我が眠れるようになってからというもの、ボノラタスは以前にもまして精力的になった。より良い魔王になるべく、武力を磨き、知性を整え、民への恩情を増している。
名君と呼び声高い我に比肩しようと背伸びするさまは、可愛らしいというほかあるまい。男子百年会わざればめちゃくちゃでかい、とはよく言ったもんだ。我が今適当に言ったのだが。
娶ってからというもの評価が甘くなっていかんとは思いつつ、あやつが魔族領の未来を明るいものに変えようというのなら、我はそれを見届けようと思う。
まあ何ともならんかったら、我が勇者を殺せばいいだけの話だし。こうして我も百年の空白を埋めようと、いろんなことにいそしんでいた……というわけだ。
……それはそうと。
「我、暇っ!!!」
ボノラタスが専用にしてくれた図書館で、暗黒竜たる我の咆哮が響く。別に魔力を込めたつもりなどなかったが、少しだけ本が揺れた。強いって大変。
さすがに一か月もこもったら大体習得したわ! 歴代最強魔王を舐めるなよ!
我をロートルにしたかったら千年の空白は持ってこい!
本で得られる知識には限りがあるため、市井に降りて現状を調査したいところだ。あとナンパしていい男とやりたい。可愛い妻が二人もいるとはいえ、あいつらは忙しすぎてなあ。呼べば来るだろうが、邪魔をしたいわけではないので、罪悪感がどうしてもぬぐえん。
「だから我は町に降りて、適当に仕事しながらいい雄を見繕って酒池肉林を築こうと思うのだが、どうだろうか?」
「結局脳みそにザーメンしか詰まってないのですかこの色ボケトカゲ」
ボノラタスが治める国の宰相であり、元我の執事であるワーウルフのエリアンが真顔で毒を吐いた。
戦闘民族であるワーウルフにおいて最強と評される肉体はまさに鋼であり、上半身が異常に発達した逆三角形が目立ついい男だ。生来の気性を敬語でごまかしつつ、執事としてだけではなく宰相としても優秀なワーカーホリック。
我の妻でもある狼は伸ばした背筋の上から軽蔑に視線を飛ばしている。その眼光があまりに冷たいから、我泣いちゃいそうなんだけど?
だが、統治時代からの付き合いであり、その年月は優に数百年を超えるエリアンだ。我の言いたいことを即座に理解して、ものすごくめんどくさそうにため息を吐いた。悲しい。
「自分が死んだ場合に備えて血を残す作戦を、まだあきらめてなかったのですか?」
「備えあれば憂いなしとも言うだろ。もう魔王ですらない我の血筋など、どれだけあっても困らんはずだ」
実際今、魔族は土地の大半を人族に奪われ、個々の力量を問われる時代になっている。しかも、いくつもの魔王が乱立しているにもかかわらず、どいつもこいつもちんたら隙を伺ってばかり。なんとつまらんのだろうか。
我が魔王になる前もなった後も、いくつもの争いを制し、権謀術数なんのそのだったというのに……。
「昔の栄光を押し付けるのは爺くさいのでやめた方がいいですよ」
「まじで泣くが、我?」
「ハンカチをお持ちしましょうか?」
「お前の胸の中で良いぞ」
「かしこまりました。加齢臭が付くので服は脱がせていただきますね」
「泣くが?!?!」
くそぅ、香水も体臭消しの魔法もばっちりかけたというのに。なまじエリアンの身体能力が優秀すぎるせいで嗅ぎ分けられてしまう……え、やっぱり我そんなに匂う?
「おそらく私以外にはばれないでしょうが。百年眠っていた影響で、体内の魔力によどみがあります。それが消えるまではくさいままですね」
「それ加齢臭って言わなくない?」
「失礼。爬虫類臭さです」
「泣くが?!?!」
大体それって時間がたてば消えるやつじゃん。やった、やはり最強の暗黒竜たる我に加齢臭などというものはなかったんだ!
「それで、無責任子作り魔がなにか?」
「言い方に悪意しか感じんが、まあこればっかりは我が悪いのでしょうがない。なに、ただ単に我の血筋を市井にばらまいたら、現魔王たちの手ごまにならんかなと思っただけだ。そうすれば争いの種になるだろ?」
「それで争いを加速させて、領土の統一、もしくはより強い魔王の誕生に発破をかけたいということですか。考え方が暗黒竜すぎるので金玉をつぶさせていただいてもよろしいでしょうか?」
「しれっと種なしにするな!」
別に我とて、魔族領を統一したいとは思っておらん。我だけが統治した結果が今なのだからな。
ただ、同盟を結ぶなど結束を見せる必要があるのは確かだ。そしてそのためには、火種がいる。
本来なら勇者の登場がそれにあたることを期待したのだが、同盟に関してはボノラタスと炎帝ファラヴァナが結んだだけという結末に終わってしまった。これでは経済や文化の発展などできるわけがない。にらみ合ったままで一番得をするのは、人族だというのに。
「だからまあ、我が魔王に復帰して全員の敵に回る作戦も考えたが……」
「…………」
「二人の可愛い妻を残して死ぬのも心苦しいのでやめにした。それに、そんなことをするくらいなら我が勇者を殺しに行った方が楽だしー」
「どうして貴方様はそう……滅私奉公が徹底しているのですか……せっかく魔王の任から解放され、自由を手に入れたというのに」
「そんなの決まってるだろう。我がお前らのことを愛してるからだぞ」
だからこれからの魔生は勇者などにおびえず幸せに暮らしてほしい。そのためなら、我は何でもする。
今はボノラタスとエリアンの決意に免じて様子見をしているだけだが、もしもに備えて策は練っておかねばならんだろうが。
「そのために、血筋をばらまくと……。結局、ご自身が相打ちする可能性を失くしてはくださらないのですね」
「我とてしたくはないが、どちらかが死なねばならぬのなら、それは我の仕事だ。それだけの話」
「……はあ。ボノラタス様が聞いたら、また泣きますよ」
「だからおまえだけに言っている。あいつの決意に水を差すのも悪いだろ」
「せめて第一子と第二子は私かボノラタス様でお願いします。私とてクーデン様を愛しているのですから、ぽっと出の女狐に取られるくらいなら逆レイプしてでも孕みますからね」
「真顔ですごいこと言うな……でも産休とか取ってる余裕……」
「たとえ妊娠してようが、仕事はできます」
この仕事中毒者め!
まあお前が妊娠するようなことがあれば、我が代わりに仕事をするのもやぶさかではない。さすがに城主たるボノラタスの仕事は無理だが、宰相なら補佐くらいはできるだろ。
「その優しさを、なぜお子にも向けてくださらないのですか」
「向けているつもりだぞ。我はでれでれ子煩悩パパになるぞ!」
養育費などはしっかり払うつもりだ。立派になってほしいからな。そのためには働かねばならんが、我なら問題ないだろう。
さすがに我とてやり捨てくそちんぽは卒業したいぞ!
「根底がずれてます。クーデン様はご自身のお子を勇者との戦いに備えた戦力としてしか見ていないようですが、私やボノラタス様は愛の結晶としてほしいのです。わかりますか、愛しの旦那様」
「つまり、血筋をばらまくなということか」
「滅私奉公もそこまでいくと害悪です。我らの気持ちを無下にされては泣きますよ?」
うっ、エリアンを泣かせるのは本意ではない。この男、我の扱いがだんだんうまくなってきとるな。
我とて自分の子はかわいいさ。だが、たった数名の命で魔族領が救えるのならためらいなくする。害悪と言われようが、我はお前らを救いたいのだから。
「その心意気は嬉しく思いますが……」
筋肉が肥大化して、ブチブチとエリアンの執事服が破れる音がする。あ、これマジギレしてるときのやつ。
毛皮を逆立てたせいでエリアンは一層大きく、かっこよく見える。これが人族の間だとおぞましいと評されるのだから、本当に見る目がないな。
ガチギレ状態になったエリアンは我の胸倉をつかみ、牙を肉薄させる。たとえ弱い魔族を怯え殺す威圧でも、我には効かんがな。それでも、空気を震わせるほど怒っていることは伝わったよ。
「俺らの子どもの前で同じこと言いやがったら、その口縫い付けてやるからなっ!」
「……すまん」
まあ怒るよね。気持ちはわかるさ。
エリアンはため息をついて、膨張した肉体のまま我の胸板をさすり、いじらしく振舞ってみせた。が、もう遅くない? あとその形態のままだと力が強すぎてちょっと痛いぞ。弱小魔族なら照れ隠しで引き裂かれてるレベル。
「大局を見るあまり、個人の感情をないがしろにされては困ります。おいおい学んでいってください。それで、子どもはいつ作りますか? 私としては今からでもいいです」
「急ぐではないか」
「実家にクーデン様の名前を伏せて結婚したと報告したら、孫は三人欲しいと言われました。なので、五人ほど作りたいと思っております」
「話の前後関係全く意味なくない? ってかそもそも多すぎんか?」
「まあ、これでも私は部族で最強ですから。いまだに力を重視する集団なので、多くを望まれているんですよね。それはそれとして、私個人として五人欲しいのですが」
「結局お前の願望じゃねえか!」
「甲斐性でしたらご心配なく。クーデン様の統治時代から、まともに散財したことはありません。かなり余っており、乳母の雇用などに問題はございません。必要であれば、王都に豪邸を構えることもできます。クーデン様が封印された際に私財を奪われたのは、私の責任でもあります。よって、心配はご無用です」
「……趣味仕事って怖くない?」
「その言葉そっくりそのままお返しします。また、家事財務その他は得意ですが、育児はしたことがないのでまずは一人を作りましょう。それから次は四つ子にしましょう」
「生き急ぎすぎだろうが! 人生設計ばっちりか?!」
「逆に聞きたいのですが、結婚したのに人生設計もされていないのですか?」
痛いところ突かれちゃって、我、閉口。
だが人生設計といったところで、ボノラタスらが勇者に対応できそうならそれでよし、駄目なら我が出る。くらいしか考えてなかったな。
「生きるか死ぬかの極振りを設計しないでください。私の子どもたちと楽しい余生を過ごせばいいではないですか……まあ、そんなことができるような方ではないこと、重々承知しておりますし、だからこそ愛しているのです」
「今日はえらく素直に愛をささやくではないか。夜伽を希望か?」
「可能であれば毎日でも。素直にならねば誤解されると、この前学んだばかりですので。あの笑顔は照れ隠しだと思ってください」
あのワーウルフ最強の覇気駄々洩れ冷笑フェイスが照れ隠しって言われても……。
今からお前を殺す、って言われた方がまだ納得できる顔だぞ。
「……そんな怖い顔してました? ひょっとして、私はファラヴァナ様のことを言えないのではないでしょうか」
ちょっとだけ耳が傾いだところを見るに、落ち込んだようだ。普段鉄面皮だから、わずかな差異がとても分かりやすい。気持ちの落ち着きから体形も元に戻り、魔法で服を整えたエリアンはいつもの凛々しい執事姿に戻っていく。
宰相なのに執事服なの、本当に面白いな。
というか我、仕事が欲しいんだが。暇すぎる。
「それでしたら、ボノラタス様から提案がありますよ。なんでも、魔法研究で力を貸してくれないかとのことです」
「業務内容によるが、まあいいだろう。我の管理していた魔術研究所が勇者に壊され、業界の停滞が見られるからな。ある程度知識を貸すのは問題ない。それは我の尻ぬぐいだ」
「ご心配なく、求められているのはただのアドバイザー。ポストを用意しようというわけではございません」
世話になっている分は働くが、部下になるつもりはない。それが我の線引きだ。
我の目的はあくまでボノラタスたちが勇者を倒せるかどうかを見極めること。その手助けはするが、主体になるくらいなら我が勇者を殺す。待つだけなのは性に合わないのだが、これも新しい時代のためだ。
「まあ、それはそれとして、働きたいのだがな。先立つものがなければ何もできん。どこかの誰かがずっと目を光らせているせいで、動けやしないぞ」
「お褒めに預かり光栄です」
「褒めてねぇ……」
この執事ときたら、我が何をするのかずっと監視してやがる。しかも城にはボノラタスの結界があるせいで、外に出ようものならすぐに飛んでくるしな。
軽い軟禁だぞ! DV反対!
