復活の女帝!デスエンプレスの逆襲!~この美乳と極上のスタイルを見るがいい…最強ピッチリアーマー金髪美女襲来!蹂躙されるヒーロー…からの逆転、激闘、アーマーブレイク!!そして…そんな、このわたくしが一人で逝くなんて…鎧と誇りを剥ぎ取られし女帝、柔肌の断末魔!
0.
雷撃戦隊シュートレンジャーが地球制服をも目論んだ女帝デスエンプレスを倒した後、宇宙秘密結社ゲルードの自滅は早かった。
シュートブルーが見越した通り、絶対的支配者であるデスエンプレスを失ったゲルードはたちまち内紛と分裂を繰り返し。瞬く間に崩壊したのである。
地球には平和が戻り、シュートレンジャーは小規模なゲルードの残党狩りをこなして三年が経ったていた……。
「ん~~っ、暇ねえ……っ」
閑散とした雷撃戦隊本部基地の司令室で。気だるげに椅子に座った制服姿のシュートピンクが背伸びする。
「最近はゲルード残党の動きもめっきり減ったものね」
戦隊用の携帯端末をいじりながら、クールなシュートイエローもあくびを噛み殺して応じる。
「あたしたちもそろそろお役御免かしら? ねえイエロー、元正義の味方を雇ってくれるところなんてあると思う?」
「ちょっと! 縁起でも無いこと言わないでよ」
「だって、結局レッドとグリーンの欠員もずっと補充されないし、雷撃戦隊の一般隊員も装備も予算も減るばっかじゃない。国も国連も、明らかにあたしたちを切り捨てにかかってるじゃない」
「それだけ平和になったってことだから、喜ぶべきことなんだろうけど……。ねえ、ブルーはどう思う?」
「…………」
イエローが水を向けるが、ブルーは難しい顔でキーボードを叩きながらモニタに向き合ったままだ。
「ブルー……?」
「平和……本当に、そうかな」
「どういうことよ……?」
ピンクが怪訝な顔を向ける。
「モニタを見てくれ。これはゲルード残党の活動を数値化しグラフにしたものだ。ここ一年ほどで急激に活動が落ちているだろ?」
ブルーが示すモニタには、ある時から急速な右肩下がりを描く折れ線グラフが示されている。
「結構なことじゃない。だから平和だってことでしょ?」
「俺は不自然に感じる。残党狩りの体制は特に強化されていない、それどころか縮小しているのに、どうしてこうも急減する? これはむしろ、奴らが表立った活動を控えた結果じゃないのか? 俺には地下に潜って何かを企んでいるように思えるんだ。もし奴らが力を蓄えているのだとすれば……この平和は、嵐の前の静けさなんじゃないか?」
「何かを企むって……何をよ? それに、いくら力を蓄えたところで、残党は残党でしかないわ。今更何が出来るっていうの? 残党以上のこと……例えば大規模な軍団や兵器を用意しているなら、いくら何でも私たちの目にとまるでしょう」
イエローが彼女らしく理論だって告げる。いくら平和ボケ気味の雷撃戦隊とはいえ、ゲルードとデスエプレスの脅威と恐怖を忘れた訳ではない。残党の大きな動きには、組織として常に目を光らせているのだ。
「それは……その通りだ……。実を言うと、残党の規模で世界をひっくり返すようなことが奴らに出来るとは、俺にも思えないんだ」
「だったら考えすぎね! あたしたちの地道な残党狩りが功を奏して、残党たちも悪いことから手を引いたってコトでいいんじゃない?」
「だと……いいんだがな……」
力を抜けと言わんばかりにポンっと肩を叩くピンクだったが、ブルーの眉間の皺が消えることはなかった。
そして数週間後、ブルーの懸念は現実のものとなる。
基地、研究所、武器庫といった各地の雷撃戦隊の重要拠点が次々と襲われ、完膚なきまでに破壊されていったのだ。襲撃者の徹底的な蹂躙は人員にまで及び、各拠点の雷撃戦隊の一般隊員たちは一人残らず皆殺しにされていた。
それはあたかも、電撃戦隊の隊員たちを順番に処刑していっているかのようであった……。
シュートレンジャーたちは雷撃戦隊本部基地の司令室で、二十箇所目の基地が壊滅したという報告を受けていた。
「ひどい……これはもう、壊滅というより殲滅ね……」
「いくらなんでも襲撃からわずか数十分で基地が壊滅するなどあり得ない! ……いや、そんな大規模な襲撃なら、どうしてもっと早く察知出来なかった! どんな敵であれ、時間があれば対策出来たはずだ! 一体、どういう敵なんだ!?」
ピンクは、モニタが映し出した焼け焦げた瓦礫と死体がうず高く積み重なっている基地の惨状に声を失くし、ブルーは声を荒げた。
「それが分かれば苦労しないわ! 襲われた拠点の隊員はみんな殺されてるし、防衛システムも滅茶苦茶にされてカメラ映像もほとんど残っていないんだから!」
「唯一の手がかりがあるとすれば……これね」
イエローが、ブルーとピンクを宥めるようにキーボードを叩くと、壊滅した基地の防衛システムから辛うじてサルベージされた音声ファイルが司令室のスピーカーから流れる。
『侵入者、見えました……! な……ッ? あ、あれは……? そんな、馬鹿な…………ええい、とにかく報告します! 敵は、敵は、たった一人のおん……ッ』
そこで、ブッ、と音声は唐突に途切れた。
「敵は一人……だって? 馬鹿な! 仮にも厳重警備の雷撃戦隊基地がたった一人の敵に壊滅させられるわけがない! そんなことはかつてのゲルードの宇宙魔獣でも無理だったんだぞ!!」
「そうよ! ゲルードの幹部クラスならともかく……」
ブルーとピンクが馬鹿馬鹿しい、とばかりに首を振る。
「……では、幹部の誰かが生きていたとしたら?」
「「…………ッ」」
リアリストのイエローの冷静な一言が、ブルーとピンクを凍り付かせた。
1.
雷撃戦隊本部基地が謎の敵の襲撃を受けたのは、それから数週間後のことであった。
「フン……ここに至るいくつもの基地も無人だった故、もしやと思うたが……まさか、この本部基地すらもぬけの殻とはな」
ビシュン! ビシュン! ビシュン! 単身基地内に乗り込んできた敵は、自動防衛システムが放つ無数のレーザーを、首や腰を軽く捻るだけでかわしながら、暗く無機質な通路を奥へ奥へとと進んでいた。
「地球の原始人どもはよほど命が惜しいと見える。だならば、基地は遠慮なく破壊させてもらうぞ。有象無象の原始人どもの命がいくら残ろうと、抵抗拠点を失くしてしまえば、我がネオ・ゲルードは戦わずして地球を手に入れられる故にな」
ビシュン! ビシュン! ビシュン! 気品が有りつつも、どこか傲慢な低い声を暗い通路に響かせつつ、暗闇の中、紙一重でかわされるレーザーの瞬きに部分的に照らし出される人影(シルエット)は、適度な大きさの形の良い胸とキュッと引き締まった腰、そして豊かなお尻というバランスの良い肢体(スタイル)がはっきり分かるピッタリとした衣装を纏ったプロポーション抜群の女なのそれであった。
「……そんなことはさせないわ!!」
「そうだ、お前はここで俺たちが倒すからな!!」
「当たれぇ――――ッ!!」
と、通路の奥の暗闇からピンク、ブルー、イエローの声が届くと同時に、極太レーザーの眩い閃光が迸り、通路を埋め尽くす。
「…………ッ!?」
ドォオォォォオオォオォォォォォォォォォォォォっ!!
驚く敵影がその姿を晒すことも出来ぬまま、一瞬で凄まじい光に飲み込まれて白く消失していき、周りの通路の壁、床、天井もあっという間に溶け崩れていく。
「や……やったの!? 標的(てき)は、標的は斃せた!?」
「斃せていなくては困る。研究室の奥で眠っていたギャラクティック・キャノンの最大強化型……核融合砲(Fリアクターキャノン)の試作品を無理矢理撃ったんだからな」
通路に灯りが点ると、シュウウゥゥゥゥ……っ。と白煙を上げる直径二メートル、長さは十メートルはある据え置き型の巨大砲塔の傍らに強化スーツを纏ったピンクとブルーが立っている。
「やっぱり超小型核融合炉の調整が完全じゃなかったみたいね。一次隔壁が融解しちゃってる。砲身もお釈迦だわ。もうこいつは撃てないわね……」
同じく強化スーツ姿のイエローが、先端から数メートルが花が開くように裂けた砲身と、砲身後部に直結しているコンテナほどもある超小型核融合炉のコンソールで炉心がシャットダウン状態にあることを示す赤ランプがいくつも点滅しているのを見比べてため息をつく。
「しかし、ゲルード壊滅後にこんな兵器は過剰すぎると開発中止になっただけはある。未調整でこの威力とはな……」
ブルーは、極太レーザーに壁や床がゴッソリと削り取られ、蒸発した構造物のもうもうたる白煙が立ち込める巨大トンネルのようになってしまった通路を半ば呆れたように眺めた。
「まあまあ、それで謎の強敵を一瞬で消し飛ばせたんだから、実験用核融合炉の建設費も入れたら数千兆円もかかった開発費が無駄にならなくてよかったじゃない!」
「そうだな。けど、こいつがブチ壊した基地の修理費のおかげで、あの場所ばかり取ってる実験炉の解体がまた遅れるかもな……」
はしゃぐピンクの姿に、予想以上に強力だった試作兵器で強敵を打ち倒したことをようやく実感したブルーが冗談を口にした、その時だった。
「……なるほど。惜しみなく最大戦力をぶつけてくる思いきりの良さは変わらぬな、シュートブルー」
「え……ッ」
巨大トンネルのようになった通路に立ち込める白煙の向こうから届いた声にピンクが戸惑った。
「な……ッ、あれを食らってまだ生きているというのか!?」
「みんな、油断しないで!」
ブルーが愕然とし、イエローは隙なく身構えて、もうもうたる白煙に目を凝らす。
「フン、その声は、この私の高貴な手足を拘束したシュートイエローか……。シュートピンクも健在のようで嬉しいぞ」
やがて濃厚な白煙に長い髪を靡かせ、すらりとしながらも胸や腰は豊かな外国人モデルのような見事なスタイルの女の影が浮かび上がり、ほどなくその姿が明らかになる。
「そうでなければ、あの時貴様らに辱められた我が復讐も意味を成さぬからな……」
現れたのは、身体にピッタリと寄り添い、その見事な肉体のラインがクッキリと浮き出る黄金に光り輝くサイバーな鎧を全身に纏った女であった。パーツの継ぎ目であるのか、随所にアクセントとなる黒いラインがスタイリッシュに刻まれ、喉元から手足の先までを隈なく覆う黄金の鎧はよほど薄いのか、大きさこそ普通サイズだがお椀型の形の良い胸、キュッと引き締まった腰、腰からお尻にかけての女性らしく豊かなラインといった、抜群のプロポーションが余すことなく浮き彫りになっており、露出がほぼ皆無であるにも関わらず悩ましい肉体の曲線が惜しげもなく晒されたその姿は扇情的であった。
その顔は、同く黄金色のワルキューレが被るような優美な装飾が施された兜に上半分が覆われ、目元は光を反射するバイザーに隠されてその相貌は定かではない。だが、バイザーから伸びるスッと通った鼻筋、ルージュを引いた小さな唇、形の良い尖った顎は相当な美形を思わせる。兜の下からは長く豊かなブロンドヘアが溢れるように伸び、毛先に向けて緩くウェーブしているのが大人の魅力を醸し出していた。
