■ ある悩みを抱えたヒロインが、彼氏にお願いして自分を抑え込んでもらうお話です。拘束・SM・調教の要素を含みます。
■ 今回の話はリアル路線なので、極端なファンタジー要素は出てきません。拘束描写は何度書いてもいいものですーw-ウム
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恥ずかしさが頂点に達すると反射的に手が出てしまうどうしようもない性(さが)――それが私の持つ悩みだった。
付き合っている彼氏の三也が武術の心得がある人だから事なきを得ている、一歩間違えば犯罪者になりかねない危険な自分。
それをどうにかするために、私は自分を拘束して欲しいと彼にお願いしていた。
「奈留ちゃんが治っても、今度はこっちが変になりそうだよ……」
三也はそんな風に呟いていたけれど、最終的には私の言うことを受け入れ、体を拘束してくれることとなった。
拘束された状態で三也とイチャイチャしていけば、殴りかかることなく普通にイチャイチャ出来る日もくるはず。
三也と幸せな結婚式を挙げるためにも、私はどんな手段を使ってでも、自分の性を抑え込んでみるつもりだった。
私が自分で用意したアームバインダーで、まずは両手を封じる。
一番反射的に繰り出してしまうパンチが出なくなるだけでも、ずいぶん違うはずだ。……まあ、足とか頭とかも出しちゃうんだけど。
まっすぐ伸ばした両手を後ろに回して、その状態でアームバインダーに両腕が覆われる。
一見ただの袋を被せているだけのように見えるけれど、実際はかなりキツくて、腕が全然動かせなくなっていた。
「締めていくよー」
三也がそう言って私に声をかけながら、アームバインダーのベルトを下から順番に占めていう。
まず手首のところがぎゅっとしまって、まっすぐ伸ばした手の先にぴっちりアームバインダーが張り付いて動かせなくなる。
「ぅ……っ」
「痛い? 締めすぎたかな?」
そう気遣ってくれる三也に感謝しつつ、私は首を左右に振る。
「だ、大丈夫。続けて!」
ちょっと強がりも入ってしまったけれど、どうにかそういうことが出来た。
三也はちょっと心配そうにしながらも、ベルトを締める作業に戻る。
肘の上下のベルトが閉められると、肘同士が密着しそうになる。自然と胸を張ってしまう形になり、ノースリーブのシャツに包まれている私の胸がゆさりと揺れた。
「…………っ!」
私の胸はそんなに巨乳ってほど大きくはないけれど、胸を反らして強調すれば、それなりの大きさには見える。揺れるその胸の動きが体の感覚で感じ取れてしまって、凄く恥ずかしかった。
(顔、熱い……っ、すごく、赤くなって……っ)
「…………」
私の顔が熱くなっていることに、三也は気づいているのかいないのか、よくわからない。
淡々とベルトを締め、緩まないようにしっかり固定していた。
「……うん。こんなものかな。あとは……」
最後に、アームバインダーの袋状の口付近にある二本のベルトを、三也は私の肩にかけるようにして、肋骨の辺りでクロスさせてそれぞれを肩の間を通してアームバインダーの縁へと戻す。
「ひゃっ! くすぐったいの、よっ……ぉ!」
脇の下に触れられ、くすぐったさが爆発した瞬間、私は思わずいつもみたいに体を動かしかけていた。
けれど、きっちりベルトが絞められた今、ギシギシと音を立てるばかりで全く微動だにしない。
「んっ……!」
「……おぉ、これなら確かに、確実に抑え込めるね」
そういう三也の手は私の肩に置かれていた。思わず払いのけて殴り掛かりそうになるけれど、アームバインダーのせいで一ミリも動かせないから、そうならずに済んだ。
「うぐぐ……っ」
目論見通りではある。それに、派手に軋んではいるけれど、そこまで痛くもなかった。動き出したのを無理やり止められたわけじゃなく、そもそも動く余地が全然ないからだと思う。
「…………こ、これ……結構……いいかも」
思わずそう呟くと、三也は少し意外そうな顔をする。
「いいって……えっと、気持ちいいってこと?」
「ち、違うわよっ!」
めちゃくちゃ体が軋む音がした。あ、さすがにちょっと腕の付け根が痛い。
「つつ……っ、三也を殴らずに済んでいいな、ってこと!」
「あ、ああ、ごめん。そういう……うん。ごめん、ありがとう」
三也はそう笑顔でお礼を言ってくるけれど、なんだかちょっとずれている気もする。
気を取り直した様子で、三也は話を先に進めた。
「それじゃあ次は……足かな?」
「そ、そうね。足枷を使ってちょうだい」
私は足が出てしまう危険性もあった。手の方が動くときはあまりないけれど、一回三也に両手を抑えられた時、恥ずかしさが頂点に達し、思わず足で彼の股間を蹴りあげてしまったものだ。
ほぼ密着状態でこちらの力が入らなかったから、三也が足を閉じるのが間に合って、九死に一生を得たけれど、そうでなければたぶん金的が炸裂して、三也が女の子になっちゃってたかもしれない。
(……いまさらだけど、三也ってほんと聖人君子だよね……)
暴力を振るっている側の自分がいうのもなんだだけど、実際度々いわれなき暴力を振るわれそうになっているというのに、それを平然と受け流せるというのは度量が大きすぎる気がする。
もちろん、ギリギリ致命的なダメージを回避し続けられているというのはあるのだろうけど……それにしたって懐が深いとしか言いようがない。
