新人地下女子ボクサーシオンと紅蓮の剛腕~シオンVSエリカ~Part.2(Fin)/Rookie Underground Female Boxer Shion and the Crimson Fist ~Shion VS Erika~ Part2(Fin)
■前回
■試合内容
現在制作中のゲームであるふたなりボクサーシオン(仮)の主人公が、女子リーグ2位である強敵に挑むお話です!!
エリカに手も足も出ずボコられてしまっているシオンさんですが、果たしてこのまま何も出来ず負けてしまうのか!?
的な感じの完結編になります!!
挿絵は全6枚、SSは約8500文字です(pixiv換算で読了まで約17分)。
それでは対戦よろしくお願いします~。
■Content of the match
This is the story of Shion, the protagonist of the currently in-development game “Futanari Boxer Shion (working title),” challenging a formidable opponent ranked second in the women's league!!
Though Shion is getting thoroughly beaten by Erika, unable to land a single blow, will she really lose without putting up a fight?!
That's the vibe of this concluding chapter!!
There are a total of 6 illustrations including standing pictures and differences.
Thank you for your support.
★最後にアンケートがあります。プラン内容の方針を決める要素になりますので、よければ皆さんのご意見を教えていただけると幸いです。
There is a survey at the end. This will be a factor in deciding the content, so if you would like to give us your opinion, please do so. (Japanese)
★For non-Japanese users★
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新人地下女子ボクサーシオンと紅蓮の剛腕~シオンVSエリカ~Part.2(Fin)
Rookie Underground Female Boxer Shion and the Crimson Fist ~Shion VS Erika~ Part 2(Fin)
「何やってんのよシオン!!
下狙われてるわよ、早くガード固めなさい!!!」
セコンドが必死に叫ぶものの、意識が朦朧としてしまっているのか女の動きに変化は見られない。
そして──────もはやサンドバッグと成り下がってしまった女の鳩尾へ、固く握りしめられたボディアッパーが突き刺さっていった。
「ゔぶぅぅぅっっっ!!!!!」
「これが地下の洗礼だと言わんばかりの無慈悲なボディ三連打~~~!!
あ~っとシオン、たまらず崩れ落ちてしまったぁ!!!」
「お゙え゙え゙っっ……あ゙っ…………ゔえ゙え゙え゙え゙っっ………………」
肺に残っていた僅かな空気と共に大量の胃液が喉元へとせりあがり、神聖なキャンバスへと勢いよくぶち撒けられていく。
数分前にはクールな美貌を誇っていた顔は今やその面影すら感じさせない程歪んだ表情を浮かべており、脂汗と涙、そして自らの吐瀉物で無惨に汚されてしまっていた。
「シオン、まだ2R目にも関わらず嘔吐させられてしまいました!!
ダメージが深いようですが、果たしてこれは立ち上がれるのか!!?」
「ゔえ゙っ……お゙っ…………がひゅっ……………………」
胃酸が喉を焼く不快感と胃袋が痙攣するかの様な極限の激痛に苛まれる中、女はこの事態を引き起こした張本人に対して想いを馳せていく。
(こ、この人……いくら何でもっ……強すぎるっ…………)
激戦区である女子リーグにおいて、ランク2位を誇る圧倒的強者。
デビュー前の自分が挑むには余りにも格が違う相手であることを、女は身体で解らせられてしまっていた。
「がぁっ……あ゙あ゙っ…………お゙え゙え゙っ…………」
痙攣する胃袋から喉元へと熱いモノが込み上げ、女の口からまたしても酸味のある液体が吐き出されていく。
胃液の苦さと特有の臭いがシオンの鼻に不快感をもたらしていった。
「諦めちゃ駄目よシオン!!
貴女なら勝ち目はあるはずだから、苦しくても立ち上がりなさい!!」
セコンドのサクラは必死に声を上げ、痛みに震える親友を励ましていく。
彼我の力量差を勘案するとただの気休めにしか思えない言葉。
だがそれは無根拠に発せられたものではなく、ふたなりリーグの現王者である彼女はシオンの持つポテンシャルの高さを心から信じていた。
(今のアタシとは文字通り格が違う…………けど、さくちゃんの言う通り、諦める訳にはいかない!!!)