「クーデン様を自由にさせていると、何をしでかすのかわかりませんからね」
「えー信頼なさすぎんか? 家族というものは互いに信頼することから始めるのではないのか?」
「胡散臭すぎて一ミリも信用できないのはご了承ください。どうせ少し目を離せば情報網やら地下組織やらろくでもないものを作って管理するのが目に見えてます。休暇だと思って、翼をもがれておいてください」
まったくもってその通りすぎて何も言い返せんよね。まずは情報網を敷いて世界を知り、適当にちょっかいかけようかなって思ってるから。
魅了も洗脳も暗示も、我にとってはたやすいこと。隠ぺいとかかく乱とか全然余裕だし。ひとたび市井に放てば管理できないことを、こいつらはよく知っている。
だからここでおとなしくしててほしいのだろうな。勇者は自分らがなんとかするという気概が見えてよいぞ! だが、超暇!
それでもボノラタスの推薦ということは、よっぽどのことがあるのだろうな。
あいつが我に金銭を与えるなどしたくはないはずなのに、だ。そしてエリアンもそれを了承している。
「きっとろくでもないことが外では起こっているんだろうなー」
「ちなみに、ですが。私はクーデン様に仕事を与えること、いまだに反対です」
「本気でニートしてろって言ってるよ……」
「しかし、ボノラタス様には考えがあります。それを見極めてみてからでも遅くはないでしょう」
「わかっている。それなら、働くのも悪くないな」
久しぶりの労働! なんてすばらしい響き。やっぱり働くって最高!
こうしてただ部屋に閉じこもり先人の知恵を貪ることにも飽きた。
我は今を生きたいのだ! 世界がどうなっているのかくらい、我にも知る権利がある!
魔法研究など久しぶりだな。魔王就任初期はやっていたが、後期にはすべて魔術研究所に任せっきりだった。高等教育機関の充足と共に水準が上がったのもあるが、特に魔族は長生きするものが多いため、知識の収集や技術の継承にはかなりのアドバンテージがあるから放置してても問題なかった。
現代知識の応用考えるのたっのしみ~!
うっきうきで尻尾を躍らせる我をエリアンはなんだかうれしそうに見ている。生暖かい目がくすぐったいぞ。
「失礼。やはり、クーデン様は働いている時とセックスしている時が一番活き活きしているなと思いまして」
「魔族の生において、大事なのは労働とセックスだと思っているからな。ワーウルフのお前に言うのもなんだが、力だけを重視することは争いの火種にしかならん」
「ご心配なく。それをわかったうえでお仕えしておりますから。ただ、実家の両親には言わない方がいいかもしれませんね。まあ、戦って死ぬならあれも本望でしょう」
「さらっと怖いこと言わないで……」
そういうところ本当に戦闘民族。でもただでさえ長生きなエリアンのご両親って、もはやそれ魔王なのでは?
「そういうことに興味がない方たちですよ。本当に力にしか興味がありません。だから、近辺も自治を貫いています。定期的にどこかの魔王が攻めてくるようですが、たいてい返り討ちにしているそうです。私もたまには里帰りして戦ってはどうかと聞かれますね」
「ふむ、戦力が欲しいのか。だとすれば、陥落は時間の問題か?」
「いえ、訓練にちょうどいいらしいです。クーデン様の統治時代にはワーウルフに戦いを仕掛けるという馬鹿は存在しなかったので、本当に活き活きしてますよ」
「……杞憂でしかなかったなあ。まあ一度行ったことがあるが、四六時中戦いを挑まれていたな……無尽蔵の体力に辟易してた記憶しかない……そりゃ次は四つ子でとか言うわ……」
「お褒めに預かり光栄です」
なにはともあれ、ボノラタスがくれる仕事というものを楽しみにするか!
魔法理論などの復習でもして待つことにしよう。確かこの図書館に基礎理論構築についての本があったな、まあそれの共同著者に我いるんだけど!
「では、面接の予定は追ってご連絡します」
「面接」
びっくりしたから聞きなおしてしまった。我が、面接?
いや確かに今の我は何でもないただの元魔王だ。精査される立場の男。それはそう。
あまりに魔族を使う立場が長すぎて、完全に失念していた。そういう文化あるわ。
「まあクーデン様なら特に問題もないかと思いますがね」
「……なあ、エリアン」
「どうしました?」
「…………面接って何をしたらいいんだ?」
****
というわけで、今我は面接に来ている。
いつもの図書館で面接官と二人。魔族を精査することはあっても、されたことなど遠い過去の話だ。資質を試されるなど、これはこれで面白いものだな。
エリアンと対策は万全。元魔王を肩書に威張っている身として、落ちたとかあれば恥ずかしすぎて泣いちゃうからな。
「えーっと」手元の書類を見ながらコボルドは言う。「あなたですね、ボノラタス様が魔法研究所に採用したいと推薦した方は。ボノラタス様の推薦ということもあって、採用はほぼ決まっています。これはただ配属先を決めるためなので、気楽に答えてください」
え、それ最初に言ってほしかったが?
魔法理論構築の本やら結構読み漁ったのだが?
「まずお名前をお聞きしても?」
だがそんな動揺をおくびにも出さない我。
コボルドは小さな犬のような見た目で、とても愛らしい。エリアンとの子どもができたら、こんな風になるのだろうな。
「クーデンだ」
「昔にいた魔王様と似たような名前ですね」
「本人だ」
「面接で冗談を言うなんて豪胆ですね。それで、今まで何か魔法職を経験したことは?」
「魔法職、と言えるのかはわからんが、百年前までは魔術研究所の予算審査を担当し、またアドバイザーとして研究に口出ししたこともある」
「……はあ?」
困惑の声が面接室を埋める。我別に嘘は言ってないぞ。
統治時代は研究の予算案の精査も仕事の一つであったし、我自身最強だったので魔法理論の解析は得意であったからな。
「勇者に破壊される前の文明の経験者ですか。百年以上生きるにはかなりの魔力が必要なはず……得意魔法は?」
「すべて。基本的に闇を操ることに長けているが、大抵の魔法は使える。回復や支援もある程度こなせるし、並行発動は五つまで可能だ」
「はあっ?! ただでさえ二つ同時発動できる人がまれなのに、五つって! ホラも大概にしてください!」
「と言われてもなあ……ほれ」
試しとばかりに簡単な呪文を同時展開してみせる。別にこの程度、さしたる難度でもない。勇者は我が放つ即死級の呪文五つを全部いなしてみせたしな。
……思い出したら腹が立ってきた。六つめも展開できるように鍛えておこうか。
「あわわわっ! え、本当ですか?! どうやってこんな芸当を?!」
「大したことはしておらん。暗算を五つ同時にしているようなものだ」
「それが大概なんですって。しかも魔法にぶれがないということは発動に使う魔力配分も完璧……魔力コントロール能力もずば抜けている……え、もしかしなくても、本当に前魔王様でいらっしゃいますか?」
「だからそう言って――――」
あ、我の存在は機密扱いだった。
「ごほん、単なる魔族違いだ。我はただ、ちょっと昔に最強だっただけの暗黒竜。クーデンドライヴァ=イェン=ラ=ロゴミリオンだ」
「いやどう見ても前魔王様じゃねえですか!!」
「ちなみに、こんな本も書いたぞ。共同著者だが」
「『魔法理論構築における基礎』! 魔族が使う魔法があるのもこの本のおかげ! 今では高等教育における大前提として魔族領全域に広まっているやつ! 前魔王様はそれを広めたことで、すべての魔族に魔法の恩恵を与えたことで有名ですね! ……ってやっぱり前魔王様じゃねえですか!!」
「お前ノリが良いな。採用!」
「面接してるのはこっちなんですが?!」
うーんばれてしまった。やはり我を魔法職にするにはちょっと無理があるだろ。最先端を学べるのは良いが、頭角を隠せる自信がない。我、強いので。
「まあそんなことだろうと思いましたよ」
入ってきたのは筋肉が膨らみすぎた肉団子のようなデーモントカゲ、ボノラタスだ。
ねじ曲がった角に大樹のような四肢、紫の外皮には赤い文様が施されており、いかつさを醸しているが性格は素直でかわいいトカゲだ。詰襟正装の胸部は左右が開いており、そこから爆乳が飛び出している。下向きデカ乳首にはピアスリングがはめられており、引っ張ればよい声で鳴くのだ。
この城の主にして、我の可愛い妻。そして魔族領を支配する魔王の一人、それがこのボノラタスだ。
「じゃあなんでここに推薦したんだよ」
「うまくいけば得られる恩恵が大きいですからね。魔法産業の発達は、日常から兵器まで幅広く使えますから」
小さな羽を動かしてにっこりと笑うボノラタス。体がでかすぎるわりに、表情は丸っこい。黙っていればいかつく恐ろしい見た目で威厳もあるというのに、ギャップがすごい。
「ボノラタス様!」
コボルドが勢いよく立ち上がって一礼し、城主を出迎える。我の方をちらちらと見るに、言いたいことがあるのは明白だった。だが、前魔王と現魔王が並ぶ現状に自分が口をはさんでいいものかといった逡巡が、揺れる瞳から漂ってくる。
それを察したボノラタスが、
「ああいいよいいよ――ちょっと眠ってて」
などと事も無げに言い放って指を鳴らすと、コボルドはまるで糸の切れた人形のように椅子に崩れ落ちた。いくら魔法研究所所属の有能魔法使いとはいえ、ボノラタスには勝てんか。
こいつは事あるごとに自分の力を見せつけて、我を安心させようとするのだ。その心意気は素直に嬉しい。あと、大型魔獣みたいで可愛い。
「うーん、やっぱりクーデン様を研究職においたら、すぐにばれちゃいますね」
「それなら戦闘職はどうだ。お前がつけてくれたオナホ……もとい魔法戦士も我ならトップをとれると言っていたぞ」
「絶対ばれること前提じゃないですか!」
「なら執事か下男だな。下々のものを知るためにも、悪くないと思うのだが」
「クーデン様の無駄遣いが過ぎる! それにクーデン様に掃除や料理の下ごしらえなんてさせたら、おれがエリアンさんに殺されます!」
まあ確かに。あいつ、我が下に就いたら居心地悪すぎてキレてそう。
「実を言うなら、おれ……クーデン様に失望させません! って啖呵切ったから、クーデン様のお力を借りずに、おれらだけでなんとかできることを証明したいんですよね」
その意志はまぶしく、絶望的な魔族領の中にあって特段きらめく一等星のようだ。妻がこれほどまでに眩いことを、我は嬉しく思う。
「ですが、優秀な人材を遊ばせておくほど、おれも余裕があるわけではありません」
悔しそうにトカゲの声がにじむ。本当は自分たちだけで何とかしたいだろうに、環境がそれを許してくれない。だからこそ、挑むような視線で我を見据えている。
面白い。そうでなくては、だ。
「それはそうだろう。我が封印されていた城の管理すらできないほどだ、経済の成長などを考えれば早急に手は打たねばならん」
