建国当初から代々続く貴族、ローズワルド家。歴代優秀な人材を輩出し国家のために尽くしてきたかの貴族家に対する王家からの信頼は高く、当代の女当主であり軍部に勤めるタミラ・ローズワルドも現国王から厚い信頼を寄せられている。
「安いよ安いよ!」
「お姉さん、1匹どうだい?今日釣れたばかりの新鮮なシーギョだ」
そんなローズワルド家が屋敷を構える領都では領民達が活気に溢れた様子で生活していた。多くの者は忙しなく動いているが、その一方で彼ら彼女らが浮かべる表情に曇りはない。それは生活に対する不満が溜まっていない事の表れであり、ローズワルド家の統治が民の生活を考えた優れたものであることの証左だった。
パカラ...パカ...
「ローズワルド伯爵様の馬車だ!」
大通りの中を進む馬車に気づいた領民の1人が大きな声でそう言う。彼が指さす先にはローズワルド家の紋章を掲げた馬車と周囲を守る乗馬した騎士たちの姿があった。
「おぉ、伯爵様!」
「いつもありがとうございます」
それに気づいた領民たちは表情を明るくさせ、口々に感謝の言葉を言いながら頭を下げる。中には祈るようにその場に跪く者の姿さえあった。理想的な施政者であるローズワルド家は全員非常に好感度が高く、領民たちが自らの意思で敬意を払う様子はこの領地でよく見られる光景である。
.........
領民たちが色めき立つ中、馬車は静寂を保って大通りを突き進む。そしてそのまま領都の中央にある大きな建物、ローズワルド家の屋敷に向かっていった。
ブルル...
馬車が屋敷の門を通り、玄関の近くに設置された停留所で止まる。
ギッ...
馬車の扉が開くと、1人の女性がゆっくりと降りてきた。黒髪と切れ長の目が鋭い印象を抱かせる美女だ。彼女こそこの屋敷の主であり、ローズワルド家の当主であるタミラ・ローズワルドである。
「............」
タミラは無言のまま馬車から離れ、玄関の方へ向かった。そして手を前に伸ばし玄関の扉をゆっくりと推し開ける。
ガチャ...
扉をくぐり広いエントランスに足を踏み入れたタミラ。しかし彼女が帰ってきたにも関わらず、出迎えのメイドの姿などは一人もいなかった。本来であれば当主であるタミラが自ら玄関の扉を開けるというのもおかしい。
カツッ...カツッ...カツッ...
しかしタミラは誰かを呼ぶことなく屋敷の中を歩き始める。彼女の表情には怒りや疑問といったものは一切浮かんでいなかった。
スル...シュル...
パサリ...
廊下の中に布が擦れる音と床に何かが落ちる音が響く。タミラが廊下を歩きながら身につけていた衣服を1つずつ脱いでいっているのだ。上着、スカート、シャツ...タミラが通った後には道標のように服が落ちていた。どんどんと露出が増え、未だ若々しさを保つ白い柔肌が見えるようになる。
ハァ...❤ハァ...❤ハァ...❤ハァ...❤
それと共にタミラの息も少しずつ荒くなっていき、廊下を歩くスピードが少しずつ速くなっていく。瞳を潤ませ頬を上気させる様は彼女を知る者が見れば驚くこと間違いない姿だろう。
パサ...
ついに下着だけの姿になったタミラはある部屋の前に辿り着くと、乱れた呼吸を整える。そして"執務室"の扉をゆっくりと叩いた。
コン...コン...
はい❤どうぞ❤
ノックの音に反応し、部屋の中から女性の声が返ってくる。鈴の音のような聞く者をうっとりさせる美声だ。
「失礼します...❤」
ガチャ...
タミラは中の人物から許しを得た後扉を開け部屋の中に入る。自らの執務室にも関わらずかなり恭しい態度だが、彼女は自身の行動に全く疑問を抱いてはいなかった。
「遅くなってしまい申し訳ありません❤カリファ様❤」
部屋に入るなりタミラが行ったのは、扉越しに声をかけてきた女性に対する謝罪だった。伯爵という高い地位にいる彼女が頭を下げる相手はこの国では王家くらいの者だが...
「大丈夫ですよ、タミラ様❤」
しかし執務室の椅子に座り部屋の主のように振る舞う女性は王家どころかこの国の人間ですらない。彼女の名前はカリファと言い、縁あって最近ローズワルド家で働くことになったメイドだった。
「ありがとうございます❤」
タミラはそんな新人メイドに対して、国王に対する、否それ以上に丁寧な態度を取る。彼女の表情は恍惚という表現がピッタリであり、カリファを見つめる視線には屈服と盲信の色が浮かんでいた。
(あぁ...❤カリファ様❤なんとお美しい❤)
キュン...❤
トロ...❤
カリファの柔和で整った顔立ちと座っていても分かるほど魅力的なプロポーションに見蕩れるタミラは子宮を疼かせながら下着を濡らす。度重なる快楽調教によって従順なメス奴隷に堕ちたタミラにとって、目の前の美女の姿・仕草全てが美しく淫靡なものに見えて仕方がなかった。
「ふふっ...❤」
カリファはそんなタミラの様子を観察しクスリ...❤と笑みをこぼす。表向きはメイドとなっている彼女だが、タミラの様子を見て分かる通りそれは仮初の立場である。カリファの本当の役目は"リオ王国"という新興国家に所属する者であり、主君である女王の命を受けこの国の内部工作にやってきた諜報員だった。ローズワルド家に近づいた彼女は美しい容姿と熟練した性技、魔法を使いこの屋敷を掌握する事に成功している。
タプン...❤
「あぁっ...❤」
わざと机の上に豊満な胸を乗せてやれば、タミラは声を漏らしながらカリファの胸を凝視してきた。
(カ、カリファ様の胸ぇ...❤見ただけでイってしまうぅ...❤)
ビクッ...❤ビクン...❤
それどころか胸の谷間を見ただけで軽い絶頂に達してしまい、机の前に立ったまま小刻みに体を震わせてしまう。思春期の男子より敏感で情けないその姿は、国のために前線で戦い続け軍の重鎮としての地位へ辿り着いた才媛とはかけ離れたものだった。
(この様子ではもう魅了が解けることはなさそうですね❤)
数日間屋敷を離れていたタミラだが、影響下から外れるどころかより依存性が高くなり耐性が無くなっているのを見てカリファはそう結論づける。
チラ...❤
そしてタミラから視線を外し、"取り込み中"であった部屋の隅の方へ視線を向けた。
「ひゃぁぁぁ...❤あっ...❤あぁっ...❤」
グチュグチュ❤グチュグチュ❤
カリファの視線の先では裸の少女二人が床に跪かされ、目隠しされた状態で悲鳴をあげていた。目元は布で覆われていて見えないが2人の全体的な容姿はよく似ている。
「も、もう全部喋りましたぁぁ❤」
「隠してることはありませんっ❤本当でっ...んほぉぉぉ!?❤」
2人の少女は懇願するようにそう言うが、彼女達を取り囲むローズワルド家のメイドたちに胸や股を弄られ嬌声をあげさせられてしまう。少女たちは盗賊ギルドに所属する双子で、ローズワルド家と仲の悪い貴族によって雇われた者だった。ローズワルド家の屋敷に侵入し弱みとなるような証拠書類を持ち帰るように依頼された彼女たちは、屋敷に入るまでは良かったものの護衛も兼ねたローズワルド家のメイドによって捕縛されてしまう。今は尋問中のようだ。
「もう少し右側の女の乳首を強く抓りなさい。しかし絶頂は決してさせないように」
主導しているのはローズワルド家のメイド長であるノエルで、彼女は双子の首元に三本目の媚薬を注射しながらメイドたちに事細かな指示を与える。暗殺者としての技能を修めている彼女は人体の構造を熟知しており、少女たちの体を絶頂に達するギリギリの場所で留めながら情報を聞き出していた。
「カリファ様。この者達から得られる情報は以上のようです」
双子から全て情報を吐かせたノエルはカリファにそう報告する。最初こそ警戒していたが魅了され主を鞍替えしてしまった彼女はカリファに絶対の忠誠を誓っており、"元・主人"であるタミラのことを一瞥さえしていない。それは他のメイドたちの態度にも言えることで、彼女たちは双子の盗賊姉妹の体を責めながらカリファに熱い視線を送り続けていた。
「ありがとうございます❤このお礼は後でゆっくりとさせていただきますね❤ひとまず"後片付け"もお願いしていいですか?❤」
「っ❤あ、ありがとうございますっ❤おまかせください❤」
カリファに微笑まれたノエルは部下たちから恐れられていた氷のような無表情から一転、メスの顔になりながら嬉しそうに返事をする。彼女は愛しの主人から命令される喜びと幸福に下腹部を抑えつつ、命じられた通り少女たちの"処分"を行う。
パフッ❤
ギュムッ❤
「「んほぉぉぉぉぉっ!?❤❤❤」」
ビクビクッ❤ビクビクッ❤
"ノエルの腋に顔を挟まれた"盗賊ギルドの少女たちは同時に甘い悲鳴をあげ、仰け反りながら絶頂に達した。その姿は双子らしく完全にシンクロしている。
ムワァァァァァァァ❤
(こ、濃いぃぃぃっ!?❤❤❤)
(イくの止まんないのぉぉぉ❤❤)
媚薬によって極度の興奮状態にされている彼女たちにとって自分より強いメスの蒸れた腋の香りなどは劇薬そのものだ。脳の理性や思考を司る部分は全て腋フェロモンに破壊され、快楽を感じる機能以外は強制的にシャットダウンさせられてしまう。
ギュゥゥゥゥッ...❤
「「〜〜〜〜〜〜っ!?❤❤❤」」
しかし何度絶頂を繰り返そうともノエルは2人を解放しない。共に裏社会を生き抜いてきた双子姉妹のこれまでを全て破壊せんとばかりに両側の腕を締め続けた。
ビクビク❤ビク...❤
カクン...❤
するとしばらくするうちに少女たちの体から力が抜け、ついにダラン...❤と腕をぶら下げ反応が鈍くなる。しかし体はヒクヒク...❤と痙攣を続けており、呼吸の度に軽い絶頂を繰り返していた。これで処分は終了だ。彼女たちがこれからどうなるかはノエル、ひいてはカリファの胸三寸となった。能力の如何によって使い捨ての駒になるのか、はたまた新人メイドを目指す"研修生"となるのか決まるだろう。1つ確実に言えるのは、安易に仕事を受けてしまったが故に彼女たちのこれからの人生は大幅に変貌してしまったということだけである。
「カリファ様、ご報告してもよろしいでしょうか❤」
