我が眠れるようになってからというもの、ボノラタスは以前にもまして精力的になった。より良い魔王になるべく、武力を磨き、知性を整え、民への恩情を増している。
名君と呼び声高い我に比肩しようと背伸びするさまは、可愛らしいというほかあるまい。男子百年会わざればめちゃくちゃでかい、とはよく言ったもんだ。我が今適当に言ったのだが。
娶ってからというもの評価が甘くなっていかんとは思いつつ、あやつが魔族領の未来を明るいものに変えようというのなら、我はそれを見届けようと思う。
まあ何ともならんかったら、我が勇者を殺せばいいだけの話だし。こうして我も百年の空白を埋めようと、いろんなことにいそしんでいた……というわけだ。
……それはそうと。
「我、暇っ!!!」
ボノラタスが専用にしてくれた図書館で、暗黒竜たる我の咆哮が響く。別に魔力を込めたつもりなどなかったが、少しだけ本が揺れた。強いって大変。
さすがに一か月もこもったら大体習得したわ! 歴代最強魔王を舐めるなよ!
我をロートルにしたかったら千年の空白は持ってこい!
本で得られる知識には限りがあるため、市井に降りて現状を調査したいところだ。あとナンパしていい男とやりたい。可愛い妻が二人もいるとはいえ、あいつらは忙しすぎてなあ。呼べば来るだろうが、邪魔をしたいわけではないので、罪悪感がどうしてもぬぐえん。
「だから我は町に降りて、適当に仕事しながらいい雄を見繕って酒池肉林を築こうと思うのだが、どうだろうか?」
「結局脳みそにザーメンしか詰まってないのですかこの色ボケトカゲ」
ボノラタスが治める国の宰相であり、元我の執事であるワーウルフのエリアンが真顔で毒を吐いた。
戦闘民族であるワーウルフにおいて最強と評される肉体はまさに鋼であり、上半身が異常に発達した逆三角形が目立ついい男だ。生来の気性を敬語でごまかしつつ、執事としてだけではなく宰相としても優秀なワーカーホリック。
我の妻でもある狼は伸ばした背筋の上から軽蔑に視線を飛ばしている。その眼光があまりに冷たいから、我泣いちゃいそうなんだけど?
だが、統治時代からの付き合いであり、その年月は優に数百年を超えるエリアンだ。我の言いたいことを即座に理解して、ものすごくめんどくさそうにため息を吐いた。悲しい。
「自分が死んだ場合に備えて血を残す作戦を、まだあきらめてなかったのですか?」
「備えあれば憂いなしとも言うだろ。もう魔王ですらない我の血筋など、どれだけあっても困らんはずだ」
実際今、魔族は土地の大半を人族に奪われ、個々の力量を問われる時代になっている。しかも、いくつもの魔王が乱立しているにもかかわらず、どいつもこいつもちんたら隙を伺ってばかり。なんとつまらんのだろうか。
我が魔王になる前もなった後も、いくつもの争いを制し、権謀術数なんのそのだったというのに……。
「昔の栄光を押し付けるのは爺くさいのでやめた方がいいですよ」
「まじで泣くが、我?」
「ハンカチをお持ちしましょうか?」
「お前の胸の中で良いぞ」
「かしこまりました。加齢臭が付くので服は脱がせていただきますね」
「泣くが?!?!」
くそぅ、香水も体臭消しの魔法もばっちりかけたというのに。なまじエリアンの身体能力が優秀すぎるせいで嗅ぎ分けられてしまう……え、やっぱり我そんなに匂う?
「おそらく私以外にはばれないでしょうが。百年眠っていた影響で、体内の魔力によどみがあります。それが消えるまではくさいままですね」
「それ加齢臭って言わなくない?」
「失礼。爬虫類臭さです」
「泣くが?!?!」
大体それって時間がたてば消えるやつじゃん。やった、やはり最強の暗黒竜たる我に加齢臭などというものはなかったんだ!
「それで、無責任子作り魔がなにか?」
「言い方に悪意しか感じんが、まあこればっかりは我が悪いのでしょうがない。なに、ただ単に我の血筋を市井にばらまいたら、現魔王たちの手ごまにならんかなと思っただけだ。そうすれば争いの種になるだろ?」
「それで争いを加速させて、領土の統一、もしくはより強い魔王の誕生に発破をかけたいということですか。考え方が暗黒竜すぎるので金玉をつぶさせていただいてもよろしいでしょうか?」
「しれっと種なしにするな!」
別に我とて、魔族領を統一したいとは思っておらん。我だけが統治した結果が今なのだからな。
ただ、同盟を結ぶなど結束を見せる必要があるのは確かだ。そしてそのためには、火種がいる。
本来なら勇者の登場がそれにあたることを期待したのだが、同盟に関してはボノラタスと炎帝ファラヴァナが結んだだけという結末に終わってしまった。これでは経済や文化の発展などできるわけがない。にらみ合ったままで一番得をするのは、人族だというのに。
「だからまあ、我が魔王に復帰して全員の敵に回る作戦も考えたが……」
「…………」
「二人の可愛い妻を残して死ぬのも心苦しいのでやめにした。それに、そんなことをするくらいなら我が勇者を殺しに行った方が楽だしー」
「どうして貴方様はそう……滅私奉公が徹底しているのですか……せっかく魔王の任から解放され、自由を手に入れたというのに」
「そんなの決まってるだろう。我がお前らのことを愛してるからだぞ」
だからこれからの魔生は勇者などにおびえず幸せに暮らしてほしい。そのためなら、我は何でもする。
今はボノラタスとエリアンの決意に免じて様子見をしているだけだが、もしもに備えて策は練っておかねばならんだろうが。
「そのために、血筋をばらまくと……。結局、ご自身が相打ちする可能性を失くしてはくださらないのですね」
「我とてしたくはないが、どちらかが死なねばならぬのなら、それは我の仕事だ。それだけの話」
「……はあ。ボノラタス様が聞いたら、また泣きますよ」
「だからおまえだけに言っている。あいつの決意に水を差すのも悪いだろ」
「せめて第一子と第二子は私かボノラタス様でお願いします。私とてクーデン様を愛しているのですから、ぽっと出の女狐に取られるくらいなら逆レイプしてでも孕みますからね」
「真顔ですごいこと言うな……でも産休とか取ってる余裕……」
「たとえ妊娠してようが、仕事はできます」
この仕事中毒者め!
まあお前が妊娠するようなことがあれば、我が代わりに仕事をするのもやぶさかではない。さすがに城主たるボノラタスの仕事は無理だが、宰相なら補佐くらいはできるだろ。
「その優しさを、なぜお子にも向けてくださらないのですか」
「向けているつもりだぞ。我はでれでれ子煩悩パパになるぞ!」
養育費などはしっかり払うつもりだ。立派になってほしいからな。そのためには働かねばならんが、我なら問題ないだろう。
さすがに我とてやり捨てくそちんぽは卒業したいぞ!
