~OPはこちらとなります~
「んひぃ!?
ふひゃ、くああ!?」
身体に纏わりつく嫌悪感か、それとも肌に触れたくすぐったさからか。
バーヴァンシーは体をビクン、と跳ねさせて普段の彼女からは出ないような声を出させた。
ドクターテンタが作り出した触手生物、その一品目。
しなやかに細かく動くその触手はエーナですら見ているだけで身悶えしそうな程的確にバ―ヴァンシーの身体を撫でていく。
「ふ、ざけ……!?
んだよ、このセクハぁん!?
くそ、この、ふひ!?
う、ひひひひひひ……!?」
バーヴァンシーは大きく笑い出す事は無い。
しかしこの手加減すらもドクターテンタの想定通りだ。
先ずは様子を見つつくすぐり弄ぶ、そういう事だろう。
いい趣味をしている、いたぶるには適度な手加減が一番必要だから。
「イーッヒヒヒヒ、いいねぇ、いいねぇ。
敏感な身体、豊満な身体、口は悪くも心地よい声、どれも最高の素材だ」
「……あんな触手生物、よく作れましたね」
「ああアレかい?
あれは古い禁書に記された海魔を参考に作ったのさ。
本来なら戦闘能力すらあるがワシが再現したのは悪魔でくすぐり能力。
元々は拷問目的で作られた本来使用頻度の少ない海魔さ」
「拷問目的……ふふ、昔からこんな魔術があったんですね」
昔の人も随分酔狂なものだと思う。
否、それこそくすぐりを拷問にするのは古代から歴史がある程だ。
それ専用に作られた魔術だってあっても不思議ではない。
ほら、エロにはタコや触手は昔から王道じゃない?
「くひぃ、ひひひ……!!
いい、かげんに、はなせって、んふぅ!?
い、いつまで、こんな、ふひゃっひゃひゃひゃひゃ……!!」
もじもじと悶えるバーヴァンシー。
どんな経歴があったのか強気で人を人とも思ってない性格だ。
そんな彼女が本来の力があれば片手で千切れる様な触手に蹂躙されている。
惜しい、実に惜しい。
正直な話バーヴァンシーは英雄ではないだろう。
反英霊だろう、『栄光』ある英霊で無いのは個人的には残念だ。
(ま、これはこれで、強気な姿勢が崩れるのはそれはそれで楽しめるでしょう)
「ひひ、くぅ……くぁ!?
バ、おま、そこは、くそ、やめ、くぅひひひひひひ……!
いい加減に、しろよ……んひぃ!?」
何処か弱い場所を見つけたのか、明らかに彼女の反応が変わる。
勿論、くすぐられるのに弱い場所をくすぐられればどうなるかも理解している。
しかしこの触手の凄い所はその弱点を見つけた後の動きだった。
「……ちゃんと弱点を認識している?
ドクターテンタ、これは貴方が命令を出している訳ではない、ですよね?」
バーヴァンシーは恐らく触手に弱点を知られてしまった。
その後は触手達が彼女の弱点を煽る様に撫でて反応を大きくしていく。
ドクターテンタはそんな彼女を見て何かをメモしているだけで特に触手を操作している様には見えない。
「イーッヒヒヒヒ、その通り。
この触手達には中央の軟骨部分がありその軟骨内の髄液が脳の代わりをしている。
そうだなぁ、人間換算で三歳程の知能があるかも知れんのぉ」
「触手自身が考えてくすぐれる、だからメモに集中できると?」
「その通りだ!
イッヒヒヒヒ、フハハハハハ!!
ワシの研究を否定したあいつらにもこれで理解できるだろうな!
ワシの作った海魔は英霊にすら効果があると!!」
何を勘違いしているのか知らないが本来ならこんな稚拙な海魔等片手で払える程の力しかない。
私ですら苦戦はありえないだろう、しかしこんな海魔の膂力ですら淫杯で召喚された英霊には脅威なのだ。
そうとも知らずに己の成果に高笑いすらしているこの男は非常に滑稽だが、今はそんな事はどうでもいい。
「く、うぅん……!!
ひひ、うひぃひひひひひひ……!
お、い……いいかげんにぃ!?
そこは、やめろって、いってぇひひひひひひひ……!!」
語気は強そうにも思えるがくすぐられる事でその力強さも薄れてしまう。
口汚く悪態をつこうにも体を震わせて笑い声が口の中から洩れてしまう。
(ああ、ああ何て無様……
人理に刻まれた妖精がくすぐられるだけでこんな風に……
『栄光』ある英雄でないのが残念だけど強気な人が笑い悶えるのはやっぱりいいわね)
「このデータがあれば、このデータがあれば後はCパーツを組み替えてGパーツと組み合わせれば……
いいぞ、もっともっと反応をして見せろ……!
ワシに次の研究を……次の実験を……次の発明を……!」
ドクターテンタは笑い悶えるバーヴァンシーを見ても触手の改造にしか興味がない様だ。
マジかよ、この豊満な肉体がくすぐられてる様子を見て勃起の一つもしないの?
こいつ枯れてんじゃね?
いやそんな事より研究への意欲が勝っているのか、嘘やん生理現象より本能が勝ってるってことなの?
「そこ、そこばっかぁははっひひひひひ……!
しつ、こいって、ぇへへへへへへへへへへへへ……
いつまで、そこを、くすぐってぇひぃひひひひひひひ……!!」
(……あれ?)
バーヴァンシーがくすぐられている光景を見ていて少し違和感を感じた。
何が、と言われると上手く言葉には出来ない。
しかしこのままでは、このままでは何かがダメな気がしてくる。
(でも指摘したら私が実験台にさせられそうだしなぁ……
それに何が悪いのか私も今一解ってないし……)
「次はあのパーツを組み合わせて、こやつの体の感度ならあのパーツを使えば……
いいぞいいぞこのデータを元にすれば本物の海魔の再現すらきっと……
き……っ……と……お……?」
凄まじい速度でメモを書いていたドクターテンタの動きがふと、止まってしまう。
もしかして、私も感じていた何かの違和感をドクターテンタも感じたのだろうか。
「うひぃひひひひひ……
お、おい、これ、いいかげんに、とめろってぇっひゃひゃひゃひゃ……!
ずっと、同じとこばっか、触ってんじゃ、ねぇ、よ……!!
「……どうか、しましたか?」
「……こりゃ、失敗だ」
――は?
失敗、失敗?
触手の動きは確かにバーヴァンシーの弱点を付いている、触手の頭がいいのかずっと彼女の弱点を――
「あ、同じ所しかくすぐってない」
「そうだ!
この触手は学習能力がある故に同じ場所しかくすぐらないので徐々に慣れがきてしまう!
しまった、こんな落とし穴はあるとは!!」
え、落とし穴かなそれ。
しっかり気が付けなかったけど何回かこういうプレイしていれば自然と思いつくもんなんだけど。
「…………あ、そっか研究一筋だから童貞なんだ」
「なんじゃと?」
やっべ、思わず口に出ちゃった。
嫌でもこの程度の事も解らないとかマジ?
大分じゃない?
この年齢でとか考えると魔法使い(笑)とかとっくの昔に通り過ぎてるよ?
「んひぃ、うひゃひゃひゃひゃひゃひゃ……!
お、あい……! なに、何をべらべら、しゃべって、んだぁ……!
も、もういいだろう、よぉ……!」
「ああいや何でも無いです。
でもどうします?
これじゃ何れ反応も無くなって魔力も奪えなくなりますよ?」
「なぁに、安心しろ。
次の手は考えてある――」
ホントかよ。
不安だ。