目の前で娘と同じくらいの年齢である少女2人が人生を終わらせてしまったにも関わらず、タミラは気にした様子もなくそう言う。ローズワルド家の長女カンナと次女ユーナはタミラと同じくカリファの虜になっており、今は2人とも自室でカリファの使用済み下着をオカズに崇拝オナニーに耽っている最中だ。タミラはその事を知らないが、もしその現場を見たとしても何も思うことはないだろう。娘たちがマゾレズとしての人生を歩むということは血筋の存続に関わる非常に大きな問題であるが、今の彼女にとってそのような"些細な事"はどうでもいいのだ。
「エルミアから連絡が来ました❤準備は順調との事です❤早ければ明日にも迎えの馬車が到着するかと❤」
タミラが言うエルミアとは、同じ伯爵の地位を持つ同僚の女性である。親友として何度も戦場で背中を預けた仲だが、他ならぬタミラの裏切りによってカリファに堕ちてしまっていた。今2人は長年仕えてきた国ではなく、カリファ、ひいてはリオ王国のために全てを捧げ動いている。
「まあ❤それは素晴らしいお話ですね❤ありがとうございます❤」
カリファは嬉しそうな様子で立ち上がり、タミラの背後に回って彼女の肩に手を置く。
「はぁぁ...❤」
肩に感じる体温と柔らかい手の感触にうっとりとした声をあげるタミラ。
「これからもお願いしますね❤リオ王国とタミラ様たちの幸福のために❤」
そんな彼女の耳元に顔を近づけたカリファは甘い声でそう囁いた。
「は、はひぃ...❤」
ゾクゾクゾクッ...❤
「これはお礼です❤タミラ様の"お好きなように"使っていただいて構いません❤もちろん、今でも❤」
スッ...❤
タミラが囁かれながら渡されたのは白いソックス。まだ温もりを感じるソレの正体に気づいたタミラはあっ❤あっ❤と声を漏らしながらその場に崩れ落ちる。
ドサッ...❤
「あ、ありがとうございますぅぅ❤ふーっ❤ふーっ❤」
ムン...❤ムワァァァ...❤
タミラはソックスに顔を埋め夢中で匂いを嗅ぎながら自分の股へ手を伸ばす。
クチュ❤クチュリ❤
「んおぉぉぉぉぉっ❤❤❤」
ビクビクッ❤ビクビクッ❤
(カリファ様❤カリファ様ぁぁぁ❤)
何度も心の中でカリファの名前を叫びながら絶頂するタミラ。ソックスにたっぷりと染み込んだ足フェロモンが彼女を更に従順な下僕へと堕としていく。靴下1枚で祖国を裏切る手伝いをしてしまった女貴族は、自分の屋敷で何とも幸せそうな声をあげながら快楽に溺れ続ける。
「まずは報告書を作成しなければいけませんね...❤」
カリファは足元で喘ぐメス奴隷を見下ろし、微笑みながらそう呟く。本国にいい報告が出来ればいいのですが...❤と続ける美女が企てる謀略が、侵略を跳ね除けようと奮闘する愛国者達に忍び寄る...
パカラ...パカ...パカ...
人気のない道を1台の馬車が通っている。道は十分に整備されておらず、道の左右には草木が生い茂った状態だ。これまで通った馬車の轍によって道自体は何とか残っているが、劣悪な道であることは間違いない。
............
しかし馬車に乗った御者は全く体が揺れていなかった。それは馬車に振動軽減の魔法がかけられている証拠であり、その時点でこの馬車に乗っている人物が相当に裕福な者であるということがわかる。馬車の外装は豪華絢爛という訳ではなく、どうやらお忍びで使われる馬車のようだ。
「さっきから随分と緊張しているようだな」
そんな馬車の中には2人の人間が乗っていた。声をかけたのは美しい妙齢の女性。背中には編み込まれた艶やかな銀髪が垂らされており、馬車内に吊るされた魔法の光に照らされキラキラ...と輝いている。
「い、いえ...そのようなことは...」
問いかけに答えたもう1人の人物。年齢は16と言ったところだろうか?少女から女性へ変わりつつあり、美しさと可愛らしさが両立した魅力がある。顔立ちや髪色は先に声を発した女性とよく似ており、恐らく親子であるということが見て取れた。
「今は私たちの他に誰もいないのだから、昔みたいにお母様と甘えてもいいんだぞ?」
女性が笑みを浮かべながら体を強ばらせる少女に対してそう言う。その声色には気安さとからかいが混ざっている。
「なっ...!?そのような子供っぽい真似はしません!まだ未熟ですが、アネモネシア家の次期当主として恥じない人間になるのですから!」
しかしそのからかいを少女は過剰に受け取ったようで、顔を赤くしながらそう言い返した。先程の緊張して黙っていた時と違い、感情を顕にするその様は子供らしさが垣間見える。だが由緒正しい家名を継がなければならないというプレッシャーに晒され続けているのだから、このような反応をしてしまうのも仕方ないのかもしれない。このまま順当に行けば、彼女はアネモネシア侯爵として王家と直接顔を合わせるほどの地位に就くのだから。
「ならもっと肩の力を抜いておきなさい。移動している時から気を張って本番で集中力が切れてしまいました、だなんて笑い話にもならない」
「うっ...」
しかし現侯爵であり母でもあるケーラ・アネモネシアにたしなめられ、少女クロエ・アネモネシアは肩を落とした。
「普段の頑張りは見ているつもりだ。私の後継者として着実に力をつけていっているのも認めてる。今回の会合に同行させているのはその証拠じゃないか?」
「...はい」
「今のあなたに必要なのは人の上に立つ者としての寛容さと余裕よ。これから会う者たちに知らない仲の相手はいないのだから、経験だと思って意識しておきなさい」
クロエはすっかり大人しくなり、ケーラの言葉に頷く。
「...それにしばらく執務ばかりで娘に構ってあげられなかった私のわがままでもある。たまには親子水入らずというのも悪くないだろう?」
娘の意気消沈した様子に苦笑したケーラはそう続け娘をフォローする。軍部の最上位である将軍の地位まで上り詰め、"鉄の女"と敵味方から恐れられる彼女も娘には甘いようだ。
しばらくして、アネモネシア家の馬車は広い空き地に停まった。周囲は森に囲まれており、建造物などは一切見えない。しかし同じような馬車が既に2台停まっており、中からそれぞれ1人ずつ女性が降りているのが見える。
「行こう」
「はい!」
ケーラがクロエを連れ馬車から降りていく。
「アネモネシア将軍!」
バッ...!
すると先に馬車を降りていた女性がケーラに対して挨拶してきた。軍隊式の敬礼は美しく、日頃から慣れているのが分かる。
「エブリン、公式の場じゃないんだからもう少し楽にしていいんだぞ?」
「いえ!偉大なるアネモネシア将軍に対してそのような失礼は出来ませんので!」
ケーラからエブリン、と呼ばれた女性は燃えるような赤い髪をした女性だった。ガーベラン子爵家の長女であり、爵位こそ継いでいないもののその実力1本で大隊長の地位まで到達した女傑である。今も鎧は着ていないものの腰に剣を携えており、ドラゴンの皮が使われている防具を局所に身につけているという風貌だ。男に混ざって訓練しているだけあって体は鍛えられており肌もよく焼けた小麦色をしているが、容姿は整っており体つきも女性らしさをしっかりと残している。強さで恐れられているものの密かに軍部で人気の高い女性だった。
「エブリンちゃんはいつでも元気いっぱいねぇ」
すると先に到着していたもう1人の女性が会話に参加してくる。紫色の髪をした美女で、女性らしい曲線美を描いた体つきだ。後に残る話し方と相まって非常に妖艶な雰囲気を醸し出していた。
「ネモフィラ伯爵!お褒めに預かり光栄です!」
エブリンは声をかけてきた女性に対しても敬礼を行う。それを「はいはい」と流す彼女はローレン・ネモフィラと言い、ネモフィラ伯爵家の現当主である。軍部では参謀を務めており、ケーラの指揮の元何度も軍を勝利に導いてきた頭脳の持ち主だった。
「久しいな、ローレン」
「こんな形で再会したくはなかったんだけどねぇ...あら、クロエちゃんも来てたの?ちょっと見ないうちに大きくなったわねぇ」
「ご無沙汰しております」
ローレンから笑顔を向けられたクロエは慌てて頭を下げる。ケーラの背後にいたためエブリンは気づいていなかったようで、「なんと!これは失礼しました!」と言ってクロエに対しても敬礼をしていた。ケーラが憧れだと公言しているエブリンは何度かアネモネシア家の屋敷に招待されており、クロエとも顔見知りの関係だ。
「まだエルミアは来ていないようだ。先に会合の場を整えておくか」
ケーラは辺りを見渡しそう言いながら、それぞれが乗ってきた3台の馬車を帰らせる。周囲に建造物のようなものは何もなく、馬車から天幕のような荷物をおろした様子もない。いったい準備といってもどうするのだろうか。
「ローレン、頼めるか?」
「はぁい。私を顎で使えるのなんて、今はあなたくらいのものよぉ?」
ケーラに声をかけられたローレンはそう言って微笑みながら1歩前に出る。
パチン...
すると彼女は数秒間目を閉じた後、地面に向かって1度だけ指を鳴らした。
ゴゴゴゴゴ...
一見何をしているか分からない行動だったが、その結果はすぐに現れる。なんと地面がせり上がり、そのまま土でできた壁が出来上がった。一辺50m四方の広さを誇る土地を囲む壁にクロエは言葉を失う。
「天幕はあなたが持ってきてるんでしょう?」
「あぁ。と言ってもマジックバックに仕舞っている物の中から出すだけだ。あまり整頓していないが、まあ100個はあるだろう」
「相変わらず加減を知らないわねぇ。そんなにいるわけないでしょ〜」
高さ3m程の壁をポカンと見上げるクロエを置いて、壁を作ったローレンは母のケーラと共にスタスタ...と入り口の方へ向かっていく。
「うむ!いつ見ても素晴らしい!」
後ろでエブリンが感心した声をあげているが、素晴らしいの一言などで片付けていい代物ではない。
「こ、これは何かの魔道具で補助しているのですか...?」
「む?いや、ネモフィラ伯爵はそのようなことはされていないと思いますよ?」
土で出来ているため強度がどの程度あるかは分からないが、規模だけで言えば城壁と呼んで差し支えない建造物を1人の魔法使いが、しかも一瞬で構築した事がクロエには未だ信じられなかった。恐る恐るといった様子でエブリンに尋ねるが、返ってきたのは逆に不思議そうな表情と上記の答え。
「ネモフィラ伯爵が敵地の中で一瞬にして陣地を築き上げた話は未だ軍部で語り継がれる伝説ですよ!」
ニコニコと笑うエブリンの言葉を聞き、クロエは時折家に遊びに来ては可愛がってくれる母の友人がとんでもない偉人であることをようやく理解した。
グロロロ...
