「くひ、んぁははははははは……!! く、うふう、ぐっひひひひひひひひ……!」
「へぇ……成程、耐えるのね……」
この装置はお仕置き用のくすぐり装置だ。
古くは日本で遊女の体を傷つけずにお仕置きをする為にくすぐりを行っていたがそれを魔術で自動化したものだ。
とうぜんだがお仕置き用なのでその動きは本格的だ、人工頭脳的な物も入っているので反応が良い場所をしっかりとくすぐってくれる。
水着の様な恰好一つで無防備な体をくすぐられるのは、本来なら悶絶ものだろう。
「は、うぅ、くぅひひひひひっ……!! く、うぐぅ、あはっ、いひぃひひひひひひひひひひ!!」
「ふふ、うふふ……」
くすぐられて身悶えているジャンヌを見て気が付くと頬が緩んでいる。
この女のメンタルは正直異常だ、どんな責め苦を与えても何時の間にか耐えている。
既にくすぐる指の速度やテクニックは私が先ほど出した本気に迫るほどのモノだった。
最初は勿論予期せぬ刺激に声を漏らし笑い悶えたが喉元を過ぎれば、というやつなのだろうか。
決壊したにも関わらず持ち直し、そして今の様に耐え始める。
「どんな体の構造してるのよ……一度決壊した後に耐えるのって相当な集中力の筈よ?」
「く、んぐう……! ふ、ひひいひひひひひひ……は、く、くひ! あっふひゃひゃひゃひゃひゃひゃ……!!」
ドン引き、と言うのも違うが既に私の煽りなど耳に届いてないだろう。
驚異的な集中力で耐える事だけに脳のリソースを全て割いている。
責めている側が驚くような彼女の精神力、そんな彼女を見て。
「は、はひひひっ、ふ、ふー……! んぐ、ふぅううう……! ひひ、あっひひひひひひひひひ……!」
「本当に、本当に、最っっっ高ね貴女……!」
思わず大きな声が出てしまう、しかしそんな声も彼女には届いてないだろう。
それでこそ、それでこそ汚すべき『栄光』だ、と思うと興奮も冷めやらない。
どうすれば、どうすればこの女の城壁の様な精神を崩せるのだろう、そう思うとそれだけでも股が濡れそうになる。
「さぁて、これはどうかしら?」
「ひぐぅ!? ん、んはぁっははは、きひ、うひぃはひひひひひひひひひひ!? く、んぐひぃひひひ、あっくはははははっはははは……!!」
手始めに装置の速度とテクニックを上げてみる。
明らかに反応が大きくなり再び決壊するがそれも長くは持たないだろう。
再びこの責めに耐えていくだけ、それでは面白くない。
只強いだけの責めにはもう価値は無い、それではジャンヌの心は折れない。
何をすればこの城壁を崩せるのか、まるで戦の計略を練る様に考える。
(令呪は、ダメね……使ってもちょっと動揺する程度、媚薬は……どうかしら? 今と同じように一時的な効果しか得られないでしょうね)
相当強い、それこそ神代の媚薬でも使わなければジャンヌの精神は崩せないかも知れない。
そんな確信の様な予想がある、そうでもしないとこの女は決して折れる事は無いだろう。
「くひぃひひひひひひひ、あ、ああっははははははははは……! ん、ぐぐ、くぅひひひひひひひひひ……! くふぅ、んっあっははははははは……!!」
(奥の手がある、と言えばあるけど……あれは次で使いたいしなぁ……今この状況で彼女をどれだけ削れるか……)
このまま責め続けるのもそれなりに効果はあるだろう、快楽的な拷問と違い一定の区切りがないのでくすぐりは無限に続けられるだろう。
勿論くすぐりだってやろうと思えば気絶させられるぐらいの責め苦にだってなるが、ジャンヌはそれさえも耐えてしまうだろう。
「は、うぅひひひひひひひ……こ、こんな事、何時までも続け、られない、ですよ……!?」
「うっそでしょ……こっち睨む余裕すら出てきてるの?」
もう私ですら余裕がなくなってくるレベルの責めなのに何時の間にかそんな余裕まで生まれてきている。
本当に、本当に城塞の様な精神力だ。
これを、これを汚す事ができれば、本当に『栄光』を汚した事になるのではないだろうか。
その時に生まれる快楽はどれほどのものか、考えるだけでも生唾を飲み込みそうになる。
「いいえ、続けるわよ……? こう見えても奥の手を隠し持ってるもの……」
「そ、そう、ですか……くふ、ふふふ……ん、ぁ……どんな、事をされても、私は、簡単には折れません、よ?」
そんなの嫌という程理解している。
でもこのレベルの責めにすら屈しない彼女に何が出来るか、を予想はするのだが――
痛み――効果がある筈もない。
快楽――このままでは効果は薄いだろう。
くすぐり――このまま責めを強くしても効果は薄い、何かと組み合わせるべきだ。
「……とりあえず、これでやってみるか」
「なに、を――くあ!? あ、んぁあっははははっはははは!? な、なにをっうひぃひひひひひひひ!?」
何が彼女に効くか、と思って試してみたのは癒しだった。
癒しと一言にいってもあまり理解されないだろう、簡単に説明すると魔力を用意たリラクゼーションシステム、心身をリラックスさせる魔力の波を彼女に当てている。
あれよ、ブルブルするマッサージ器を肩に当てるような感じ。
彼女の場合心のリラックスはしないだろう、しかし体は違う。
くすぐられている事に反応しているという事は凄まじい精神力で我慢しているのだろう。
感覚を遮断している訳ではない、つまり生理的な部分はどうだろうか。
癒しという正の感覚、つまり体を弛緩させてくすぐりに無防備にする。
「あっはは!? ああっひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!? こ、こんな、ちからがぁひゃひひひひひひひひひひひ!? ぬけぇへへへへへへへへへへ!?」
以外にも効果がある。
心は折れる事は無いが反応は格段に良くなった。
成程、負の感情より正の感情、甘やかす方がこの女には効果があるのだろう。
苦難の連続だったからこそ、自分が癒されるという感覚に結びつかないのだ。
「へぇ、よかった……貴女にも弱い部分あるんだ♪」
「くっひひぃははははっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! こ、こんな、あっはははははっはっはっはっはっはっはっ!!」
初めてジャンヌの人間らしい部分を垣間見た気がする。
こっちが害をなしてるとはいえもう本当に鉄か何かと話している様な気分だったし。
しかし、この方法にも欠点がある。
「ふひゃっあはああっははははははははは!! や、だめ、んふ、くひぃひひひひひひひ、あははっやっひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」
「相手の精神的には回復させてるんだから心は折れないわよねぇ」
体から力が抜けきっている状態で笑い悶えているジャンヌはこんな状態でも回復はしている。
こんな状態で彼女の心を折るなど土台無理な話だろう。
しかしようやく見つけた彼女への有効な手段だ、これを利用しない手はない。
「んじゃ、奥の手と行きますか……♡」
「んはぁっははははは、やめ、これぇへへへへへへへへへへへへ!! こんな、くす、ぐあっははははははははははは!!」
彼女の苦手な正の感情。
それを利用して彼女の『栄光』を汚す。
その為の手段が、ようやく浮かんできた。