男性だった。

 丸みを帯びてはいるものの、鍛え上げた肉体には隆々とした筋肉の山が浮かんでいる。下半身こそ何もつけていないが、上半身には簡単な胸当てなどを装備しており、エイズワンは同業者に当たるだろうと推察した。

 だが、怪しいかと言われると黒牛は首を横に振るだろう。犯罪者特有の周囲への警戒心などが皆無であり、どう見ても観光か、あるいはそれに準ずる何かをしているのだとしか思えなかった。


「怪しいか?」

「怪しいというか不慣れな感じだな。この町に来て日が浅い。そういう雄がねらい目だ」

「ねらい目って、言い方……」

「おい、そこの君。少し話を聞かせてくれないか?」

「へ?」


 唐突に声をかけられて、サイの男性はびっくりしたように茶牛を視界に入れた。こんな卑猥な格好をしている二人組に声をかけられたならそれも当然だが、暗示下にある今なら正常ではない反応だった。

 まさかこいつも暗示対策を持っているのだろうか、と黒牛が思考を回す前で、サイは瞳を輝かせてこう叫んだ。


「じゅ、『重戦車のエイズワン』に『突撃艇のドリゴード』!」

「お、その反応だとやっぱり元同業者か。この町は初めてか?」

「ああ! ここには商人の護衛任務で来たんだ。いやードリゴードがこの町で隊長をしているとは聞いていたけど、まさかエイズワンにも会えるなんてなあ」

「それにしてもよく俺らのことがわかったな」

「昔に一度、遠目で見たことがあるんだ。ヘリザレック正教師団のアジトを叩くときにおれもいたんだぜ。……まあその頃はまだ新米で、後方支援がメインだったけど」


 サイは鼻息荒く牛たちにきらきらとした視線を注ぐ。それを受けるドリゴードはにこやかな顔のまま、デカパイをむにっとサイに押し当てた。


「この町での決まりごとは知っているよな?」

「ああ、武器の所持が禁止されてるってやつだよな。ズボンをはくこともできないとは思わなかったけど、おれにはこの鍛え上げた腕がある」


 明らかに初対面に対する距離感ではないにもかかわらず、サイは脂肪と筋肉を詰め込んだ腕を曲げて太さを見せつけている。薄着の上体が描くラインは丸みを帯びているが、力めばしっかりと筋肉が浮かび上がっていた。


(どうやらこの町に張り巡らされた暗示は本当に人をホモにしてしまうようだ。もとからこいつがこんな性癖かどうかは知らないが、そう思ってもいいだろう)


 ドリゴードはサイの上腕二頭筋を撫でまわしながら、にやにやと笑っている。常識を取り戻した茶牛にしてはノリが良すぎると、エイズワンはため息をはいた。


(まったくあいつは、立場もあるくせに悪ノリするところは全く変わってないじゃないか。昔から性豪だったからな、大っぴらにするセックスを楽しんでやがる)

「おお、これはすごい腕だな。たくましくて雄臭せぇ。こんな体があれば武器なんて持ってないだろうが、一応仕事なんでな。簡単な検査に協力してくれ」

「ああいいぜ。ドリゴードの仕事ぶりを生で拝めるなら願ってもねえ。話のタネにさせてもらうぞ」


 憧れの人物に会ったことで上機嫌のサイが二つ返事で了承すれば、ドリゴードはさっそく灰色の手を自らのおっぱいへと導いた。

 前に張り出した部位はごついサイの手からも零れ落ちようとしている。うっすらと黒い胸毛が生えたそこは雄でありながら雌の色香を詰め込んでおり、サイは思わず生唾を呑み込んだ。


「じゃあさっそくおれの淫乱デカ乳首をこねくり回してくれ❤なんだったらしゃぶってくれてもいいぜ❤そうすればお前が武器を持っていないかどうかがわかる❤」

「そ、そんなことでいいのかよ……❤❤」


 毛皮から顔を出すつややかな肉塔を前に、サイのちんぽがぴくりと反応を示す。

 これは瞬殺だなと、エイズワンは冷静に判断した。


 リングを付けた乳首を灰色の指がつまむ。グミのような弾力をもつ乳首は大きく、いくら牛とはいえ、毎日いじっていないと説明がつかないほどにでかい。おっぱいの大きさは牛二人が同格としても、ここで働いていた時間の差で、乳首は圧倒的にドリゴードの方が勝っている。


「おっおん❤❤遠慮なんていらないぞ❤こんなデカ乳首が並大抵のことで痛がるわけないだろ❤❤もしかして、初めてだったか?❤」

「んなわけねえ!❤おっぱいなんて数えきれないほどいじってきたさ❤だけど、こんなエッチなものは、初めて見た……❤❤」

「そうかそうか❤それなら頼むぜ❤おれがいかないと、お前の検査も終わらないんだ❤」


 そう発破をかけられれば、サイの手つきはだんだんと遠慮のないものになっていく。

 つまむだけではなく、指の腹で転がしてねじったり、リングを引っ張ってみたりと、あらゆる方法で牛乳首をなぶりだす。


「ぶもぉ❤んんむぅぅ❤❤乳首きもちいぃ❤❤おーぉん❤」


 ドリゴードはまなじりを下げ、よだれが滴る口吻をしきりに舐めとってはおっぱいを揺らしている。筋肉で作られた豊満な胸部は力めば当然硬くなり、サイの手つきに不規則性を与えていた。


 武器の所持が認められている茶牛は股間をいきり立たせており、先端からにじみ出る先走りをサイのへそ下にこすりつけた。股間と腹肉の間に差し込んではオナホのように使って、茶牛だけが淫蕩な行為で悦に浸っている。


「お゛っ❤腹肉マンコで先端がちゅぱちゅぱしてるな❤❤いい防具を持ってるじゃねえか❤❤おれの武器が喜んでるぞ❤❤」

「くぅ……❤こんなの反則だろ❤おれ、武器なんて持ってねえのに……❤❤」

「それを判断するためにやってるんだ❤ほれほーれ❤もっと乳首ぎゅーってしていいぞぉ❤❤それとも谷間に顔を埋めてみるか❤乳臭い雄のいい匂いがするぜ❤」


 このままドリゴードの甘言に従ってしゃぶったり匂いを嗅いだりすれば、サイの処罰は免れない。はたから見ていたエイズワンはそう判断した。

 仲間として組んでいた黒牛から見ても今のドリゴードはエロスの塊として完成されており、ちんぽを付けたものがその魅力に抗うことなど不可能だ。


 事実、だんだんとサイの肉棒に芯が入っていき、角度を上げていく。金玉は柔らかくなって垂れ、体はセックスをしたくてたまらないと訴え始めている。


「んふぅ❤❤」ちんぽに当たる感触から茶牛はもう一押しだと気づいて。「なーんか硬いものが当たるなぁ?❤❤これは厳重調査が必要かぁ❤❤」

「ま、待ってくれ❤❤おれは本当に武器なんて持ってないんだ❤❤信じてくれ❤❤」

「この町で武器の違法所持は、ちんぽに限りその場での処罰が許されてんだ❤❤お前の身柄を拘束して❤本部で取り調べをしてもいいな❤❤尿道からマンコの中まで、たっくさん調べさせてもらおうか❤❤」

「んなことされたら、仕事にならねえよぉ❤❤」

「じゃあ早く罪を認めたほうがいいぜ❤自首するっていうなら罪は軽くなるんだ❤❤……そうだな、市中引き回しくらいか❤」


 サイの顔が青ざめていくが、股間は赤く熟れていく。目の前の雄に種付けがしたくてたまらないと、勃起を止めることができない。


 早く終わらせなければと、サイの指先に力が入る。

 尊敬する人ということでかけていたブレーキを壊し、つぶさんばかりの勢いを乳首にぶつけた。


「うおおぉおぉん❤❤❤」


 ドリゴードは背中をそらして天を仰ぎ、快楽の咆哮を空へと飛ばす。中心にリングが入っていることで、硬質な棒に乳首が押し付けられてしまっていた。

 びゅるっと濁った汁を吐く牛ちんぽ。先走りはサイのへそに溜まり、ゆっくりと流れ落ちていく。それは煮詰まった金玉袋に一筋の跡を作って、地面へと滴った。


「ん゛❤いい❤おっぱいぎもちいいよぉ❤もうおマンコ我慢できねえ❤早く勃起しろ❤犯罪勃起を成敗させろ❤ん~~❤❤腰へこしちまううぅぅぅうぅ❤❤❤❤」

「はあ、はあ……あと、ちょっとか?❤くそ、この牛エロすぎる……❤❤」

「んもおぉおぉぉ❤❤乳首引っ張られるのたまらぁん❤❤淫乱乳首のびるぅ❤こ、このままでは❤犯罪者を取り逃がしちまうぅ❤❤え、エイズワン❤助けてくれ❤❤雑魚乳首隊長の❤援護を要請するぅ~❤❤」

「……ったく、なにやってんだか」


 あれだけ大見え切った割にあっけなく乳首で負けそうになっているドリゴードを見て、黒牛は落胆のため息を向けた。


「そもそも、ノリノリすぎるんだよお前は。こんなもんとっとと終わらせればいいだろうが」

「んだっでぇ❤おマンコしてほしくて❤つい、調子乗っちまったんだよぉ❤❤」

「この町を救いたいんじゃなかったのかよ。雑魚乳首見せびらかしてる場合じゃねえだろうが。昔っから乳首でアクメしてたくせに、よくそれで隊長になれたもんだ」

「わ、悪かったってぇ❤❤雑魚乳首いじめられるの大好きな雌牛マンコだからぁ❤おおぉん❤スケベおねだりでぇ❤こんな尋問すぐ終わらせられると思ったんだよぉ❤❤」

「……はあ。貸し一つだぞ」


 こんなことをしてる場合ではないと思いつつも、この場を乗り切らないことには話が前に進まない。エイズワンは霜降りムチムチな体をサイに肉薄させ、その額にキスを落とした。


「ということで援護に入らせてもらう。悪く思うなよ」

「待ってくれって❤あんたら二人に、おれが、敵うわけねえよぉ❤❤」

「あきらめろ。運が悪かったんだ。ドリゴードはこの町ではまともだから、あんまりひどくならないはずだ。それに」


 エイズワンは金色の髭に包まれた口でにたりと笑った。


「俺も一発出したいんだ❤」


 黒牛が腕を上げると、金色の体毛がびっしり詰まった腋があらわになる。兵士の仕事に付いて行くということで、しっかり準備したエイズワンの腋マンコ。そこは雄のフェロモンだけでなく、すっきりとした香りづけがされていた。

 だが、どれだけ準備したとしても、結局は雄の汗臭い腋でしかない。それでも黒牛は躊躇なくサイの鼻面を押し当て、視界と呼吸を雄で染め上げた。


「んむうぅうぅぅぅ~~~~❤❤❤雄くせええぇえぇ❤❤❤」

「黒牛腋マンコのハーブ添え❤❤初心者にも嗅ぎやすくておすすめの一品だ❤雄フェロモン原液を楽しみたいなら、もう片方には何の処理もしてない腋があるから好きに選んでくれ❤」

「おおおぉおぉ~~~~❤❤くっせええのに❤たまんねええぇ❤❤」

「気に入ったのなら舐めてみるといい❤味は保証できないがな❤」

「ああくせえ❤でも臭くねえ❤いい匂いだあぁ~~❤❤❤ふごっ❤ふごごごごぉ❤❤」


 豚のように鼻を鳴らしてエイズワンのフェロモンを肺へと嚥下して、サイはうっとりと目を細めた。臭いだけではないさわやかな匂いと、雄として格上が持つフェロモンが混ざり合い、サイの性癖を破壊していく。

 

「ほら、指が止まってるぜ❤」調子を取り戻したドリゴードが言う。「尋問に非協力的だと、罪が重くなっちまうぞ❤❤」

「ふぁひぃ❤❤ふご❤ああぁ~❤エイズワンの腋マンコ臭やべえぇ❤❤ドリゴードの雌乳首もやべえぇ❤❤こんなんどこの娼館に行っても味わえねえよぉ❤❤おおぉ❤二人とも❤スケベすぎるううぅ❤❤」


 泣いているのか笑っているのかわからないような顔で、サイはどんどん内またになっていく。肉のついた太ももが隙間なく埋まり、こすり合わせることで快楽を発散しようと悪あがきをしていた。


 エイズワンの腋は唾液や鼻水でべったりと汚れ、黄金の毛がどろどろに絡み合っている。大体がサイの粘液に犯されているというのに、それでもふごふごとした鼻息がエイズワンをくすぐった。


「まったく、ドリゴードがちゃんと仕事をしていれば、今頃俺らはおマンコされてたってのに❤」

「悪かったってぇ❤というか、お前もなんだかんだ言いつつノリノリじゃねえか❤しばらく見ない間に、ちんぽ狂いが加速してんじゃねえの?❤❤」

「この町にある魔法のせいで、金玉がゆだってんだよ❤生ハメ射精できるなら多少の恥には目をつぶるさ❤どうせこの町の雄はみんな変態なんだろ?❤❤」

「まあな❤おれらがここでセックスしても❤みんな公務の一環だと思ってくれる❤❤変態ホモのおれらからしたら、ここは天国だよな❤❤」

「……そうだな❤ここならマンコが乾くこともないだろうし、金を払って雄を買うよりもずっと楽だし気持ちがいいな❤❤だけど、目的を忘れてるわけじゃないだろうな❤❤俺らの目的は、この町を救うことで――――」


 はて、とそこまで言いかけて黒牛の口が止まった。


「なんで、俺は、こんなことをしてるんだ?」


 雄をなぶって勃起させることで、生ハメしてもらおうという魂胆。

 これのどこに正義があるというのか、エイズワンは違和感に胸をかきむしりたくなっていた。


 とっさに空いた手で胸元のタリスマンを握り、何度も深呼吸して思考を整える。今自分が行っている行為が、どういう意味を持つのか。彼は努めて状況を理解しようと頭を回転させる。


「大丈夫、大丈夫だ。こんな変態的な行為をしてるのはあいつの目をごまかすため。……まあちょっと好みも交じってはいるが、俺はまだ、まともだ……まともなはずだ」


 だからドリゴードとサイの行為に対して辟易とすることができる。

 こんなことは間違っているはずだと、理解を示すことができる。


 だが、だからこそ、真っ当な価値観を持っているにもかかわらず行える背徳に心が揺さぶられてしまう。こんな町の往来で雄のちんぽを絞れることへの興奮が先に立ってしまう。


「……っち、ムラついてるせいで、俺も開放的になってるってわけだ。ちんぽがもらえるなら、少しのことには目をつぶってしまう。精神汚染と発情の組み合わせは、想像以上に厄介だな」


 どれだけ冷静に分析しても、性欲がなくなるわけではない。

 エイズワンの黒牛勃起ちんぽはおマンコされる期待にガチガチで、肛門はすでに愛液でびしゃびしゃになっていた。彼を後ろから見れば、弾力よく弾む尻肉の隙間から、とろとろとおもらししているのがわかるだろう。


「俺がもともとおマンコされるのが大好きなオナホ牛のせいで、一層汚染の被害が深刻なんだろうとも。わかってるさ」

「どうしたエイズワン❤❤そろそろちんぽもらえそうだから気を抜くなよぉ❤❤」

「ドリゴード、こいつが武器を隠し持ってたらどうするんだ?」

「そりゃもう、所持していた武器が機能停止するまで絞るんだよ❤❤おれらの仕事を見た雄にも不法所持の疑惑があるからな❤町の安全を確保するためにも、勃起ちんぽはきちんと取り締まりだぁ❤❤」

