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いつもと変わらない常夏の空気。
潮風と草木の入り混じった暖かい匂いを感じながら、灯織は我が家で遅い昼餉の片付けをしていた。
今日は十日に一度の休日。
この原始を具現化したような未開の村には珍しく、
そんな不似合いな日が設けられていた。
村の生活は基本自給自足。
日々辛くともそれなりの働きを果たさねば暮らしていけない。
そんな先入観を持っていた灯織にとって、
最初それは結構なカルチャーショックであった。
しかし村の生活を熟していくにつれ、何となく理解できた。
この外界と隔絶された島は、灯織の認識と何もかも異なっていたからだ。
みな原始的生活に於いて本能に近い暮らしをしているかと思いきや、不思議と爭いや諍いといった負の感情が殆ど存在しない。
民は皆従順で他者に優しく、相互扶助の精神。
長達の下、皆平穏に暮らしている。
日々の労働は老若男女問わず各々割り振られ、
皆不平不満を口にすることなく己に与えられた業務を黙々と務めを熟している。
異質な村の空気に初めは不思議に思っていた灯織であったが、
村の一員として日々を過ごすうち、何となくではあるが理解できるようになっていた。
一糸まとわぬ姿で包み隠さず皆と真正面から付き合う生活。
そのなんと素晴らしい事か。
笑顔の裏に何の意味も無く、心身ともに露な人々。
夫との間に二人の子供をもうけた頃には、
相手の顔色を窺う必要のない生活に、灯織の心はすっかり村に根を下ろしていた。
「♪~」
灯織は片付の傍ら自身の過去を振り返りながら、
上機嫌に嘗ての持ち歌を鼻歌混じりに口ずさんでいた。
灯織がちらりと脇に目をやると、灯織の乳を吸い終わったばかりの娘のマノとメグルが満足そうにもう寝息を立てている。
その傍らには幸せそうな表情で、我が子の寝顔を見つめて横たわる夫の姿があった。
その光景に、思わず灯織の口角が緩む。
(幸せだな・・)
伴侶を得、子を成し、母として、家族を持つ。
言葉にすればごくありふれたものかも知れないが、
灯織の心は充実感で満ち溢れていた。
島に来た頃の絶望。
それは最早過去のものだ。
今の自分は此処に在る。
仮に日本に戻れたとしても、
仮に時間を巻き戻せたとしても、
今の自分にその選択肢はない。
「私は、ここに在るんだ・・。」
不意に灯織の脳裏に二人の親友の顔が過った。
灯織の片付作業の手が止まる。
かけがえのない二人の顏。
いまでも昨日会ったばかりのように思い出される姿。
灯織の充実感がたちまち罪悪感へと置換される。
墜落する飛行機の中、しっかりと握りあっていた二人の手。
あの時の感覚が今でも忘れられない。
「真乃・・めぐる・・」
灯織は俯きながら、無意識に二人の名を口にしていた。
「ふたりとも・・元気にしてるかな・・」
灯織は想定される最悪の結末から、敢えて自分を逸らすようにそう呟いた。
「ヒオリ」
突然灯織の耳元で聞き慣れた野太い声がした。
声の主は灯織の名を囁くと同時に、逞しい腕で灯織を背後から包み込んだ。
「きゃ!」
灯織は反射的に小さく驚きの声を上げた。
声の主はそんなことはお構いなしに、
灯織の髪から耳元、首筋に続けてキスをした。
「もう・・おどかさないで、あなた。」
灯織は夫の連続キス攻撃に怯みながら、些か困ったような声を上げた。
「マノトメグルナラ、ソコデグッスリネテルヨ・・ソレヨリカタヅケハオワッタンダロウ?・・ナラ・・」
夫は灯織の苦情を軽く受け流し、愛情を振り撒きながら灯織のお尻に熱く滾る一物を擦り付けて来た。
「ちょ、・・んぅ・・」
