身体交換アプリ プロローグ
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「ねぇお母さん、このアプリ入れたいんだけど、良いよね?」
とある家族の夕飯終わり、長女のユイがスマホを取り出した。そうして母親に見せた画面に映し出されているのは、最近サービスが開始された身体交換マッチングアプリのダウンロード画面だった。そのアプリは行う事柄が事柄だけに、未成年は保護者の許可がなければアプリがダウンロード出来ないようになっている。
「あぁ、最近話題よね・・・」
「そうだよ、クラスのみんなもみんなやってて、ほんとすごいんだから!」
ユイの興奮具合とは反対に、母のミサキは少し考えこむような様子。身体交換リングを使った身体の挿げ替えが日常的に行われている昨今とはいえ、それをアプリを使って見ず知らずの人と交換するともなれば、親としては心配になるというもの。それも、そんな世界であるにも関わらず、35歳となるまで身体の挿げ替えをせずに生きてきたミサキからすれば、身体の挿げ替えそのものに不安を感じるのも無理はない。
「えー! お姉ちゃんがやるんだったら、私もやりたい!」
「待って待って、まだお母さんも良いなんて言ってないから・・・」
「ヒマリもそう言ってるし、いいじゃんお母さん!」
姉の様子を見て、真似したい盛りの末の妹のヒマリも騒ぎ出し、それを真ん中の妹であるアオイが宥めている。やんちゃなヒマリを止めるのは、大人しいアオイでは難しい。そんな時には長女であるユイの助けも借りたいところだが、当のユイがむしろヒマリを味方に引き入れながらミサキに迫るのだから、二人はもう止まらない。
「んー・・・仕方ない、良いことにしましょう」
「良いの!? やった!」
「だーけーど、絶対変なことしないって、約束ね?」
「大丈夫、分かってるって、ほらお母さん、早く早く!」
「ねぇ、私も私も!」
「分かったから、順番ね」
ミサキは少し呆れたような様子でユイのスマホを借りると、保護者の許可を示すボタンをタッチしてやる。それに続くようにヒマリもスマホを取り出しボタンをタッチ。そうしてユイとヒマリは画面に映し出されたダウンロード画面に心を躍らせながら、それぞれ部屋へと戻っていった。食卓に残された食器を眺めてため息を付いたミサキはそれを片付けようとするが、そこでアオイが母親の腰をツンと突く。
「ん、どうしたの?」
「お母さん、あの、私も・・・いい?」
アオイのスマホに映し出されていたのも、身体交換アプリのダウンロード画面だった。