こちらOPとなっております
いろいろ試して皆さんに楽しんでいただける作品になるよう頑張ります🐧
私は、常に飢えている。
断っておくと大食いとかそういう訳じゃない。
物足りない、と私の心が常に訴えてきている。
勿論どうすればいいかは解っている。
解ってはいるのだが、じゃあ解消すればいいと言われると苦笑いするしかない。
だってそうでしょう?
私は立場ある聖職者で、飢えを満たすには、『栄光』が必要だからだ――
*
「うん、今日もいい天気。
あ、田中のおばーちゃんおはようございますー!」
「ああ、シスターさん、おはよう」
冬支度も終わり始めた今日この頃。
私は日課の教会前の掃除をしていた。
教会から管理人見習いとして、この小さな教会を任されたのが今年の初め。
その管理にも何とか慣れてきた今日この頃。
地域の皆とも交流をしっかりしシスターエーナとして元気にやっている。
一応元気で明るいシスターさんとして地域の受けはいいと思う。
(元気では、あるんだけどねぇ)
身体は非常に健康だ、地域のご飯が美味しくて体重維持が難しい程度だ。
しかし心はそうも行かない。
満たされない飢えが私を常に蝕んでいく。
(大人って不自由だよねぇ……私が破綻しているのが悪いんだけど)
自覚はしている。
こんな破廉恥な聖職者が居てたまるか、
満足できない欲求を日々自慰で治めるがのも日課になっている。
ああ、そうだそういえば。
私の悩みが結局なんなのか、それが解らないと何の事だ、しか言えないよね。
私は、所謂歪んだ性癖を持ってしまった人だ。
幼い頃の経験か、それとも生まれ持ったモノが経験で後押しされたか。
兎に角今はその満足できない性癖について話そう。
え? 別にいい? やだ話す。
話させて、話させろよ、少しでも発散しないと今日の夜にお前を犯しに行くぞ?
そうでもしないと今日のオ〇ニーが大変なんだよもう1~2回じゃ満足できないんだよ。
――オホン。
私の性癖と言うのは――『くすぐり』だ。
そう、くすぐり。
子供が悪戯とかでするアレ。
でも一部では性癖として見られていて、
夜のお店何かではオプションの一部とかそれメインでのお店とかある程だ。
ここまで聞いて勿論こう思うかも知れない。
その程度ならそれこそそういうお店に行けばいいのでは? と。
言いたいことは解る、というか何回かそういうお店にいった事もある。
しかしダメだった。
ただのオ〇ニーよりは盛り上がるがそれでも心の何処かで『こうじゃない』と思ってしまう。
じゃあ何が足りないのか、と聞かれればそれも一応解っている。
足りないのは――『栄光』だ。
汚したい、人々が築き上げた人生の『栄光』ある心を児戯に等しいくすぐりで崩したい。
崩壊させて何度も何度もその尊厳を壊して滅茶苦茶にしてもう二度と戻れない様にしたい。
我ながら何て破綻してる性癖だろうか。
献身的なシスターであれと育てられその生き方を良しとしているのに。
こんなにも、こんなにも私は神の教えに背いている……
最初はそんな自分に嫌気が刺しどうしたものかと思ったが。
まぁ、ほら、喉元過ぎれば何とやらで。
性癖だから仕方ねぇな!!!!ってなったのよね。
だが受け入れたからこそ、性癖に関しての妥協ができなくなってしまった。
でも『栄光』ある人をくすぐり犯すなんて現代では不可能だ。
そも『栄光』ある人が現代には少ない、その上『栄光』ある人にそんな事をすれば大問題だ。
だから仕方なく、私は何時もの日常を悶々としながら過ごす事にしている。
*
「ふ~……今日も小さな悪霊だったわね」
さて、私にはシスターとして変わった一面がある。
所謂エクソシスト、悪霊を倒すお仕事をやっている。
代行者、と言えるようなレベルではないが私が代々受け継いだ魔術の力があれば軽いものだ。
魔術、そう魔術だ。
代々私の家に受け継がれてきた魔術、とは言え大きなモノではない。
強化魔術の派生、のようなモノであんまり凄いモノでもない。
簡単に言えば長い間共に生きて絆が生まれた動物の能力を使える。
赤ん坊の時から共に育った彼らの力だ。
ま、今はそんな事は関係なく――
「ん?
あれ、これって……」
ふと、悪霊を退治した場所に不思議な渦があった。
魔力の流れと言ってもいい、しかしそんな物は地脈としてあるだけだろう。
その渦にどうしようもなく違和感を感じた、動物の能力を使える野生の感と言ってもいい。
「魔力が、固まって……これって、聖杯?」
形が丁度そんな感じだった。
聖堂教会に修行に行った頃に見た聖杯の形、それに似ていた。
しかし、これが聖杯だとして私は辺りを見渡す。
「誰も居ない……?
聖杯が出来る候補の場所って教会がマークしてるはずなのに……」
候補に漏れがあったのか、それとも何か偶発的なタイミングだったのか。
兎も角この聖杯は誰にも知られていない聖杯の様だ。
「……小さいけど願望器としての機能まである。
流石に大聖杯程じゃないけど……サーヴァントを召喚する程のリソースはありそう……」
サーヴァント、人類史に刻まれた英雄達。
本来なら今の人類以上の力を持ちその力を持って最後の一人まで戦う聖杯戦争という物があるが。
「……召喚はできてもこのリソースではかなり弱体化してしまう。
召喚はできるけど、これなら……」
何時の間にか、頬が緩んでいた。
ああ、ああだってそうでしょう?
英霊とは、英霊とは人類史に残るほどの『栄光』を得た英雄達だ。
その『栄光』を――汚しきれたら、どんなに気持ちいいだろうか――?
「ふ、ふふふ……」
過去の英雄に敬意が無い訳ではない。
彼らが居たから今を私達は生きているのだ。
だが、だからこそ、その『栄光』を汚したい。
「そうね、そうだわ……
この聖杯を使って、ふふ、あっはははははは!!」
*
必要なモノは三つ。
一 聖杯の改造
ニ サーヴァントを召喚するマスターの確保
三 召喚したサーヴァントを拘束する為の道具
だろう。
それぞれを説明すると。
一は当然ながら聖杯の改造。
今のままでサーヴァントを召喚すれば弱体化されていたとしても今の現代人が制御できるものではない。
私がフルパワーで防戦に対処して三手持てばいい方、それ程力の差があるだろう。
なので更に弱体化させる、サーヴァントとして戦う事ができない程に弱体化させその上で今回のルールを聖杯から与えられる知識として挿入する。
くすぐられ犯される事を、マスターがくすぐる事に対して抵抗しない事、マスターの欲望を出来る限り叶える事。
恐らくこんな所だろう。
ニは聖杯の改造と比べれば楽なものだ、こういう性癖の魔術師は腐るほどいる。
三はある意味保険だ、魔術封じの鎖で強力なサーヴァントが来てしまった場合の保険にする。
「……こんな状況で聖堂教会にいた頃の知識を使うなんてねぇ。
あの時の勉強がこんな所で役に立つんだから人生何があるか解らないわ」
改造をするのには少し日時が必要だろう。
その間にこれらの作業を終わらせる、まぁやれるだろう。
さぁ、『栄光』を汚す時だ――