「こいつも昔からど淫乱の雌牛だからな。しかも俺みたいに装備できる魔道具がないとくえば、性欲に逆らえるはずもないか……しょうがない、とっとと終わらせるぞ❤」

「んなこと言いつつ、顔がにやけてるぜ兄弟❤❤本当はおマンコされるのが待ち遠しいんだろぉ❤❤」

「当然のことを聞くな❤❤俺だって生ちんぽ好きな雌牛だぞ❤しかも朝やってこなかったから、もうおマンコが熟しきって我慢できないんだ❤❤」

「だったら、お前も取り調べをやってみろよ❤――――そこのお前❤今股間を隠したなぁ❤❤調査に協力をお願いしようか❤❤」


 乳首を引っ張られてアヘアヘしながらも、ドリゴードはたくましい虎の男性を呼び寄せた。例にもれず下半身が裸の虎は、顔を真っ赤にしながらも視線を引きはがすことができずにいる。わざとらしく股間を押さえており、これではしょっ引いてくださいと言っているようなものだった。


「あの、オレが何か……?」

「んふうぅ~~❤❤おっどぉ、おっぱいが気持ち良すぎて失礼する❤❤この町に来たのは初めてかぁ?❤」

「はい、そいつと一緒に、商人の護衛としてきました」

「なんだ、このサイの仲間か❤それならお前も武器を隠し持ってる可能性があるなぁ❤❤」

「そんなぁ、オレは誓って無実です! 武器なんて持ってるわけがない!」

「なら股を広げてみろよぉ❤❤」


 茶牛に言われ、虎はしぶしぶと手を離す。

 そこには小さいながらもとげのある巨根が、先走りをとろとろたらしていた。わずかに力んだその姿は、半分勃起しているようだ。


「おほぉ❤❤」

「でけぇ❤❤」


 牛二人は虎ちんぽを見た瞬間に鼻の下を伸ばし、ケツの穴をきゅんきゅんとうずかせた。屈強な太ももが内またになって、ハメられる想像をしただけでマン汁がさらにあふれ出す。


「エイズワン、こいつはおれが責任をもって❤取り調べをする❤お前はこのサイの処罰を頼む❤❤」

「おいおい❤こいつは俺が取り調べをする❤そういう約束だっただろ❤❤ほら、俺の原液腋マンコに顔を突っ込んで乳首をいじってみろ❤お前が武器を持ってなければ、俺がアクメを決めるまで我慢できるはずだ❤❤」

「くそぉ❤デカマラの一人占めはずる過ぎる❤❤」


 何の処理もしていない腋を見せびらかして誘えば、黄色い猫はつばを飲み込んで恐る恐る顔を近づける。そこに忌避感は全くなく、細い尻尾が嬉しそうに揺れていた。


「お゛っほぉ❤❤これが『重戦車のエイズワン』の腋マンコ臭……❤❤雄臭すぎる❤すんごぉい……❤❤❤」

「なんだ、もとから好きものか?❤❤」

「そんなことはない、はずなのにぃ❤オレは雄なんて興味なかった❤にゃのに、この町に着いてから❤雄とセックスしたくて我慢できなくなってる❤この町の兵士が、みんなスケベだから❤性癖歪んじゃったぁ❤❤」

「……気にするな、お前のせいじゃない❤この町のせいだ❤なら、勃起ちんぽが我慢できなくなったら俺とおマンコしような❤❤」

「こらエイズワン❤一応これが職務だってことを忘れるなよ❤おれらはおマンコされることで、町の平和を守ってんだ❤❤」


 セックスを待ちわびるとろとろのメス顔で言われても説得力など皆無で、それがわかっているからこそ雄牛二人は互いの鼻面を舐めあいながら期待を高めあった。


 その間にも虎は黄金の茂みに顔を押し付けており、凝縮された雄牛のフェロモンを直に取り込み始めていた。脳天から足先までしびれるような香りが鼻腔に広がって、瞬間虎の眼球がひっくり返る。


「んおおぉおぉへええぇ~~❤❤❤駄目だめ狂っちゃうこんな雄マンコ臭嗅いだら絶対ホモになるホモになるホモになっちゃうううぅ❤❤❤スーはああぁ❤❤すぅぅぅぅぅぅ❤❤❤❤くせえええええぇ~~~~❤❤❤❤❤」

「おい、おっぱいクリトリスをいじるの忘れてるぞ❤これじゃあ取り調べにならんから、腋マンコの方は止めるか?❤」

「い、やだあぁ❤❤もっどホモ牛腋マンコ嗅がせてくらさいいぃ❤❤オレにホモ成分くれ❤体中ホモ牛でいっぱいにしだいんだよぉ❤❤❤乳首も引っ張りますからぁ❤」

「――おっんほおぉ❤❤痛いだけじゃないか❤乳首のいじりかたも知らないのか❤そんなうぶだと、ちんぽを処理するのも大変だろうな❤❤俺がマゾ乳首で感謝しろよ❤」


 ドリゴードに比べて楚々とした黒牛乳首は、乳輪ごとつままれてこねくり回されている。匂いを堪能するのに忙しい虎は相手を気持ちよくしようという思考領域が犯されていて、情けない声を上げながら大きく深呼吸を続けた。


「すーーーーはーーーーー❤お゛ぅん❤くせえ❤たまんねぇ❤❤『重戦車のエイズワン』がこんなドスケベだったなんでぇ❤勃起我慢なんて❤絶対むりぃ❤❤ちんぽがホモになるうぅ❤❤もう雄マンコでしか反応しなくなっちまったぁ❤」

「お、おれもぉ❤もう犯罪者でもいいがらぁ❤二人にちんぽ絞られてぇ❤なあ❤見てくれよ❤もう勃起してる❤おれぇ❤罪を犯して勃起してるからさあぁ❤❤❤」


 サイの方は目をひっくり返して叫ぶだけの肉塊になっており、攻めているはずなのに情けない脳イキを繰り返していた。興奮が閾値を突破した結果、先ほどからちんぽがビンビンにいきり立って、茶牛ちんぽと無様なチャンバラを繰り広げていた。


 虎はサイに比べてあまり遊んでいなかったせいだろう、刺激的な体験にすっかりドはまりしてしまい、腋から媚びるような視線をエイズワンに注いでいた。でかい体とちんぽを好きに使ってほしいと言わんばかりに腰をくねらせて、勃起で黒牛の腰を何度も叩いている。


「ドリゴード、どうやらこいつらは犯罪者だったようだ❤」

「どうやらそのようだエイズワン❤全くけしからん❤こんな雄々しいちんぽを立てて町を歩くなんて❤おれらが取り締まらないとなぁ❤❤」

「この場合はどうするんだ、団長様?❤」

「そうだなぁ❤牢屋に入れて乱交でもいいんだが、お前もおれも限界だろう?❤それに、おれらには町を救うっていう目的があるからな❤あまり長い間楽しむのは難しい❤」

「だから?❤」

「ここで食っちまおうぜ相棒❤❤」

「了解した相棒❤❤」


 雄牛たちはサイと虎を解放し、種付けしたいと泣き叫ぶちんぽを白日の下へとさらした。

 人の視線には恐れが混じり、異常な常識下で、彼らは勃起ちんぽを凶器として認識している。それでも性器という特色は失われていないのか、恐怖の中に確かな興奮が空気に熱を注いでいた。


「お前ら」近くに控えていた部下を呼ぶ茶牛。「おれらはこいつを処罰していく、お前たちはそのまま見回りを続行するように」

「っは、かしこまりましたっ!」


 むちむちとした最高の体を持つ雄牛二人の絡みを見ていた兵たちは、赤ら顔で勃起ちんぽを揺らして去っていく。それを確認したドリゴードは、不安そうに眺める市民たちを安心させるために大声を張り上げた。


「大丈夫だ! こいつらの武器はおれが無力化しておく! まだこの町に慣れていないだけなんだ、許してやってほしい!」

「自分で勃起させといてよく言う……」


 臆面もなく言い放つドリゴードに肩をすくめるエイズワン。ようやく罪を犯したのだと気づいたサイと虎が困ったように眉を下げているが、気にすることはないとキスでなだめておいた。


「ドリゴードはことを荒立てるつもりはないだろう。俺らに生ハメさえしてくれれば、不都合は生じないはずだ。つまり、ただ俺らとセックスができるだけだと認識してくれ。それなら文句はないだろ?」

「はいぃ……❤」

「早く、ハメたいいぃ❤❤」


 やる気満々なちんぽ二人を見て、雄牛たちは頷きあう。

 エイズワンとしてはすぐさまセックスするつもりだったのだが、ドリゴードは手を振ってそれを制した。


「こんなところで盛ったら市民に迷惑がかかるだろ。すぐそこに兵の詰所がある。そこでやろう」


 茶牛の指先をたどれば、そこには確かに詰所らしい場所と、ステージのようなものがあった。ステージにはベッドのようなものやブランコのようなものなど様々なものが置かれていて、何に使うかなど言わなくてもエイズワンには理解できた。


「なるほど、だから市民たちがそこの前でもう陣取ってるのか」

「そういうこと。勃起犯罪者への断罪はすでに市民の間では娯楽になってんだ」

「見てたら勃起しそうなものだが」

「なんでか知らんが、断罪の間の勃起は不問とされているんだよなぁ」

「……そんなものを常識だと思わされるのは本当に怖いな」

「全くだ」


 などとやり取りをしながら、サイと虎をステージへと上がらせる。続いて雄牛が舞台へと立てば、その圧倒的なバルクに視線はくぎ付けとなった。

 サイや虎も小さいわけではないのだが、牛二人がでかすぎるのだ。背丈は当然として胸や尻など、性的な部分に関しても彼らは一線を画していた。


 そんな体を前に、性欲を隠すなど無理な話だ。それはサイ虎だけでなく、周りの市民すべてに言える。雄牛に目をつけられた時点で、彼らに勝ち目などなかったのだ。


「まずは挨拶からな。一応これは断罪ってことになってるんで、お前らにはこのセリフを……」


 ドリゴードはサイ虎に指示を出して、二人を前に押し出した。二人はたくましい体をそらしてちんぽを突き出し、空へ突き抜けるほどの声で叫びだす。


「市民の皆様! ご心配をおかけして申し訳ありませんでした!」

「勃起ちんぽも満足に管理できず、不安にさせてしまいました!」

「これからドリゴード様とエイズワン様にみっちりと絞られ、金玉が空っぽになるまでセックスをしたいと思います!」

「二度とこのようなことがないよう、これからは毎日セックスとオナニーに励みます!」


 露出体験をしているというのに二人のちんぽからは蜜が止まらず、それどころかもっと見てもらおうとステージぎりぎりまで前に出る始末。これではただの変態だ。

 だがそれは町に張られた魔法のせいだろうとエイズワンはあたりをつけている。煮詰まった性欲は人を大胆にさせる。それはこんなところでセックスをしようとしているエイズワンが一番よくわかっていた。


「んぅ❤❤」自身のマンコから粘液まみれの指を引き抜いて黒牛は身もだえする。「あまり趣味がいいとは言えないな❤」

「そんなこと言うなよぉ❤おおん❤」同じようにマンコをほぐしていた茶牛が笑う。「そういう法律なんだ❤それにこうでもしないとおれらがおマンコを準備する時間が稼げないだろ❤❤クンニされてもいいんだけど、それだとおれらがすぐいっちまうじゃねえか❤❤」

「確かにな❤あと、サイの角はクンニに向いてなさそうだ❤」


 サイと虎の謝罪の合間に準備を整えた雄牛たちは肩を寄せ合い、尻を突き出してちんぽを誘う。顔は群衆に向けたままで、熱っぽい視線におっぱいを揺らして応えていく。


「結局ブランコとか使わないのかよ」

「市民におれらの姿が見えなくなるだろ❤これで市民にシコシコしてもらって、勃起罪を犯すやつを減らさねえと❤❤」

「んぅ……❤まったく、俺がマゾ牛じゃなかったら絶対にやらなかったからな❤❤俺の性癖に感謝しろよ❤❤」

「おう❤こいつらにとってセックスは仕事なんで、存分にアヘアヘしてくれていいぞ❤おれらは生ちんぽにめっぽう弱いオナホ牛だからなぁ❤❤」

「それは助かる❤ちんぽに激弱だからな、お互い様に❤」


 雄牛二人が鼻面をくっつけあってキスしている間に、サイと虎は後ろに回り込んでちんぽを穴へとあてがっていた。

 やけどしそうなほど熱い興奮の塊を粘液で感じ、勇ましい彼らの喉が甘い声を出した。


「あんっ❤」

「んふぅ❤ちんぽ来るぞぉ❤❤」


 ドリゴードのマンコには薄茶色の毛皮とは違う黒い陰毛が周囲を覆っており、エイズワンのマンコは黒い毛皮に金の陰毛が同じように茂っている。どちらも黒と金の体毛を金玉袋にまで生やしており、雄性の強さをこれでもかと見せつけていた。


 そのくせ泡をはいて呼吸するマンコは雌そのものの動きでちんぽをねだっているのだから、サイと虎が血走った目で鼻息を荒くするのも当然だった。暗示によってホモになった彼らにとって、この雄牛たちは最高にエッチな存在と認識されている。


「さてお二人さん❤」振り向いたドリゴードが言う。「こっからは好きにはめてくれていいぜ❤おれらのマンコはちんぽなら何をされても感じる雑魚マンコだからな❤」

「だが、できるだけ気持ちよくしてくれないと困る❤俺はドリゴードより厳しいぞ❤❤」

「エイズワンは性格こそクールだが、おれらの中で一番のどM淫乱だ❤ちょっと手荒に扱ってやるとすぐ媚びるだけの肉袋になるから心配するな❤❤今のもただ落ちる前振りみたいなもんだ❤❤」

「雰囲気を上げているのに邪魔をするなよ❤んはぁん❤おマンコ我慢できん~~❤❤ちんぽの熱いのくっついてぇ、おマンコ蕩けてしまうぅ❤❤早く入れてくれぇ❤」

「落ちるのが早すぎるだろぉ❤まったく、そういうところ大好きだぞ❤んじゃ、おれにも早くぶち込んでな❤」


 脂肪と筋肉で構成された極上の尻がぼるんぼるんと踊っている。どちらも高名な戦士であり、戦いのために鍛えた肉体でちんぽにおもねっていた。ボリュームある肉は左右からみっちり詰まっていて、揺らした反動でさきほどの陰毛茂るマンコが顔をのぞかせるのだ。


 前方しか見えない市民たちにはこのエロさのすべてが伝わっていない。そう考えると、エイズワンはもったいないような気になってしまう。

 そこまで考えて、自分がひどく汚染されていることに気づいたエイズワン。だが、火照った体の主導権を性欲から取り返すことができず、抗議するように鼻輪を揺らした。


(お、俺ぇ❤脳みそちんぽになってしまっている❤❤こんなはずじゃ、なかったのにぃ❤おマンコに❤逆らえないぃぃ~~❤❤)


 この町に張り巡らされた暗示に負けないと意気込んでいたのに、結局は性欲に負けてセックスショーをしようとしている。今更マンコを我慢するなどできるはずもなく、首輪につけたお守りを握り締め、自己の確立だけは怠るまいと必死にしがみついた。


 だがそれも、ちんぽを入れられるまでの短い時間でしかなった。

 とげ付き巨根がマンコに埋没すると、エイズワンはすぐさま目玉をひっくり返して鼻水を噴き上げる。


「ぶっもぉおぉおぉぉ~~~~~~❤❤❤❤❤❤ごりごりしゅんごおぉ❤❤はいっでぇ、ぐるうぅうぅ❤❤」


 衆目の前とは思えないほど崩壊した顔で黒牛は嬌声を上げ、自身を埋める質量に酔った。

 きつきつの黒牛マンコが広がる感覚は甘美で、閉じた柔肉がどんどんこじ開けられていく。内部を無遠慮に突き進む虎ちんぽからお前は雌だという快楽を叩きつけられ、細い尻尾が狂ったように揺れていた。


「おぐうぅ❤奥すんごおぉ❤虎ちんぽがぁ❤深くに入ってくるのやっばすぎるだろぉ❤❤おごぉ❤おマンコ気持ちよくされたら❤暗示に逆らうなんて無理だろっほおおぉおぉ❤❤❤」

