DESCRIPTION
「ふ・・!・・ん・・!」
小さく荒れた呼吸と共に軽快なステップと揺れる肢体。
追従するように翻る薄布。
ちゃりちゃりと奏でるように鳴り響く裝飾。
美琴は密林の中、月明かりだけを頼りに神事前最後のリハーサルに一人没頭していた。
部族の一員となってからも欠かさず行われてきた日々の鍛錬は、
美琴肢体をより強靭且つ艶やかな姿へと昇華させていた。
常に露となった女性としての象徴。
大地を蹴る素足。
薄布を通して揺れる乳房。
美琴の身体は違う意味でも一層の成長を遂げていた。
部族の一員として、元プロデューサーの伴侶としての長い月日。
それらすべてが今の美琴を形作っていた。
(私・・すごく・・満たされてる・・)
身体を躍らせながら周囲に舞い散る汗の雫。
きらきらと輝くそれらに彩られ、自身の腹部が小さく揺れる。
舞と共にずしりとした重みが美琴の腹部にかかる。
「ん♡」
自身の身体反応に、美琴は思わず艶を含んだ声を漏らした。
身重の身となってはや幾月。
伴侶と共に育んだ愛の結晶は、美琴の胎内で結実しつつあった。
嘗て生きた社会に於いて、妊婦がこのような動きで身体に負担をかける事など以ての外だった。
だがここでは違う。
部族の神に仕え奉り、舞を奉納する立場となった美琴にとって、最優先となるのは部族の神であった。
それはいまの美琴とて例外ではない。
それは美琴も諒解の上だった。
表現者として、何時如何なる時もそれらを優先したい。
その考えは今も変わりなかった。
「・・だから、こうしてる・・」
美琴は身を飜しつつ、誰に語り掛けるでもなく獨り呟いた。
「美琴」
美琴の後ろから聞き慣れた声がした。
親しく、そして今では愛する者の声。
「プロデューサー・・あ」
美琴は微笑を湛えて振り向いたその表情を、一瞬で崩してしまった。
「気を抜くといつもそうだな。で、調子はどうだ?」
今では美琴の伴侶となったプロデューサーは、少し苦笑しながら美琴に優しい表情と共に返事を返した。
「ご・・ごめんなさい・・あなた」
美琴は夫であるプロデューサーに向き直り、しゅんとした子供のような表情を浮かべ俯いた。
「いいよ、気にするな。美琴の楽なように呼んでくれ」
プロデューサーは美琴を労いながら、その眼を美琴の腹部に向けた。
「お腹・・大丈夫か?」
プロデューサーは美琴の腰に手を廻し引き寄せ、優しく美琴の腹部に手を添えた。
「あ♡・・うん・・大丈夫・・」
美琴は暖かく逞しい手の感触に、思わず声を漏らした。
そしてプロデューサーの胸板に頭を預け、そっとその手に自身の手を添えた。
リハーサル時の高揚とはまた違った昂り。そして心地よい空間。
ずっとこうしていたい。
そんな美琴の細やかな願いはプロデューサー自身の言葉で虚しく断たれた。
「リハーサル直後で申し訳ないが、そろそろ本番だ。いいか?」
そう言いつつプロデューサーが背後に目を向けると、その方向からは人々の喧騒が聞こえた。
談笑の声、楽器の音、篝火の燃える音。
様々な喧騒が灯りと共に二人のもとへ屆いてくる。
その喧騒を耳にしながら、美琴は嘗ての高揚にも似た胸の高鳴りを感じていた。
彼女と二人で上った、あの高み。
不意に彼女の顔が美琴の脳裏に思い起こされた。
いつも元気で明るく一生懸命に努力しながらも、
いつも自分を元気づけようと必死に振舞ってくれたあの笑顔。
あの日の出来事からどれだけ経っただろうか。
彼女は今も元気で生きていてくれているだろうか。
そしていつか再会出来る日が来るのだろうか。
もしかしたら此度の祭事に・・。
ぐるぐると美琴の中で、嘗ての彼女の色々な表情が去来した。
「美琴?」
そんな美琴を見かねたプロデューサーの心配そうな声に、美琴ははっと我に返った。
「あ・・うん・・行こうか。」
今は過去の事に捕らわれている時ではない。
今は己の務めを果たすだけ。
美琴は未練と共に自身の迷いをまとめてその場に置き、