「クーデン様は我らが勇者に太刀打ちできるのかをとても心配しています。裏返せば、たとえクーデン様の力を借りたとしても、勇者に勝てるという見込みさえあればいいわけです」
「ほうほう、それで?」
「勇者討伐を我らは必ず成し遂げます。ですから、今は便利屋として使ってもよろしいでしょうか?」
なんとも都合のいいことを言う。そう切り捨ててもいいが、使えるものは何でも使うという心意気は嫌いではない。そして、そんな感情などボノラタスにとっては掌の上だろう。
それに我、かわいい妻の頼みには弱いのでな。
「いいぞ。我、何でもできるから」
大言壮語みたいだが、でも実際そうだし。数百年魔王やってる経歴から、軍事政治魔法学戦闘能力財政人事などなどあらゆることがこなせる我だぞ。ないのは常識と良識だけ、ってやかましいわ!
「それに、お前らのヒモとして養ってもらった分は働かねばならんだろう。完全に助ける気はないが、受けた恩義に報いるくらいはするさ。これでも我は義理堅い元魔王なのでな」
それに、いい案でもある。ボノラタスの命がなければ動けないため我の存在を隠すことができ、必要な時には力を求めることができる。
あとなんかフィクサーみたいでかっこいいじゃん。表ボスはずっと張ってたから、裏ボスとかあこがれる響き。男ってこういうのに弱いよね。
「やったー! ありがとうございます!」
「だが、勇者討伐を成し遂げるということ、どうやって証明する?」
「近いうちに、領土を広げます」
「ほう、同盟相手を増やすあたりが現実的かと思っていたが、なかなか攻めるな」
「そうでなければ、クーデン様からの信頼を勝ち得るのは難しいと思ったからです」
「だが、無理は禁物だぞ。国政は失敗すれば立て直しが面倒だからな」
「わかってます」
わかっているのならこれ以上口をはさむのは野暮だな。我が封印されている間、百年魔王として国を治めてきたボノラタスだ。うまくいくことを祈ろう。
「それではさっそくなのですけど、毒沼拡大防止のために浄化魔法の改良と、ファラヴァナとの合同軍事演習をこっそり視察してほしいのと……あ、あと、予算案作成のために意見が欲しいです」
「待って待って待って、魔族使い荒くない? 確かに我は何でもできるが、体は一つしかないんだよ?」
…………ん? 毒沼の浄化?
我の数百年に及ぶ統治のおかげで、毒沼が広がる現象には終止符が付いたはずだ。居住区域の減少を招くそんなことを、我が許すはずないだろう。浄化魔法によって、一帯には安寧を与えていたはず。
たしかに魔族の中には毒沼に住む者もいて、我の統治時代にもたまに小競り合いが起こっていた。だが、それは毒沼が自然と広がらないようにしたため、我が平定できたはずだ。
となれば、だ。考えられることは一つしかない。
「誰かが勝手に広げているな?」
「その通りです。おれの国の隣にいる魔王、毒竜ポゼルダインが領土拡大をもくろんでじわじわ広げているんです。それがなかなかやっかいで……」
「あーあいつね。やりそー。っていうか絶対やるわ。それで今までの浄化魔法の効かない毒沼を作ったわけね」
それに、ファラヴァナと同盟を結んだはずのボノラタスに喧嘩を売るのもあいつらしい。絶対何も考えてないな。そもそも我の知っているままだとしたら、ファラヴァナやボノラタスに勝てやしないだろうに。
だが、浄化の効かない毒沼を広げているというのは看過できない問題だ。これではたとえ勇者を追い払えたとしても、魔族の住める土地が減ってしまう。
ボノラタスからの依頼がなかったとしても、我が立ち上がっていただろうな。ちょうどいいから賃金もせしめてしまおう。やはり先立つものは欲しい。
「はあ、それは急務だな。わかった全部こなそう。どうせ今の依頼はすべてボゼル関係なのだろ?」
「そうです。毒沼が国境に近づいてきていて、早急な対策が求められてます。ポゼルダインからは毒沼の進行を止めてほしければ軍門に下るよう要求が来ていますが……」
「ファラヴァナと同盟を組んだ以上無理な話だ。ここでファラヴァナを裏切れば、お前の評判は地に落ちる」
「なので困ってるんですよね。戦って蹴散らしてもいいんですけど、今はそんなことしてる場合じゃないし……」
毒沼とかいう完全に向こうのテリトリーを相手取るのは面倒だからな。勝てはするかもしれんが、その隙に他の魔王が狙ってくるだろう。
「そこでこれを逆手にとって、新しい浄化の技術を他国に高値で売り付けます。なのでクーデン様に当てる研究費としては、かなりの額を予定しています。ポゼルダインの脅威を考えれば、確実にもとが取れる計算ですから」
「責任おんもぉ……。さすがに学んだとはいえ、百年前の技術が主な我をそこまで重宝するとはな」
「さっきの面接で、魔法技術が全く衰えていないことを確認しましたから」
つまり、本当の面接官はボノラタスだったというわけだ。そこで我の見せる技術が基準に満ちていなければ、この話はそもそも来なかったと。その場合は普通に研究職に配属して、そこで学んだらもう一度確認って感じだったのかもな。
どちらに転んでも次のプランを用意している。そのしたたかさ、嫌いではないぞ。上に立つには必要な気概だ。
「ですので、先ほどのコボルドを部下に使ってください。極秘プロジェクトなのでオナホとして任命した魔法戦士と合わせて、二人しか配下を付けられないことはご容赦ください」
「しかも、あの面接は我があのコボルドと顔見せする意味もあったと。良いな。人にここまで使われるのは久しくなかったから新鮮だ」
「気分を害していないといいのですけど……おれがクーデン様を使うなんて恐れ多くって……」
「気にするな。今の城主はお前だ。魔王になってほしいという提案を我が断った以上、どんと構えていればいい。城主としての箔が付いてきて、いい感じだぞ!」
「おほめに預かり光栄です!」
牙が飛び出した口で満面の笑顔を咲かせるボノラタスは、実に嬉しそうに羽をぴこぴこと動かしている。爆乳と共に乳首のピアスリングも弾んでおり、体全体が小躍りしているようだ。
我を都合よく使うことに失敗したらどうしようと、気をもんでいたのだろう。だがボノラタスは頭を下げて頼むのではなく、自分の知略を見せつけて提案してきた。これがただの懇願だったら、のらりくらりとかわしてたがな。成長を見せられると、つい微笑んでしまう。
やはり百年という日は長いな。あのボノラタスがこんなに強くなっていたとは。
新兵の頃から知ってるせいで、完全に目線が祖父。
「新兵の頃からお世話になっているうえに、操をささげたのもクーデン様でしたので……」
などと言いながら恥ずかしそうに樽のような体をくねらせる。そのせいで我が封印された百年をアナニーだけで過ごす一途さもあるとくれば、ときめきは不可避。めきめきと勃起。いえい。
すでに我よりでかいため頭をなでてやることはできんが、手を握るぐらいはしてやれる。安堵が緊張を薄めたようで、竜の我よりもごつくデカい手が嬉しそうに指を絡めてきた。
と思ったらそのままグイっと引っ張られて抱きしめられてしまった。力だけならすでに我よりも強い剛腕に締め付けられて、背骨がやばい音を立てる。
が、まあ、この程度なら問題ない。言葉を探しあぐねてわななく唇に免じて、我慢するとしよう。
「だ、だから、おれ……」
次は何を言いたいのか。ボノラタスは結構ストレートに言うタイプだから、ここまで悩むなど珍しい。告白ですら滞りなかったのにな。
はたして、と身構えた我だが、振ってきたのは予想外の言葉だった。
「だからおれももっと頼ってください! エリアンさんの方が付き合いも長いし、有能
なのはわかりますけど、おれだってが、がが……頑張ってるんです!」
ぽかんと、暗黒竜の口が空いちゃった。
「おれの方が二人より全然年下だし、前政権時の勤務も近衛兵で内政には疎いけど……いっぱい学びました! エリアンさんに手伝ってもらって、ですけど……」
「別にお前をないがしろにしたつもりはないが……」
「それでも、クーデン様……エリアンさんと以心伝心じゃないですか、そりゃクーデン様が出奔しようとしてたこととか見抜いたのはエリアンさんですけど……おれだって……」
我の背中を指で優しくさするのはいじらしいことこの上ない。巨体でもじもじとしながら我を肉でもみほぐしていく。おかげでおっぱいの圧がやばい。
近衛兵時代の時は遠慮気味だったが、娶った今ではこうして素直に気持ちを伝えてくるようになった。恐れ多いとは口では言うが、目線を合わせようとしてくれているのだろう。
その気持ちはやはり嬉しいぞ。家族になるのだから、対等でいてほしい。そのうち敬語も取れるといいな。
「そこまで気を揉んでいたとは思わなかった。本当にないがしろにしていたつもりはなかったんだ。許せ」
「わかってますよぉ。クーデン様からしたら、おれなんてまだ頼りないでしょうし……」
これは祖父のような心持で見ていた我にも責任があるな。ボノラタスが求めるのはあくまで対等だったというのに。どうにも百年前の視点が抜けんな。まあ寝起きということで許してくれ。
お詫びとばかりに尻を揉んでやると、マンコをこすりつけてきた。どうせこのままボノラタスが帰るとは思えん。意志を確認するために顔を上げると、案の定キスが振ってくる。
「エッチでうやむやにしようとしてます?」
「ご機嫌取りは大事だろ?」
「わかってるじゃないですか。エリアンさんとばかりじゃなくて、おれともやってくださいよ」
それは単純にあの狼の仕事処理能力が頭おかしいだけで、普通に考えたら宰相が一日中エッチできるほど余裕があるわけないんだよな。
ボノラタスは城主ということもあり、ポゼルダイン問題のせいで最近忙しかっただろうしな。
図書館に作られた秘密のベッドルームにボノラタスを案内して、二人同時に倒れこむ。最初は無駄だと思ったこの部屋だが、めちゃくちゃ便利に使っている。
「……あの、クーデン様」
シーツに包まれた巨体が服を脱ぎながら目を伏せる。
「驚かないでほしいんですけど、おれは子どもを作るなら三人くらいほしいんですよ」
「…………」
「すいません! でもおれは一人っ子だったので、兄弟とかいいなと思ってて……ファラヴァナのところが三人兄弟じゃないですか。だから、あこがれてて……」
いや別に我が沈黙してたのは驚いたわけではなく、ただまあいいかーと思ってたからだぞ。
恥ずかしそうに切り出しているところ悪いが、エリアンなど五人と断言してるからな。しかも二人目のときには四つ子とか言ってた。なんだあいつ。
冷静に考えて、だ。
エリアンもボノラタスも魔族の中ではトップクラスに有能だし、そこに我の血が入れば絶対強いぞ。八人も子がいれば、誰か一人くらい我より強い奴が育ちそうじゃない?