「うわぁ❤エイズワンさんの中❤熱くってちんぽ蕩けそう❤❤ホモセックスってこんなにすごかったんだぁ❤❤」


 初めて雄マンコを使った虎は膣の柔らかさに感動していた。エイズワンのマンコはむしゃぶりつくように虎ちんぽに絡みつき、雄としての自尊心を刺激してくれる。

 この雌に種付けしたいと思わせるだけの魅力が、たくましい黒牛から立ち上る。

 抗うこともできない欲望に任せて、虎はエイズワンの背中に抱き着いた。


「エイズワンさん❤❤すごいですぅ❤❤」

「んおおぉ~❤ホモ童貞ちんぽさいこぉ❤❤これからホモセックスをっ、ぉん、ちゃんとして❤法を犯さないようになぁ❤❤」

「はい❤毎日ちんぽが立たなくなるまでパコパコします❤❤でも、たまにはオレを取り調べしてくれますか❤❤」

「しょうがない奴だ❤おほぉ❤こんなデカちんぽを処罰できるのは俺くらいだからな❤❤そのときは俺のマンコで淫水焼けのグロマラにしてやる❤しっかりホモちんぽを管理しとけよ❤❤」


 エイズワンは顔をそらして虎と何度もキスをし、唾液をこぼし続けた。落ちる粘液は肩から胸にかけて流れ、豊満すぎるおっぱいの曲線を観客へと伝えていく。

 だがそれで見えるのは胸の上部のみ。それではつまらないだろうと気を利かせて背中を伸ばせば、黒牛の屈強な全身がさらけ出されることになる。


「おおぉん❤❤❤」


 雄々しく淫らなエイズワンの痴態に観客たちは誰もが目を奪われている。わざと胸を揺らすと、視線も動く。一挙一動を見逃すまいとした視線に、黒牛の背中を被虐の快楽が流れた。


「んはぁ❤おマンコたまんねぇ❤❤ほら、もう動いてくれよぉ❤❤いつまで生殺しにしておくつもりだ❤隣はもう盛り上がっているんだぞぉ❤❤」


 エイズワンの言う通り、ドリゴードとサイからは肉のはじける音と汚い咆哮が鳴り響いており、商業区中に響き渡るほどにやかましい。


「んもおぉおぉ~~~~❤❤❤❤おマンコきぼちいぃ❤❤あっあぁぁっはああぁ~~❤❤こんな凶器をもっでるなんで❤牢獄イキ決定だあああぁ❤❤❤」


 茶牛は黒牛と同じように背中を立てているが、両脇をくぐるサイの腕にロックされており、肉厚おっぱいを突き出すような体勢になっている。

 ドリゴードの背丈が高いせいで少しがに股になっているのが余計に無様で、揺れる乳首ピアスの反射光がそれに拍車をかけていた。


「ドリゴードの中やべぇ!❤❤どこを突いても締め付けてきやがる!!❤❤こんなんホモのためのマンコじゃねえか❤❤❤」

「あぁ、ああっだりまえだろぉ❤❤おれはこの町を守るだめにぃ❤ホモちんぽを管理する男、だぞ❤❤もぉ~❤ちんぽを喜ばせられなくてどうするぅ❤❤❤」

「さすがドリゴードだ❤❤おれのちんぽがすげえ喜んでる❤❤こんなの抱いたら❤他のやつなんて抱けねえよ❤❤❤」

「いいじゃねえか❤❤これを機にぃ❤おれ以外で立たないようにしてやる❤町の平和のためにぃ❤武器の違法使用を取り締まりだぁ~~~~❤❤❤❤」


 でへでへと笑いながら腰を振る茶牛を見て、エイズワンに湧き上がる感情は羨望だけだった。自分も早くおマンコでイキ狂いたい、そんなことしか考えられなくなっている。

 それが暗示のせいだと分かっていても、今のエイズワンはちんぽの我慢ができない淫乱極まった雌牛でしかないのだ。


 だから、鼻水滴る鼻輪を揺らして虎を誘う。腰を回してホモ童貞ちんぽをじらしながら、赤ら顔の虎に何度もキスを送り付ける。


「なあ❤なあ❤早く動いてくれよ❤」

「は、はい……!❤❤」

「おマンコじらすなよぉ❤はーやくパコッてくれよぉ❤❤なあなあぁ❤❤」


 金色の髭に包まれた精悍な黒牛だったものが、情夫のように媚びている。

 それはホモ落ちしたばかりの虎にとっては効果抜群のようで、噛みつくようなキスでその口をふさいだ。

 そして、ちんぽが抜けるぎりぎりまで腰をひいてから、最奥まで一気に叩きつけるのだ。


「――――――っ!!❤❤❤❤❤❤❤」


 必死な形相の虎の前で、エイズワンはまたも眼球を裏返す。

 ネジのとんだ嬌声も虎に吸われ、できることと言えば役立たずちんぽから潮をぶしゃぶしゃ噴くくらい。変態ホモになったエイズワンにとって、おもらしは当然のことになっている。


(んぎもぢいぃいいいっひいぃいぃ~~❤❤❤おマンコたまらんんんっ~~❤❤デカマラで満たされるの大好きぃ❤❤)


 脳内で淫語を連発しながらも、口はずっと虎と舌を絡ませあっている。唾液のすする音とはこんなにも汚いのだと示すかのように、じゅぞぞと鳴り響く。それはわめくドリゴードとは違った淫乱性の示し方で、この町に『重戦車のエイズワン』その人ありとうたわれるには十分すぎるほどの変態行為であった。


「じゅるっ❤ジュルルルルルルルゥ❤❤❤」

「はむぅ❤んじゅるるる~~~~❤❤❤」


 もはや虎にとって汚い鼻輪が当たることなどどうでもいいようだ。この雄牛のすべてを食らいつくさんばかりに腰を動かし、内部をめちゃくちゃに荒らしまわっている。

 だがどこを突いてもエイズワンは喜び、泣き叫ぶものだから、虎にとってはこれが正解なのだ。


(おほぉ❤おマンコすっげ❤すっげぇ❤独り身傭兵生活でさみしかったおマンコが❤このちんぽに嫁ぎたいっていっでる❤❤本当に生ハメから恋が始まってしまうかもぉ❤❤)


 一突きするたびに愛情が膨れ上がっていくのをエイズワンは感じている。おマンコが屈服して、孕みたいと本能が感情を支配していく。

 ドリゴードはこれを業務だと言ったが、今のエイズワンにとっては婚活だ。唾液まみれの口を離して、さみしそうに舌を出す虎にゆだった笑みを向けた。


「ここもぉ❤いっぱい愛してくれよな❤❤」


 そう言いながら虎の手を自身の豊満おっぱいへと導いた。

 巨漢の虎の手ですら余るほどの胸部はむにっとつぶれ、その感覚は虎をさらに燃え上がらせる。


「うおぉ❤やっぱでかすぎぃ❤❤たまらないいぃ❤エイズワンさんのお肉❤おいしいいぃ❤❤」

「おおおおぉぉう❤淫乱雌牛のむちむちおっぱいっ❤あん❤もっと揉んでくれよぉ❤❤」


 そんなことを言われて止まる男がいるはずもなく、虎は両手を使って乱暴に揉みしごいた。肉と胸毛が指の隙間から漏れ、どれだけの質量があるのかを鮮明に知らしめている。


 太い骨格に盛り上がりすぎた筋肉。さらには鋭利な角と豊かな黄金の体毛。『重戦車のエイズワン』と言えば、雄々しさの権化としても有名な傭兵だ。

 だが今はどうだろう。虎ちんぽに媚びてくねくねと動く分厚い腰や、内またになったごつい太もも。さらにはいいように揉まれるでかいおっぱいもあって、彼の評判として語り継がれるのは決して雄々しさだけでないことがわかる。


「ぶもおぉおぉぉぉぉぉっ❤❤❤❤❤おおぉぉん❤雄マンコとおちんぽがお見合いじでる❤❤第一印象さいこぉすぎぃぃ❤あっ、おっぱいもたまらんんんぅ~~❤」


 さらに、情けなく緩んだ顔がこのたくましすぎる体に乗っているのだ。誰が今の彼を誉高い傭兵だと思うのか。

 暗示の影響下でなければ、誰一人として首を縦には降らなかっただろう。この限定的な環境において、エイズワンは名誉を保ちながら性欲のはけ口になることができていた。


「あああぁ~~~~❤❤❤❤セックスよすぎぃ❤❤あぁくっそぉ❤暗示よりもまず❤ちんぽに勝たないといけないのかよぉ❤んなの無理に決まってんだろぉおぉぉ❤❤❤」


 虎ちんぽは黒牛のマンコの奥を何度も何度も突き上げ、ひだというひだをねじ伏せていく。愛液でねとねとになった柔肉がついばむようにちんぽを歓迎し、泡だらけの肛門がぶちゅぶちゅと歓迎のラッパを鳴らす。


 ホモセックスとはこういうものだと、虎に教え込む。暗示だけではない。エイズワンというむちむちな雄が醸すエロスに、虎は脳みそをやられてしまっていた。


「オレも、セックスすごくいいですぅ❤❤エイズワンさんのおマンコ❤ずっと、むしゃぶりついてくる❤中で出していいですか?❤❤おマンコを子宮にさせてください❤❤オレのホモザーメンでぇ❤満タンにさせてぇ❤❤❤」

「ああぁ?❤❤いいに決まってるだろぉ❤❤むしろ外に出したら許さんからな❤俺の雄子宮は着床しないと満足しないぞ❤❤おぉん❤妊娠確定するくらい濃い❤❤ほじいぃ❤❤❤❤」


 孕ませられる想像で高ぶったのか、黒牛のマンコがまたキュゥっと締まった。

 体内で虎ちんぽが嬉しそうに跳ね、それがたまらなくうれしい。このちんぽに喜んでもらえる。それがエイズワンにとって何よりも大事なことになっていた。


 だから、このままでいいのではないか。この町を救うということはちんぽが減るということだ。それは嫌だと、黒牛のマンコがひくひくとちんぽをむさぼっていた。


「うもおぉぉ~❤❤だべなのにぃ❤おマンコされるのが嬉しすぎて止められんんんんっ❤❤❤セックスさえでぎればいいっでぇ、おもっでじまう❤❤」

「いいじゃないですかエイズワンさん❤❤オレは、憧れのエイズワンさんとセックス出来て最高です❤❤❤」

「お、おおぉぉれもぉ❤❤おおぉん❤俺も幸せぇ❤エッチたくさんできてぇ❤さいこおおぉぉ❤❤❤❤」


 倫理観が性欲に流されて、優先順位が切り替わる。いけないと思っているにも関わらず、腰は止まることを知らなかった。


 ああ、自分はこんな恥知らずな奴だっただろうか。脳裏でそういさめるエイズワンの声は小さく、腰を振る音にかき消されるだけだった。


(お、俺はぁ……ああ、ああ、あああぁぁ~~❤❤おがじくなってしまう❤こんな町に、いるとぉ❤俺が本当に変態ホモになる❤❤)


 だがどれだけ否定しようとも、マンコからくる快楽は事実でしかなくて。むさぼるためにちんぽへ媚びる黒牛に反論の余地を与えない。


 隣ではサイに抱きかかえられたドリゴードが、観客に向けて大股を開いているところだった。傭兵として鍛え上げたサイだからこそできる体位に、観客たちは大喜びだ。


「んもおぉ~❤❤ふがいっ、ふがぁいいぃいぃ~~❤❤ちんぽが奥までさざっでるっ❤❤子宮ごわれちまうよおぉ❤❤」

「ふんぅ❤ああぁ~出る❤出る出るっ❤ザーメンそろそろ出そうだ❤❤」

「おうぅ❤そのまま頼むぜぇ❤❤っほおぉ❤中にこき捨てろよぉ❤このセックスは刑罰だってこと忘れるんじゃないぜ❤❤」


 持ち上げられているせいで、ドリゴードの胸やちんぽがよく弾む。霜降りの筋肉を持つ茶牛はいきり立ったソーセージから汁をどばどばとこぼし続けており、ぶるんと揺れるたびに観客へと振らせていた。

 それを厭うやつなどおらず、誰もがぐちょぐちょになった結合部や震えるおっぱいばかりを見ている。


(あいつ、あんな恥ずかしいところを見せてるのか❤❤くそ、マンコがうずくぅ❤俺のマゾマンコもぐぽぐぽしてるところ見られてぇ❤❤)

「オレもしましょうか?❤」うらやましいという感情が出ていたのか、虎が聞いてくる。

「べ、別にいい❤俺は重いからな❤❤」

「任せてください!❤これでも力にだけは自信あるんです❤」


 いうが早いか、虎は黒牛を同じように持ち上げ、観客に向けて淫乱黒牛のM字開脚を見せつけた。

 丸々鍛えた尻の間にある粘液をこぼし続ける肉の花。金玉が少しかかっているが、それでも淫乱さは隠しきれるものではない。

 乳首が下を向いている胸部もそう。牛という種族を差し引いてもでかすぎる。しゃぶられた後の光沢が淫靡な輝きをもって、人々を魅了してやまなかった。


「お、おおぉお?❤❤❤」


 自分が欲情の対象になっている。それはわずかに残った理性的な部分をさらに削り取る槍となって、エイズワンの脳みそをゆだらせる。

 こんなことをしていけないという警告が、快楽に置換される。あとに残されるのは狂ってしまいそうなほどの快楽だけ。


 常識がむしばまれているようだ。このまま進めば戻れなくなる。

 そんな恐怖が、エイズワンを突き動かす。


「ああぁああぁぁぁっ!!❤❤❤駄目だ❤やめてくれ❤俺が、おかしくなる❤❤」

「いまさら何言ってんだよエイズワン❤」隣でドリゴードが言う。「おれらはマゾでホモな雌牛だろ❤❤確かにこの町の暗示には逆らってはいるが、性根はごまかしきれねえ❤❤ちんぽを前にすれば、おれらはこうなっちまうんだよ❤❤」

「ち、ちがうぅ❤俺は、俺はあああああぁぁっ❤❤❤」


 黒牛は首輪につけたお守りを握り締め、何度も頭を振る。

 これは自分じゃないのだと言い訳しても、快楽がなくなるわけもなく。暴力的な気持ちよさに、アヘ顔をさらすことしかできなかった。

 虎が腰を振り始めれば、恐怖も後悔もすべて快楽になっていく。気持ちがいいしか考えられない。


「ぶもぉ❤おおぉおぉぉん❤❤❤おマンコぎもぢいいぃい❤見られでっ、俺っ、こんな❤❤んほおぉ❤❤たまらん゛ん゛ん゛ん゛ん゛っ❤❤❤」

「んっくぅ❤❤エイズワンさん、すごい締め付けです❤喜んでもらえてうれしいです❤❤」

「だっで気持ちが良すぎるんだ❤❤おマンコにぃ❤逆らえん❤」


 この状況が異常だと分かっていても、快楽の前では無力。エイズワンはおっぱいによだれをこぼしながら、笑みを抑えることができずにいた。


 黒と茶のたくましい牛がそろってマンコを見せつけて犯されている。観客たちは勃起ちんぽをしごき上げ、自身が犯罪者にならないように金玉を空っぽにすることに努めた。ここで出さなければ、勃起を抑えることなどできるはずがない。


「んっひぃ❤おマンコたまらぁん❤変態ホモ牛になる❤なりゅぅ❤❤」

「ああくっそぉ❤おれらは町を救いたいのに❤ちんぽもらって喜んじまう❤さいっこぉ❤❤」

 

