『ポンコツ探偵ミナモ(仮)』
-前日譚-
『エレガント探偵ヒカリ /“膨”悪のスケベ犯罪を追う』
ep.2:ドクター洗衣庭の洗脳改造(前編2)
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「うわ〜い、探偵さん捕まえちゃったメロ〜ン♡」
背後から耳障りな甲高い声。
「ひぅ……だ、誰ッ!?」
乳首までつままれて、慌てて振り向く。
「と〜っても美人で貧乳で、ボク好みのお姉さんだメロ〜ン♡」
メロンのゆるキャラみたいな何かが、そこにはいた。
金属の管が伸びているし、機械なんだとは思うけれど……
(よく見ると顔も全然……)
「可愛いコでしょう? 女子ウケを狙ったんですよぉ♪」
私と真逆の感想を、洗衣庭は言う。
「彼はBAKA-MELONのマスコットキャラクター兼ドスケベ人工知能搭載型女体改造支援ロボット……その名を“メロンボーイ”と言います」
「気軽に『ボーイきゅん♡』って呼んでいいメロン♪ よろちくび〜♡」
キュッと乳首がつままれる。
「ッ、触らないでっ!?」
嫌悪と怒りで鳥肌が立つ。
ふざけた口調にふざけた行動。
でも、それ以上に気になったのは──
(“女体改造”……?)
単語の並びに言い知れぬ不安を感じる。
……だけど、冷静でいなくちゃ。
「フ、もう勝ったつもりかしら?」
想定外の事態、それでも態度は崩さない。
ピンチにこそエレガントに笑うべきだ、と教わったから。
「ぐぬ……」
洗衣庭は『まだ何かあるのか』と顔を強張らせる。
──ヤツの注意は完全に私に注がれている。
「逃げなさいっ!」
「…………っ!」
叫んだ瞬間、千倉さんは洗衣庭の手を押しのけて走り出す。
「あッ!?」
洗衣庭は私に注意を向けていたせいで反応が遅れる。
千倉さんが部屋を出る。
「巡回は……くそっ、全員やられたのですか!?」
クズがトランシーバーに叫ぶ。
今ならきっと逃げられる。
「依頼人を逃がしてくれるなんて案外紳士なのね?」
「ぐ……」
挑発するとあっさり青筋を立てる。
「せんせー、落ち着くメローン! 探偵さんさえ捕まえられればボクはOKメロン♡」
「そ、そうだ……おお、そうですとも! ボーイくんは賢いコだぁ♪」
ゆるキャラもどきのせいで、洗衣庭が平静を取り戻す。
やはり警察内部にBAKA-MELONの支援者がいるのだろう。
捕まらない自信があるからこそ、洗衣庭は千倉さんに執着しなかった。
この街でスケベ犯罪者に抵抗するのは探偵だけ。
(中でも指折りの名探偵を捕まえられたのだから浮かれもする、か)
(もう少し焦っていて欲しかったけれど……まぁいいでしょう)
ヤツらが目を離した隙に、後ろ髪に留めておいた秘密道具──カミソリが仕込まれたヘアクリップを取り外す。
これを隠すために長髪にしているのだ。
本来は、紐やテープ、結束バンドなどで拘束された時の備えだけれど──
ちらりと、ロボットハンドのアーム部分に目を向ける。
節のわずかな隙間から配線が見える。
(カミソリの刃は入りそうね。この太さだと時間はかかるだろうけど……)
ケーブルを切断できれば拘束もゆるむかもしれない。
少なくとも誤動作は起こせるはずだ。
「フフフ、御高名な美人探偵様は挑発も実にエレガントだ♪」
「お股ぱっか〜ん♡ で乳首イジイジされてるのにとってもカッコいいメロ〜ン♡ 探偵さんってすごいんだメロンね〜♡」
乳首をくりくりと転がされる。
「それで、く、こんな陳腐な愛撫で終わりじゃないのでしょう……? 一体何をしてくれるのかしら……?」
羞恥心と不快感にさいなまれながらも、時間稼ぎのために会話に乗る。
「焦っちゃあいけませんよぉ♪ さぁ、メロンくん!」
「うわぁ〜い! 改造遊びの時間だメロ〜ン♡」
「っ…………!」
刃物がパンツの下に潜り込む。
「大事なところだから慎重に〜〜……メロン♪」
ジョリジョリと繊維を断ちながら、ハサミが閉じていく。
あえてゆっくりと切ることで恐怖心を煽っているのだろう。
「いい表情だメロン♪ カメラをおニューにした甲斐があったメロンねぇ♪」
「か、カメラ……!?」
ビデオカメラを持って新たなアームに、ようやく気が付く。
「8K画質でバッチリと撮影中ですよぉ♪」
「別視点として、ボクのチャーミングアイでも撮影してるメロン♪」
「そうだ、この動画は探偵さんのアナル皺を数えるプレミアム配信にしましょう! コメ欄が盛り上がりますよぉ♪」
「……なっ!?」
この恥ずかしい姿が動画配信されることを想像して、ぞくりとする。
スケベ犯罪の記録をVIP客に販売するのも、珍寶會のシノギのひとつだ。
(本当に反吐が出るクズどもね……!)