灯織は臀部に触れる熱い感触に、思わず声を漏らした。
灼けた鉄棒のような硬い感覚。
幾度となく受け入れて来たそれを意識した途端、灯織の秘所は呼応するかのように忽ち熱く濡れそぼった。
はしたなく己の太腿を伝う愛液の感覚に、灯織は恥ずかしくなり顔を赤らめた。
先ほどの感傷はどこへやら。
灯織の身体はもう夫の求めを受け入れる準備が整っていた。
欲望に忠実な身体に作り替えられてしまった己の身体に些かの嫌惡を感じながらも、既に灯織の意識は夫の熱い一物のみへと注がれてしまっていた。
灯織は競り上がってくる興奮を抑えつつ、ゆっくり夫の方へと向き直った。そこにはいつもの慣れ親しんだ熱い胸板が拡がっていた。
そして見上げれば優しく微笑む夫の笑顔が灯織を迎えた。
夫はそっと灯織に顔を近づけ、いつものように優しく唇を重ねた。
「ん・・む・・」
徐々に激しさを増す夫の口づけに、灯織は身を任せた。
強引に舌を入れられ絡ませる。
灯織はこの求めが好きだった。
求められている。必要とされている。
複雑な感情が入り混じり、快楽で捻じ伏せられる。
そんな求めに灯織は興奮を抑えきれなくなり、いつも夫のなすがままになってしまうのだった。
「んく・・は・・あ♡・・」
ひとしきりの口づけが終わると、夫はそっと灯織の唇を解放した。
「あ・・」
灯織はとろんとした目のまま、だらだらと涎を垂らしたまま名残惜しそうに夫を見つめた。
「ヒオリ・・」
夫は一言そう呟いた。
灯織はその言葉で次の求めを理解した。
そこには何度となく交わってきた仲ならではの間が存在した。
灯織は視線を夫の下腹部に移した。
そこには黒く光りそそり立つ、夫自身が強く存在を主張していた。
ごくり。
灯織は無意識に唾液を嚥下した。
幾度も接し見慣れた筈のそれであったが、
灯織はそれを見る度に胸が早鐘のように鳴るのを感じていた。
見えない何かに誘われるかのようにそっと膝を折り腰を落とす。
忽ち灯織の眼前に夫のシンボルが迫る。
「あ・・♡」
灯織は短く悦びの声を漏らした。
黒光りしながら熱く滾る巨大な陰茎。
根元には部族の男性が己を示す証である刺青が彫りこまれている。
灯織はうっとりとした眼でそれを鼻先に近付けた。
むわりと鼻を突くような独特の匂いが灯織の鼻腔をくすぐった。
最初こそ抵抗があった陰茎の匂いであったが、今ではすっかり灯織を虜にしてしまっていた。
噎せるような夫の匂いを嗅ぐたび、灯織は脳に強烈なスイッチが入るのを感じていた。
「あむ・・ん・・」
逸る呼吸を抑えながら、灯織は夫の先端にそっと口づけをした。
忽ち灯織の唇が熱く染められる。
それと同時に灯織の頭も夫の色に染め上げられる。
灯織は夫の先端から溢れ出る熱い液を舌で舐め取りながら、
ゆっくりと全体に舌を這わせた。
「ン・・オ・・」
灯織の奉仕に夫が軽く喘いだ。
その声を聞き、灯織は嬉しくなり自身の欲求も加速した。
「は・・あむ・・ん・・ふ・・」
片手で根元を扱き、まんべんなく舌を這わせ、可能な限り先端を口に含む。
本当は口全体で夫を奉仕したかったが、
灯織の小さな口では夫の太い根は到底包み切れなかった。
その負い目をカバーしようと灯織はしきりに夫を奉仕した。
灯織は夫の先端から溢れる液が増え始めると、
それを己の頬に擦り付けた。
夫の所有物としての証であるマーキング行為だ。
灯織は口での奉仕の度にそれを行い、自身を安心させていた。
そうする事で、灯織の中で形容し難い充実感と安心感が生まれていた。
心地よさに身を浸していると、灯織は胸がじんわりと熱くなるのを感じた。
(あ・・出・・る・・)
幾度となく繰り返してきた行為により、灯織の本能が告げる。
