目が覚めると、見知らぬ部屋にいた。
「目、覚めたか」
幼馴染のトモヒロが声をかけてきた。
先に起きて部屋の中を見回っていたようだ。
「……ここは?」
「分からん。俺も目が覚めたらここにいた」
僕はTシャツに短パンを着ていて、普段通りの寝るときの格好だ。
トモヒロもTシャツにスウェット。多分いつもこんな格好で寝ているんだろう。
「どうやら俺たちは閉じ込められたらしい」
「えっ……?」
「ドアが1つだけあるが、開かない。他には窓一つない」
「そんな……監禁されたってこと?」
「恐らくな」
とんでもない非常事態にもかかわらず、トモヒロは冷静だ。
おかげで僕も取り乱すことなく落ち着いていられる。
昔からトモヒロはそうだ。
僕と同い年とは思えないほどに大人びていて、動揺した姿なんか見たことない。
僕らは何も荷物を持っていなかった。
もちろん、スマホも。助けを呼ぶ手段はない。
大声を出したり、ドアや壁を激しく叩いたりしたけれど、無駄骨だった。
とりあえずいったん落ち着こう。
僕らはベッドに腰かけた。家のより倍くらい広いベッドだ。
「ラブホみたいな部屋だな」
トモヒロが突拍子もないことを言い出した。
「えっ、トモヒロってラブホ行ったことあるの?」
「まあな」
僕らの年齢だと女性経験を自慢げに語るやつが多いが、トモヒロはさらりと言ってのける。
トモヒロとそういう話をしたことはほとんどないが、多分、経験豊富だ。
中身だけじゃなくて見た目も大人っぽくて、昔から色んな年上の女性にアプローチされていた。
「サキさんとは行かないのか」
サキとは、最近できた僕の彼女。生まれて初めての彼女だ。
「まだそんな雰囲気じゃないよ。
それに、僕がラブホ行ったら補導されちゃうでしょ」
「そうかもな」
僕をからかっているのだろうか。
トモヒロは無表情で淡々と喋るから、幼馴染の僕でもよく分からない。
目が覚めてからどれくらい時間が経っただろうか。
部屋には時計がなく、テレビとかもないから時間が分からない。
(サキと二人きりだったら、もう耐えられないだろうな)
サキとは気を遣いながら会話していて、正直疲れる。
(相手がトモヒロで本当に良かった)
気を遣わずに話せるし、沈黙が続いたって気まずくない。
隣に座るトモヒロの横顔を見る。
涼やかな目元、スッと通った鼻筋。
僕と同い年とは思えない大人なオーラが漂っている。
「何が目的だ」
「えっ!?」
「俺たちを閉じ込めた犯人は、何が狙いなんだ」
「あっ、そういうこと……」
僕に言われたのかと思ってめちゃくちゃ焦った。
そうか、犯人の目的か。何なんなのかな。
「トモヒロみたいなイケメンを密室に閉じ込めて、何をさせたいんだろう」
「…………さあな」
イケメンいじりをしたつもりだが、さらっと流されてしまった。
冷静そうに見えて意外と余裕ないのかな。
それから2日が経った……と思う。
空腹感や眠気から僕らがそう判断しているだけだけど。
食べ物と飲み物は部屋の中にたくさんあるし、アメニティ類も十分に揃っている。
空調も自由に設定できるし、空気清浄機もある。
監禁生活というには快適な生活だ。
だけど、僕には困ったことがあった。
(……オナニーしたい)
毎日オナニーしていた僕にとっては、2日抜けないだけでもかなりしんどい。
トモヒロが真剣に今後のことを話しているのに、僕はムラムラのせいで話が耳に入ってこない。
「……ごめん、トモヒロ。僕、オナニーしたい」
僕らは小さい頃からの付き合いだけど、下ネタらしい下ネタを話したことはなかったと思う。
ものすごく恥ずかしいけど、背に腹は代えられない。決死の覚悟でトモヒロに伝えた。
「そうか。俺は浴室に行くから、終わったら呼んでくれ」
そう言ってトモヒロはそそくさと出て行った。拍子抜けするほど淡々とした対応だ。
僕が恥ずかしくないように気を遣っているのだろうか。
お言葉に甘えて、しっかりオナニーをしよう。
オカズはまだ見ぬサキの裸の妄想。
やわらかい肌、おっぱいの形、乳首の色。
そして、アソコの具合。
サキのアソコに、ブツが挿入される。
サキの喘ぎ声が響く中、ピストンが繰り返される。
(サキ……サキ……!!)
ピュッ、ピュッ……!
「はあ、はあ、はあ……」
ティッシュの中に出した精液は、いつもより濃い。
2日とはいえ溜まっていたのだから、その分だけ濃いんだろう。
「トモヒロー、終わったよー」
諸々の事後処理を終えてからトモヒロを呼んだ。
何事もなかったかのようにトモヒロが戻ってきた。
僕をからかうこともなく、実に大人な対応だ。
「トモヒロはムラムラしてないの?」
「俺は別に」
素っ気ない態度。
多分、本当にムラムラしていないんだろう。
「トモヒロって週何回オナニーしてるの?」
「オナニーはしない」
「えっ、じゃあムラムラはどうやって解消するの?」
「普通にセックスだな」
……なるほど。童貞の僕には全く頭にない選択肢だ。
トモヒロはつまらない見栄を張るような男じゃない。
本当にオナニーはせずにセックスだけで事足りているのだろう。
(女の子はほっとかないよなぁ……)
トモヒロはモテる。
寡黙で、涼しげな眼をしたイケメン。
冷たく見えるが、内面は周りの人間に気を配れる優しい性格。
そして、……美しいカラダ。
「風呂入ってくる」
そう言って、トモヒロが僕の目の前で服を脱ぎ捨てる。
モデルかよ。
高い身長にバランスのいい筋肉。
ムキムキすぎず、女の子なら誰でも好印象を抱くであろう美ボディだ。
胸板は厚みがあり、腹筋の割れ目も見えている。
手足はすらっと長いため細く見えるが、よく見ると意外と筋肉がついていて太い。
パンツ一丁で浴室に向かうトモヒロの後ろ姿を見て、改めて幼馴染のカッコよさを痛感した。
(トモヒロ、どんなセックスするんだろ)
クールで美しい幼馴染が女の子を犯すのを思い浮かべ、僕は再びティッシュに手を伸ばすのであった。
続く。