「っ!」
その時、森の方から何やら低い唸り声が聞こえてくる。
「クロエ様、少しお下がりいただけますか?」
すると先程まで笑顔だったエブリンが真剣な表情を浮かべ、声のした方向からクロエを庇うような位置へ移動してきた。ケーラとローレンも足を止め声の方へ視線を向けている。
ドシン...ドシン...
「グベッ...グゴゴ...」
地響きと耳障りな声と共に森の中から姿を現したのは、緑色の肌をした化け物だった。背の高さはローレンがつくった城壁とほぼ同じであり、顔の中央についた1つ目がギョロギョロと気味悪く動いている。木々を押し退ける腕と反対側の手には人の背を超える巨大な棍棒が握られていた。
「サイクロプス...!?」
クロエは現れた魔物の名前を呟く。巨躯に見合った怪力と強力な自己治癒能力を持っており、中規模な街であれば壊滅する可能性もある非常に危険な存在だ。
「ほう...サイクロプスか」
「だからここら辺には来たくないのよねぇ」
ケーラとローレンの言葉に焦りが感じられなかったクロエは何を悠長な、と言いたい気分だったが、それより先にクロエの前に立っていたエブリンが雄叫びと共に勢いよく飛び出す。
「はぁっ!?ちょ、ちょっと!待ってください!?」
クロエは放たれた矢のような凄まじい速度でサイクロプスへ接近するエブリンを声で制止しようとしたが、その時にはもうエブリンは敵の間合いに入っていた。人が来ないため魔物を喰らい過ごしてきたサイクロプスにとって、人間のオンナというのは滅多に会えないご馳走だ。しかし"綺麗に仕留める"という知能さえ持たない怪物は喜びの叫びをあげながら自ら近づいてくるエブリンへ棍棒を振り下ろした。
「っ!」
エブリンが潰されると思ったクロエは凄惨な光景を想像し目を逸らしてしまう。
斬ッ!
しかし聞こえてきたのは棍棒が地面を叩きつける音ではなく、耳をつんざくようなサイクロプスの悲鳴だった。
「え...?」
「ふんっ!」
クロエが目を開けると同時にエブリンがサイクロプスの"2本目の腕"を枝のように切り払う。
「心配する必要はないぞ。エブリンは軍随一の身体強化魔法の使い手だからな」
ケーラが状況を理解出来ていないクロエにそう説明する。エブリンはその間にも人間としてありえない腕力で剣を振るい、サイクロプスの自己治癒が追いつかない速さでダメージを与えていく。
「これで終わりだ!」
トドメとして剣を横なぎに振るうと、サイクロプスの首が宙を飛ぶ。エブリンは衣服に返り血さえ浴びておらず、剣を軽く振って血を落とすと鞘に納めクロエの方へ近づいてきた。
「グ...ゴ...」
「なに?」
しかしサイクロプスは首だけの状態になっても未だ死に絶えていなかったようで、どす黒い魔力を放ちながら呻き声をあげる。
「これは...周囲の魔力で変異していたのか!」
エブリンは再び剣を抜きながらそう叫ぶ。会合に選ばれたこの地は魔物が多く、また現れる魔物が素材に向いていない種ばかりであった為に誰も目を向けない場所だった。それ故に会合に適していると選ばれたわけであるが、どうやら人の手が入らないうちに歪な魔力溜まりが出来ており、それをサイクロプスが摂取していたようだ。通常のサイクロプスでは流石に首を落とされたあとも生きているというのはありえない。
「これは少々私とは相性が悪いな...アネモネシア将軍!魔法をお願いしてよろしいでしょうか!」
物理攻撃を主とする自分ではサイクロプスを討伐しきれないと判断したエブリンがケーラに向かって声をかける。
「クロエ、やってみなさい」
「わ、私ですか!?」
ケーラより指名されたクロエは一瞬戸惑いを見せた。
(...いえ!この程度で狼狽えてどうするの!)
しかし内心で自身を鼓舞した彼女はすぐさま表情を引き締め、ゆっくりと深呼吸してサイクロプスの方へ手をかざす。
「離れていてください..."浄化(アネモネシア)"!」
そしてエブリンに離れておくよう忠告した後、母から教えられ鍛え続けた魔法を発動する。アネモネシア家の家名を冠するその魔法は強力な光魔法として知られており、その汎用性と威力は折り紙つきだ。クロエの手から放たれた光は真っ直ぐにサイクロプスの元へ飛んでいき、彼女が望むとおりに変貌の原因となった魔力を吹き飛ばした。
「これはまた凄まじい...!」
魔力溜まりの影響を失ったサイクロプスの討伐を今度こそ確認したエブリンはクロエの方へ視線を向ける。するとちょうどそのタイミングでクロエの奥、馬車を停めていた辺りから2人の女性がこちらへ向かっているのに気づいた。
「遅れたかしら?」
エルミア・サクラティスが到着したことにより、今回の会合のメンバーは全員揃ったことになる。
「サクラティス伯爵!...そちらの方は?」
エブリンはエルミアに挨拶しながら、彼女の背後で微笑む見知らぬ女性について尋ねた。
「彼女については後で説明するわ。それよりアネモネシア将軍、まだ周囲に様子を伺っている魔物がいるみたいよ?」
エルミアはケーラに対してそう言う。優れた風魔法の使い手である彼女は空気の流れを用いて半径数百メートルの探知を終えていた。
「そうか。..."迎撃(アネモネシア)"」
ピカッ...
エルミアの言葉を聞いたケーラが魔法を発動させた瞬間、彼女の体から光の奔流が噴き出す。空へ上がったそれは上空で弾け、26に分裂する。そして獲物を狙っていた"26の魔物全て"を撃ち抜き、彼女たちに害意を持つ存在は全てこの世から消えることになった。
「...これは一筋縄ではいきそうにありませんね...❤」
その様子を見ていたエルミアの背後に控える女性は小さな声でそう呟く...
「それでは、会合を始めたいと思う」
ローレンが土から生み出したゴーレムによってたてられた天幕の中でケーラがそう切り出した。ケーラが持参したマジックバッグ(異空間に物を仕舞える貴重な魔道具)により机や椅子も持ち込まれ、会議に参加する面々はそれぞれ椅子に座っている。
「エルミアちゃん、ずっと気になっていたんだけどその子は誰なのかしらぁ?」
すると定位置であるケーラの隣に座ったローレンがエルミアに質問をしてきた。
「この会合はあなたの声がけで始まったものよねぇ。私に届いた手紙には、『付き人はなし』と書いてあったと思うけど?」
そう言いながらローレンの目がスッ...と細まる。彼女とて信用できる配下の1人や2人は抱えており、それは恐らくこの場にいる全員に言えることだ。しかしエルミアから各自に送られた手紙にはそういった者の随伴もやめて欲しいということがかかれていた。それは各自の配下が信頼できないということの裏返しであり、本来であればローレンも相当に不快と感じる申し出だ。しかし事の重大性、異常性を考えローレンを含む全員はその条件を受諾した。当然それは自分の身は自分で守れるという自信があってのことだったが、エルミアのことを信じての行動といって差し支えない。
「それなのにあなたがその約束を破るのはいいの?私としてはあまりいい気分ではないのだけど」
ローレンは微笑みこそ浮かべているものの、瞳の奥は全く笑っていなかった。エルミアの返答次第によって彼女は会合に参加することなく帰り、決定的な仲違いをしてしまう可能性すらある。
「この女性はリオ王国に関する有識者として連れてきたのよ」
「はい❤カリファと申します❤皆様、どうぞよろしくお願い致します❤」
エルミアの紹介と共にカリファが立ち上がり、全員に対して優雅に礼をしてきた。
タプン...❤
するとその動きに合わせて非常に大きな胸が艶めかしく揺れる。服装は清楚なもので露出が少ないデザインをしていたが、抜群のプロポーションを誇る美女が着こなすことで背徳的なエロティックさが生まれてしまっていた。
「......っ!?」
(す、すごいですね...)
