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サキュモスハンター(侵攻編)【3】【北西の激闘、ビーキュモスの襲来】(1700文字)
【第2話より】
https://abnormal-create.fanbox.cc/posts/9614174
「敵襲!!敵襲だぁ――!!」
「市民の避難を‼地下壕を‼」
「ギルドと王城、地下壕の死守を優先!残りは城門の守備に回れ!」
「城内にも複数体のサキュモス確認、大侵攻です!」
「くそ!城内のサキュモスたちには第三班、第四班を割り当てる!第一は北、第二は北東、第五は、俺と一緒に北西の城門だ!急げ!」
「「「「「はい!」」」」」
ギルド内が一気に騒がしくなる。
光はエイルの仕業だろうことは容易に想像が付いた。
天空に上がった光に、全員が叩き起こされる。
そして、城門のほうで喧騒が聞えてくると、市民全員が理解した。サキュモスの襲来だと。
だが、そこから迅速に行動できたものは少ない。
幾分かの時間を経て、ハンターはほとんどがギルドに集まったが、市民の避難にはそれ相当の時間が必要だった。誘導にもハンターの一部を動員しなければならない。
いくらかの地域が夢幻領域の中に取り込まれている。
その中で避難誘導を行うのは可能ではあるが、言い換えればサキュモスたちの射程圏内だ。
そのうえ大型サキュモスだけが扱える夢牢を使われれば、サキュモスに異能の力を許すことになり、且つ、夢牢より脱出するには彼女たちを倒すことが必要となる。
「隊長、準備できました!」
「いくぞ!」
「「「「「はい!」」」」」
蹂躙を許すには十分な時間を与えてしまった。
急がなければ。
街中を駆ける。
北西の城門までの大通りを疾走するおよそ20人の小部隊。
リットは彼らを引き連れ、一矢のごとく走り抜く。
(あと、すこし……)
だが、そこで……。
「あはぁ♡献上品が、向こうからノコノコ来ましたわ♡」
「お母さまへの献上品を検品するのも大事なお仕事……♡」
「これだけいればつまみ食いし放題……とはいかないか……早い者勝ちね♡きゃは♡」
部隊に動揺が走る。
天に飛び交う女性達。
小刻みに動かされる羽音がそのサキュモスの正体を教えてくれる。
身体に刻まれた黄色と黒の横線の紋様、首と手足に生えた上毛(じょうもう)、そして尾骶骨に当たる部分から生えた巨大な腹部。
「ビーキュモス」
誰かがそう呟いた。
ビーキュモスはよく知られたサキュモスの一種だ。
だが、問題なのはその数だ。
女王というわれる大型種を中心に獲物を集める娘たちは一つの群れで軽く百を超える。
ビーキュモスの大きさは一体一体は3メイルほど。そこまで強くもない。
だが、問題はその数だ。
「あら、こっちにも♡」
「あはは♡活きのよさそうな子はいるかなぁ~♡」
「みんなあっちこっち飛んでっちゃッてねぇ~♡」
三匹だったビーキュモスがあっという間に、三十を超える群れへと膨れ上がる。
「陣形を組んで、各個撃破だ!さらに集まる前に、できる限り、討伐するぞ!」
「「「「「了解!」」」」」
リットが長剣二本を抜剣(ばっけん)した。
左右に握った剣を飛びながら振るった。
「え?」
「あ……」
認識によってダメージが入る。
これはこの世界の、特にサキュモスとの戦いにおいて常識でもある。
では、目にも止まらなぬ速さで、攻撃を受けた場合、どうなるか。
知った武器の形状、また、その姿、相対する敵の立ち居振る舞い、等々、斬られたという認識を持った瞬間にその効果が発現する。
人がケガをしても、ケガを見るまで痛みを感じないことがあるように、斬られたという事象を感じ取った瞬間に、さまざまな要素を加味してダメージが決まる。
つまりは……。
「うそ……」
「えぇ……もうおわり~」
目の前にいた二体のサキュモスは、大ダメージを受け、一瞬で霧散する。
「あら、これは……♡」
「この子、強いわよ……♡みんなぁ~♡」
「近づきすぎちゃダメ……」
「遠距離から……」
目の前の二体と一緒にいたもう一体が離れようとする。
その時、背後にいたもう二体とぶつかり下がるに下がれなかった。
「ちょぉ、どいて」
「え、あ、」
「ごめ……」
「おそい」
飛んだ。
足元に風が巻き起こるほどの力で。
即、彼女たちの上を取った。
その隙間を縫うように抜け、背後を取った。だが、すでに終わっている。
そのまま、三体のサキュモスが霧散した。
「……まずいな……」
敵の数が多すぎる。
リットは思案した。
このまま単騎で、数を減らすべきか。
部下たちと円陣を組みながら敵数を減らすべきか……。
【選択肢】
・単騎で敵数を減らす。【第4話へ】
https://abnormal-create.fanbox.cc/posts/9614179
・仲間を庇いながら、戦う。【第8話へ】
https://abnormal-create.fanbox.cc/posts/9770623