「根底がずれてます。クーデン様はご自身のお子を勇者との戦いに備えた戦力としてしか見ていないようですが、私やボノラタス様は愛の結晶としてほしいのです。わかりますか、愛しの旦那様」
「つまり、血筋をばらまくなということか」
「滅私奉公もそこまでいくと害悪です。我らの気持ちを無下にされては泣きますよ?」
うっ、エリアンを泣かせるのは本意ではない。この男、我の扱いがだんだんうまくなってきとるな。
我とて自分の子はかわいいさ。だが、たった数名の命で魔族領が救えるのならためらいなくする。害悪と言われようが、我はお前らを救いたいのだから。
「その心意気は嬉しく思いますが……」
筋肉が肥大化して、ブチブチとエリアンの執事服が破れる音がする。あ、これマジギレしてるときのやつ。
毛皮を逆立てたせいでエリアンは一層大きく、かっこよく見える。これが人族の間だとおぞましいと評されるのだから、本当に見る目がないな。
ガチギレ状態になったエリアンは我の胸倉をつかみ、牙を肉薄させる。たとえ弱い魔族を怯え殺す威圧でも、我には効かんがな。それでも、空気を震わせるほど怒っていることは伝わったよ。
「俺らの子どもの前で同じこと言いやがったら、その口縫い付けてやるからなっ!」
「……すまん」
まあ怒るよね。気持ちはわかるさ。
エリアンはため息をついて、膨張した肉体のまま我の胸板をさすり、いじらしく振舞ってみせた。が、もう遅くない? あとその形態のままだと力が強すぎてちょっと痛いぞ。弱小魔族なら照れ隠しで引き裂かれてるレベル。
「大局を見るあまり、個人の感情をないがしろにされては困ります。おいおい学んでいってください。それで、子どもはいつ作りますか? 私としては今からでもいいです」
「急ぐではないか」
「実家にクーデン様の名前を伏せて結婚したと報告したら、孫は三人欲しいと言われました。なので、五人ほど作りたいと思っております」
「話の前後関係全く意味なくない? ってかそもそも多すぎんか?」
「まあ、これでも私は部族で最強ですから。いまだに力を重視する集団なので、多くを望まれているんですよね。それはそれとして、私個人として五人欲しいのですが」
「結局お前の願望じゃねえか!」
「甲斐性でしたらご心配なく。クーデン様の統治時代から、まともに散財したことはありません。かなり余っており、乳母の雇用などに問題はございません。必要であれば、王都に豪邸を構えることもできます。クーデン様が封印された際に私財を奪われたのは、私の責任でもあります。よって、心配はご無用です」
「……趣味仕事って怖くない?」
「その言葉そっくりそのままお返しします。また、家事財務その他は得意ですが、育児はしたことがないのでまずは一人を作りましょう。それから次は四つ子にしましょう」
「生き急ぎすぎだろうが! 人生設計ばっちりか?!」
「逆に聞きたいのですが、結婚したのに人生設計もされていないのですか?」
痛いところ突かれちゃって、我、閉口。
だが人生設計といったところで、ボノラタスらが勇者に対応できそうならそれでよし、駄目なら我が出る。くらいしか考えてなかったな。
「生きるか死ぬかの極振りを設計しないでください。私の子どもたちと楽しい余生を過ごせばいいではないですか……まあ、そんなことができるような方ではないこと、重々承知しておりますし、だからこそ愛しているのです」
「今日はえらく素直に愛をささやくではないか。夜伽を希望か?」
「可能であれば毎日でも。素直にならねば誤解されると、この前学んだばかりですので。あの笑顔は照れ隠しだと思ってください」
あのワーウルフ最強の覇気駄々洩れ冷笑フェイスが照れ隠しって言われても……。
今からお前を殺す、って言われた方がまだ納得できる顔だぞ。
「……そんな怖い顔してました? ひょっとして、私はファラヴァナ様のことを言えないのではないでしょうか」
ちょっとだけ耳が傾いだところを見るに、落ち込んだようだ。普段鉄面皮だから、わずかな差異がとても分かりやすい。気持ちの落ち着きから体形も元に戻り、魔法で服を整えたエリアンはいつもの凛々しい執事姿に戻っていく。
宰相なのに執事服なの、本当に面白いな。
というか我、仕事が欲しいんだが。暇すぎる。
「それでしたら、ボノラタス様から提案がありますよ。なんでも、魔法研究で力を貸してくれないかとのことです」
「業務内容によるが、まあいいだろう。我の管理していた魔術研究所が勇者に壊され、業界の停滞が見られるからな。ある程度知識を貸すのは問題ない。それは我の尻ぬぐいだ」
「ご心配なく、求められているのはただのアドバイザー。ポストを用意しようというわけではございません」
世話になっている分は働くが、部下になるつもりはない。それが我の線引きだ。
我の目的はあくまでボノラタスたちが勇者を倒せるかどうかを見極めること。その手助けはするが、主体になるくらいなら我が勇者を殺す。待つだけなのは性に合わないのだが、これも新しい時代のためだ。
「まあ、それはそれとして、働きたいのだがな。先立つものがなければ何もできん。どこかの誰かがずっと目を光らせているせいで、動けやしないぞ」
「お褒めに預かり光栄です」
「褒めてねぇ……」
この執事ときたら、我が何をするのかずっと監視してやがる。しかも城にはボノラタスの結界があるせいで、外に出ようものならすぐに飛んでくるしな。
軽い軟禁だぞ! DV反対!
「クーデン様を自由にさせていると、何をしでかすのかわかりませんからね」
「えー信頼なさすぎんか? 家族というものは互いに信頼することから始めるのではないのか?」
「胡散臭すぎて一ミリも信用できないのはご了承ください。どうせ少し目を離せば情報網やら地下組織やらろくでもないものを作って管理するのが目に見えてます。休暇だと思って、翼をもがれておいてください」
まったくもってその通りすぎて何も言い返せんよね。まずは情報網を敷いて世界を知り、適当にちょっかいかけようかなって思ってるから。
魅了も洗脳も暗示も、我にとってはたやすいこと。隠ぺいとかかく乱とか全然余裕だし。ひとたび市井に放てば管理できないことを、こいつらはよく知っている。
だからここでおとなしくしててほしいのだろうな。勇者は自分らがなんとかするという気概が見えてよいぞ! だが、超暇!
それでもボノラタスの推薦ということは、よっぽどのことがあるのだろうな。
あいつが我に金銭を与えるなどしたくはないはずなのに、だ。そしてエリアンもそれを了承している。
「きっとろくでもないことが外では起こっているんだろうなー」
「ちなみに、ですが。私はクーデン様に仕事を与えること、いまだに反対です」
「本気でニートしてろって言ってるよ……」
「しかし、ボノラタス様には考えがあります。それを見極めてみてからでも遅くはないでしょう」
「わかっている。それなら、働くのも悪くないな」
久しぶりの労働! なんてすばらしい響き。やっぱり働くって最高!
こうしてただ部屋に閉じこもり先人の知恵を貪ることにも飽きた。
我は今を生きたいのだ! 世界がどうなっているのかくらい、我にも知る権利がある!
魔法研究など久しぶりだな。魔王就任初期はやっていたが、後期にはすべて魔術研究所に任せっきりだった。高等教育機関の充足と共に水準が上がったのもあるが、特に魔族は長生きするものが多いため、知識の収集や技術の継承にはかなりのアドバンテージがあるから放置してても問題なかった。
現代知識の応用考えるのたっのしみ~!
うっきうきで尻尾を躍らせる我をエリアンはなんだかうれしそうに見ている。生暖かい目がくすぐったいぞ。
「失礼。やはり、クーデン様は働いている時とセックスしている時が一番活き活きしているなと思いまして」
「魔族の生において、大事なのは労働とセックスだと思っているからな。ワーウルフのお前に言うのもなんだが、力だけを重視することは争いの火種にしかならん」
「ご心配なく。それをわかったうえでお仕えしておりますから。ただ、実家の両親には言わない方がいいかもしれませんね。まあ、戦って死ぬならあれも本望でしょう」
「さらっと怖いこと言わないで……」
そういうところ本当に戦闘民族。でもただでさえ長生きなエリアンのご両親って、もはやそれ魔王なのでは?
「そういうことに興味がない方たちですよ。本当に力にしか興味がありません。だから、近辺も自治を貫いています。定期的にどこかの魔王が攻めてくるようですが、たいてい返り討ちにしているそうです。私もたまには里帰りして戦ってはどうかと聞かれますね」
「ふむ、戦力が欲しいのか。だとすれば、陥落は時間の問題か?」
「いえ、訓練にちょうどいいらしいです。クーデン様の統治時代にはワーウルフに戦いを仕掛けるという馬鹿は存在しなかったので、本当に活き活きしてますよ」
「……杞憂でしかなかったなあ。まあ一度行ったことがあるが、四六時中戦いを挑まれていたな……無尽蔵の体力に辟易してた記憶しかない……そりゃ次は四つ子でとか言うわ……」
「お褒めに預かり光栄です」
なにはともあれ、ボノラタスがくれる仕事というものを楽しみにするか!
魔法理論などの復習でもして待つことにしよう。確かこの図書館に基礎理論構築についての本があったな、まあそれの共同著者に我いるんだけど!
「では、面接の予定は追ってご連絡します」
「面接」
びっくりしたから聞きなおしてしまった。我が、面接?
いや確かに今の我は何でもないただの元魔王だ。精査される立場の男。それはそう。
あまりに魔族を使う立場が長すぎて、完全に失念していた。そういう文化あるわ。
「まあクーデン様なら特に問題もないかと思いますがね」
「……なあ、エリアン」
「どうしました?」
「…………面接って何をしたらいいんだ?」
****
というわけで、今我は面接に来ている。
いつもの図書館で面接官と二人。魔族を精査することはあっても、されたことなど遠い過去の話だ。資質を試されるなど、これはこれで面白いものだな。
エリアンと対策は万全。元魔王を肩書に威張っている身として、落ちたとかあれば恥ずかしすぎて泣いちゃうからな。
「えーっと」手元の書類を見ながらコボルドは言う。「あなたですね、ボノラタス様が魔法研究所に採用したいと推薦した方は。ボノラタス様の推薦ということもあって、採用はほぼ決まっています。これはただ配属先を決めるためなので、気楽に答えてください」
え、それ最初に言ってほしかったが?
魔法理論構築の本やら結構読み漁ったのだが?