 力んでいるせいで、背後のサイと虎から香る汗のにおいが強くなる。それは牛たちの雌を刺激し、マンコの具合がさらに良くなるのだ。


 興奮のるつぼにいたサイと虎はすでに限界で、この雌に種付けしようと金玉がせりあがっていく。それはちんぽの硬度にも直結し、牛たちの顔に歓喜が咲いた。


「んもおぉおぉ❤中出し❤中出しぃ~❤❤」

「は、早くくれよぉ❤着床させて❤おれらをミルクが出る乳牛にしてぇ❤」


 同じ体勢で犯されているが、ちんぽへの媚には個人差がある。

 エイズワンは虎の頬に何度もキスをしながら、噛みしめた牙から漏れる唾液を喜んで舐めとったりと、ちんぽへの感謝をしきりに表している。

 ドリゴードは両手を上げて黒く茂った腋を観客へ見せつけたり、おっぱいを持ち上げてみたりと、対外的なアピールが多かった。


「もう、だめだぁ❤」最初に音を上げたのはサイ。「いぐぞ❤おおぉ❤出るぅ……❤❤❤❤」


 彼はドリゴードの最奥を穿つと、そのまま種付けを始める。歯を噛みしめながら空を見上げ、力強く鼻息を飛ばした。

 でっぷりとした金玉から特濃で大量の精液が噴出して、ドリゴードの膣内をすぐさま満タンにしていく。


「ぐうぅ❤ぐうぅうぅぅぅ❤❤❤」


 出しても出しても尿道からあふれ出してくる。これほどまでの射精をしたのはサイにとって初めてのことだった。確かに性豪だと自負していたサイだったが、意識のすべてを持っていかれるほど強い射精はしたことがなかった。


 そして、それを受けるドリゴードは腹の膨れる感覚に酔い、もとから締まりのなかった表情をさらに崩して笑いだす。それは完全に壊れたようにしか見えず、事実、彼の頭にあるのは射精とちんぽのことだけだった。


「おっほおぉおぉ~~❤射精すんごぉ❤いいやつひっかけちまったなぁ❤あああぁ~~❤❤満たされるぅうぅぅぅ❤❤このために兵士やってんだよおおぉ~~~~❤❤❤中出しザーメンさいこおおぉぉ~~❤❤❤」


 そして、サイは人生で一番の射精をした後、次に金玉の限界が来たのは虎だった。


「あ、もう、オレもぉ❤❤❤」


 短くそれだけを言って、エイズワンの最奥に無遠慮種付けを開始した。


「んっはああぁ~~~~❤❤❤出るでるぅ❤とまら、ないよおぉぉぉ~~~❤❤❤」

「ぶもおぉ?!?!❤❤あああっはあああぁ~❤いきおいすんごおぉおぉぉぉ❤❤❤」


 サイと同様に、虎もまた人生で一番の射精をしていた。暗示によってたくわえられた性欲が一気に爆発して、エイズワンの奥にびちゃびちゃと噴きつけるのだ。


 そんなものをぶつけられて、エイズワンは歓喜に鳴いた。マンコの奥をザーメンでノックされることで、体の中から雌に書き換えられていくようだ。


「あ~❤ああぁ~❤奥にあだるうぅ❤❤こ、こんなつよつよザーメンにわからされてしまったら、子宮になる❤おマンコの奥が❤むずむずしてたまらんんんっ❤もっどもっとみだじでええぇ~~❤❤❤」


 牛二人のマンコ容量を軽々と満たすほどの精液は、そのまま逆流してあふれ出す。多幸感から力の入らない二人のマンコから漏れるザーメンが、ぼたぼたと地面へと降り注いでいった。


「漏れる❤だめだぁ❤んっはあぁ❤もっだいないいぃ❤❤せっかくの雄ミルクなのに゛いぃ❤」

「んでもぉ❤力が入らねえ❤あっあっあっ❤ちんぽからもぉ、漏れちまうぅ❤❤お゛、おほぉ、いっぐぅ❤❤」


 サイと虎のダイナミックな射精を見た観客は、次は雄牛二人の番だと疑わない。血管を浮かべてばきばきにいきり立っている一物が大きく震えた時、誰もが射精だと信じた。


「あー……❤❤」

「おほぉ……❤❤❤」


 だが、著名で屈強な雄牛二人のちんぽから出たのは、なんとも勢いのない精液だった。

 じょろじょろと、まるでおもらしのようにザーメンがこぼれていくだけ。

 ちんぽはこんなにも力んでいるというのに、泣くことしかできなかったのだ。


「い、いひぃ……❤❤ふへへへへぇ❤❤❤」

「おもらし射精止まらんんんっ❤❤んへえぇ❤❤」


 膨れ上がった金玉が生産する精液は大量だが、それはゆっくりとしか流れていかない。

 雄牛二人は絶頂時に近い多幸感にふやかされ、表情筋が阿呆に成り下がった。


 弱々しい射精に突き刺さる視線は黒牛の被虐的な願望を燃え上がらせる。舌を垂らした無様な姿にできることは、認めることだけ。

 だから、次の言葉は自然に出て来てしまう。


「わ、わからされてしまったぁ❤❤」


 エイズワンはお守りから手を離して笑う。もう今の自分を疑うことすらできない。

 犯されて情けない射精をする自分こそ、本当の自分だと吹聴する。


「俺は、射精すら満足にできない、雌牛ぃ❤❤『重戦車のぉエイズワン』だぞぉぉ❤❤」

「同じくマゾの雌牛ぃ❤『突撃艇のドリゴード』❤戦場では果敢だと言われるのに❤射精はこんな情けなくってごめんなぁ❤❤」

「ちんぽにやられてぇ❤おもらし射精で雌アピールするなんて❤不甲斐なくて感じるぅ❤こんなはずじゃ、なかったのにぃ❤❤」

「ああぁっはぁ❤これが本当のおれらなんだよぉ❤ちんぽに媚びるのが大好きでぇ❤オナホとして使われるのもだぁいすきっ❤❤」


 さんさんとした日光の下で、たくましい雄牛がアヘアヘと笑う。

 先ほどからゆっくりとした射精を続けており、知能指数が戻ってこないようだ。


「エイズワンぅ❤」茶牛が戦友を呼ぶ。「まだまだ業務は終わらないぞぉ❤今日はずっとちんぽ漬けだぁ❤❤」

「はひぃ❤ああ、わがったぁ❤マンコに銘じておくさ❤❤俺の淫乱マンコはまだ満足してないんでな❤❤」


 そこで茶牛は後ろを振り返り、にたりと口角を上げた。目をつけられた哀れな犯罪者たちは汗まみれで射精の余韻に浸りながらも、筋肉の塊を落とさないように耐えているのがわかる。

 屈強な雄牛を持ち上げる腕力を見込んで、ドリゴードはこう言った。


「それじゃあ罰として、今日一日おれらの業務に付き合ってもらうからなぁ❤❤このままマンコ見せびらかしパトロールをしような❤❤」


 こんな恥ずかしい体勢で町を練り歩くことを想像して、エイズワンのマンコがまた熱を持ち始めていく。ドリゴードも黒牛と同様に、もう性欲を満たすことしか考えていないようだ。


 サイと虎は顔を見合わせるが、答えは決まっているも同然だった。こんなにもスケベな雄牛たちを前に、逃げるという選択はあり得ない。

 突き上げを答えがわりにして、二人はマンコへの恭順を示す。牛肉の味を覚えたちんぽは舌が肥え、多少の無理だろうと道理を通すことを厭わない。明日筋肉痛になろうとも、目先の快楽を取ったのだった。


 そのままステージを降りて商業区を突き進むと、道行く人の視線が突き刺さる。

 それだけではなく、歩行の振動が直にマンコを犯すため、雄牛たちは始終蕩けた顔のままだった。


「み、見られてぇ❤❤こんな恥ずかしい姿ぁ❤んだめだぁ❤おマンコ高ぶるぅ❤❤」

「これも仕事だぜエイズワン❤❤せっかくだからぁ❤おぉん❤気持ちいい方がいいだろぉ❤❤」


 そんな馬鹿な話があってたまるかと、普段のエイズワンなら言うだろう。

 しかし、脳みそが快楽によって緩んだせいで、ちんぽから蜜を垂らすことしかできていない。違和感だけがか弱い叫びをあげているというのに、尻尾は虎へと巻き付いて媚びるのだ。


「あ、あはぁ❤❤」


 ずっとマンコを気持ちよくされて、エイズワンはうっとりと目を細める。マンコが満たされている幸せを噛みしめてはいるが、このままではいけないと分かっていた。


 抱えられたマンコを見せつけながら巡回することを是とする価値観を、受け入れるわけにはいかない。

 たとえ体が完全に屈服していたとしても、心まで折れるわけにはいかなかった。


「く、狂ってる……❤こんな町、おかしいだろ……❤❤」


 そんなつぶやきは誰に拾われることもなく、エイズワンはM字開脚を町中にさらしたのだった。


 時間は少したって夜。

 このままいけば戻れなくなってしまう。そう考えたエイズワンは仕事終わりにドリゴードにある頼みをした。


「『虚栄の鏡』を使いたいだって? なんでわざわざ」


 仕事も終わって身を清めた後、二人はドリゴードの部屋に来ていた。


「お前には『真実のタリスマン』があるじゃないか。効果はそんなに変わらんだろ」

「それはわかっているがどうにもタリスマンだけじゃ魔法に抗えていない気がするんだ。俺は確かにど淫乱の雌牛だが、ここまでひどくなかったはずだ」

「まあ確かにな。お前はどちらかというと二人っきりでいちゃいちゃとかするのが好きなタイプだったよな。でも、それは発情のせいだと思うんだがなぁ」

「わかってる。こんなのがただの逃避だってことくらい。だが、見るだけだからいいだろ」

「まあな。おれも定期的に見とかないと暗示に負けそうになっちまうし、ちょうどいいか」


 ベッドの中で互いの体をまさぐりながら会話していた二人は、すでにちんぽをいきり立たせている。発情とは厄介なものだと、エイズワンはため息をはいた。おかげで親友だと思っていたドリゴードとキスを繰り返すのも苦ではないのだから。


 ドリゴードは黒牛ソーセージをひと撫でしてからベッドを離れ、布の被った鏡へと近づいた。『虚栄の鏡』はつねに真実を写すため、日常的に見たくないものだというのはエイズワンも理解していた。

 『虚栄の鏡』は対象に真実の姿を見せることで、気づきを与える魔道具である。

 自分を見つめ直すための魔道具としても知られているが、弱さを突きつけられることにもなるため相当な覚悟が求められる。


 巨大な姿見は雄牛であってもやすやすと全身を写せるだろう。だからこそ、見たくもないものさえ鮮明になってしまうのだ。


「一緒に見るのは恥ずかしいんだが、今更かぁ」

「本当に今更だな。これを手に入れた時にさんざん理解しただろ」

「まあなー。まさかお前があんなに恋人を欲しがってるとは思わなかった。ずっとクールな奴だと思ってたのに、でれでれしてて面白かったな」

「俺もお前が過剰なまでに英雄としてちやほやされたがっていたとは気づけなかった。まさか俺らのことをしもべだと思ってたとはなぁ」

「あれはしもべじゃなくて仲間だって! まあ確かにおれが一番だとはうぬぼれてたけど、それも昔の話だ。今は大事な仲間だと思って……この話はやめよう。おれらの傷が開くだけだ」

「同感だ」


 昔話をするとあの頃の楽しさがこみあげてくる。こうして裸で抱き合っていたとしても、エイズワンにとってドリゴードは大事な親友であることに変わりはないのだ。


「じゃあいくぞ」布を握って茶牛は確認する。


 そして現れる鏡の全容。それはエイズワンを驚かせるには十分すぎるほどだった。


「……………………は?」

「どうした?」


 ドリゴードがいぶかしげに振り返ることが、エイズワンには理解できない。これを見ても何も思わないのかと、叫びだしそうになった。


「どうしたって、お前……それは……」


 代わりに出たのはかすれた声だけ。鏡を指さしてもドリゴードに気づいたそぶりはまるでなかった。


「これが『虚栄の鏡』だろ。まさか忘れたのか?」

「まさか、まさかまさかまさか……俺らはすでに……?」


 信じたくない現実を突きつけられて、黒牛から冷や汗が止まらない。

 こんな狂った町にいても自分は正常だと思っていた。だがそうじゃなかったとしたら?


「あ、あ、ああ……」


 いったいどこまでが異常で、どこまでが本当の自分だったのか。

 エイズワンにはわからない。なにも、わからなくなってしまった。


「おい、どうしたエイズワン! そんなやばいもんでも映ったのか?!」

「映った? 映っただと! お前、これを見てよくそんなことが言えるな! こんなもの――」


 エイズワンは叫びながら鏡を指さした。

 認めたくない。だが、認めなければならなかった。

 雄牛たちはすでにこの町にとらわれているのだと。


「――――割れて使い物になってないじゃないか!!」


****


 いったいどこから間違えたのだろう。

 エイズワンは答えの出ない問題に頭を悩ませ続けている。


 『虚栄の鏡』が割れていることをドリゴードに何度伝えても、理解できていないようだった。それでもエイズワンが嘘を言うわけがないと、顔を青ざめさせて現状に占める絶望の割合を憂いた。


 どうやらドリゴードの目には、鏡は常に自分の真実を映しているように見えるらしい。それはこの町の隊長として慕われ、常にちんぽに恵まれている光景だそうだ。それこそが本当の自分だと、疑ってすらいなかった。


 だがもしも、そうではないのだとしたら。

 これが与えられた認識であるならば、ドリゴードがちんぽ漬けを喜んでいる光景が嘘なのかもしれない。そう考えた時、雄牛たちの間に冷たい空気が流れた。


 異変に気付けたエイズワンですら、自分を見失いつつあった。

 毎日の快楽漬けで、気持ちがいいことへ流されていく常識に対して、確信が揺らぎ始めているのだ。


 果たして、本当の自分とは何なのか。二人はもう、断言することができずにいる。

 エイズワンがどれだけタリスマンを握っても、答えは出ない。このお守りはすでに突破されているのかもしれないと、黒牛の背筋に寒気が走る。

 タリスマンが効果を失っているのだとしたら、エイズワンに打つ手はない。


 自分たちは本当に昔からちんぽが好きだったのだろうか。

 パーティを組んでいた時に行っていた行為も、すべて植え付けられたものなのだろうか。

 わからない。答えを出せない。


 だからこうして今日も、二人はパトロールに向かう。そこらへんでひっかけたたくましい雄にしがみつきながら、駅弁体勢でちんぽをむさぼるのであった。


「んほおぉおぉ~~~~❤❤❤❤ちんぽぐるぐるうぅぅぅ❤❤」


 初日に捕まえた虎に抱き着きながら、エイズワンはいく。先ほどまで黒牛を抱えていた雄は疲れのため使命を全うできなくなり、代わりとしてうらやましそうな顔をしていた虎を誘ったのだ。


「ああぁ~~~~……❤❤」黒牛の中にザーメンをぶちまけながら虎が呆けた声を出す。「エイズワンさんの中、最高ですぅ❤もう最近はずっとセックスのことしか考えられなくて❤依頼主の商人さんも商談よりセックスしかしてないんですよ❤❤あ、もちろん部屋の中でですよ❤外での勃起は犯罪ですから❤」

「んっふぅ❤そうかぁ❤お前もかぁ❤❤」


 この町を覆う魔法が強度を増していることに、二人は気づいていた。

 ムラムラが加速して、毎朝夢精で目が覚めるのだ。そのくせ出勤前には雄牛同士で絡み合い、体中汗とザーメンまみれで町に繰り出すことが当然になってきていた。


 対策を考えようにも金玉が急かしてしょうがない。射精しなければまともな思考すら紡げない。一日中エッチなことを優先するようになった結果、雄牛たちのムチムチとした体は常に熟れて、ちんぽを誘う淫獣へと変わり果てている。


「俺も、もうセックスのことしか考えられん❤❤あーくそぉ❤ちんぽがないと体が満足できなくなってしまったぁ❤❤もっとハメてくれぇ❤淫乱雌牛のおマンコにぃ❤ぱこぱこ❤ぱこぱこして❤❤」


 エイズワンはしきりに虎の口元を舐めながら、潤んだ目で甘い声を出す。

 すでに何本ものちんぽを咥えこんだ口はザーメン臭かったが、虎は嬉しそうにキスを返してくれた。


 発情は雄牛だけではなく、町中に広まっている。

 おかげで、勃起が禁止されている町であるはずなのに、いたるところで脱法セックスが繰り広げられていた。

 裏通りに一歩踏み込めば、ギンギンになった雄たちが所かまわずザーメンをぶちまけている。それを取り締まるはずの兵士は、勃起が許される相手としてすぐさま便所のように使われてしまっており、まったく役に立っていなかった。