「久しいな、シュートレンジャーども。……どうした、呆けた顔をして? この私の美しい姿に見惚れたか?」
黄金色のアーマーに身を包んだ襲撃者は、男なら誰でも欲情し、女ならば羨望か嫉妬を抱く豊かで芸術的なボディラインを見せつけるように、片手を腰に当て、片足を爪先立ちにして、見事なプロポーションを自慢げにいっそう引き立ててみせる。
だがもちろん、シュートレンジャーは呆けていたわけでも、女の美しい肢体(プロポーション)に見惚れていたわけでもない。
「そ……その声、は…………」
冷静沈着なイエローすら絶句した。そう、この声、忘れるはずがない。
「そんな……信じられないわ……よりによって貴女が生きていたなんて……貴女……貴女は…………」
ピンクが自らを抱き、ぶるりと身を震わせた。かつてシュートグリーンを一撃の元に葬り、その後、たった一人でシュートレンジャーをあわや全滅まで追い込んだあの恐怖は、この身に刻みこまれている。
「……デス……エンプレス……」
黄金を纏う女を戦慄の眼差しで見つめて、ブルーが諦めるようにその名を口にする。
「フ……そうだ。覚えていてくれて嬉しいぞ、シュートレンジャー」
シュパッ、と女の目元を隠していたバイザーが上がる。緩くソバージュしたワンレンの前髪に切れ長の瞳の片方を隠して妖艶に笑う美女は、ゲルードの首領、デスエンプレスその人であった。
「ど、どうして……っ、どうしてよ……ッ! 貴女、女帝のエキスを失って死んだはずでしょ! どうして、どうして生きているのよ……ッ!?」
「よくぞ聞いてくれたのう……」
半ば悲鳴のようなピンクの問いに、デスエンプレスは、瞳を伏せて己が体を見下ろすと、その肉体を愛おしむように、肌にピッタリとくっついている薄い黄金色のアーマーに浮かび上がる形の良い乳房の先端からお腹へと、つ……っと、細い指でなぞってみせた。
「あの時、最後の最後……燃え盛る魔宮デスパレスの中で、私は子宮を炎に貫かれた……。最後のエキスが蒸発し、さしもの私も死ぬものと思った……。だが、貴様らに搾り尽くされたとばかり思っていた我が豊満なる胸には、まだエキスが残っていたのだ。生命の源となる女帝のエキスがな……。一万年の間、星々の命を糧に我が胸に貯めてきたエキスは、私が思いも寄らぬほどに膨大だったらしい。その力で、私は我が身を焼く業火から自分を守ることが出来た。もっとも、大量にエキスを使ったお陰で、我が胸は随分と小さくなってしまったが……」
デスエンプレスはかつての豊乳から、普通サイズ、それでも十分に魅力的な大きさで形も極上の美乳を黄金のアーマーの上から労わるように撫でた。
「かくて生き延びた私は、傷んだ肉体を癒し、少しずつ力を蓄えてきた。そして一年ほど前、十分に回復した私は残党を結集してネオ・ゲルードを組織し、地球征服と貴様らへの復讐に向けて動き始めたというわけだ」
「そうか……それで最近残党の動きが鈍っていたのか……。まさか、残党以上の敵組織に再統合されていたとはな……」
ブルーが納得したように頷いた後、きっ、とデスエンプレスを睨みつける。
「……だが、真相が分かったところで俺たちのやることは変わらない。デスエンプレス、お前をもう一度倒すまでだ!!」
「フ……。そう上手くいくかな?」
「作戦はあるの、ブルー?」
余裕の笑みを浮かべるデスエンプレスを遠目に映してピンクが小声で問う。
「ああ、簡単なことだ。奴は生きのびていた。つまり、一度死んで別の存在として生まれ変わったわけではない。ということは、見た目に多少の変化はっても、その本質は変わっていないということだ」
「つまり……どういうこと?」
イエローがブルーに顔を寄せる。
「シンプルに三年前の延長線上の奴だとすれば、弱点も変わってないということさ。奴の弱点は女帝のエキスが集中する両胸と子宮、もう一度そこを攻める」
「もう一度って……あいつだって馬鹿じゃないわ。胸と子宮が狙われるのは見越してるんじゃない?」
「だろうな。しかしどのみち俺達にはそれしかない。俺達のの知恵とコンビネーションでカバーするんだ、いいな?」
「はぁ……やるしかない、ってことね」
「OK。また、私たちの力を見せてやるまでよ」
ピンクとイエローが静かに闘志を滾らせてデスエンプレスを睨みつける。
「……作戦は決まったか?」
デスエンプレスは抜群のプロポーションを見せつけるように形の良い胸の前であざ笑うように腕を組む。
「行くぞ!!」
「「オッケイ!!」」
瞬間、ブルー、ピンク、イエローはそれぞれの色の光の流星となった。
「ムッ!?」
デスエンプレスが三条の光に目を細める。
「ぐ……ッ! ぬぅ……ッ!?」
バキィ! バキィン!! 次の瞬間、とっさに両腕をクロスさせて顔をガードしたデスエンプレスの黄金の鎧に包まれた全身が、あらゆる方向から突進してくる三色の光に攻撃を受けていた。
シュートレンジャーは文字通り光の速さで動き、巨大なトンネルのようになった通路の壁、床、天井を乱反射するようにして、デスエンプレスに四方八方から襲い掛かっていたのだ。
「どう、驚いた!? 雷撃戦隊が平和ボケしてても、あたしたちはこの三年間で進化したのよ! 人も予算も増えないなら一点集中、量より質で自分に投資してね!!」
「これがアップデートを重ねた強化スーツと、改良の度に加速度的に増える強烈な負荷に耐え得るよう自分自身の肉体を極限まで鍛え上げた私たちが手にした新たな力……」
「……光速の90%の速さで移動し攻撃をしかける、雷撃(ブリッツ)フォーメーションだ!!」
ピンク、イエロー、ブルーの三色の光となってデスエンプレスに波状攻撃をしかけながら、三人の誇らしげな声があらゆる方位からデスエンプレスの耳に届く。
「どうだ、かわすことも反撃することも出来まいッ」
「そのスペースチタニウムの鎧がいつまで保つかしらね!?」
「何も出来ずに死んでもらうわ!」
三人は専用剣・シュートブレードを手に、床に釘付けになっているデスエンプレスへと様々な方向から突進する。レーザーの引き金を引いてから発射までのタイムラグを考えれば、レーザー弾を放つシュートブラスターよりも自ら手にした剣で斬りかかる方が速いのだ。
しかし三人は気づいていなかった。
「光速の90%……なるほど、この程度か」
ガィン! ギィン! 三色の光に打たれながら、クロスガードの陰で、デスエンプレスの艶やかな紅い唇が邪悪に歪んでいたことに。
「な……ッ」
ヒュカ……ッ。不意に青き光と化したブルーのシュートブレードが空を切った。
「……遅い」
「ッ!? ぐわぁッ!!」
バキィッ!! 一瞬で後ろに回り込んだデスエンプレスの黄金の手刀がブルーのうなじに食い込んだ。
「ブルーっ!?」
「馬鹿な……っ、私たちより速いというの!? ええぃッ、そんなことが……ッ!!」
ピンクがやけにゆっくりと崩れ落ちるブルーに愕然とし、イエローが認めないと言わんばかりに黄色の光となって襲い掛かる。
「くすんだ黄が、光り輝く黄金に勝てるとでも思っているのか?」
ドゴォ!!
「お、おご……っ」
クールなイエローからは想像もつかない潰れたような呻きが漏れる。シュートブレードを紙一重でかわしたデスエンプレスがカウンターで強烈なボディーブローをイエローのお腹に叩き込んだのだ。イエローの手から空を切ったシュートブレードが滑り落ちる。メリメリと強化服が悲鳴を上げ、イエローの細い身体がくの字に折れてズブズブと十センチも黄金の拳がめり込んでいく。
「あ、あが……っ」
「……教えてやろう。我が力の秘密はこの美しいプロポーションにある」
デスエンプレスはイエローの腹に拳をいっそうねじ込みつつ悶えるイエローを見下ろし、黄金のアーマーに覆われた適度な大きさで形の良い乳房と細い腰、そして張り(ボリューム)のあるお尻を妖艶にくねらせてみせる。
「私は豊かな胸を失う代わりに、女として最も美しくバランスの取れた肉体を手に入れたのだ。この高効率の肉体でエキスを燃焼させれば、私は光速の97%で動くことが出来る。お前たちが同じ方向性で自身を強化していたのには少しだけ驚いたが……私の方が上だったな」
「自慢話が長いわよ! 続きは地獄でやることね!!」
嘲笑するデスエンプレスの後ろに回り込んだピンクが、死角からシュートブレードを振り下ろす。結果としてイエローを囮に使う、ピンクが時として見せる非情な一面が現れた渾身の不意打ちであった。
「フン……!」
「きゃぁッ!?」
ガィン! しかしデスエンプレスはグリグリとイエローのどてっ腹に拳をめり込ませたまま、振り返りもせず体を半回転させ、裏拳でピンクのシュートブレードを弾き飛ばしてみせた。
「そして……ッ!」
更には、女神のような肢体(プロポーション)を見せつけるように体を捻ると、曲げた黄金の肘をピンクの横面に叩きつけた。
バキィッ!!
「あぎ……ッ!?」
ビシィッ!! 強烈な一撃にピンクのマスクのバイザーが割れ、痛みに歪むピンクの片目が覗いた。
「シュートピンク……三年前と同じで、見えずともお前の攻撃は読みやすい……」
「……そうかしらッ!?」
「ムッ!?」
勝ち誇るデスエンプレスが顔面に叩き込んだ肘、その腕をピンクは両腕で抱えるようにした。
「す……数年前と同じなのは……貴女も……同じ……ね…………」
イエローもまた、こみ上げる吐き気を堪えながらデスエンプレスの片腕を取った。
「イエロー……ッ、お前も最初からこれを狙っていたのか……ッ!」
「フフ……腹筋が裂けた私でもお前の腕を抑えられる……。やはり……肉体そのものの力は……数年前よりもっと弱くなってるようだな……。ブルーの……読み通り……。そして……間近で聞かせてもらったお前の自慢話で確信した……。その萎んだ胸は……お前の力の源である女帝のエキスの絶対量の減少を意味する……。パワーは確実に落ちている……スピードに特化したのは……その弱点をカバーするため……。しかし……一度捕まえれば……」
「そう、一度捕まえれば、もう振りほどくほどのパワーすらないってコト! 三年前以上に……ねッ!!」
バッ! ピンクとイエローにガッチリと絡め取られたデスエンプレスの両腕が左右にグン、と伸ばされ、三年前の再現劇のように、今は黄金色のアーマーに包まれたツンと尖った二つの美乳が無防備なままに晒される。
「そして、トドメは…………三年前と同じ、コイツだぁあぁぁぁぁぁぁッ!!」
「……ッ」
地球が誇る宇宙の何よりも硬い物質・オリハルコン製の巨大な手甲――三年前にデスエンプレスを自滅に追い込んだグリーンアイアンナックルを装着したブルーが、十字架にかけられたように両腕を広げさせられたデスエンプレスに巨大な拳を振りかぶる。
「再びそのスペースチタニウムの鎧を砕いて、幾千幾万の星の命を犠牲にしてその胸に溜め込んだ女帝のエキスを今度こそ残らず絞り尽くしてくれる! 喰らえぇぇぇぇ――――――ッ!!」
ドゴォオォォォォンンッッ!!