「まずお名前をお聞きしても?」
だがそんな動揺をおくびにも出さない我。
コボルドは小さな犬のような見た目で、とても愛らしい。エリアンとの子どもができたら、こんな風になるのだろうな。
「クーデンだ」
「昔にいた魔王様と似たような名前ですね」
「本人だ」
「面接で冗談を言うなんて豪胆ですね。それで、今まで何か魔法職を経験したことは?」
「魔法職、と言えるのかはわからんが、百年前までは魔術研究所の予算審査を担当し、またアドバイザーとして研究に口出ししたこともある」
「……はあ?」
困惑の声が面接室を埋める。我別に嘘は言ってないぞ。
統治時代は研究の予算案の精査も仕事の一つであったし、我自身最強だったので魔法理論の解析は得意であったからな。
「勇者に破壊される前の文明の経験者ですか。百年以上生きるにはかなりの魔力が必要なはず……得意魔法は?」
「すべて。基本的に闇を操ることに長けているが、大抵の魔法は使える。回復や支援もある程度こなせるし、並行発動は五つまで可能だ」
「はあっ?! ただでさえ二つ同時発動できる人がまれなのに、五つって! ホラも大概にしてください!」
「と言われてもなあ……ほれ」
試しとばかりに簡単な呪文を同時展開してみせる。別にこの程度、さしたる難度でもない。勇者は我が放つ即死級の呪文五つを全部いなしてみせたしな。
……思い出したら腹が立ってきた。六つめも展開できるように鍛えておこうか。
「あわわわっ! え、本当ですか?! どうやってこんな芸当を?!」
「大したことはしておらん。暗算を五つ同時にしているようなものだ」
「それが大概なんですって。しかも魔法にぶれがないということは発動に使う魔力配分も完璧……魔力コントロール能力もずば抜けている……え、もしかしなくても、本当に前魔王様でいらっしゃいますか?」
「だからそう言って――――」
あ、我の存在は機密扱いだった。
「ごほん、単なる魔族違いだ。我はただ、ちょっと昔に最強だっただけの暗黒竜。クーデンドライヴァ=イェン=ラ=ロゴミリオンだ」
「いやどう見ても前魔王様じゃねえですか!!」
「ちなみに、こんな本も書いたぞ。共同著者だが」
「『魔法理論構築における基礎』! 魔族が使う魔法があるのもこの本のおかげ! 今では高等教育における大前提として魔族領全域に広まっているやつ! 前魔王様はそれを広めたことで、すべての魔族に魔法の恩恵を与えたことで有名ですね! ……ってやっぱり前魔王様じゃねえですか!!」
「お前ノリが良いな。採用!」
「面接してるのはこっちなんですが?!」
うーんばれてしまった。やはり我を魔法職にするにはちょっと無理があるだろ。最先端を学べるのは良いが、頭角を隠せる自信がない。我、強いので。
「まあそんなことだろうと思いましたよ」
入ってきたのは筋肉が膨らみすぎた肉団子のようなデーモントカゲ、ボノラタスだ。
ねじ曲がった角に大樹のような四肢、紫の外皮には赤い文様が施されており、いかつさを醸しているが性格は素直でかわいいトカゲだ。詰襟正装の胸部は左右が開いており、そこから爆乳が飛び出している。下向きデカ乳首にはピアスリングがはめられており、引っ張ればよい声で鳴くのだ。
この城の主にして、我の可愛い妻。そして魔族領を支配する魔王の一人、それがこのボノラタスだ。
「じゃあなんでここに推薦したんだよ」
「うまくいけば得られる恩恵が大きいですからね。魔法産業の発達は、日常から兵器まで幅広く使えますから」
小さな羽を動かしてにっこりと笑うボノラタス。体がでかすぎるわりに、表情は丸っこい。黙っていればいかつく恐ろしい見た目で威厳もあるというのに、ギャップがすごい。
「ボノラタス様!」
コボルドが勢いよく立ち上がって一礼し、城主を出迎える。我の方をちらちらと見るに、言いたいことがあるのは明白だった。だが、前魔王と現魔王が並ぶ現状に自分が口をはさんでいいものかといった逡巡が、揺れる瞳から漂ってくる。
それを察したボノラタスが、
「ああいいよいいよ――ちょっと眠ってて」
などと事も無げに言い放って指を鳴らすと、コボルドはまるで糸の切れた人形のように椅子に崩れ落ちた。いくら魔法研究所所属の有能魔法使いとはいえ、ボノラタスには勝てんか。
こいつは事あるごとに自分の力を見せつけて、我を安心させようとするのだ。その心意気は素直に嬉しい。あと、大型魔獣みたいで可愛い。
「うーん、やっぱりクーデン様を研究職においたら、すぐにばれちゃいますね」
「それなら戦闘職はどうだ。お前がつけてくれたオナホ……もとい魔法戦士も我ならトップをとれると言っていたぞ」
「絶対ばれること前提じゃないですか!」
「なら執事か下男だな。下々のものを知るためにも、悪くないと思うのだが」
「クーデン様の無駄遣いが過ぎる! それにクーデン様に掃除や料理の下ごしらえなんてさせたら、おれがエリアンさんに殺されます!」
まあ確かに。あいつ、我が下に就いたら居心地悪すぎてキレてそう。
「実を言うなら、おれ……クーデン様に失望させません! って啖呵切ったから、クーデン様のお力を借りずに、おれらだけでなんとかできることを証明したいんですよね」
その意志はまぶしく、絶望的な魔族領の中にあって特段きらめく一等星のようだ。妻がこれほどまでに眩いことを、我は嬉しく思う。
「ですが、優秀な人材を遊ばせておくほど、おれも余裕があるわけではありません」
悔しそうにトカゲの声がにじむ。本当は自分たちだけで何とかしたいだろうに、環境がそれを許してくれない。だからこそ、挑むような視線で我を見据えている。
面白い。そうでなくては、だ。
「それはそうだろう。我が封印されていた城の管理すらできないほどだ、経済の成長などを考えれば早急に手は打たねばならん」
「クーデン様は我らが勇者に太刀打ちできるのかをとても心配しています。裏返せば、たとえクーデン様の力を借りたとしても、勇者に勝てるという見込みさえあればいいわけです」
「ほうほう、それで?」
「勇者討伐を我らは必ず成し遂げます。ですから、今は便利屋として使ってもよろしいでしょうか?」
なんとも都合のいいことを言う。そう切り捨ててもいいが、使えるものは何でも使うという心意気は嫌いではない。そして、そんな感情などボノラタスにとっては掌の上だろう。
それに我、かわいい妻の頼みには弱いのでな。
「いいぞ。我、何でもできるから」
大言壮語みたいだが、でも実際そうだし。数百年魔王やってる経歴から、軍事政治魔法学戦闘能力財政人事などなどあらゆることがこなせる我だぞ。ないのは常識と良識だけ、ってやかましいわ!
「それに、お前らのヒモとして養ってもらった分は働かねばならんだろう。完全に助ける気はないが、受けた恩義に報いるくらいはするさ。これでも我は義理堅い元魔王なのでな」
それに、いい案でもある。ボノラタスの命がなければ動けないため我の存在を隠すことができ、必要な時には力を求めることができる。
あとなんかフィクサーみたいでかっこいいじゃん。表ボスはずっと張ってたから、裏ボスとかあこがれる響き。男ってこういうのに弱いよね。
「やったー! ありがとうございます!」
「だが、勇者討伐を成し遂げるということ、どうやって証明する?」
「近いうちに、領土を広げます」
「ほう、同盟相手を増やすあたりが現実的かと思っていたが、なかなか攻めるな」
「そうでなければ、クーデン様からの信頼を勝ち得るのは難しいと思ったからです」
「だが、無理は禁物だぞ。国政は失敗すれば立て直しが面倒だからな」
「わかってます」
わかっているのならこれ以上口をはさむのは野暮だな。我が封印されている間、百年魔王として国を治めてきたボノラタスだ。うまくいくことを祈ろう。
「それではさっそくなのですけど、毒沼拡大防止のために浄化魔法の改良と、ファラヴァナとの合同軍事演習をこっそり視察してほしいのと……あ、あと、予算案作成のために意見が欲しいです」
「待って待って待って、魔族使い荒くない? 確かに我は何でもできるが、体は一つしかないんだよ?」
…………ん? 毒沼の浄化?
