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ある日いつものように目が覚めると、ベッドの上ではなく明らかに広い空間の床に寝転んでおり、辺りを見回すと、ここがフードコート店である事がわかった。
「は?…フードコート…よね?」
イオンとかといった大型スーパーに併設されている、チェーン店を筆頭とした飲食店が立ち並ぶ場所。
寝巻きのはずが何故かロングワンピースを着ていた。
「あ!あの!」
後ろから声がしたため振り返った。
「私目覚めたら、ここにいたんです!私何も知らないんです!一体何が起きたんですか!?」
「私も分かんない…折角だし2人で…」
「!!??」
2人の鼻が互いに反応した。
…間違いない。こいつ…大食いだ…しかもかなりの。
なんとなく鼻でわかってしまう。なんとなくこいつの身体、口から喉、食道と呼ばれるところから、乳や二の腕太ももに至るまで、凄まじく人の域を逸脱した食事を詰め込み、凝縮されたこの身体からは、喉の筋や乳の張り等、一見するとおかしい点はないのだが、私からすると同じ類から感じる臭いのようなものを感じる。
「何やってるんですか?」
お互い少し身構えながら、ジリジリと距離を詰めていたところを、また第三者から話しかけられた。
「テーブルの上に紙が置いてありました。これ、読んでください。」
2人は同時に紙を掴んで書いてある文章を読んだ。
おはよう。良い眠りだったかな?
ここは見ての通り、フードコート。君達の大好きな、ご飯が沢山出てくる場所である。このフードコートの飲食店は君たちからしても馴染みのある店舗だろう?今回君たちにやってもらうのは、3人でここのフードコートにある全店舗の人気メニューTOP20を予想して注文、完食し、TOP20を的中させてもらう。せいぜい頭を使って早く脱出するんだな。当てられなければ永遠に飯を食いかねないぞ…
「なんか…どこかで見たことある内容の企画ね…」
「確かに…テレビでやってなかったっけ?」
「お集まりの大食い自慢のお姉様方!!本日の企画内容はご理解いただけたでしょうか?」
店内アナウンスが鳴り響き、3人は耳を傾けた。
「紙に書いてある事が全てです!制限時間は今日一日とします!もし日付が回るまでに全店舗の人気メニューTOP20を食べられてなかったら後日仕切り直しとさせていただきます!それじゃあ!頑張ってくださいねー!」
「………え、えっと?」
「要はさ…?1日食べ放題ってことでしょ?」
「そうじゃん!そういうことだよ!」
「うわ!一気にやる気出てきた!」
3人は背中をそらせたり左右に曲げたり大食いのための準備運動を済ませ、3人はそれぞれ違う店へと向かって行った。
「えっとー?ガン⚪︎ラーメンだ!うーん…私の好きなやつ粗方頼めば、みんなの人気の奴も埋まるんじゃないかな?」
「長⚪︎ちゃんぽんか…人気メニューって言ってたから…全部頼めば…あ、でもそれだと全部の店回れなくなっちゃうから…まずは私のお気に入り攻めて…」
「まずは肉⚪︎商店でしょ!!えーっと…よく分かんなかったから私が食べたい奴全部食べよ!」
特に打ち合わせ等はないものの、3人とも同じ結論に至り、各店舗で好きなように注文してしまった。
注文を承り、料理ができたら鳴る装置を持たされて席に着くも、待っている時間で食欲が抑えられず、3人ともまた別の店に注文に行ってしまった。
このフードコートは全20店舗存在するが、なんやかんやで装置が鳴り、一番初めに各々が注文した料理が出てきた時には既に9店舗の厨房が料理を作っていて、なんと3人で80品も注文してしまったようだ。
「重た…持ってくだけで一苦労だよ…」
「いただきます!」
3人とも嬉々として料理にかぶりつき、注文した80品が全て空になるのは2時間くらいであった。