 発情と暗示が組み合わさった結果、城塞都市アーマグラは完全に性に飲まれていた。


「もちろんです❤❤エイズワンさんとセックスするために、今日は夢精しかしてないんですから❤❤一日中パコパコしましょうね❤❤」

「一日中ぅうぅぅ?!❤❤そんなの狂っちまうぅ❤んでも、もう狂ってるのかもしれないなぁ❤❤あぁ~❤ちんぽが欲しくてたまらんんんんっ❤❤❤ちんぽがないとぉ❤おマンコうずきすぎて何も考えられないんだ❤❤」


 狂っている。エイズワンはそう認識できている。


 だが、発情はしきりに彼をセックスへと駆り立てるのだ。理性や倫理を踏みにじり、性欲の発散こそが至高という世界観が生まれていた。

 それを忌避する感情はあれど、ちんぽには逆らえない。愛液がとどまることを知らない雄牛の体では、目先のちんぽにしゃぶりつかないという選択肢はないのだ。


 そしてそれは隣にいるドリゴードも同じ。

 茶牛はサイに駅弁のままマンコを突かれ、ザーメンを逆流させている。


「んもおぉおぉぉぉ~~❤❤❤❤んっもおおおおっほぉぉぉぉ~~~~❤❤❤❤」


 畜生のような鳴き声を上げて、何度もいき続ける茶牛。体液まみれでぐずぐずになった顔に、町を救うという信念が残っているのかも疑わしかった。

 少なくとも羞恥心は皆無だろう。そうでなければ、いくら性欲が高ぶっているはいえ、駅弁のまま町を歩かせようとは思わないはずだ。


 茶と黒が背中を向けて町を歩いていく。

 周りの雄のことなど目に入っておらず、ちんぽを焚きつけるという目的さえ曖昧になりつつあった。

 それでも、これでいいのだという確信が雄牛二人にはある。

 自分たちがちんぽでよがり狂うだけで、周りの雄は勝手に喜んでくれる。この一週間で、二人は嫌というほど理解していた。


 事実、彼らが町を歩くだけでちんぽは勝手に勃起して、逮捕してほしいとにじり寄ってくるのだ。この世界において、雄牛たちはセックスシンボルとして人々に認知されていた。


「これからゼタラウス様のところにお連れすればいいんですよね?❤」


 のっしのっしと歩きながら虎が確認を投げかけた。


「ああ❤ようやく城主から呼び出しがかかったんだ❤まったくあいつめ、慎重にもほどがある❤んうぅ❤おかげで俺がこんなど変態になってしまった❤❤おおっおおぉっほおぉ~❤振動でマンコひらぐぅ❤❤」


 日数にして一週間、毎日毎日変態的なパトロールをして、ようやく呼び出しがかかった。

 あのくずにしては手が遅いといぶかったものの、そんな疑問は快楽に洗い流されてしまう。


 ようやくだ。ようやくこの狂った町から逃げることができる。

 だが、何をすればいいのだったか。彼は思い出せないでいた。

 諸悪の根源に相対する機会を得たというのに、今朝ドリゴードとした会話はどういうセックスをするかということだけ。

 すでにわずかに残った理性は性欲の発散を最優先するようになっている。武器ももたない裸体のまま、彼らは戦おうとしていた。


 いや、彼らにとって武器とは股間にそびえる肉槍のことであり、それをおかしいと思いつつも受け入れてしまっているのだった。


「じゃあそれまではオレが独占させてください❤❤最近エイズワンさんのことを考えると、ちんぽがいきり立ってしょうがないんです❤他の雄とやっても、エイズワンさんのマンコの方がいいってちんぽが言うんです❤❤❤」

「んっふぅ❤俺もぉ、このトゲ付き巨根すきだぞぉ❤❤マゾマンコがぁ、完全に屈服してしまっているぅ❤❤俺を持ち上げられる力もいい❤これからは好きな時におマンコしてもいいぞぉ❤❤」

「ありがとうございます❤じゃあ、商人の護衛仕事が終わったら、オレとパーティを組んでください❤❤たくさんおマンコ頑張りますからっ❤❤❤」


 この一週間でマゾホモマンコとして完成されたエイズワンにとって、虎のちんぽは魅力の塊だった。ねじ曲がった常識下では、伴侶を決める項目でセックスがかなりの割合を占めるのだ。

 初日で牛マンコの味を覚えた虎は、何かにつけてエイズワンの前にやってきた。おかげでセックスした回数で言えば、この虎がトップだ。


 エイズワンは胸の高鳴りを表に出さないようにしながら、虎の鼻面を舐めまわす。尻尾ははちきれんばかりに振り回されているというのに、虎からでは見ることができなかった。


「ぶもっ❤それはパーティのオナホ係としてか❤それとも、お前の専属とぉ❤んっふ❤してかぁ?❤❤」

「専属でお願いしますっ❤❤エイズワンさんのおマンコを、独占したいっ❤オレの種だけで満タンにしたいんですっ❤❤❤❤」

「この『重戦車のエイズワン』をおマンコするためだけに欲しいと?❤❤」


 金色の髭に包まれた男くさい顔が、にたりと蕩けた。傭兵として名高い男を口説く文句にしては、性欲が前面に押し出されすぎている。

 普段であれば一蹴するような提案だが、今のエイズワンはエッチなことが大好きなマゾホモになっている。とすれば、このおいしい巨根を逃すという選択肢はない。


「気に入った❤❤マゾホモ雌牛とはいえ、腕前には期待してくれていい❤その分たっくさんおマンコしてもらうぞぉ❤❤」

「もちろんです❤❤」


 駅弁のまま虎が強い一突きを与えれば、雄牛の結腸奥がこじ開けられる。その振動は脳を揺らし、エイズワンがよだれを噴き上げながらいなないた。


「んもおおぉぉぉぉ~~~~❤❤❤ぎもぢいぃ❤お、おおぉ❤おマンコいぐうぅうぅぅ❤❤このちんぽすんごいぃいぃぃ~~❤❤」


 早く城主ゼタラウスを倒して町を元に戻し、この虎ちんぽにたくさんおマンコしてもらおう。黒牛は白濁とした未来を想像してマンコをうずかせる。


(寝所に呼ばれたときがチャンスだ❤あいつは俺らが暗示に屈したと思っている❤その隙をついて捕まえ、この町を覆う魔法を解かせるんだ❤❤大丈夫、俺らならいける❤…………そんな作戦だったか?❤❤)


 たくましい手足で必死にしがみつくエイズワンはちんぽを咥えこむのに忙しく、付近の雄が勃起させていることにも気づいていない。パトロールという建前さえ曖昧になって、ただただ快楽をむさぼる畜生へと変わり果てている。

 そして、これが自分だと受け入れていく。


(本当にそうだったか? 俺は、こんな奴だったのか? こんな、はしたなくちんぽを求めるような淫売で、おマンコされることを何よりも優先するような……男だっただろうか)


 おマンコされることが大好きな雌牛。それが自分だと、エイズワンは疑いこそすれ否定することはできない。この町が異常だと思えるのに、自分にそれは適応されない。


 それを教えてくれるのは――――


「ったく、お前はそんな奴じゃなかっただろうが」


 三人目の雄牛だった。


****


 城主ゼタラウスは前城主の息子であり、この町一帯を支配する貴族である。だが、その性質は善良で有能だった父とは真逆で、くずと性欲を煮詰めたような性格をしていた。

 気に入った雄がいれば食らい、囲み、弄び。政治に関しては配下に一任しているような状況だ。

 このままではアーマグラが傾ぐのは時間の問題だと、誰もが危惧した。ゼタラウスに領主を運営する手腕はなく、性欲の発散だけを目的に生きているようなケダモノだから。


 そんな状況が一変したのは、城から古代の魔道具が発見されてからだ。

 『小さな楽園』と便宜上そう呼ばれる魔道具は、城の中の現実を改変する力を持っていた。どんな人も一歩踏み込めば取り込まれ、都合のいい存在へと改変される。長年アーマグラが陥落しなかったのは、この魔道具のおかげだった。

 代々城主の秘密とされてきた存在であり前城主は当然知っていたが、ゼタラウスに教えることはなかった。ゼタラウスが善良を貫くなど端から信じていなかったが故だ。

 だが、彼はずるがしこく、父が何かを隠していることを悟っていた。それを暴き立て、持ってはならない悪魔の力を手に入れてしまったのだ。


「そして私は勃起罪を作った。町の男たちがどこでもセックスできる都合のいい法を作り、適当な理由で拘留して私のオナホにするために」


 ベッドの中で黒い狼が笑う。左右にはべらせた黒と茶色の牛を撫でると、雄牛たちはうっとりとした視線を返す。


 町を取り戻すと鼻息荒かった雄牛たちだが、ゼタラウスに相対した瞬間に勝敗は決した。もとから性欲まみれの敵愾心など魔道具の前には無力でしかなく、狼の提案によって雄牛たちのゆがみは完成してしまった。

 甘えるように体をすり寄せる猛牛はこの世の春を謳歌している。むちむちとしたおっぱいを押し付け、精いっぱいの媚を浮かべていた。


「エイズワン。ああ、いつ見てもいやらしい体だ。これでノンケは絶対無理だろ。だからお前はマゾでホモの雌牛にしてやった。それがお前にはぴったりだ」

「んうぅ、ありがとうございます旦那様ぁ❤」

「この町は狂っているそうだが、お前は正常か?」

「もちろん❤俺にはこのタリスマンがある❤だから、旦那様が何をしようとも俺は、狂ったりなんかしない❤❤俺はずっと旦那様のオナホ嫁で、ちんぽが大好きな雌牛だぞ❤❤」

「くっくっくっ、そうか。それはよかった」


 エイズワンは首輪につけられた石を『真実のタリスマン』だと信じていた。そう思い込まされた石ころだとも知らずに。


 そもそもがまず、本物のタリスマンは検問の時点で抜き取られていたのだ。彼らの武勇伝は有名であるがゆえに、対策は容易だった。本物はゼタラウスが適当な場所に保管している。


 あとはエイズワンに適当な石ころをタリスマンだと思い込ませれば、真実の自分はホモでマゾな雌牛だと勝手に信じてくれた。

 兵の前でした自己紹介もこれまでの認識もすべて、ゼタラウスがエイズワンにふさわしい雌牛として与えた経歴でしかない。この町に来るまで、エイズワンは男同士のセックスなどしたことがなく、マゾですらなかった。

 この雄牛が国王軍の誇る軍団長を振ったのも、同性だからという理由だったはずなのに。


 だが、自分は狂っていないという自負が、黒牛をより深みへと沈ませた。これこそが本当の自分だと、進んでホモセックスに明け暮れるようになった。


 それはドリゴードも同じ、鏡さえ割ってしまえば認識などいかようにも変えられる。茶牛はずっとガラクタと化した鏡の中に、ゼタラウスにとって都合のいい自分を映していた。

 すなわちエイズワンと同じ、マゾでホモなちんぽ狂いとして自分を定義させられていたのだ。


 こうして雄牛二人は知らぬ間に自分自身を変容させられ、ゼタラウスを愛するホモへと変えられてしまった。今は広いベッドでゼタラウスからの寵愛を得ようと肉付きのいい体をもじもじとさせている。そして、そのことに何の疑問も持っていなかった。


「旦那様ぁ❤早くおマンコしてぇ❤子作りしないと、んもぅ、体がおかしくなりそうだぁ❤❤俺の黒牛おマンコも旦那様のちんぽが欲しいってとろとろだぞ❤」

「おれも子作りしてぇよぉ❤またいつもみたいにおっぱい好きにしていいからさ❤旦那様に雌牛ミルク絞られたいんだ❤❤」


 でかでかと実ったおっぱいを押し付けて黒と茶は締まりのない顔を向ける。狼の顔に何度もキスを振らせて、寵愛をもらおうと媚びを強めていく。

 武骨な手で狼の体を撫でるのは親愛の証。あれだけゼタラウスを嫌っていたエイズワンであったが、認識を操られ、今は最愛の夫としてしか見えていない。ここに来る前にセックスしていた虎のことすらすっかり忘れ、腰をへこへことおねだりを続ける。


「かわいいものだ。最初に会ったときはあんなに息巻いていたのに」

「ああ、旦那様ぁ❤初日のことは悪かった❤まだ旦那様の暗示の効きが悪かったんだ❤一週間も待たせてすまない❤これからマゾホモ妻として、しっかりご奉仕させてもらうから許してくれぇ❤❤」


 エイズワンがこの町に来た夜、ドリゴードとの乾杯を遮って現れたゼタラウスに突っかかった。『真実のタリスマン』を奪って油断していたゼタラウスであったが、黒牛の精神力は常人を凌駕していたのだ。

 何とか暗示を重ねがけして記憶を改ざんできたゼタラウスだったが、おかげで一週間も待つことになってしまった。


 この黒い雄牛が完全に暗示に染まるまで、これだけの日がかかった。町を覆う魔法を強め、住民を性欲の奴隷に貶めてようやく、この雄牛が手に入ったのだった。


「じゃあその誠意を見せてもらおうか。尻を向けろ」

「はぁい❤❤」


 狼をまたいで尻を突き出すエイズワン。顔は狼ちんぽの根元にくっつけ、その臭気を肺一杯に吸い込んだ。本心では舐めたくて仕方がないのだが、許可がない以上匂いを吸うだけが限界だ。尻をゆすって許しを請う姿に、戦場での姿は全く重ならない。


「申し話ありません旦那様ぁ❤俺は旦那様のマゾホモ妻でありながら、暗示に逆らって愚かにもたてついてしまいました❤これからは心を操られて、立派な雌牛になります❤だからおちんぽほじいぃ❤子作りセックスでおマンコを愛じでええぇぇぇ~~❤❤」


 狼の眼前で踊る尻は肉の詰まった風船だ。尻というのはこんなにも丸く大きいものなのかと、見るものの概念をぶち壊す魅力に満ちている。揺れるたびにムチッムチッ❤とオノマトペがなるような気さえする肉の塊を前にすれば、どんな雄もよだれを垂らさざるを得ない。

 それはゼタラウスであっても同じことで、掌程度ではつかみきれない肉を鷲掴みにして感触を楽しんだ。


「んもおぉ❤旦那様の手がくいこむぅ❤❤」

「あー肉厚でたまんねぇ。くそ、この体でノンケぶってんじゃねえよホモ牛が! こっちはずっと昔からお前の体を見るたびにムラついてたんだぞ! しかも一週間待たせやがって! これから毎日マンコするから覚悟しろよ!」

「おほぉ❤俺の体がドスケベですまないぃ❤❤おマンコされるためにたくさん鍛えたから、これからは旦那様の好きにしてくれぇ❤❤」

「そういう風に記憶を改ざんしてやったんだよ。お前みたいにスケベな牛はちんぽをむさぼって生きるのがふさわしいんだ」

「ああ、ああ❤その通りだ❤俺は旦那様に嫁ぐために今まで鍛えてきたんだ❤ようやく真実の愛に巡り合えて、俺は幸せだ❤俺を洗脳してくれて感謝してもしきれん❤❤❤」

「じゃあ謝れよ。今までのことを、このスケベな体で周りを誘惑してごめんなさいってなぁ」


 尻を叩きながら命令されると、エイズワンは嬉々として従う。もとから尻を上げた土下座のような体勢であり、恥などはどこにもなかった。


「い、今まで俺に関わったすべてのおちんぽ様❤パーティを組んでくれたドリゴードやユーニス❤一緒に戦った同業者のみんな❤俺を見たすべての雄たち❤」


 ぴくんと、金色の陰毛に包まれた金玉袋が揺れた。


「ごめんなさいい~~~~❤❤❤俺が無自覚にむちむち雌牛ドスケベボディを揺らしたばかりに、ちんぽをイライラさせてしまったぁ❤❤し、知らなかったんだぁ❤俺がこんなにドスケベな体をしてるなんて❤❤きっとちんぽはめたかったよな❤おマンコしたかったよな❤気づかなくってごべんなぁ❤❤❤ちんぽくらいハメさせてやればよかった❤❤」