我の数百年に及ぶ統治のおかげで、毒沼が広がる現象には終止符が付いたはずだ。居住区域の減少を招くそんなことを、我が許すはずないだろう。浄化魔法によって、一帯には安寧を与えていたはず。
たしかに魔族の中には毒沼に住む者もいて、我の統治時代にもたまに小競り合いが起こっていた。だが、それは毒沼が自然と広がらないようにしたため、我が平定できたはずだ。
となれば、だ。考えられることは一つしかない。
「誰かが勝手に広げているな?」
「その通りです。おれの国の隣にいる魔王、毒竜ポゼルダインが領土拡大をもくろんでじわじわ広げているんです。それがなかなかやっかいで……」
「あーあいつね。やりそー。っていうか絶対やるわ。それで今までの浄化魔法の効かない毒沼を作ったわけね」
それに、ファラヴァナと同盟を結んだはずのボノラタスに喧嘩を売るのもあいつらしい。絶対何も考えてないな。そもそも我の知っているままだとしたら、ファラヴァナやボノラタスに勝てやしないだろうに。
だが、浄化の効かない毒沼を広げているというのは看過できない問題だ。これではたとえ勇者を追い払えたとしても、魔族の住める土地が減ってしまう。
ボノラタスからの依頼がなかったとしても、我が立ち上がっていただろうな。ちょうどいいから賃金もせしめてしまおう。やはり先立つものは欲しい。
「はあ、それは急務だな。わかった全部こなそう。どうせ今の依頼はすべてボゼル関係なのだろ?」
「そうです。毒沼が国境に近づいてきていて、早急な対策が求められてます。ポゼルダインからは毒沼の進行を止めてほしければ軍門に下るよう要求が来ていますが……」
「ファラヴァナと同盟を組んだ以上無理な話だ。ここでファラヴァナを裏切れば、お前の評判は地に落ちる」
「なので困ってるんですよね。戦って蹴散らしてもいいんですけど、今はそんなことしてる場合じゃないし……」
毒沼とかいう完全に向こうのテリトリーを相手取るのは面倒だからな。勝てはするかもしれんが、その隙に他の魔王が狙ってくるだろう。
「そこでこれを逆手にとって、新しい浄化の技術を他国に高値で売り付けます。なのでクーデン様に当てる研究費としては、かなりの額を予定しています。ポゼルダインの脅威を考えれば、確実にもとが取れる計算ですから」
「責任おんもぉ……。さすがに学んだとはいえ、百年前の技術が主な我をそこまで重宝するとはな」
「さっきの面接で、魔法技術が全く衰えていないことを確認しましたから」
つまり、本当の面接官はボノラタスだったというわけだ。そこで我の見せる技術が基準に満ちていなければ、この話はそもそも来なかったと。その場合は普通に研究職に配属して、そこで学んだらもう一度確認って感じだったのかもな。
どちらに転んでも次のプランを用意している。そのしたたかさ、嫌いではないぞ。上に立つには必要な気概だ。
「ですので、先ほどのコボルドを部下に使ってください。極秘プロジェクトなのでオナホとして任命した魔法戦士と合わせて、二人しか配下を付けられないことはご容赦ください」
「しかも、あの面接は我があのコボルドと顔見せする意味もあったと。良いな。人にここまで使われるのは久しくなかったから新鮮だ」
「気分を害していないといいのですけど……おれがクーデン様を使うなんて恐れ多くって……」
「気にするな。今の城主はお前だ。魔王になってほしいという提案を我が断った以上、どんと構えていればいい。城主としての箔が付いてきて、いい感じだぞ!」
「おほめに預かり光栄です!」
牙が飛び出した口で満面の笑顔を咲かせるボノラタスは、実に嬉しそうに羽をぴこぴこと動かしている。爆乳と共に乳首のピアスリングも弾んでおり、体全体が小躍りしているようだ。
我を都合よく使うことに失敗したらどうしようと、気をもんでいたのだろう。だがボノラタスは頭を下げて頼むのではなく、自分の知略を見せつけて提案してきた。これがただの懇願だったら、のらりくらりとかわしてたがな。成長を見せられると、つい微笑んでしまう。
やはり百年という日は長いな。あのボノラタスがこんなに強くなっていたとは。
新兵の頃から知ってるせいで、完全に目線が祖父。
「新兵の頃からお世話になっているうえに、操をささげたのもクーデン様でしたので……」
などと言いながら恥ずかしそうに樽のような体をくねらせる。そのせいで我が封印された百年をアナニーだけで過ごす一途さもあるとくれば、ときめきは不可避。めきめきと勃起。いえい。
すでに我よりでかいため頭をなでてやることはできんが、手を握るぐらいはしてやれる。安堵が緊張を薄めたようで、竜の我よりもごつくデカい手が嬉しそうに指を絡めてきた。
と思ったらそのままグイっと引っ張られて抱きしめられてしまった。力だけならすでに我よりも強い剛腕に締め付けられて、背骨がやばい音を立てる。
が、まあ、この程度なら問題ない。言葉を探しあぐねてわななく唇に免じて、我慢するとしよう。
「だ、だから、おれ……」
次は何を言いたいのか。ボノラタスは結構ストレートに言うタイプだから、ここまで悩むなど珍しい。告白ですら滞りなかったのにな。
はたして、と身構えた我だが、振ってきたのは予想外の言葉だった。
「だからおれももっと頼ってください! エリアンさんの方が付き合いも長いし、有能
なのはわかりますけど、おれだってが、がが……頑張ってるんです!」
ぽかんと、暗黒竜の口が空いちゃった。
「おれの方が二人より全然年下だし、前政権時の勤務も近衛兵で内政には疎いけど……いっぱい学びました! エリアンさんに手伝ってもらって、ですけど……」
「別にお前をないがしろにしたつもりはないが……」
「それでも、クーデン様……エリアンさんと以心伝心じゃないですか、そりゃクーデン様が出奔しようとしてたこととか見抜いたのはエリアンさんですけど……おれだって……」
我の背中を指で優しくさするのはいじらしいことこの上ない。巨体でもじもじとしながら我を肉でもみほぐしていく。おかげでおっぱいの圧がやばい。
近衛兵時代の時は遠慮気味だったが、娶った今ではこうして素直に気持ちを伝えてくるようになった。恐れ多いとは口では言うが、目線を合わせようとしてくれているのだろう。
その気持ちはやはり嬉しいぞ。家族になるのだから、対等でいてほしい。そのうち敬語も取れるといいな。
「そこまで気を揉んでいたとは思わなかった。本当にないがしろにしていたつもりはなかったんだ。許せ」
「わかってますよぉ。クーデン様からしたら、おれなんてまだ頼りないでしょうし……」
これは祖父のような心持で見ていた我にも責任があるな。ボノラタスが求めるのはあくまで対等だったというのに。どうにも百年前の視点が抜けんな。まあ寝起きということで許してくれ。
お詫びとばかりに尻を揉んでやると、マンコをこすりつけてきた。どうせこのままボノラタスが帰るとは思えん。意志を確認するために顔を上げると、案の定キスが振ってくる。
「エッチでうやむやにしようとしてます?」
「ご機嫌取りは大事だろ?」
「わかってるじゃないですか。エリアンさんとばかりじゃなくて、おれともやってくださいよ」
それは単純にあの狼の仕事処理能力が頭おかしいだけで、普通に考えたら宰相が一日中エッチできるほど余裕があるわけないんだよな。
ボノラタスは城主ということもあり、ポゼルダイン問題のせいで最近忙しかっただろうしな。
図書館に作られた秘密のベッドルームにボノラタスを案内して、二人同時に倒れこむ。最初は無駄だと思ったこの部屋だが、めちゃくちゃ便利に使っている。
「……あの、クーデン様」
シーツに包まれた巨体が服を脱ぎながら目を伏せる。
「驚かないでほしいんですけど、おれは子どもを作るなら三人くらいほしいんですよ」
「…………」
「すいません! でもおれは一人っ子だったので、兄弟とかいいなと思ってて……ファラヴァナのところが三人兄弟じゃないですか。だから、あこがれてて……」
いや別に我が沈黙してたのは驚いたわけではなく、ただまあいいかーと思ってたからだぞ。
恥ずかしそうに切り出しているところ悪いが、エリアンなど五人と断言してるからな。しかも二人目のときには四つ子とか言ってた。なんだあいつ。
冷静に考えて、だ。
エリアンもボノラタスも魔族の中ではトップクラスに有能だし、そこに我の血が入れば絶対強いぞ。八人も子がいれば、誰か一人くらい我より強い奴が育ちそうじゃない?
……こういう思考がよくないのだろうとは気づいているが、そう簡単に変えられん。
滅私奉公に徹したつもりはないが、元魔王としてできることはしたいのだ。
我からの返信がないことに焦ったのか、グローブのように膨らんだ紫の手がつまんできた。すでに生まれたばかりの姿になっていて、筋肉だるまの全身が肉汁豊かなステーキのように艶を照り返している。
「駄目、でしたか……?」
「そんなことはない。お前が望めば何人でも作ろう。エリアンなど五人欲しいと言っていたしな」
「おぉ……さすがエリアンさん。そういえばワーウルフって子だくさんなイメージがありました」
「それと、第一子と第二子はお前らから作れとも言われた。元からそのつもりだから安心してくれ」
「当然です! おれら以外……例えばあの馬鹿猫なんかに先を越されることがあったら、クーデン様を監禁してでも孕みますからね!」
なんでここでファラヴァナが出るのかはわからんが、過激が過ぎるだろ。まあ我そういうプレイも嫌いではないので構わんがな。
ベッドに横たわるボノラタスはまるで小さな山のようだ。巨体の多い魔族の中でもひときわでかい体躯はすべて筋肉で出来ており、あらゆるものをなぎ倒すことが可能だ。
そも筋繊維一本の大きさがすでにそこらの魔族を凌駕しているのだ。そこに膨大な魔力を持つとなれば、敵う者はいないだろう。これで本人は魔法メインの後衛とか言ってるの本当に何?
大体全部エリアンとかいう肉弾戦最強のせい。比較対象が悪いよ、比較対象が。
近衛兵長の頃からそのきらいはあったが、肉弾戦の才も持つがそれ以上に魔法の才がある男だ。新兵時代から目をつけていたこともあって、我が丁寧に魔法の基礎を教え込んだかいがある。
「ん❤……また、優しい目をしてます❤嫌いじゃないですけど、そういう時って大体昔のこと思い出してますよね❤おれだって、もう大人なのに❤❤」
ばれた。
大人どころか魔族の中でもなかなかの年なのは知っている。魔族は魔力量に応じた寿命を持つ種族だから、ボノラタスくらいともなると相当長生きするだろう。
そういう意味では、まだ寿命の半分もいってないから優しい目になるのもしょうがないと許して。
「おれは大人で、魔王で、クーデン様の妻です❤だから、いつまでも子ども扱いはやめてくださいよ❤❤」
明らかに使い込まれたデカ乳首を揺らして、ボノラタスは我を誘って微笑む。山の上の、ひときわ高いところにある双子の頂は、乳輪ごと膨らんでしゃぶってほしそうにしている。
正装から解放された肉のはずむさまはいつ見ても眼福だ。ここまでたくましく肉々しい雄など、ボノラタス以外にはあり得ない。
ベージュの内皮は弾力も強く、興奮に熱を持ちはじめている。胸を下から持ち上げたら掌からこぼれていきそうになるほどに肉がしなだれかかり、とろけそうな熱が伝わってきた。
男の夢がここに詰まっている。エデンは谷間にあったんだ。
「あう❤おおぉ❤いやらしい手つき❤大好きですよ❤もっとおれで興奮して下さぃ❤❤赤ちゃんができたら、乳首ピアスは外したほうがいいかもしれませんね❤」
「自分の母乳で育てる気か? 確かに魔法なら何とかなるだろうが」
「クーデン様もお好きでしょ?❤❤おれの巨乳ならたくさん出せますよ❤どうせおれらの子どもなんてスケベに決まってるんですから❤乳首のしゃぶり方くらい、教えてあげないと❤❤」
それはそれであり。我、赤ちゃんプレイも好きだから。
「だったら授乳手こきでもやってみますか❤❤子どもができた時の予行練習にもなりますしね❤」
「やる!!!」
眼前で揺れるデカ乳首がものすごくおいしそうだったから、童貞にも笑われそうなくらい前のめりな返事が出た。男はおっぱいに弱い。魔族でも人族でもそう。世界の真理。
我に欲情されていると知ったボノラタスは赤ら顔で笑い、嬉しそうにピアスを外す。
すると、重りから解放された肉突起が弾み、熟れた赤がつややかに誘う。
ベージュから浮いている肉の色は赤子でなくともしゃぶりたくなるほどおいしそうだ。そんなものを差し出されたら逆らえるはずがない。
竜の長い口の先端から吸い付いて、力の限り吸い上げる。淫乱な乳首はどれほど強く吸っても大丈夫に決まっている。
「ヂュウウゥゥゥーー!!!!」
「あ゛❤❤お゛、おぉん❤❤ふへへぇ❤クーデン様かぁいい❤❤まさかこんなお姿を拝見できるとは思いもしませんでした❤」
「ちゅぅ❤幻滅したか?」
「まさか❤❤おれのおっぱいは今はまだクーデン様のものなので、好きにしていいんですよ❤クーデン様がいっぱい吸ってくれると、赤ちゃんが吸いやすい形になりますし❤❤」
このトカゲ、将来子どもを自分の母乳で育てる気満々だ。
我の唾液でぬらぬらと光る乳首は先端に雫を浮かばせており、母乳が滴るさまを想像させる。いつかはここから本当の母乳が出ると思えば、喉の渇きが我を急かしてやまない。
正直見ているだけでも健康にいいのだが、ボノラタスは我の頭を抱えておっぱいに押し込めてくる。弾力の強い肉に顔をうずめられ、股間の血流が急速に熱を持ち始めた。
「へへっ❤❤クーデン様のちんぽも準備万端ですね❤おれが脱がせてあげますよ❤❤」
そのくらい自分でやろうとしたのだが、制されてしまう。どうやらボノラタスが自分でやりたいようだ。すでに母性目覚めてない?