巨大なる緑の拳がデスエンプレスの黄金の美乳に叩きつけられ、すさまじい轟音と烈風が巻き上がる。
ブルーが拳を叩きつけたまま、世界が静止したような時間が過ぎていく。
やがて――パキィ……ン、と、何かが砕け散る高い音が儚げに響いた。
「ば……馬鹿な……ッ」
ブルーがマスクのバイザーの下で目を剥いた。グリーンアイアンナックルの巨大な拳が、ビシビシとひび割れ、そしてボロボロといくつもの欠片となって砕けていったのだ。
緑の巨大な拳が鉄屑となって崩れ落ち、ブルーの小さな拳へと変わったとき、その向こうから明らかになったデスエンプレスの黄金の美乳には、かすり傷一つ付いてはいなかった。
「そんな……宇宙で最も硬いオリハルコンの拳が……ッ、そんなっ、どうして……ッ!」
三年前、デスエンプレスの胸のアーマーを砕いた拳の敗北に、ピンクが金切り声を上げた。
「フ……フフ……ククク…………アーハッハッハッハッハッハッハッ!!」
デスエンプレスが俯いて肩を震わせ、遂にはおかしくてたまらないといった様子で天を仰いで哄笑する。
「な、何がおかしい……ッ、でやぁッ!!」
バキィイン……ッ!! 激高したブルーが残る片腕のグリーンアイアンナックルをデスエンプレスの胸に叩き込むが、こちらも脆いガラスのように大小の欠片となってバラバラに砕け散ってしまう。
「グリーンアイアンナックルが……宇宙最強最硬のオリハルコンが……どうして……どうして……」
ブルーが裸になった両の拳を、信じられない、という風で呆然と眺める。
「簡単なことだ。この新しき鎧は三年前にお前たちに砕かれたスペースチタニウム製では、ない」
「な、なに……ッ?」
「じ、じゃあ、何で出来ているっていうのよ……っ!?」
「……それに答える前に、その汚い手をのけてもらおうか、下種(ゲス)女ども」
「あ、熱……ッ!?」
「く……ッ!」
黄金のアーマーが凄まじい熱を帯び、ピンクとイエローがデスエンプレスの腕を手放してしまう。
「フ……」
バキィッ! ドゴォッ!!
「きゃあぁッ!?」「あぁぁァッ!!」
間髪入れず、蒼白いエネルギーを纏った黄金の拳がピンクとイエローのマスクに叩きつけられ、二人が引き千切られるように大きく吹っ飛んだ。
「ピンク! イエロー!!」
「よそ見をしている余裕があるのか?」
「……ッ!?」
ブルーが二人を眼差しで追った隙に、デスエンプレスのすらりと長い脚が鞭のようにしなり、蒼白い炎のようなエネルギーの尾を引きながら脇腹に叩きつけられる。
ドゴォッ!!
「ぐあぁぁッ!?」
バギィッ!! 弾丸のように吹き飛ばされたブルーが溶け崩れた通路の壁に叩きつけられ、砕けた壁に半ば身体が埋まってしまう。
「私のパワーが落ちていると言うたな……その通り。だからこそ、我が女帝のエキスから変換した超高密度エネルギーを注ぎ込んでも耐えるこの鎧を纏い、エネルギーそのものを破壊力としたのだ」
「馬鹿……な……そんな薄い鎧のどこにそんなポテンシャルがあると……いうんだ……そ……その鎧は……その鎧は……一体…………?」
「ブルー!」「大丈夫!?」
ガラ……。壁から剥がれ落ちるブルーを駆け寄ったピンクとブルーが左右から支えた。
「……やっと、少しは落ち着いて話せそうだな」
デスエンプレスがバイザーをシュッと上げ、ソバージュしたワンレンの前髪で片方が隠れている青く妖艶な切れ長の瞳を静かに細めた。
「では教えてやろう。この鎧は、半ばお前たちの仲間が与えてくれたものだ。そう……シュートグリーンがな」
「グリーンが……? どういうことよ……?」
「そうか……三年前にデスパレスに置き去りにしたグリーンの遺体と強化スーツ……。彼の強化スーツにはグリーンアイアンナックルとの接続を最適化するため、オリハルコンの構造データがインプットされていた……」
「流石はイエロー、察しが良いな。その通りだ。お前たち地球人より遥かに進んでいるゲルードの科学力を以てすれば、構造データから現実にオリハルコンを生成することなど造作もないことよ」
「し……しかし……同じオリハルコンなら……どうして……どうして一方的にアイアンナックルが……」
ブルーが息も絶え絶えに問う。
「フ……。三年前お前は、地球の古代文明が数千年かけて鍛え上げたのがオリハルコンと言ったな。だがゲルードの歴史は一万年……その間に磨き上げた科学力を持ってすれば、オリハルコンのポテンシャルを遥かに超える、この”スペースオリハルコン”を三年で創り上げることも可能なのさ!」
「す、スペースオリハルコン……っ」
「そうだ! 我が女帝のエキスの超高密度エネルギーを注ぎ込んでも耐えるオリハルコンを遥かに超える強度、それでいてエネルギーを最大効率でパワーへと換えるこの軽さ、そして何より、宇宙で最も美しい我がプロポーションを損なわぬこの薄さよ! さあ、刮目するがよい!!」
デスエンプレスは抜群のスタイルを誇る肉体、その女性らしく悩ましげなボディラインを全く損なうことなく描き出す黄金の鎧(スペースオリハルコンアーマー)を見せつけるように美乳を張り付かせた胸を聳やかして両腕を広げた。その誇らしげな姿はまさしく、天に愛された美いしき黄金の戦女神であった。
「見るがいい、この美しさを……最強にして最美……フフフ……これこそ女帝の真なる鎧に相応しい……」
デスエンプレスは軽く顎を上げて陶酔したように天を仰いだ。
「あ……あんな薄いのに、オリハルコンより硬いなんて…………」
「薄くて軽量……あの鎧も、私たちを超えるあいつのスピードを構成する要素の一つなのね……」
「チートにもほどがあるな……」
ピンク、イエロー、ブルーが呻く。
「さあ、復讐の時間だシュートレンジャー……宇宙で最も強く、最も美しい女帝の裁きを受けよ!!」
恍惚を浮かべていたデスエンプレスが一転、寒気を覚えるほど残酷な眼差しで三人を見下した。
かくて、最強最美の女帝の蹂躙が始まった。
2.
ドゴォォッ!!
「うあああああああぁツ!!」
凄まじい爆音と共に巨大トンネルと化した通路いっぱいに舞い上がった爆煙が薄れていくと、ボロボロの姿のシュートレンジャー三人の姿が現れる。
「うう……」
「まさに成す術なし、か……この強く美しい私を前にすれば防戦一方も当然だが。もっとも、いくら守ったところで、もうすぐお前たちの命は尽きるが……な」
蹲る三人の前に、ゆるくウェーブした光り輝くようなブロンドヘアを優雅に靡かせて、バイザーで目元を隠したデスエンプレスが、クイッ、クイッ、と黄金の鎧に包まれた引き締まった腰と張りのああるお尻を左右に大きく揺らす煽情的なモデル歩きでゆっくりと近づいてくる。
「はぁ……っ、はぁ……。ど……どう? い……いい手は思いついた……ブルー……?」
「はァ……っ、あいつの言う通り……守りに徹してるけど……もう長くは保たないわ……よ」
ピンクとイエローが大きく肩で息を吐きながら、後ろに居るブルーを振り返る。二人の強化スーツは至る所が破れてバチバチと火花を上げ、マスクも砕けて血がにじむ目元や口元が覗いていた。
「すまんな、二人とも……」
いずれも満身創痍の三人だが、そう応えるブルーはピンクとイエローよりも明らかにダメージは少ない。
「謝らなくていいわよ……。はァ……っ、どのみち、あたしたちは、あんたの頭脳に期待するしかないんだから……」
「はぁ……ッ、ブルーが考える時間は、稼ぐだけ稼いだつもりよ…………。それで……どうなの…………? 策は…………あるの?」
「まだ推測に過ぎんが、分析は出来た。いくらゲルードの超科学力の結晶たるスペースオリハルコンとはいえ、あの女ご自慢のプロポーションを損なわないほどの薄さで、あの強度を実現させるには、からくりが必要だ。恐らく、攻撃と同じ要領で、女帝のエキスのエネルギーをスペースオリハルコンに供給し続けることで強度を維持しているのだろう。だから、エネルギー供給そのものを断つか、あるいは強度を維持している単位時間当たりのエネルギー供給を超えるダメージを与え続ければ……勝機はある」
「エネルギーの供給源は、女帝のエキスが蓄積されている、あの黄金の鎧の向こうのおっぱいと子宮よね……狙うのは難しいわ」
ピンクがゆっくりと歩み寄るデスエンプレスの黄金の鎧に包まれた美乳と黒のラインでハイレグ状に切り取られている股間を交互に見つめて唇を噛む。
「そうなれば、継続的に大きなダメージを与え続けるしかない……でもあのスピードよ。一発当てることすら出来ないのに、一体どうすれば……」
イエローが呻く。攻略法が見えてはきたが、その実現は限りなく不可能のように思えた。
「あきらめるんじゃない! あの薄さでは、鎧自体に大量のエネルギーを蓄積することは出来ないはずだ。だとすれば、攻撃の持続時間は短くて済む、恐らく数十秒で十分だ。それだけの間でもエネルギーの許容量を超える大ダメージ……そう、巨大な破壊エネルギーを叩きつけることが出来れば、あの鎧は砕けるはずなんだ!」
「でも、巨大な破壊エネルギーって、そんなものが一体どこにあるの? この基地で最高の出力(パワー)を持つ核融合砲(Fリアクターキャノン)はあの通り、もう壊れちゃってるのよ!?」
ピンクは、砲身は壊れ、莫大なエネルギーを生む超小型核融合炉も停止状態となり、巨大なガラクタと化した核融合砲が、デスエンプレスによって破壊された通路の瓦礫の山に埋もれているのを悔しそうに指差す。
「他に何かないか……この基地で……この基地で最高の……核融合砲の他に、同じかそれ以上の出力を持った……。…………そうか、あっるぞ! ピンク、イエロー、よく聞いてくれ…………!」
けれどブルーは、ピンクの言葉から何かを思い付き、声を弾ませて二人に耳打ちした。
「…………最期の挨拶は終わったか?」
その三人にこれ見よがしにゆっくり優雅に歩み寄っていたデスエンプレスが嘲笑するように告げると、シュッとバイザーを下ろす。ソバージュしたブロンドのワンレンの前髪から片目だけを覗かせていた目元が再び隠れると、黄金のアーマーに蒼白いエネルギーが溢れていく。
「く……ッ、逃げるぞ!!」
臨戦態勢を取るデスエンプレスを前にして、シュートレンジャー三人は踵を返すと、基地の奥に向けて一目散に駆けていく。
「この期に及んで逃げるだけとは……いっそ哀れよな。しかし、この強く、美しい私を相手にしては、それも無理からぬことか……」
デスエンプレスはため息のように呟くと、シュートレンジャーの後を追った。
3.
「うぅ……」
数十分の後、強化スーツをズタズタに引き裂かれたイエローは、割れたバイザーから血の糸が何本も垂れる目元が露わになっているマスクをデスエンプレスの片手に鷲掴みにされ、ズリズリと引きずられていた。
「追いかけっこもそろそろ終わりだな……ハッ!」
デスエンプレスが残る腕を軽く振ると、巨大なかまいたちのごときエネルギー波が放たれ、十数メートル先で懸命に逃げるピンクの足元が大きく爆ぜた。
ドゴオォオォォオン!!