 おマンコされるために鍛え上げたくせに、自分がスケベな体をしていることは知らなかった。など都合のいい記憶を植え付けられたエイズワンは、本心からちんぽたちに謝罪する。そうしろと最愛の旦那に言われたからだ。


「本当は俺がおマンコ使わせて謝罪するのが筋というものだが、今の俺は旦那様のマゾホモ妻❤許可なくしてはおマンコさせてあげられないのだ❤これからのセックスはすべて旦那様に管理してもらうことになっているからなぁ❤❤」

「お前が本当に申し訳なく思っているのなら、私と離婚しておマンコ参りをしてきてもいいんだぞ」

「そっ……そんなひどいこと言わないでくれ❤❤俺にはお前しかいないんだ❤俺を洗脳して変態マゾホモ妻にしたのは旦那様じゃないか❤❤お前に捨てられたら、俺はどうしたらいいんだ……❤❤」


 自身のアイデンティティにさせられた最愛の夫から離婚を示唆されて、エイズワンは涙目で尻を揺らして媚びた。自分が変容させられた自覚はあれど、すでにどうしようもないほど依存してしまっている。


 そんな醜態に、狼はようやくこの素晴らしい肉付きの牛を手に入れたという実感が湧きあがる。張り詰めた肉が波打ち、袋がぶらぶらと揺れるさまを眺める胸中では、いびつに膨らんだ自尊心が満ちていくのを感じていた。


「旦那様ぁ、俺を捨てないでくれぇ❤お願いだ❤❤俺が旦那様のちんぽをイライラさせた分は、しっかりおマンコで償うからぁ❤❤生きてるだけでちんぽ媚びするマゾ牛でもぉ~しわけございませんでしたぁ❤❤」

「お前もだぞ、ドリゴード」


 何も悪くないにもかかわらず、自分を下げて謝罪するエイズワンを無視するゼタラウス。唐突に話を振られた茶牛は、目を丸くするだけだった。


「中途半端に自我を残しやがって。お前が初日にエイズワンを差し出していればこんな待たずに済んだんだ」

「ご、ごめんよ旦那様❤あの時のおれはおかしかったんだ❤旦那様の命令に逆らうなんてどうかしてた❤で、でも今は違うぞ❤おれは旦那様のマゾホモ嫁の一人として、命尽きるまでご奉仕させてもらうから❤なあなあ、許してくれよぉ❤」


 狼の頭を抱き寄せて豊満なおっぱいにうずめることで、茶牛は許してもらおうと努めた。わざとちゅっちゅっと聞こえるように耳にキスを落とし、おっぱいを寄せて狼の顔をもみほぐす。黒い胸毛の密集した雄臭い部位だが、この下卑た狼が喜ぶことはよく知っていた。


「旦那様ぁ❤この愚かな牛を許して……許してくれぇ❤❤これからちゃんと、ちんぽをいらつかせたら謝罪セックスするからぁ❤❤マンコ牛としての自覚をもって生きるぞぉ❤❤」

「おれもごめんな❤間違った正義に傾倒してたおれを許してくれよ❤❤旦那様の敷いた法こそが正義だって気づいてなかったんだ❤こんな気持ちがいいものを嫌がってたなんて、狂ってたのはおれの方だよな❤」

「あーあ、おかげでじらされたし、やっぱりこんな嫁なんていらないかもなぁ」


 どう聞いても嘘でしかない見え透いたため息を聞けば、雄牛二人の顔色が変わる。もはや人格の根幹に座する狼に見捨てられることは死よりも重い。

 エイズワンはすぐさま身をひるがえし、ドリゴードのおっぱいと合わせて狼の顔をはさんだ。こちらも黄金の毛が密集する雄臭い部位だが、喜ばれることはわかっている。

 そして雄牛二人は狼の肢体をまさぐって、甘えた声を出す。『重戦車のエイズワン』、『突撃艇のドリゴード』と称される勇士にあるまじき行動だが、二人は狼からの寵愛をもらうことしか考えていない。


「なあ、嘘だよな旦那様❤俺らのこと捨てないよな❤」

「至らないところがあれば直すからさぁ❤何でも言ってくれ❤旦那様のためならおれらは何でもするぞ❤❤」

「何でもぉ?」

「そうだ、何でもだ❤❤どんな敵だろうと倒してみせるし、どんなセックスだろうとやり遂げる❤❤」

「旦那様が望むなら、なーんでも任せてくれ❤❤」


 伸びた鼻の下はごまかせていないのだが、胸に埋もれて雄牛たちには見えていないようだ。屈強な四肢は狼へと絡みつくことに忙しいようで、手を握れば細い尻尾が嬉しそうに揺れる。

 この男に愛してもらうことこそがすべて。それ以外はゴミ以下へと貶められている。狼の愛撫一つが、どんな財宝よりも価値があるように変えられた。


「じゃあ、私のことを許してくれるか? お前らのことを変態のマゾのホモの雌牛に変えた私のことを」


 狼がそう言ったとき、雄牛二人の顔に浮かんだのは紛れもない安堵だった。

 そんなことでいいのかと、二人は狼の度量の広さを称えもした。今まで歩んできた自分という個を捨てることなど、狼に愛してもらえるのなら些末なことでしかなかった。


「もちろん❤それに俺は嬉しいんだ❤旦那様が俺のことをマゾホモ嫁に変えてくれたから、旦那様とおマンコできる❤これ以上素晴らしいことはないだろ❤❤許してくれなど言わないでくれ、俺らは感謝すべきなのだから❤❤」

「そうだぞぉ❤旦那様は人が良すぎるぜ❤おれらの方こそ、めとってくれてありがとうと言うべきなんだ❤❤」

「その通り❤このエイズワンをお嫁にしてくれてありがとう旦那様❤❤愛してるぞ❤」

「おれも愛してるぜ❤❤」

 

 狼の頭蓋にキスの雨を降らせながら、雄牛たちは幸せそうに笑っている。一週間前では考えられなかった価値観を絶対と定義するだけで、脳がとろけるほどの多幸感に襲われるのだ。否定する理由など、どこにもなかった。


 胸に中でほくそえんでいる狼がどんな悪どい思考をしているのかさえ気づけない。人を捻じ曲げることを是とするように仕込んだ大罪人は、何食わぬ顔で肉を食らう。


「それはよかった。私も本当はお前たちと離婚したくなどなかった。……なんてな、こんなドスケベな牛を手放すわけねえだろばーか。やっとのことで手に入れたんだ、骨の髄までしゃぶりつくしてやる」

「んもぉ❤それでいいんだ❤旦那様は俺を好きな時に使っていいんだぞ❤❤旦那様が発情をばらまいてくれてるおかげで、おマンコはいつでも着床準備が万端だ❤❤」

「これからもっとムチムチになるために鍛えないとな❤旦那様のおちんぽを満足させるためには、努力を惜しまないぞ❤❤」

「くっくっく……あーさいっこぉ。ほらお前ら、私の顔をもっとそのスケベなおっぱいでしごけ。無駄にでかいんだから雄を喜ばせるくらいはしてもらわないと、ただの肉袋にしかならんぞ」

「「わかったぁ❤」」


 今までしたこともないほどでれでれと蕩けただらしない顔で、二人は胸を持ち上げる。子どもどころか大人の顔よりもでかい肉の塊が、たゆんたゆんと揺れ踊る。力を入れなければ極上の霜降り肉であり、それが雄を喜ばせることはこの一週間で実証済みだ。


「ん~❤旦那様どうだぁ❤俺らのおっぱい、気持ちいいかぁ?❤❤」

「これもぜーんぶ旦那様のためのおっぱいだぞ❤おれの乳首はエイズワンよりでかいから、しゃぶりがいがあるぞぉ❤❤」

「だからこの乳首を旦那様が好きに調教していいってことだ❤もっとでかくしてもいいし、ミルクが出るようにしてもいいぞ❤ピアスがないから、こっちのほうがしゃぶりやすいだろ❤❤」

「このピアスは旦那様がつけてくれたんだ❤いいだろぉ❤❤」

「う、うらやましい……❤なあ旦那様、俺にもリングをくれよ❤鼻輪でもちくぴでも、何でもいいからさ❤❤」


 汗と精でむせ返る雄っぱいにもみほぐされながら、狼はご満悦だ。古今東西を探してもここまで胸と尻がでかい雄はいないだろう。少なくとも、ゼタラウスは見たことがない。

 この魔道具さえあればどんな屈強な雄だって思いのままだと、狼はちんぽをいきり立たせる。雄牛たちに負けないくらいの体を持つ雄を囲い、肉欲の限りを尽くしたい。


 そのためにはまず、雄牛の残り一人が欲しい。『破城槌のユーニス』と呼ばれるあの巨漢を手に入れて初めて、雄牛たちのすべてを手に入れたことになるのだとゼタラウスは考えている。


 だが、今はこの二人の雄牛を堪能すべきだと思考を切り替えた。すでに狼ちんぽは射精を求めてひくついており、それは二人もわかっている。先ほどからちらちらと隠し切れないメス顔で視線を送っているのだから。


「欲しいか?」


 びくんと振るわせて問えば、牛たちは素直にうなずいた。自分が一番にもらいたいと、黒と茶はより密着して媚びを強めていく。


「欲しいぃ❤旦那様のがちがちおちんぽで俺の雌マンコに種付けしてくれぇ❤❤」

「おれもおれもぉ❤子作りしようぜ❤❤着床待ちで子宮が下りてきちまってる❤」

「そんなにしたいのか?」

「当たり前だろぉ❤❤子作りセックスは夫婦の常識だぞ❤俺は旦那様専用おマンコに赤ちゃん部屋を用意して待ってるんだ❤❤」

「中にザーメン入れてもらわないとおマンコ寂しくて死んじまいそうなんだよぉ❤旦那様はそんなことしないよな❤おれらは従順でスケベな旦那様のマゾホモ妻だもんな❤❤」


 いくら『小さな楽園』に常識改変能力があるとはいえ、この二人に生殖能力は付随されていない。それでも二人は妻であるという自覚から、子宮に種が欲しくてたまらない。ただの直腸に振りまくことを無駄と言われようとも、狂った二人にはどうでもいいことだった。


 巨体の雄牛二人が体をこすりつけ続けて、ついに狼が口を開く。


「エイズワン、跨がれ。ドリゴードはこのままだ」

「わかった❤感謝する旦那様❤❤」

「んぅ、しょうがないな❤でも、後でおれのおまんこも使ってくれよぉ❤❤」


 ようやく待ち望んだものがもらえるとあって、エイズワンの行動は素早かった。

 ちんぽめがけてしゃがみ込み、強直をふわふわにとろけたおマンコにあてがう。この一週間でしっかりホモ調教された尻穴は、マンコと呼ばれるにふさわしい蕩け具合を持っている。


 エイズワンは狼の倍以上の体格があり、肉厚でむちむちな雄牛だ。ところどころにある金色の体毛を装飾として、堀の深い顔を雄臭く彩っている。

 狼の視点では、張り出した胸とちんぽがよく見える。巨体にふさわしい一物が雌の喜びに涙して、狼の上にとろーりとこぼしていく。


「旦那様、入れていいか?❤❤」

「まだだ。そのまま乳首で一回いけ」

「わかった❤❤」


 あと少し腰を沈めればちんぽがもらえるというのに。エイズワンは胸をかきむしりたい衝動でいっぱいだった。だが愛しの旦那様の命令に逆らうことなどできず、ごつごつした指で小さな乳首をつまみ上げた。


「んもぅ❤❤」


 こりこりといじれば腰が揺れて止まらない。すでに淫乱乳首になっているため、痛みなど全く感じていないようだ。


「んもおぉぉぉ~~~~❤❤❤」


 伸ばしてやれば気持ちがいい。

 つぶしてやれば気持ちがいい。

 ひっかいてやれば気持ちがいい。


 洗脳前はいじったことすらなかった乳首を丹念にこねくり回し、そのたびに嬌声があふれ出す。ぷっくりした乳輪ごとつまめば、ちんぽと顔がのけぞって汁をこぼした。


「おおっんおおぉおぉ❤❤❤ぎっぼちいぃ❤おっほおぉ❤❤雌乳首感じる❤もっど、でかくしなければあああぁぁ~~~~❤❤❤❤」


 ドリゴードのような淫乱乳首になれば、もっと気持ちがよくなれる。そのうえ大好きな旦那様にも愛してもらえる。そう信じて、黒牛は乳首をいじる。


 だが肛門で感じる熱はエイズワンの脳みそをぐずぐずにとろかしていく。すぐそばにちんぽがあるという現実が、どうしたってエイズワンを焦らせる。


「んぅぅ~~❤❤旦那様、俺の乳首いじり、どうだぁ❤❤」

「いいぞ、もっとやれ」

「わかったぁ❤あうぅ❤おっぱいすごいぃ❤コリコリ好き❤こんなのくせになる❤ギュッとするどぉ、もーっどきぼちいいぃいぃぃ~~~~❤❤❤」


 早くいきたい、そしてちんぽがもらいたい。

 黒牛はあさましい動きで指を動かしていく。


「えへぇ❤えへぇ~❤❤おマンコ蕩ける❤んおぉ、早くほしいぃぃいぃぃぃ❤❤お゛っ❤おっほぉおぉぉぉ❤❤」


 でろんと垂らした舌から滴るよだれが、谷間にたまっていく。むっちりとしすぎて隙間なく肉と胸毛をつめこんだ魅惑の部位が、てかてかと輝きをまとう。

 狼が目を奪われていることに気づいたエイズワンはにへらと笑い、腕を使って胸を掬いあげた。剛腕の持ち上げられたおっぱいがむにぃと形を変える。


「旦那様❤ほら、これがドスケベボディの雌牛おっぱいだぞ❤たゆんたゆんだ❤❤」


 揺らせば振動が伝播して、金の胸毛が震える。脂肪と筋肉の織りなす弾力はどんな雄をも虜にする魔性に満ち、そこから発散される雄臭さは狼を興奮させる最高のスパイスだ。


「旦那様は俺のおっぱいが大好きだろぉ?❤❤」

「当たり前だろうが。けしからん胸をしやがって、くそ、これでノンケとか馬鹿じゃねえのか。ホモに変えてやって感謝しろ!」

「ああ、俺をマゾホモに変えてくれてありがとうな❤無駄にでかいおっぱいの使い方を教えてくれて感謝しかない❤俺のおっぱいは雄を釣るために合ったんだな❤❤」


 昔から胸のせいで入る鎧が無くて困っていたエイズワンだったが、ようやく自分の体の使い道を知ることができた。ホモに洗脳されなかったら、自分の体がいやらしい目で見られていたことにすら気づけなかっただろう。


 そして今、マゾホモになったエイズワンは存分にいやらしい目で見てもらいたいと思っている。発情されて発散されたい。そのためにもっとたくましい体になるべきだとすら考えていた。


「そのためにもぉ❤乳首を大きくしないとな❤❤服からぷっくり浮かぶようにしてぇ❤こすれるだけで感じるくらいに❤❤❤ああん❤❤」


 今度は両手を使って持ち上げると、相変わらず指の隙間から肉がこぼれそうになっていた。その隙間に乳首を出してから関節で挟み、何度も押しつぶせば快楽に鼻輪が鳴る。

 町に来るまで邪魔な肉袋くらいにしか思っていなかった胸部だが、こうして最愛の人に喜んでもらえるならどれだけだって大きくできる。鼻息荒く見入る狼に対して目を細めるエイズワンからは、母性が溢れてだしていた。


