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「ハーゲン○ッツはバニラだろー」
さっきの事なんて何もなかったように接してくれるのがありがたかった。そうして、他愛もない話をしながら歩いていき、無事に目的の場所に到着した。店内に入ると暖房が効いていて心地良かった。カゴを持って中に入る。まずはアイス売り場に向かった。
「どれにするかなー」
「あ、これ美味しそうですね」
「んー?それ美味いけど高いぞ?それにオレの財布の中じゃ買えない……」
しょんぼりしながら呟く彼女は可愛かった。思わず頭を撫でてしまいたくなるくらいには可愛いと思った。結人の身長では届かないが。
「いらっしゃいませー」
にっこりと笑顔で対応してくれている女性はとても綺麗だった。サラサラの長い金髪に整った顔立ちをしている美人さんだ。そんな彼女に見蕩れていると、不意に服を引っ張られて我に返った。見ると彼女がジト目でこちらを見ていた。
「少年の浮気者め……ふんだ」
小声で囁くと、ぷいっと顔を背けてしまった。尻尾も逆立て、どうやら機嫌を損ねてしまったようだ。慌てて弁解しようとするも上手く言葉が出てこない。結人があわあわしていると、女性が助け舟を出してくれた。
「あらまぁ、可愛らしい恋人さんですねぇ♪」
「え?いや、そんなんじゃ」
「だろー!オレと少年はラブラブなんだぜぇ!」
否定しようとしたところで、後ろから抱きつかれてしまう。柔らかい膨らみが背中に当たるのを感じてドキドキしてしまう。しかもわざと押し付けるようにしているせいで形を変えているのが分かってしまう。顔が真っ赤になるのを感じた。それを見て女性は微笑ましそうに笑っていた。
(さっきまで食べようとした癖に……)
内心そう思いながらも口にしようとは思わなかった。言えばまた不機嫌になってしまうだろうから。今はこのままの方がいいだろうと判断したのだ。
それから買い物を済ませて外に出る頃にはすっかり暗くなってしまっていた。お姉さんの夜食のインスタントラーメンやレトルトカレーを買い込む。あとはファミリーサイズのポテチと2リットルコーラを大量に。
「ありがとうございましたぁ!」
店員の元気な声を聴きながら店を後にする。外に出た瞬間、冷たい風が頬を撫でる。お姉さんは荷物を軽々と振り回す。
「うぅ~寒い」
「そうだな、早く帰ろうぜ」
そう言って足早に家路につく。ふと彼女が手を差し伸べてくる。
「少年、手を繋ごう。さっきみたいに転んだら大変だろ?」
そう言われて、そっと手を繋ぐ。彼女の手は温かかった。ギュッと握り返すと、彼女も強く握ってくれる。それが嬉しくて頬が緩むのを感じた。
「よーし、ゲームしようぜースマブラ(スマッシュブラックの略)やろうぜ!明日休みだろ!」
「いいですよ、やりましょう」
2人でリビングに向かう。テレビの前に座るとコントローラーを取り出して準備をする。そして電源を入れてゲームを起動した。対戦モードを選択し、キャラクターを選択する。
「よし、いくぞぉ!」
「はい!」
掛け声と共に試合が始まる。互いに譲らない戦いを繰り広げていく……と思いきや
「くそう!また負けた……」
「毎日やってるのになんで下手なんですか……僕はもう10連勝ですよ」
「うるせー!次は勝つからな覚悟しろよぉ?」
悔しそうに叫ぶ彼女を宥めながら次の試合をしようと提案する。コーラとポテチを用意して準備を整える。2人並んでソファに座り、画面に集中する。すると、お姉さんが太い尻尾を巻き付けてくる。
「わ!ちょっと!?」
ふわふわの毛に覆われた尾を優しく撫でるように擦り付けられる。少しくすぐったくて身を捩ってしまう。それでも彼女は止めようとしない。それどころか更に巻き付いてくる始末だ。
「ちょっズルいですよ!」
「なんだよ?目隠しも、操作の邪魔もしてないだろ?ほらーうりうり」
挑発するように笑う彼女と目が合う。その瞳には悪戯っぽい光が宿っているように見えた。
(あぁ……これは勝てないな……)
そう思った瞬間に勝敗は決していた。画面に表示されるWINの文字を見て呆然とするしかなかった。
「へっへーん♪オレが勝ち!おねーさんに勝つなんて1000年早いぜ!」
嬉しそうにはしゃぐ彼女を見ていると悔しかった気持ちも無くなっていく気がした。ポテチを纏めて口に放り込み、コーラで流し込むお姉さん。
「げええぷっ!ふぃー」
豪快にゲップをするお姉さん。むわりと臭いが辺りに広がる。
「ちょっとはデリカシーを……」
「うるせーな。我慢は毒だぜ?ゲェフゥ!つー訳で夜食作ってくれよ?」
「はいはい。カレーですか?ラーメンですか?」
「りょーほうに決まってんだろ!」
「夕食あんなに食べたじゃないですか。ご飯も5杯くらいおかわりしたのに……」
「そんなモンとっくに消化しちまったよ?」
ぐうううううう!きゅるるるる………ぐぅううぅぅ!!ぐごぉぉぉおおぉぉ!!!
