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「奥様、ガラ空きですよ!」
ドスッ!
「っうごっ・・・お゛」
全身を使った突き上げるようなボディ。
去年より一回り大きくなった奥様の巨体が浮きました。
一瞬の静止の後、どさりとマットにうずくまります。
『白組、ダウンです!
紅組選手、離れたニュートラルコーナーで待機してください。』
コーナーに背をもたらせると、カウントが始まりました。
『ワ~ン、
ツー・・・』
非常にゆっくりなカウントでしたが、
ゆうきくんのお母様はマットにうずくまり、小刻みに背中を振るわせたままです。
あの拳の感触。
意識が上半身に向いて緩みきった腹筋。
肉を掻き分けて、直接内臓を打ちのめしたような手応えでした。
さぞ効いたことでしょう。
ボクサーが何万何十万回と、長い時間と試行をかけてたどり着く至高の1発。
そんなパンチを生身の身体へ迎え入れてくれたこと。なんたる光栄か。
ボクサーとして最上の喜びです。
私の拳を存分に堪能する奥様へ、心の中で大きく感謝いたしました。
9月のよく晴れた青空を仰ぎます。
校庭に響く子供達の歓声。
火照った体をながれ落ちる、健康的な汗。
夏の終わりの涼しい風が、気持ちよく吹きました。
そうか。
今年も、もう・・・
楽しい時間の終わり。
お祭りの後のような、一抹の寂しさが胸を締め付けます。
『エ~イト・・・
白組選手、立ちました!』
見ると涙目のまま、荒い息で拳を構える奥様がいました。
素晴らしい闘志。
まだ試合は終わらないようですね。
「ありがとうございます、奥様・・・。
最後まで、試合を楽しみましょう!」
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いつもご支援ありがとうございます。
暑いですね!