ヒクヒクと震える腹筋に手をあてがいながら、地下特有の長いカウントに助けられて女はゆっくりと立ち上がっていく。
「ぜぇっ、はぁっ……こひゅっ…………ま、まだっ……まだやれます!!」
瞳は涙で潤んでおり、膝は生まれたての子鹿の様にガクガクと震えてしまっている。
まともに闘う事など出来るはずもない状況であるのは誰の目にも明らか。
だがそれでも尚シオンは立ち上がり、レフェリーに試合続行の意思を示していた。
(立ったのは良いけど……足、完全に殺されちゃってるかも…………)
第二ラウンドは幕を開けたばかり。
紅蓮の剛腕は衰えるどころか、獲物を前にしてむしろその熱量を増している。
(これは…………厳しい試合になりそうね)
先程よりも大きく見えてしまっている相手を前に、シオンの白い背筋を冷たい汗が一筋、這うように流れ落ちていった。
「駄目です!! シオン、全くガードが追いついておりません!!!
エリカの猛攻が止まらない~~~~~!!!!」
「ぶひぅゅっ…………おぶぅぅっっ…………ぶふぉっっっ!!!!」
固く握りしめられた紅い剛腕が振るわれる度に情けないうめき声が響き、極上の魅力を秘めた雌の肉体からは汗や涎や涙といった蠱惑的な雫が惜しげもなく振りまかれていく。
「ぁ…………んぁっ……………………」
「あ~っとシオン、意識が朦朧としているのか棒立ちになってしまったぁ!!!
エリカを相手にそれは、余りにも危険です!!!」
第二ラウンドの間、ほぼ丸々滅多打ちにされ続けた肉体はもはや限界を迎えてしまっており、サファイアの様な輝きを放っていた瞳は、もはやその光を失いつつあった。
「良いツラしてんじゃねぇか………それじゃ、これでもっ……喰らいなっっ!!!」
獰猛な笑みを浮かべたエリカが主砲である右腕を大きく引き絞った直後、全身の筋肉を同時に稼働させて凄まじい速度で紅い弾丸が撃ち出されていく。
────そして、実況が危惧した通りの光景がリングの上で繰り広げられていった。
「ぶぎゅっっっっっ!!!!!」
普段の凛々しい顔つきとはかけ離れた無様な鳴き声を発しながら、女の顔面が盛大に弾き飛ばされていく。
即座に意識を断ち切られてしまった肉体は、エリカの強打を証明するかの如くふわりと宙を舞っていたのだが─────女にとって二度目となる、救いの鐘の音が鳴り響いていった。
カーン!!!
「あ~っとここでゴング!!
シオン、またしてもゴングに救われました!!!」
「ぅ…………ぅぁっ……………………」
虚ろな瞳を浮かべてぐったりとしきっており、口元から涎を垂れ流しにし続けてしまっているシオン。
その姿はもはやKOされるまで秒読みのそれといって差し支えなく、観客達にはもはや彼女には一欠片の勝機すら残されていない様に見えていた。
(エリカさん……アタシなんかとは格が違う……このまま闘った所で…………)
ダメージを負ってしまったのは肉体だけではない。
想定の遥か上をいく実力を持つ対戦相手に滅多打ちにされ続けた事で、シオンは精神的にも打ちのめされてしまっており、その事実がより一層彼女の体を重くしていたのだった。
「ふぅっ……ぷはぁっ…………」
「アンタ、次が第三ラウンドだってのに随分と余裕そうじゃない」
暗い雰囲気が立ち込めてる青コーナーとは対称的に、赤コーナーではセコンドのアリサが汗だくの選手に向けて軽口を叩いていく。
「誰かさんに馬鹿にされない様に、スタミナつけた甲斐があったってもんよ」
女子リーグ随一の剛腕を誇るエリカの課題であるスタミナ不足。
以前は三ラウンドでガス欠してしまう程に致命的な弱点であったそれは、彼女の地道な努力によって四ラウンド闘えるまでに改善していた。
伸びたのは僅かな時間ではあるものの、元の短さを考えると実質1.3倍。
その事実は、エリカにとって思った以上に精神的な余裕をもたらしていた。
(そろそろフィニッシュと行きたい所だけど……最後まで気を引き締めねーとな)
それに加えて前回格下と考えていたアンナに敗北を喫してしまった事から、以前はあった油断や慢心といった精神的な隙が彼女の中から消え去っている。
その為、エリカは理想的な精神状態で次のラウンドを迎えていったのだった。
カーン!!!
