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冬先の下町の駅前にて、綺麗な白いトレンチコートを羽織り、厚着だが全体的にお上品な印象を受けるお姉さんが周りを気にしながら立ちすくんでいた。大抵こういうのは誰かしらを待っている。彼氏だったり友達だったり。
「やっほー!待った?」
「もーお姉ちゃん10分遅刻!お腹減っちゃったよお」
「それはいつもの事だろ〜?」
しばらくして改札口からは姉が出てきた。
今日は社会人の姉が長期休暇で帰ってきた。そのため姉妹二人の時間を過ごそうという話になった。
二人は地元じゃ有名な大食い姉妹で、二人の時間、というのは大食いしながら近況報告を兼ねたガールズトークをするのだ。
「今日はどこから行く?」
「んーそーだなー…駄弁るんだからファミレスじゃない?」
とはいえファミレスと一言に言っても種類は多い。姉は悩みつつも、ファミレス程度であれば今日1日でこの一帯の店は全部回ってしまうのだから、まずは近くにあるところで良くないかという話になった。
ひとまず美味しそうな料理を一通り頼み、大学生の妹に就活や恋愛の相談などをしており時間が過ぎるのは早かったようだ。
「……でさー?マジで彼氏最悪でさー?………」
「あはは。そうだね。…もうこの店やめとく?そろそろ店員さんに心配されちゃうよ?」
ハッと腕時計の時間を見ると12時過ぎ。もう2時間ほど食事をしていたようだ。話しながらなので私らからするとゆっくり食べていたつもりだったが、既に机一杯の空き皿を10回ほど下げられた記憶がある。はなから見ると何この人達めっちゃ食べるじゃんという感想だが、私らだとこの程度では一般の人だとおやつ程度の感覚になってしまう。あーそういえば食べたねくらいの感覚。
「そうだね…あ!でも最後にパフェだけ食べさせて?ここの美味しいんだよね」
食後?のジャンボパフェを注文。普通こういうのは何種類かあって、一つ選んで次また来た時に違うの頼んでみようというのが店側の戦略なのだが、当然のように3種類全部を注文。姉の分も含めて2つづつだ。
「うっわ本当だ!めっちゃ美味しい」
「でしょ!?お姉ちゃんも気にいると思ったんだよね」
ジャンボパフェと言うだけあってどデカい商品なのだが、美味しいのもあり一つ2分くらいで食べてしまった。
口直しのジャンボパフェもぺろっと食べ終わりお会計を済ませて次の店へ向かう二人。安いファミレスだがお会計が3万円もしてしまった。
「甘いものって食べると逆にお腹空かない?」
「あ、分かる。その間に消化進むよね」
そんなはずは絶対にない。
「次はどうしよっか?お昼時だしあんまり食べると野次馬集まっちゃうよ?」
特に駅から近いと利用客も多いし店内も狭いので面倒だ。
歩きながら二人はお腹をさすっていた。一軒目での食事量は二人とも8キロほど。妹のコートでもまだお腹を隠して着れるくらいのサイズ感ではあるが、一般的には妊娠を疑われるサイズ感。
少し駅から歩き、住宅街の中にある店に入った。
「はー!少し歩いたからお腹空いちゃったわ!」
奥の席に誘導され席に着いた。
「よーし!歩かせたからには全部食べちゃお!」
「食べようと思えば余裕なのに宣言しなくても…まあ良いか。ちょっとお腹空いちゃったのは私も同じだし。」
「メニュー表に書いてあるやつ全部ください!」
到底正気の人間の注文とは思えないため店員から何度も確認された。それと全部と言ってもセットメニューなのか単品なのかとか、その辺の確認も済ませて注文完了した。
「…絶対引かれたよ…店出る時の理由が心配されるの面倒だからなのに…」
「えー!?お姉ちゃんだってそんなの気にせず食べたいでしょ?」
「う…うん。そうだけどさ…」
「…あ、お姉ちゃんの分も頼んでおけば良かった?」
「いや…あんたの頼んだ分少し貰うくらいでいいよ」
「え!?絶対あげないけど!?お姉ちゃんだって食べたいんでしょ?」
そう聞くと姉のお腹がグルグル鳴ってしまった。
「…お姉ちゃん、胃袋の方が正直なんだね…すいませーん!!!」
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