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【小説】続・時間停止と入れ替わりの魔法

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【こちらはskebリクエスト作品です。ご依頼ありがとうございました】


skeb:https://skeb.jp/@shiraTSFadult/works/7


────────


あたしの名前は鷹島千鳥。

花の女子高生だ。

と言っても、実はあたしは本当の鷹島千鳥じゃない。

あたしは元は全然違う人間だった。

顔中ニキビと贅肉だらけの、醜く肥え太った不細工の変態男。

その姿を思い出すだけでも気分が悪くなるような男だったあたしが、今ではこんな綺麗で整った顔立ちの美少女となっているのは、二つの魔法のおかげだ。

一つは、時間停止の魔法。

『時間停止』と唱えるだけでこの世界全ての時間を止めることができる。

止まっている時間の中を動けるのはあたしだけなので、どんなことも自由にやりたい放題となる。

そしてもう一つは、入れ替わりの魔法。

『入れ替わり』と唱えるだけで頭に思い浮かべている人物と入れ替わることができる。

入れ替わった後に快感を得ると、魂が身体に馴染み記憶も性格も価値観も全て交換することができるので、相手の人生を乗っ取ることも簡単にできてしまう。

そうして、今あたしは鷹島千鳥という美少女になることができているのだ。

もちろん、もともとあたしだったはずの元・鷹島千鳥は、入れ替わった影響で醜い変態男になってしまったし、時間停止中にあたしに快感を与えられたせいで解除と同時に往来で射精し、身体に染まりながら警察に捕まってしまったけど。