そう認識した途端、長い部族生活で大きく肥大化しきった両乳房からじわりと母乳が滴り始めた。
火照る乳首に灯織の感覚が集中する。
ぽたぽたと滴るそれは、灯織の奉仕が加速するにつれて勢いを増した。
そしてそれは小さな二つの噴水のようにぷしゅりと音を立てて噴き出し始めた。
意思とは無関係に止め処なく湧き出る母乳。
噴き出る母乳から齎される快感に、灯織の口角が思わず緩む。
奉仕の快感と噴出の快感。
灯織が異なる快楽に身を委ねていると、不意に夫の分厚い手が灯織の頭にぽんと載せられた。
硬く分厚く、そして優しい大きな手。
それは優しく、まるで愛玩動物をあやすかの様に灯織の頭を撫で始めた。
不思議な暖かさと共に充足感が灯織の身体中へと浸透していく。
夫の手が灯織の頭を撫でる度に、灯織は自身の秘所がきゅっと締まるのを感じた。
己の内から湧き上がる感情。
(これを中に入れたい・・でもこのままこうしていたい・・)
相反する欲求が灯織の身を襲う。
愛しさと切なさに板挟みになり、灯織はたまらず身じろぎした。
荒くなった呼吸に乗じて、夫の匂いが更に灯織の鼻腔を刺激する。
「ング・・お・・ヒオリ・・」
夫が押し殺した声で堪え難い声を漏らす。
その声を聞き、灯織は来たるべき状況を察した。
そして灯織は夫自身を扱きながら、その先端を自身の鼻先に押し付け息を止める。
「ン・・ヒオリ!!」
灯織の備えが整った途端、夫の先端から勢いよく灯織に向かって大量の白濁した液体が噴き出した。
「ん・・!!」
灯織は待ちかねたが如く、その液体を顔全体で受け止めた。
噴き出した液体は、灯織の顏、鼻、髪の毛を満遍なく染め上げた。
噴出は脈打つように何度もどくどくと灯織の顔を汚した・
灯織は初撃を顔で受け止め、次は頬へ、そして口へと場所を変えて熱い液体を受け止めた。
「あふ・・ん♡・・」
顔いっぱいに吹き掛けられた夫の想いを。灯織は満足そうに漏らしながら余韻を楽しんだ。
灯織は熱く、噎せる夫の匂いがする液体をうっとりとした表情で滿喫した。
夫の射精が落ち着くと、徐に舌でそれを舐め取り、そして飲み込む。
灯織の口腔を夫の匂いが存分に満たす。
「んふ♡・・」
灯織は再び満足そうに漏らした。
その行為に寄り、自身の秘所から呼応したかのように愛液が滴りを増すのを感じる。
匂いの刺激をもっと受けたいのか、灯織は夫の精液と陰茎を自身の頬に擦り付けた。
「ふふ・・♡・・」
初めの頃は、この匂いに噎せ返り吐き出してしまった。
そんな事を思い出しながら、灯織は嬉しそうに夫自身を愛でた。
もっと夫を感じたい。
そう思いながら、未だ微かに脈打つ夫を愛おしそうに頬で撫でた。
「アア・・ヒオリ・・♡・・」
その一部始終を見ていた夫が、体躯からは想像出来ないような弱弱しい声で喘いだ。
その声に灯織は次の欲求を察知した。
それは勿論灯織も同様のものだったからだ。
「・・ん・・はい♡・・」
灯織は滴る白濁液を粗方舌で舐め取り終わると、夫の方を見て悪戯っぽく笑ってそう囁いた。
そして徐にうつぶせになり、夫の方へ自身の尻を高くつき出した。
「いいよ・・入れて・・あなた♡・・」
灯織のすっかり粘液で滴り切った秘所が、夫の方へと差し出される。
その秘所はぱくぱくと軽い鳴動を起こして夫を待ち焦がれていた。
夫はその光景に、先ほど果てたばかりとは思えぬ回復を見せた。
たちまち隆起する夫のシンボル。
その光景が、振り向き窺っていた灯織の眼に映し出される。
灯織の眼は来たるべき快楽のそれに、爛々と輝いていた。
飽きの来ないいつもの流れ。
いつもと変わらぬ暖かな休日の午後。
幸せな家族の営みは、まだまだ続いていく。