お腹を鳴らしながら豪快に笑うお姉さん。のっそりと立ち上がると、結人の顔をお腹に押し当てる。
「それとも……少年がオレの夜食になるかい?」
艶めかしい声で囁かれると背筋がゾクゾクしてくる。
「くふふ、お姉さん、腹減ってるからすぐにとろとろになるぜ?」
「うっ……や、やめてください」
「はぁ♡いい匂いだ……美味そう♡」
思わず生唾を飲み込んでしまう。ゴクリという音がやけに大きく響いた気がする。そのまま押し倒されそうになるのを必死に堪える。何とか引き剥がすとキッチンへと向かった。じっと見つめている彼女の姿があった。その視線を感じながらも料理を進めていく。出来上がったものを皿に盛り付けてテーブルへと運ぶ。すると待ってましたと言わんばかりに目を輝かせていた。
「いっただっきまーす!」
スプーンを手に取ると勢いよく食べ始める。その様子を微笑みながら見つめていた。もぐもぐと咀嚼を繰り返し飲み込む度に幸せそうな表情を浮かべる彼女はとても可愛らしかった。
(僕を食べる時も……あんな風においしそうに食べてくれるのかな)
そんな事を考えてしまい慌てて首を振る。何を考えてるんだ自分は……相手は狼だぞ?人間を食べちゃうんだぞ!?でも、もし食べられるなら食べられてもいいかも……?いやいや何を考えているんだ!しっかりしろ自分!心の中で葛藤していると、いつの間にか食事を終えたらしい彼女がこちらを覗き込んでいる事に気付いた。
「くふふ……ほぅら♡んあー♡」
ぐぱあああ♡っと大きな口を開けた。お姉さんの口は結人の頭を軽く呑み込めそうなくらい広がる。中には鋭い牙が生えていて、舌は長く伸びてうねうね動いているのが見えた。唾液が大量に分泌されていて、口内はぬらぬらと濡れ光っていた。
「ぁ……あああ…」…
その奥には喉ちんこが見えるくらい奥まで続いていた。まるで別の生き物のように蠢くそれは獲物を求めて蠢いているように思えた。ごくり、と彼女の喉が鳴るのが分かった。口の中に溜まった唾をゆっくりと嚥下していく。その音が聞こえてしまった。彼女はニヤリと笑うと再び口を開くのだった。
「あーん♡」
その口の中はまるで別世界のようだった。暗い闇が広がっているように見えるのは舌のせいだろうか?奥から漂ってくる悪臭はなんだろうか?鼻を刺激するその臭いは不快ではなかった。むしろもっと嗅いでいたいとすら思ってしまうほどだ。
「げええぇううぷっ!!」
「んぷっ!?」
濃い臭いが鼻腔を刺激してクラクラしてきた。カレーの臭いがねっとり包み込む。
「くふふ♡お姉さんの胃袋の香りだぜ?はぁー♡」
そう言うと口を開けて息を吹きかけてきた。それだけで頭がくらくらしてしまうほどの濃厚な臭いが肺いっぱいに入ってくるのを感じた。身体が熱い、心臓が激しく脈打っているのが分かる。呼吸が荒くなり、息苦しさを感じるほどだった。それなのに不思議と嫌な感じはしなかった。寧ろ心地よく感じていたくらいだ。
「どうだ?いい匂いだろ?はぁ……♡んっ♡くっさ♡オレってこんな臭いさせてるんだなぁ♡くふふ」
「はぁ……はぁ……」