……こういう思考がよくないのだろうとは気づいているが、そう簡単に変えられん。
滅私奉公に徹したつもりはないが、元魔王としてできることはしたいのだ。
我からの返信がないことに焦ったのか、グローブのように膨らんだ紫の手がつまんできた。すでに生まれたばかりの姿になっていて、筋肉だるまの全身が肉汁豊かなステーキのように艶を照り返している。
「駄目、でしたか……?」
「そんなことはない。お前が望めば何人でも作ろう。エリアンなど五人欲しいと言っていたしな」
「おぉ……さすがエリアンさん。そういえばワーウルフって子だくさんなイメージがありました」
「それと、第一子と第二子はお前らから作れとも言われた。元からそのつもりだから安心してくれ」
「当然です! おれら以外……例えばあの馬鹿猫なんかに先を越されることがあったら、クーデン様を監禁してでも孕みますからね!」
なんでここでファラヴァナが出るのかはわからんが、過激が過ぎるだろ。まあ我そういうプレイも嫌いではないので構わんがな。
ベッドに横たわるボノラタスはまるで小さな山のようだ。巨体の多い魔族の中でもひときわでかい体躯はすべて筋肉で出来ており、あらゆるものをなぎ倒すことが可能だ。
そも筋繊維一本の大きさがすでにそこらの魔族を凌駕しているのだ。そこに膨大な魔力を持つとなれば、敵う者はいないだろう。これで本人は魔法メインの後衛とか言ってるの本当に何?
大体全部エリアンとかいう肉弾戦最強のせい。比較対象が悪いよ、比較対象が。
近衛兵長の頃からそのきらいはあったが、肉弾戦の才も持つがそれ以上に魔法の才がある男だ。新兵時代から目をつけていたこともあって、我が丁寧に魔法の基礎を教え込んだかいがある。
「ん❤……また、優しい目をしてます❤嫌いじゃないですけど、そういう時って大体昔のこと思い出してますよね❤おれだって、もう大人なのに❤❤」
ばれた。
大人どころか魔族の中でもなかなかの年なのは知っている。魔族は魔力量に応じた寿命を持つ種族だから、ボノラタスくらいともなると相当長生きするだろう。
そういう意味では、まだ寿命の半分もいってないから優しい目になるのもしょうがないと許して。
「おれは大人で、魔王で、クーデン様の妻です❤だから、いつまでも子ども扱いはやめてくださいよ❤❤」
明らかに使い込まれたデカ乳首を揺らして、ボノラタスは我を誘って微笑む。山の上の、ひときわ高いところにある双子の頂は、乳輪ごと膨らんでしゃぶってほしそうにしている。
正装から解放された肉のはずむさまはいつ見ても眼福だ。ここまでたくましく肉々しい雄など、ボノラタス以外にはあり得ない。
ベージュの内皮は弾力も強く、興奮に熱を持ちはじめている。胸を下から持ち上げたら掌からこぼれていきそうになるほどに肉がしなだれかかり、とろけそうな熱が伝わってきた。
男の夢がここに詰まっている。エデンは谷間にあったんだ。
「あう❤おおぉ❤いやらしい手つき❤大好きですよ❤もっとおれで興奮して下さぃ❤❤赤ちゃんができたら、乳首ピアスは外したほうがいいかもしれませんね❤」
「自分の母乳で育てる気か? 確かに魔法なら何とかなるだろうが」
「クーデン様もお好きでしょ?❤❤おれの巨乳ならたくさん出せますよ❤どうせおれらの子どもなんてスケベに決まってるんですから❤乳首のしゃぶり方くらい、教えてあげないと❤❤」
それはそれであり。我、赤ちゃんプレイも好きだから。
「だったら授乳手こきでもやってみますか❤❤子どもができた時の予行練習にもなりますしね❤」
「やる!!!」
眼前で揺れるデカ乳首がものすごくおいしそうだったから、童貞にも笑われそうなくらい前のめりな返事が出た。男はおっぱいに弱い。魔族でも人族でもそう。世界の真理。
我に欲情されていると知ったボノラタスは赤ら顔で笑い、嬉しそうにピアスを外す。
すると、重りから解放された肉突起が弾み、熟れた赤がつややかに誘う。
ベージュから浮いている肉の色は赤子でなくともしゃぶりたくなるほどおいしそうだ。そんなものを差し出されたら逆らえるはずがない。
竜の長い口の先端から吸い付いて、力の限り吸い上げる。淫乱な乳首はどれほど強く吸っても大丈夫に決まっている。
「ヂュウウゥゥゥーー!!!!」
「あ゛❤❤お゛、おぉん❤❤ふへへぇ❤クーデン様かぁいい❤❤まさかこんなお姿を拝見できるとは思いもしませんでした❤」
「ちゅぅ❤幻滅したか?」
「まさか❤❤おれのおっぱいは今はまだクーデン様のものなので、好きにしていいんですよ❤クーデン様がいっぱい吸ってくれると、赤ちゃんが吸いやすい形になりますし❤❤」
このトカゲ、将来子どもを自分の母乳で育てる気満々だ。
我の唾液でぬらぬらと光る乳首は先端に雫を浮かばせており、母乳が滴るさまを想像させる。いつかはここから本当の母乳が出ると思えば、喉の渇きが我を急かしてやまない。
正直見ているだけでも健康にいいのだが、ボノラタスは我の頭を抱えておっぱいに押し込めてくる。弾力の強い肉に顔をうずめられ、股間の血流が急速に熱を持ち始めた。
「へへっ❤❤クーデン様のちんぽも準備万端ですね❤おれが脱がせてあげますよ❤❤」
そのくらい自分でやろうとしたのだが、制されてしまう。どうやらボノラタスが自分でやりたいようだ。すでに母性目覚めてない?