ボノラタスは手のでかい。巨体であるはずの我やエリアンより大きな掌は、しごくにも最適だ。これでようやく授乳手こきが始まる。ときめきが止まらんな。
だが、我の思惑とは裏腹に、トカゲのごつごつとした指はズボン越しに膨らみを優しくひっかくだけだった。
「うおおぉっ❤いじらしいことをする❤」
「クーデン様のデカちんぽびくびくしてる❤❤ふくらみがこんなにたくましいの、たまんないですぅ❤❤」
かりかりと布越しの刺激は弱く、もどかしさが股間に募っていく。おかげでズボンの中は汁まみれで、さぞかし匂いが凝縮されていることだろう。
シミも広がっているようで、湿った感覚がちんぽにくっついているのがわかる。指が一本ごとに幹の上を撫でまわし、時折根元の尿道をつぶしてくるのもたまらない。
「くっ、おおぉ……❤」
今度は亀頭の段差に爪を軽くひっかけてきた。弱い部分を太い指がこするとそれだけで快楽が発生する。怪力のボノラタスにはあり得ないほどのフェザータッチは、ちんぽに焦がれた証だ。
「痛くないですか❤クーデン様以外とはしたことないので……力加減がちょっとわからないんですよね❤❤」
「ああ、このままでも構わん❤スケベな手つきだ」
「クーデン様のちんぽは大好きですから❤もーっと気持ちよくなってくださいね❤❤おっぱいもしゃぶってくれないと、乳首が寂しがってますよ❤」
もどかしい快楽に加えて、授乳もされるとちんぽの熱が高ぶって仕方がない。
つい腰が浮いてしまい、不満が乳首に集約される。グミのような弾力がする突起を甘噛みしてやると、おっぱいが豊満に揺れた。
「あんっ❤❤クーデン様がおっぱいしゃぶるの上手だからっ❤乳首がすぐ硬くなってしまいましたね❤❤」
「ぢゅぅ」
返事をする代わりに乳輪ごと吸い付いてやると、力んだせいで胸筋が岩石みたいに硬くなった。そしてすぐにリラックス状態に戻れば、垂れようとする肉の洪水に顔面が殴られる。何この幸せパンチ。
「むっふうぅ!❤❤」
竜の鼻面におっぱい肉が乗って呼吸が苦しくなるが、この幸せから脱げ出したくないな。まあ我、強いので呼吸くらいならある程度止められる。
真綿で首を締めるような興奮が続いているせいで、我のちんぽが泣いておる。
だから自分でも気づくくらいには、雄の匂いがきつくなってきている。
そのおかげでトカゲは鼻の穴を膨らませて、顔をとろかせていた。魔王としてあるまじき表情だが、妻としては最高。舌がはみ出した陶酔顔がかわいくて思わずキスすれば、唾液が互いの間でぐちゅぐちゅと混ざる。
「くちゅう……んうぅ❤クーデン様の発情臭がおマンコに効きますねぇ❤❤とろとろのぬれぬれですよ❤……んおぉぉう❤❤❤」
よだれを垂らしながら目をひっくり返す淫乱トカゲ。興奮高ぶりすぎた結果、キスだけで軽くアクメを決めたようだ。
「ひううぅぅ❤❤❤クーデン様ぁ❤これが終わったら❤あとでたくさんおマンコしましょうね❤❤」
「その割には、ちんぽを解放してくれないようだが?」
「おれだってだてに淫魔の血を引いてないですし❤クーデン様を楽しませるくらいはできるんですぅ❤❤」
初代魔王、魔祖ラナタラスを祖先に持つボノラタスだ。初めて魔族領統一を果たした淫魔の血はこうして筋肉だるまに受け継がれている。
そのくせ我が封印されたときはアナニーだけで済ませるほど一途な性格なのだから、ギャップもいいところだ。
今だって我を満足させようと慣れないじらしをしているしな。百年ぶりの我をどれだけ堪能しても足りないだろうに。こういうところ本当にかわいいよね。
「ボノラタス。我はお前とこうして肌を合わせることができるだけで幸せなのだ。したいようにするがいい」
「はい❤❤それならお言葉に甘えちゃいますね❤」
そうしてボノラタスが甲斐甲斐しくズボンから一物を取り出すと、それはもう待ってましたと言わんばかりの勢いで飛び出してきた。先走りにまみれた肉槍を前に、ボノラタスは目を奪われて舌なめずり。柱のような太ももをこすり合わせてうずきを表現しても、それはただマン汁を塗り付けるだけだろう。
「んふぅ❤❤いつ見てもでっかいですよね❤おれのおマンコの奥、雄子宮を孕ませてくれるちんぽには❤ちゃんとご奉仕しないといけませんね❤❤」
掌に包まれると、ようやくもらえた直接的な快楽につい息が漏れる。じらされたせいで防御力が弱まっているんだ。しごかれたらすぐにでもいってしまいそうだな。
巨根という自負はあるが、さすがにボノラタスに握られると縮尺が狂う。それでも親指の輪から亀頭が生えるところを見るに、完全に負けてはいないようだ。
もういいだろうと、我は上半身だけをひねってボノラタスに抱き着き、授乳手こきを味わう体勢に移行する。せっかくこんなに抱き着きがいのある体があるのだ、全力を出さずしてなんとする!
「んおおぉ❤……へへ、クーデン様は本当におれの筋肉が好きですよね❤これからもたくさん鍛えておくので、存分に甘えてくださいね❤❤」
魔族領の筋肉だるまという言葉はこいつのためにあるに違いない。肉が発達して膨れ上がった体幹は、我の腕でも回りきらないのだ。でかすぎ。これで後衛なの、他の前衛がかわいそうになる。バグでしょ。
だがこの恵体には感謝しなければならん。巨体にふさわしいデカ乳首をまたちゅうちゅうとしゃぶり、胸を揉み上げて堪能する。肉に埋まっていくような感覚が心地よく、さらに興奮を誘う。おかげで股間の硬度は落ちることを知らず、濁った先走りを漏らし続けていた。
「ん~~❤❤❤」我の肉棒をシコシコしながらボノラタスが。「がっちがち❤❤雄々しくって最高❤授乳手こきを提案したのはおれですけど、ザーメンが注がれないのはちょっと寂しいですね❤❤」
「次は注いでやるとも」
「やった❤マンコも寂しがってるので、ぜひお願いしますね❤❤」
もはやローションなんて不要なくらいに濡れたちんぽは、濁った音を奏でながら泡を産み落としていく。だが、上下にしごいたかと思えばカリだけを握ったり、亀頭を掌で撫でまわしたりと、決して単調ではない攻めでちんぽを甘やかしてくれる。
「ふおぉ❤いいぞ❤たまらん……!」
「はぁはぁ❤ちんぽが熱すぎて……❤おマンコぬれぬれになっちゃいます❤孕みたくって、うずうずしてきました❤❤」
この体勢が母性を目覚めさせるのか、我をしごく手は優しい。この肉棒の味をマンコで知っているため快楽も想起されて、ボノラタスの体が熱を帯びて熟れてきている。
おっぱいに顔をうずめている我にも熱が伝播して、吸い付く口にも力が入るというものだ。
「ちゅうぅぅぅ~~❤」
「んおおぉおぉん❤乳首っ、っひいぃ、すごい❤そんなに吸っても、おっぱいでませんよぉ❤ふへ❤おれのおっぱいに、がっつくクーデン様❤ほんとぉに、あぁん、かわいいです❤❤❤」
別に我とておっぱいが吸いたいわけではない。出るなら越したことはないがな。
ただ、こんなにも実って育ったデカ乳首をちゃんと味わわねば失礼というもの。特にボノラタスは我のために鍛えたと公言してはばからないのだ。体の隅々まで愛撫する義務が、我にはある。
反対のおっぱいを乱暴に揉むと、驚くほど波打ってくれた。バルンと擬音が勝手に脳内再生され、ベージュの内皮がむちむちと揺れる。たまらんなぁ。
そこで指の隙間に乳首を通して、はさみながら揉む。こりこりとむちむち、ダブルにおいしい。尻も規格外にでかいが、胸も規格外だな。これで他の雄に取られてないの、ありえなくない? 魔族の目、節穴説出てきたな。
「感謝……」思わず声に出てしまった。
「どうしたんですか急にぃ❤クーデン様が望めば、いつだってしゃぶらせてあげますよ❤❤あ、でも子どもができたらそっちが優先ですけど❤❤」
「その時はマンコを使わせてもらうさ」
「それはいいですね❤エリアンさんが五つ子を希望してるなら、絶対足りなくなりそうですし❤パパちんぽで母乳作ってくださいね❤❤」
こいつ、エリアンの子も自分の母乳で育てるつもりだ!