そして、今あたしの前には二人の友人がいる。


「なに? そんなジロジロ見て……」

「千鳥ちゃん? どうしたの?」


ショートカットで気の強そうな、クールな雰囲気の長身の美少女、鷲尾真耶。

ふんわりとした髪で小動物のような雰囲気の、小柄で大人しい美少女、鶴見亜由。


「ううん、なんでもない……あはっ」


あたしは二人を見ながら笑みをこぼした。

ちょっと面白いこと考えちゃった。

あたしのそんな様子を見て、二人は怪訝そうな顔をしている。


「ええ? なに、千鳥ちゃん? なんか怖いよ?」

「千鳥、あんたまたどうせろくでもないこと考え────




「時間停止」




────────




「停止解除」




────てるんで、しょ……ッ、ッッ!!? んッ、あッ、なん、で、これっ、は、あッ、んあッ、イクッ、んんんぁぁッ!!?」

「んんッ!!? や、ッ、んんっ、これッ、また、いやッ、あッ、んんうぅぅッ!!?」


あたしが唱えた瞬間、真耶と亜由は壊れたように絶叫を上げながらその場に崩れた。

頬を真っ赤に染めて、汗やら涙やら愛液やらでぐしょぐしょになりながら息を乱してビクンビクンッと身体を痙攣させている。

友人たちの突然の痴態に、あたしは別に驚くこともなく、静かに笑いながら見下ろしてる。

もちろんこれはあたしの仕業だ。

時間停止中にあたしが真耶と亜由それぞれと入れ替わり、本気のオナニーや手マンを数時間もの間ひたすら行っていたのだ。


「な、なんだよ、これ……んっ、わたし、どうなったの……? ……え? あ、あれ……?」

「んっ、いやっ……どうして、こんな……私が……なんなんだよ、一体……ん? なんだ、これ……?」


二人は息を整えながら少しずつ混乱し始めた。

実はあたしは時間停止中にあることを仕掛けたのだ。

それは、二人の入れ替わりである。

あたしはまず真耶の身体と入れ替わり、その体を弄んだ後、そのまま亜由の身体と入れ替わった。

この時点では、あたしの魂は亜由の身体に、亜由の魂は真耶な身体に、真耶の魂はあたしの身体に入っていることになる。

亜由の身体を一通り堪能した後はあたしの身体と入れ替わり、そのまま時間停止を解除した。

つまり、今真耶の身体には亜由の魂が入っており、亜由の身体には真耶の魂が入っているのだ。

そして、二人は時間停止中に蓄積された快感を、停止解除の瞬間に一身に受けた。

その結果、二人は自分に何が起きたのかを理解することもなく一瞬で新しい身体に馴染んでしまったのだ。


「わ、わたしは……鶴見亜由……だよね……? あれ、でも、何か変な気が……」

「私は、鷲尾真耶……そのはず、なのに……なんなんだ、この感じ……」


真耶だったはずの亜由は不安そうに自分の手を見つめ、亜由だったはずの真耶はもどかしそうに頭を掻いている。

元の二人らしからぬその仕草に、あたしは背筋がゾクゾクするのを感じていた。


「二人とも、どうしたの? 大丈夫?」


あたしは白々しい演技をしながら二人に声をかける。

手を差し伸べると、真耶だったはずの亜由は混乱しながらも私の手を取った。


「う、ううん、なんでもない……よ。ごめんね、千鳥ちゃん」


亜由は朗らかな笑みを浮かべながらゆっくりと立ち上がった。

仏頂面でいることの多いいつもの真耶とは大違いだ。


「千鳥……あんたがなんかしたわけじゃ……ないよね?」


一方、亜由だったはずの真耶は立ち上がりながらこちらに疑いの目を向けてきた。

文句の一つでも言いたげな、いつも通りの真耶の言葉は、いつも優しい言葉をあたしにかけてくれる亜由のものとはかけ離れていた。

亜由も真耶も、どちらも完璧に身体に馴染んでいた。

今目の前にいる二人からは、元の二人の面影は全く感じない。

もっとも、本人たちはそのことに全然気づいていないだろうけれど。


「もう、二人ともどうしちゃったの? そんなことよりほら、モタモタしてると学校に遅刻するわよ?」


あたしの言葉を受けて、亜由は慌てて駆け出し、真耶は納得いかないような顔をしながら後に続いた。

亜由と真耶はこれから、自分たちが入れ替わっていることに気づきすらせず、相手の身体でずっと生きていくことになる。

死ぬまで、永遠にだ。

たった一瞬で二人の人生が取り返しのつかないほどに歪められた事実は、あたしの心を昏い悦びに震えさせた。

この力、本当にすごい。

もっともっと、色んなことで楽しめそうだ。

あたしは朝からご機嫌な気分になりながら、学校へと足を向けた。




────────




「おはようございます!」


学校の門の前で、清々しい挨拶の声が響く。

今日は私たち生徒会による服装検査の日だ。

朝早くから集まってこうして活動に取り組んでくれる生徒会のみんなを見ていると、私も嬉しい気持ちになる。


「おはようございます。服装検査にご協力ください」


私、烏丸史乃もまた、周りと合わせて声を出す。

恐縮だけれど、生徒会長という立場である以上私がみんなの前に立って積極的に活動に取り組まなければならない。

私は長い黒髪を揺らめかせながら、礼儀正しい所作で通りかかる生徒に声をかけた。

すると、後ろから誰かが小走りで駆け抜けてきた。


「おっと、悪りぃな。急いでるんだ!」


乱れた癖っ毛のショートカットヘアーが特徴的なその女子生徒は、陸上部のエースの雁屋夏樹さんだ。

女子でありながら鍛え上げられた強靭な足腰は、彼女のスマートな体型をさらに強調しており、日焼けした褐色の肌と相まって彼女の活発な性格をよく表している。


「おはようございます、雁屋さん。服装検査を行ってるので少しだけお時間いただけますか?」

「あぁ? だから、オレ急いでるんだって。これ以上朝練遅刻したらなんて言われるかわかんねえんだから」

「いえ、そういうわけにはいきません。特に貴女は普段から服装が乱れがちですからね。念入りに注意させてもらいます」

「おいおい、勘弁してくれよ烏丸〜。オレらの仲じゃん。ちょっとくらい見逃してくれって!」


必死に懇願する雁屋さんの言葉を、私は軽く流して服装をチェックし始める。


「きちんと立ってください。リボンは持っていますか? 中に入る前にちゃんと付けてくださいね」

「だー! もうそんなのどうでもいいだろ! 首元が鬱陶しいんだって! つーかそんなことより遅刻しそうなん────




────────




「時間停止」


その瞬間、世界が静止する。

朝の喧騒がぴたりと止み、周りの生徒たちはみんな身動きひとつせず完全に固まっている。

この時の止まった世界の中で、あたしだけが自由に動くことができる。

あたしは今まさに向かい合った状態で固まっている二人の先輩の前に移動した。

二人はなんとも対照的に見える。

落ち着いた雰囲気の清楚な大和撫子の烏丸先輩と、活発だけれど少しガサツな体育会系の雁屋先輩。

服装も、胸の第一ボタンまでしっかり留めてスカートも折らずに伸ばしている烏丸先輩と、第一ボタンどころかリボンまで外している鴨川先輩では大違いだ。


「改めて見ると、先輩たちって本当に美人よね……」


あたしは間近で先輩たちのことをよく観察してみた。

烏丸先輩は非常に整った顔立ちをしていて、少し垂れ目なところが彼女の穏やかな性格とよく合っている。

艶のある長い黒髪と、透き通った白い肌も、彼女の大和撫子らしさを強調している。

もしうちの学校でミスコンが行われていたら間違いなく優勝候補に上がることだろう。

一方雁屋先輩は、パッチリとした凛々しい目つきをしていて、烏丸先輩とはまた違った美人さを醸し出している。

短い癖っ毛と日焼けした肌は彼女の活発さの現れだ。

雁屋先輩もまた、ミスコンがあったら優勝候補の一角となるだろう。

あたしだって自分の外見には自信があるけれど、この二人を見ると素直に憧れてしまう。


「うーん、でもあんまり嫉妬する気分にはならないのよね……なんでだろう?」


入れ替わりをしてからというもの、綺麗な女の子を見ると嫉妬するより先に、あの子になってみたいという感情ばかりが湧くようになった気がする。

入れ替わりの魔法にハマってしまったのか、それとも元の男だったときの感性が残っているのか。

真相はわからないけれど、とにかく今のあたしは目の前の美人になりたい気持ちでいっぱいだった。


「まずは……烏丸先輩からね」


あたしは穏やかな表情で優雅に髪をかきあげながら服装検査をしている烏丸先輩を見つめ、呟いた。


「入れ替わり」


そう唱えた瞬間、あたしの視界に広がる景色はガラリと変わり、こちらを見て何かを訴えようとしたまま固まっている雁屋先輩が目に映った。

視線を横に向けると、不敵な笑みを浮かべながらこちらを見るあたし、鷹島千鳥が固まっているのが見える。


「よし、入れ替わり成功っと」


あたしの口から出てきたのは、元のあたしの声とは違う、落ち着いた烏丸先輩の声だった。

自分の喉から違う人間の声が聞こえるこの違和感は何度体験しても心がくすぐられてしまう。

楽しくなってきた私はそのまま烏丸先輩の身体を触っていく。

規則通りに完璧に制服を着こなしているのは烏丸先輩らしいものの、あたしからすると少し窮屈に感じる。


「とりあえず脱ぐところからかしら。よいしょ……っと」


あたしは制服のボタンを一つ一つ外していく。

周りにたくさんの人がいる屋外でこうして服を脱ぐのは中々背徳感がある。

時が止まっているから別に見られたりするわけじゃないんだけど、それでもドキドキはなくならない。


「うわ、烏丸先輩って以外と胸大きいのね。着痩せするタイプ?」


ブレザーやワイシャツを脱ぎながら身体を撫でる。

下着に覆われた胸はあたしよりも大きく、かなりの重量感を覚えるほどだった。

これは肩こりがひどそうだ。


「生徒会長なんて責任のある役職にも就いてるし、なんだか苦労してそうね」


あたしはそう言いながら、残ったスカートと下着も外した。

烏丸先輩の白く透き通った傷一つない美麗な柔肌が空気にさらされる。

他人の身体とはいえ、朝っぱらからこうして他人の前で裸を晒すのは流石に羞恥心が刺激される。

でも、それがあたしの興奮を増す良いスパイスにもなっていた。


「ごめんね、烏丸先輩。ちょっと遊ばせてもらうわね」


あたしはその場で立ったまま、烏丸先輩の身体の胸と股間に手を這わせた。

左手で乳首の先端を摘み、右手でクリトリスを撫で回す。


「んっ……! この身体、結構気持ちいい……あっ……」


触れた先から快感が迸り、あたしは身を捩らせながら喘ぐ。

自分のものではない淫らな声を響かせていると、他人の身体を勝手に汚しているようでゾクゾクしてしまう。

それにしても、お堅そうな顔に反して烏丸先輩の身体は意外と感度が良さそうだ。


「もしかして欲求不満だったり? こういう真面目そうな人に限ってストレスからエグいオナニーとかしてるもんよね……んあっ……」


あたしは烏丸先輩の声で好き勝手言いながらオナニーに耽る。

何も知らない人間が見たら自虐してるように見えるかもしれない。

我ながら酷いことをしているとは思うけど、この人智を超えた力がもたらす優越感と、内から湧いてくる嗜虐心があたしのことを昂らせる。


「あっ、んっ……これっ、すご……あんっ……!」


時の止まった世界、静寂の空間の中で、烏丸先輩の嬌声と淫らな水音だけが響き渡る。

周りではごく普通の朝の登校風景が広がっているのに、あたしだけが……私だけが異常だった。


「きもち、いぃ……です……この、感覚……いつも、より、いいです……っ!」


自然と口調が塗り変わっていくのがわかる。

あたしが、私に変わっていく。

自分が、鷹島千鳥から烏丸史乃になっていく。

頭の中には、すでにあたしのものではない記憶が流れ込み始めていた。


「あっ、あッ、んっ……私の、身体……もうすぐ、イッて、しまいそう、ですっ……んんッ!」


自分の身体を弄る手が止まらない。

勃起してしまった乳首をカリカリとひっかく左手も、愛液に塗れた膣の内側擦る右手も。

いつも以上に激しい快感に私は壊れてしまいそうだった。

この感覚に身を任せていけば、私は絶頂を迎えて完全に烏丸史乃になってしまうだろう。

もう今にも果てそうだというその瞬間、私は目の前にいる同級生の顔を見た。


「はぁ、んッ、わた、し、イッちゃ、あッ……い、入れ替わりっ!」


その瞬間、私の視界が一気に切り替わった。

身体の中に渦巻いていた自慰の快感は一瞬にして消失し、私はただ、目の前で頬を赤く染めながら口から涎を垂らして快感に喘ごうしている『私』の身体を見ていた。


「ふぅ……どうやら成功したようですね」


私は自分の身体を見下ろした。

着崩した制服に、筋肉のついた逞しい手足。

のそがせる肌は小麦色に日焼けしており、健康的なアスリートのような趣きだった。


「ふふ……まさか、私が雁屋さんの身体になってしまうだなんて、驚きです」


私は、雁屋さんの身体をベタベタと触りながら、いつもの自分より少し低めに聞こえる声で呟いた。

いつも元気一杯で、けれど中々私たち生徒会の話を聞いてくれない困った人に、私自身がなってしまうだなんて。

と、まるで自分が本当に烏丸史乃であるかのような思考をしてしまい、思わず苦笑いをした。

私は完全に烏丸史乃に馴染む前に入れ替わりを行ったので、まだあたし、鷹島千鳥としての自分も残っている。


「本当にあたしとは全然ちがう人間よね、烏丸先輩って。こんな普段から敬語で喋って堅苦しいったらありゃしないわ。でも……今は、私でいた方が面白そうですね」


私は烏丸史乃としての自分を維持しながら、今の自分……雁屋さんの身体と向き合うことにした。

冷静に考えると、雁屋さんがこんな風に敬語を使って喋っているところを私は見たことがない。

耳から聞こえてくる雁屋さんの声を聞いているだけで、普段の姿とのギャップがどんどん広がっていくのを感じる。


「雁屋さんもまた、私とは全然違う人間ですよね。もう少しだけでも真面目にしてくれると私としてはありがたいのですが」


雁屋さんの姿のまま、私は普段思っている苦言を呟いた。

普段、オレという一人称を使って荒々しい男性のような口調で話している雁屋さんが、突然こんなことを言い始めたら周りの人たちはさぞや驚くことだろう。


「それにしても……身体つきの方も私とは全然違いますね。女性の身体でもこんなに力強いだなんて」


私は制服を脱ぎながら、雁屋さんの身体をよく観察する。

両腕には力こぶがあり、腹筋は綺麗に割れている。

何よりすごいのは、固く逞しい筋肉で覆われた、陸上選手らしい足だ。

こんなに逞しい足ならどこへだって走っていけてしまいそうな気がしてくる。


「胸も意外と大きいんですね。走るときに邪魔にならないんでしょうか?」


色気のないスポーツブラを外して露出された胸は、私のものとも大差がないほどに豊満だった。

私だって自分の胸が大きいせいで苦労することがあるのに、激しい運動を普段から行なっている雁屋さんがこれをどうしているのか少し気になる。


「……というか、雁屋さんの胸、乳輪と乳首が大きいですね」


自分の胸と近い大きさだからか、細かな違いがとても気になる。

胸を両手で抱えてじっくり見ると、乳首はぷっくりと膨らんでおり、乳輪も直径で10cm近くあるんじゃないかというぐらいの大きなサイズだった。

他人の胸をこんなにまじまじと見たことなんてないので少し気恥ずかしいけれど、本当に自分のものではない身体になってるのがよくわかって面白い。

私はそのまま、左手で乳首の先端をカリカリと引っかいてみた。


「……んっ……感度は、普通ですね。あまり自慰はしていないのでしょうか? 私は家で結構してしまうのですが……」


前の身体のときにしていた予想は概ね当たっていて、私は優等生として振る舞わなければいけないというストレスからか、一人のときに自慰に耽ってしまうという悪い癖があった。

そのせいかいつの間にか開発されて強い快感が得られる身体になってしまったのだけれど、雁屋さんの身体のこの感じは、おそらくあまり触っていないようだった。

もしかしたら大きな胸にコンプレックスがあったりするのかもしれない。


「でしたら、私がたくさん慰めてあげましょう。身体が気持ちいいって素晴らしいことですよ」


私は雁屋さんの声で、雁屋さんの逞しい手を使い、雁屋さんの身体を弄ていく。

左手で胸を触る間、右手は股間に移動させる。

股の割れ目を撫で、少しずつその中に指を挿し入れていく。


「ほうら、んっ……もうこんなに入っちゃいました」


雁屋さんの膣の中に、雁屋さんの力強い指がズブズブと飲み込まれていく。

思っていたよりもすんなり入ったことに私は少し驚いた。

そういえば、普段から激しい運動をする女性は処女膜が破れてしまうなんて話を聞いたことがある。

あまり自慰をしていない身体でも、普段の激しい運動によって膣がほぐれて入りやすくなったりもするのかもしれない。


「私としては、んっ、好都合ですね……あっ、意外と、気持ちいいです……」


まだ開発されてない身体だと思っていたけれど、じわじわ広がる快感は心地よい陶酔感を私にもたらしてくれた。

こういう感覚も悪くないかもしれない。


「あっ、んっ……雁屋さん、きもち、いいですよ……貴女の身体……んあっ……!」


目の前で自慰に耽る元の私の身体に入った雁屋さんを見ながら、私は呟く。

しかし、そのうち私の中に切ない感覚が徐々に強まってきた。

物足りない。

人肌が恋しい。

もっと触れ合いたい。

その気持ちから、私は思わず、目の前の烏丸史乃の身体に抱きついていた。

烏丸の足に自分の股間を擦り付け、開いた烏丸の口に自分の舌を入れる。


「んっ、ちゅっ……はぁ、烏丸、烏丸……あ、あれ? 私、もしかして私の……烏丸のこと……好きなのか……? んっ……!」


自分のものではない感情が心の中を渦巻いていく。

私が、オレに、烏丸史乃が、雁屋夏樹に変わっていく。


「か、烏丸……オレっ、おれっ……んっ、ああッ!」


身体が震える。

もうイッちゃいそうだ。

こんな感覚、オレは今まで体験したことがない。

いや、私は何度も体験している。

でも、まるで初めての快感に喘ぐように私は、オレは必死になっていた。

今にも快感が破裂しそうになっている中、オレは横にいる女子生徒の顔を見た。


「あっ、んっ、やべえっ、これ、もうッ……んッ、入れ替わりっ……!」


その瞬間、熱に浮かされた感覚が一気に冷め、オレは、鷹島千鳥の身体に戻ってきていた。

目の前には絡み合う烏丸と『オレ』の身体が固まっている。


「ふぅ……すげえな、これが本気でオナニーするって感覚なのか……」


さっきまでのドキドキする感覚を思い出して胸が昂るのを感じる。

今までそういうことに対する関心が全然なかったが、知ってしまったらハマってしまうかもしれない。


「しっかし、オレって烏丸のこと好きなのか? なんとなく気になるとは思ってたけど」


どうやら自分でも気づいていなかったみたいだが、烏丸に対してそういう気持ちがあったらしい。

男に興味が湧かないから恋愛とかどうでもいいって思ってたけど、女が相手なら全然アリな気がしてくる。


「でも、烏丸がどう思うかだよなぁ……あれ? 私はあまり悪い気はしませんね。恋愛をするなら男性と考えていたみたいですが、女性に対しても特に嫌悪感はありません。これなら……もしかしたらオレと付き合ってくれるかもしれねえってわけか! ……あはっ、よかったわね、雁屋先輩、烏丸先輩。あなたたち、両思いになれそうよ」