最年少のクロエは見たこともない大きさの胸に思わず目を奪われる。エブリンもチラリ...と一瞥をしていたが、踏んできた場数が違うケーラとローレンは反応すら見せない。
「ふぅん?有識者ねぇ?彼女が信用できる人物だっていう保証はあるの?」
ローレンはチクリと意趣返しを交えながら重ねてエルミアへ尋ねる。この場で自分が連れてきた人物が信頼できるということを示せ、というのはなかなかの無理難題だ。
「えぇ。信頼できる、と思ってもらえるかは分からないけど、私"たち"からの誠意を見せることは出来るわ」
しかしエルミアは焦る様子もなくそう言い返す。彼女の言葉に合わせカリファが自分の膝の上に置いていた手を机の上に乗せた。
「......!それは...」
眉をひそめたローレンがカリファの手を見るが、彼女の指に嵌められた2つの指輪を見て目を見開く。上品な装飾が施された指輪のそれぞれの宝石にはローズワルド家・サクラティス家の紋章が刻まれていた。
「タミラから預かってきた物と、私が自分で預けたものよ。彼女の身分についてはサクラティス家並びにローズワルド家が保証するわ」
エルミアは驚いた様子のローレンを見つめながらハッキリとした口調でそう言う。カリファが身につけている紋章付きの装飾品は基本的にその家に名を連ねる者しか身につけられない物だ。信頼しているからと言って渡せるものでなく、この場にいる全員のそれぞれの配下、例えばローズワルド家を取り仕切るメイド長のノエルでさえ支給されてはいない。それを渡すということはすなわち"その者を身内扱いする"と同義であり、カリファの行動による全ての責任をローズワルド家とサクラティス家が負うという意思表示となる。
「...なるほどね。そこまで言うなら私からの追求はやめておくわぁ」
自身も伯爵であるローレンはエルミアとタミラの行動の重みを正しく理解しており、だからこそ2人の行いを覚悟の表れとして受け取った。カリファに向けていた疑念の視線をやめ、いつも通り妖艶な微笑みを浮かべる。
「ありがとう。助かるわ、ローレン先輩」
「ふふっ...エルミアちゃんにその名前で呼ばれるのは久しぶりねぇ」
軍学校の先輩後輩に当たるエルミアが敢えて役職ではなく先輩と呼んできたことにローレンは笑いをこぼした。クロエとエブリンは剣呑な空気が離散したことに安堵の表情を浮かべ、重苦しかった会合の場に明るい空気が漂い始める。
「ローレンが納得したのであれば私から言うことは何もないな。それでは改めて会合を始めるとしよう」
沈黙を保ち見守っていたケーラが再び会合の始まりを宣言した。彼女自身長年共に戦ってきたタミラとエルミアには全幅の信頼を置いており、また指輪のこともローレンと同じく理解出来たためにカリファについて改めて何か言うことはしない。
「まずは自己紹介から始めるとしようか。私たちは互いのことを知っているが、客人に失礼があってはいけないからな」
ケーラはそう言って立ち上がる。
「私はケーラ・アネモネシアだ。軍の中で将軍を務めている。よろしく頼む」
軍の将軍であり、強力な光魔法"アネモネシア"の使い手であるケーラ。彼女の胸元にはアネモネシア侯爵家の紋章がついたネックレスがぶら下がっている。
「次は私かしらぁ。ローレン・ネモフィラよぉ。軍の中では参謀ってことになってるわ。よろしくねぇ」
ケーラの右腕であり、この会場を囲む城壁を単独で作り出した土魔法使いのローレン。彼女の耳でネモフィラ伯爵家の紋章付きのイヤリングが輝きを放つ。
「軍で大隊長を務めております!エブリン・ガーベランです!よろしくお願い致します!」
サイクロプスを単独で撃破できる接近戦のスペシャリスト、身体強化魔法使いのエブリン。手首に付けるブレスレットにガーベラン家の紋章が入っている。
「クロエ・アネモネシアです。よろしくお願いします」
軍の中で役職を持たないクロエは簡潔に名前だけ言って席に戻った。彼女の髪には母ケーラと同じ紋章がついた髪飾りが見える。
「エルミア・サクラティスよ。得意魔法は風魔法」
「カリファです❤姓はありません❤皆様のお役に立てるよう精一杯頑張りますわ❤」
エルミア、カリファとクロエの後に続き、全員がほとんどカリファのために行われた自己紹介を終えた。
「さて...それでは本題に入りたいところだが...」
チラリ...
カリファの後を受け言葉を発したケーラは天幕についた窓へ視線を向ける。入ってくる日差しはオレンジ色に染まった西日であり、夜が近づいていることを示していた。
「本格的な話し合いは明日からということにして、まずは状況の認識とその対策についての共有だけしておこう」
ケーラはそう言ってこの会合の"議題"について説明を始める。
「皆も知ってくれていると思うが、今回この場が開かれたのは我が国に対してリオ王国から文書が届けられたためだ。詳しい内容については省略するが、早い話が属国になれと言ってきたわけだな」
淡々とそう告げるケーラの拳は無意識のうちにか力が込められていた。ローレン・エブリン・クロエも険しい表情を浮かべている。
「.........」
しかしエルミアは全く顔色が変わっておらず、カリファも柔和な微笑みを浮かべたままだ。前者4人と後者2人の間には明らかな差が生まれていた。
「それだけでも十分な出来事だが、更に腹立たしいことに一部の貴族があの有り得ない文書に対して一定の支持を表明した」
ギリ...
既に知っている情報を聞いていても怒りが込み上げてくるのか、エブリンの方から歯を食いしばる音が聞こえてくる。
「はぁ...まさか貴族派の連中がここまで愚かだとは思っていなかったわぁ」
軍閥に所属しているローレンは別の派閥である貴族派を同じ貴族として認められない気持ちになっていた。国のために文字通り命を懸けてきた彼女にとって、易々と敵国に国を渡そうとする臆病者たちの考えは理解できない。
「.........?」
ジ......❤
すると発言したローレンはカリファから視線を向けられていることに気づき相手の方を見返した。カリファはうんうん...❤と相槌をうつように頷きながらも、ローレンの目を真っ直ぐと見つめ離さない。
(なにか言いたいことがあるのかしら...)
ローレンはカリファに声をかけようとしたが、それより先にエブリンが席から立ち上がり大きな声をあげる。
「我が国に対する無礼な態度!許せません!」
ガタッ!
怒りで肩を震わせる彼女は今にもリオ王国に剣一本で飛び出していきそうな雰囲気さえあった。あまり頭脳派ではない彼女に会合というのはあまり向いていなかったかもしれない。
「エブリン、少し落ち着きなさい」
「はっ!申し訳ありませんでした!ですがアネモネシア将軍!もしリオ王国との戦闘が起きた暁には我が部隊に先陣を切らせてください!必ずやご期待に応えてみせます!」
フーッ!
強く鼻から息を吐き出しながら椅子へ座り直すエブリン。しかしその際ローレンの時と同様カリファから見つめられていることに気づく。
「?」
ジィィ...❤
(なんだ?もしかして急に立ち上がっために驚かせてしまっただろうか?だとすれば申し訳な...
「む...?❤」
ズクン...❤
最初はカリファが驚いてこちらを見つめていたと思っていたエブリンだったが、見つめ合ううちに頭がボーッ...としてきてしまう。
(なんだ...これは...?彼女を見ていると...)
ドクン...❤ドクン...❤ドクン...❤ドクン...❤
こちらに微笑む美しい顔を見つめ続けていると、エブリンの心拍数がゆっくりとしかし確実に上がっていく。しかし胸の高鳴りに気づいていないエブリンはカリファの目を見つめ続け、綺麗な瞳に吸い込まれていきそうな錯覚にさえ陥った。
「クロエ、何か言いたいことはあるか?」
「っ!」
しかしその時ケーラが娘のクロエに声をかける。その声を聞いたエブリンはカリファから視線を外し、ケーラ、クロエの順番で相手に顔を向けた。
「...私もリオ王国の横暴な振る舞いは許せないです。今回の申し出には毅然とした態度で望むべきだと思います」
クロエは最初こそ小さな声だったが、だんだんと感情が乗り力強い口調でリオ王国に対する怒りを顕にする。自分の気持ちを整理し言葉にすることで一生懸命だった彼女はこちらを見つめているカリファのことには気づいていない様子だった。
「私もみんなと同意見ね」
エルミアが全員に同調する形でそう締めくくる。カリファは有識者として呼ばれているためこのような意見を尋ねられることはなく、この会合に参加する全員(カリファを除く)がリオ王国へ属国化する事に反対する意見でまとまった。
「それでは明日から具体的な対策について話し合ってみよう。今日の会合は終わりとする」
ケーラの言葉によって全員が天幕の外へ出ていく。50m四方の広い空間の中にはある程度離れた間隔で4つの天幕が張られており、それぞれケーラとクロエ、エブリン、ローレン、エルミアとカリファのものだ。親子であるアネモネシア家の2人は別として、エルミアとカリファはそれぞれ1つずつ天幕を用意するとケーラが申し出たのだが、エルミアとカリファどちらもが同じ天幕を希望したためこのような並びとなった。
「食事はこちらで用意しよう」
マジックバッグは時間経過を無視できるため、ケーラは全員に温かい食事を提供する。アネモネシア家の料理人が手がけた料理に舌鼓をうった後、簡易的な入浴用の魔道具が設置され全員身を清めた。マジックバッグをフル活用した野外での宿泊とは思えない充実具合である。
「それでは休むとしよう。今日は皆ご苦労だったな。明日からまた頼む」
ケーラはそう言うとクロエと共に自分たちの天幕へ入っていく。ローレン、エブリンもそれぞれ挨拶をして同じく天幕の中へ戻っていった。
「...それでは私達も中へ入りましょうか❤」
「はい...❤」
4人を見送ったカリファにエルミアが付き従う形で2人は天幕へ姿を消す...