「さぁ始まりました第三ラウンド!! シオン選手、大分追い詰められてしまっておりますが、果たしてここからどう闘っていくのでしょうか!?」
(体は動くし意識もはっきりしてる……なら、アタシはまだ負けてない!!)
格の差を思い知らされた事で半ば絶望的な気持ちに陥りかけていたシオンだが、心の中で自分を鼓舞し、再び強い気持ちで相手へと向かい合っていく。
──────だが、そんな健気な努力を嘲笑うかの様にエリカは高速の踏み込みで肉薄すると、その勢いでもって紅蓮の剛腕を振り抜いていった。
「ッッ!!!」
(疾っ!! 避けっ……無理っ、せめてガードを!!)
フットワークの使えなくなってしまった足では間合いから逃げる事すら出来ず、シオンは苦肉の策で顔の前に両腕を掲げて防御を固めていく。
が、既にズタボロに痛めつけられた肉体ではその拳を防ぐ事は叶わず──────ブロックなど何の意味もなかったかの様に、紅い砲弾は女の顔面を盛大に吹き飛ばしていった。
「ぶひゅぅぅっ…………」
ピンポン玉の様に豪快に頭を弾き飛ばされた結果、激しく脳を揺らされ軽い脳震盪に陥ってしまったシオン。
「ぁ…………ぅ……………………」
深い蒼の瞳は虚ろとなり、敵を殴る為の拳は既にダラリと落ちきってしまっている。
もはや物言わぬサンドバッグと成り下がりつつあった彼女だが───────次の瞬間、その無防備な生腹にアッパーが突き刺さった事で、情けない悲鳴を奏でていった。
「うぶぅぅぅっっ!!!!」
曖昧だった意識は即座に覚醒し、虚ろだった瞳は見開かれて目元に大粒の涙を湛えている。
口元からは白いマウスピースがどろっとした唾液を伴って顔を覗かせており、腹にめり込んだ拳を中心に、その肉体は綺麗な”くの字”を描いてしまっていた。
そして、程よい高さに差し出された顎先へ視線を向けると、エリカは獰猛な笑みを浮かべていき───────
「お疲れ様…………ルーキーちゃん♪」
───────固く握りしめられた拳でもって、豪快なアッパーカットを放っていった。
「ぐぴゅっっっっ……………………」
そして強烈なアッパーで脳を揺らされたシオンは呆気なく失神してしまい───────第三ラウンド開始から僅か15秒で、情けないロープダウンを喫してしまっていた。
「シオン選手、開始早々にダウンを奪われてしまったぁ~~~~~!!
まさに”瞬殺”という言葉が相応しい、一瞬の蹂躙劇です!!!」
「シオンっ!!!」
ラウンド開始直後に繰り広げられたド派手な試合展開を受けて観客席が大いに湧き上がる中、セコンドであるサクラは悲痛な声を上げていく。
「ぅ……ぁぁ………………」
半ば白目を剥いて小刻みに痙攣してしまっている女の姿。
それを見て会場のほぼ全ての人間が、このまま上位ランカーがデビュー前の新人を粉砕して終わるのだという確信を持ちつつあった。
(あれ……アタシ、またダウンしちゃってる…………?)