確かに、あの戦闘民族ワーウルフのエリアンが自分で母乳を出して育てるヴィジョンなんてまったく浮かばんな。乳母を雇うとかも言ってたし。
この二人が想像以上に仲が良くて何よりだ。統治時代も近衛兵長と執事長として、我の身辺の担当だったことから接点はあったからな。
「じゃあそのパパちんぽから、まずは子種をしぼっちゃいますよ❤❤」
「もう終わりか。なかなか心地よいからもっと続けてもいいぞ。たまにはこうして奉仕されるのも悪くない」
「おれが限界なんです❤体はいつだって孕む準備ができてるのに、ちんぽお預けなんてされたらおマンコが持たないんですよぉ❤❤またいつもみたいに雄子宮を犯されたいって、きゅんきゅんしちゃってます❤」
実際ボノラタスの尻周辺から、シーツのシミが広がっている。乳首もいじられているしで、マン汁が止まらないのだろう。
次に進みたい、その気持ちが手を早くする。
もはや先走りまみれのちんぽはどれだけ強く握っても気持ちよさしかくれない。マンコの中とは違う武骨な感触が、強い刺激となって快楽神経を高ぶらせるのだ。
こうなればボノラタスもいかせてやりたい。そう思い片方を舌で愛撫し、もう片方をつねることで、ちぐはぐな刺激を与えることにした。
「んおおぉ❤おほっ❤腰が、勝手に動いちゃいますよぉ❤❤おマンコされたくて、もうだめぇ❤❤」
「かわいいぞ❤だが、そんなことで母乳育児ができるのか」
「んだってぇ❤クーデン様の硬くて熱い勃起ちんぽ握ってたら、頭の中ぁ、あん、セックスのことしか考えられなくなるのはぁ……当然じゃないですか❤❤おれが待ったぁ❤百年の欲求不満は、ぜぇんぜん満たされてないんですからねぇ❤❤」
「それは申し訳ない。それなら次はしっかりと種付けしてやろう」
「絶対❤絶対ですよぉ❤❤」
我以外のちんぽに奉仕したことないボノラタスだが、やはりそこは淫魔の血筋か、雄を悦ばせる手腕は確かだった。痛みのないぎりぎりまで強くしながら、ぐちゅぐちゅとしごいている。
さらに額にキスを落としながら、締まりのない赤ら顔で幸せそうに笑うのだ。
「えへへぇ❤クーデン様大好き❤世界で一番愛してます❤❤新兵の頃から、ずっとあなただけを見てきました❤❤」
はぁ~~~~我の妻本当にかわいいな。
ボノラタスは肌を重ねている最中よくこんな言葉をささやいてくれる。最近のエリアンの素直さはここからきているのかもしれん。よく3Pするようになったからな。
お返しに乳首にキスをしながら、反対の胸に手を沈ませる。ボノラタスのしごきも強くなり、我らの性欲が到達点に至ろうとしていた。
「はふぅ❤クーデン様❤クーデン様❤❤お、おれぇ、おっぱいだけでいかされちゃいますっ❤❤」
「ちゅぱぁ、ちゅっ❤ 構わん、我もそろそろだ……!」
血管を強く浮かばせる我のちんぽは限界を訴えて泣いている。ごつい手が必死にシコシコしてくれるおかげで、決壊はすぐ近くまで来ていた。
快楽に吐息が漏れ、それを取り戻すように乳房を吸う。ボノラタスの授乳が呼吸と同義になっていく。
もちろん指先は突起を全力でいじり、肥大化した弾力を堪能している。射精が近づくたびに視野が狭まって、あさましく乳首を求めてしまうのだ。
「あっ❤んっ❤へへぇ❤きもちいぃですよクーデン様❤おれが気持ちよくする体勢なのにっ❤あうぅ❤いかされそうになっちゃってます❤❤」
「我は強い雄の乱れるさまが大好物だからな。ちゅっ。そのまま喘いでくれていいぞ」
「えへへ❤それじゃあ、乳首だけでいかされちゃう淫魔のおれで❤たくさん興奮してくださいねぇ❤❤」
淫蕩にゆだる顔に覇気はなく、先ほど我に対して決意表明してみせた雄姿など影も形もない。ベッドの中でのボノラタスは魔王としてではなく、我の妻としてここにいる。
だからこそこうして部下に見せられない姿を互いにさらしあい、快楽を貪っている。普段からこのデカ乳首をさらして歩いているボノラタスだが、初々しくあえぐのは我の前だけ。それがまたあがる。
だから、授乳手こきという姿勢でありながら、ボノラタスをいかせたくなってしまうのだ。限界が近いのは向こうも同じ、あと一押しを同じタイミングで。
「クーデン様❤いって❤くださいぃ❤❤おれ、もう駄目で、すぅ……❤❤❤」
「我もだ」
「じゃあ❤一緒にいきましょ❤後は乳首を甘噛みされるだけで、びゅーっとしちゃいますよ❤❤」
それならと、軽く歯を立てて肉に食い込ませると、宣言通りボノラタスの膨らんだ体は胸を突き出して射精へと入った。
「ひぃああぁ❤おっぱい、やばぁ……❤あ、あ、ああぁ❤❤❤」
そこに合わせて我も腰を動かして、大きなトカゲの手を最大限に堪能する。亀頭が手の筒を抜けて、天高くを貫くとき、我もまた絶頂へとたどり着いた。
「出すぞ、ボノラタス!」
「はい❤はいぃ❤クーデン様のザーメン❤おれにたっぷりとくださいいぃ❤❤❤❤」
そして、我らは同時に白濁を打ち上げる。
セックスというには前座でしかない行為だったのにもかかわらず、我の興奮は恥知らずにも天井に肉薄した。ボノラタスが我にぶっかける精液も大量で、その濃さと熱さはさらなる興奮の呼び水になる。
「ひあああぁあぁぁぁ~~❤❤❤クーデン様のザーメン❤たっくさん❤おれで興奮してくれて、んんんっ、ありがとうございますううぅ❤❤❤」
「まさかこんなに出るとは……我も驚きだ……❤」
どちらかと言えば自慰よりセックス派のため、ほとんどオナニーなどしてこなかった我だが、手こきだけでもこの量を出せるものなのだと感心している。
それはボノラタスのおかげだ。この豊満な肉が、我を高ぶらせた。
ちゅぽ、と口を離せば唾液でふやけた乳首との間で糸をひく。乳輪付近が赤くなっていることから、結構強めに吸ったことがわかる。それと歯形もちょっとあるが、ボノラタスはこれでもいったのだから感度がいいのだろう。
「それじゃあクーデン様のザーメンがもったいないので、御身の前で無様な犬食い失礼しますね❤❤」
我の口が離れたことを見届けた後、巨体のトカゲは樽のような体で這いつくばって飛び散ったザーメンを舐め始めた。いくら淫魔の血筋とはいえ、恥ずかしくはないのか?
「ぺちゃぺちゃぺちゃ❤❤何言ってるんですか❤クーデン様のザーメンを逃す方が恥ずかしいです❤この濃さ❤雄臭さ❤魔力❤どれをとっても最高級品です❤じゅぞぞぞぞぞぉ❤んおおぉ❤❤やっぱこのザーメンやばすぎぃぃいいぃ❤❤❤」
淫魔にとって我のザーメンって麻薬なのでは?