「初めてお会いした時からその片鱗を見せてはいただきましたが、やはり魔力量、魔力操作共に素晴らしい方ばかりですね❤」
天幕の中、腰掛けたカリファは頬に手を当てながらこれからの作戦を考えていた。
「エブリン様は少し魅了魔法が効いていたような気がしていましたが...❤クロエ様はこちらを見てくださいませんし、ケーラ様とローレン様に至ってはかなりの耐性をお持ちのようです❤流石軍で活躍されている方々ですわ❤」
カリファは今日の会合での出来事を思い返す。そう、彼女が視線を合わせていたのは目を合わせることで発動する"魅了(チャーム)"の魔法をかけるためだったのだ。実際エブリンの心臓の鼓動が速くなり思考がぼやけたのは魔法の影響であり、あのままずっと見つめ続けていればカリファの虜にすることが出来ただろう。しかし、リオ王国で諜報員に選抜されるカリファの魔法は本来凄まじい威力で、常人であれば数秒見つめ合ったたけで盲目的な恋奴隷に堕とすことが出来るものとなっている。そのため10秒以上見つめ合っていながらあの程度で済んでいるエブリンは紛うことなき強者と言えた。
「ですがクロエ様とエブリン様であれば、まだ効果が早く出そうですね❤...エルミア様はどう思われますか?❤」
カリファは1人で考えることをやめ、同行しているエルミアへ意見を求める。しかし天幕の中に設置された椅子の上に彼女の姿はなかった。というより2人のためにケーラが置いていった椅子はどちらも空いている。
「ふーっ❤ふーっ❤ふーっ❤」
「あぁ❤申し訳ありません❤この状態では話すことが出来ませんよね❤」
そう言って笑いながら"椅子"の上から立ち上がるカリファ。
「あへぇぇぇぇ...❤」
ビクンッ...❤ビクッ...❤ビクッ...❤
するとカリファの下から"顔に座られていた"エルミアが恍惚の表情を浮かべながら現れる。彼女は"椅子"としてカリファに座られており、甘いフェロモンに包まれフゴフゴ❤と鼻を鳴らしていたのだ。勘違いしてならないのはこれがカリファ主導で行われたものではなく、同行し協力していることに対する"報酬"について尋ねられたエルミアが強く望んだものだということである。
「は、はひっ...❤カリファ様のお考えで間違いないと思いますぅぅ❤」
エルミアは体を震わせながらカリファの考えを肯定する発言を行う。それは一見下僕に堕ちた彼女がご主人様に同調しただけのように思えるが、エルミア自身も崩すのであればクロエとエブリンからが適切であると考えていた。
「そうですか❤そう言っていただけて安心しました❤ありがとうございます❤」
太鼓判を受けたカリファは聖母のような優しい微笑みでエルミアに感謝を伝える。
「ほぉぉぉぉっ...!?❤」
(カリファ様ぁぁ❤好きっ❤好きぃぃぃん❤)
ビクビクッ❤ビクビクッ❤
しかしその美しさに脳を焼かれたエルミアは情けない声をあげながらその場で絶頂してしまった。もし天幕が防音仕様になっていなければ、会合の他のメンバーに嬌声が聞こえてしまっていたことだろう。長い間不感症で性行為から遠ざかっていたエルミアだが、カリファを女神に見間違える程に魅了され堕ちてしまった彼女は美しい主人から微笑まれるだけで絶頂に達する程快楽に対する耐性を失っていた。
「明日もよろしくお願いしますね❤」
「お任せくださいぃぃ❤」
そうして一段と魅了を深められたエルミアは、改めて同志たちへの裏切り行為に加担することを了承してしまう。
〜2日目〜
「では、2度目の会合を始めるとしよう」
次の日の朝、集まった全員の顔を見渡しながらケーラがそう宣言する。こういった会合では形式も重要になるため、開始と終了は最も位が高い者が言うしきたりがあった。例に漏れずこの会合もそれに倣って始まり、リオ王国に対する対策の話し合いが始まる。
「軍から貴族派に対する圧力をかけるのはどうかしらぁ?腑抜けしか居ないんだから、少し脅してやれば大人しくなると思うけど」
「流石に大規模な部隊展開を貴族派の領地で行うことは難しいぞ?」
「軍事演習とでも言えばいいじゃない。探られて痛いやつしか困らないわよぉ」
形式が決まっている訳ではないが、年長者であり権力も持っているケーラとローレンが自然と議論の中心になった。ローレンは軍事演習と称してリオ王国への属国化に賛成している貴族たちを遠回しに脅すという方法を提案し、ケーラが懸念点をいくつか指摘するという構図になっている。
「おぉ!是非我が部隊も参加させてください!」
「何か動きがあれば、軍事演習で展開している部隊でそのまま鎮圧するという手段が取れそうですね」
エブリンとクロエは思ったことがあればケーラたちの会話に口を挟む。と言ってもエブリンは意気込みの発言が多いが。
「エブリン、ちょっとこっちに来てくれるかしら❤」
するとエブリンの対面の位置にいたエルミアが手招きしながら彼女のことを呼んだ。
「なんでしょうか?サクラティス伯爵」
エブリンは不思議そうに首を傾げるが、ケーラとローレンは議論に熱が入っておりあまり入る余地がない。クロエは母に認められるためと懸命に機会を伺っていたが、手持ち無沙汰になっていたエブリンはエルミアの手招きに応じて彼女の元へ向かった。
「こうしてお話するのは初めてですね❤よろしくお願い致します、エブリン様❤」
近くまで行くとエルミアの隣に座っていたカリファが微笑みながら挨拶をしてくる。エブリンはそれに応じつつエルミアに用を尋ねようとした。
"あなたは自然と私の方を見てしまう❤"
ボソ...❤
その時、カリファがエブリンの耳元で魅了魔法を込めた声でそのような言葉を囁いてくる。
「っ!?❤」
ドクン...❤ドクン...❤
その瞬間、エブリンの心臓は昨日と同じように大きく高鳴った。
「な、何をっ...❤」
"あなたは何にも気づいていない❤ただ、自分の席に戻った後私を見ればいい❤"
「あっ...❤」
魔法を検知したエブリンはすぐさま振り向きカリファを見ようとするが、追加の命令を受けそれを止められてしまう。エルミアが風による遮断を行っているため、エブリンの声がケーラたちに届くこともなかった。
(席に...戻る...カリファ殿を...見る...)
「席に戻りなさい❤」
「はい...」
エルミアに言われ自分の席に戻るエブリン。もし与えられた命令が自害しろなど望んでいないものであれば彼女の耐性で魔法を跳ね除けることが出来たかもしれない。しかし"視線を向けろ"という簡単で害のない命令はカリファの実力によってエブリンの脳に深く刻まれてしまった。
「.........」
(見る...カリファ殿を見る...)
魔法によって軽い暗示状態になったエブリンは席に戻った後、言われた通りカリファの方へ視線を向けてしまう。
「ふふっ...❤」
「.........っ!?❤」
ドキッ...❤
するとカリファもエブリンの方を見つめており、2人は向かい合って互いを見つめ合う形になった。
(一目見た時から気づいていたが、カリファ殿の顔はやはり美しいな...私などよりよほど...❤...ん?私は何を考えて...?)
エブリンはカリファの美貌に見惚れ、内心で彼女の美しさを讃える。しかし普段の自分では抱かないような思考になっていることに気づき、自身の異変を認識し始めた。
キィィィン...❤
「あっ...❤」
しかしカリファの視線に乗せられた魅了魔法が考えを深めることを許さない。既に20秒ほど視線を交わらせたエブリンは着実にカリファの魅了の支配下に置かれ始めてしまっていた。
(ま...ずい...❤カリファ殿を見ていると頭がクラクラする...❤目を逸らさなければ...❤いや、逸らしてはいけない...❤私はカリファ殿を見つめ続けなければ...❤)
ドクン...❤ドクン...❤ドクン...❤
何とか抵抗しようとするエブリンだったが、カリファの声による暗示に邪魔され目の前の美女から目が離せなくなる。そうしているうちに更に魅了魔法が深くかかり、エブリンの体に変化が起き始めた。
キュン...❤
プク...❤ピク...❤
「はぁ...❤はぁ...❤はぁ...❤」
エブリンの下腹部の奥、子宮がある部分は甘く疼き始め、乳首やクリトリスといった性感帯が反応し硬さを帯びていく。カリファを見つめ続けるエブリンの呼吸が乱れ、太もも同士が切なそうに擦り合わされる。
(なんだ...!?❤私の体、どうなって...❤)
「はぁぁ...❤」
エブリンはこれまで出したことのない艶めかしいため息をつく。鍛え上げられた肉体は魅了魔法という未知の攻撃を前に何の抵抗も出来なかった。
「エブリン、どうした」
すると彼女の異変に気づいたケーラが彼女のことを呼ぶ。
「っ!?❤な、何でもありませんっ...❤」
暗示にかけられているとも気づいていないエブリンはケーラから声をかけられたことで、"いつの間にかカリファに見蕩れ興奮していた"自分を認識し混乱した。咄嗟になんでもないと言ってしまったが、既彼女の頭の中の大部分はカリファで埋まりつつある。
「...そうか。少し私たちだけで話しすぎたな。少し早いが今日の会合は終わりとする」
ケーラによって会合の終了が告げられ、エブリンはクロエの後に続いて天幕を出ていく。しかしその際も視線はカリファに注がれており、それを見たケーラは無言でローレンに目配せした。
「......」
コクリ...
頷いたローレンは立ち上がろうとするカリファに「ちょっといいかしらぁ?2人きりで話がしたいわ」と声をかける。カリファはそれに笑顔で了承し、エルミアは特に反応を見せず1人で天幕を去った。
「あなた、エブリンちゃんに何かしたかしらぁ?」
2人になったローレンは開口一番そのような質問を投げかける。
(やっぱりこの子ちょっと怪しいわぁ)
ローレンとケーラはカリファに対する疑いを拭いきれておらず、エブリンの異変を見てその気持ちは更に強まった。
「何か...ですか?❤いえ、特に思い当たることはないのですが❤」
カリファは自然な様子でそう言うが、ならエブリンの態度は一体どう説明するのか。ローレンはどの角度から追求しようか考える。
「あの...ローレン様❤どうして下を向いてらっしゃるのでしょうか?❤」
すると今度はカリファから質問があった。それはローレンがカリファの顔ではなくその下の胸や首元付近を見ていることに対する疑問だった。
「うーん...申し訳ないんだけど、あなたと目を合わせていると何だか嫌な感じがするのよねぇ」
ローレンはカリファと目を合わせないようにしながらそう告げる。視線で相手を魅了する魔法はリオ王国でのみ知られており、ローレンもその存在は認識していない。しかし彼女とケーラは長年の勘からカリファと視線を合わせることに危険を感じ取っていた。
「...そうなんですね❤ご不快な思いをさせてしまい申し訳ありません❤」
「いいのよぉ。それより、エブリンちゃんの事だけど...」
カリファの謝罪を聞き流し、ローレンがエブリンに関する追求を再開しようとしたその時
プチッ...❤
カリファの胸に彼女の手が伸び、ボタンが外れるような音が聞こえてくる。すると一見すれば普通の服にしか見えない特注品の衣装が一気に胸元を解放し、下着に包まれた爆乳がいきなりローレンの前に現れた。
バルンッ❤
「えっ...?」
ローレンが戸惑いの声を漏らすと同時に、彼女の鼻をミルクのような甘い香りがくすぐってくる。
タプン...❤ユサ...❤ユサ...❤ユサ...❤
そして目の前の胸がローレンの視線を誘うようにゆっくりと左右に揺れ始めた。
「何をしてるのぉ?私は真面目な話をしてるつも...りぃ...」
クラ...❤
「ローレン様はもう目の前のおっぱいから目が離せません❤」
ローレンの意識が急速に遠のき、カリファの声がぼんやりと染み込むように耳から脳へ入ってくる。カリファが胸を振り子に見立てた"乳催眠"をかけたことにより、ローレンの意識奥深くにまでカリファの言葉が届いてしまうようになった。
「何も考える必要はありません❤目の前のおっぱいを追いかけましょう❤ユサユサ❤タプタプ❤おっぱいの揺れを見てるとだんだん気持ちよくなってきますね❤」
「...っ❤...っ❤...っ❤」
カリファの言葉がじんわりと脳内に広がり、ローレンは目の前で揺れる乳房の動きを視線で追いかけることに夢中だ。そんな彼女に対してカリファはいくつか暗示を囁いていく。
「ローレン、どうだった?」
数分後、ケーラからカリファのことを問いかけられたローレンは次のように答えた。
「情報は引き出せなかったけど、収穫はあったわぁ...❤あの子の体を見るのは危険みたい...❤何らかの魔法がかけられそうになったから、顔を見て話すべきねぇ...❤」
ローレンにかけられた催眠は2つ。カリファに乳催眠をかけられたことを忘れること。そしてカリファの"体"を見ることは危険と思い込むこと。
「そうか...ならば明日以降は顔から視線を外さないようにしよう」
「えぇ...私もそうするわぁ...」
そしてケーラはローレンの言葉を受け入れ、カリファの思惑通りの行動を取る判断をしてしまった。
〜3日目〜
「では、第3回の会合を始める。今日はエルミアの申し出により、カリファ殿からの情報を提供に耳を傾けるとしよう」
ケーラの宣言により始まった3日目の会合。しかし昨日までと違い、カリファは机に囲まれた天幕の中央部分に佇んでいた。
「はい❤私の知識、情報が皆様のお役に立てればいいのですが...❤」
カリファは微笑みながらそう前置きし、リオ王国のことについて話し始める。
曰く、リオ王国とは女王が治める国家であること。
曰く、外交により近年多くの国と友好関係にあること。
曰く、リオ王国は"母聖教"という宗教が国教であること。
(...既に知っている情報ばかりだな)
ケーラは机の上に腕を置きながらカリファからもたらされる情報をつまらなさそうに聞いていた。そのほとんどは既にケーラが手に入れているものであり、リオ王国で過ごしていなければ分からないような貴重な情報というのが出ていない。
(エルミアは何を考えてこの者を連れてきたのだ?)