「きゃぁァっ!?」
強化スーツの至るところが破れ、血がにじむ柔肌が露わになっているピンクが床の欠片と共に吹っ飛び、瓦礫だらけの床に叩きつけられる。
「……ピンク!!」
「と、止まってはダメよ、ブルー! 貴方だけでも、貴方だけでも逃げのびて……ッ」
「すまない……っ」
ズン……! ブルーがピンクに詫びながら基地の奥にポッカリと暗い口を開けていた地獄の門のごとき巨大な入口に駆けこむと、上から分厚い隔壁が降りてきてその入口を塞いでしまう。
「女二人を見捨てて自分だけシェルターに逃げ込むとは、情(つれ)ない男よな。そこで、援軍が来るのを待つつもりか?」
ドサ……ッ。倒れ伏すピンクの元に歩み寄ったデスエンプレスが、ピンクの傍らにイエローの身体をゴミのように投げ捨てる。
「だ……大丈夫、イエロー……?」
「し……死んでは、いない…………」
ピンクもイエローも身じろぎするのがやっとである。デスエンプレスの追撃を受け続けた二人は既に虫の息だ。
「しばらくそこで休んでいるがいい。お前たちを見捨てたあの男を目の前で引き裂いてやった後、心置きなく死なせてやろうほどに…………フン!!」
デスエンプレスは、ブルーがその向こうに消えた隔壁の前に立つと、高々と掲げた手刀を鋭く振り下ろす。
バガアァァン!!
さして力を入れたように主見えないその一閃で、数メートルもの厚みがある隔壁がバラバラになって砕け散る。
「なんて……力……」
「な……なんなのよ……こいつ……」
腰まで届く緩くウェーブした金髪を優雅に揺らし、その下から覗くキュッと引き締まりつつも肉感的なお尻を煽情的に左右に振りながら、分厚い隔壁の残骸を悠然と踏み越えていくデスエンプレスの後ろ姿を目にして、イエローとピンクは奥歯を噛み締める。
「もう脱げ場はないぞ! どこに居る、シュートブルー!!」
デスエンプレスが入った部屋は真っ暗であった。幾重にも反響する声で、広い空間であることだけは分かる。
『……ここだ!』」
応えるブルーの声は、スピーカーを通してのものだった。同時にスポットライトのような眩い光が溢れ、部屋の様子が明らかになる。
「こ、ここは……ッ!?」
その部屋は異様であった。体育館のような広い空間を、直径数メートルもある巨大な蛇のような鈍色の金属チューブがいくつもうねり、絡みあって埋め尽くしている。まるで機械でできた巨人の内臓に迷い込んでしまったかのような空間であった。
『……一次隔壁閉鎖!!』
ガォン!!
「…………ッ!」
ズン……! 戸惑うデスエンプレスの背後、自らが砕いた隔壁を内から覆い隠すように、もう一つの隔壁が降りてくる。今度の隔壁は薄青く光り、電磁的なシールド処理が施されているのが分かる。
「こ、ここは……っ、いや、これは……この、”施設”は……ッ!!」
『流石は一万年の歴史を誇るゲルードの女帝だな。お前たちにとっては数千年前の科学施設のことが分かるか。そう、お前が今居るのは核融合砲(Fリアクターキャノン)開発のために使われていた実験用核融合炉の中だ!!』
「く……ッ」
『逃がすものか! 核融合反応開始!!』
ヴ、ヴ、ヴ、ヴ、ヴ……! うねり絡み合う巨大な鋼鉄のチューブたちが、青いプラズマを纏って地鳴りのように鳴動する。核反応を促す超強力な磁場が形成され、この基地で、いや、地球上で最大のエネルギーを生み出す核融合反応が始まる。
「う……ッ? うぁあぁぁぁぁぁぁ…………ッ!?」
バリバリバリバリバリィッ!! 生み出された莫大なエネルギーが黄金の鎧に包まれたデスエンプレスに無数の蛇のように絡みついた。
『核融合の別名は地上の太陽! 太陽と同じ5778K(ケルビン)のエネルギーの奔流に耐えられるか、デスエンプレス!!』
「こ、小癪な……ッ、こ、こんなっ、こんな原始的な機械でこの私が……ッ、うぉおおぉぉおぉぉぉッ!!」
デスエンプレスは黄金のアーマーの全身にバリバリとプラズマを弾けさながら踵を返すと、退路を塞ぐ一次隔壁に拳を叩きつける。生身の肉体であれば、コンマ一秒とかからず蒸発するエネルギーを叩きつけられてなおも動けるのは、スペースオリハルコンの超絶防御力の賜物であった。
しかしブルーの狙い通り、核融合炉が生み出すエネルギーは、デスエンプレス自身がスペースオリハルコンに注ぎ込むエネルギーを超えていた。スペースオリハルコンを支えるエネルギー以上のエネルギーに圧され。デスエンプレスの黄金の鎧にビシビシとひび割れが走り始める。
「ひ……ッ」
顔の上半分を隠す優美な兜から覗く深紅の唇がわななき、白く小さな歯が怯えて食い縛られる。目元を隠すバイザーの下でデスエンプレスの美貌が初めて恐怖に引き攣った。
「こ、この私が、このデスエンプレスこんなところで……っ、く、砕けろ……っ、砕けなさい……ッ、うぁあぁああっぁぁぁぁぁぁっぁッ!!」
バギィ! ドゴォッ!! ベキィッ!!!
デスエンプレスはプラズマがバチバチと弾ける長い金髪を振り乱し、女帝の威厳も振り捨ててなりふり構わず一次隔壁を連続で殴りつけた。核融合の巨大エネルギーを封じ込めるため、物理的にも電磁的にも地上最高の強度を誇る一次隔壁がたちまちへこみ、デスエンプレスの拳を中心に放射状に亀裂が広がっていく。
「なんて奴だ、あの超高圧エネルギーの中で動けるのか……! だが数十秒でいい! 一次隔壁よ、あと数十秒だけ保ってくれ……っ」
ズン、ズン……ッ! デスエンプレスの断末魔のごとき振動を感じながら、核融合炉のコントロールルームの計器でデスエンプレスの動きをモニターしていたブルーが呻き、そして祈るように呟く。
「あ、あぁ……ッ、あ、熱い……っ? か、身体がッ、身体が熱を感じ始めて……ッ!?」
スペースオリハルコンの防御力が失われつつあり、薄い鎧越しに強大なエネルギーの存在を文字通り肌で感じ始めたデスエンプレスが声を裏返らせる。三年前、デスパレスの大爆発に全身を焼かれたトラウマがよみがえったのか、デスエンプレスは泣き叫び、狂ったように一次隔壁を殴り始める。
「い、いや……っ、あ、あの時のように、あの時のようにまたこの美しい肉体が焼かれるのはいやぁぁぁぁぁぁァァァッ!!」
ぷし……ッ、ぷしゃああぁぁぁ…………じゅううううぅぅぅ……………………。
涙を散らして狂乱のまま拳を振るい続けるデスエンプレスの黄金の鎧の股間に走ったひび割れから、恐怖のあまり失禁した小水が漏れ出し、超高圧エネルギーに触れた瞬間に蒸発していく。
「い、いやッ、いやッ、いやあっぁぁぁぁッ、は、早く、早く砕けて……ッ、は、早く、早くッ、早くぅ……ッ」
バリバリバリバリババリバリバリ! 加速度的に激しさを増していくプラズマの網に全身を捕らわれたエンプレスが拳を叩きつける度に、一次隔壁と、その身を守る黄金の鎧とが共鳴するようにいっそう大きくひび割れ、深く軋み、そして崩れていく。
やがて――。
「早く砕け…………でェッッ!!??」
ドゴォオォオォォォォォオオオォォォォッォォォォォォォォォォォンッ!!
デスエンプレスの全身は、一次隔壁に叩きつけた左の拳の先から生じた凄まじい爆発に飲み込まれ、消えていった。
4.
「こ、今度こそ……やっ、た……?」
「どう……かしら……」
核融合炉の外、互いに支えあって立ち上がったピンクとイエローが、大爆発を起こし爆煙に包まれている一次隔壁の向こうに目を凝らす。
「油断するな、ピンク、イエロー。核融合炉の中で生き延びようとするあいつの執念は凄まじかった。これで終わりとは思えない……」
核融合炉のコントロールルームから抜け出してきたブルーが二人の前に立つ。
「シュート……レン、ジャー……ッ!」
ブルーの言葉通り、ほどなくデスエンプレスの苦しげな声が三人の元に届いた。
「やっぱり、こうなるのね……っ」
ピンクの声を合図に、三人は爆煙に包まれた一次隔壁に油断なく向き直る。
「う……ッ、くぅ…………ッ」
三人の張り詰めた視線の先、もうもうたる爆煙の中から、デスエンプレスがだらりと下がった左腕を押さえ、足を絡ませながらフラフラと姿を現した。
「見て、ブルー! あいつ、鎧が!!」
ピンクが快哉を上げる。デスエンプレスの黄金の鎧は、その大半が砕けていた。兜は左半分が失われて煤けたブロンドが露わになり、バイザーも割れて前髪から覗く苦しげに歪んだ片目と眉間にたらりと一筋流れる血の糸が見えている。
力なく垂れる左腕は、一次隔壁と相打ちになって爆発の直撃を受けたのだろう、黄金の鎧が指の先から肩口まで失われ、デスエンプレスの白く艶めかしい細腕が傷だらけで剥き出しになっていた。
両足の鎧も剥がれ落ちるように砕けていて、片足は肉感的な太腿が腰骨のあたりまで露わになってセクシーなワンレグのようになり、辛うじて鎧が張り付いているところも、ビシビシにひび割れ、いたるところで肉感的な白い柔肌が覗いていた。
そして何より目を引くのは――。
「しかも、弱点の一つの胸が露出しているわ……!」
イエローが興奮を隠しきれない様子で叫ぶ。
そう、黄金の鎧の胴体部分(ボディ)は、爆発に近かった左半身を中心に砕け散り、息も絶え絶えに蠢く白いお腹や艶やかなお臍が覗き――右胸は下乳を晒しながらもボロボロの鎧が何とか張り付いているのに対して、左胸は形の良い白い乳房が、ピンクの絶妙な大きさの乳輪に囲まれた乳首を露わにして剝き出しになっていた。
「勝機…………だな!!」
ブルーは、弱点にも関わらず、その存在を強烈に主張するかのように、ぷるん、という音が聞こえてきそうなほど前に張り出しているデスエンプレスの見事な美乳をバイザーに映して笑みを浮かべる。
「今こそ決戦の時だ! 行くぞ、ピンク、イエロー!!」
「「オッケイ!」」
ブルー、ピンク、イエローがシュートブレードを構えてデスエンプレスへと突進する。
「おのれ……っ、おのれっ、よくもわたくしを……ッ、よくもこの美しいわたくしを、こんな…………ッ! 貴様ら全員殺してやる……ッ! うわあぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」
デスエンプレスはボロボロになって用をなさなくなった黄金の兜を怒りのまま絵に振り捨てると、煤けた長いブロンドを振り乱して、比較的ダメージの少ない右腕を縦横に振るった。
ビシュン! ビシュン! ビシュン!! デスエンプレスが腕を振るたびに無数のエネルギー弾が形成され、シュートレンジャーへと殺到した。
「なんて数のエネルギー弾……ッ」
「でも、さっきまでと比べたら数で勝負って感じね……全然いけるわ! はあぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁッ!!」
「ピンク!?」
イエローは視界を埋め尽くすようなエネルギー弾の襲来に息を飲むが、ピンクは先行して強気で突っ込んでいく。
バシッ! バシィッ!! 時にエネルギー弾が着弾してピンクの強化スーツから火花が散るが、その足は止まらない。
「やっぱり大ダメージを受けてパワーダウンしているみたいね! これくらいの威力なら何でもない!!」
「おのれ……ッ、舐めるな小娘ぇえぇぇぇぇぇぇッ!!」
デスエンプレスは間近に迫ったピンクに吠えると、両手を組んで傷ついた左腕ごと両腕を無理矢理頭上へと振り上げる。組んだ拳の先から長大なエネルギーの刃が伸び、デスエンプレスはそれを大上段からピンクに叩きつけた。
「死ねえぇぇぇええぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!」
ドゴォオォォォォオォッ!!