全員8キロ強を平らげ、お腹も重くなってきた。
「美味しい…まじでいくらでも食べれそうね。」
「流石は全国から選りすぐりの大食い自慢達だ!もう9キロ近いってのに余裕そうだね!…でもみんな、今日の企画を忘れてないかな?人気メニューTOP20を当ててもらう企画なんだけど…あでも幸い、注文したメニューは殆ど人気メニューだったみたい…流石です!」
「げふっ…そうだった…完全に忘れてた…」
机いっぱいの空皿が広がっていたが、3人は作戦会議のために集まった。
「現在75/400…ってことは頼んだ奴らは殆ど当たってたってことになるわね…」
「まあ、まずは食べなきゃ始まらない事だし…」
「そうね…っていうか、あんたもしや、これくらいでへばってる?」
「はあ?ぜんっぜん!むしろお腹減ったけど!」
なにこいつ…ムカつく女ね…むむ!よく見るとこいつ…乳とかすげえデカいし顔も良い…
クソッ…絶対こいつには負けない…こいつよりデカい乳になるためにはこいつよりも飯食わないと…
3人とも服の上からでもお腹の張りが分かり、ゆとりを持った服を着ていない場合へそがぎりぎり見えるかくらいまで膨らんでいる。目の前のこいつが丁度それくらいだ。
3人はまた各々の食べたい店へと向かっていった。
そんな調子で食べ続け、3人が少し危機感を覚え始めたのは夜の6時頃であった。
最後の天丼の海老フライを大口を開けて頬張り、各々注文したもの全てを食べ終わった後、味変と称してアイスを5つほど注文したものを食べていた。
3人ともお腹は自立して歩くのがギリギリであった。
「ふう…うう…あの…さ?結構お腹溜まってきた…ゲプウ……お腹8分目くらい…そろそろ終わらないとキツイよ…」
現在350/400。注文料理数796品。総重量143キロ
「あたしも。デザート食べてなんとかまだ食べれそうだけど…結構苦しいよ…」
45キロくらいか?午前中から殆ど休む事なく食べ続けていたからお腹の張りが…もう腕いっぱい広げてもお腹を一周できない。訳8時間にも渡る大食いのせいで胃が殆ど休む時間がなかったためか胃袋がギュルギュル鳴り始めた。慢性的に胃が伸び続けていたから伸び疲れてしまったのだろうか?いずれにしろ本能的に少し休まないといけないと感じた。
「ぐう…お腹重い………ッグ!ゴゲエエエエエエエップ!!!!」
お腹の側面をボンボン叩くとお腹の中の空気が喉から逆流してきてゲップをしてしまう…
ふう…なんかゲップしたら少しお腹楽になった…でも端から端までもうキツキツだよ…
8時間飯を詰め込み続けた胃袋は骨格をはみ出し鳩尾から鼠蹊部まで山のような円弧を描いている。骨盤等、身体中の中で広がれるだけ広がっていた。岩のような膨張感を見ればその様を感じるのは容易だった。着ていたシャツはお腹によって胸元ギリギリまで捲り上げられ、ズボンのボタンもチャックも全開。パンツもズボンも、鼠蹊部や背中までギチギチに膨らんだ胃袋によって風船のように広がった身体に辛うじて掴まれているいるような感じであった。抑えていないとずり落ちたりしないか心配である。
「…あのさ!一区切りついてる?一回会議しよ!」
このまま食べ続けると胃袋が保たない…一旦食べるものを絞らなきゃダメだ…
「ふんっ!!っっしょっと!!!」
重いお腹を抱えながら、腰を入れてなんとか立ち上がり、よろよろと3人は一つの席に集まった。モンハンでタル爆弾を抱えているような感じでよちよちと歩き、さらに壁で体を支えながらでギリギリ1人で歩けるくらいであった。
皆お腹の状態は似たようなものである。まるで岩のような威圧感を誇る胃袋、その上に押し上げられるように乗っかっている乳、その上に顔があり、どう考えても食事をするにあたって乳が邪魔になってしまうのは3人とも同じである。
「あのさ…流石に……うわあ!!」
ズドン!