とは思うのだが、ボノラタスが幸せそうなのでいいだろう。
それに、シーツに噛みついてすすっている間、でかすぎて大砲の玉かと見間違うような尻が我の前でふりふり踊っているのだ。先ほどから軽いアクメを決めているからか、マンコからは愛液の川が何本もできており、屈強な太ももに流れ落ちていた。
たまに尻が開けばねちゃぁと愛液が何本もの橋を架けており、その中心に位置する肛門は開閉しながら熱烈な赤で我を誘う。
いったばかりだというのに萎えることを知らない我のちんぽは、また血管を膨らませてセックスを求め始めた。この流れ、一日がつぶれるやつね。
「ん~~❤❤❤おっすくせえぇ~❤❤腰へこ止まんねっ❤クーデン様に雌アピールしろってマンコがやかましいんですよぉ❤❤」
今度は我のちんぽの根元に舌を這わせ、ザーメンをすすりながら振り返る。鼻面にゼリー状の白濁を乗せながら、潤んだ目で催促する我が妻。かわいいな。
さて、そうなれば終わるわけにもいかんだろう。それに大体セックスするときは一日をつぶすものだと相場が決まっている。高位魔族の体力を舐めないでほしい。
「んふふふふぅ❤❤❤」でか尻トカゲが尻尾を振って。「クーデン様ぁ❤次はおマンコしてくれるって言いましたよね❤❤」
「もちろん、我とてこのまま終わるつもりなどない」
「あ~❤でも、この前の雄臭いクーデン様がとてもよかったので❤これからシャワー禁止にしません?❤」
「絶対やだ!」
我はこれでも清潔さと高貴さで売ってるの!
雄臭い歴代最強魔王って嫌すぎるでしょ!
もはや空気もいれたのかと疑いたくなるほど膨らんだ尻を左右に広げると、中心で咲くマンコがプシュッと潮を噴く。もはや雄を誘うことに特化した淫魔が、ちんぽを貪りたいと言っていた。
「統治時代だって、本当はオナニーのためにクーデン様がはきつぶした下着とか欲しかったのに、そういうのぜんっぜんないんですもん❤❤いっつもエリアンさんがちゃんと処理してるし❤❤おかげでこの百年は想像だけのアナニーだったんですよぉ❤❤」
「ありがとうエリアン……ありがとう……」
「だから、今度はおれのために雄汁しみこんだパンツとか欲しいです❤❤」
「……考えておこう」
考えた結果、否決。解散。
これ以上この話を続けさせてはいけない。
我はボノラタスの尻をつかむと、綺麗にしてもらったばかりのちんぽを当てがった。すでに出来上がっているマンコは、亀頭にむしゃぶりついて奥へと誘導している。
だがその本体は急に当てられた熱に対して、軽いアクメを決めたようで間の抜けた声を出しながら尻尾を痙攣させていた。
「お゛っほおおぉおぉ~~~~……❤❤まじでおマンコが弱くなってますね❤興奮しすぎちゃった❤❤❤」
このまま腰を進めれば、またかわいくもえげつない声が響く。想像にたやすいことだ。
それくらい今のボノラタスは熟れている。ちんぽに奉仕なんて慣れないことをするから、孕みたがる体を制御しきれていない。早く突っ込んであげたいところだが、せっかくなのだ、観客にも楽しんでもらおうか。
後背位では広い背中がよく見える。そして、目を覚ましてこっそりこちらを見ながらおなっているコボルドも。
「ん~~❤そんなに見たいんですか❤しょうがないですねぇ❤今のおれは気分がいいので、全部見せちゃいますよ❤❤もちろん、そのあとはちゃんと働いてもらいますけどね❤❤」
片足を上げたがっているようなので、我がそれを持つ。そこで見ているコボルドの倍以上太い脚を支えれば、すでに潮を噴いているちんぽが丸見えになった。雌の快楽に期待している肉棒は、魔王という肩書には似合わない。だが、コボルドにとってはそうじゃないようだ。
でかすぎる体を持つボノラタスが見せるあられもない姿に、コボルドは鼻血を出しながら目を血走らせている。まあ、こんなにエッチな雄なんて早々見れるものじゃないからな。
堪能するがいい、我の妻ぞ?
「だが、配下に見られてもいいのか?」
「別にいいですよ❤エッチするのはクーデン様かその妻だけって決めてますけど、見せる分には減らないですしぃ❤❤」
そういうところ淫魔だなあ。絶対アヘ顔決めて射精するのわかってるだろうに。
エリアンなら目つぶししてるか、もしくは殺してる。間違いない。
「それじゃあクーデン様❤❤」
見られていると分かったとたん、笑顔の艶が増した気がする。
ものすごく楽しんでるじゃん。まあそうでなければあんな乳首丸出しの正装なんて着ないか。一途だがスケベな男だ。
ボノラタスはしきりに唇を舐めながら、我を待っている。すでに恥ずかしがるような状況でもないし、それに我も魔王やってた時は結構やったからな、露出プレイ。
あ、ボノラタスともやったわ。近衛兵の配下相手にものすごく見せつけてた記憶がある。我らどっちも露出好きなの、数百年前からだわ。
ならもう遠慮はいらないな。小さな観客の前で、大きなボノラタスをめちゃくちゃ犯すとしよう。
「おれらのいちゃいちゃをたっくさん見せつけてやりましょうね❤❤」
応えるためにも、一息でちんぽを突っ込む我だった。
****
目覚めてからボノラタスとは何度もやった。それなのにどうして毎回一日以上をつぶしてしまうのか。我、謎。
まあ、今回はたった一日くらいだし、仕事もそこまで溜まってなさそうだし、いいよね!
ボノラタスも学習したのか、ある程度仕事が落ち着いてから来てくれるようになった。おかげで数日来れないとかもあるので、もっと気楽に来てくれていいとは言っておいた。
やっぱり団らんってエロだけじゃないから。結局やりそうだけど。
さて、それでは先立つもののために、働くとしようか。
ボノラタスに魔法研究所の一角を与えられたため、そこにとあるものを持ってくるように頼んである。
「……のはいいんだが、なんでお前が来たんだ? 自分の国は良いのか?」
「はあ?! く、クーデンはおれに、あい……会いたくねえってのかよ!」
「そんなこと一言も言ってないが。ボノラタスの同盟相手とはいえ、一応このプロジェクトは極秘のはずだろう」
我の研究室でふんぞり返る筋骨隆々の赤い虎。魔王の一人、ファラヴァナ=サスファインがなぜかここにいる。
分厚い軍服の生地を筋肉で押し上げる屈強な虎が、なぜかムッとしながら尻尾をくねらせているが、なんでふてくされてるんだよ。
「別にふてくされてねえし!」毛を逆立てて虎は吠える。「おれがここにいるのは、今回の作戦はおれと合同だからだよ。ボノラタスの研究費用の一部をおれが負担することで、利益を得るってことだ」
「ボノラタスのことだから、一部ではなく大部分を要求してそうだな」
「その通りだよ! あいつ、『こっちにはクーデン様がいるので成功間違いなしですよ。なので投資だと思って乗ったほうがぜーったいお得でしょ?』なんて言いやがる!」
あーあ、そういうことか。あいつ、我への信頼を担保にしてファラヴァナから金をむしり取ったな。元配下だったファラヴァナなら、我がやり遂げると確信するだろう。
そしてうまくいけば同盟にいる二人ともが利益を得て、他の国と差をつけることができる。さらに自分と同盟を結べば利益が出る、そう宣伝するために事例を作ろうとしてるな。
我ならそうするから、ボノラタスもするだろう。それから他の同盟相手を見つけ、魔族領の結束を強めていくことで勇者への対策をする。ふむ、悪くない。
おそらく、領土を広めるというのも、ここが起点になるのだろう。やはり何であれ、先立つものは必要だからね。
「だからおれは本当にクーデンができるのかどうか視察しに来たわけ! どうせポゼルダイン戦を視野に入れた合同の軍事演習もあるしな、ついでだよ、つ、い、で! 別にお前に会いたくて来たわけじゃねえからな!!」
政治という点で見れば、ボノラタスの方が強い。なにせエリアンもついているからな。ファラヴァナは家柄もいいから教育も行き届いているため悪くはないが、本人の直情的な性格の向き不向きがでかい。
そう考えるとボノラタスとの同盟は互いにとって悪くないはずだ。というか、だからボノラタスの相手に選ばれた説もある。
我の知らない間にいろんなことが回っている。はあ、早く金を手に入れて、情報網くらいは整備しないと置いてかれるな。今の我、まじでただの隠居じゃん。
そのためにも仕事はしっかりせねば。
「なるほど、監視というわけか。だが見ての通り、最先端の設備を入れてもらっている……まあ、使い方を学ぶところからだが、我ならすぐに使えるだろう」
「当たり前だろうが! てめえはクーデンドライヴァだぞ! いくらロートルで百年眠ってたとしても、余裕に決まってんだろ!」
「褒めてるのかけなしてるのかどっちだよ」
ファラヴァナは元魔王城が誇るエリート部隊の隊長だ。魔族の中でも最高峰の魔力と、それを扱える技量、さらには強い肉体という盛りすぎなくらいの才能を持っている。
ボノラタスやエリアンが身近にいるから価値観バグってるけど、魔族全体で見れば上澄みの上澄みなのだ。そうでなければ、統一された魔族領で隊長なんてできない。全魔族のトップということだからな。
だが、性格はなあ。子どもらしさが抜けていないんだよなあ。
面倒見がいいし悪い奴ではないが、浅慮なところが目立つ。魔王として立っているから、いい側近がいるのだろう。人柄はいいので、国が整えばいい王になるはずだ。
そんな虎は設備を見渡してから、大きく鼻息を漏らす。腕組しながらこちらをにらむところから察するに、基準点は超えていたようだ。駄目だったら毛が逆立ってる。
「まあ、確かに設備は悪くねえな。でも浄化魔法の構築について、当てはあるのかよ」
「そこに参考論文のいくつかを取り寄せてある。それに、勇者につぶされた魔術研究所の研究内容も我の頭にあるのだ。組み合わせれば何とかなるだろう」
「全部覚えてるのかよ……まあお前ならそれくらいできるか。じゃあそれ今度文章に起こしとけよ! 旧魔術研究所の遺産は今ではすんげえ貴重なんだからな!」
「……待て、その言い草だと残ってないのか? 我は当時、できるだけ回収するように指示したはずだぞ。それを確認する前に封印されてしまったが、そんなに少なかったのか?」
「ほとんど燃えちまってたよ。それに、魔術研究所の所長だったやつが、今では魔王の一人になってる。おかげで残った技術や職員はそいつの手の中、体のいい独占だよ。だからボノラタスはお前に期待してんだ」
「はぁ、あいつかぁ……最悪。だから百年たってもあまり技術が進歩してなかったのか。魔族領はどうなることやら」
我が憂いを込めた言葉を漏らすと、なぜかファラヴァナの目が泳ぐ。軍服の袖をきつく握りながら、絞り出すような声を出した。
「……悪い。当時、勇者対策の一角を担っていた魔術研究所の防衛は、最重要ということでおれの部隊の仕事だったのに。あいつにいいようにやられちまって、おれが着いたころには全部瓦解してた」
「報告を読んだから知っとるよ。それに直に対峙した我が思うに、お前がいたところで被害が増えていただけだ。気にするな。我でも勝てなかったくらいだからな、お前が無事でよかった」
「それは結果論だろ! おれがいれば時間くらいは稼げて、研究資料の持ち出しくらいはできたはずだ! そうすれば、魔族領が百年停滞することもなかった!」
「お前といいエリアンといい、なぜそう自分の命を盾にしたがるのか。若者から死なれると、我悲しいぞ」
「だからっておまえが相打ちすることねえじゃん……おれだって、百年待ったんだぞ……」
寂しそうに震える肩と声が、弱々しく部屋に響く。本心から我の封印を悲しく思っているようだ。丸い耳が力を失くしている様子は、巨躯を小さく見せる。
ひょっとして、我って自分が思っているよりファラヴァナに嫌われてないのでは?