イラつきはするけれど、油断してくれるのはありがたい。
カミソリはすでにケーブルの半ばまで食い込んでいる。
(っ! アームの指がゆるんだ……もう少し切り進めて……!)
片手だけでも自由になれば、敵を無力化する自信はある。
「なぜこんな犯罪行為を……?」
さらなる時間稼ぎのために動機を尋ねる。
「そうですねぇ、言ってしまえば……“趣味”でしょうか♪」
わかりきっていた答え。
やはり、スケベ犯罪に性欲を満たす以外の目的なんてない。
「あっ、あっ、もうおパンティが切れちゃうメロ〜ン♡」
「むほほぉっ♡ 美人探偵ちゃんの大事なところを大公開ですよぉ♡」
「おパンティがぺろ〜んって落ちる瞬間を見逃しちゃいけないメロンよ〜」
女性の裸を見世物にして、ヤツらは愉快げに笑う。
(必ずブタ箱に送ってやる……!)
私は怒りに歯を食いしばり──
──ジョキンッ!
「「み、みみみ、見えた〜〜!!」」
ふぁさ……と下着がその役目を放棄する。
「美人探偵の生おまんこ、肉厚ぷりぷりでと〜っても美味しそうだメロ〜ン♡」
「おほほほぉっ♡ これはこれは、エレガントな探偵のお姿からはとても想像できないドスケベおまんこですねぇ♡」
4つの瞳がじろじろと秘部を眺める。
「マン毛の剃り跡を見るに、無処理だとなかなか毛深そうです♡」
「パンティがめくれて、メスの香りがむわっと立ち上ってきたメロ〜ン♡」
「すー、はー……このむせかえりそうになるほどのフェロモン、まさにオスを誘う香りですよ♡」
(こんなヤツらに、私のッ……!)
今まで誰にも見せたことのない、大事なトコロ。
悔しくて、恥ずかしくて、怒鳴ってやりたい。
(……ダメ。冷静さだけは失っちゃ……)
平常心を保つよう自分に言い聞かせる。
拘束はもう少しで──
「アナルもすごいメロン! トイレットペーパーの繊維がビッシリ付いて、ウンチをぶりぶり出したあと一生懸命拭いてるのがわかるメロンねぇ♪」
「なぁッ!?」
ちゃりん……
あまりの言葉に動揺してカミソリを落としてしまった。
(ああ、そんなっ!?)
「ぐお!? この期に及んで脱出しようとしていたとは……!?」
洗衣庭が目を見開く。
「くっ、それより訂正しなさい! トイレットペーパーなんて残ってるわけないでしょう!?」
「異議ありメロン! ペーパーの“繊維”だメロン! ボクの超解像度カメラは顕微鏡に負けないくらい精細なんだメロ〜ン!」
(デタラメよ、絶対にデタラメ……!)
私を辱めたくて卑怯なウソを吐いたに決まっている。
でも、そんな微細な繊維、自分では確かめようがない。
(もしかしたら本当に繊維が……?)
ウソに決まっているのに、探偵としての猜疑心が不愉快な可能性を見出してしまう。
(い、いいえっ……信じないッ……! この私がそんなエレガントではないミスをするなんて……!)
「ぼ、ボーイくん! 念のため他に道具がないか調べてください!」
「ッ……!」
アームが私の全身をまさぐる。
「せんせー、もうなんにもないメロン♪」
この機械の言う通り、奥の手はもうない。
(でも、諦めるなんてエレガントじゃない……あらゆる方法を模索するのよ……!)
どくん、どくんと心臓が鳴る。
「ふ、フフ……どんな逆境でも悪に屈しない名探偵! しかも貧乳♡ 本当に改造しがいのある素材ですねぇ♪」
(だからなんなのよっ、その“改造”って……!!)