ボノラタスは手のでかい。巨体であるはずの我やエリアンより大きな掌は、しごくにも最適だ。これでようやく授乳手こきが始まる。ときめきが止まらんな。
だが、我の思惑とは裏腹に、トカゲのごつごつとした指はズボン越しに膨らみを優しくひっかくだけだった。
「うおおぉっ❤いじらしいことをする❤」
「クーデン様のデカちんぽびくびくしてる❤❤ふくらみがこんなにたくましいの、たまんないですぅ❤❤」
かりかりと布越しの刺激は弱く、もどかしさが股間に募っていく。おかげでズボンの中は汁まみれで、さぞかし匂いが凝縮されていることだろう。
シミも広がっているようで、湿った感覚がちんぽにくっついているのがわかる。指が一本ごとに幹の上を撫でまわし、時折根元の尿道をつぶしてくるのもたまらない。
「くっ、おおぉ……❤」
今度は亀頭の段差に爪を軽くひっかけてきた。弱い部分を太い指がこするとそれだけで快楽が発生する。怪力のボノラタスにはあり得ないほどのフェザータッチは、ちんぽに焦がれた証だ。
「痛くないですか❤クーデン様以外とはしたことないので……力加減がちょっとわからないんですよね❤❤」
「ああ、このままでも構わん❤スケベな手つきだ」
「クーデン様のちんぽは大好きですから❤もーっと気持ちよくなってくださいね❤❤おっぱいもしゃぶってくれないと、乳首が寂しがってますよ❤」
もどかしい快楽に加えて、授乳もされるとちんぽの熱が高ぶって仕方がない。
つい腰が浮いてしまい、不満が乳首に集約される。グミのような弾力がする突起を甘噛みしてやると、おっぱいが豊満に揺れた。
「あんっ❤❤クーデン様がおっぱいしゃぶるの上手だからっ❤乳首がすぐ硬くなってしまいましたね❤❤」
「ぢゅぅ」
返事をする代わりに乳輪ごと吸い付いてやると、力んだせいで胸筋が岩石みたいに硬くなった。そしてすぐにリラックス状態に戻れば、垂れようとする肉の洪水に顔面が殴られる。何この幸せパンチ。
「むっふうぅ!❤❤」
竜の鼻面におっぱい肉が乗って呼吸が苦しくなるが、この幸せから脱げ出したくないな。まあ我、強いので呼吸くらいならある程度止められる。
真綿で首を締めるような興奮が続いているせいで、我のちんぽが泣いておる。
だから自分でも気づくくらいには、雄の匂いがきつくなってきている。
そのおかげでトカゲは鼻の穴を膨らませて、顔をとろかせていた。魔王としてあるまじき表情だが、妻としては最高。舌がはみ出した陶酔顔がかわいくて思わずキスすれば、唾液が互いの間でぐちゅぐちゅと混ざる。
「くちゅう……んうぅ❤クーデン様の発情臭がおマンコに効きますねぇ❤❤とろとろのぬれぬれですよ❤……んおぉぉう❤❤❤」
よだれを垂らしながら目をひっくり返す淫乱トカゲ。興奮高ぶりすぎた結果、キスだけで軽くアクメを決めたようだ。
「ひううぅぅ❤❤❤クーデン様ぁ❤これが終わったら❤あとでたくさんおマンコしましょうね❤❤」
「その割には、ちんぽを解放してくれないようだが?」
「おれだってだてに淫魔の血を引いてないですし❤クーデン様を楽しませるくらいはできるんですぅ❤❤」
初代魔王、魔祖ラナタラスを祖先に持つボノラタスだ。初めて魔族領統一を果たした淫魔の血はこうして筋肉だるまに受け継がれている。
そのくせ我が封印されたときはアナニーだけで済ませるほど一途な性格なのだから、ギャップもいいところだ。
今だって我を満足させようと慣れないじらしをしているしな。百年ぶりの我をどれだけ堪能しても足りないだろうに。こういうところ本当にかわいいよね。
「ボノラタス。我はお前とこうして肌を合わせることができるだけで幸せなのだ。したいようにするがいい」
「はい❤❤それならお言葉に甘えちゃいますね❤」
そうしてボノラタスが甲斐甲斐しくズボンから一物を取り出すと、それはもう待ってましたと言わんばかりの勢いで飛び出してきた。先走りにまみれた肉槍を前に、ボノラタスは目を奪われて舌なめずり。柱のような太ももをこすり合わせてうずきを表現しても、それはただマン汁を塗り付けるだけだろう。
「んふぅ❤❤いつ見てもでっかいですよね❤おれのおマンコの奥、雄子宮を孕ませてくれるちんぽには❤ちゃんとご奉仕しないといけませんね❤❤」
掌に包まれると、ようやくもらえた直接的な快楽につい息が漏れる。じらされたせいで防御力が弱まっているんだ。しごかれたらすぐにでもいってしまいそうだな。
巨根という自負はあるが、さすがにボノラタスに握られると縮尺が狂う。それでも親指の輪から亀頭が生えるところを見るに、完全に負けてはいないようだ。
もういいだろうと、我は上半身だけをひねってボノラタスに抱き着き、授乳手こきを味わう体勢に移行する。せっかくこんなに抱き着きがいのある体があるのだ、全力を出さずしてなんとする!
「んおおぉ❤……へへ、クーデン様は本当におれの筋肉が好きですよね❤これからもたくさん鍛えておくので、存分に甘えてくださいね❤❤」
魔族領の筋肉だるまという言葉はこいつのためにあるに違いない。肉が発達して膨れ上がった体幹は、我の腕でも回りきらないのだ。でかすぎ。これで後衛なの、他の前衛がかわいそうになる。バグでしょ。
だがこの恵体には感謝しなければならん。巨体にふさわしいデカ乳首をまたちゅうちゅうとしゃぶり、胸を揉み上げて堪能する。肉に埋まっていくような感覚が心地よく、さらに興奮を誘う。おかげで股間の硬度は落ちることを知らず、濁った先走りを漏らし続けていた。
「ん~~❤❤❤」我の肉棒をシコシコしながらボノラタスが。「がっちがち❤❤雄々しくって最高❤授乳手こきを提案したのはおれですけど、ザーメンが注がれないのはちょっと寂しいですね❤❤」
「次は注いでやるとも」
「やった❤マンコも寂しがってるので、ぜひお願いしますね❤❤」
もはやローションなんて不要なくらいに濡れたちんぽは、濁った音を奏でながら泡を産み落としていく。だが、上下にしごいたかと思えばカリだけを握ったり、亀頭を掌で撫でまわしたりと、決して単調ではない攻めでちんぽを甘やかしてくれる。
「ふおぉ❤いいぞ❤たまらん……!」
「はぁはぁ❤ちんぽが熱すぎて……❤おマンコぬれぬれになっちゃいます❤孕みたくって、うずうずしてきました❤❤」
この体勢が母性を目覚めさせるのか、我をしごく手は優しい。この肉棒の味をマンコで知っているため快楽も想起されて、ボノラタスの体が熱を帯びて熟れてきている。
おっぱいに顔をうずめている我にも熱が伝播して、吸い付く口にも力が入るというものだ。
「ちゅうぅぅぅ~~❤」
「んおおぉおぉん❤乳首っ、っひいぃ、すごい❤そんなに吸っても、おっぱいでませんよぉ❤ふへ❤おれのおっぱいに、がっつくクーデン様❤ほんとぉに、あぁん、かわいいです❤❤❤」
別に我とておっぱいが吸いたいわけではない。出るなら越したことはないがな。
ただ、こんなにも実って育ったデカ乳首をちゃんと味わわねば失礼というもの。特にボノラタスは我のために鍛えたと公言してはばからないのだ。体の隅々まで愛撫する義務が、我にはある。
反対のおっぱいを乱暴に揉むと、驚くほど波打ってくれた。バルンと擬音が勝手に脳内再生され、ベージュの内皮がむちむちと揺れる。たまらんなぁ。
そこで指の隙間に乳首を通して、はさみながら揉む。こりこりとむちむち、ダブルにおいしい。尻も規格外にでかいが、胸も規格外だな。これで他の雄に取られてないの、ありえなくない? 魔族の目、節穴説出てきたな。
「感謝……」思わず声に出てしまった。
「どうしたんですか急にぃ❤クーデン様が望めば、いつだってしゃぶらせてあげますよ❤❤あ、でも子どもができたらそっちが優先ですけど❤❤」
「その時はマンコを使わせてもらうさ」
「それはいいですね❤エリアンさんが五つ子を希望してるなら、絶対足りなくなりそうですし❤パパちんぽで母乳作ってくださいね❤❤」
こいつ、エリアンの子も自分の母乳で育てるつもりだ!
確かに、あの戦闘民族ワーウルフのエリアンが自分で母乳を出して育てるヴィジョンなんてまったく浮かばんな。乳母を雇うとかも言ってたし。
この二人が想像以上に仲が良くて何よりだ。統治時代も近衛兵長と執事長として、我の身辺の担当だったことから接点はあったからな。
「じゃあそのパパちんぽから、まずは子種をしぼっちゃいますよ❤❤」
「もう終わりか。なかなか心地よいからもっと続けてもいいぞ。たまにはこうして奉仕されるのも悪くない」
「おれが限界なんです❤体はいつだって孕む準備ができてるのに、ちんぽお預けなんてされたらおマンコが持たないんですよぉ❤❤またいつもみたいに雄子宮を犯されたいって、きゅんきゅんしちゃってます❤」
実際ボノラタスの尻周辺から、シーツのシミが広がっている。乳首もいじられているしで、マン汁が止まらないのだろう。
次に進みたい、その気持ちが手を早くする。
もはや先走りまみれのちんぽはどれだけ強く握っても気持ちよさしかくれない。マンコの中とは違う武骨な感触が、強い刺激となって快楽神経を高ぶらせるのだ。
こうなればボノラタスもいかせてやりたい。そう思い片方を舌で愛撫し、もう片方をつねることで、ちぐはぐな刺激を与えることにした。
「んおおぉ❤おほっ❤腰が、勝手に動いちゃいますよぉ❤❤おマンコされたくて、もうだめぇ❤❤」
「かわいいぞ❤だが、そんなことで母乳育児ができるのか」
「んだってぇ❤クーデン様の硬くて熱い勃起ちんぽ握ってたら、頭の中ぁ、あん、セックスのことしか考えられなくなるのはぁ……当然じゃないですか❤❤おれが待ったぁ❤百年の欲求不満は、ぜぇんぜん満たされてないんですからねぇ❤❤」
「それは申し訳ない。それなら次はしっかりと種付けしてやろう」
「絶対❤絶対ですよぉ❤❤」