心の中に残った二人の気持ちになりながら、あたしは意識を自分、鷹島千鳥に戻し、目の前の二人に語りかけた。

気持ちよさそうにオナニーをする烏丸先輩と、その烏丸先輩に絡みつくような体勢で喘いでいる雁屋先輩。

朝の校門の目の前で痴態を繰り広げている二人の姿は完全に浮いている。


「このまま動かしたらどうなるのかちょっと気になるけど……流石に可哀想よね。仕方ない……」


あたしは二人をずるずると引きずり、誰もいない校舎裏に移動させた。

もちろん脱ぎ捨てた制服も一緒にだ。


「ふぅ……ここなら全裸で絡み合ってても誰にも見られないでしょ」


一仕事終え、あたしは改めて二人を見た。

今時間を動かしたら、きっと二人は突然襲いかかる快感に驚き戸惑うことだろう。

でも、それだけじゃない。

前回と同じように今回も二人の中身は入れ替わっている。

本来の烏丸先輩が雁屋先輩の身体になっており、本来の雁屋先輩が烏丸先輩になっているのだ。

絶頂を迎える直前だから、時を動かした瞬間に二人は身体に馴染むことだろう。

何が起きているのか理解することもなく。


「あはっ、お互い正反対の存在だけど、相性は悪くないみたいだし、相手の身体になったらもっと仲良くできるかもしれないわね。感謝してくださいね、先輩」


あたしは二人から距離を取り物陰に隠れながら静かに呟いた。


「停止解除」




────────




────だから、早、く……んんッ!? なんだ、こ、れぇッ、んあッ、あ、ああッ、んッ

くうぅぅんんんッッ!!?」

「ひゃッ!? な、なんで、すかっ、こんなッ、んんッ、あッ、あッ、イッ、ちゃ、んああぁぁッッ!!?」


突然のことだった。

私の身体が、いきなり壊れたように震え出し、喉からは張り裂けそうな声が響き渡る。

状況に理解が追いつかない。

何が起きたのか、全くわからないままその場でのたうち回る。

ただ快感に悶えながら、いつの間にかくっつきながら一緒に悶えているもう一人の誰かがいることに気づく。

その人物もまた何が起きているのかわからない様子だった。

なんとか息を落ち着けようとしながらその人物の顔を見た瞬間、頭の中が真っ白になった。


「はぁ、はぁっ……え……なん、で……?」


頬を紅潮させながらこちらを見るその顔は、わた────烏丸史乃の顔だった。

うちの学校の生徒会長で、いつも真面目そうにしているお堅いヤツ。

ついさっきまで、校門の前でオレと会話していたはずだ。


「あ、あれ……?」


頭の中で考えながら、同時に妙な違和感がつきまとう。

本当にそうだったか?

何かがおかしい気がする。

ちゃんとよく思い出せ。

オレは……。


「オレは、雁屋夏樹……で、合ってるよな……?」

「私は、烏丸史乃……ですよね……?」


オレが呟くのと同時に、烏丸もどこか不安そうな顔で呟いていた。

そのうちに、頭の中の違和感は霧散して消えていった。

なんだったんだ、今の感覚は……?


「って、か、か、雁屋さんっ……! な、な、なんなんですか、これはっ……!?」

「え? ……うわぁっ!?」


オレは自分の身体を見て飛び跳ねそうになった。

何故かオレは、素っ裸になったまま烏丸に抱きついていたのだ。

烏丸まで裸になっていて、これじゃあまるで女同士でヘンなことしてみたいじゃないか。


「な、な、なんだこりゃぁっ……!? お、オレ……なんで、こんな……!」


顔が一気に赤く染まっていくのがわかる。

心臓が破裂しそうなくらいドキドキしている。

大会本番だってこんなにドキドキしたことはない。

オレが烏丸と裸で抱き合うなんて、そんなの……。


「ふ、服! とりあえず、服を着ましょう!」

「え? あっ、お、おう! そ、そうだな!」


オレと烏丸は近くに投げ捨てられていた制服を拾って着直した。

なんとなく顔を合わせづらいと感じたオレたちは、自然と背を向け合いながら服を着る。

突然のことに混乱しながらも、オレと烏丸はなんとか平静を取り戻そうと必死だった。


「ふぅ……いったい何が起きたのでしょうか……私たち、さっきまで校門の前で話してましたよね?」

「さ、さあな。わけわかんねえよ。オレたちどうしてあんな……」


さっきより落ち着いてきたものの、それでも身体の火照りも胸のドキドキも治らない。

どうしたって烏丸のことを意識してしまう。

さっき一瞬見えた透き通るような白い肌、艶やかな長い黒髪。

頭の中に思い浮かべるだけで胸が切なくなってしまう。

オレはなんとなく烏丸の方にチラリと目を向けた。

すると、同じタイミングで烏丸の方もこっちを見ていた。

一瞬目が合うと、烏丸は顔を赤くしながら目を逸らした。

な、なんなんだその反応は。

オレたちは変に意識し合いながらも、さっき起きたことをなかったことにしてそれぞれその場を後にした。

その頃には、あの相手の顔を見たときの、まるで自分が自分でないかのような妙な違和感のことなどすっかり忘れてしまっていた。




────────




「うーん、そろそろこの身体も飽きてきたわね」


放課後、一人でぶらぶらと街を歩きながらあたしは呟いた。

この身体のことは気に入っているけれど、他にいい身体なんていくらでもあるし、いつでも自由に身体を入れ替えることができることを考えると、この身体にこだわる意味は薄い気もしてくる。

なんとなくこの身体をベースにして、他の身体を楽しんだ後もこの身体に戻ってきていたけれど、そろそろ変えてもいい頃合いかもしれない。


「烏丸先輩と雁屋先輩の身体はちょっと惜しかったのよね。あの二人、すごい美人だけど、なんか色々疲れそうだし。もっと気楽に遊べるいい身体があればいいんだけど」


片や生徒会長、片や陸上部のエースと、忙しくて責任のある立場というのはどうも気苦労が多そうで面倒くさい。

少なくとも今のあたしくらいは適当に過ごせるような人間になりたいものだ。


「そうだ、男になるっていうのもありかも。この前入れ替わった男子の身体も結構楽しかったし」


男子の身体になって男性器を擦り上げたときのことを思い出す。

敏感な先端から迸る快感は、あれはあれでとても気持ちいいものだった。

そういえばあのときは射精はしなかったんだっけ。

だったら次は是非射精までしてみたい。


「よし、その方向でちょっといい感じの身体を探してみようかな。……ん? これは……」


そのとき、あたしは足元に何か落ちていることに気づいた。

拾い上げてみると、マジックテープで留められた子供用の財布のようだった。

顔を上げて辺りを見回してみると、ちょうどいいタイミングであたしの視線の先に面白そうな光景が広がっていた。




────────




「お兄ちゃんのバカっ!」

「はぁ!? つばめのくせに、生意気なこと言うな!」


ボクは妹のつばめに向かって怒鳴りつけた。

でも、つばめは全然ひるまずに言葉を続けてくる。


「お兄ちゃんが悪いんじゃん! どうすんの!? お金なかったらなにも買えないんだよ!?」

「そ、そんなのボクのせいじゃないだろ! お前がボクに持てって言うからボクの財布に入れたんだぞ!」

「だってお財布落とすなんて思わないもん! もうほんとバカっ! 信じられないっ!」


キーキーうるさく声を上げるつばめに気圧されて、ボクは何も言えなくなってしまった。

ボクだって自分が悪いことくらいわかってる。

でも、そんなに怒んなくたっていいじゃないか。

お母さんはボクたち二人におつかいを頼んだんだから、責任は二人にあるはずだ。

ボクだけのせいじゃない。


「二人の責任だからな! お母さんには二人で怒られるんだぞ!」

「はぁ!? なんでよ! わたしなにもしてないじゃん! もおっ! こんなことになるならおうちでテレビ見てればよかった!」

「いまさらそんなこと言うなよ! お前だっておつかいに行ったらそのお金でポコメンのチョコたまご買っていいって言われたからついてきたんだろ!? とにかく、ボクだけのせいじゃないからな!」


ボクたちはお互いに大きな声で叫びあっていた。

本当は泣きそうだったけど、それをごまかすのに必死だった。


「お兄ちゃんのせい! お兄ちゃんのせい! ぜーんぶお兄ちゃんのせいなのっ!」

「だからボクせいじゃないって、なんかいも言っ────




────────




「時間停止」


私が唱えると、辺りの空気がぴたりと止まり、無音の空間となる。

私は、お互いに癇癪を起こしている状態で固まっている小学生ぐらいの兄妹の元へ移動した。


「落とした財布ってこれよね? 返してあげるけど、その前にちょっと遊ばせてね」


あたしは男の子と女の子をそれぞれ観察する。

男の子の方はTシャツの上にパーカーを羽織り短パンを履いていて、女の子の方は白とピンクが基調となったワンピースに可愛らしいリボンがあしらわれたガーリーな洋服を着ている。


「まだ小学生ぐらい? どっちも可愛いわね。あたしも自分が小さかった頃を思い出すわ」


小学生の頃、小さい子供用財布を握ってお使いに行った過去が脳裏によぎる。

あれ?