息が荒くなる。身体の奥が疼いて熱くなる。下半身に血が集まっていくのを感じた。股間が痛いほどに勃起していた。
「くふふ♡どうしたんだ?そんなにちんちんおっ勃てて♡まさか夜食になりてーのか?ん?」
意地悪そうに笑いながら問いかけてくる彼女に何も言い返せなかった。その通りだからだ。今目の前にいるこの人になら食べられてもかまわないと思ってしまった自分が居たのだ。それを見透かされたような気がして恥ずかしくてたまらなかった。
「食べられたいです……でも、まだ死にたくないです」
「うん、正直だな♡くふふ♡からかって悪かったな少年」
頭を撫でられる感触が心地よかった。優しい手つきで撫でられていると心が安らいでいくのを感じた。暫くそうしていると不意に彼女が口を開いた。
「よし!じゃあラーメン作ってくれよ?そしたらまたスマブラやんぞ!」
「はい!任せてください!」
それからというもの、2人はずっとゲームをしていた。飽きることなくプレイし続けた結果、気付けば日付が変わる時間になっていたのだ。ポテチとコーラのゴミが散らばっている。しかし、そんな事を気にする余裕などなくひたすらに対戦に熱中していたのだ。その結果、深夜テンションに突入してしまっていた。
「おらぁ!喰らえ必殺スマッシュレッド!」
「甘いですよ!カウンター攻撃!」
目にも止まらぬ速さで攻撃を繰り出す2人だが、お互い決定打を与えられずにいた。体力ゲージを見ると残り僅かになっており、次の一撃で勝負が決まるだろう事は明白だった。そして遂にその時は訪れた。
『K.O!!』
画面上に表示された文字を見て、互いに顔を見合わせた後笑い合った。
「勝った!やったあ!」
「くそう負けたぜ……まぁいい、次こそは勝つからな」
そう言って再戦を申し込んでくるお姉さんを宥めながら片付けを始める2人。同じベッドで寝る事になったのだが、何故か抱き枕代わりにされてしまったので身動きが取れなくなってしまった。柔らかい胸に顔を埋める形になってしまいドキドキしてしまう。心臓の音が伝わってしまわないか心配になってしまうほどに鼓動が激しくなる。そんな様子を見て楽しんでいるのか、ニヤニヤしている彼女と目が合った。恥ずかしくなって顔を背けてしまう。すると、クスクスと笑う声が聞こえてきた。どうやら揶揄われているようだ。
「もう寝ますよ」
ぶっきらぼうに言うと目を閉じる。しばらくすると、寝息が聞こえてきた。そっと目を開けると気持ち良さそうに眠っている彼女の顔が見えた。
ぐううぎゅるるるる
お姉さんの膨らんだお腹が、消化音を鳴らす。カレーとラーメン……大量のポテチを詰め込み膨らんでいる。
(ちょっと間違えたら……ボクもこのお腹の中に……)
そんな想像をして身震いする。想像するだけで恐ろしい光景だ。カレーとラーメンが混じり合い、胃液でドロドロに溶かされてしまう。だけど、それも悪くないと思ってしまう自分も居る事に気が付いた。
(いやいやいや!何考えてんだよボクは!?)
ブンブンと頭を振って考えを吹き飛ばす。それでも頭の中にこびり付いた妄想はなかなか消えてくれなかった。
(ダメだ!煩悩退散!煩悩退散!)