我以外のちんぽに奉仕したことないボノラタスだが、やはりそこは淫魔の血筋か、雄を悦ばせる手腕は確かだった。痛みのないぎりぎりまで強くしながら、ぐちゅぐちゅとしごいている。
さらに額にキスを落としながら、締まりのない赤ら顔で幸せそうに笑うのだ。
「えへへぇ❤クーデン様大好き❤世界で一番愛してます❤❤新兵の頃から、ずっとあなただけを見てきました❤❤」
はぁ~~~~我の妻本当にかわいいな。
ボノラタスは肌を重ねている最中よくこんな言葉をささやいてくれる。最近のエリアンの素直さはここからきているのかもしれん。よく3Pするようになったからな。
お返しに乳首にキスをしながら、反対の胸に手を沈ませる。ボノラタスのしごきも強くなり、我らの性欲が到達点に至ろうとしていた。
「はふぅ❤クーデン様❤クーデン様❤❤お、おれぇ、おっぱいだけでいかされちゃいますっ❤❤」
「ちゅぱぁ、ちゅっ❤ 構わん、我もそろそろだ……!」
血管を強く浮かばせる我のちんぽは限界を訴えて泣いている。ごつい手が必死にシコシコしてくれるおかげで、決壊はすぐ近くまで来ていた。
快楽に吐息が漏れ、それを取り戻すように乳房を吸う。ボノラタスの授乳が呼吸と同義になっていく。
もちろん指先は突起を全力でいじり、肥大化した弾力を堪能している。射精が近づくたびに視野が狭まって、あさましく乳首を求めてしまうのだ。
「あっ❤んっ❤へへぇ❤きもちいぃですよクーデン様❤おれが気持ちよくする体勢なのにっ❤あうぅ❤いかされそうになっちゃってます❤❤」
「我は強い雄の乱れるさまが大好物だからな。ちゅっ。そのまま喘いでくれていいぞ」
「えへへ❤それじゃあ、乳首だけでいかされちゃう淫魔のおれで❤たくさん興奮してくださいねぇ❤❤」
淫蕩にゆだる顔に覇気はなく、先ほど我に対して決意表明してみせた雄姿など影も形もない。ベッドの中でのボノラタスは魔王としてではなく、我の妻としてここにいる。
だからこそこうして部下に見せられない姿を互いにさらしあい、快楽を貪っている。普段からこのデカ乳首をさらして歩いているボノラタスだが、初々しくあえぐのは我の前だけ。それがまたあがる。
だから、授乳手こきという姿勢でありながら、ボノラタスをいかせたくなってしまうのだ。限界が近いのは向こうも同じ、あと一押しを同じタイミングで。
「クーデン様❤いって❤くださいぃ❤❤おれ、もう駄目で、すぅ……❤❤❤」
「我もだ」
「じゃあ❤一緒にいきましょ❤後は乳首を甘噛みされるだけで、びゅーっとしちゃいますよ❤❤」
それならと、軽く歯を立てて肉に食い込ませると、宣言通りボノラタスの膨らんだ体は胸を突き出して射精へと入った。
「ひぃああぁ❤おっぱい、やばぁ……❤あ、あ、ああぁ❤❤❤」
そこに合わせて我も腰を動かして、大きなトカゲの手を最大限に堪能する。亀頭が手の筒を抜けて、天高くを貫くとき、我もまた絶頂へとたどり着いた。
「出すぞ、ボノラタス!」
「はい❤はいぃ❤クーデン様のザーメン❤おれにたっぷりとくださいいぃ❤❤❤❤」
そして、我らは同時に白濁を打ち上げる。
セックスというには前座でしかない行為だったのにもかかわらず、我の興奮は恥知らずにも天井に肉薄した。ボノラタスが我にぶっかける精液も大量で、その濃さと熱さはさらなる興奮の呼び水になる。
「ひあああぁあぁぁぁ~~❤❤❤クーデン様のザーメン❤たっくさん❤おれで興奮してくれて、んんんっ、ありがとうございますううぅ❤❤❤」
「まさかこんなに出るとは……我も驚きだ……❤」
どちらかと言えば自慰よりセックス派のため、ほとんどオナニーなどしてこなかった我だが、手こきだけでもこの量を出せるものなのだと感心している。
それはボノラタスのおかげだ。この豊満な肉が、我を高ぶらせた。
ちゅぽ、と口を離せば唾液でふやけた乳首との間で糸をひく。乳輪付近が赤くなっていることから、結構強めに吸ったことがわかる。それと歯形もちょっとあるが、ボノラタスはこれでもいったのだから感度がいいのだろう。
「それじゃあクーデン様のザーメンがもったいないので、御身の前で無様な犬食い失礼しますね❤❤」
我の口が離れたことを見届けた後、巨体のトカゲは樽のような体で這いつくばって飛び散ったザーメンを舐め始めた。いくら淫魔の血筋とはいえ、恥ずかしくはないのか?
「ぺちゃぺちゃぺちゃ❤❤何言ってるんですか❤クーデン様のザーメンを逃す方が恥ずかしいです❤この濃さ❤雄臭さ❤魔力❤どれをとっても最高級品です❤じゅぞぞぞぞぞぉ❤んおおぉ❤❤やっぱこのザーメンやばすぎぃぃいいぃ❤❤❤」
淫魔にとって我のザーメンって麻薬なのでは?
とは思うのだが、ボノラタスが幸せそうなのでいいだろう。
それに、シーツに噛みついてすすっている間、でかすぎて大砲の玉かと見間違うような尻が我の前でふりふり踊っているのだ。先ほどから軽いアクメを決めているからか、マンコからは愛液の川が何本もできており、屈強な太ももに流れ落ちていた。
たまに尻が開けばねちゃぁと愛液が何本もの橋を架けており、その中心に位置する肛門は開閉しながら熱烈な赤で我を誘う。
いったばかりだというのに萎えることを知らない我のちんぽは、また血管を膨らませてセックスを求め始めた。この流れ、一日がつぶれるやつね。
「ん~~❤❤❤おっすくせえぇ~❤❤腰へこ止まんねっ❤クーデン様に雌アピールしろってマンコがやかましいんですよぉ❤❤」
今度は我のちんぽの根元に舌を這わせ、ザーメンをすすりながら振り返る。鼻面にゼリー状の白濁を乗せながら、潤んだ目で催促する我が妻。かわいいな。
さて、そうなれば終わるわけにもいかんだろう。それに大体セックスするときは一日をつぶすものだと相場が決まっている。高位魔族の体力を舐めないでほしい。
「んふふふふぅ❤❤❤」でか尻トカゲが尻尾を振って。「クーデン様ぁ❤次はおマンコしてくれるって言いましたよね❤❤」
「もちろん、我とてこのまま終わるつもりなどない」
「あ~❤でも、この前の雄臭いクーデン様がとてもよかったので❤これからシャワー禁止にしません?❤」
「絶対やだ!」
我はこれでも清潔さと高貴さで売ってるの!
雄臭い歴代最強魔王って嫌すぎるでしょ!
もはや空気もいれたのかと疑いたくなるほど膨らんだ尻を左右に広げると、中心で咲くマンコがプシュッと潮を噴く。もはや雄を誘うことに特化した淫魔が、ちんぽを貪りたいと言っていた。
「統治時代だって、本当はオナニーのためにクーデン様がはきつぶした下着とか欲しかったのに、そういうのぜんっぜんないんですもん❤❤いっつもエリアンさんがちゃんと処理してるし❤❤おかげでこの百年は想像だけのアナニーだったんですよぉ❤❤」
「ありがとうエリアン……ありがとう……」
「だから、今度はおれのために雄汁しみこんだパンツとか欲しいです❤❤」
「……考えておこう」
考えた結果、否決。解散。
これ以上この話を続けさせてはいけない。
我はボノラタスの尻をつかむと、綺麗にしてもらったばかりのちんぽを当てがった。すでに出来上がっているマンコは、亀頭にむしゃぶりついて奥へと誘導している。
だがその本体は急に当てられた熱に対して、軽いアクメを決めたようで間の抜けた声を出しながら尻尾を痙攣させていた。
「お゛っほおおぉおぉ~~~~……❤❤まじでおマンコが弱くなってますね❤興奮しすぎちゃった❤❤❤」
このまま腰を進めれば、またかわいくもえげつない声が響く。想像にたやすいことだ。
それくらい今のボノラタスは熟れている。ちんぽに奉仕なんて慣れないことをするから、孕みたがる体を制御しきれていない。早く突っ込んであげたいところだが、せっかくなのだ、観客にも楽しんでもらおうか。
後背位では広い背中がよく見える。そして、目を覚ましてこっそりこちらを見ながらおなっているコボルドも。
「ん~~❤そんなに見たいんですか❤しょうがないですねぇ❤今のおれは気分がいいので、全部見せちゃいますよ❤❤もちろん、そのあとはちゃんと働いてもらいますけどね❤❤」
片足を上げたがっているようなので、我がそれを持つ。そこで見ているコボルドの倍以上太い脚を支えれば、すでに潮を噴いているちんぽが丸見えになった。雌の快楽に期待している肉棒は、魔王という肩書には似合わない。だが、コボルドにとってはそうじゃないようだ。
でかすぎる体を持つボノラタスが見せるあられもない姿に、コボルドは鼻血を出しながら目を血走らせている。まあ、こんなにエッチな雄なんて早々見れるものじゃないからな。
堪能するがいい、我の妻ぞ?
「だが、配下に見られてもいいのか?」
「別にいいですよ❤エッチするのはクーデン様かその妻だけって決めてますけど、見せる分には減らないですしぃ❤❤」
そういうところ淫魔だなあ。絶対アヘ顔決めて射精するのわかってるだろうに。
エリアンなら目つぶししてるか、もしくは殺してる。間違いない。
「それじゃあクーデン様❤❤」
見られていると分かったとたん、笑顔の艶が増した気がする。
ものすごく楽しんでるじゃん。まあそうでなければあんな乳首丸出しの正装なんて着ないか。一途だがスケベな男だ。
ボノラタスはしきりに唇を舐めながら、我を待っている。すでに恥ずかしがるような状況でもないし、それに我も魔王やってた時は結構やったからな、露出プレイ。
あ、ボノラタスともやったわ。近衛兵の配下相手にものすごく見せつけてた記憶がある。我らどっちも露出好きなの、数百年前からだわ。
ならもう遠慮はいらないな。小さな観客の前で、大きなボノラタスをめちゃくちゃ犯すとしよう。
「おれらのいちゃいちゃをたっくさん見せつけてやりましょうね❤❤」
応えるためにも、一息でちんぽを突っ込む我だった。
****
目覚めてからボノラタスとは何度もやった。それなのにどうして毎回一日以上をつぶしてしまうのか。我、謎。
まあ、今回はたった一日くらいだし、仕事もそこまで溜まってなさそうだし、いいよね!