ケーラは会合を開いた主でありながら、初日からずっと積極的に参加してこないエルミアのことを盗み見る。エルミアの実力と国に対する忠誠心を高く評価しているケーラは、まさか彼女が既にリオ王国の手中に堕ちており自分たちを嵌めるためにこの会合を開いたとは夢にも思わない。
「リオ王国の諜報員は時に魔法を用いることがあります❤」
「......!」
ケーラの意識がカリファの方に戻る。彼女が述べる魔法、それが我が国の貴族派の主張に関わっているのではないか。
(ようやく有益な情報を聞けそうだな...)
椅子に座り直したケーラはカリファの方へ視線を向ける。しかしその時ローレンの言葉を思い出し、体の方へ目がいかないようしっかりと彼女の顔を見つめた。
「あっ...❤んっ...❤」
(な、なんなのぉ...❤この気持ちぃ...❤)
一方その頃、カリファを見続けていたローレンは何度も視線を合わされ魅了状態が進行した状態になってしまう。
はぁ...❤はぁ...❤う、美しい...❤
隣のエブリンは必死に息を押し殺した様子だが、心から漏れ出た声がローレンの耳に届いてくる。昨日から既に魅了状態にあった彼女はローレンより更に深く魅了されており、もはや取り繕うことすら難しい状況になってしまっていた。
(あの目に見つめられると胸が苦しくなるのぉ❤か、体は見てないはずなのにぃ...❤)
乳催眠によって認識を歪まされているローレンはこの状況になってもカリファの"体"を見ることが危険だと信じて疑わない。否、"疑えない"。熱くなる体と思考に晒されながら、彼女はカリファの美しい顔を見つめることしか出来なかった。
「リオ王国では"魅了(チャーム)"と呼ばれる魔法が広く用いられています❤この魔法は自分に対する好感度を操作し、強制的に友好状態に持ち込んでしまうという強力なものとなっています❤ですがこれは"平和的な外交"にしか用いてはならないという法律があるため、悪用されることはまずありません❤」
(もしそんな魔法があるのであれば、確実に悪用されているでしょう...!)
ずっと真剣に話を聞いていたクロエはカリファの楽観的な言葉に内心ツッコミを入れる。そのような表向きの建前が守られるはずがない。
(待て...まさか、貴族派の連中はその魅了魔法にかかっているのか?となるとリオ王国は既に国の中枢に近づける位置まで来ているということに...)
当然クロエの母ケーラも彼女と同様の結論に至り、更に具体的な国への影響の予測にまで思考が及んでいた。貴族派がリオ王国に擦り寄るのは急速に勢力を伸ばすかの国に怯えたからだと思っていたが、カリファからもたらされた情報を信じるならば話は違ってくる。
「ケーラ様❤」
「っ!?❤」
ジッ...❤
しかしその時、カリファがケーラの顔を覗き込み視線を真っ直ぐ合わせてきた。
(か、体を見てはいけない)
一瞬驚いたもののすぐさまローレンの言葉を思い出し、視線を上げてカリファを見つめるが...
キィィィィン...❤
「.........っ!?❤」
ズクン...❤ズクン...❤
その結果、ケーラもカリファの魅了魔法にかかってしまうことに。
「安心してください❤ケーラ様が考えているようなことは起きていませんわ❤だからそのようなことを考える必要はないのです❤リオ王国は魅了魔法を平和目的でしか使っていませんから❤」
ジィィィ...❤
キィィィィン...❤
カリファはケーラの目を見つめ続け、最大出力で魅了魔法をかけながらそう言う。まるで子供に言い聞かせるような優しい言い方は魅了魔法と共にケーラの中へ入り込んでいく。
「そう...か...❤いや...しかし...❤あっ...❤う、うむ...❤カリファ殿が言うのであれば...❤そうなのかもしれないな...❤」
耐性を突破した魅了魔法は抵抗を受けながらも侵食を続け、ケーラの思考に"カリファの言うことは正しい"という価値観を植え込む。
「そうです❤やはりケーラ様は聡明で素晴らしいお方ですね❤」
「.........っ❤❤❤」
カリファに肯定され、魅了されたケーラの心中に喜びと幸福が広がる。それがまたカリファの言うことを信じる根拠となり、ケーラは目の前の美女の言葉に逆らえなくなっていく。
「いくつか例をあげてみましょうか❤」
ケーラから視線を外したカリファは戸惑うクロエをチラリ...と見ると、熱い視線を送ってくるエブリン、ローレン、ケーラを順番を見渡す。
「魅了魔法と言ってもいくつかの種類があります❤例えば頭に触れ直接魔法を流し込む方法です❤これは非常に効果が高く、一瞬で頭の中が術者に対する好意で埋めつくされてしまいます❤」
(い、一瞬で...❤)
ゾクッ...❤
カリファの言葉を映像化し脳裏に思い浮かべたローレンは背筋に震えが走った。
「また、魔力によって強化したフェロモンを用いる手法もありますね❤リオ王国の女性は他国の女性に比べフェロモン濃度が高い傾向にあるのですが、これを魔法でより高め相手に吸い込ませるという方法もあります❤一度吸い込めば多幸感と快楽に包まれる、薬物を超えた依存性を持つフェロモン体質の人もいるそうです❤」
「な、なんと...❤」
ゴクリ...❤
エブリンが喉を鳴らしながら恐れおののく。しかし彼女の鼻はヒクヒク...❤と動いており、呼吸は少しずつ深いものに。カリファのフェロモンを嗅ごうとしていることは誰の目にも明らかだった。
「今回私からお伝えできることは以上となります❤ご清聴ありがとうございました❤」
カリファは最後にケーラを見て微笑みかけるとエルミアの隣へ戻っていく。
「...情報提供に感謝する...❤」
「アネモネシア将軍❤今日は皆体調が優れないように見えるわ❤有益な情報も手に入ったんだし、お開きにした方がいいんじゃないかしら❤」
「...そ、そうだな❤今日の会合は終わりとする...❤」
エルミアの提案をケーラが採用し、3日目の会合は終了となった。カリファとエルミアは連れ立って天幕から出ていくが、ケーラ、ローレン、エブリンの3人は席からなかなか立ち上がらない。
ズクン...❤ズクン...❤
キュン...❤キュンキュン...❤
脳裏にこびりついて離れないカリファの美貌と際限なく高まる体の熱。同じ症状に晒された3人は乱れた息を押し殺すのに必死な様子だった。
「あ、あの...皆さん、大丈夫ですか...?」
「「「.........っ!?❤❤❤」」」
その時、クロエが心配した様子でケーラたちに声をかける。魅了されトランス状態にあった3人は彼女の声でようやく正気を取り戻した。
「だ、大丈夫だ...❤」
「えぇ...問題ないわぁ...❤」
「......っ❤」
ケーラとローレンは少しフラついた様子で席から立ち上がるが、エブリンだけは何も言わず足早に天幕を去っていく。
(いったい何が...?)
唯一カリファの影響下にないクロエは不穏な空気に1人不安を抱くのだった...
はぁ...❤はぁ...❤あっ...❤あぁぁぁっ...!?❤
その日の深夜、1つの天幕の中では女性の嬌声とクチュクチュ❤といやらしい水音が響いていた。天幕の防音効果により眠りにつく他の者がそれに気づくことはなかったが、その声はどこかある部隊の大隊長の声に似ていたという...
〜4日目〜
「で、では...第4回の会合を始める...❤」
4回目の会合が始まったが、ケーラによるお決まりの宣言はこれまでと比べどこか弱々しい。
「よろしいでしょうか❤」
スッ...❤
すると開始早々カリファが手を挙げる。
「「「っ!?❤」」」
それにケーラ、ローレン、エブリンの3人は反応を示し、特にエブリンなどはビクリ❤と大きく肩を震わせていた。
「皆様によりリオ王国のことを知っていただくためにはどうすればいいか、エルミア様の知恵をお借りしながら一晩考えて参りました❤」
カリファはそこで言葉を切り、エルミア以外の4人を見渡す。クロエだけは不信感を顕にした様子で、他の3人に負の感情は見られない。
「その結果、昨日お話した魔法を一度体験していただくのが良いのではないかという結論に至りました❤もしよろしければ、皆様のお考えをお聞かせ願えないでしょうか❤」
「何を言っているのですか...?」
話を聞いたクロエはカリファの主張が理解出来ず、思わず口を挟んでしまった。なぜ魅了魔法を受ける必要があるのか、そもそも今回の会合はあくまでリオ王国の不遜な態度に対する対策の話し合いであって、リオ王国を知るということが目的ではない。
「そんなことをしても意味があるとは思えませ...」
「そ、それはいい案かもしれないわねぇ...❤」
何を馬鹿げたことを、とカリファの意見を切って捨てようとしたクロエの言葉は思わぬ人物の発言によって遮られた。
「ローレン様っ!?」
まさかローレンが賛成するとは思わず、クロエは驚きの表情を浮かべながらローレンの方を見つめる。
(ごめんなさいクロエちゃん...❤でももう私限界なのぉっ...❤)
彼女はこれを受けてしまえばどうなるのか正しく理解していた。それが国と自分にとって良くないことであるとも。
キュン...❤キュンキュン...❤
好き❤好き❤好き❤好き❤
だが胸から子宮から溢れ出すカリファへの恋心と快楽に対する欲求が全てを塗りつぶしてしまう。魅了されることの気持ちよさを知ってしまったローレンはもう我慢の限界だったのだ。
「まずは私が体験してみるわぁ...❤」
スッ...❤
ローレンはそう言って立ち上がり、自らカリファの方へ近づいていく。
「ず、ずるいですよネモフィラ伯爵っ❤受けるというのであればまず私がっ...❤」
するとそれに反抗したのがエブリンだ。魅了状態と"寝不足"が重なり、ローレンに逆らうという普段では有り得ないに踏み切った。
「大丈夫ですよ、エブリン様❤今日はお二方に体験していただく予定ですから❤」
「っ❤❤❤」
しかしカリファがそう言って微笑みかければたちまち威勢を失ってしまう。まるで調教師に飼い慣らされた猛獣のような光景だった。
「ア、アネモネシア将軍!私は反対です!」
クロエはおかしくなってしまったローレンとエブリンを自分では止められないと思い、ケーラの方へ助けを求める。
「ケーラ様❤」
「んんっ...❤」
しかしカリファがケーラの名前を呼びながら魅了魔法の籠った目で見つめると、たちまち彼女は蕩けた表情を浮かべた。
「クロエ...❤少し静かにしていなさい❤お前の意見は却下だ...❤」
「な、なんでっ...お母様!......っ!?!?❤」
自身の意見を退けたケーラに悲鳴に近い声で再度呼びかけたクロエ。しかし周囲に風が吹いたかと思うと、次の瞬間彼女の全身は空気の壁に閉じ込められてしまった。
仲間はずれは悲しいわよね❤分かるわ...❤だからあなたにも教えてあげる❤
(こ、この声はエルミア様の...!?)