よく考えたらあたしは元々この身体じゃなかったんだからこれはあたしのって言うより元あたしの記憶なのか。

まあ、今はあたしがこの身体を使っていて自由に記憶を引き出せるんだからそんなのどうでもいいんだけど。


「あたしもこのぐらいの頃はもっとやんちゃだったのよね。あはっ、なんか思い返したら色々懐かしくなってきた。ちょっと童心に戻ってみようかしら」


あたしは、怒りながら口を開いている女の子の方を見て呟いた。


「入れ替わり」


その瞬間、あたしの視界は大きく揺らぎ、目の前にあたしより大きな男の子が現れた。

周りを見回すと、自分の視界がかなり低くなっているのがわかる。

どうやらちゃんとあの女の子になれたらしい。

すると、あたしはなんだか頭の中が熱くなっていることに気づいた。

無性にイライラして、胸の動悸が激しくなり、なんだか今にも涙が出そうだった。


「な、なんなのこれっ!? ……あ、そういえばこの子、お兄ちゃんと喧嘩してたんだっけ……」


妙に感情が昂っている感じがするのはそれが原因だろう。

口論の真っ最中の人間、特に感情的になりやすい子供のような相手と入れ替わるとこうなるのか。

また新しい発見ができてちょっと面白い。


「でも……なんか落ち着かないわね……ふぅ……ん……なんか、まだ触ってもないのに身体がムズムズする……よっぽど興奮してたのね。……そうだ、この気分のままオナニーしてみたら気持ちいいかも」


女の子が着ていたワンピースを脱いでみると、子供らしい未発達な身体が露わになった。

可愛らしいジュニアブラをつけているけれど、まだまだ身体の凹凸は少ない。

あたしは、ブラをめくって乳首を触りながら、これまた可愛らしい子供用のパンツの中に手を突っ込んだ。


「……どれどれ……あ、思ってたよりしっかり感じる。子供の身体でも意外と気持ちいいのね。……んっ……」


あたしは、まだ触れたこともなさそうな未発達な股間の割れ目に指を這わせながら、乳首の先端を撫でる。

きっとオナニーなんて言葉も知らない小さい女の子の身体でこんなことをするのもまた、なんとも背徳的だ。


「あっ……この年でこんなの覚えちゃったら、将来大変になりそうね……んんっ!」


クリトリスの周りを指で撫で回すと、身体がピクッと跳ねた。

まだまだ未発達な身体でも、ここの気持ち良さは変わらないようだ。

あたしはクリトリスを重点的に責め、子供らしい幼い声で快感に喘いでいた。


「んっ、ああっ! きもち、いいっ……! あはっ! あたしが、この身体、もっと気持ちよくして、あげるねっ! んあっ!」


段々と、割れ目の奥が湿り気を帯び始める。

それに伴ってどんどん気持ちが昂っていき、幼い声がどんどん淫らになっていく。

こんな身体でも、全然気持ちよくなっちゃえるんだ。

なんだかどんどん楽しくなってくる。

もっと、気持ちいいことしたい!


「あっ、んっ、きもちいいよっ! わたし、こんなの初めて……あれ? 初めてじゃないから……これは、この子の感情かな? んっ、あっ!」


年相応の、子供らしい感情が芽生え始めたのを感じる。

まだ知らないエッチなことへの好奇心と興味が、わたしの手を勝手に動かす。


「あっ、すごいっ、いいっ! これ、イクって、やつなの? わたし、イッちゃ、あっ、ああッ!?」


身体がビクビクと震える。

もうゴールがそこにあるのがわかる。

この身体がまだ知らない、気持ちよさのゴールが目の前に来たタイミングで、わたしはお兄ちゃんを見ながら叫んだ。


「も、もうっ、ダメっ、イクッ、あッ……入れ替わりっ!」


その瞬間、わたしの視界はぐるんと回り、目の前にはイキそうな顔をしている『わたし』があらわれた。

イキそうだった気持ちよさは一気になくなり、代わりに頭に血が昇っているような熱い感覚がする。


「ふぅ、ふぅ……目の前にわたしがいるってことは、この身体はお兄ちゃん、だよね?」


わたしは自分の身体を見てみた。

わたしよりも少し大きい手足。

Tシャツや短パンっていう格好はお兄ちゃんのものだ。

喋ったときの声だってわたしのものとは違うお兄ちゃんの声だ。


「はぁ……もぉ、なんでわたしがお兄ちゃんになんかならなきゃいけないのっ!? ……って違う違うあたしは自分で望んでこの子になったんだって。つばめちゃんの感情に寄せるとなんか不快感があるしここはあたしに寄せていこうかしら」


あたしは自分の頭の中を切り替えた。

子供というのはどうも感情のコントロールが難しいらしい。

その感情に身を任せるのも楽しそうだけど、今は一旦置いておこう。

あたしは改めてこの男の子の身体を観察する。

妹の方、つばめちゃんと比べると少し大きいけど、あたしからすればどちらも大して変わらない、小さい子供だ。

前に高校生の男子とは入れ替わったけど、これぐらいの小さい男の子はまた違った感覚で面白そうだ。


「そういえばあのときは、トイレが我慢できなくてその場でしちゃったのよね。あれちょっと楽しかったし、またしてみようかしら」


尿意は感じるので、やろうと思えばできそうだ。

あたしは近くの電柱の前に立ち、短パンとその下に履いていた可愛らしいブリーフを一緒に下ろした。

すると、股間にはちょこんと小さい突起が付いていた。


「うわっ、小さっ……子供の男性器ってこんなサイズなの? これが大人になったらあんなに大きくなるって、ちょっと信じられないわね……」


あたしは自分の股間に生えている小さな男性器を観察した。

親指よりちょっと大きいくらいのサイズしかなく、全体的に皮を被っていて大人のものとは見た目からして少し違うように見える。


「使い方は流石に変わらないわよね? とりあえず、前みたいに力を入れて……んん……」


あたしは先っぽの方を指で摘みながら、お腹の辺りに力を入れる。

すると、性器の先端からシャーッと尿が飛び出した。

穴が小さいからか、一度に流れる量は多くなく、チョロチョロとアーチ状になって地面を濡らしている。

やっぱり子供って全体的にスケール感が小さいように感じる。

でも、それがちょっと可愛くも思える。


「ふぅ……スッキリした。出し終わったらこうやって振れば……」


性器を揺らして水滴を払う。

小さすぎてプルプルと震える程度にしか揺らせないけど、そもそも先端の方しか水滴に濡れていないのであまりそうする必要も感じない。

本当に楽でいいと思う。


「やっぱり男の身体ってちょっと羨ましいところあるのよね。これ触るのもちょっと面白いし」


あたしは小さな男性器を指でクニクニと弄ぶ。

触っているだけでじわじわと気持ちが良くなり、つい夢中になってしまう。


「このサイズでも気持ちよくなれるのかわからなかったけど……大丈夫みたいね。あ、なんか勃起してきたかも……」


触っている男性器が、ちょっとずつ硬く大きくなり真っ直ぐに上を向き始めた。

大人のものと比べるとまだまだ全然小さいけれど、これなら手で握れるぐらいのサイズにはなったと思う。


「んっ……いい感じね。このまま扱いてもいいけど……でも、せっかくなら女の子に入れてみたいわね……」


あたしは妹のつばめちゃんの方を見る。

この子に入れられるだろうか?

流石に小さい子すぎてちょっと心配になってしまう。

それに、オナニー中の姿勢で固まっているので少しやりづらい。


「それなら……」


あたしは、その隣で固まっている『あたし』、鷹島千鳥の身体を見た。

こっちの身体は今までも散々セックスしてきてるし、何も問題ないだろう。

あたしは『あたし』の身体に近づき、スカートと下着を下ろした。

しゃがみ込んで外気に晒された自分の股間をまじまじと見つめる。

改めて自分の身体を他人として眺めるのは、なんか少し変な気分がする。


「まずは濡らしておかないとね」


あたしは、『あたし』の身体の股間に指を伸ばす。

クリトリスを撫でながら、割れ目に指を挿し込んで膣の中を刺激する。

普段自分が触っているようにするだけだけど、他人として、それも子供の指を使ってするのはまた勝手が違ってなんだか楽しい。

固まっているので表情は変わらないけれど、段々水気を帯びて湿り始め、クチュクチュという水音が鳴り始めた。

あたしは念には念入れて、時間をかけて股間を刺激し続ける。

時計が動いていないので正確な時間はわからないけれど、数十分も経過した頃にはすっかり股間は濡れそぼって足元には水滴が垂れ始めていた。


「これだけやれば十分かしら? 多分もう何回かイッてるわよね」


あたしはびしょびしょになってしまった手を軽く払いながら立ち上がった。

そして、ずっと勃起したままだった男性器を自分の股間にあてがおうとしたのだけれど、身長差がありすぎて高さが全然合わなかった。


「ん……ちょっと届かないわね……これならもっと屈んだ状態で固まればよかったわ。仕方ない……」


あたしははやる気持ちを抑えて、目の前に立っている自分をそっと慎重に倒した。

固まったままの状態で地面に横になる『あたし』の身体。

足元から覗き込むと、股間の愛液がてらてらと光を反射しながら地面に垂れている。


「よし、これなら……」


あたしはその身体の上に乗り、股間の割れ目に自分の男性器を押し付けた。

熱を持って硬くなった棒状の性器が、柔らかい膣の中に飲み込まれる。


「あっ、ああっ……入った、の……?」


サイズが小さいせいか、ちゃんと入ったのか正直よくわからない。

けれど、敏感な性器がぬるぬるとした感触に包まれているのがなんとなくわかる。

あたしはそのまま腰を強く突き出して性器を膣の奥へと突っ込む。


「んっ、ふっ、あっ……これ、結構、きもちちいいかも……んっ、あっ……」


パチュっパチュっと音が響く。

あたしは男の子の身体で元の自分の身体を犯していく。

自分の性器を女の子の膣の中に無理やり叩きつけるこの感覚、とても気持ちいい。

男がセックスに夢中になってしまうのがわかってしまうような気がする。


「あっ、んっ、ぐっ……これ、すごい、いいっ! んあっ、ちんちんが、なんかムズムズして、んっ……」


さっきしたみたいに、ちんちんからおしっこが出るような感覚が込み上げてくる。

でも、おしっことは何か違う気がする。

これ、なに?