「きゃあぁぁ……ッ」
さしものピンクの突貫も、轟音と共に床に叩き落とされて止まってしまう。
「フフフ……ハハハ……アーッ、ハッハッハッハッハッハッハッ! 見るがよい! 女帝を……宇宙最強にして最美のこの私を舐めるからこうなるのだ!!」
両腕を振り下ろしたまま爆煙を巻き上げて床に埋まったピンクを見下ろし、デスエンプレスが狂ったように笑う。
「……あまりにも永い間、絶対的な存在でありすぎたせいで、焦るとすぐに感情的になる。貴女の本当の弱点は、それね」
「え…………っ?」
間近から届いた声に不意を突かれたデスエンプレスが、片目を隠すソバージュがかかった金の前髪を揺らして、あどけない少女のような顔を上げる。その時には、ピンクの陰に隠れて同じく突進していたイエローの、割れたバイザーから覗く燃えるような瞳が目の前にあった。
ドズズグゥッ!!!
「…………………………えっ?」
ド……ッ。鈍い音に重なって上半身に衝撃が走り、デスエンプレスが美貌を呆けさせたまま胸元を見下ろすと、イエローが腰だめにしたシュートブレードが、桜色の初々しい乳首を縦に引き裂きながら剥き出しの美乳に深々と突き刺さっていた。
「ひ……ッ、ひぎゃああぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁアァァッッ!!?? わ、わたくしの、わたくしの美しい胸が……っ、き……っ、貴重なおっぱいがあぁぁっぁぁぁ…………ッ」
思い出したように引き裂かれたような悲鳴を上げ、デスエンプレスが身を仰け反らせる。
「何が貴重なおっぱいよ……何万もの星の命を奪って邪悪なエネルギーを溜め込んだ堕肉の一体どこが美しくて貴重だと言うの…………」
イエローはデスエンプレスの絶叫に鼻白みながら、身体ごとぶつかるようにして、プルプルとわななく乳首と美乳にズブズブと刃をいっそう深く埋め込んでいく。
ブ……ッ!!
「……うぎぃッ!?」
やがてシュートブレードが乳房ごとデスエンプレスのわななく肢体を貫き、黄金の鎧の背を突き破って真っ赤に染まったシュートブレードの切っ先が飛び出した。
「う……ッ、うああぁぁあぁぁぁぁぁぁッ、うああっぁぁッ、うわああぁぁっぁぁぁぁぁ……ッッ」
デスエンプレスが獣のように泣き叫び、エネルギーを纏った両腕をブンブンとでたらめに振り回す。
「フン……」
イエローは、付き合っていられないとばかりに、左乳房に突き刺したシュートブレードをそのままにして暴れ狂うデスエンプレスから飛び退いた。
「ああぁぁッ、うああっぁぁあっぁッ、わ、わたくし、わたくしの、わたくしの綺麗なおっぱいが……っ、女帝のエキスがぁあぁぁぁ…………ッ」
デスエンプレスは煤けた金髪を振り乱して涙を散らし、腰をいやらしくくねらせて、ボロボロになった黄金の鎧から白い肌を露わにした肢体を無様にも淫らにのたうち回らせる。
ぶしゅあぁぁぁっぁぁぁぁぁあああっぁぁぁぁっぁぁぁっぁぁ……ッ!!
「あひぃいいぃぃいいぃぃぃいぃぃぃぃぃぃぃぃぃいぃぃぃぃぃィンツッ!?」
苦しいのか、シュートブレードが突き刺さって血塗れになり、それでも、ぷりん、とした瑞々しさを失わない張り詰めた左乳房を己の手のひらで掬い上げるように持ち上げると、その刃が深々と埋まっている乳首から、壊れたスプリンクラーのように血と混じった白濁した女帝のエキスが母乳のように勢いよく吹き出した。
「あーあ、見てらんない。こうなっちゃ、女帝も形無しね?」
「ひぅ……ッ?」
エキスの噴出は快感を伴うのか、頬を赤らめて泣き叫ぶデスエンプレスが、可愛らしいが低い声に重なって右の乳房に冷たいものを感じ取り、どこか少女のようになどけない顔で涙をいっぱい溜めた瞳で見下ろした。
「……攻撃は読みやすいかもしれないけど、しぶとさにだけは自信がある、このピンク(わたし)を舐めないでよね」
マスクが完全に砕けて、年の割には童顔の愛らしい素顔にいくつもの血の糸を垂らし、底冷えするような笑みを浮かべて見上げてくるピンクとデスエンプレスの目が合った。ピンクの手に握られたシュートブラスターの銃口は、砕けた黄金の鎧の隙間から露わになっている右乳房のツンと前に張り出した下乳に、グニュリと深く食い込んでいる。
「や、やめ……っ」
「やめるわけないでしょ、この傲慢年増女っ!!」
一転、ピンクは怒りも露わに引き金を立て続けに引き絞る。
ビシュンビシュンビシュンビシュンビシュンビシュン!!
「あぎッ、ひぎゃッ、んぎッ、ぎひッ、あぎゃァ……ッ!」
ビシュンビシュンビシュンビシュンビシュンビシュンビシュンビシュン!!
「お、おっぱい……っ、あぐッ、わ、わたくしの、あぎぃッ、わたくしの、ぎゃッ、わたくしのおっぱい……ッ」
ビシュンビシュンビシュンビシュンビシュンビシュンビシュンビシュンビシュンビシュンビシュン!!
涙をいっぱいに溜めて歯を食い縛り、健気な白く小さな歯が覗く紅い唇の端から涎すら垂らして激痛に悶えるデスエンプレスの右乳房が容赦なく、幾度となく撃ち抜かれていく。
ビシュンビシュンビシュンビシュンビシュンビシュンビシュンビシュンビシュンビシュンビシュンビシュンビシュン!!
「んびぃィッ、わ、わたくしの、わたくしのおっぴい、わ、わたくしの綺麗な、おっぱ、おっぱ、おっぱい撃たないでぇぇぇぇぇぇぇ……ッ、ンぎぃいぃぃぃぃぃぃぃ……ッ」
ビシュンビシュンビシュンビシュンビシュンビシュンビシュンビシュンビシュンビシュンビシュンビシュンビシュンビシュンビシュンビシュンビシュンビシュンビシュンビシュン!!
金髪を振り乱し、美貌をベトベトにして泣き叫ぶデスエンプレスの顔の前を、美乳を下から撃ち貫いたレーザーが明るく例刻に照らし出しながら何度も何度も行き過ぎる。
「もうッ、エネルギーパックが切れたちゃった……!」
やがて引き金を引いても空撃ち状態になったブラスターに舌打ちして、ピンクがデスエンプレスから離れる。
「ふひぃいいいぃぃぃぃぃぃいいぃぃィンン…………ッッ!!」
デスエンプレスは眉をハの字にゆがめて天を仰ぎ、黄金の鎧に上半分を包まれた右の乳房を抱きかかえるようにして後ずさる。デスエンプレスの腕の上では、何度も何度も撃ち抜かれた右の美乳が、まるでいくつも穴を空けた水風船のように、レーザーで下乳に穿たれた穴と、それに対を成す黄金の鎧ごと上乳に突き抜けた穴から、母乳のように白濁したエキスを幾筋も幾筋もぴゅーぴゅーと淫らに吹き出していた。
「アハハッ、あんなにエキスがダバダバ漏れちゃったら、形の良さだけが取り柄の美乳から、なーんの魅力も無い貧乳になっちゃうかもねッ!!」
ピンクがいいザマだと言わんばかりに、美しい右の乳房全体から白濁したエキスを漏らすデスエンプレスの無惨にもどこか滑稽な姿をせせら笑う。
「女帝のエキスのタンクたる奴の胸(バスト)は、デスパレスの破滅的な大爆発を受けても、いくらかサイズを落としただけだ。このまま貧乳になるのを待っている暇はないな」
「もちろん冗談よ、ブルーは真面目よねえ……」
「両胸をあれだけ痛めつければ、スペースオリハルコンへのエネルギー供給は不安定になっているはず。今がチャンスよ」
イエローが、ブラスタ―が撃ちぬいた右乳房の無数の穴からエキスを漏らし、ソードが突き刺さった左の乳房の乳首からエキスを吹き散らすデスエンプレスを瞳に映して冷然と告げる。
「よし、一気に畳みかけるぞ! 今こそギャラクティック・カノンだ!」
「まあ、そうなるよね……しかしまた三人で撃つくことになるなんて…………」
ピンクが溜息を吐く。ギャラクティック・カノンはシュートレンジャー最大の火力を誇るが、反動が大きすぎて、本来はシュートレンジャー五人のフルメンバーでなければ撃てないものである。
「ま、三年前は死ななかったし、これが正真正銘の最後だし……やるっきゃないね! ギャラクティック・カノン、リリース!」
「「リリース!!」」
ピンクの明るい声を合図に、三人は、強化スーツの腰の亜空間ポケットに量子圧縮状態で格納されているギャラクティック・カノンのパーツともなる中型火器ギャラクティック・シューターを次々と取り出すと、慣れた手つきで大型エネルギーバズーカであるギャラクティック・カノンを組み上げていく。
「ビルドアップ、ギャラクティック・カノン!!」
大口径バズーカを支えつつ、三人が腕を扇状に伸ばすポーズを決め、ギャラクティック・カノンが完成する。
「ギャラクティック・エネルギー充填、オッケイ!」
ピンクがギャラクティック・カノン側面のエネルギーメーターを確認して頷く。
「ターゲットスコープ!」
イエローが照準装置を覗き込んだ。
『あひぃあぁぁぁぁ……ッ、おっぱいぃぃぃ……っ、わたくしの……っ、わたくしのおっぱいがぁあぁぁ……っ、宇宙で最も形が良くて、美しいわたくしのおっぱいがあぁぁぁぁ……ッ』
胸を憐れむように抱きかかえて泣き叫ぶデスエンプレスの上半身がターゲットスコープに映し出される。照準の+マークが、ボロボロになった黄金の鎧の至るところから露わになっている汗ばんだ白い柔肌を舐めるようにゆらゆらとしばし揺れた後、エキスが上半分が黄金の鎧に包まれた乳肉全体からぴゅーぴゅーと四方に漏れ出る右乳房と、エキスが剣が突き刺さった乳首から、ぶしゅううぅぅぅ……っ、と勢いよく吹き出す右乳房のちょうど真ん中、真っ赤な血と白濁したエキスにいやらしく濡れてプルプルとわななく胸の谷間にピタリと固定された。
「……照準、オッケイ!」
「いくぞ……ギャラクティック・カノン! シュート!!」
「「シュート!!」」
バォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォッ!!
満を持した叫びと共に、口径一メートルはあろうかという砲身から、宇宙の力を秘めた巨大エネルギー弾が放たれる。
「わたくしの……っ、わたくしのおっぱ…………。…………えっ?」
迫りくるエネルギー弾の強烈な光に泣きはらした美貌が照らし出され、デスエンプレスがようやくギャラクティック・カノンの圧倒的なエネルギーに気付く。
「い……っ、いやあぁぁぁぁぁぁっぁっぁぁぁ…………ッ!!」
デスエンプレスが逃れようと涙を散らし、狙われた胸の谷間を隠すように両手を交差させて、まるでレイプから逃れようとするかのように儚げに身を捻るが、もう遅い。
ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォン!!
「ひぎゃあぁっぁあぁっぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁっぁぁ――――――――………………ッ!!!」
引き裂くような悲鳴に長い尾を引かせ、デスエンプレスの半ば砕けた鎧を纏った半裸の肢体が凄まじい爆発に飲み込まれていく。
「やった!」
「やったわね」
「ふぅ……初めてじゃなとはいえ……流石にキツイ、な……」
それぞれにガッツポーズを決めるピンクとイエローに挟まれて、真ん中(メイン)でギャラクティック・カノンの反動を受け止めたブルーが、がくりと膝を突く。
「まー今回に関しちゃ、時間稼ぎとか囮の役はあたしたち二人が引き受けたんだから、最後くらいは……ね?」
「私とピンクはもうボロボロだった。最後にブルーもボロボロになって貸し借り無し、ってことで、いいわよね?」
「ははッ、相変わらず厳しいお嬢さん方だ……。確かに、これでちょうど三人、全員力を使い切って……」
緊張が解けたブルーが、イエローの珍しい軽口に笑みを返した時であった。
「ま、まだ……ッ、まだだっ、シュート……レンジャー…………っ!」
「「「……ッ!?」」」
地の底から響くような声に三人が振り向くと、爆炎の中、金の鎧を八割がた失い、艶やかな白い肌に鎧の残骸をわずかに貼り付けただけの、両乳房も乳首まで晒したほとんど全裸のデスエンプレスが、無惨に焼け焦げたブロンドヘアを振り乱し、両手を股間に強く押し当て、内股できゅっと太腿をきつく締めて、肩を大きく上下させて苦しげな息を吐きつつ立ち尽くしていた。
左乳房に突き刺さっていたイエローのシュートブレードはギャラクティック・カノンのエネルギーで蒸発したのか無くなっていて、無惨に縦に裂かれた乳首と乳輪が露わになっている。その引き裂かれた左の乳首から迸っていた白濁した女帝のエキスも、穴だらけの右乳房からぴゅーぴゅー吹き出していたエキスも勢いを失ってトロトロと弱々しく漏れ出すだけとなり、心なしか少しサイズダウンした美乳をいやらしく濡らして滴り落ちるだけになっている。ギャラクティック・カノンを防ぐために女帝のエキスを大量に消費し、両胸に蓄積していたエキスが尽きかけているのだ。
「よ……よく、も……。よくも……このわたくしを……ッ、わたくしのエキスを、わたくしの美しいおっぱいを……ッ! だ、だが……っ、まだ子宮に無傷の女帝のエキスがある限り…………わたくしは、女帝(わたくし)は、死なぬ……ッ!」
デスエンプレスは無惨に焼け焦げた金髪を振り乱し、額から血が幾筋も流れ落ちる美貌に鬼気迫る表情を刻んで、これが女帝の姿だと言わんばかりに、股間から両手を離すと、黄金の鎧のほとんどを失い、しかしだからこそ、胸、腰、尻、足と傷ついてもなお形の良い肉体一つの一つの極上のパーツと、その絶妙な比率が織り成す宇宙最高のプロポーションがいっそう引き立つ、生まれたままの豊満な裸身を誇らしげに聳やかす。
露わになった股間には、それが女帝最後の恥じらいでもあるかのようにに、前張りのような形で金の鎧の残骸が張り付き、子宮とその入口たる秘所を死守していた。
「あ、あの女……全てを犠牲にして子宮だけを守ったのか……っ」
「なんて執念なの……」
「それよりまずいわよ……私たちにもう、戦える力なんて…………」
シュートレンジャー三人は戦慄する。この満身創痍では、もうギャラクティック・カノンの反動にはとても耐えられない。残された武器といえば――。
「ここは俺が何とかする。ピンクとイエローは逃げろ!」
ブルーがシュートブレードとシュートブラスターを両手に携えて立ち上がる。
「そんな、通常装備で戦うなんて無茶よ……! あいつだって馬鹿じゃない! もう奇襲は通用しないし、あたしたちにはそんな力も残ってはいないわ!!」
「分かっているさ、ピンク。だからこそ、全員で戦えば全滅のリスクが高い。まだしも蓄積ダメージが少ない俺一人が、わずかでも時間を稼ぐのが得策だ。いいか、今のあいつは大きなダメージを負っている。お前たちが逃げのびてすぐに援軍を呼んできてくれれば、今なら、通常戦力でも数を頼みにして勝てるかもしれない!」
「でも、ブルー……っ!」
「それに、仲間はもう一人居る」
いつになく感情的になるイエローを、ブルーが穏やかに制した。
「え……っ?」
「もう一人の仲間って、何を言って……」
「俺だってむざむざ死ぬつもりはない……あいつに、賭けてみるまでだ! 後は頼んだぞ!! うおぉおぉぉおぉぉぉぉぉぉッ!!」
戸惑うイエローとピンクに言い残すと、ブルーはブラスターを連射しながらデスエンプレスに突っ込んでいく。
ビシュンビシュンビシュンビシュンビシュン!!
「ククク……これまでは女を犠牲にしてばかりだったが、最後には女を逃がすために戦うか! 少しは見直したぞ、ブルー! ……しかし!!」
バシッ! バシッ! バシイッ!! デスエンプレスは、傷ついた左腕をだらりと下げたまま、右腕だけを素早く鋭く振り、襲い来る無数のレーザー弾を容易く弾き飛ばしてみせた。
「ギャラクティック・カノンならばともかく、通常兵器がこの女帝に通用するとでも思っているのか! フン!!」
デスエンプレスが傷ついた美乳を、ぷるん、と揺らしながら右腕を振ると、巨大なブーメランのようなエネルギー波が放たれ、ブルーの足元に着弾する。
ドゴォオォォォォォォォォォォォンッ!!
「ぐあぁぁぁぁぁぁ……ッ、……だがッ!」
ブルーは激しい爆発に巻き込まれるが、とっさに前へと跳んで爆風を背に受けた。強化スーツの背中が溶け崩れて素肌を剥き出しにしながらも、ブルーは爆発を逆に利用して鳥のように宙を舞い、デスエンプレスへの距離を一気に詰めた。
「ここまで来たぞ、デスエンプレスッ!!」
ブルーはデスエンプレスの頭上に飛び込みながら、シュートブレードを大上段に振りかぶる。
「愚かな……接近戦に持ち込めば勝てるとでも思ったかッ!」
デスエンプレスが右腕の手刀からエネルギーブレードを伸ばす。
ガィン!!
「くぅ……ッ」
デスエンプレスのエネルギーブレードの一閃が、ブルーのシュートブレードをその手から軽々と弾き飛ばした。
「忘れたかッ! たとえ両胸のエキスが無くとも、パワーもスピードも貴様ら地球の原始人より遥かに上なのだ!!」
「……ッ!?」
ヒュン! シュートブレードを吹っ飛ばされた手の痺れも解けぬうち、乳首や乳肉を無惨に蹂躙された形の良い乳房を、ふるん、と揺らして、デスエンプレスの鎧の残骸だけを纏った半裸の白い肢体がいまだ空中に居るブルーの更に上に現れる。
「ええぇぃッ!!」
バキィッ!!
「ぐあぁッ!!」
すらりと伸びた美脚から繰り出された鞭のような蹴りを直上から喰らったブルーの身体が弾丸のように落ち、瓦礫だらけの床に叩きつけられる。
ドゴォっ!!!
「ぐ……ッ」
勢いよく仰向けで落ちたブルーは、砕け散った床に背中が半ばまで埋まり、衝撃で息が出来なくなる。
バゴォッ!!
「が……ッ!? か、は……ッ」
空気を求めて息を吸おうとした刹那、デスエンプレスの足の裏が膨らみかけた胸に鉄槌のように落ちてくる。ベキベキと肋骨が折れる激痛と共に、肺の中の空気が絞り出され、一瞬意識が遠のいていく。
「ククク……いい恰好だな、シュートブルー……」
デスエンプレスは、ブルーを踏みつけた足はそのままに着地すると、ブルーの胸をその足でグリグリと抉るように踏みにじった。
「けは……ッ」
肺に突き刺さった肋骨がいっそう深くねじ込まれ、ブルーはマスクの中で血を吐いた。
「これで呼吸もままなるまい。そうなれば最早、動くことは叶わぬ。脆いものだな、地球の原始人」
デスエンプレスはブルーを踏みつけたまま腰に両手を当て、モデルのような見事なプロポーションを惜しげもなく晒して半裸の肢体を聳やか、女王様然としたポーズを取ってみせる。
片足をブルーの胸に載せているため股間は大きく開き、前張りのように股間に張り付いてる鎧の残骸が、ブルーから手を伸ばせば届くところで剥き出しになっていた。
「今だ……ッ」
「なに……ッ!?」
ガ……ッ! ブルーは片腕を伸ばし、隠し持っていたシュートブラスターの銃口を、デスエンプレスの股間の鎧の残骸に押し当てた。
「喰らえッ、デスエンプレス!!」
「………………ッ!!」
ビシュンビシュンビシュンビシュンビシュン!!
ゼロ距離射撃のレーザーがデスエンプレスの股間に直接叩き込まれる。レーザーのエネルギーと鎧が干渉し、もうもうたる白煙が爆発的に広がった。ブルーはデスエンプレスの股間にブラスターを握った片腕を伸ばし、デスエンプレスは軽く身を折って白煙に包まれた股間を見下ろしたまま、時が止まったかのように、二人の姿がしばしの間凍り付く。
「く……ククク……ク…………」
やがて漏れたのは、デスエンプレスの嘲笑であった。薄まっていく白煙の向こうから現れたのは、無惨に裂けたシュートブラスターの銃口と、デスエンプレスの股間で傷一つ無く黄金色に輝く鎧の残骸であった。
「痴れ者がッ!」
バシィッ!!
「く……っ」
デスエンプレスの美脚がシュートブラスターを蹴り飛ばし、その足でそのままブルーの片腕の手首を踏みつけ、床に貼り付けにする。
「両胸に溜めた女帝のエキスを失ったこの状態でも、子宮のエキスに直結したこの股間の鎧の残骸には、我がゲル―ド最高のスペースチタニウム並みの硬度がある。三年前を忘れたか! 地球最硬のオリハルコンならいざしらず、通常兵器はスペースチタニウムには通じはせぬ! 最後の奇襲も失敗したお前に、もう武器はあるまい。今度こそ終わりだな、シュートブルー!!」
デスエンプレスが見下ろしつつ右腕の手刀からエネルギーブレードを伸ばし、ブルーの喉元に突きつける。
「死ねッ、シュートブルー!!」
デスエンプレスはエネルギーブレードを引き絞ると、ブルーの喉を目指して突き下ろす。
「うおぉぉぉぉおおおぉおッ!!」
ブルーは、デスエンプレスの突きに対してカウンターを狙うかのように、残る手に拳を固めると、デスエンプレスの股間を目指してパンチを繰り出した。
「血迷ったかッ! この股間の鎧にはスペースチタニウム並みの硬度があると言っただろう! 原始人の強化スーツの拳ごとき、逆に砕いてくれるァギャアアアァァァッァァぁァぁァッ!?」
バキィン……ッ、ドズリュゥッ!!!