そんな彼と付き合えている幸運に感謝しつつ、私は絶対のこのどうしようもない性を抑え込んでやろうと改めて意気込むのだった。
足を拘束する枷は、ベルト状の枷だ。肌に触れる部分にはちゃんとクッションがあって、肌が擦れて傷がつかないようになっている。
それに加えて、足首と足の付け根両方に枷を取りつけて、その枷同時を連結することで、足を曲げたまま伸ばせなくすることが出来、足で蹴ることも膝を繰り出すことも出来なくなる。
左右の枷を連結することも出来るけれど、とりあえずは足を伸ばせなくしてもらうつもりだった。
「それじゃあ、行くよ。……蹴らないでね?」
「わ、わかってるわよっ。これなら、蹴れないでしょ!」
下手すると足を拘束する前に足が出てしまうことも考えられたのは、私はその場で膝立ちになった。これなら、よほど無茶な動きをしない限り蹴りにはいけない。
アームバインダーで両腕が封じられているので、膝立ちになるときに少しよろめいてしまったけれど、なんとか大丈夫だった。
三也が私の後ろに移動して、私の足を片方手に取ると、そこにベルト状の足枷を巻いていく。
機能も目的も全然違うけれど、見た目的には足に巻き付ける重りが近いかもしれない。
しっかりと固定した後、もう片方の足首にもそれが巻かれる。ちなみに、内側のクッションはこすれた肌を傷つけない材質ではあるけれど、同時にズレを防止する滑り止めの役割も果たしていた。
だからそうやって体に巻き付けられると、足首に吸いついているような感じで、なんだか不思議な気分になる。
「……それじゃあ次は、足の付け根だね」
「ど、どんと来なさい……っ」
いよいよだ。私が緊張しながらそれを受け入れるつもりでいると、真横に膝をついてしゃがみ込んだ三也がその手に持つ足枷を私の太腿に――足の付け根に近くなるように巻き付け始める。
私がいま履いているのは短パンで、太もものほとんどが元々露出している姿ではあったんだけど、三也の手が自分の太腿、それも足の付け根に近いとこに触れて来たため、ぞわぞわとする感覚が一気に押し寄せて来た。
(んひゃああああっ! は、恥ずかしいぃいいぃいいぃっ!!)
ミシミシッ、とアームバインダーというか、自分の肩が軋む音が大きく響く。
確実にアームバインダーがなければ、三也を殴ってしまっていただろう。アームバインダー様様だ。
そんな風に私が発散できない恥ずかしさに悶えている間に、三也は私の両足にその枷を巻きつけ終えていた。
「よし、いいよ奈留ちゃん。お尻を下して」
「わ、わかったわ」
私は恥ずかしさで頭が沸騰しそうになりながらも、どうにかぺたんとお尻を足首に降ろす。いわゆる正座の姿勢だ。
ただ、そうした時に、強制的に伸ばした状態で固定されている腕の指先が、床にちょっと触れてしまった。
「ととっ……気を付けないと……」
ちょっと全体的に上半身を前に傾け、腕の向ける方向を少し斜めにする。
そうすることで、指で床を突いてしまうことはなくなった。
「奈留ちゃん、繋げるよ?」
「う、うん。やっちゃって」
三也の最終確認に頷き、私はその足枷が連結されるのを受け入れる。
しっかり繋がったそれらの枷は、私の足を曲げ切った状態から全く伸ばせないようにしてしまっていた。
「…………ッ」
思わず立ち上がろうと力を入れかけた私は、それが全く叶わないことを知る。
ギシギシと音を立てるだけで、足がちっとも思い通りに動いてくれない。
「こ、これなら……!」
蹴りたくても蹴れないし、膝を叩き込むことも出来ない。
私はいま、自分史上もっとも安全な状態にあると言えた。
「いい感じよ、三也! これなら……!」
「うん。あとはこれだね」
そう言って三也が最後の道具を取り出す。
それは太くてがっしりとした革の首輪であり、私の首の長さにちょうどいい高さと厚みだった。
それを身に着ければ、私は首をほとんど動かすことが出来なくなり、恥ずかしさが極まって頭突きをしてしまう心配がなくなるわけだ。
「ん、それじゃあお願い」
私はそう言って、首を三也に向けて差し出す。
首輪を巻き付けてもらうのだから当然の態度だったのだけど、三也はなんだか複雑な顔をしていた。
「う、うん。任せて……やっぱこれ、やばいな」
ぼそりと呟いた彼の言葉の意味はよくわからなかった。いや、まあ絵面がやばいというのは間違いなくあるだろうけれど。
あえて何も言わず、三也の行動を受け入れる私。三也は覚悟を決めたのか、その手に持つ首輪を私の首に巻き付けてくる。
私が思ったより、その首輪の圧迫感はずいぶん強かった。
しっかりと固定されると、首全体が常に男の人の両手で覆われているみたいな、結構な圧迫感を覚えてしまう。
「く、ぅ……っ、こ、これは……っ」
「……大丈夫? 奈留ちゃん」
「へ、平気。だから……、早く、済ませて……っ」
下手に落ち着く時間があると、その首輪から逃れたくなってしまう。
私は自分に厳しく、目を閉じてその首輪を最後まで受け入れることにする。
三也はそういった私の意志を尊重して、その首輪をゆっくりと締めてくれる。
ぐっと首輪が首に軽く食い込む状態になり、私は少しだけ上に、そしてまっすぐ前を向いた状態で、首が固定されたのを感じた。
「……はい、出来たよ。奈留ちゃん」
そう三也に言われるまでもなく、私も自然と理解していた。
私の腕、足、そして首が――拘束され、本来あるべき自由を失ったということを。
つづく