会えない時間が愛を育てるみたいな感じか?
「でも!」急に虎の眼光が強くなる。「おれだって百年なにもしてなかったわけじゃねえ! 兄貴たちをぶち抜いて『炎帝』の名を冠せるくらい、鍛え上げたんだ! 次こそ、勇者の野郎を燃やし尽くしてやる! だからクーデン! てめえみてぇなじじいの出番なんてねえから、おとなしく余生でも満喫してな! 余計なことしやがったらてめえも燃やしてやるぜ!」
訂正、やっぱ嫌われてるわ。
悲しんでるのもただの責任感だわ。
「残念だな。お前との子はきっと強いと思うのだが。まあ、強さだけで選んではエリアンたちにまた怒られるだろうし……」
「に゛、に゛ゃぁ?!?!?!?!?!」
「え、なにその可愛らしい驚きかた……」
目を丸くして飛び上がったファラヴァナは自分の尻尾をつまみながら、なぜだか上目遣いでこちらをうかがっている。怒ったかと思えば急に恥じらいだすの怖いな。情緒大丈夫か?
「ま、まあ、お前が頭を下げてどうしてもって、ぷぷぷぷ、ぷろ、プロポーズするなら、百年後ぐらいに返事してやってもいいけど?!」
間接的に一昨日きやがれって言ってない?
やはり脈なしか。わかってはいたことだがな。
さてそれじゃあ、これ以上嫌われる前に仕事したほうがいいな。失敗すればファラヴァナの国がえらい損失を出してしまう。それはさすがにボノラタスも報われん。
「兄貴とかうざいだけだし子どもは一人で十分だぞ! 新婚旅行は火竜窟のマグマ温泉がいいぞ! あそこはサスファイン家の管理下で、火竜に乗って空を飛ぶことだってできるんだ! それで、お、おれのお気に入りの場所とか教えるから……夕日がきれいで、だから、その……おれ……初夜は、そこがいい……です……」
「そういえば、資料として請求したあれ、持ってきたのはファラヴァナか?」
「ふえ、結婚指輪か?」
「なんでそうなるんだよ。我が言ってるのは毒沼のことだ」
それに顔が真っ赤だぞお前。お前ほど強い奴が病気とかないだろうが、大事を取って休んだ方がいいぞ。これからボノラタスと合同演習だろ。
「あ、ああ、あれな! ままま、紛らわしいんだよ! 馬鹿! ばーか! ちょっと期待しちまったじゃねえか! おれの純情を返せ!」
「何の話だよ……」
ボノラタスは大きくなったなと思うのだが、こいつはいつまでたっても変わらんな。昔からこんな調子だ。それでも実力は確かだし、教育もいいから頭も悪くない。この情緒の安定しない性格だけが難点ではあるが、魔族の中には全く価値観の違うやつもいるし、そこまで問題ではないだろ。
ただなあ、我以外の評価はそんなことないんだよなあ。少し落ち着きがないだけで優秀って、みんな言っていた。実際軍をしっかりまとめられる程度には、ちゃんとしているわけだし。
……やっぱり我が嫌われてるだけな気がしてきた。悲しい。
「ほらよ! これがポゼルダインの作った新しい毒沼だ!」
虎が投げてよこしたビンには薄く発光した紫の液体がなみなみと入っていた。
「浄化魔法は効かず、浸食性が上がっている。めんどいからおれの炎で蒸発させてもみたんだが、毒霧になってえらい目にあった」
「なるほど、物理的な解決は難しいわけか。資料の通りだな。確認だが、毒性はどのくらいだ?」
「さすがにそれは変わってねえ。ポゼルダイン率いる一派は毒性の場所に好んで住む魔族が多い。だから毒性を上げれば適応できない奴が死ぬ。さすがのポゼルダインでもそんなことはしてないみたいだな」
「それならまだましか。この程度の毒性なら我やお前には効かないしな」
「ただ、毒性は変わりないが、特性は変わってる。感染性になったんだ、そいつ」
ファラヴァナ曰く、この毒で死ぬと体が溶け、死体が新たな毒沼になるそうだ。さらに、体液などから感染し、新たな毒沼を増やすらしい。耐性のない魔族を媒介に、遠くに広げる性質を持ったというわけか。くそすぎる。
浄化も効かないため摂取したものは徐々に衰弱するだけであり、やがては魔族領すべてを毒沼に変えるだろう。
我の治世では確実に禁止すべき兵器レベルの魔法だ。こんなものをばらまかれたら勇者対策どころではない。
「ポゼルダインめ……。早いところつぶさないと面倒だな」
「まあ浄化の魔法さえあればいいんだ。そうすりゃ全部丸く収まる。おれのお財布もな!」
「はいはい、新たな財源確保のためにも我に任せといてくれ」
「旧魔術研究所の所長らに先を越されると面倒だから、なるべく早くな!」
「わかっとる!」
なんて言いながらファラヴァナはまだ赤みの残る顔を引きずって出ていってしまった。毎回思うが、あいつの地雷がわからん。別に変なことは言ってないと思うんだがな。いつまでたっても反抗期なのかもしれん。我、父性あるし?
とまあ馬鹿なこと言ってないで、とっととやるか。とはいえ、こっちは我と研究員の二人。魔法戦士はいるが、特に使えないだろうな。
研究員のコボルドはもう少ししたら合流する予定だ。特別所属になったからといって、通常業務が無くなったわけではないらしい。あいつら、ここにはワーカーホリックしかいないと思ってないか? 過労死しそうなら帰らせるぞ。
まずはこの毒沼の特性をもう少し試してみよう。我には無毒だろうし、飲んでみてもいいかもしれん。
分析結果の書かれた資料を読み込みながら、手持ち無沙汰な片手でビンを持ち毒液をくるくるとまわす。わずかな魔力が感じられ、不快感が漂ってくる。指先をつけてみれば、少しの刺激感があった。
そのまま舐めとれば――まっっっっっず! うえっ。
毒が効いている様子はまるでないが、まずさに気分が悪くなってきた。この資料に味のことなんて書いてなかったぞ! 飲んだやつは誰もおらんのか! いるわけないか! 死ぬし!
「……あとはまあ、おおむね資料通りだな。浄化魔法をはじくようになっているのか、それとも既存の浄化魔法での対応範囲外なのか、調べるとしたらまずはそこからだが……そこは未知数と……なるほどな。仕組みの解析が先か」
それにしてもポゼルダインのやつ、いくら毒の帝王だからといってこんな兵器のような毒を開発するとは。さすがにもう少しわきまえたやつだと思っていたのだが、百年たてば変わるのかもしれんな。
「さて、魔術研究所の資料に何か使えそうなものはっと……」
我の脳内データベースに検索をかけて、類似の研究を思い出そうとする。いかに百年前のデータとはいえ、前文明の最先端だ、発達が停滞した現世でそこまで使えないということはないだろう。
必要なら記憶から文字に起こす魔法を使わないといけないから、あまり多くの資料がヒットしないでほしいな。めんどいし。
さて、我の記憶が正しければ、似たような事例があったはずなのだが……。
――――――あ。
一つ、引っかかった。それも最悪の可能性が。
「……はあ、そういうことか」
なるほど、これは我にしか解決できんな。ボノラタスが我にこの仕事を振ったことに感謝せねば。感謝!
すぐに連絡を取ろう。ボノラタスから個人的にもらった通信魔具を起動させると、すぐさま返事が返って来た。
『クーデン様、どうかなさいましたか?』
「演習準備中申し訳ない。至急耳に入れたほうがいいと思ってな」
そこで我は考察を説明して――――
【続きは来月の支援者限定公開となります】