■ 『人間ウマレース』という名の、ポニーガールレースに出場することになってしまった京は、パートナーの桜とぼやきながらもポニーガールの衣装を身に着けていく。初めて着る本格的なポニーガールの衣装の感触に、京は感じてしまうのだった。
■ 午年の書き初めは、馬ネタ……つまりはポニーガールということで! レースと銘打っておきながら、装着シーンだけなのは仕様ですーwーウム 装着シーン、お好きでしょう?0w0クワッ!
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賞金に釣られてそのレースに参加することを決めた私たちは、レース直前になって後悔していた。
『人間ウマレース』という名前の時点で怪しむべきだったのかもしれないけど、優勝賞金一千万、参加賞でも十万という破格の賞金に釣られてしまったのだ。
よく考えれば、それだけ賞金を支払っても元が取れると考えられている時点で、普通じゃないことには気付くべきだった。
私のパートナーである桜は、落ち込む私を呆れた顔で見ている。
「だから言ったのに……絶対怪しいレースだって。これだから京ちゃんはおっちょこちょいなのよね」
「うるさいうるさいうるさいっ! っていうか桜だって反対しなかったじゃない! 自分がまだマシな方だからってそういうこという?」
私の至極真っ当なはずの指摘に、桜は視線をよそに逸らす。
「ほら、そろそろ準備始めなきゃじゃない? 時間までにゲートに入らないとその時点で失格でしょ?」
「……覚えてなさいよ」
まだ色々言ってやりたいことは山ほどあったが、私はそれをグッと飲み込む。
悔しいが桜の言うとおり、あまり時間はない。
出走予定時間までに、私たちは指定の衣装を身につけてスタートに立たなければならなかった。
その衣装というのは――俗にいう、ポニーガールと呼ばれる衣装だ。
桜と軽いSMプレイの経験はあるけれど、ここまで本格的な拘束具というか、衣装を身に付けたことはない。
「これ……確かアームバインダーとかいう衣装よね……本当にこんなの身につけなきゃいけないの……?」
「体の硬い私じゃ無理だけど、京ちゃんならいけるでしょ」
「無責任な……私だって、別に体が柔らかいわけじゃないんだけど?」
アームバインダーは、背中に回した両腕をまっすぐ伸ばして揃えた状態で固定する拘束具だ。
シンプルながら拘束感は強い拘束具であり、かなり苦しそうなので正直身に着けたくはない。
けれど、桜にポニーガールの役をやってもらうわけにはいかなかった。
「私じゃ京ちゃんを背中に乗せるなんてことできないし、京ちゃんに頑張ってもらうしかないわね」
「むぅ……わかってるわよぅ……」
私と桜には身長差が極端にある。
私も彼女も成人しているけれど、体格だけみると大人と子供ほどに差がある。
だから、騎馬戦みたいな形のレースであれば、私たちはそれだけで大幅な有利を得ることが出来た。
それが私たちが賞金アリの『人間ウマレース』に飛びついた理由でもあるのだけど、まさかこういう衣装を指定されてしまうとは。
出場辞退すると、エントリー費用の五万円が返ってこない。
正月早々そんな損をするわけにもいかず、私たちは『人間ウマレース』に嫌でも出場しなければならないのだった。
「はぁ……グダグダ言ってても仕方ないし……着替えましょうか」
「よろしく。とりあえず一人で着れるところまでは着て。私も着替えないとだし」
今回のレースでは騎手――つまりはポニーガールに跨る側である桜にも衣装が指定されている。
それは一種のボンデージ衣装であり、露出こそほとんどないものの、胸を覆う部分は細いベルトで出来ていたりと、かなり際どいものだった。
女王様スタイル、というのが適切だろう。ちんちくりんの桜が着ると思うとだいぶ倒錯的な姿ではある。
ただ、ちぐはぐさにちょっと笑えて来てもしまう。
「なにか言った?」
「ううん、なにも」
桜がジト目でこちらを睨んで来たので私は視線を逸らし、ポニーガールの衣装を着るべく服を脱ぎ始めた。
私の体つきは、よくも悪くも普通だ。太っているわけでも、筋肉質なわけでもない。
胸の大きさもDカップでそこまで大きくないけれど、桜と違って揉める程度にはある。
ブラジャーやショーツも脱いで裸になった私は、まず胴体に装飾品を身に着けていく。
首に巻き付ける部分から始まるそれは、私の身体を亀甲縛りに締め上げるような構造をしていた。
ベルトが複雑に入り乱れ、生み出されたひし型の空間に、私の胸が絞り出される。
「んっ……」