……いや、あたしにはわかる。

これは、射精の感覚だ。

男性器が刺激されて、身体が射精しそうになっているんだ。

絶頂が近づくにつれて自分の中に男の子としての感覚が馴染んでいく。

このまま射精してしまったらあたしは心の中まで男の子になってしまう。

……でも、いっか。

ボクは、このまま、このお姉さんの中で、射精っていうのをしたい!


「あっ、で、でちゃうっ、あッ、んっ、んぐうぅぅッ!!?」


身体がビクッと震えた瞬間、ちんちんから熱い何かが勢いよく噴き出した。

おしっこではない何かが、身体の震えに合わせてビュッ、ビュッて噴き出す。


「んっ、はぁ……でてる……これが、しゃせい……おっ、おぉ……」


すごく気持ちいいと思った次の瞬間、身体の熱が一気に引いていった。

急に頭の中が冷めて、ドッと疲れがおそってくる。

ボクはお姉さんの股からちんちんを抜いて身体を起こした。


「はぁ、はぁ……なんか、すごいことしちゃったかも……」


お姉さんの股からは白い液体が垂れている。

こうやって女の人の股の中に射精っていうやつをするのが、えっと、せっくす?って言うんだよね……?

なんか、さっきまでわかっていたはずのことがあんまりわからなくなってる。

この身体に馴染んじゃったから、今までの知識が全部抜けてっちゃったみたいだ。

もうこのお姉さんだった頃のこともあんまり思い出せないし、この人の名前もわからない。


「まあでも、また大人の人と入れ替われば色んなことがわかるだろうし、気にしなくてもいいよね」


今のボクの中に子供の知識しかないとしても、入れ替わりと時間停止の使い方さえわかっているなら何も問題ないはずだ。


「よし、それじゃあ時間を動かして……あ、その前に元に戻しておいた方がいいか」


ボクはつばめに服を着せて、倒れていたお姉さんの身体を起こした。

子供の身体で自分より大きい人の身体を起こすのは流石に大変だった。

今後は自分より大きい人の扱いは気をつけようと思う。


「よ、よし……今度こそ……」


ボクは、自分の股を触りながら固まっているつばめと、股から白い液体を垂らしているお姉さんの方を見ながら唱えた。


「停止解除」




────────




────てるだ、ろ……っ? ッ!!? なッ、こ、れっ、どうなッ……んんッ、あッ、んッ、んああぁッ!!?」

「えっ……? な、ッ、んッ!? いやッ、なん、か、すごッ、い、の、きちゃッ、あっ、あッ、ああぁあぁッ!!?」


突然の衝撃にボクは思わず大声を上げてしまった。

全身に変な感覚が広がり、足がガクガクして立っていられない。

なにがなんだかわからないまま、その場に尻餅をついてしまった。

なおもビクビクと震える身体に困惑しながら顔を上げると、こっちを見下ろしてくる誰かと目が合う。


「つばめ、どうしたんだ? 急に転んだりして」

「……え?」


そこにいたは、いつもの服、いつもの顔をした自分の姿だった。


「な、な、なんで……わたしがもう一人……って、あ、あれ……?」


わたしは、目の前にいるお兄ちゃんを見て変な気分になっていた。

この人は、お兄ちゃんだよね?

わたしは、お兄ちゃんの妹のつばめ……だよね?

なにかがおかしい気がする。

でもそれがなにかわからない。

そんなことを考えてるうちに、おかしいという気持ちがだんだん小さくなっていく。


「……わたし、なに考えてたんだっけ? って、そうだ! お財布! お兄ちゃんどうするの!?」


そうだ、お兄ちゃんがお財布落としたんだった!

もう本当に最悪。

全部お兄ちゃんのせいなのにわたしまで怒られるのはいやだ。


「あ! お姉さん、その財布ボクの!」


急にお兄ちゃんがわたしの後ろを指差した。

振り返ると、なにか困ったような、不安そうな、そんな顔をしたお姉さんがお兄ちゃんのお財布を持ちながら立っていた。


「……え? あ、これ……?」

「見つけてくれたんだ! ありがとう!」

「う、うん……気をつけないと、駄目……よ?」


お姉さんは少し変な様子だったけれど、ちゃんとお兄ちゃんにお財布を返してくれた。

お財布が見つかってよかった。

でも、なんでだろう。

やっぱりなにかおかしい気がする。


「ほら、つばめもお礼言った方がいいぞ!」

「え? う、うん……」


わたしはお姉さんと目を合わせる。

お姉さんはぎこちない笑顔を浮かべながらわたしを見ていた。


「あ、ありがとうございました……」

「う、ううん……喧嘩はしないように、兄妹は仲良くさなさい」


わたしとお兄ちゃんがお礼を言うと、お姉さんは最後までぎこちない様子のままわたしたちとは別の方向に歩いて行った。

なんかおかしいって気持ちはあったけど、それもすぐに気にならなくなっていった。




────────




「今晩のおかずは何にしよう……やっぱり謙介さんの好きな麻婆豆腐かしら?」


私は近所のスーパーに向かって足を進めていた。

まだ結婚生活を始めて一月目。

苗字を改めて、鷺巣静香という名前を名乗ることにも慣れ始めてきたところだ。

謙介さんとは大学生の頃からの付き合いで、結婚しても何も変わらないと思っていたけれど、実際にはどこか浮ついた気分が抜けない。

我ながら簡単な女だと思う。

今も、謙介さんの喜ぶ顔が見たくて、つい張り切ってしまっている。


「ふふっ……やっぱり私、舞い上がっちゃってるのかな……きゃっ!?」

「うわっ!?」


考え事をしながら歩いていたせいで、誰かにぶつかってしまった。

相手は、小学生ぐらいの男の子だった。


「ごめんなさい、大丈夫?」

「え、うん……」


男の子は、ぼーっとしながらこっちを見上げている。

あどけなさを感じる可愛らしい男の子だ。

後ろには妹らしき女の子もいる。

兄妹二人でおつかいかな?

私たちにもいつかこんな可愛い子供ができたらと、つい妄想してしまう。


「……お姉さん、キレイ……」

「え? ……ふふっ、ありがとう。大丈夫? 立てる?」


私は屈みながら男の子に向かって手を伸ばした。

しかし、男の子はその手を取らず、怪しげな笑みを浮かべながら口を開いた。


「時間停止」




────────




ボクが唱えた瞬間、時間が止まった。

お姉さんもつばめも、周りを歩いている人も空を飛んでいる鳥も、みんな固まっている。

お姉さんは優しそうな表情で前をまっすぐ見ていた。

とてもキレイなお姉さんだ。

幼稚園の頃の先生に似ていて、なんだか甘えたくなってしまう。

偶然ぶつかっちゃっただけだけど、ボクはこの人のことがとても気に入った。

せっかくだからこの人で色々と遊びたい。

ボクは、こちらに伸ばしている手を無視してお姉さんのおっぱいを触った。


「うわあ、すごい! やわらかい!」


服の上からムニムニと揉むと、とてもやわらかくて気持ちがいい。

時間が止まっている間はどんなイタズラも好きにできるから本当に楽しい。

お姉さんのおっぱいをずっとムニムニと揉んでいると、だんだん股の間がムズムズとしてきた。

またちんちんが硬くなってきちゃったみたいだ。

これってたしか、ボッキ?って言うんだよね。

今まではあんまり自覚してなかったけど、エッチなことを考えるとこうやってちんちんがボッキしちゃうみたいだ。

ボクは、ボッキしたちんちんを無意識のうちにお姉さんのスカートに擦り付けるように腰を動かしていた。


「ああ……またせっくすしたい……それに、このお姉さんキレイだし……ボク、このお姉さんになりたい……」


このお姉さんとせっくすしたり、このお姉さんと入れ替わることを想像したら、すごくドキドキして、ちんちんがパンツの中でビクッビクッて震え始めた。

我慢できなくなったボクはズボンとパンツを脱ぎすてて、ちんちんを外に出した。

さらにお姉さんのスカートをめくって、パンツをずり下げた。

お姉さんのキレイな股を見た瞬間、ボクは我慢できなくなってちんちんを股に擦りつけた。

またちんちんを股の中に入れたい。

この中で射精したい。

でも、なんでか上手く中に入らなかった。


「あ、あれ? なんで? なんで入んないの?」


もどかしい気持ちのままお姉さんの股にちんちんを擦りつける。

それだけでも気持ちいいけど、ボクはこの中に入れたいんだ。

じれったくなりながらもずっと擦りつけていると、だんだんとあのときの、射精しちゃったときの感覚が近づいてきた。


「んっ、はぁっ……まだ、入れてないのに……待って……」


ちんちんがビクビクして、金たまから熱い何かが込み上げてくる。

もうダメ、我慢できない……!