何かが砕ける甲高い音と、肉に鋭いものが突き立てられる鈍い音が立て続けに響き、デスエンプレスの哄笑が引き裂かれたような悲鳴に変わる。
ドズ……ッ! 絶叫と共に狙いが外れたデスエンプレスのエネルギーブレードの切っ先が、ブルーのマスクをかすめて床に突きさる。その周りに、砕け散ったデスエンプレスの鎧の黄金色の残骸がキラキラと降ってくる。
「あ……ァ…………ど……どう、して……スペース……チタニウムと同じ……わたくしの……鎧……が…………」
デスエンプレスは瞳に涙をいっぱいに溜め、ソバージュした金の前髪から片目だけ覗かせた美貌に信じられない、といった表情を貼り付けて見下ろした。そのわななく眼差しの先、股間では、鎧の残骸が粉々に砕けて剥がれ落ちていた。むっちりとした肉が押し合うような二本の太腿の付け根に挟まれ、露わになった三年前と同じく毛が一本も生えていない女陰には、シュートブルーが握った緑色の鋭い金属片が血の糸を何本も垂らして深々と突き刺さっている。
「スペースチタニウムを砕ける地上の物質は、オリハルコンのみ…………忘れちゃいないさ」
「そ……その欠片……は……ぐ……グリーン……アイアンナックル……の…………?」
冷たい汗にまみれた美貌を蒼褪めさせるデスエンプレスに、ブルーはマスクの下でにやりと笑う。
「そう、この戦いの始めにお前が砕いたオリハルコン製のグリーンアイアンナックルの欠片だ! 地球最硬のオリハルコンは最後の切り札になると思って、密かに取っておいたのさ!!」
ブルーが意気揚々と叫ぶ。ピンクとイエローに告げた”もう一人の仲間”とは、シュートグリーンのことだったのだ。
「さあ、これでお前を守る鎧(モノ)はもう何も無いぞ! お前が利用し、辱めたシュートグリーンの遺産で逝(イ)くがいい!!」
「ひ……ッ、や、やめ……っ」
「死ねーッ、デスエンプレス――ッ!」
「きゃあぁぁぁぁっぁあぁぁぁぁぁッ」
細かく首を振って怯えるデスエンプレスに構わず、ブルーはグリーンが遺したアイアンナックルの最後の欠片をデスエンプレスの秘所へといっそう深く突き入れた。
ドズリュウッ!!
「ひぎぃッ!?」
ブルーが武器になるよう選りすぐったアイアンナックルの欠片は杭のように鋭く野太かった。デスエンプレスの意外に狭い膣内を割り裂きつつ一気に貫いたアイアンナックルの欠片の先端は、しかし子宮口でガチリ、と堅い手応えと共に止まってしまう。
「こいつ、子宮口にエキスのエネルギーを集めて防御しているのか……っ? ならば、突破するまで何度でも突くまでだッ!!」
ズ……ッ、ズ……ッ、ズ……ッ!!
ブルーは、デスエンプレスの膣内でアイアンナックルの欠片を激しく抜き差しし、繰り返し子宮口にその鋭い先端を叩きつける。
「あっ? あッ!? あぁ……ッ!!」
デスエンプレスは、野太い欠片の往復に敏感な肉襞を刺激され、白い美貌を恥じらいに紅潮させた。
更には、残り少ない両胸のエキスも子宮の防御に回そうとしてか、自らの乳房を両腕でモニュモニュと揉みしだき始める。
「はぁァ……っ、だ、だめ……ッ、だめです……ッ、い、いけません……っ、はぁぁッ、こ、こんなに、こんなに激しくされたら、されたら……ッ、はあアァァァン……ッ」
デスエンプレスは前張りのような鎧の残骸も失ってほとんど全裸の白い肢体を悩ましげにくねらせる。跨いだブルーにズボズボと野太い緑の金属片を真下から非情に抜き差しされる股間を、内股でガクガク震える艶めかしい生足で健気に支え、だめ、いけません、と切なげに訴えながらも自ら美乳をこね回し、頬を染め、長いブロンドを振り乱して悶える女帝の姿は、並みの淫乱女の数千倍はいやらしい高貴なる痴女であった。
「はぁァん、だめぇ……っ、こ、こんな……っ、こんなに激しくされたらァ……ッ、あッぁッ、し、しっ、しゅう、ちゅう……っ、集中、がァ…………っ」
デスエンプレスが涙を零しながら天を仰ぎ、首をふるふる振って訴える。彼女の意思とは裏腹に、アイアンナックルの欠片に蹂躙される肉壺が伝えてくる容赦ない女の快感(よろこび)が、エキスのエネルギーを子宮口の防御に回す集中力をデスエンプレスから奪っていた。
「はァァっ、あ、あンっ、アンッ、あ、あぁぁァァん……っ、し、しっ、子宮、がァ……っ、わ、わたくし、わたくしのっ、し、大切な子宮、がぁ…………ッ」
デスエンプレスが昂るほどに子宮口の防御は甘くなり、やがて絶頂への階段を急速に駆け上がり始めると、その守りは望的な加速度で崩れ去っていった。
「あはぁァっ、だ、だめぇっ、んッんッ、イ、イくっ、イっちゃうぅうぅっ、はぁあァんっ、イ、イったら、あン、イったらだめぇっ、はぁアンッ、イったら、壊れる、イったら子宮壊れる、壊れる、壊れるのにぃぃぃッ、あッぁッ、ダメ、だめっ、だめなのにぃいい……っ」
堰を切って押し寄せる快感にデスエンプレスは飲み込まれていく。最早、何のための愛撫かも忘れて美乳をモニュモニュモニュと狂ったように揉みしだき、いつの間にかクイクイといやらしく豊満なラインを描く腰と尻を振り、自ら快感を求めてアイアンナックルの欠片に膣をかき回させていた。
「あ……ッ」
と、見上げるブルーの真上で、一瞬悶えを止めたデスエンプレスが、ふる……っ、と耐えかねたように小さく身震いする。
「あン……♪」
「う、く……ッ!?」
ぱしゃああぁぁぁあぁぁぁ……っ。次の瞬間、ブルーのマスクに、頬を恥じらいに染めたデスエンプレスの秘所から、ギチギチに埋まっているアイアンナックルの欠片をものともせずに溢れ出た愛液が驟雨のように降りかかる。
それが、デスエンプレスの命の終わりの始まりの合図であった。
「あはぁぁぁアァァァンっ、だっ、だめ……ッ、だめだめだめだめだめだめだめダメえぇぇッ、イ、イく、逝くっ、イったら逝く、イったら逝く、イったら逝くのにぃぃぃい……ッ、あッぁッあッぁッあッぁッあッぁッあッぁッダメイくだめ逝くダメ逝くだめイく逝くイく逝くイく逝くイく逝くイく逝くイくゥ――――――――――――――――ンッッ」
爆発的な絶頂が潮を吹くデスエンプレスの股間から脳天へと突き上がり、胸の愛撫も腰の動きも焼けつくようにな速く小刻みになり、無惨に傷ついた白い美乳を杏仁豆腐のようにぷるぷるぷるぷるとわななかせ、デスエンプレスの肢体がガクガクガクと危険な痙攣を見せた刹那、
ド……ッ!!!
「あぴいぃいぃいぃぃぃぃぃいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃいいぃぃぃぃぃぃぃぃッッ!!??」
鈍い音と共に、アイアンナックルの欠片の先端が子宮口を突破し、最後の女帝のエキスを溜め込んでいた子宮を串刺しにした。
「あひ……ッ、あひ……っ、あひぃいいぃぃぃぃ…………ッ♪」
ビクン、ビクンっ、ビクン……っ。デスエンプレスは絶頂に裸身を引き攣ったように跳ねさせながら
両手で恥じらいに紅潮した頬を挟みこみ、その奥(なか)で子宮を刺し貫かれた下腹部と緑の弾痕のような金属片が根元まで突き刺さった股間を、潤んだ瞳に取り返しのつかない絶望を浮かべ、しかし同時に涙でベトベトになった美貌に快楽に蕩けた淫らな表情を浮かべて見下ろしていた。
「あひっ♪ あひ……ッ♪ あ…………っ……? ……………………はぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁああぁぁぁぁッ!?」
ビクン……! と、ひときわ大きな痙攣と共に、恍惚に呆けていたデスエンプレスの表情が一気に悲痛に歪んだ。
ぶしぃいっぃいぃぃっぃいっぃいっぃいぃぃぃぃぃぃぃッ!!
アイアンナックルの野太い欠片が目いっぱいねじ込まれている女陰から、欠片を押しのけるかのような勢いで白濁した女帝のエキスが迸る。
「あひぃいいぃぃぃぃぃぃいぃぃぃぃぃぃぃぃいぃぃぃぃぃぃぃぃっぃぃッ、え、エキス……っ、エキスっ、エキスがぁ……っ、わ、わ、わたくしの、わたくしのエキスが……っ、わたくしの命がぁぁっぁぁぁ………………ッ」
デスエンプレスは身も世もないように泣き叫び、大粒の涙を零す美貌を両手で挟みこんで首を激しく左右に振って、緩くウェーブした長いブロンドヘアを白い裸身に纏わりつかせるように振り乱してのたうち回る。
「いやっ、いやッ、いやあぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………ッ」
ぶしゅあぁぁぁぁぁぁぁぁっぁあっぁぁぁ……ッ!!
傷ついた美乳をぷるんぷるんと縦横に振り乱し、陸に上がった魚のように煽情的に踊り狂う白い裸身の元、右に左にいやらしくくねる股間から潮吹きのように迸るエキスが辺り一面にキラキラと撒き散らされる。
「く……っ」
断末魔にのたうち回るデスエンプレスの両足の間、ベチャベチャと白濁したエキスを滝のように浴びせられたブルーが、たまらずデスエンプレスの股間の下から這い出そうとする。
「おのれっ、おのれぇえぇぇえぇ……ッ、よくもっ、よくもこのわたくしを……ッ、美しい……ッ、美しいこのわたくしをぉおおぉぉぉ……ッ」
「こ、こいつ……ッ!?」
デスエンプレスは仰向けのまま這い出そうとしたシュートブルーに倒れ込むようにしてまたがり、床に押し付ける。
「逃さぬ……逃さぬぞシュートブルー……ッ、この女帝が、一万年を生きたこの女帝(わたくし)が一人で、一人で逝(イ)くものか……ッ、シュートブルー……ッ、貴様、貴様はわたくしと……このわたくしの美しい肉体と共に滅ぶがいい…………ッ」
ぎゅうぅうっぅうぅぅっぅ……ッ!! シュートブルーの腰に騎乗位のように跨り、傷ついた美乳の先端の乳首をビキビキと勃起させ、アイアンナックルの欠片が埋まった股間からブシュブシュと吹き出すエキスをブルーをブルーの股間に叩きつけながら、デスエンプレスがソバージュしたワンレンの前髪から覗く片方だけの切れ長の青い瞳に狂気を浮かべて、シュートブルーの首を締め上げる。
「あ……っ、ぐ、ぅ……ッ!」
まさに死に物狂いの力と言うべきか、なけなしの女帝のエキスから絞り出した蒼白いエネルギーを纏って首を締め上げるデスエンプレスの両手は万力のようで、ブルーは振り解くことも出来なければ、組み敷かれたデスエンプレスの裸身の下から逃れることもできなかった。
「たとえ残り少ないエキスでも、お前を道連れにすることくらいは出来る……ッ、一緒に死ねぇぇぇぇぇぇえぇぇぇ――――――――――ッ!!!」
キュイィィィィイィィィ……ッ! 絞り出すような叫びと共にデスエンプレスの胎内、子宮から光が溢れ、彼女の健気にふるふる震えるお臍が張り付いた白く艶めかしい下腹部を内側から眩く照らし出す。デスエンプレスは子宮に残った女帝のエキスを、自爆のために暴走させているのだ。
「くそ……ッ、このままでは……ッ! どうすれば、どうすればいいんだ……ッ」
自爆せんとするデスエンプレスの意図に気付いたブルーは、必死に脱出の方法に考えを巡らせる。
――じ……弱点は……何か弱点はないのかッ、弱点は……っ!