部族としては数年ぶりとなる、一大祭事である部族共同演舞の場へと歩を進めた。
奉納の儀。
部族には何年かに一度、持ち回りで共同の奉納演舞を行うという習わしがあった。
島々の部族を仕切る者たちが巫女を務める踊り子を引き連れて、主宰となる村を訪れ共に神を祀るというものだ。
共同祭事もさることながら、美琴たちが近くの島に別の部族が存在した事を知らされたのは、今回が初めてだった。
必要のない事は口にしない。
美琴たちは部族のそんな空気に改めて異文化というものを感じ取った。
祭壇の前で大きく焚かれる祭事の炎。
夜の闇に煌々と輝く光が、揺らめきながら人々の顔を照らしている。
それを取り囲むように部族の面々が思い思いの表情で並んで座っている。
部族長、呪術師、巫女。
皆それぞれの努めに忙しくしている。
その傍らでは彼方此方に、村の老若男女が祭りの開始を今か今かと待ち焦がれていた。
プロデューサーは、傍らの人々に紛れて儀式の進行を見守っていた。
族長一行の護衞として初めて訪れる別部族の村。
近隣というせいか、プロデューサーたちが暮らしている島となんら変わりの無い村。
同じような住居、出で立ち、生活様式、そして刺青の模様。
違うのは村の面々だけだった。
(ただでさえ人数の少ない村なのに、わざわざ別れて住んでいる。外界と隔絶されたこの世界で、身内のいざこざを防ぐための知恵なのかもな・・)
プロデューサーは昂る祭事の雰囲気をよそに、初めて訪れる村の事を一人考察していた。
すると突然周囲の村人たちから歓声が上がった。
プロデューサーが視線を上げると、そこには煌々とした炎に照らされながら同じ出で立ちをした三人の巫女が立っていた。
それぞれ祭事の舞を司る者として、各々の村から選ばれた巫女たち。
その中に美琴の姿も見えた。
炎の色は、祭事の衣装を纏う美琴の姿を一際妖しく照らしていた。
それはまるで美琴のイメージカラーを一層引き立てるが如く。
プロデューサーが美琴に見惚れていると、視線に気づいた美琴がプロデューサーの方に視線を向け、にっこりと優しく微笑んだ。
それを合図としたように、村中をかき鳴らす勢いで音楽が奏でられ始めた。
すると三人の巫女は何かに弾かれたが如く身体を仰け反らせ、激しい舞踏を舞い始めた。
原始的な楽器より奏でられる音色、それに併せて激しく囃し立てる周囲の村人たち。
堪らず立ち上がり、巫女に併せて端で踊り始める若者たち。
プロデューサーは呆気に取られたように、周囲の熱狂から取り残されていた。
そんなプロデューサーをよそに激しく踊り狂う巫女たち。
中でも一人身重の美琴は一際目立った。
重そうな腹部を物ともしない激しい動き。
プロデューサーはそんな妻の姿を固唾をのんで見守っていた。
妻を気遣う不安な気持ちと、そんな妻への湧き上がる情欲。
複雑に絡み合った感情がプロデューサーの視線を妻へと釘付けにした。
美琴はそんなプロデューサーをよそに、只管踊りへと集中していた。
他の巫女たちとは事前に軽く併せただけだったが、嘗ての舞台ほど高度な踊りを要求されてはいなかったので元プロであった美琴にとって併せる事は造作も無かった。
だが手だけは抜きたくなかった。
それだけは譲れなかった。
美琴は周囲を常に配慮しつつ、己の舞踏に集中した。
紅く照らされる炎に自身の汗が煌き散る。
その様に、美琴はアイドルとしての高揚を再び手にしていた。
激しく身を振る度に舞い散り煌めく汗。
その度に周囲から湧き上がる歓声。
美琴は心の底から充実していた。
踊りに身を飜すと、美琴の視界にプロデューサーの姿が映った。
その視線は見惚れたままの姿で美琴へ釘付けになっていた。
(ぷろ・・あなた・・)
美琴はそんなプロデューサーに、自身の存在を再確認した。
今はアイドルではなく元プロデューサーである夫の伴侶。
愛する夫、愛の証、一人の母。
色々な事柄が美琴の脳裏を過った。
じわり
美琴は自身の身体に違和感を覚え、ちらりと視線を下に向けた。
(!)