焦ったボクはとっさに口をあけた。


「あっ、でちゃっ……あッ……入れ替わりっ!」


そう言った瞬間、見えているものが一気に切り替わった。

目の前にいきなり、鼻の下を伸ばしてこっちに抱きついている『ボク』が現れ、ボクはとっさに突き飛ばしてしまった。


「うわっ、びっくりした……でも、目の前にボクがいるってことは成功したのかな? なんか、入れずに出しちゃうのがいやでつい入れ替わっちゃったけど……」


ボクは自分の身体をよく見てみた。

さっきまでよりも身体は大きくなっていて、ボクは大人の身体になっていた。

一番大きな違いは胸にあるおっぱいだ。

ボクの身体におっぱいがあるなんて、なんか変な気分だ。


「すごい、ボクにおっぱいがついてる……んっ、やっぱりやわらかいなぁ……」


ボクは両手でムニムニとおっぱいを揉んだ。

自分についているといつでも好きなように揉めるからいい。

そういえば、声も変わってるみたいだ。

いつものボクの声じゃなくて、大人の女の人みたいな声になってる。

喋り方はボクのままだからあんまり大人っぽくは聞こえないけど。

でも、こうやって声も身体もお姉さんになったことを実感していると、なんだか股間がムズムズしてきてしまう。

ボクは片手を股間に伸ばした。


「あ、ちんちんがない……女の人って、こんな感覚なんだ……」


さっきまでボクの股間でちんちんがボッキしていたのに、今はなにもついていない。

自分が女の人になってるんだって自覚を持つと、もっとドキドキして股間がムズムズしてしまう。


「ここにちんちんを入れたら女の人のせっくすができるのかな? やってみたいな……」


ボクは、ちんちんをボッキさせたまま倒れて固まっているボクの身体の上にしゃがみ込んだ。

このちんちんを、股の中に入れたら女の人のせっくすができるはずだ。

ボクは指を使って股を開きながら、ちんちんの上に腰を下ろした。


「こ、こう……かな? あ、なんか、入りそう……あぁ……んっ……」


ボクのちんちんが、ボクの中に入っていく。

割れ目を掻き分けて、ボクの股の中にちんちんがゆっくりと咥えられていった。


「これで、入った……のかな? よくわかんないけど、腰動かせば、いいんだよね……んっ……」


ボクは、ちんちんが股に入ったまま、腰を上下に動かしてみた。

すると、股の中でボクのちんちんが擦れて、なんだかとっても気持ちがよかった。

何度か腰を上下しているうちに、当たると気持ちがいい場所がなんとなくわかってきた。

ボクはそこにちんちんが当たるように、必死に腰を動かす。


「あ、ここだっ……あっ……ここが、きもちいぃよぉ……んあっ……」


すごく気持ちよくて、勝手に声が出てしまう。

身体中が汗ばんで、なんだか熱い。

汗のせいか、パチュッジュプッ、っていう音が動くたびに鳴っている。

いや、これは汗じゃない。

女性器から愛液が溢れて、淫らな音を立てているのだ。


「んっ、ふっ……あれ、なんで私そんなことがわかって……あ、そうか、私、この身体に馴染み始めているのね……」


腰を動かし続ける度に、頭の中に知らない記憶、感情、知識が流れ込んでくる。

幼い男児にはないはずの、大人の女性の知性が自分に宿っていくのを感じる。

あと少しで、ボクは私になれそうだ。

そう思うとさらに気持ちが昂っていき、私は腰の動きをもっと速めた。


「私、私になりたい……全部っ……わたしにっ……あっ……!」


私は最後の仕上げとばかりに、ボクのちんちんを膣に擦り付ける。

身体は快感に震え、喉から漏れ出る嬌声が止まらない。

もう果ててしまいそうだ。

私は腰を強く押し付けながら、男の子を抱きしめた。


「あっ、イクッ、あッ、んッ、んんんぅぅッ!!!」


ギュッと膣が締まる。

身体がビクッと痙攣するように震え、私は自分がオーガズムを迎えたことを理解した。

じわじわとした快感の余韻に浸りながら、私は自分の下にいる男の子を見る。


「んっ、はぁ……私、完全に鷺巣静香に染まったみたいね……ふふっ、こんな男の子と行為をして入れ替わっちゃっただなんて……ごめんなさい、謙介さん」


私は記憶の中にある、まだ会ったこともない自分の夫に謝罪した。

どうやら私は結婚したばかりの新妻だったらしい。

小学生の男の子から新妻になるだなんて、すごい変わりようだ。


「でも、それはあなたもそうよね。おっとりとした優しい新妻が、やんちゃな男の子になっちゃったんだもの……うふふ、どんな気持ちなのかしら?」


身体が完全に馴染んでしまったせいで、この男の子だった頃の記憶はもうよく覚えていない。

私からすれば、小さい可愛らしい兄妹のお兄ちゃんとしか思えない。

これは、入れ替わる前の私も思っていたはずのことなので、そんな相手になってしまった元私の心境を思うと、なんだか少しドキドキして興奮してしまう。


「ついさっきまで新婚生活にときめいていた大人の女性が、今では小さいおちんちんを勃起させてるだなんて……ふふっ、これからは男の子の人生を楽しんでね」


私は脱ぎ捨てられたパンツとズボンを男の子に履かせてあげてから、静かに呟いた。


「停止解除」




────────




その瞬間、突然私の股間で、何かが爆発するような刺激が迸った。


「……え? なに、こ、れ、んあッ!? あがッ、なにか、で、ちゃッ、んぐッ、んっ、ふぅッ、おッ、おお゛ぉッ!!?」


身体がビクンッと跳ねながら、熱い何かが股間から漏れ出るのを感じる。

その脳を焼くような快感に、頭の中が一瞬真っ白になる。

何?

何が起こったの?


「大丈夫? びっくりしちゃったのかな?」


誰かが声をかけてくる。

ぼんやりとした頭のまま、顔を前に向けると、目の前には衝撃的な光景が広がっていた。

こちらに手を差し伸べる大人の女性。

その姿は、紛れもなく。


「え……なんで、ボクが、そこに……あ、あれ? ボク? ボクは……」


目の前にいるお姉さんは……ボク?

でも、ボクはボクで……このお姉さんは会ったばかりの人で……。

なにか、変だ。

でも、なにが変なのか、よくわからなくなってしまった。


「どこかぶつけちゃったのかな? 痛くない?」

「お兄ちゃん、大丈夫?」

「ボクが、お兄ちゃん……? そうだっけ……そうかも……」


お姉さんとつばめに手を貸してもらってボクは立ち上がる。

なんだかさっきからパンツの中が気持ち悪い。

そういえば、さっき急にちんちんが変な気分になっておしっこを漏らしてしまったような変な感覚になった気がする。

慌ててパンツの中に手を入れてみると、おしっこじゃない、ドロッとした変ななにかがちんちんから出ていた。

なんだろう、これ……。


「お兄ちゃん、どうしたの?」

「え!? い、いや、なんでもない! それより、早くいくぞ!」


ボクは、バレたら恥ずかしいような気がして、慌てて誤魔化しながらスーパーの方に走った。

別れ際に、お姉さんがクスクス笑っている様子が見えた。

やっぱりなにかがおかしいような気がしたけれど、それがなんなのかは最後までよくわからなかった。




────────




新妻、鷺巣静香となった私は、予定通り買い物を終えて家へと帰宅していた。


「やっぱりすごいわね、この力。さっきまで男の子だったのに、すっかりこの身体に馴染んでる。家への帰り道だってわかるし、謙介さんのこともはっきりと思い出せる。代わりに、男の子だったときの記憶はもう全然ないけれど」


身体を乗り換えていく度に前の身体の記憶は失われてしまう。

別に使うのは今の身体だけなのだから他の身体の記憶がなくなったところで困りはしないのだけれど、なんだか本当の自分というものがどんどん曖昧になっていく気がする。


「あら? そういえば、私って元々はどんな人間だったのかしら……? さっきは男の子で、確かその前は……女子高生の子……だったような……? それが元の私だったんだっけ? いや、その前は別の人だった気も……」


思い出そうとしても、元々の自分がどんな人間だったのか思い出せない。

姿や名前どころか、どっちの性別だったのかすらわからない。

私って元は男だったの?

それとも女だったの?

入れ替わりを繰り返しすぎて、もはや元の自分は遠い存在になってしまっていた。


「……あんまりこれ以上考えない方がいいかもしれないわね。今の私は鷺巣静香。余計なことは考えたって仕方ないわ。そんなことより、気分転換に誰か他の人と入れ替わってみようかしら」


私は気を取り直して辺りを見回した。

すると、丁度視線の先に、面白そうな人たちを発見した。




────────




「え〜? 彼女さんそんなことで怒っちゃったんですか〜? わたしならそんなこと言わないのにな〜」

「な! ほんとめんどくせえんだよあいつ。やっぱ梨乃といる方が楽でいいわ」

「うん! わたしも〜、淳さんと一緒にいると楽しいです〜!」


わたしが淳の腕に抱きつくと、彼は満更でもなさそうな顔でニヤニヤしていた。

この男、かなりチョロい。

ちょっと話を聞いてあげるだけで簡単に落ちて、今となってはわたしにデレデレだ。

わたし、朱雀梨乃は、こういう金持ちそうな男を見つけては媚びてその恩恵を受けて過ごしている。

特に、彼女持ちの男ほど狙い目だ。

普段彼女に抱いている不満を引き出させて共感してあげれば簡単にこっちに傾く。


「そういえば〜、今日はどこのお店行くんですか〜?」

「前に言ったろ? 美味い肉寿司の店があるって。そこに連れてってやるよ」

「え〜、やった〜! 嬉しい〜! 楽しみです〜!」


わたしがわざとらしく喜ぶと、淳は満足そうに笑っていた。

如何にも成金が集まりそうな店にわざわざ行きたがるそのセンスは正直どうかと思うけど、タダでご飯にありつけるなら文句はない。

わたしは淳の腕をギュッと抱きしめ、媚びた声で囁く。


「本当にすっごく嬉しいです〜! わたし、淳さんのこと大好────




────────




「時間停止」


私がそう唱えると、辺り一帯の人々が一瞬にして固まった。

街の喧騒は一気に静寂に染まり、ただ私の息遣いだけが響いていた。


「彼女さんのいるお金持ちの男の人を捕まえてたかるだなんて、あまり感心しないわね。こういうの、なんて言うんだっけ……港区女子とか、頂き女子とか、そんな感じの……。まあ、彼女さんがいるのにそれに引っかかっちゃうこの男の人もどうかと思うけれど」