鼓動がどんどん速くなる。
「ところでせんせー? おまんこからピロピロ出てるこの白いヒモ、ボクずーっと気になってるメロン♪」
「おやおや、一体なんでしょうねえ? まずはおまんこを開いてみましょうか♪」
「や、やめなさいっ!?」
悲鳴が高く裏返る。
くぱぁっ♡
「いやぁぁ……!?」
膣内に冷たい空気が触れる。
「おおおおお、なんとなんとなんとなんとこれはぁ!?」
「処女膜メロ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ンっ!!」
洗衣庭たちが鼻息を荒くする。
「ギリギリのミニスカを履いて『犯してくださぁい♡』と言わんばかりのスケベ衣装で潜入する女探偵というだけでも正気を疑いましたが……!」
「うぷぷっ、ま、まさかの処女メロン!?」
「す、スカートが長いと蹴る時に邪魔なのよっ!」
思わず反論する。
「アホウドリが長ネギ背負ってやってきたメロン!? アホまんこ〜アホまんこ〜って鳴いてみるメロ〜ン♡」
「馬鹿にしてっ……!」
クズどもを睨みつける。
「ひぃ〜睨まれちゃってますよボーイくん♡」
「こわいメロ〜ン♡ 睨み殺されちゃうメロ〜ン♡ 乳首ピンッ♪」
「ひぅ!? や、やめなさい……!」
洗衣庭はもう怯えたりしない。
罠にかかった小鳥は逃げられないと知っているのだ。
(な、なにか抵抗しないと……なんでもいいから……!)
名探偵・徐王院ヒカリにとって被害者は憐れむ対象だった。
自分がそうなるとは想像もしていなかった。
でも、秘密の花園を好き放題あばかれて、逃げる方法も失って。
自分が探偵から被害者に変わろうとしているのを、ようやく理解する。
(だって、私の処女は彼に……!)
「ほら見て探偵さん! このヒモ抜いちゃうメロンよぉ♡」
「や、待っ──!」
にゅぽんっ!
「いぇーい♪ 美人探偵の抜きたてほかほかタンポンゲットメロ〜ン♪ って、あれれぇ? 経血が染みてないメロン?」
それは張り込みが長丁場になることを見越して、用心のために入れていたもの。
血なんて染みていなくて当然だ。
「でも、他のお汁を吸ってちょこっと膨らんでるメロンねぇ……いただきますメロ〜ン♡」
採りたてのタンポンを、じゅるりと口に含む。
「じゅるじゅるじゅる〜♡ むふ〜、テイスティーメロロ〜ン♡」
「ひっ……!?」
コレが機械だとはわかってる。
でも、私の……アレをしゃぶるなんて……!?
気色悪さに背筋がぞわぞわする。
「ボーイくんは改造支援ロボットとして、女性の体液を保存・鑑定する機能があるのですよぉ♪」
「じゅぷぷぅ、このタンポンは生理直前の備えメロンね!」
「っ……!」
言い当てられて、また顔が熱くなる。
「まだまだ他にもわかっちゃうメロンよぉ〜……レロレロレロレロ〜っ♡」
乳首をカリカリ引っかきながら、タンポンを舐め回す。
「汗じょっぱいおまんこ汁……毎日トレーニングを欠かさない証拠メロンね!」
「そんなの探偵なら当然でしょうッ……」
「でも、ちょっと寝不足メロン? しっかり寝なきゃ貧乳でも垂れちゃうメロンよ?」
「うるさいっ、くっ、胸を触らないで……!」
「じゅるる、おっ♡ 片想いで毎日まんこ濡れ濡れメロンね!? 処女のくせに生意気メロン♡」
「ち、違うッ! 私にそんな相手いないっ!」
「ボーイくんに負けてられませんよぉ♡ べろぉ〜〜〜〜♡」
「ちょっ!?」
何を考えているのか、人間である洗衣庭まで下着を舐め始める。
「むふぅ、このパンティの黄色いシミ……濃い味ですねぇ……♪ 3日は着替えていない……ああ〜張り込みのせいですか!」
「違う、違うったら……!」
当たってる。あれもこれも全部。
羞恥で思考が沸騰する。
「フフフ、ボーイくん、どうやらワタシたちにも探偵の才能があるみたいですよぉ♡」
「お姉さんを弟子にしてあげてもいいメロンよぉ〜♪」
探偵という神聖な職業まで、私を辱める道具にされている。
「殺してやるっ……!!」
こんな脅し、エレガントじゃないとわかってる。
でも言わずにはいられなかった。
私にできる最後の抵抗だったから。
「かかかかかかカッコいーメロ〜ン♡ ぐしょ濡れおまんこでどーやって殺すメロン!?」
「クリ豆も包皮の中でヒクヒクして待ちきれないご様子だ♪」
スケベ犯罪者。この街のゴミ。人間の最底辺。
(こんなヤツらに嗤われて何もできないなんてっ……!)
悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、悔しいっっ!!!
「さぁボーイくん! 殺される前に、本格的な洗脳改造を始めましょう!」
「洗脳改造……?」
新たな単語の登場に、思わず聞き返す。
「洗脳改造は洗脳改造メロン!」
「殺したいほど憎いスケベ犯罪者を愛するようになる……そんな改造ですよ、フヒィっ♡」
欲望にまみれたその笑みは、この世界の何よりも醜く思えた。
ep.3に続く------------------------------------------------
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