じわりと乳房の先から母乳が滴り始めていた。
久しく味わう衣擦れの影響か、愛する夫を意識したせいなのか、美琴は自身の身体に起こった変化に些か狼狽した。
夫との行爲で気持ちが昂った時、思わず母乳が噴き出すことは有ったが、こんな大事な場で起こるとは予想もしていなかった。
しかし美琴は即座に心を落ち着け、ぐっと己を奮い立たせた。
そして前にも増して躍動を激しく強調しはじめた。
弾け散る汗と母乳。
そのきらめきが一層美琴を輝かせ始めた。
動きの変化に村人たちがおおとどよめき交じりの歓声を上げた。
美琴の動きは村人たち、それも若い男衆に大きく影響を及ぼした。
着衣の習慣などない剥き出しの股間は、みな激しく隆起していた。
怒号にも似た歓声を上げる若者たち。
プロデューサーは変わらず座ったまま美琴を凝視していたが、その身体は若者たちと同様の反応を示していた。
ごくり。
無意識に湧き上げる唾液を嚥下しつつ、プロデューサーは自身の妻に魅入っていた。
どれほどの時が過ぎたであろうか。
奏でられる演奏がぴたりと終演すると、巫女たちの動きも止まった。
それが演舞終了の合図だった。
訪れる一瞬の静寂。
その後、即座に湧き上がる歓声。
終演と共に美琴の視線が再びプロデューサーを捉えた。
肩で息をしながらプロデューサーに微笑を向ける美琴。
プロデューサーはその姿にはっと我に返った。
そして満面の笑みで一人大きな拍手を愛する妻へと贈った。
美琴たちの演舞は大成功に終わった。
「プロデューサー・・ううん、あなた」
美琴は祭事の後、未だ引かぬ熱を帯びたままプロデューサーに甘い声を掛けた。
暗く小さな裸火だけが灯る木と蔦で編まれた簡素な小屋。
それがプロデューサーと美琴に宛がわれた宿舎だった。
簡素とはいえ、美琴たちが暮らす島の小屋と何ら変わりはない。
どちらも今では愛しのわが家だった。
美琴は村の子供達から贈られた花飾りの籠を傍らに置きつつ、床に敷かれた麻布に横たわるプロデューサーに肌を重ね合わせるようにもたれ掛かった。
祭事の衣装越しに、美琴の汗と母乳で濡れそぼった乳房がプロデューサーの厚い胸板に触れる。
じわり。
押し付けられた美琴の乳房から、水を含んだスポンジのように母乳が溢れ染み出しプロデューサーの胸板を濡らした。
プロデューサーはそれの呼応するかのように、美琴の背中に手を廻して身体をぎゅっと自身に押し付けた。
「あ♡」
美琴はプロデューサーの逞しい腕を背中と胸で一気に感じ取り、小さく雌の声を漏らした。
美琴はすっかり濡らしてしまった秘所を、部族の男としてすっかり鍛え上げられたプロデューサーの太腿に衣装の上から擦り付けた。
「あなた・・私・・どうだった・・?」
性欲に流されそうになりながらも、美琴は潤んだ瞳で愛する人の評価を欲した。
「美琴・・」
プロデューサーは美琴の問いに応える事無くフェイスヴェールを指でずらした。そしてそのまま荒い吐息で美琴の口を己の口で強く塞いだ。
一瞬躊躇した美琴だったが夫の熱い求愛に押されてしまい、時を置かずして自身からも愛する伴侶を激しく求めた。
互いの呼吸が交じり合う長い口づけ。
美琴がそれに夢中になっていると、美琴の腰がふわりと浮かんだ。
「・・ん!」
プロデューサーの太い兩腕に軽々と持ち上げあられた美琴の腰は、すぐさまプロデューサーの下腹部に正面から下された。
「んひぃ♡」
美琴は情けない声を上げて仰け反った。
プロデューサーの隆起した陰茎が、美琴の中へ深々と沈み込んでいったのだ。
駆け巡る快感。
一先ず落ち着きたいという美琴の願いをよそに、プロデューサーは激しく美琴の腰を上下させた。
「美琴・・美琴・・」
プロデューサーは凄い力で美琴を求め、言葉の通じぬ獣の様に美琴の身体を貪った。
「あ♡あひ♡あな・・あなた♡」
上下運動を繰り返す度、美琴の秘所からはだらだらと愛液が、乳房から母乳がぷしゅぷしゅと噴水のように溢れ出した。
美琴は成すがままに快楽を享受するだけの存在となっていた。
「あなた♡・・あな・・私・・わた・・」
美琴は両手をしっかりと夫の首に廻し、哀願するように夫を求めた。
その言葉に反応したのか、プロデューサーの動きがぴたりと止まった。そしてつながったままの美琴をしっかりと抱き締めた。
「美琴・・美琴・・今日のお前も最高だったぞ・・!さすがは俺のアイドル・・いや、愛する俺の妻だ!」
その言葉を耳にした途端、美琴の瞳から熱い涙が零れ落ちた。
「・・うれ、嬉しい・・あなた・・♡」
短く互いの求めていた言葉を交わすと、プロデューサーの動きは前にも増して激しく再開された。
美琴は全てのピースが嵌ったパズルのように、身も心も満たされていた。そしてそれは腹部のそれと同じく結実に向かいつつあった。
「美琴・・!美琴・・!」
「あなた!・・あ、あなた♡・・あああ!」
爪を立てる勢いで、二人は互いの身体をぎゅっと一層の力で抱き締めた。
たちまち美琴の胎内に熱い情欲がたたきつけられた。
「あひいいいいいい!!!」
自身でも驚くほどの声を上げ、美琴の身体が仰け反り痙攣した。
汗と母乳、そして夫の精液を一身に浴びながら、美琴の意識は幸せの白い世界へと滑り落ちていった。