身動きが取れなくなったクロエにエルミアの声が聞こえてくる。
「んんんっ!?❤」
フワァァァァァ...❤
すると同時にクロエの鼻から入り込んだ空気が彼女の肺を甘ったるい香りで満たす。
(な、なんですかこの匂いはっ...!?❤)
クロエは身の危険を感じすぐさま脱出しようとするが、エルミアの風魔法は少女に破られるほど易しくない。
「ふにゃぁぁぁぁ...❤」
そしてクロエは密閉された空間で濃縮されたカリファのフェロモンを摂取させられてしまうのだった。
「体の力を抜いてください❤すぐ終わりますから❤」
「わかったわぁ...❤」
カリファの前で待機するローレンは椅子に座った状態で脱力しながら、興奮と期待で胸を膨らませていた。
スッ...❤
すると頭の上にカリファの手が置かれ、一瞬後にローレンが待ちわびた、否それ以上の凄まじい衝撃が全身を駆け巡る。
ズズズズ...❤
「おほぉぉぉぉぉぉっ!?❤❤❤」
ビクビクッ❤ビクビクッ❤
頭に"魅了(チャーム)"を直接注ぎ込まれたローレンの体が電流に打たれたかのように激しく震えた。彼女は人生であげたことのない大きな嬌声をあげながら、頭の中をカリファという存在で塗り潰されていく。
(カリファ様ぁぁ❤好きっ❤好きなのぉぉぉ❤)
プシッ...❤プシャ...❤
椅子に座ったまま痙攣するローレンは絶頂を迎え、噴き出した愛液が床を濡らし天幕の中にいやらしいメスの匂いが広がる。
「はぁ...❤はぁ...❤」
長い付き合いの中で1度も見た事のない親友の乱れる様を間近で見せつけられたケーラは食い入るようにカリファとローレンの姿を見つめてしまう。
「ふーっ❤ふーっ❤ふーっ❤」
クチュクチュ❤クチュ❤
エブリンなどは興奮が限界を達したのかその場で下半身の衣服をずりおろし、綺麗に割れた腹筋を晒しながら夢中で股を弄り回していた。オカズはアヘ顔を浮かべるローレンとカリファの美しい体で十分すぎる。
「あら、エブリン様❤少し気が早いですわ❤もう少し我慢しましょうね❤」
「おおぉぉぉっ...!?❤は、はひぃっ...❤」
ビシッ...❤
しかしそれを見つけたカリファが優しい口調で注意すれば、エブリンの体は彼女の意思と関係なくオナニーをやめてしまった。
「あへっ...❤あひぃぃ...❤」
ガクン...❤
過剰な快楽により一時的に脳がショートしてしまったローレンは椅子に座ったまま力なく気絶する。股を濡らしながら意識を失った彼女の表情は快楽と喜びに満ちていた。
「エブリン様にはキスによる魅了洗脳というのを体験していただきたいと思います❤」
ローレンの頭から手を離したカリファは全身からメスフェロモンを漂わせるエブリンへ近づいてくる。
「わ、分かりましたぁぁっ❤早くっ❤早くお願いしますぅぅ❤」
勇猛果敢な大隊長だが、一番最初に魅了されたために我慢の長さも人一倍だった。既に身も心も屈服しており、カリファが近づくことに喜ぶ体がヘコヘコ❤と前後に腰を振っている。彼女に必要なのは自分が納得出来る決定的な出来事。
「焦ってはいけませんよ❤ふぅぅぅぅ...❤」
フワァァァァァ...❤
「あ、甘いぃぃぃっ❤❤❤」
カリファはエブリンの前に立つと、彼女の顔にフェロモンたっぷりの吐息を吹きかけた。
ビクビクッ❤ビクンッ❤
それだけでエブリンは絶頂に達してしまい、カリファを見つめる瞳にはくっきりとしたハートマークが浮かんでしまう。
「あら❤もう魅了されてしまったのですね❤」
エブリンの視界では、魅了魔法の効果によってカリファが世界の誰よりも美しく映っている。そんな絶世の美女の顔がゆっくりと自分に近づき...
チュゥゥゥゥゥ...❤
「〜〜〜〜〜〜っ!?❤❤❤」
そして彼女は唇によって"幸せ"を理解した。
ビクビクッ❤ビクンッ❤ビクッ❤
エブリンの脳がキスを認識するより先に、彼女の体は魚のように跳ね絶頂を繰り返す。
レロォン...❤チュパ❤チュル...❤
「んむぅぅぅぅっ!?❤❤❤」
そして中へ侵入してきたカリファの舌がいやらしく口内を舐める度、これまでの人生で築き上げてきたエブリンの価値観が削ぎ落とされ新たなものに変換されていく。
(これまでの私は間違っていたっ❤今私は生まれ変わったのだぁぁ❤私はカリファ"様"に仕える剣として生まれてきたんだっ❤)
エブリンの中で国家に対する愛国心が一瞬で消え去り、甘美な唾液と共にカリファとリオ王国に対する妄信的な忠誠心が注ぎ込まれる。
ビキビキッ❤ムキ❤
剣を振るうために鍛えた腕も、体幹を鍛えるうちに割れた腹筋も、足も背中も体の全ての部分が真なる主人を見つけられたことに喜び震えた。腕力であれば魔法を使わずとも瞬殺できるはずの存在に、剣として一生を捧げるという誓いを一瞬で立ててしまったのである。
「〜〜〜〜〜っ❤❤❤」
ジョボボボ...❤
魂までカリファに屈服したエブリンはそのまま失禁し、天幕の中にアンモニア臭の混ざったメスの香りが充満した。
「...ぷは...❤これからよろしくお願いしますね❤エブリン様❤」
「はひぃ❤」
ドサッ...❤
エブリンはキスから解放されると、そのまま自分が作った水溜まりに腰を抜かしてへたり込む。
はぁ...❤はぁ...❤はぁ...❤はぁ...❤
そんな2人を見つめるケーラ、クロエの視線は同じ類のものだった。最初は反抗的な態度を示していたクロエだったが、カリファのフェロモンに少女が耐えられるはずもなく今やすっかり匂いフェチを植え付けられながら魅了状態になってしまっている。彼女は目の前で絶頂しカリファへ忠誠を誓うエブリンとローレンが羨ましく思えて仕方なく、それはケーラもほとんど同じだった。
「では、続きは明日に致しましょう❤」
しかしカリファは母娘に何もせずそう言って天幕を後にしてしまう。
「そ、そんなっ...❤」
クロエから未練たっぷりの声が漏れるが、肝心の美女は振り向いてくれない。そうして残されたクロエとケーラは未だ快楽の余韻から抜け出せていないローレンとエブリンを他所に、悶々とした気持ちを抱え続けることになるのだった。
〜5日目〜
この日は初めてケーラの宣言ではなく、カリファの情報提供という言葉から会合が始まった。そして彼女からもたらされたのは驚愕の事実。
「ローズワルド家は既にリオ王国の諜報員によって篭絡されているようです❤」
それは軍部の中でも大きな影響力を持つタミラ・ローズワルドが魅了され敵の支配下にあるということ。
「事実よ❤だから私たちはもっとリオ王国のことを知ってこの対策を取らなければならないの❤」
エルミアがカリファの情報は正しいと肯定する。しかし、通常通りに考えれば一気にエルミアとカリファの雲行きが怪しくなるはずだ。なぜカリファとエルミアはローズワルド家のことを知っているのか。そしてカリファの身元保証に重要な役目を果たした家紋付きの指輪。その片割れであるローズワルド家が既に陥落しているというのであれば、それはすなわち...