ボノラタスも学習したのか、ある程度仕事が落ち着いてから来てくれるようになった。おかげで数日来れないとかもあるので、もっと気楽に来てくれていいとは言っておいた。
やっぱり団らんってエロだけじゃないから。結局やりそうだけど。
さて、それでは先立つもののために、働くとしようか。
ボノラタスに魔法研究所の一角を与えられたため、そこにとあるものを持ってくるように頼んである。
「……のはいいんだが、なんでお前が来たんだ? 自分の国は良いのか?」
「はあ?! く、クーデンはおれに、あい……会いたくねえってのかよ!」
「そんなこと一言も言ってないが。ボノラタスの同盟相手とはいえ、一応このプロジェクトは極秘のはずだろう」
我の研究室でふんぞり返る筋骨隆々の赤い虎。魔王の一人、ファラヴァナ=サスファインがなぜかここにいる。
分厚い軍服の生地を筋肉で押し上げる屈強な虎が、なぜかムッとしながら尻尾をくねらせているが、なんでふてくされてるんだよ。
「別にふてくされてねえし!」毛を逆立てて虎は吠える。「おれがここにいるのは、今回の作戦はおれと合同だからだよ。ボノラタスの研究費用の一部をおれが負担することで、利益を得るってことだ」
「ボノラタスのことだから、一部ではなく大部分を要求してそうだな」
「その通りだよ! あいつ、『こっちにはクーデン様がいるので成功間違いなしですよ。なので投資だと思って乗ったほうがぜーったいお得でしょ?』なんて言いやがる!」
あーあ、そういうことか。あいつ、我への信頼を担保にしてファラヴァナから金をむしり取ったな。元配下だったファラヴァナなら、我がやり遂げると確信するだろう。
そしてうまくいけば同盟にいる二人ともが利益を得て、他の国と差をつけることができる。さらに自分と同盟を結べば利益が出る、そう宣伝するために事例を作ろうとしてるな。
我ならそうするから、ボノラタスもするだろう。それから他の同盟相手を見つけ、魔族領の結束を強めていくことで勇者への対策をする。ふむ、悪くない。
おそらく、領土を広めるというのも、ここが起点になるのだろう。やはり何であれ、先立つものは必要だからね。
「だからおれは本当にクーデンができるのかどうか視察しに来たわけ! どうせポゼルダイン戦を視野に入れた合同の軍事演習もあるしな、ついでだよ、つ、い、で! 別にお前に会いたくて来たわけじゃねえからな!!」
政治という点で見れば、ボノラタスの方が強い。なにせエリアンもついているからな。ファラヴァナは家柄もいいから教育も行き届いているため悪くはないが、本人の直情的な性格の向き不向きがでかい。
そう考えるとボノラタスとの同盟は互いにとって悪くないはずだ。というか、だからボノラタスの相手に選ばれた説もある。
我の知らない間にいろんなことが回っている。はあ、早く金を手に入れて、情報網くらいは整備しないと置いてかれるな。今の我、まじでただの隠居じゃん。
そのためにも仕事はしっかりせねば。
「なるほど、監視というわけか。だが見ての通り、最先端の設備を入れてもらっている……まあ、使い方を学ぶところからだが、我ならすぐに使えるだろう」
「当たり前だろうが! てめえはクーデンドライヴァだぞ! いくらロートルで百年眠ってたとしても、余裕に決まってんだろ!」
「褒めてるのかけなしてるのかどっちだよ」
ファラヴァナは元魔王城が誇るエリート部隊の隊長だ。魔族の中でも最高峰の魔力と、それを扱える技量、さらには強い肉体という盛りすぎなくらいの才能を持っている。
ボノラタスやエリアンが身近にいるから価値観バグってるけど、魔族全体で見れば上澄みの上澄みなのだ。そうでなければ、統一された魔族領で隊長なんてできない。全魔族のトップということだからな。
だが、性格はなあ。子どもらしさが抜けていないんだよなあ。
面倒見がいいし悪い奴ではないが、浅慮なところが目立つ。魔王として立っているから、いい側近がいるのだろう。人柄はいいので、国が整えばいい王になるはずだ。
そんな虎は設備を見渡してから、大きく鼻息を漏らす。腕組しながらこちらをにらむところから察するに、基準点は超えていたようだ。駄目だったら毛が逆立ってる。
「まあ、確かに設備は悪くねえな。でも浄化魔法の構築について、当てはあるのかよ」
「そこに参考論文のいくつかを取り寄せてある。それに、勇者につぶされた魔術研究所の研究内容も我の頭にあるのだ。組み合わせれば何とかなるだろう」
「全部覚えてるのかよ……まあお前ならそれくらいできるか。じゃあそれ今度文章に起こしとけよ! 旧魔術研究所の遺産は今ではすんげえ貴重なんだからな!」
「……待て、その言い草だと残ってないのか? 我は当時、できるだけ回収するように指示したはずだぞ。それを確認する前に封印されてしまったが、そんなに少なかったのか?」
「ほとんど燃えちまってたよ。それに、魔術研究所の所長だったやつが、今では魔王の一人になってる。おかげで残った技術や職員はそいつの手の中、体のいい独占だよ。だからボノラタスはお前に期待してんだ」
「はぁ、あいつかぁ……最悪。だから百年たってもあまり技術が進歩してなかったのか。魔族領はどうなることやら」
我が憂いを込めた言葉を漏らすと、なぜかファラヴァナの目が泳ぐ。軍服の袖をきつく握りながら、絞り出すような声を出した。
「……悪い。当時、勇者対策の一角を担っていた魔術研究所の防衛は、最重要ということでおれの部隊の仕事だったのに。あいつにいいようにやられちまって、おれが着いたころには全部瓦解してた」
「報告を読んだから知っとるよ。それに直に対峙した我が思うに、お前がいたところで被害が増えていただけだ。気にするな。我でも勝てなかったくらいだからな、お前が無事でよかった」
「それは結果論だろ! おれがいれば時間くらいは稼げて、研究資料の持ち出しくらいはできたはずだ! そうすれば、魔族領が百年停滞することもなかった!」
「お前といいエリアンといい、なぜそう自分の命を盾にしたがるのか。若者から死なれると、我悲しいぞ」
「だからっておまえが相打ちすることねえじゃん……おれだって、百年待ったんだぞ……」
寂しそうに震える肩と声が、弱々しく部屋に響く。本心から我の封印を悲しく思っているようだ。丸い耳が力を失くしている様子は、巨躯を小さく見せる。
ひょっとして、我って自分が思っているよりファラヴァナに嫌われてないのでは?
会えない時間が愛を育てるみたいな感じか?
「でも!」急に虎の眼光が強くなる。「おれだって百年なにもしてなかったわけじゃねえ! 兄貴たちをぶち抜いて『炎帝』の名を冠せるくらい、鍛え上げたんだ! 次こそ、勇者の野郎を燃やし尽くしてやる! だからクーデン! てめえみてぇなじじいの出番なんてねえから、おとなしく余生でも満喫してな! 余計なことしやがったらてめえも燃やしてやるぜ!」
訂正、やっぱ嫌われてるわ。
悲しんでるのもただの責任感だわ。
「残念だな。お前との子はきっと強いと思うのだが。まあ、強さだけで選んではエリアンたちにまた怒られるだろうし……」
「に゛、に゛ゃぁ?!?!?!?!?!」
「え、なにその可愛らしい驚きかた……」
目を丸くして飛び上がったファラヴァナは自分の尻尾をつまみながら、なぜだか上目遣いでこちらをうかがっている。怒ったかと思えば急に恥じらいだすの怖いな。情緒大丈夫か?
「ま、まあ、お前が頭を下げてどうしてもって、ぷぷぷぷ、ぷろ、プロポーズするなら、百年後ぐらいに返事してやってもいいけど?!」
間接的に一昨日きやがれって言ってない?
やはり脈なしか。わかってはいたことだがな。
さてそれじゃあ、これ以上嫌われる前に仕事したほうがいいな。失敗すればファラヴァナの国がえらい損失を出してしまう。それはさすがにボノラタスも報われん。
「兄貴とかうざいだけだし子どもは一人で十分だぞ! 新婚旅行は火竜窟のマグマ温泉がいいぞ! あそこはサスファイン家の管理下で、火竜に乗って空を飛ぶことだってできるんだ! それで、お、おれのお気に入りの場所とか教えるから……夕日がきれいで、だから、その……おれ……初夜は、そこがいい……です……」
「そういえば、資料として請求したあれ、持ってきたのはファラヴァナか?」
「ふえ、結婚指輪か?」
「なんでそうなるんだよ。我が言ってるのは毒沼のことだ」
それに顔が真っ赤だぞお前。お前ほど強い奴が病気とかないだろうが、大事を取って休んだ方がいいぞ。これからボノラタスと合同演習だろ。
「あ、ああ、あれな! ままま、紛らわしいんだよ! 馬鹿! ばーか! ちょっと期待しちまったじゃねえか! おれの純情を返せ!」
「何の話だよ……」
ボノラタスは大きくなったなと思うのだが、こいつはいつまでたっても変わらんな。昔からこんな調子だ。それでも実力は確かだし、教育もいいから頭も悪くない。この情緒の安定しない性格だけが難点ではあるが、魔族の中には全く価値観の違うやつもいるし、そこまで問題ではないだろ。
ただなあ、我以外の評価はそんなことないんだよなあ。少し落ち着きがないだけで優秀って、みんな言っていた。実際軍をしっかりまとめられる程度には、ちゃんとしているわけだし。
……やっぱり我が嫌われてるだけな気がしてきた。悲しい。
「ほらよ! これがポゼルダインの作った新しい毒沼だ!」
虎が投げてよこしたビンには薄く発光した紫の液体がなみなみと入っていた。
「浄化魔法は効かず、浸食性が上がっている。めんどいからおれの炎で蒸発させてもみたんだが、毒霧になってえらい目にあった」
「なるほど、物理的な解決は難しいわけか。資料の通りだな。確認だが、毒性はどのくらいだ?」
「さすがにそれは変わってねえ。ポゼルダイン率いる一派は毒性の場所に好んで住む魔族が多い。だから毒性を上げれば適応できない奴が死ぬ。さすがのポゼルダインでもそんなことはしてないみたいだな」
「それならまだましか。この程度の毒性なら我やお前には効かないしな」
「ただ、毒性は変わりないが、特性は変わってる。感染性になったんだ、そいつ」
ファラヴァナ曰く、この毒で死ぬと体が溶け、死体が新たな毒沼になるそうだ。さらに、体液などから感染し、新たな毒沼を増やすらしい。耐性のない魔族を媒介に、遠くに広げる性質を持ったというわけか。くそすぎる。
浄化も効かないため摂取したものは徐々に衰弱するだけであり、やがては魔族領すべてを毒沼に変えるだろう。
我の治世では確実に禁止すべき兵器レベルの魔法だ。こんなものをばらまかれたら勇者対策どころではない。
「ポゼルダインめ……。早いところつぶさないと面倒だな」
「まあ浄化の魔法さえあればいいんだ。そうすりゃ全部丸く収まる。おれのお財布もな!」
「はいはい、新たな財源確保のためにも我に任せといてくれ」
「旧魔術研究所の所長らに先を越されると面倒だから、なるべく早くな!」
「わかっとる!」
なんて言いながらファラヴァナはまだ赤みの残る顔を引きずって出ていってしまった。毎回思うが、あいつの地雷がわからん。別に変なことは言ってないと思うんだがな。いつまでたっても反抗期なのかもしれん。我、父性あるし?