首をきつく締め上げられて朦朧としながら、デスエンプレスとの戦いを高速で巻き戻し生き延びる術を探るブルーの脳裏に、つい先ほどの彼女の姿が閃光のごとく蘇る。
『はぁァん、だめぇ……っ、こ、こんな……っ、こんなに激しくされたらァ……ッ、あッぁッ、し、しっ、しゅう、ちゅう……っ、集中、がァ…………っ』
――そうだ、エキスの力を使うには集中が必要だ……そしてさっき、こいつが集中を乱したのは…………。
「……そうかッ!!」
ブルーは薄れゆく意識をかすかに見えた希望を糧に繋ぎ留めると、ばッ、と両腕を伸ばし、騎乗位のように跨っているデスエンプレスの二つの傷ついた美乳を正面からムニュリと掴んだ。
「ひぅ……ッ、な、何を……ッ、あ、ン、はぅン……っ!」
突然形の良い乳房を鷲掴みにされたデスエンプレスが思わず頬を赤らめるのにも構わず、ブルーはすべすべとした感触の乳肉をもにゅもにゅと激しく揉みしだき始める。
「は、ぁ、ァン……っ! し…シュート、ブルーっ、き、貴様……ッ、あ、んゥ……っ、い、いまさら、いまさらわたくしのおっぱい、をぉ…………ッ」
デスエンプレスは恥辱に顔を赤くして悔しそうに、しかしどこか嬉しそうにも見える表情でシュートブルーを睨みつける。
「はぁぁァん……っ、あッぁッ、お、おの、れぇ……っ、あっ、ンっ、こ、こん、なァ……っ、あ、ンっ、こんなこと、んぅ、こんなこと、でぇ……っ」
デスエンプレスは唇を嚙んで快楽を押し殺そうとするが、ブルーの胸への愛撫に感じてしまっているのは明らかだった。
「やはりな……っ、デスエンプレス! 三年前から、薄々そうではないかと思っていたが……お前の最後の弱点は、この感じすぎる肉体(カラダ)だッ!!」
それは三年前、かつて爆乳だったデスエンプレスの乳房を幾度となく殴りつけ、一度は女帝のエキスを絞り尽くしたシュートブルーならではの直感であったかもしれない。直感を確信に換えたブルーは傷ついた痛ましいお椀型の美乳の形が変わるほど強く、激しくムニュムニュモニュモニュと容赦なくこね回す。
「はァぁっ、あッぁッ、ん、んぅ……っ、あっ、ぁッ、お、おの、れぇ……っ、し、シュートっ、んッんッ、ぶ、ブル、ぅぅうぅ……っ、あっァっ、よっ、よくもっ、あァんぅッ、こ、こんな、はァん、こんなこと、でぇえぇぇぇ……ッ、あッ、ぁっあッぁっあッンっんぅ……っ!」
デスエンプレスの悔しさと屈辱と恥辱が入り混じる切なげな表情と喘ぎを映したかのように、ブルーの首を締め上げている細腕がわななき、纏っていた蒼白いエネルギーが揺らぐ。集中を乱されたデスエンプレスの手が緩み、ブルーに跨がっている腰も無意識のうちに快楽を求めるように悩ましげにくねって座らなくなり、組み敷く圧も弱くなる。
――動ける……ッ!
わずかながらサイズダウンしたが故に、よりいっそう敏感になってしまった乳房への愛撫に耐えかねたデスエンプレスの全身から力が脱け落ちていくのを感じ取ったブルーは、疾風のごとく動いた。
ブルーは一瞬前まで懸命にいやらしくこね回していた乳房から一度手を引くと、プルン、と、いやらしくたわみながらお椀型の形を取り戻しかける二つの美乳に、真正面から両の手のひらで乳首ごと押し潰すようにして掌底を容赦なく叩き込む。
「はァ……ッ!!」
ドン……ッ、むにゅぅッ!!
「ふひゃァんッ!?」
不意に乳房に鈍く重い衝撃を受け、鼻から抜けるような悲鳴を上げるデスエンプレスの手がブルーの首から滑り、思い切り突き飛ばされたその身が後ろへと倒れていく。重心が崩れたデスエンプレスの腰がブルーの身体から浮き上がり、自由を得たブルーは素早くデスエンプレスの股の下から抜け出すと、踵を返して全力でデスエンプレスから走り去っていく。
「………あ……っ…………?」
ブルーの重い掌底を正面から受け、ツンと勃起したピンクの乳首を白い乳肉に半ば埋もれさせ、乳輪を中心にグニュリと卑猥に凹んでたわむ二つの美乳を胸元にいやらしく躍らせて後ろへと仰け反りながら、金色の大輪のように広がった長く美しいブロンドの髪を背景にして、優美な眉をハの字に歪め、身も世もないような表情を浮かべるデスエンプレスの、ソバージュしたワンレンの前髪が浮き上がって明らかになった二つの切れ長の青い瞳に、駆け去っていくブルーの背が映る。
「そ……そんな……ブルー……っ、ブルー…………ッ」
ブルーに突き飛ばされ、アイアンナックルの欠片が埋めこまれ、スプリンクラーのように白濁したエキスを撒き散らす淫らな股間を見せつけるようにしてあれもないM字開脚を晒して後ろへと吹き飛びながら、デスエンプレスはまるで去りゆく恋人を求めるかのように、離れゆくブルーの背中に切なげに片腕を伸ばす。
「あぁっ、いや……っ、いやぁ……っ、わ、わたくしが……っ、この女帝(わたくし)が一人で逝(イ)くなんて……っ、いやっ、いやよっ、ブルーっ、ブルー……っ、戻ってきて、わたくしの元に戻ってきてブルーっ、一緒にっ、一緒にぃ……っ、ブルーっ、ブルーッ、ブ……っ」
肩越しに前へと流れる長い金髪と、浮き上がったワンレンの前髪の下から覗く二つの青い瞳から零れる涙に尾を引かせ、ブルーの背に片手を伸ばしながら吹き飛んでいくデスエンプレスのM字開脚した股間のわずか上、わななくお臍が張り付いた白く艶めかしい下腹部で、キュィイィッィイィィィ……ッ、と子宮から漏れる光が急速かつ急激に輝きを増していき――――。
「…………ブぎゅぅゥッッ!?」
ドゴォオォオオオォォォォオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンンッッ!!!
残された最後のエキスのタンクたる子宮が大爆発を起こし、デスエンプレスの白い裸身は、巨人の腕に下腹部から上下真っ二つに引き千切られるようにして爆ぜ飛んだ。
「うああぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
凄まじい爆風が背中に叩きつけられたブルーが吹っ飛び、瓦礫だらけの床をゴロゴロ転がって、片膝を突いてやっと止まる。
「ギリギリ……逃げきれたか……」
片膝を突いたまま爆発を振り向くと、わずか数メートル後ろまで迫っていた通路を埋め尽くす炎を突き抜けて、何かが勢いよく飛び出してくる。
「シュート……ブルウゥゥゥウゥ――――――……ッ!!」
「な……っ」
ブルーが声を失くす。炎をいくつも絡ませた金髪を振り乱し、自爆からなおも生き延びるためにエキスを使い尽くして更にサイズダウンしBカップ程度になってしまった乳房を健気に躍らせ、かぎ爪のようにした片手をこちらに伸ばして突っ込んできたそれは、千切れ飛んだデスエンプレスの一糸纏わぬ上半身であった。
がし……っ。
「あはははッ、捕まえた……っ」
弾丸のごとき速さで飛来したデスエンプレスが突き出した手でブルーのマスクを真正面から鷲掴みにした。
「しまった!! こいつ、まだ……ッ」
まだ道連れにするのを諦めていないのか……! ブルーがマスクの下で焦りを露わにする。デスエンプレスはそのブルーのマスクから下へと片手を滑らせると、残る腕とともにブルーの首に両腕を絡ませて縋りつく。
「あぁ……っ、ブルー……っ、追いかけてきたよ、ブルー…………ッ!」
デスエンプレスは飛来した勢いのまま、両腕で縋りついたブルーの首元を中心にして、キラキラと輝く長い金髪に弧を描いて尾を引かせ、声を弾ませてブルーを見つめながらそのマスクの周りをくるりと一回転した。
それはまるで――下半身が引き千切れた無惨な姿であることを除けば――恋人に縋りついてはしゃぐ少女のようであった。
「……お前……?」
ブルーが困惑する。自分に向けられたデスエンプレスはの表情は、女帝のエキスと胸の膨らみを失うと共に無邪気な一人の少女に戻ったかのようだ。
「ブ、ルー……っ、あはは……っ、捕まえたっ、捕まえたよ、ブルー……っ、あはははははっ、もう逃がさない……っ、もう離さないよっ、ずっと、ずっと、一緒に、一緒に……ブルーっ、ブルー…………っ」
一回りしてブルーの正面に戻った半身を失くしたデスエンプレスは、ブルーの硬いマスクを白く細い腕で愛おしげに胸元に抱きしめて、紅潮し煤けた頬をブルーの額のあたりに、ずいぶん小ぶりになってしまったが、最後のエキスの力か右乳房のレーザーの穴も刃に引き裂かれた左乳首の傷も消え、穢れを知らぬ乙女のような艶やかな柔肌と可愛らしいピンクの乳首と乳輪を取り戻した形の良い美乳をブルーのバイザーにグニグニと愛おしげに押し付けて嬉しそうに微笑むと、
「…………あびゃッ」
パ――――――――――――――――――――――ン…………………………ッ。
普通サイズよりも小さくなってしまったその美乳には、もう自爆するだけの力(エキス)も残っていなかったのであろう、デスエンプレスの半分だけになってもその美しさを微塵も損なわぬ見事な裸身は満足したかのように白濁した女帝のエキスそのものに換わり、一瞬、シュートブルーを抱いて微笑む女神の彫像のような姿になったかと思うと、潰れたような喘ぎと共にたちまち水風船が割れるようにして弾け散った。
バシャ……ッ。
「…………ッ」
一秒前までデスエンプレスだった粘つく白濁液がブルーの頭から全身へと降りかかる。
「デス……エンプレス…………」
ブルーは、かつてデスエンプレスだった白濁液をマスクから手のひらに掬い取って呆然と見下ろした。マスクのバイザーの奥のブルーの瞳には、間近で目にした、切なくもどこか満たされたようなデスエンプレスの最期の表情(かお)が刻みつけられている。
「……宇宙で最も美しい女帝サマが……一万年の命の終わりに……俺みたいな男を捕まえて…………それで……それでお前は満足したって言うのかよ…………?」
まるで待ち侘びた恋人にやっと逢えた少女のように透き通り、満ち足りていたデスエンプレスの最期の微笑がブルーの脳裏に焼き付いて離れない。
「ブルー! 生きてるの、ブルー!?」
「ピンク、こっちよ! ブルーは、ブルーは無事よ!!」
大爆発に引き返してきたピンクとイエローが、跪いたまま動かないブルーに駆け寄ってくる。
しかしデスエンプレスの成れの果てを全身に抱くブルーの耳に、その声は届いてはいなかった。
絶対的支配者を再び失ったネオ・ゲルードが総崩れとなり、結集したゲルード残党がシュートレンジャーに完全に掃討されるのは、この数か月後のことである。
そしてシュートブルーは、殲滅したネオ・ゲルードのアジトで眠る、一人の黄金の髪の少女に出逢うこととなる――。
(了)