思わず声が出てしまったのを恥じながら、私はその装飾を股間の方まで這わせていった。
股間部分はちゃんと全体を覆うようなパンツ状になっていたけれど、そのパンツにはジッパーが縦に走っていて、明らかに開くことが出来る仕組みになっていた。
特に挿入を伴う道具は配られていないのだけど、レース中に何かさせられるのかもしれない。
むしろ、そういったことがなければあんな破格の賞金が出たりしないだろう。
どうしてそういうことを出場を決める前に思い至らなかったのか。
「私たちって、ほんとバカよね……」
「いまさらでしょ……」
私が溜息を吐くと、桜がそう返して来た。自分たちが馬鹿なことなんて、自分たちが一番よくわかっている。
とりあえず私は胴体を覆うその装飾具を着用し、自分の体に合わせてベルトの長さを調整した。
ボンデージ衣装というか、ハーネスという方が近いかもしれない。馬役の私にはそういう表現の方が正しいのだろう。
私は次にやたらと踵の高い、ロングブーツを手にする。
ロングブーツは艶やかな赤色で、普通なら中々履けない華やかさをしていた。
足を通していくと、常に爪先立ちになってしまうほど、そのブーツの踵は高かった。
「……こんなので走れるのかしら」
「私まで巻き込まれるから、転ばないでね」
桜がボンデージ衣装に身を包みながらそんなことを言ってくる。
彼女の体のラインを強調するようなその服は、テカテカとラバー独特の光沢を放っていた。
艶めかしい雰囲気を発揮している彼女の姿に、思わずごくりと喉を鳴らしてしまう。
興奮しているのを知られたくなかった私は、ブーツを履くのに集中する。
「そっちの衣装も、ブーツなのよね……でも、踵はあんまり高くないのは不思議ね」
「そりゃ、乗馬しないといけないからでしょ。鐙に引っ掛けられるようになってるし」
桜が履くブーツは、まだ動きやすそうな踵の高さだった。
それは私の背中に乗らなければならないためだ。
私の胴体を覆っている装着具は、腰の太いベルトから膝の辺りまで届く鎖が垂れていて、その鎖の先には三角形の鐙が垂れていた。
桜の履いているブーツの、土踏まずの部分がちょうどハマるように出来ていて、そこに足を引っかけて私の背中に乗る仕様だ。
「……なるべく動かないでよ」
「わかってるわ」
私たちはそんな言葉を交わしつつ、ブーツを履き終えた。
バレエシューズみたいに、常に爪先立ちを強制してくるそのブーツは、履いて立っているだけでも結構しんどい。
私はバランスを取りつつ、軽くその場で足踏みをしてみた。
カツ、カツ、カツ、と小気味よい足音が響く。
「ん……大丈夫そうかな」
「京ちゃんが馬役で良かった。私だったら即転倒だっただろうし」
「運動神経死んでるもんね、桜は」
「……事実なだけに何も言い返せないわ」
不満げにそう呟く桜。
私はそんな彼女に、残りの道具を取り付けるように頼む。
私はまだ取り付けなければならない装飾品がいくつかあったけど、桜はラバー製の長手袋を嵌めているところだった。
一見ゴム手袋のようだけど、ぴっちりと桜の腕に張り付いて、その不思議な魅力を醸し出している様子をみると、明らかに普通のゴム手袋とは違うものだと感じる。
そんな手袋に覆われた桜の手が、手にしたのは最初に目についていたアームバインダー。
私は彼女に背を向けて、両腕を揃えてまっすぐにして突き出す。
「それじゃ……よろしく」
「……はいはい」
出来る限り平静を装ったけれど、発した声は硬くなってしまった。
同様に桜も緊張が隠せない様子でそう返して来る。
私がまっすぐに伸ばした腕に、分厚い袋が、アームバインダーが被せられていく。
先端部分は少し柔軟性の高い作りになっているようで、揃えた両手がそのまま挿し込めてしまった。
ただ、入りはしたけれど、手にぴったりと張り付いて来ているので、指先が全然動かせない。
ギチギチと音を立てるだけで、私の指先は動かせなくなっていた。
「……っ」
「……ずいぶん、反応がいいわね、京ちゃん」
「う、うるさいな……っ」
そう返したけれど、自分が過度に反応してしまっているのは自覚していた。
妙にくすぐったいというか、気持ちいいというか、不思議な気持ちにさせられている。
自分の知られざる一面を知ったような気分だった。
そんなことを考えているうちに、桜はそのアームバインダーを私の肩の辺りまで引き上げる。
アームバインダーの縁から伸びるベルトが、私の肩にかけられ、体の前でクロスした上で再びアームバインダーの縁に接続される。
それだけでも十分すぎるほどの拘束感だった。