「んもぉ❤おっぱい気持ちぃ❤旦那様のマゾホモ嫁の名に恥じないよう、存分に鍛えなければなぁ❤❤んふ、んふふふふぅ❤❤❤❤」


 腰はちんぽの熱から逃げるためにへこへこしているというのに、顔だけは聖母のように安らかだ。よだれと鼻水まみれで潤んだ情夫そのものの表情をしているくせに、ゼタラウスを愛する気持ちだけは存分に発揮されているようだった。


 そしてそれはドリゴードも似たようなものだが、茶牛の場合は生来の英雄的願望から愛するものを守りたいという感情が強く発露されている。

 その結果として、ついエイズワンに嫉妬してしまうのだった。


「旦那様ぁ❤エイズワンだけじゃなく、おれも見てくれよぉ❤❤おれだって旦那様のマゾホモ嫁なんだぜぇ❤❤」


 上体を起こして黒牛に並んだドリゴードは、肩を組んでその唇を奪った。


「……?!❤❤んっむうぅぅぅ~~❤❤」

「じゅるっじゅる❤じゅぞぉぉぉ~~❤❤❤❤」


 対するエイズワンも茶牛の肩に手を回す。金と黒の腋毛があらわになったかと思えば、逆の手でドリゴードの乳首リングを引っ張って荒々しい鼻息を鳴らした。

 負けじとドリゴードは黒牛の乳首をつねりあげ、黒目をひっくり返す。


「ぶもおぉお❤もおぉっほおぉぉ❤❤❤んぐぅんぐぅ❤」

「れろ、もぉぉ~~❤❤じゅぞぉ❤❤んっふぅ❤❤」


 本来男に興味のなかった黒と茶が絡み合い、唾液を交換していく。筋肉で出来た屈強な体同士が密着し、肉がつぶれる様すら鮮明だ。霜降り肉が弾力の比べあいをしている間にも、乳首からの快楽に翻弄されていく。


 エイズワンと同じステージに立つことで視線を奪おうという魂胆だったが、結局等分することにしかならなかった。

 ゼタラウスには過去の記憶がしっかりと残っており、この二人が絡むことなど絶対になかったと知っている。だからこそ、背徳感の増した絡みに、股間が硬くなってしまうのだった。


「お゛、お~~~~❤❤旦那様のちんぽ硬くなったぁ❤❤んちゅぅ❤れろぉ❤よかったなドリゴード❤❤」

「ああ❤旦那様に喜んでもらえて、んむぅ、うれじいぞぉ❤❤最初の失態を取り戻さねえとな❤頑張るぞ、エイズワン❤❤」

「もちろんだドリゴード❤マゾホモ嫁になった今こそ❤俺らのドスケベボディを使う時なんだ❤❤」


 頬から鼻面をくっつけて、舌先同士をぶつけ合う雄牛たち。滴る唾液などに構うことなく、赤らんだ顔でゼタラウスに熱い視線を送っている。

 そしてくっついているのは顔だけではない、張り出したおっぱいもまた、みっちりと詰まり三つの目の谷間を作り出していた。男であればだれもが、その谷間に突っ込みたいと願うことだろう。


「ん~う❤❤旦那様ぁ❤」エイズワンが指で輪を作り。「ホモセックスでたくさんぱこぱこしような❤」

「おれらのおマンコにぱこぱこ❤ぱこぱこ❤」ドリゴードの指が輪の中を前後する。「もうおれらは旦那様のおちんぽじゃなきゃダメなんだ❤❤」

「セックスしたい、セックス❤セックスぅ❤❤」

「はしたない妻だけど許してくれよな❤おれらを変態のマゾホモにしたのは旦那様だぞ❤」

「おかげで一日中発情して旦那様のおちんぽに焦がれるようになってしまったんだ❤❤セックスしたくてたまらぁん❤❤とっとと乳首いきするからもう少しだけ待ってく――」


 エイズワンが言い切る前に、ずんっと、狼の腰が突き上げられた。


「――――っほおぉおぉぉぉぉ~~?!?!?!❤❤❤❤」


 不意打ちで走る快楽に、黒牛がアヘ顔を決めていなないた。

 唐突に開かれた肛門から、柔肉がこじ開けられていく。めりめりとマンコ肉がちんぽに道を譲り、奥へと案内することでより強い蹂躙を求めた。

 押し出された快楽が黒牛ソーセージからぴゅっと飛び出して、金色の陰毛に糸をかける。足腰に力が入らなくなったがために、尻と恥骨が密着してさらに肉槍が最奥に突き刺さった。


 最愛ちんぽの挿入は脳天まで満たす法悦を与え、エイズワンは目を白黒させながらも歓喜に鳴く。価値観が壊れるほどの幸福によって、黒牛の顔から体液という体液がしたたり落ちていった。


「ぶもおおぉおぉ~~❤❤お゛っ、はいっだああああぁぁ~~❤❤❤❤旦那様のおちんぽぉ❤奥にあだっでりゅうぅ❤❤」

「っち、エロすぎるんだよ雌牛がっ! 乳首いきなしでちんぽくれてやったんだ、感謝しろよ!」

「ああ、あああぁっはあぁ~❤ありがとうございますっ❤ありがとうございます❤❤❤あ~満たされるぅ❤❤❤おマンコ愛されてしあわぜぇ~❤」


 ゼタラウスとのセックスは今まで行ったどれよりも多幸感を与えてくれる。そういう風に変えられたのだとしても、幸せであることには変わりない。

 黒牛はでかけつを押し付けて、マンコの行き止まりでちんぽをしゃぶる。一週間という付け焼刃な技術だが、セックス漬けだったおかげかマンコの練度は高い。

 おかげで狼は亀頭をはむ柔肉の感覚に耐えねばならなかった。


「うおぉ、くそ、だからエロすぎるんだよ……! 一週間でよくこんな化け物になったよな。魔道具の力もあるとはいえ、さすがエイズワンだ。やっぱりお前は私におマンコされるために生きてんだな」

「そうだな❤俺のマンコは旦那様と出会うためにあったんだ❤❤旦那様に愛されることが俺のすべてだ❤❤」


 本心からの言葉を打ち明けて、エイズワンは体を回転させる。対面から背面へと変わり、毛皮越しでもわかる背筋の凹凸と、丸々と、あまりに丸々としすぎたでかケツを向ける。


「旦那様は俺の尻も好きだろぉ❤おっぱいはたくさん堪能しただろうから、今度はケツを堪能してくれ❤❤前からだと金玉が邪魔になるからな❤」


 がに股で尻を突き出したエイズワンは、前にいたドリゴードに抱き着いて体勢を安定させる。茶牛と何度も軽いキスをしながら、細い尻尾を狼へと向かわせた。

 エイズワンをマゾホモ嫁にした張本人はその意図を理解して、金色の房を思いっきり引っ張るのだった。


「んもおおぉぉぉぉ~~~~❤❤❤いだぎもちいぃいぃ~❤❤マゾマンコ喜ぶぅ❤❤」


 その言葉の通り黒牛マンコがきゅっと締まり、ちんぽを刺激する。気分を良くしたゼタラウスは空いた手で尻から破裂音を奏でると、弾力豊かな球体はいやらしくたわんだ。


「おおっう゛❤おっ❤っほぉ❤でかけつきもちいぃ❤❤もっともっとおぉ❤❤」

「胸よりも硬いが弾力が良すぎるな。叩かれて感じるのか、このマゾが」

「感じるっ❤俺は尻を叩かれて感じるマゾホモだからぁ❤❤きもちいいぃぃ~~❤❤旦那様の手が好きぃ❤はしたないでかけつ止まんねっ❤❤んほおぉおぉ❤❤」

「こんなことなら鞭でも持ってくればよかったか。次はしょんべん漏らすまでぶっ叩いてやる」


 ゼタラウスが与えるものなら痛みだろうとなんだろうと、彼らは喜ぶだろう。エイズワンを支えるドリゴードも、うらやましそうな顔で尻をゆすっているのだから。


 あの豪傑たちをこんな無様に変えることができて、狼はご満悦だ。尻尾を力強く引っ張ると、あの『重戦車のエイズワン』からなんとも情けない声が上がるのもたまらないようだ。


「ンギャン❤❤❤」

「腰を振って奉仕しろよマゾ牛。ザーメンやらないぞ」

「動くぅ❤動く動くからぁ❤ちんぽぬがないでぇ❤❤旦那様から子種もらわないと、マンコが満足しないんだ❤❤」


 屈伸運動をするたびに豊満な尻肉がゆっさゆっさと揺れる。重量級の雄牛を支える部位であり、足腰のかなめである尻は狼が想像する以上に柔らかかった。筋肉でえくぼができていると想像していたのだが、実際はただ丸く、脂肪がコーティングされた霜降りでしかなかった。

 牛という種族柄なのか、それともただの体質か。ゼタラウスにはわからないが、この二人の雄牛は本当に全身すべてがむちむちと実っている。

 これでノンケなのは無理があるというのはゼタラウスの弁だが、おそらく彼らを見てきた幾人かも同じことを思ったことだろう。


 そんな高根の花が、またがって腰を振っている。狼は射精しそうになるほど高ぶった興奮をごまかすために、執拗に尻を叩き続けた。


「おっおん❤ぶもぉ❤でかけつ愛されてるっ❤❤旦那様ありがとおぉおぉ❤❤」

「くそっ、くそっ、このエロ牛が! 今までこうやって雄を誘ってきたんだろ?! ノンケぶりやがって! 勃起罪の次はノンケ罪を作ってやる! お前みたいな雄がノンケであってたまるかってんだ!」

「んもおぉおぉ~❤無自覚ムチムチマンコでごめんな❤でも自覚したから❤男はみーんな俺のおっぱいと尻が大好きだったんだな❤❤」


 狼の恥骨をつぶす勢いでボリューム満載の尻を叩きつけると、振動がマンコの奥を開いて脳をゆだらせる。


「ほっ?!❤❤んほおぉ~~…………❤❤❤❤❤」


 そのまま円を描くように尻を回し、ちんぽの味を教え込む。最奥で先走りをすする柔肉が狼ちんぽのいたるところを刺激して、さらなる蜜をもらおうとうごめいていた。


「あ゛あぁ~❤たっまんねぇぇえぇぇ❤幸せすぎてすぐいってしまいそうだ❤❤だけど、旦那様をいかせるのが優先だ❤どうだ旦那様、俺のおマンコは気持ちいいかぁ?❤」

「当たり前だろ。こんなエロ牛とするセックスなら、何発でも出せるぞ」

「えへぇ❤そうかぁ❤それはよかった❤❤❤遠慮などいらないから、俺の奥にぶちまけてくれよ❤❤」


 ゼタラウスが分厚すぎる尻肉をずらすと真っ赤に熟れたマンコ肉があらわになった。そこは泡にまみれており、呼吸しながら淫液をこぼしている。黒牛が腰を上げると連動して伸び、被毛のない粘膜がぬらぬらと雄を誘っていた。

 そんな場所から自分のちんぽが吐き出されていく光景は、遊び人であるゼタラウスでさえ唾を呑み込むほど淫らだった。我慢できずに両手で尻肉を左右に開けば、引き延ばされた肛門から白濁とした粘液がとろりと漏れていく。


「えっろ!」興奮は種付けに対する欲望に代わり。「早く腰を振れ! 中で出してやるから!」

「ああ❤ありがとう旦那様❤❤ぱこぱこ運動頑張るから、いつでも出していいぞ❤❤」


 黒牛が力んだ瞬間、培ってきた筋肉の隆起する瞬間がゼタラウスには見えた。

 屈強だった太ももはより太く、凹凸が目立っていた背筋はより起伏を強く。

 『重戦車のエイズワン』と呼ばれるほど強くたくましい雄が、セックスのためだけにすべての力を解放する。


「ふんもおぉおぉぉ~~~~❤❤❤❤」


 まるで蒸気機関車のように汽笛を奏で、でか尻が稼働した。これでもかと実った尻がばるんばるんと揺れ踊り、マンコではじゅぷじゅぷと音が加速して、絶頂を目指す。

 勇士の肛門は締め付けも強く、鍛え上げた体にふさわしい圧でちんぽをしごきあげていく。食いちぎらんばかりの入り口を過ぎれば、包み込むために群がる柔肉が癒してくれる。緩急付いた快楽に狼は何度も息を荒げていた。


「ん、ぐぅ! 気持ちがいいぞエイズワン! おらぁ!」

「ぶもおぉおぉぉぉぉぉ❤❤❤ぎもぢいぃいぃぃ~~❤❤」

 

 タイミングを合わせて最奥をえぐられれば、黒牛の目に星が飛ぶ。眼球がひっくり返った無様な顔を親友に見せつけているが、そんなことに脳の容量を割く余裕はない。


 このまま狼の恥骨を粉砕するのではないか。そう思わされるほどでか尻の圧は強い。

 背筋や太ももは山脈のごとく隆起しているというのに、脂肪をまとった尻はただただ丸いだけ。それでいて弾力豊かで垂れることなどない張りがあるのだから、ゼタラウスが気に入るのも当然だ。


「ほんっとに、これでノンケは無理だろうが! くそ、くそ! このケツが私を狂わせるんだ! 謝れよ! 今まで私のちんぽをイライラさせてごめんないってなぁ!」

「うっひいぃ❤でかけつ叩かれるの好きぃいぃ~~❤❤ごべんなざいいぃ~❤旦那様の目を奪うようなムチムチでエッチな尻をしててぇ❤本当に申し訳ございませんでしたぁ❤❤」

「もっとだ! ずっと私をあしらいやがって! 謝りながらいけ、マゾ牛がよぉ!」

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ❤❤んもおぉ~❤謝りながらいくマゾ牛でごべんなさい❤謝罪しながら腰振り止められない淫乱マンコでごめんなさいぃいぃぃぃぃ❤❤❤」


 マゾと定義されたエイズワンにとって、意味のない謝罪は被虐心をあおる結果にしかならない。ぞくぞくと湧き上がる愉悦がマンコとの快楽と結びついて、ついに快楽がはじけ飛ぶ。


「ぶもおぉぉぉぉぉぉ❤❤❤❤俺、いぐぅ❤謝罪アクメ決める❤いぐ、いぐいぐいぐいぐいっぐうぅうのおぉ~~❤❤すべてのおちんぽ様ぁ❤も~~~~ぅしわけございませんでした~~~~~❤❤❤❤」


 全身の筋肉を硬直させて、エイズワンはいった。巨根から頭上を越えるザーメンを打ち出せば、重力に従って自分の顔を汚していく。

 だが、変態ホモのエイズワンにとって自分のものであってもザーメンをぶっかけられるのは嬉しいことだ。締まりのない顔で笑いながら、絶頂の余韻を堪能していく。


「んもおぉぉ❤雄くっせえぇのさいこぉ❤いぐのどまらんんんんんっ❤❤❤幸せ謝罪アクメよすぎいぃ❤❤」


 そして、ぎちぎちに締まるマンコに、狼も限界を迎えて発射する。もとから、ようやく手に入れた雄牛に興奮は天井知らずで、体裁を取り繕っていてもちんぽはいつでも射精できるほど張り詰めていた。

 その最後の一押しが来た時、絶頂するのは当然のことだった。


 狼は牛の尻をつかみ、奥へとちんぽを押し当てる。それが孕ませようとする雄の動きだから、エイズワンはマンコを切なくうずかせて歓喜した。


「んっ、出る……出るぅ……!」

「んもぉ❤旦那様の種付け熱いぃ❤奥にもっとぉ❤❤腹が重くなる感覚たまらん❤❤着床確実ザーメンだーいすき❤❤❤」

「ずりいなエイズワン❤おれも旦那様に種付け欲しかったのによぉ❤❤」


 黒牛の顔に飛び散ったザーメンを舐めながら茶牛が口をとがらせる。互いに髭の濃い雄だから刺さる感触があるものの、そんなものよりザーメンとキスを交わす方が大事だった。


「ん~❤旦那様、まだ射精してるな❤❤お゛っ❤マンコから漏れそうになる❤ちゃんと締めないと、もったいないなぁ❤❤……ふんぬぅ❤❤」

「おおぉ! 具合が良すぎる……射精が、止まらん……!」

「いいんだぞ旦那様❤俺のマンコは便器みたいなものだから❤好きなだけ出してくれ❤❤あはぁ~❤旦那様の種付けたまらんなぁ❤❤」


 大量に出したというのに、エイズワンのちんぽはいまだいきり立ったままだ。この町を覆う発情魔法ともとからの性欲、そこに鍛え上げた体力も合わされば、数日間いきちらかしても問題ないまでの淫獣になっていた。