幸いなことに、キャンバスへ墜落した際の衝撃でシオンは辛うじて意識を取り戻している。
(なら……早く立たないとっ……………………でも、)
だが、意識はあるもののその体が動く事はなく──────
(どうせ勝てる訳ないのに……立ったところで…………意味、あるのかな…………)
女の心は、抗いようのない絶望感に囚われてしまっていた。
「3……………………4……………………5………………………………」
「シオン、ピクリとも動きませんっっ!!!
やはりデビュー前の新人が上位ランカーを相手にするのは無謀すぎたのか!!?」
地下特有のゆったりとしたカウントが数え上げられる中、黒髪の女は半ば放心状態でぼんやりと前を眺めていた。
ロープの外に頭ごと投げ出されている為、視界には自分の無様なダウン姿で盛り上がっている観客達が映し出されている。
そしてその中に、彼女はとある人物の姿を捉えていった。
(…………っっ!!? ……あれって、もしかして…………)
その女はふなたりリーグ現在2位であり、時期王者との呼び声高い人物。
そして、シオンが地下ボクシングの世界に足を踏み入れるきっかけとなった張本人でもあった。
(そうだよね…………)
その憧れの人物と視線を交わした瞬間、彼女の心に再び闘争心の火が灯り、その炎は今までよりも明らかにその熱量を増しつつある。
(エリカさんは今のアタシより遥かに強い………………でも、)
そしてその熱に呼応するかの様に体にも自然と力が戻り、女はロープを掴んでゆっくりと立ち上がっていく。
(ちかちゃんに追いつく為には……この程度で、諦める訳にはいかないんだから!)
「なんと…………シオン選手、あの状況から再び立ち上がりました!!
一体何が彼女をここまで駆り立てるのか!!? 素晴らしいガッツです!!!」
フラつきながら立ち上がったその女は誰が見ても満身創痍であり、とても満足な闘いが出来る状態には思えない。
だがそのサファイア色の瞳は爛々と輝きを放ち、溢れんばかりの剥き出しの闘志をその奥に宿していた。
「ボックスッッ!!!」
「ぜぇっ……はぁっ…………」
立ち上がりはしたものの、エリカに蹂躙された事で肉体は既に限界を迎えてしまっており、もはや腕を上げて構えるだけで精一杯といった様子のシオン。
そんな今にも崩れ落ちそうな対戦相手の姿を見て、エリカは呆れた声で語りかけていく。
「おいおいアンタ…………そんな体でまだ闘おうってのかよ」
「うっさいわね…………御託はいいから…………かかって来なさいよ」
荒い呼吸を繰り返すものの、強気に言葉を返していくシオン。
その余りにも弱々しい声を聞いたエリカはつまらなそうな表情を浮かべると、生意気な新人に引導を渡すべく、大きく右腕を引き絞っていった。
「そうかい…………それじゃ、これでっ……くたばりやがれっっ!!!!」
鋭い踏み込みと共に振るわれる紅蓮の剛腕。
幾多の地下女子ボクサーを葬ってきた真紅の拳がシオンの視界を埋め尽くす中、黒髪の女はボロボロの肉体とは裏腹に、サファイア色の瞳をかつてないほど鋭く研ぎ澄ませ、死線の淵でなお本日一番の集中力を見せていく。
(アタシは…………絶対に、負けないっっ!!)
「やぁぁぁぁぁっっ!!!」
そして───────綺麗な蒼い閃光が、対戦相手である紅い女の顔面を弾き飛ばしていった。
「ぶぎゅぅぅっっっ!!!!」
「シオン、ここで起死回生のカウンターが炸裂~~~~~!!!!
一体どこにそんな力が残されていたのか!? 見事な一撃です!!!」
完全に無警戒な顔面へと突き刺さったその拳は、女子リーグ随一のパンチ力が上乗せされたことも相まって、軽々とエリカの肉体を弾き飛ばしていく。
「ぅぁ…………ぁぁ………………」
それに加えて、激しい衝撃で脳を揺らされてしまったのか女の意識は朦朧としてしまっており、よたよたと数歩程奇妙なダンスを披露した末に───────大きな音を立ててキャンバスへと崩れ落ちていった。
「なんと……エリカ選手、新人相手にダウンを奪われてしまったぁ!!