でもそれで終わりじゃない。
アームバインダーの中心にはジッパーが走っていて、それをあげることで両腕の拘束は完成する。
「……いくわよ、京ちゃん」
「は、はやくしてよ……んっ」
硬い声を交わす私たち。
アームバインダーに通っているジッパーが引き上げられ、両腕の拘束がしっかりと固められていく。
ジッパーが上がると同時に、ただでさえ窮屈な状態の両腕がさらに窮屈になり、左右の肘が近付いていった。
「はぅ……っ! んっ……くぅっ……!」
ジッパーが最後まで引き上げられると、私の両腕はぴくりとも動かせなくなっていた。
いくら藻掻いてもしっかり固められているように、ギシギシと音を立てることしか出来ない。
胸が勝手に反らされ、息をする度にハーネスに縊り出された自分の胸が揺れるのがわかる。
「…………っ!」
「うわ……これ……えろ……」
藻掻く私の様子を見た桜が、そんな風に呆然と呟くのが聞こえて来た。
無性に恥ずかしくなって体を隠したかったけれど、アームバインダーで固められた両腕ではどうすることもできない。
ただ赤くなった体を左右に捩ることしか出来ない。
そんな私の様子を見つめながら、桜は私に膝を突いて姿勢を低くするように指示を出してくる。
転ばないように注意しながら床に膝を突き、膝立ち状態になる私。
その私の髪を、桜は手早くポニーテールに纏めてしまった。
「やっぱりポニーガールはポニーテールよね」
「桜、あなた何気に……ポニーガールとか好きだったり……?」
「何のことかしら。知識として知ってただけよ」
素知らぬ顔で応えた桜は、私に口枷を噛ませてくる。
横向きの棒を噛む形のその口枷は、いかにも馬に噛ませる轡を模したものだった。
棒が唇の端に食い込んで少し痛い。
しかもそのせいで涎が垂れてしまうのを防げない。
顎を伝い落ちる唾液が気持ち悪い。
「んぅぅ……っ」
「ふふ……京ちゃんすっごく無様で……可愛いわ♡」
桜はそんな私の状態がお気に召したらしく、頭を撫でてくる。
恥ずかしいからやめて欲しい。
私は桜に支えてもらって再び立ち上がった。
轡の左右からは手綱のようなものが垂れていて、いかにも背中に誰かを乗せるための存在だと主張しているようだ。
「さて、あとは……あ、ちょっと。忘れてるじゃない」
「んぅ……? ――んっ!」
桜の言葉と共に、乳首に衝撃が走る。
乳首にクリップが取り付けられていた。
それによって私の乳首が摘ままれ、そのクリップにぶら下がっているベルがチリンチリンと音を立てる。
音が立つ度に体が跳ね、強張ってしまう。
そんな私の様子を楽し気に見つめながら、桜は最後の装着品――尻尾飾り付きのアナルプラグを手にしていた。
「これ入れなきゃダメじゃない」
「んぅぅっ……!」
(そ、そうか、股間のジッパーはそれを入れるための……っ)
いまさら思い至って、私は無性に強い羞恥を感じた。
ジッパーが引き下ろされて股間を覆う部分が割れ、股間がむき出しになる。
露わになった股間に向けて、桜はそのアナルプラグを容赦なく差し込んで来た。
ちゃんと潤滑油は着けていたのか、ぬるっとアナルプラグが自分の中に入って来る。
「んふぅっ……!♡」
「気持ち良さそうね……京ちゃん♡」
「んぅっ、んうっ……っ!」
いちいち指摘しなくていいのに。
私は恥ずかしさが極まって悶えながら、桜を睨みつけるのだった。
そして私は、ポニーガールとして完成する。
桜が私の様子を見て、満足げに頷く。
「うん……どこからどう見ても、立派なポニーガールだわ。とってもエロくて、可愛い♡」
「んぅ……っ」
「ふふっ、睨んでる顔も可愛いわよ♡」
桜はそう言って、私の頭を撫でる。
側面の鐙に足をかけ、私の背中に体を引っ付けるようにして私に背負われる桜。
ぴったり体を密着させて来ているから、桜の着ているボンデージ衣装の感触と共に、桜自身の体温も感じられて、なんだかとても気持ちよかった。
轡に繋がる手綱を片手で持ってはいたけれど、もう片方の手で私の肩を掴んでいるので、手綱を強く引っ張られることはなかった。
「さあ、京ちゃん。出走ゲートに向かいましょう!」
「んぅっ……んっ、んぅっ……!」
こうしてポニーガールとなった私は、騎手として女王様のようなボンデージ衣装を着た桜を背に、レース会場へと向かったのだった。
その後、なんやかんやあって優勝は逃したものの、結構いい入賞賞金を私たちは手にした。
その賞金で買ったのは、ポニーガールの装飾品一式だったりして、それを使って個人的に楽しんだりもしたのだけど――それはまた、別の話だ。
おわり