no preview
DESCRIPTION
やがて貯蔵していたすべてのザーメンを吐き出し終わっても、一花の手はチンポを放り出すことはなかった。呆けた男が落ち着きを取り戻すまで、ゆるゆると宥めるような手つきでこれを労う。自慰が終わればもの寂しい虚無感に苛まれながら後片付けをする男子の生態を知っているためだ。せっかく気持ちよく良い思いをさせてあげたのだから、終わり際に評価を落とされたくない――というのは、あくまで建前。
彼の秘密を暴いたからでも、初めて射精させたオスだからでもない。ただ何か特別な愛着を抱いたことだけは確かなのだが、その感情の出どころが一花にはまだ分からない。
「はい、お疲れ様。……えへ。満足していただけましたでしょーか♡ ……ちゃんと気持ちよかった?」
「そかそか、良かった〜。結構がんばったつもりだったからさ〜……あっ」
「あー……うん、まぁ、実は……そうゆうことでして。 ……言わないでね、誰にも。なんか恥ずかしいからさ」
「うん、秘密。ふたりだけの秘密。にひひっ……なんか、今日だけでいっぱい秘密つくっちゃったね」
「んーん、全然。わたしも、結構あがりかけてたから、キミがいくじなしでよかったなー♡って」
「あははっ、うそうそ。ごめんって〜♡」
「……ね。私、あと何回かこの授業取ることになるだろうからさ。よかったら……また付き合ってもらってもいいかな?」
「あっ、一応言っておくけど……“他の中野さん”と間違えちゃヤダよ?」
「え。顔見たら、おちんちん勃つからわかる? うわ、さすがにちょっときもいかも♡」
「そっかそっか〜……♡ ふぅ〜〜ん……♡ ……あ、やば。結構時間ぎりぎりだね」
「じゃあ……その、とりあえずLINE交換しとく?」
友達でも、恋人でもない。お互いに快く性癖の凹凸が噛み合った相手をなんと呼べばよいのか。名前のつけられないふたりの関係が、始まった。
《終》