このまま、まさかのジャイアントキリングとなってしまうのか!!?」
初々しい新人の逆転劇に、会場内は本日一番の熱気で満たされていく。
シオンがニュートラルコーナーに戻る際に高らかに腕を突き上げた事で観客の興奮は最高潮に達し、場内は割れんばかりの歓声で包まれていった。
(やった!!…………アタシの拳も、ちゃんと通用する!!)
依然として肉体は限界を超えており、あと何回拳を振るう事が出来るかわからない状態。
だが彼女の心の中には、確かな希望と自信が宿っていた。
「ぅぅ…………」
カウントが進む中、エリカは口からはみ出たマウスピースをもぐもぐと蠢かせながら身じろぐばかりである。
だが、朦朧としていた意識は次第に鮮明さを取り戻しつつあり、自分の置かれた状況を正確に把握しつつあった。
(あーしがダウン!?…………こんな、デビュー前のルーキー相手に???)
遥か格下だと見下していた相手から一発でダウンを奪われるという屈辱的な展開。
決して油断していた訳ではないのだが、それでもこうして情けなく半ば失神させられてしまっているこの状況は、プライドの高い彼女の心を酷く傷つけるものであると思われた。
焦燥、屈辱、後悔といった、様々な感情がエリカの胸中を駆け巡っていく中─────────その大部分を占めたのは、歓喜であった。
(……………………面白くなってきたじゃねーか)
自然と口角が釣り上がり、女は興奮から体温が上昇するのを感じていく。
心臓は激しく脈打ち、バンプアップされた自慢の筋肉は、先程よりも更にその猛々しさを増している。
そうして何事もなかったかの様にゆっくりと立ち上がったエリカは、荒い呼吸を整えている新人へ向けて、獰猛な笑みを浮かべていった。
「待たせたな、ルーキー……いや、シオン。 早く続き……やろうぜ」
「ボックスッッ!!!」
「第三ラウンドはまだ十分時間が残っております!!
シオン、この流れを活かして逆転勝利となるか!!?」
(さっきのダメージが残ってる内に…………攻めまくってやる!!)
肉体からの悲鳴を全力で無視して強引に体を動かし、ここで試合を決めるべくラッシュを放とうとするシオン。
「ッッッ!!!」
だが、対戦相手から放たれる”圧”が数段跳ね上がってる事を本能で察してしまい、思わず動きを止めてしまう。
(エリカさん……さっきよりも明らかに雰囲気が…………)
直感は最悪の未来を訴えかけてくるものの、もはや後がないシオンには選択肢など残されておらず──────
(構うもんかっ……とにかく、全力で仕留めきってやるっ!!!)
「やぁぁぁぁぁっっ!!!!」
残された力の全てを振り絞るつもりで、蒼い右拳を繰り出していった。
次の瞬間、防御すらしていなかったエリカの顔面へと右ストレートが突き刺さり、リング上に激しい衝撃音が響き渡っていく。
──────だが、全力を込めた拳を受けてなお女はその顔に獰猛な笑みを浮かべ続けており、紅蓮の拳を固く握りしめると、お返しとばかりに剛腕を振り抜いていった。
「ぶぎゅっっっっっ……………………」
「体ごと吹き飛ばす豪快なアッパーカットが炸裂~~~~~!!
シオン、完全に打ち負けてしまいました!!!」
必死に噛み締めていた筈のマウスピースが勢いよく薄桃色の唇から射出され、綺麗な弧を描いていく。
(あっ……ダメっ…………意識、トばされっ……………………)
意識が朦朧とする中、それでもダウンだけはするまいと必死にたたらを踏んでリングに立ち続けようとするシオン。
だがそれが致命的な間違いであったと気付いたのは、セコンドのサクラだけだった。
「駄目よシオンっっ!! 今は一度ダウンしときなさい!!」
「ぅぇっ………………ぁっ…………!??」
焦点の合わない瞳を浮かべてフラフラと千鳥足でリングを揺蕩うボクサーなど、もはやただのサンドバッグでしかなく─────格好の的目掛けて、紅蓮の剛腕が次々と繰り出されていく。
「ぶふぉっっっ…………がびゅっっっ…………んべぇぇぇっっっ!!!」
「エリカ、グロッキー状態のシオンに対して容赦ない猛ラッシュ~~~~!!!