「「んほぉぉぉぉぉぉっ❤❤❤」」
しかし"そんなこと"はこの会合の参加者の誰も気にしていなかった。
「ふーっ❤ふーっ❤ふーっ❤」
「この匂いっ❤強すぎますぅぅぅ❤」
ヘコヘコ❤ヘコヘコ❤
"タミラ・ローズワルドが受けた魅了洗脳を体験する"という名目でカリファの腋に顔を埋めたケーラとクロエは仲良く腰をカクつかせながら何度も絶頂に達していた。
ムワァァァァァン...❤
甘酸っぱい腋フェロモンの香りに肺と脳を支配された彼女たちはもはや顔を包み込む淫臭を貪ることしか頭にない。
プシッ❤プシャ...❤
ビクビクッ❤
女性器から溢れ出した愛液は下着を貫通し、股部分を濡らして地面に染みを作っている。
「タミラ様もそのように諜報員の腋に顔を埋め、熱心に呼吸を繰り返しておられました❤さらに、彼女はあろう事か敵国の諜報員の前に跪き、足を舐めながら忠誠を誓ったのです❤」
ドサ...❤
ストン...❤
カリファはそう言って2人の体を床にしゃがませると、靴とソックスを脱いだ生のおみ足を見せつけた。
モワァァァァァ...❤ムン...❤ムン...❤
「あぁっ...❤」
「足ぃぃ❤」
チュパッ❤レロォ...❤
ペロペロ❤ピチャピチャ❤
顔の前に芳香漂わせる生足を差し出されたケーラとクロエは喜びの涙を流しながらその足を舐めしゃぶる。蒸れた足の香りと甘く刺激的な味わいが彼女たちを戻れないところまで連れていく。
「あぁ❤ずるいわぁ❤私も欲しいのにぃ❤」
「羨ましいですっ❤アネモネシア将軍っ❤」
クチュクチュ❤クチュクチュ❤
そんな2人の様子を見つめるローレンとエブリンはそう言いながら指で自分の秘部を慰めていた。当初の目的など忘れ快楽を求める姿はメスという言葉が相応しい。
「はい❤体験は以上です❤」
しかし、彼女たちの夢のような時間はカリファのその一言で唐突に終わってしまう。
「へっ...?❤」
「あ、あれ...?❤私、何を...❤」
カリファが魅了魔法を解いたことにより正気を取り戻した4人は自分が何をしていたか思い出し絶句する。
「皆さん❤」
「「「「っ!?❤」」」」
ビクンッ❤
しかしそんな状況でもカリファが一声かければ、彼女たちの体は反応し自由を失ってしまう。
「明日、もう一度会合を開きましょう❤これまでの体験を踏まえて皆様がリオ王国に対してどのような対応を考えられるのか、今日一日ゆっくりと話し合ってください❤」
そう言い残したカリファはエルミアを連れ天幕から去ってしまう。
「...私たちは国を......❤守るべき...❤だろう...❤」
カリファが去った後、ケーラが呟くような声でそう言う。裸の、しかも自分の愛液で汚れた状態で口ごもる彼女があの将軍であると誰が信じるだろうか。
「そ、そうねぇ...❤」
「...はい...❤」
「......っ❤」
コクリ...
他の3人もかなり逡巡した様子ではあるもののケーラの言葉に同意した。自分たちの国のためにリオ王国に牙を剥く。数日前まであれほど正しいと思っていた行動を言葉にするだけで彼女たちは何を悩んでいるのだろうか。
フワァァァァァァ...❤
しかしその時、天幕の中を魅惑の甘い香りが満たしていく。それはエルミアの風魔法によって届けられたカリファのフェロモンだった。
「「「「〜〜〜〜っ!?❤❤❤」」」」
ビクンッ❤ビクッ❤
それを嗅いだ瞬間4人の頭の中は真っ白になり、使命感や正義感がカリファへの恋慕に押し潰される。
クチュ...❤クチュリ...❤
最初に自分の女性器を弄り始めたのが誰だったかは分からない。しかしいやらしい音が響くと同時にそれは全員に伝染し、ついには4人全員が夢中でオナニーを始めてしまう。
「ア、"投影(アネモネシア)"ぁぁ❤」
そんな中、片手で乳首を弄りもう片方で秘部をかき回すクロエが大きな声で魔法の名前を叫ぶ。"願望を形にする"強力な光魔法は使用者の少女の願いをすくい上げ、彼女が求める美女の姿を天幕に出現させた。
「んひぃぃぃぃっ!?❤❤❤」
ビクビクッ❤ビクビクッ❤
カリファの姿を見たエブリンが情けない嬌声をあげながら一際大きな絶頂に達する。触れず、声も聞こえず、匂いもしない。クロエが生み出したのはカリファの姿だけであり、その魅力は本物と比べることすら烏滸がましい。しかし同時に4人の中で揺れていた天秤を間違った方に傾かせるのには十分すぎるものだった。
「カリファ様っ❤カリファ様ぁぁぁ❤」
大きな天幕の中で女性たちの嬌声と1人の名前を呼ぶ声が響く...
〜6日目〜
「「「「私たちをカリファ様の下僕にしてください...❤」」」」
天幕の中に入ったカリファとエルミアを出迎えたのは、全裸で土下座したケーラ・ローレン・エブリン・クロエだった。
「まあ❤」
カリファはいつもと同じ優しい微笑みで彼女たちを見下ろし、エルミアは分かりきっていた結果だと笑う。
「皆様の勇気ある素晴らしいご決断に感謝致します❤ささやかなお礼として、私からプレゼントを差し上げますね❤」
カリファはそう言うと4人を一列に並ばせる。そして最初にケーラの下腹部に手を当てた。
バチバチバチッ...❤
「んほぉぉぉぉぉっ!?❤❤❤」
ビクビクッ❤ビクビクッ❤
子宮に凄まじい快楽を感じたケーラは大きく後ろに仰け反り大声をあげながら絶頂する。
「これは淫紋と言いまして、私と皆様を繋ぐ絆のようなものです❤」
カリファはケーラの体に紋様を刻みながら残りの3人に笑みを向けた。エルミアが「私にもあるわ❤」と言い、服を下ろして女性器の上のマークを見せつける。そこにはハートマークを模したどこかいやらしい紋様がくっきりと刻まれていた。
「カ、カリファ様ぁ❤どうかこれをお受け取りくださいぃぃ❤」
ガクガク❤ガクガク❤
ケーラは意識がトびそうな程の快楽と幸福を感じながら、カリファに対して何かを差し出す。
ジャラ...❤
それはアネモネシア家の紋章がついたネックレスだった。
「ありがとうございます❤大事にさせていただきますね❤」
「はひぃぃぃっ❤❤❤イ、イくぅぅぅ❤」
ビクビクッ❤ビクビクッ❤
ケーラは喜びの声をあげながら絶頂する。
ガラガラ...ガラガラ...
予め迎えとして手配していた馬車の中でカリファがエルミアに声をかける。
「エルミア様❤今回はご協力いただきありがとうございました❤これでまたこの国の"平和"が1歩近づきましたね❤」
「っ❤ありがたきお言葉ですっ...❤」
ピクッ...❤ピクッ...❤
喜びを隠しきれない様子のエルミアが返事を返した。それを受けながらカリファは手の中にある4つのアクセサリーに視線を向けた。
カリファ様ぁ❤愛してるわぁぁぁ...❤
カリファ様の剣としてこの身を捧げますぅぅ❤
私の全部っ❤カリファ様にあげちゃうのぉぉ❤
それぞれカリファへの愛や忠誠を叫びながら淫紋をその身に刻んだ彼女たちは、ケーラに倣いそれぞれ大事"だった"ものをカリファに貢いできた。彼女の手にはネックレス、イヤリング、ブレスレット、髪飾りが握られている。
「カリファ様❤ひとつ質問してもよろしいでしょうか❤」
「はい❤なんでしょう❤」
ジャラリ...❤
カリファはエルミアから声をかけられ、外した2つの指輪を加えた6個のアクセサリーをポーチの中に仕舞う。雑とまでは言わないが、その価値を考えればあまりに粗末な扱いだ。しかしそのうちの1つの持ち主であったエルミアはそれに何も言わないし、思うことはない。タミラや他の4人が見ても同様の対応をとるだろう。例えカリファに捧げた家紋付きのアクセサリーがリオ王国に送られても、どこかに売り飛ばされても、はたまた今この場で投げ捨てられても彼女たちの心は痛まない。カリファの下僕となった女性陣にとって"自分のモノを捧げる"という事実にこそ喜びがあるのであり、それ以外はどうでもいい事なのだから。
「4人に最後何かを渡していたようでしたが、あれはなんなのでしょうか?❤」
「あぁ、アレですか❤」
エルミアが聞いたのは、カリファがケーラたち4人と別れる際に手渡していた何かについてだ。
「今はお答えすることができませんが、もう少しすればお教え出来ると思います❤今はこの国とリオ王国を繋ぐためのとても素晴らしいものとだけお伝えしておきますね❤」
エルミアの質問に答えずそうはぐらかしたリオ王国諜報員の美女の笑顔は、背筋が震える程美しく淫靡ものだった...
※いただいていたリクエスト
書いていただいたリオ王国シリーズの続きをお願いしたいです。
【登場人物(全員女性)】
・将軍(気高い)
・大隊長(勇敢)
・参謀(妖艶)
・将軍補佐(将軍の娘)
・エミリア
・カリファ(メイドではなく有識者として会議に参加)
【※あらすじ】
・カリファはエルミアに反リオ王国の会議を開催させ、集まった将校達を籠絡する作戦を実行。
・将校達は魔法耐性が高いため少しずつ魅了していく作戦。会議を通して将校達と目線を合わせて少しずつ魅了魔法を流していく。
会議1日目
・反リオ王国の団結確認
2日目
・大隊長に魅了効果が出始める。
・参謀と将軍はカリファが危険との認識を共有。
・参謀は1人でカリファと対峙するが、視線を合わせず身体を見ていたため軽い催眠をかけられる。その後、参謀はカリファの命令で将軍に、身体を見ずに顔を見るべきと報告。
3日目
・カリファによるリオ王国の籠絡手段(魅了洗脳、フェロモン洗脳等)の紹介。魅了が進行していた大隊長と参謀は籠絡されたいと思い始める。
・将軍も最初は違和感があったが意識的に何度も視線を合わせたため魅了が進行。カリファが言う事が正しいと感じ始める。
・会議後、補佐が3人に呼び掛けて一時的に正気に戻るが3人は魅了される快楽を知ってしまっていた。
4日目
・リオ王国の魔法を体験する事になり参謀が魅了魔法、大隊長が誘惑接吻を受ける。明らかにおかしい状況に補佐は異議を唱えるが将軍に却下された。
エミリアは風魔法で補佐の周りの空気をカリファのフェロモンで満たす。最初はカリファを睨んでいた補佐も、参謀達が魔法を体験し終える頃には蕩けた顔で見つめるようになっていた。
5日目
・エミリアがローズワルト家が籠絡されている事を報告。対策を知るための体験という名目でタミラに行われた脇と脚でのフェロモン洗脳を将軍と補佐も体験する。
・カリファは将軍達の魅了を解き、リオ王国に逆らうべきか明日まで考えるように告げて会議は終了。
・将軍達は対応を話し合っていたが、エミリアが風魔法でカリファのフェロモンを部屋に送ると、思考は蕩け、話題は洗脳される快楽に移っていく。一人また一人と股に手が伸びてカリファを讃えながらオナニーして絶頂。
6日目
・将軍達は会議室で裸で土下座してカリファを待っており奴隷にして欲しいと懇願。4人は淫紋を刻まれカリファに支配される。