必死に言い聞かせて眠る事にした。
結人が眠りについてから数十分後。天井の黒い染みが広がる。滲み出すように現れる黒い影。無数の眼球を纏う異形のソレが、結人に向けて触手を伸ばす。彼は厄を常に呼び込む体質を持つ。集合した厄は悪霊を集め形を為し、直接被害を与える事もある。結人の首を締め付けようとした瞬間、
「失せろ」
犬歯を剥き出しにした彼の護り神が、睨み付けた。軽く爪で薙ぎ払うと、悪霊は霧散し彼女の口に吸い込まれていく。
「けふ……まったく、油断も隙もないな」
「う、ううん……」
隣で寝ていた結人が身動ぐ。起こしてしまったかと焦る彼女だったが、すぐに寝息を立て始めたのを見て安堵の溜息を吐いた。
(やれやれ、この子は本当に危なっかしいな……オレが居ないとすぐに襲われちまうぞ?)
優しく頭を撫でると、結人は穏やかに微笑む。その無防備さにお姉さんは食欲を抑えつける。
「大丈夫。少年はオレが護ってやる。童のように安心して眠りな。オレ以外に決して喰わせたりしない」
耳元で囁きかけるように呟くと、お姉さんは再び眠りについたのだった。
「ふいー♡便所便所っと。相変わらずちっせえ便器だよな」
そう言いながら用を足す彼女の姿があった。スカートの中から伸びる太く長い尻尾がゆらゆら揺れているのが見えた。
「ん、詰まらねぇよな。少年に怒られたくねーから流れてくれよー」
尻尾を持ち上げると、肛門に力を込める。ミシミシと便器が悲鳴をあげる。やがてチョロチョロと音を立てて水が流れ出した。
「んぉ」
ブッ!!ブオオォォォ!!ブオオォォォ!!
「ふぃー屁出た……ん、太いのが……」
みちみちみち………むわあああ♡
放屁を終えると、肛門から下品な音を立ててウンチが溢れ出る。それは一本ではなく何本もあるようで、途切れる事無く出続けているようだった。
ぶりゅっ♡ぶっ♡ぶりっ♡ぶちちちっ♡どぼっ♡ごぽぽっ♡♡
排泄音がトイレ内に響き渡る。その度に不摂生な彼女の排泄物からは強烈な臭いが立ち込める。鼻が曲がりそうな程の悪臭に耐えながら彼女は排便を続ける。
(少年も喰っちまったら、こんな風にウンチになっちまうんだよな……)
ふと、そんな事を考える。少年が自分の腹の中に入る姿を想像した。腸壁が彼を包み込み、栄養として吸収されていく。ゆっくりと溶けるように、混ざり合うようにして一つになる。それはとても甘美なもののように思えた。同時に、彼が自分の一部となる事が、堪らなく愛おしく思えたのだ。
「くふふ♡早く喰いてぇなぁ♡おっと涎が……」
うっとりとしながら、最後の一欠片まで絞り出した。トイレの中を埋め尽くす程の量を出し終えた彼女は満足げに息を吐くと立ち上がる。トイレットペーパーを手に取りお尻を拭く。
「あ、やべ、こりゃ流れねーな」
「お、お姉さん!早く出て!」
「うるせーな。もうちょっとで出るよ」
トイレの前で待たされている結人は顔を真っ赤にしていた。何故ならお姉さんがトイレに入って出てこないからだ。ドア越しに聞こえる排泄音がやけに生々しく感じてしまう。便秘気味なのかな?なんて考えてしまう自分に嫌悪感を覚える。やがて水を流す音が聞こえたかと思うと、ドアが開いてお姉さんが出てきた。すっきりした顔でお腹を撫でている姿はどこか艶めかしかった。
「ふぅ~スッキリしたぜ♪」
「うぅ……」
朝から刺激的な光景を見せられて悶々としてしまう。そして、トイレに入ると
「う!?」
「わりぃわりぃ♡また詰まっちまった♡掃除よろしくな~」
ドアの向こうから聞こえてくる声に頭を抱えるしかなかった。