先程ダウンを奪われたのが癪に障ったのかぁ!!?」
相手がただの獲物ではなく、本気で闘うべき敵対者だと認識した事でエリカの闘争本能が覚醒した結果、彼女の集中力は限界まで研ぎ澄まされている。
「シオン……シオン!! せめてガード上げて!!」
「あぶぅぅっっ……ん゙お゙お゙っっ……がへぇっっ……ぶひゅっっ!!!」
女子リーグ随一の打撃力を誇る【紅蓮の剛腕】が放つ、正真正銘本気の連撃。
それは意識が朦朧としてしまっている黒髪の女の肉体をこれでもかと蹂躙していき──────
「ぶぎゃっっっっっっ!!!!!」
───────フィニッシュブローとなる右ストレートが打ち抜かれた事で、ようやく終わりを告げていった。
「シオン、またしてもダウンを奪われて…………というか、流石にこれは試合続行不可能かぁ!!?」
「シオン…………シオン!! 起きなさい、シオン!!!」
足はガニ股、腕はバンザイという、見目麗しい地下女子ボクサーとして余りにも情けない姿を晒してしまっている黒髪の女。
それに加えて股ぐらからは敗者の証とでも言うべき生暖かい黄金水が勢いよく吹き出してしまっており、白く神聖なキャンバスを穢してしまっていた。
「ぁ……………………んぁっ………………………………」
マウスピースを吐き出した口をパクパクとさせ、半分白目を剥いてしまっている新人地下女子ボクサー。
その雌として魅力に溢れた肉体はピクピクと痙攣してしまっており、時折ビクンと大きく跳ねる度、コスチュームに包まれている柔らかな乳肉がぶるんと揺れていた。
「アンタとの試合、案外楽しめたぜ……またいつでも相手してやるよ、シオン♪」
エリカはすこぶる上機嫌な声で無様に失神している対戦相手へと語りかけていく。
先程までの獣の様な獰猛な表情は鳴りを潜めており、穏やかな笑みを浮かべていた。
「8……………………9…………………………………………10!!!
ウィナー、エリカ~~~~~~~!!!!!」
カンカンカーン!!!
「試合終了~~~~~!!!! シオン選手も意地を見せて一度はダウンを奪ったものの、終わってみればエリカ選手の圧勝でした!!!」
決着を告げる鐘の音がけたたましく響く中、見目麗しい美女の官能的な失神失禁KO姿に観客達は湧き上がり、配信の視聴者数も勢いよく増えていく。
「ふたなりリーグから鳴り物入りでデビュー予定であるシオン選手ですが、流石に上位ランカー相手はまだ早すぎたのか!!?」
「まけっ…………らいっ………………ぜった、いっ………にっ……………」
失神したまま担架でメディカルルームへと運ばれていく中、無様な惨敗を喫してしまった黒髪の女は力なくうわ言を零し続けている。
夢の中では未だ終わりのない激闘の渦中にいるのか、腫れ上がった唇から紡がれたのは「絶対に負けない」という、余りにも虚しい誓いの言葉。
地下の冷たい静寂の中で、その痛々しい声だけが静かに響いていった。
【新人地下女子ボクサーシオンと紅蓮の剛腕~シオンVSエリカ~】_________Fin.
◯あとがき
ここまでお読み頂きありがとうございます!!
このお話なのですが、ゲームの前日譚ではなく、どちらかというとIFストーリーの様な位置づけのものと考えて頂けますと幸いです。
(デビュー戦というシチュが好き過ぎるのでゲーム本編でも使いたい為)
◯Afterword
Thank you so much for reading this far!!
Regarding this story, I'd be grateful if you could think of it less as a prequel to the game and more as an alternate-reality story.
(I love the “debut match” scenario so much that I want to use it in the main game too.)