私は目の前を歩いていた男女二人組を見ながら目を細めた。

女の子の方は、モノトーンで露出度高めのトップスにミニスカートを合わせてブランド物のバッグを持っている。

私より少し若くて、キャピキャピとした可愛らしさを漂わせているけれど、どこかあざとさを感じる小悪魔的な女の子だ。

男の人の方は、ジャケットにジーンズというラフなスタイルだけれど清潔感があって、やり手の経営者感のある雰囲気だった。

でも、なんというか無理にこなれ感を演出しようとしているようにも見えて、まるで背伸びをしようとしている子供のような滑稽さも感じてしまう。


「まあ、お似合いと言えばお似合いの二人なのかもしれないけれど。少し遊ばせてもらおうかしら」


私は、二人を引きずって雑踏から外れた人通りのない薄暗い路地裏へと移動した。

ここなら何をしても周りから見られることもない。

私にはちょっとやってみたいことがあったのだ。


「うふふ……まずはこちらの人からね……」


私は、自信満々な顔で固まっている男の人を見ながら呟いた。


「入れ替わり」


その瞬間、私の視点が移動し、隣に私にしがみついている女の子が現れた。

どうやら無事成功したみたいだ。


「これが、男の人の身体なのね。なんだか逞しくて、不思議な感覚……声も全然違うわ」


自分の喉から低い男性の声が響くことに強い違和感を覚える。

この身体に対しても興味はあるけれど、今はそれが目的ではない。

私は、隣にいる女の子の方を見ながら再度呟いた。


「入れ替わり」


すると、今度は視点が少し下がり、私の体勢は誰かにしがみつくような形に変わっていた。

先ほど全身から感じていた違和感が少し減り、女の子のものに変わったことを確かに感じる。

これで、今度はあの女の子の方になれたはずだ。

改めて状況を整理すると、私は今女の子の身体になっていて、この女の子の魂は男の人の身体に入っていて、男の人の魂は私の身体に入っていることになっている。


「ふふっ……さて、どうなるかしら……?」


私はあざとさを感じる高い声で静かに唱えた。


「停止解除」




────────




────きです〜! ……って、え……? あれ? 何? どこ、ここ……ん……? んっ、んん……喉が、なんか変……?」


そのとき、突然自分の喉が枯れてしまったのか低い声しか出なくなった。

いや、これじゃまるで別人というか、なんか男みたいな声に聞こえる。


「え……なにこれ……って、え、ええっ!? な、なにこの手!?」


わたしは自分の手を見て愕然とした。

キラキラとしたネイルを施したスベスベの手が、妙にゴツゴツした無骨な手に変わっている。

それだけじゃなく、着ている服も、わたしのファッションからは程遠い男物の服になっている。

というか、これって淳の着てた服じゃ……?


「な、なんだよこれ!? 俺、どうなってんだ!?」


すると、困惑したような様子の女の声が聞こえてきた。

声の方を見ると、清楚な雰囲気の若い女が、自分の身体を触りながら驚愕したような表情をしていた。

誰かは知らないけど、このわけのわからない状況に置かれているのはわたしだけではないのかもしれない。

そのとき、わたしは誰かに腕を掴まれていることに気づいた。

咄嗟に振り払おうとしてその誰かの方に顔を向けた瞬間、わたしは固まってしまった。

そこにいたのは、いつも鏡の中にいるはずの人物。

正真正銘、わたしの顔だった。


「な、なんなのよあんた!? なんでわたしの顔────




────────




「時間停止」


そう唱えると、再び時間が停止した。

わたしの目の前では、驚愕した表情でこちらに叫ぶ男の人が固まっている。


「ふふっ、すごく驚いていたわね。せっかくの時間停止なのだから、こうやって停止解除してその反応を確かめるのも楽しそうだと思ったけれど、予想以上ね」


一瞬にして自分の身体が別人のものに変わり、目の前に自分の身体が現れたらどうなるのかか。

実際に試してみたら面白いぐらいに反応してくれて嬉しい。


「それじゃあもっと悪戯しちゃおうかしら」


私は、固まった状態の男の人の服を、一枚ずつ脱がせていく。

ジャケット、シャツ、ジーンズにパンツと、全てを脱がせると、全裸の状態で固まる男の人が出来上がった。

身体付きは筋肉質で逞しく、股間にある男性の象徴が一際目立っている。

これで中にはあざとい女の子の魂が入っているのだから笑ってしまう。


「こっちの方も……」


私は、困惑した顔で固まっている『私』の身体の服も脱がせた。

元の自分の身体だけれど、今は男の人が中にいるのだと思うと少し興奮してしまう。

全て脱がし終えると、生まれたままの姿の『私』の身体がそこに鎮座していた。


「最後は私も……」


私は、今の自分の服も全て脱ぎ捨てた。

身につけていた高そうな服を放り捨てると、若々しくてハリと艶のある肌が露出する。

とてもいい身体だと思う。


「よし、それじゃあまた一旦……」


私は改めて男の人に抱きつきながら唱えた。


「停止解除」




────────




────してんのよ!? ……って、は……!? きゃあっ!? なにこれ!? なんで裸……ってこれ、男の……!? いやぁっ!」


一瞬の間に、その場にいた全員が全裸になっていた。

わけがわからない。

わけがわからない。

一番わからないのは、わたしの身体が男になっていることだ。

なにこれ!?

なんなの!?

なんでわたしのアソコにこんな変なのが付いてるの!?


「な、なんで俺が女になってんだよ!? つーか、お前誰だよ!? なんで俺がそこにいるんだよ!?」


近くにいたもう一人の女がわたしを指差しながら喚いている。

その口調は男らしいもので、見た目の雰囲気と全く合っていない。

もしかして、こいつも性別が変わったの?

というか、わたしを指差して俺って言ってるってことは、この身体って、まさか……。


「どうですか? 男の人の身体は。あなたが大好きな人の身体ですよ?」


すると、わたしに抱きついていた、もう一人の『わたし』が声をかけてきた。

その言い方、それにさっき着ていた服。

もしかして今のわたしは淳の身体になっているの?

それならあの女の身体で喚いているのはもしかして淳?

じゃあ、『わたし』になっているこいつは、いったい何者なの?


「あんたが全部やったの!? なんなのよこれ!? 早く元に戻しなさい!」

「そんなに大声を出すと、周りに気づかれますよ? いいんですか?」

「っ……!」


わたしは慌てて口を閉じた。

こんな、街中で全裸になっているところを誰かに見られでもしたら、生きていけない。

しかも、今のわたしは自分の身体じゃないのだ。

こんな、男の身体で全裸になっているところなんて見られたら……。


「あら? おちんちんがビクビクしていますよ? 見られて興奮してるんですか?」

「え……? ウソ、やだっ……!?」


困惑と焦燥にドキドキしていたら、何故だかわたしのアソコにあるモノが、少しずつ大きくなり始めていた。

気持ち悪い気持ち悪い!

なんで、わたしのアソコにこんなのがあんのよ!


「いやだいやだっ! お願いだから元に戻し────




────────




「時間停止」


また、時間が止まる。

半狂乱になりながらこっちを見る男の人は、その股間のおちんちんを完全に勃起させていた。


「ふふっ、女の子でも男の人の性欲には逆らえないのね。こっちの人はどうかしら?」


私は、『私』の身体の方に視線を移した。

顔を真っ赤にして、私たちの方睨んでいる。

自分のこんな表情は見たことがないから少し面白い。

私は、『私』の身体の前まで移動し、股間の目の前にしゃがみ込んだ。

そして、指で股を触って、特にクリトリスの部分を重点的に撫でた。


「あなたには女性の気持ちよさを存分に味わってもらいますからね。男の人の見栄とかプライドとか、全部どうでも良くさせてあげますよ」


固まったままの『私』の身体を、時間かけてほぐしていく。

でも、これだけでは面白くない。

もっと、女性らしい快感をこの人には味合わせたい。

私は、なんとなく近くに放り投げていた男の人の鞄に手を伸ばした。


「なにかいいものはないかしら……あら? あらあら、なんでこんなもの……」


その中には、ピンク色の棒状の玩具が入っていた。

所謂、大人の玩具というやつだろう。

女の子とのデート中になんでこんなものを持っていたのか、考えると少し嫌な気分になるけれど、せっかくだから本人に味わってもらおう。


「あなたが用意したものですよ? しっかり楽しんでくださいね」


私は玩具の電源入れて振動をさせると、股間の中にずぷりと挿し入れた。

股間に咥えられた玩具が、ウィンウィンと振動し続けている。

『私』の身体は固まっているけれど、少しずつ股間周りが湿っていき、次第に愛液が漏れ始めた。


「ふふっ、これでよしと。次はあなたですよ」


私は男の人の方に視線を戻した。

股間を勃起させたまま固まっている男の人に、私は身体を密着させる。

そして、そのまま慎重にゆっくりと地面に倒れさせた。


「他人の身体でえっちなことするのって、なんだか不思議な気分ね。これって浮気になっちゃうのかしら?」


少しだけ謙介さんに申し訳ない気持ちがあったけれど、今は他人の身体なのだから気にしたって仕方ない。

私は、倒れている男の人のおちんちんの上にゆっくりと腰を下ろした。


「んっ、あっ、ああッ……すごい、大きい……んっ……」


太くて硬くて逞しいおちんちんが、私の、この女の子の身体を貫く。

どうやら行為には慣れているようで、何も問題なく挿入することができた。


「あっ、んッ……私の身体と、違う……中が、狭くて……奥に、届いてる……っ……!」


この女の子が私より少し小柄なためか、この男の人のおちんちんが深々と挿さってゾクゾクとしてしまう。

一番奥を突かれると身体が跳ねるように快感に震える。

より奥におちんちんを当てるため、私は必死に腰を動かした。


「あっんっ、んあッ! これ、いいっ! んっ、はぁっ、んっ……!」


止まった静寂の中で、パチュッ、パチュッという淫らな音と、ウィンウィンという玩具の駆動音だけが響き続ける。

ここでまた一旦様子を見てみたい。

私は身体が熱くなっていくのを感じながら、また呟いた。


「んっ、停止解除……っ!」




────────




────てよ! わた、しっ……って、んんッ!? な、あっ、なに、これっ!? わたし、なんで……いやぁっ!? やめてっ! 抜いてっ!」

「ああッ!? な、なんだ、これ……んんッ、あっ、お、おれの、バイブ、なんで挿さっ……んあぁッ!?」


わたしはいつの間にか、『わたし』の身体に跨られていた。

わたしのアソコは、『わたし』の身体にしっかりと咥え込まれている。

完全に騎乗位の体勢だった。

アソコからは、今まで感じたことのない激しい快感が流れ込んできて、頭の中がおかしくなりそうだった。


「いやっ! わたし、イッちゃ……んんっ、やだっ、こんな、男の身体で、イキたくないっ! わたしの身体に、出したくないっ!」

「か、身体に力が、入んな……んんッ!? なんだよ、なんで、女ってこんな、感じて……ああッ!!?」


わたしが泣き叫ぶのと同じように、もう一人の女の悲痛な声が聞こえてくる。

わたしたちは何をされてるの?

