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彼女の名前はそよぎ。俺の幼馴染だ。
「ねえ、何でそんな変な表情してんの?」
いつもの帰り道、そよぎが俺の顔を覗き込んできた。
「……いや、何でもねぇよ。」
「またまた~。どうせ、今夜のこと妄想してたんでしょ。」
「そ、そんなんじゃねぇって!」
そう言って、顔を背けた。
……そう、俺は今夜の儀式のことを考えていた。
「も~、男の子なんだから!」
そうやってコロコロと笑うそよぎの様子を見て、胃がキリキリと痛む。
そよぎは、神社の一人娘だ。
そして、今日はその神社の一年に一度の儀式が行われる日。
「……お前、嫌じゃないのかよ。」
思い切ってそう聞くと、一瞬そよぎの表情が固くなったような気がした。
「……そりゃ、楽しいもんじゃないけどさ。」
少し小声で彼女は言葉を続ける。
「もう5回目だからね。初めてやったときはそれこそ死ぬほど恥ずかしかったし嫌だったけど、今はちょっとだけ楽かな。」
……彼女は今日、多くの人の前に自ら恥態を晒さなくてはいけない。
というのも、今夜の儀式というのは、神社の娘が裸になって境内で自慰を行う、という普通の感覚ではあり得ないようなものなのだ。その行為自体が神様への奉納になるというのだから、神様も趣味が悪い。
ともかく、今日はそういう日なのだ。昔から仲良くしてる俺としても、心穏やかでいられるはずがない。
「まぁ、心配してくれて嬉しいよ。」
そよぎが笑う。
「……でも、あんたしっかり見に来るんでしょ。えっち。」
「う……。」
そりゃ、行くさ。だって誰かがそよぎの嬌声を聞いているときに、ただ家で悶々としているなんて耐えられない。
「ま、別にいいけどね。幼馴染のよしみだ、オナニーのネタにでもしてくれたまえよ。代わりにアイスおごれ。」
「……はいはい、分かったよ。」
まだ、儀式まで時間はある。コンビニに寄って、少し高いアイスを買ってやることにした。