(挑戦者=ローラン)
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一年中雨の多い山村に住む女性が、不思議な沼を発見しました。
それは独特の臭いを放つ、真っ黒な沼でした。
最初は不安がったが好奇心に負けて、沼の液体を少し持ち帰ることにした。
ところが、家に帰る頃には液体は乾いて容器にこびりついていました。水で洗い流そうとしても、水は弾いてしまう。
彼女はすぐにひらめきました。
「これを屋根に塗れば、雨漏りを防げるかもしれない!」
翌日、彼女は荷車を引いて黒い沼から液体を汲み、家の屋根に塗りました。黒い液体は体からなかなか落ちませんでしたが、彼女は気にしませんでした。
そして、屋根全体に塗り終えると、雨を弾くようになりました。
村中が驚きました。すると、村人の一人がこう提案しました。
「これを王国に売れば、村は裕福になるぞ!」
彼女はすぐに王国へ行き、それを売り込んだ。結果は大成功だった。
王国は城、城下町、そしてすべての家屋をその黒い液体で塗装するよう依頼した。
村人たちは、これで新たな産業が生まれ、裕福になれると期待した。
ある日の夜。雷が落ちるほど不安定な天候が王国を襲う。
この地域では多い事ゆえ王国の城や町は頑丈であった。しかし…一か所に落ちた雷が王国を一部を燃やした。雨も降っているから消えるだろうと思った国中の人たち。しかし炎は消えるどころか勢いを増していき王国全体を火の海と化した。
国中から聞こえる悲鳴。次の日には王国は全て焼け爛れた…。
生き残った王様は兵士を連れある”村”へと向かう。
そしてその”女性”の家へと行き彼女を連行した。
手足を縛り付け、木に貼り付けにした。わけもわからない女性。王様は言う。
「この女は魔女である!この女が招いた悪事によって我が王国は火の海となった!」
彼女は連行されその黒い沼へと連れていかれた。
そしてその沼に突き落とされる。手足を縛られ動けず沼に沈んでいく。
そして彼女の松明が投げられる。黒い液体に濡れた彼女の身体は沼と共に一瞬で燃え上がる。
「見ろ!やはりこの女は魔女だ!普通の人間は一瞬で燃えはしない!
浄化の炎で焼き払え!」
他の村人も松明を彼女に投げる。そうしなければ村人全員が処刑されるから。
燃え、爛れる皮膚に黒い液体が染みる。そして痛みにもがくとその沼へと沈んでいく。息も出来なくなりそして彼女は燃えながらも世界を呪った。
何かの役に立ちたかった。村を裕福にしたかった。
なのに人は、世界は私をこうも簡単に裏切るのか…と。
ダンジョン【乾留の魔女】は彼女の怨念が形となった。
自身が味わった苦しみを挑戦者にも味わわせる為だろうか?
それともこの苦しみを憐れんで欲しいのか?
もはや彼女の遺志は分からない。