 ゼタラウスが落ち着くまでの間、ザーメンキスをしながら乳首をいじりあう淫獣たち。脳みそは次の射精のことしか考えておらず、どうやって狼から愛してもらうかだけを意識している。


「旦那様ぁ❤」エイズワンはそばに置いてあったディルドで蓋をしてから抱き着きに行き。「すごい良かったぞ❤旦那様とするセックスは世界で一番最高だ❤❤」

「旦那様ぁ❤」反対側から負けじとドリゴードが抱き着いて。「次はおれ❤おれだよな❤おれの子宮が待ちきれないってうずいちまってるんだ❤土下座セックスでもいいから、ちんぽくれよぉ❤❤」


 何度もキスを落としながらちんぽをねだる雄牛たちに、ゼタラウスは口角をゆがめた。この雄牛たちは完全に狼の虜であり、裏切ることなど絶対にないつわものだ。

 つまり、最後の雄牛であるユーニスを捕まえる絶好の足掛かりになるということ。この二人にも負けないくらい豊満な最後の雄牛をめとってこそ、ゼタラウスの本懐は成し遂げられるのだ。


 狼が腕を広げると、雄牛たちは甘えるように入ってくる。次は自分とセックスしてほしいと上気した顔で乞われると、いびつで膨らんだ自尊心がくすぐられていく。


「さあて、私のかわいい妻たちよ。ここにユーニスを迎え入れたいと思っているのだが、やつを誘い出してはくれないか?」

「ああ❤ああ❤もちろんだ❤ユーニスも旦那様に見初められたと知ったら、きっと喜ぶはずだ❤」

「あいつは旦那様による洗脳がなくとも、もとから男好きだからな❤この町も気に入ると思うぞ❤❤」


 これであの白い雄牛の未来は確定したと、狼はほくそえむ。

 後はこのまま性も根も尽きるまでまぐわい続けるだけだと、ゼタラウスが安堵しかけた時。


「――――私ならここにいるが?」


 白い雄牛の声がした。


「な、ユーニスっ?! なぜここにっ?!」


 突然のことに目を丸くした狼が尻尾を膨らませる。ここにいるはずのない人物が、それも眉間に青筋を浮かべて怒る隆々とした巨漢がいるとなれば、当然の反応だろう。


 『破城槌のユーニス』と呼ばれた白い雄牛は他二人と違い、白一色の毛皮で膨らんだ体を覆っている。垂れた前髪の奥にある丸く大きな眉と、下がり気味の目が温和な印象を与えるだろう。

 だが、その本性はこの三人の誰よりも苛烈であることも有名だ。ドリゴードが我先に突撃をかますことで突撃艇の異名を誇るのと同じく、ユーニスはあたりのものすべてを破壊することで破城槌と恐れられている。


 そんな白く勇猛な雄牛は成人男性二人分以上の重さを誇る大槌を片手で掲げながら、怒りをあらわにゼタラウスへとにじり寄る。豊満すぎる肢体をしっかり特注の鎧でカバーしていることからも、正気であることがうかがえた。


「馬鹿な、お前が入ってきたという報告は検問から上がってきていない! それに、ここは私の城だ! お前が入ってこれるわけがないだろ!」

「お前、私の持つ魔道具のことを忘れたのか? ドリゴードに『虚栄の鏡』、エイズワンに『真実のタリスマン』があるように、私には『絶影のベール』がある」


 黒と茶と並ぶ巨漢の手には、真っ黒なベールが握られている。これは魔法的な阻害を持つものであり、いかなるものも白牛の姿を捕らえることができなくなるのだ。

 それがたとえ町に張り巡らされた暗示の魔法だとしても、ベールの中に影響は及ぼさない。


 潜入するにはうってつけの魔道具ではあるが、探知の魔法などで対処は可能である。それでもユーニスがこうして寝室まで入ってきているということに、ゼタラウスは己が失策を歯噛みするしかできなかった。


「『小さな楽園』の起動に魔力を使いすぎたな。暗示による支配があれば不要と判断するのはわかるが、だからと言って警備がざるすぎだ。せめて魔法の探知くらいはしておくべきだ」

「だ、だが、そのベールを脱いで無事でいられるわけがない!」

「少し考えればわかることだろうが、馬鹿。それを壊してきたからここに来たんだろ。エイズワンが隠し通路については知っていたから、後はお前の目を引いてもらえば終わりだったんだ。ほら、起きろエイズワン、ドリゴード。いつまでそんなあほ面してるつもりだ」


 はっとした狼が二人を振り変えると、そこには怒りに燃える目をした雄牛が二人、握りつぶさんばかりの強さで狼をつかんでいた。


「よくもやってくれたなゼタラウス……! どうやらいい夢は終わったようだなぁ」

「おれらだけでなく市井の人々を弄んだ罪は重いぞ!」

「誰か、いないのか! 警備は何をしている!」


 城主が叫んだところで、誰一人として駆けつけてこない。ただ震える哀れな狼だけが、猛牛たちに中に取り残されている。


「来るわけがないだろ」エイズワンは怒りに口角をひくつかせて。「暗示に頼り切って警備はおざなり、しかも数少ない兵も発情でセックスに明け暮れるだけ。つまり、今のお前を助けてくれるやつは誰もいないってわけだ」


 エイズワンにはおぼろげながら暗示影響下での記憶が残っている。

 駅弁しながら町を練り歩いたこと、このくず相手に旦那様と呼び愛を叫んだこと。

 その他滞在中にした淫行すべてが黒歴史となって、エイズワンのプライドを粉々にしていた。


「とりあえず、殴る」

「死なない程度にしろよ。あとで軍部に連れて行かないといけないんだ」


 拳を鳴らす黒と茶を見ながら、白は安どのため息を漏らす。

 こうならなくてよかった。不安を感じて最初からベールをつけていったおかげで、この事態を収束することができたのだから。

 エイズワンもタリスマンをつけて町へと入っていればこんなことにはならなかった。そのふがいなさもまた、彼の怒りに拍車をかけているのだろう。


 少なくとも、今の二人を止めるのはユーニスであっても無理だ。気のすむまで殴らせるしかないと、長年の付き合いで理解している。


「生きててくれよ……」


 なんて祈りを捧げながら、一歩引く白牛。


 困惑の声が占める町の夜に、狼の悲鳴が響き渡った。


****


「ユーニス、一応聞いておくが、これはなんだ?」


 事件が収束してからいくつか経った後の昼下がり、城の一室でエイズワンは問う。

 常識を取り戻した人々が騒然とする事態になったが、王宮騎士団の一員であるユーニスが治めてくれたおかげで事なきを得た。それに加え、民からの信頼熱いドリゴードが収束を宣言したこともあり、民はようやく安らかな日を迎えることができていた。


 もっとも、一番民の支柱となったのはエイズワンという存在だったのだが。


「ん、こっちがうちの軍団長からのラブレターと、こっちが王様からの委任状。お前を一時的な城主に任ずるってさ。落ち着いたら任命のために王都まで来るよう連絡が来るはずだ」

「城主への委任は想像がついていたさ。ゼタラウスにこれ以上治めさせるわけにはいかないとなれば、血縁の俺が呼ばれるのも道理だ。他に候補もいないしな。だが、なんであいつはまた俺にアプローチをかけて来てるんだよ」

「それはお前、この事件のせいで男好きになったからワンチャン狙ってのことだろ。あの時は男に興味がないからってふったから、今ならいけると思ったんじゃないのか?」

「……やっぱりあいつも俺の胸と尻が好きなのだろうか」

「そうじゃないか。実際、私たち以上の肉付きはなかなかいないぞ」

「知りたくなかったなぁ!」


 叫びながら手紙を受け取るエイズワンを見て、ユーニスは意外そうに片眉を上げる。普段の黒牛ならくだらないと破り捨てていただろうに、どうやら男好きになったおかげで軍団長の魅力に気づいたようだ。


「あいつはあいつでかっこいいし、地位もあるからな。悪い相手じゃないぞ」

「はいはい、適当にまたあしらっておくさ。それにしても、一応お前の上司だろ?」

「お前の代わりに毎回尻と胸を揉まれている立場になっても同じことが言えるか?」

「……くそ野郎か?」

「いや、ただ酔っぱらうとことあるごとにお前の名前を呼びながら私に抱き着くだけだ」

「それはなんというか……悪かったな。というか、そんなに好かれてたのかよ……」

「ずっと言ってただろうが、私のような奴からすると、お前らの体つきは最高のステーキだと」


 もとより男好きなユーニスの意見を聞き流し続けていた二人だが、ようやく真実の一端を見た。きっかけは思い出したくもない事件だが、これからはしっかりと理解していかねばとエイズワンは気を引き締める。


「なんで俺なんだか」

「昔馴染みじゃないか。あいつは由緒正しき騎士の家系で、お前は妾の子ではあるが、ここを治めるラトリガッツ家の跡取り。小さなころから顔合わせくらいしてただろ。昔からお前のことが好きなんだとさ。私のことなど代替にしかならんくらいにはな」

「ひょっとしてお前が騎士団に就職したのって……」

「いや、それはただ単に賃金がよかったからだが?」

「違うのかよ! 心配して損したわ!」


 もとから安定した暮らしがしたいというのが口癖だったユーニスだ。騎士団への就職は当然のことだったのかもしれない。


 久しぶりに会った黒と白が会話に花を咲かせていると、勢いよく茶色の雄牛が入って来た。


「よう! お疲れさん! 聞いたぜ、お前が新しい城主になるんだってな! よかったじゃねえか、これからよろしく頼むぜ!」

「それが嫌で傭兵やってたんだがなぁ。まあ、父には迷惑をかけたし、やってやろうじゃないか。どうせ直系であるゼタラウスがいない今、お家騒動もないしな」

「ゼラキウス様はどちらかというとお前に継がせたかったから、喜んでくれると思うぞ。直系とはいえゼタラウスがあれだったからなぁ。おれもまたお前に仕えることができて嬉しいしな。うちの親父も暇ができたら会いに行くと言っていた」

「傭兵やるって飛び出した俺にお前がついてきたときは、跡取りを奪って合わせる顔がないと思ったんだが……何があるかわからんな」

「本当に。おれもゼタラウスに仕えるくらいなら、なんて飛び出したのにな。結局お前より先に戻ってきちまったし」

「お前がいないと、ゼタラウスを止めるやつがいなくなるからな。代々ここを守ってきた家系で、前城主……うちの父も頼りにしていた。俺のわがままに付き合わせて迷惑をかけた」


 これからは自分がアーマグラ領主として民を率いていかねばならない。

 エイズワンは気楽な傭兵生活に別れを告げることを惜しいと思っているが、それが自分の役割だと受け入れている。

 そもそも、エイズワンが城を飛び出したのは自由になりたいという願望の他に、恋愛結婚をしたいというのもあった。手に持ったラブレターを見ながら、男でも悪くないかもしれないなんて思い始めている。


「まずは町の整備からだな。ゼタラウスが好き放題したおかげで、財政がやばいことになっている」

「兵も後遺症でセックス漬けになってて治安が最悪だからな。あ、そうだ、お前が気に入ってたあの虎のやつ。うちに就職したいって来てるぞ」

「……うっ」


 『小さな楽園』の影響を受けたのは雄牛たちだけではない。この町の住民全員が、ゼタラウスの変態思想を理解してしまった。おかげで誰もかれもが雄の味を覚え、しかも、トップクラスにスケベだった雄牛二人の肉感を忘れようと思っても忘れられないでいる。

 エイズワンたちが町を歩くだけで、下卑た視線が集まってくるのを感じていた。発情の対象にされている、ようやくエイズワンはそれに気づくことができたのだ。


「近衛兵希望なんだが、理由があからさますぎるよな。でも、こういうやつは結構多いんだわ。おれらがスケベフェロモンまき散らしたせいで、民からの人気が高い」

「人気が高いのはいいことだな。ちょっと強引な政治でも融通が利くから、頑張って立て直してくれ。私はあいつに早くしないと取られるぞと言っておこう。時にエイズワン。ドリゴードは騎士団長だが、副団長の席は空いてるのか?」

「まあ、そうみたいだが、お前……」

「あの酔っ払いの相手をするより、こっちのほうがよさそうだ。それに、パーティを組んでた頃には食べられなかった牛二人もいただけるとなれば、断然にな」


 そう言いながら白牛は唇を舐め上げ、豊満な二人をじっくりと見定める。しばらく会わないうちに、さらに肉付きがよくなっているのがわかる。鍛錬を積んだ成果が、エロさに直結していた。


 以前の二人であれば、当然のように固辞しただろう。パーティメンバーだったころには何度も似たようなことがあり、そのたびに断ってきたのだから。


 だが、今はもう違う。


「…………まあ、俺らも体がうずくようになったからな」

「…………部下にはこんなこと頼めねえし、それならここでやったほうがいいよな」


 黒と茶は顔を赤らめて了承してしまう。もとから性欲が強い二人は、この事件を経てさらに淫乱になってしまった。実のところ、毎晩尻を慰めるようになっていた。


「安心しろ。私はタチウケ両方こなせる。それに……『絶影のベール』は魔法的なものの影響を受けにくいが、完全に遮断できるわけじゃない」


 だから、この白牛は潜伏中に発情の影響を受けて、ずっとマンコをいじり続けていた。さらに暗示もわずかながら効いてしまい、より変態性が深まってしまったそうだ。


「そんなわけで、私もここ以外に行くのは難しいんだ。ここには件の虎もそうだが、呼べば来るような奴がたくさんいそうじゃないか」

「俺はゼタラウスみたいにはならんぞ」

「わかっている。あくまで希望者だけを募るさ。……もっとも、かなりの人数になるだろうがな」


 ゼタラウスとは違い、男好きなら誰もがよだれを滴らせるような肢体を持つ二人の雄牛だ。誘われて断るという選択肢が果たしてあるだろうか。


 やらねばならないことはたくさんある。エイズワンは頭痛を抑えるしぐさで今後を憂う。

 それでも、得られるものが何かあったのかと問われたら、黒牛はこう答えるだろう。

 自分はどうやら、雄として魅力的なようだと気づくことができた。

 ……それだけなのだが。


 黒と茶と白の雄牛たちはまたパーティを作る。それは町を守るためでもあり、性欲を発散させるためでもある。

 この事件を経て完全に性的嗜好がねじ曲がったむちむちの雄牛たちは、これから毎晩盛りあうだろう。それどころか、他の雄たちも恩恵にあずかるかもしれない。

 ゼタラウスの時とは違い、彼ら三人に呼ばれることはとても素晴らしいことだと、なんて噂されるのはそう遠くない未来。あまりに大きな尻と胸を持つ彼らとの一晩は、どんな大金を払っても得られない夢のような時間だからだ。

 雄としての天国である寝室は、この場所こそ『小さな楽園』と称されるだろう。黒と茶と白に絞られたいと臣下たちが股間を膨らませて働くことで、城塞都市アーマグラはまた元の活気を取り戻す。

 

 そこから愛が生まれるのかはエイズワン次第。

 それは国が誇る騎士団の長かもしれないし、茶色か白色かもしれない。もしくは彼に懸想する兵の中からでるのかもしれない。


 少なくとも、それはまだまだ先の話。

 今は傾いた故郷を立て直すことが最優先なのだから。


 なんだかんだ言いつつも、この場所を嫌いになれない。

 生まれ故郷というのはそういうものなんだろうと、エイズワンは嘆息するのだった。


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POSTEDMay 1, 2023
ARCHIVEDJun 10, 2026