「…っ!!??……ゴゲエエエエエエエエエッップ!!!」
正面から歩いてきた2人のお腹同士が激突してしまった。大食いし慣れているとはいえ、自分の胃がこんなに前に迫り出し、こんなに重いとなると激突も仕方ないといえば仕方がないのだが…
「……くっさ…雌の口臭かよこれ」
「そっちこそ…凄く身体に悪そうな匂いが漂って来ましたよ…」
これまでの色んなものが凝縮した匂いは何の匂いと形容できない異臭であった。
「2人とも!とにかく座ろ?話すんでしょ?」
3人は一つのテーブルを囲って座った。
座った時のミシッ…という音が乙女心を傷つけた。
「なにあんた?キツそうだけど…」
「はあ?全然…余裕…だけど?あと…3倍は食えちゃう…ゲエエップ!!」
ゆとりのあるはずの椅子ではあったが、3人ともお腹が円状のテーブルに突っかかってしまいそうであった。
「まあまあ…いま18時過ぎ…制限時間あと6時間切ってるよ…あと50品あって、この調子だと、もう少し食べるもの選ばないと駄目ってことだよね?時間的にも、身体的にも。」
「わたしは!余裕!…でげふう……」
「あ!ゲップでた!ってことはやっぱりあんたも余裕ないじゃない巨乳!」
「うるさい…こんな量日常で食べる機会なんてないって…そんなお金ないし…久しぶりだよ…こんなの…
ゲエエエエエエエエエエッッッッッップ!!!!」
「頼むからもっと入ってくれよ?もう勘弁だよこんなの…」
巨乳女はこれまで余裕そうに振る舞っていたが、ボロが出てから隠すのをやめ、自分のお腹を叩き始めたり、若干の冷や汗すらかいていた。
「無理しないでね?TOP20当ててるのに美味しいから、とかプライドが、とかいって無駄に注文したり、同じの何個も注文したりするからなんだけどさ…私見てたからね?」
何気にこいつが一番余裕そうだな…眼鏡かけてて地味そうだから突っ込まなかったけど…私は見てたぞ…こいつはそんな事言っておいて、20店舗のうち現在TOP20を全て当てているのは15店舗。あとは疎に当てていたりする店が殆どだが、こいつはそのうち6店舗の店のメニューを片っ端から注文している。本当に片っ端からだ。3人とも身長が少しずつ違うため、お腹の大きさだけでは互角なような見えるが、こいつが一番食っている。
「…2人とも余裕なさそうですね。2人は2時間消化に専念してね?私はまだ余裕あるから、2時間残りの店舗を食べます。多分それくらいで私も限界迎えるので、私が限界来たら、2人が交代で残り食べてください。」
「は、はあ…わかりました」
「あ…それと、さっきの…私にもやってくれない?」
「え?何が?」
「ほら?お腹、当てるやつ」
え?あれは事故であって…まあ良いか。
互いに腰を入れてどっしりと立ち上がり、お腹を向き合わせたは良いが、どうしたら良いのか分からず立ちすくんでいた。
「えい!」
「うわあ!」
後ろから巨乳がお腹を突き出して私の背中を押して来た。背中まで胃が膨らんでいるため押し込んで欲しくないのだが…結果的に私は重心を崩して眼鏡のお腹と私のお腹が激突した。
眼鏡は衝撃でも重心を崩す事なく数歩下がった。数秒の沈黙が続き、眼鏡は床の一点を見つめて動かなくなったため、心配して近いたところ、眼鏡の目がグッと見開いたかと思った次の瞬間、
「グゴゲエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッッッッッッッッッッッップ!!!!!!」
「!!!」
思わず耳を塞ぎたくなるような轟音。だがそれよりも、この轟音にビックリして腰が抜けかけた。危ない危ない…いまこの状態で腰なんか抜けたら胃袋が床に倒れた衝撃で爆砕しかねない。
「……ふう。ありがとう。私空気抜くの苦手で…おかげであと2時間、食べれそう。ゆっくり休んでね?」
「あ、そうだ。残りの店の既に当ててるメニュー教えて?」
眼鏡は腰を入れて重いお腹を抱えながらまだ制覇していない店にいき、残りの5店舗のうち2店舗のまだ注文していないメニューを片っ端から注文して帰ってきた。
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