わたしたちはどうなっちゃうの?


「やだっ、お願いだから、もうやめ────



────────




「時間停止……んっ!」


私は腰を動かし続けながら、また唱えた。

いよいよ錯乱した様子の男の人を見ながら、わたしはつい笑ってしまった。


「あはっ! 泣くほど気持ちいいの? よかったじゃない! お望み通りもっと気持ち良くしてあげるわ! わたしに感謝しなさい!」


さっきまで以上に、わたしの中で嗜虐心が大きくなっていくのを感じる。

これは、身体がなじみ始めているのかもしれない。

その証拠に、わたしはもう今にもイッてしまいそうだった。


「ほら、梨乃! その淳の身体でイキなさいよ! 男として射精しなさいよ! わたしが、あんたの代わりに梨乃になってあげるから! 安心してイキなさい! ほらっ!」


わたしは興奮に身を任せて腰を上下させながら、固まっている淳の身体の元わたしに向かって叫んだ。

これからはわたしが男を利用して上手に生きてあげるから、あんたはせいぜい男としてわたしみたいな女に利用されなさい。

そう強く思うと、胸の昂りは最高潮に達して身体がゾクゾクと震えてきた。

あっ、もうイッちゃいそう……。


「あっ、あッ、イクッ、わたし、イッちゃうのぉっ、おっ、あッ、あああぁあぁッ!!?」


ビクンッビクンッ、と大きく震えて身体がエビのように反りかえる。

快感が全身を駆け巡り、身体が充足感で満たされていく。


「んっ、はぁっ……あぁ、気持ちよかった。こんな成金男でも、結構気持ちいいもんなのね。本当はこいつとセックスまでする気はなかったんだけど……まあいっか」


わたしは軽く伸びをしながらアソコから男のモノを抜いて立ち上がった。

わたしの愛液に濡れてテラテラと光っている。

すっかり勃起して赤くなっており、今にも射精しそうだった。

これならもう停止解除した瞬間に射精するだろう。


「でも、ここまでやっちゃったしもうこいつとは縁切った方がいっか。次の男探さないとね〜」


わたしは服を着ながらこれからどうするか考える。

とりあえずここからは遠くに移動した方がよさそう。

何言われるか分かったもんじゃないし。


「あ、でもその前に……」


わたしは淳のカバンの中から財布を取り出して、中身の札を何枚か抜き取った。


「セックス代として徴収させてもらうから。ま、その身体からすればこれぐらい痛くも痒くもないでしょ。それに、金持ちの身体にしてあげたんだからむしろ感謝してほしいぐらいだわ」


わたしはそれだけ告げるとその場を後にした。

アソコ丸出しのまま錯乱したような表情で固まる淳の身体の元あたしと、尚もウィンウィンと鳴っている玩具がアソコに挿さったまま固まるあの女の身体の元淳を置いて。

二人から遠く離れ、雑踏に紛れたあたりでわたし微笑みながら呟いた。


「停止解除」




────────




────て、よ……ッ、ッ!!? あっ、あがッ、お、おお゛ッ!? だ、め、イグぅッ、あっ、ああ゛ッ、でるっ、でるぅッ、お、おお゛ぉお゛ぉッ!!?」

「んんッ!!? あ、イクッ、あっ、あッ、ん、んんあぁあぁッ!!?」


ビクンッ、と身体が大きく跳ね、股間の先端から勢いよく精液が吐き出された。

ビュッ、と飛び散ったそれは、誰の中に出されることなく宙を舞って地面を汚した。


「はぁっ、はぁっ……あ? あいつ、どこ行きやがった……!? ふざけやがってクソが……! って、は……? なんだ、この喋り方……?」


射精した瞬間から、急に頭の中がおかしくなった気がする。

なんだ?

俺に何が起きたんだ?

いつの間にか俺の身体を奪いやがったあいつもいなくなっていて、本当に意味がわからない。


「クソっ! どうなってんだよ、おいっ!」

「わ、私……いったいどうなってしまったの……?」


すると、俺の後ろでも同じように困惑している人物がいた。

地面に尻餅をつき、怯えたような顔をしながらバイブを握りしめている。

あいつは、多分淳だったはずの奴だ。

ん?

淳?

それは俺のことじゃないか?

なんであいつが淳なんだ?


「待て待て……なんか、変だ……」

「あの……あなたの身体って、私の……ですよね……? あれ、でも私は鷺巣静香で……というか、あなたは、誰でしたっけ……?」


女は意味不明なことを喋っている。

あまりにも訳のわからない状況に混乱しているようだ。

俺も何が何だかわからなくなってきた。

よく思い出せ。

俺はさっきまで梨乃だったはずだ。

それがいつの間にか淳になっちまってた。


「あれ、本当にそうだったのか……? 俺、ずっと前から俺だったよな……?」


記憶を遡れば、今日以前の俺のことがしっかりと思い出せる。

逆に梨乃のことなんて知り合ってからのことしかわからない。

俺、本当に梨乃だったのか?

なんか、元は梨乃だったとか、この身体になったとか、全部夢だったような気がしてくる。


「……そ、そうだ……早く謙介さんのところに……家に帰らないと……ごめんなさい、私、帰ります……!」


女は雑念を払うように頭を振ると、服を着て急いで立ち去っていった。

その様子は、見た目通りのおっとりとした清楚な女そのものだった。


「なんだったんだ……? 一体……」


俺も急いで服を着てその場を離れた。

最早、この身体でいることに違和感は全くなかった。

むしろ自分が梨乃だったなんて考える方が荒唐無稽な妄想のように思える。


「……帰って寝るか」


俺は今日あったことを全部忘れることにした。

また明日から、いつものように金を稼いで、女を抱いて、自由に生きるとしよう。

それが一番俺らしい生き方なのだから。




────────




「あー楽しかった! 次はどんなことして遊ぼうかな〜」


わたしはご機嫌になりながら夜の街を歩いていた。

自分で言うのもなんだけど、今のわたしはかなり可愛い女の子だ。

普通に歩いているだけで視線を集めてしまうほどに。

記憶を読むと、この可愛さを利用して好き放題に金持ちの男たちを引っ掛けていたようだ。

まあ、別にそれが悪いとも思わないけど。


「次は金持ちの男と入れ替わろっかな〜。淳なんかとは違う、もっとすっごい大富豪がいいな〜」


そんなことを考えながら歩いていたそのとき、わたしは前から歩いてきた人とぶつかってしまった。

ぶつかった衝撃でわたしたちはどちらもその場で尻餅をついて倒れてしまう。


「きゃっ!? ご、ごめんなさ〜い! 大丈夫でしたか〜!?」


媚びた声を出しながら顔を上げたわたしは、ぶつかった相手を見て顔を引き攣らせた。


「でゅ、でゅふふ……拙者は大丈夫でござるよ」

「うげっ……」


そこにいたのは、顔面ニキビだらけの醜く肥え太ったブサイク男だった。

その贅肉まみれでニヤけた豚のような顔は見ているだけで吐きそうになってくる。


「ぶつかって申し訳ないでござる。君は、大丈夫でござるか? でゅふふ」

「あ、わたしは大丈夫ですそれじゃあさよならー」


わたしは早口でそれだけ言うと足早に立ち去った。

ぶつかった肩のところにあいつの汗がついた気がして、全身鳥肌が立つほどの不快感が襲ってきた。


「……最悪、最悪最悪っ! なんなのよあいつキモすぎなんだけど! なんであんなキモいのに生きてられるの? 信じられないんだけど! さっさと死んでくんないかな!?」


口を開けば罵倒の言葉が飛び出してしまう。

本当に信じられない。

今のわたしはどんな人間にだってなれるけど、ああいうキモすぎて生きてるだけで周りに害悪になるような人間にはなりたくない。

もしわたしがあいつだったらあまりのキモさに自殺してると思う。


「ほんと最悪……あーもうこの身体でいるのも嫌んなってきた……適当にそこら辺の人と入れ替わろうかな……」


わたしは、周りを見渡して良さそうな相手を探した。

残念ながら、普通の人しか見当たらない。

とりあえず時間を止めてゆっくりと吟味でもして────




────────




「時間停止」


拙者がそう唱えた瞬間、世界が制止した。

これは、拙者こと肝部太郎が30歳の誕生日に手に入れた時間停止の魔法の力だ。

これを使えば、止まった時間の中を拙者だけが思い通りに動くことができる。

昨日も、警察に捕まりそうになったところでこれを使ってなんとか難を逃れたのだ。


「しかし、拙者はなんであんなところで捕まりそうだったのでござるか? たしか魔法を試すために出かけていたはずでござるが……まあ、そんなのはもうどうでもいいでござる」


拙者はさっきぶつかった美少女ちゃんの前まで移動した。

何かを探すようなそぶりをしたまま固まっている。

早足で拙者から逃げようとしたようだが、この時間停止の魔法からは逃げられない。

そして、拙者にはもう一つの魔法の力があるのだ。


「でゅふふ……拙者の新しい身体は、君に決めたでござる!」


拙者は溢れそうになった涎をじゅるりと舐め取る。

興奮でズボンの中のチンポがギンギンに勃起しているのを感じながら、拙者はゆっくりと唱えた。


「入れ替わり」

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POSTEDApr 18, 2025
ARCHIVEDJun 10, 2026