とまあ馬鹿なこと言ってないで、とっととやるか。とはいえ、こっちは我と研究員の二人。魔法戦士はいるが、特に使えないだろうな。
研究員のコボルドはもう少ししたら合流する予定だ。特別所属になったからといって、通常業務が無くなったわけではないらしい。あいつら、ここにはワーカーホリックしかいないと思ってないか? 過労死しそうなら帰らせるぞ。
まずはこの毒沼の特性をもう少し試してみよう。我には無毒だろうし、飲んでみてもいいかもしれん。
分析結果の書かれた資料を読み込みながら、手持ち無沙汰な片手でビンを持ち毒液をくるくるとまわす。わずかな魔力が感じられ、不快感が漂ってくる。指先をつけてみれば、少しの刺激感があった。
そのまま舐めとれば――まっっっっっず! うえっ。
毒が効いている様子はまるでないが、まずさに気分が悪くなってきた。この資料に味のことなんて書いてなかったぞ! 飲んだやつは誰もおらんのか! いるわけないか! 死ぬし!
「……あとはまあ、おおむね資料通りだな。浄化魔法をはじくようになっているのか、それとも既存の浄化魔法での対応範囲外なのか、調べるとしたらまずはそこからだが……そこは未知数と……なるほどな。仕組みの解析が先か」
それにしてもポゼルダインのやつ、いくら毒の帝王だからといってこんな兵器のような毒を開発するとは。さすがにもう少しわきまえたやつだと思っていたのだが、百年たてば変わるのかもしれんな。
「さて、魔術研究所の資料に何か使えそうなものはっと……」
我の脳内データベースに検索をかけて、類似の研究を思い出そうとする。いかに百年前のデータとはいえ、前文明の最先端だ、発達が停滞した現世でそこまで使えないということはないだろう。
必要なら記憶から文字に起こす魔法を使わないといけないから、あまり多くの資料がヒットしないでほしいな。めんどいし。
さて、我の記憶が正しければ、似たような事例があったはずなのだが……。
――――――あ。
一つ、引っかかった。それも最悪の可能性が。
「……はあ、そういうことか」
なるほど、これは我にしか解決できんな。ボノラタスが我にこの仕事を振ったことに感謝せねば。感謝!
すぐに連絡を取ろう。ボノラタスから個人的にもらった通信魔具を起動させると、すぐさま返事が返って来た。
『クーデン様、どうかなさいましたか?』
「演習準備中申し訳ない。至急耳に入れたほうがいいと思ってな」
そこで我は考察を説明して――――
****
かいつまんでいえば、この毒沼は旧魔術研究所の研究をもとにしている。
勇者対策の一環、人族の領土を荒らすために考案された魔法を、魔族用に手直ししたものだ。毒を強化し、感染させるためのものへと進化させる魔法。本来なら人族にしか効かないはずだった。
はあ、因果応報とはよく言ったものだ。まさか勇者への武器が魔族を襲うとはな。
もちろん我が統治している時代の魔法だ。対処方法もしっかりと作らせている。そうでなければ、管理などできんからな。
そして、その対処法は健在だ。毒沼を止められなければ、脅しとして使えんし他の魔王を結託させかねない。さすがのポゼルダインでもそんな無茶はせんだろう。
「面倒なことになりましたね」
図書館を香り高いお茶の匂いで満たしながら、エリアンがため息を吐く。洗礼された手つきは茶を淹れてから渡すまでの動作に一切のよどみを作らず、完璧な所作は美しさすらある。
エリアンが淹れてくれると、どんな茶葉でも最高級になる。そして、最高級を使った茶にその手腕が重なれば、もう他のものなど飲めん。香りや深みが違いすぎる。
やはり一仕事した後の茶は格別だな。酒はあまり飲まん、我は強すぎて酔えないから。
「ああ、そうだな」
「心なしか言葉が弾んでいるようですね。ボノラタス様に障害ができたことが、よほどうれしいご様子」
「別にボノラタスの困難が嬉しいわけではないぞ? さすがに風評被害が過ぎる。我はただ、現状に動きがあったことを楽しんでいるだけだ」
「まったく、似たようなものですよ。おかげでボノラタス様はとても忙しくなられ、毎日のようにクーデン様のことを恋しく思いながら仕事しておりますよ。たまには遊びに行ってあげてください」
「……我の存在って極秘なんじゃないの? 行っていいわけ?」
「ボノラタス様なら、クーデン様が来るのでしたら、目撃者全員の記憶を消すくらいするでしょう」
「さらっと言うなぁ……」
でもやるだろうな。我でもその光景はありありと浮かぶもん。
旧魔術研究所の研究をポゼルダインが使ったということは、そこの所長とポゼルダインが結託しているということを指す。どっちも魔王だしね。
まあ、毒沼が広がってから対応策を高値で売り付けることで、ポゼルダインを出し抜く算段だったのかは知らんが。例えそうであれ、ボノラタスが対応策を広め始めたせいで、その目論見もぱーだ。
つまりどちらにせよ、ポゼルダインとその所長の目論見に対して、ボノラタスが完勝した形になるわけ。我のおかげでな!
これからあの二人の関係性がどうなるのか、見物だな。早く情報網敷こ。
「……というわけで、我、情報網敷くから。よろしく」
あっさり解決できたおかげで、時給最高の給金がゲットできてほっくほくよ。ボノラタスもファラヴァナからむしり取った金があり、さらに対応策をちらつかせての外交ができるからほっくほくだろうな。
今が攻め時だと判断してるから、忙しいのだろう。時勢を見る目は良いな。
それはこの狼も同じはずなのだが、なんでこう優雅に茶を淹れてるんだ。
絶対寝てない。貫徹で仕事片付けてる。頼むから寝てくれ。
「あと数日は体が持つのでご心配なく。お気遣いありがとうございます」
まあワーウルフという肉体能力全振りみたいな種族の、その中での最強だ。貫徹程度問題ないのはわかる。わかるが……我、複雑。
そりゃボノラタスも後衛を自称するわ。
「それでは、こちらが諜報員の候補リストです。好きな方をお選びください」
「待って」
「全員私が育てた部下ですので、クーデン様のご期待に沿えないということはないかと思います」
「待って待って。あまりにも用意が良すぎるだろ」
「市井に出たとて、有能な魔族を捕まえるなんていくらクーデン様でも時間がかかるでしょう。もはやクーデン様の統治時代ではないのです。教育水準は低下しておりますし……ボノラタス様の領土はまだましな方ですが、有能な人材はすでにどこもチェック済みです」
「まあそれは予想内だ。だから我は……」
「ご自身が出られるつもりだったのでしょう? 人材を探しに行くという名目で、結局ご自身が諜報をする。我らの目を欺いて」
「だからなんでお前はそう……」
全部わかっちゃうわけ? 我びっくりなんだけど。
「ボノラタス様の結界を欺く手法、確立しておりますよね?」
「さあ、何のことだか」
「それで給金が入った瞬間町に出て、適当な雄を捕まえてお楽しみでしたよね? そこの雄数人に金を握らせて、諜報のまねごとをさせましたよね?」
「…………」
え、なんでばれるわけ? 怖すぎるんだけど。
ボノラタスの結界を欺く方法自体は結構前に作ってあった。だが、エリアンの目をかいくぐるのが面倒だし、そんなリスクを冒す必要もなかったからしなかっただけ。金が手に入った今ではリターンの方が勝つからやった。
そして、それも全部ばれていた、と。
「なに、我はただボノラタスが本当に良い統治をしているのか確認しただけだぞ」
「雄たちから噂を集め、疑わしい場所にはご自身で行く。そしてそこでも雄を囲っていく。そうやって情報網を広げるおつもりだったのかと存じます」
「気の長い話だがな。まあ我、寿命だけはあるから」
本当は勇者の動向など一刻も早く知りたいのだが、焦りは禁物だからな。
今はできることをやるしかない。でもなーんで全部ばれちゃったのかな。
「我に監視がついていたか……いや、だとしたら気づかぬ我ではない。いくらエリアンが鍛えたとはいえ、我の魔法をそう簡単に察知できるはずはないだろうし……」
「どうでしょうね。種明かしは待った方が良さそうです」
「うむむ……」
こういうときに百年の空白を痛感する。技術は一通り学んだが、それはあくまで大衆に流布されているものだ。ボノラタス個人の研鑽や、元所長の今などさっぱりわからん。
我の必殺技などそこらへんも古くなっているからなぁ。今のあいつらに効くのか不安が残る。
「戦闘に関してはクーデン様がまだまだ頂点かもしれません。ですが、魔法技術に関しては、我らは百年研鑽を積んでおります。隠し玉くらい、何個も持っておかねばなりませんから」
「良いな。それでこそ、だ」
ちゃんと努力しているのがわかって、我安堵。この調子だとすぐに並ばれそうだが、それもまた良し。年寄りの我よりも若い世代が駆け上がってきてくれるなら、それに越したことはないからな。
「それで話は戻りますが、そんな手間をかけるくらいなら私が用意した諜報員をお使いください。ずっと効率的かと思います」
「……お前、我から金をむしり取るつもりか?」
確かに効率は良いだろうが、タダというわけにはいかんだろうな。
「前も申しましたが、私はクーデン様に仕事を与えることに反対ですから」
「したたかすぎる……」
諜報員を渡すことでボノラタスからもらった金をむしり取り、それでいて動向も把握しようという魂胆。嫌いではないが、あまりにえぐくない?
我の妻たちがしたたかで可愛らしいよ。
「それはそれとして、今のうちに言っておきますが、もしクーデン様が勇者を討ちにいくときは、私も同行しますのであしからず」
「我が許すと思っているのか。お前には五つ子の面倒を見てもらわねばならんだろうが」
「ワーウルフは戦闘民族ゆえに、成人も早いため問題ないでしょう。まあ、確かに心残りではありますが、クーデン様が私たちのために命を使うのと同様に、私の命もクーデン様のために使うと決めていますから。これだけは譲れません」
こいつは未だに百年前勇者が来た時に、役に立たなかったことを悔やんでいる。自分がもっと強ければ、我が無様に封印されることなどなかったのだと。
我としては生きてくれているだけでいいのだが、本人はそう思っていない。その決意が光る目に貫かれてしまえば、何を言ったところで無駄だと分かってしまった。
「……ボノラタスが聞いたら泣くだろうな」
「未来はいつだって若者が作るべき、ですよ。実は私、魔族の中でもかなりの年寄りなのですから」
「そうだな。我が魔王になる前には生まれていたのだった」
だが、こいつがいれば勇者討伐の可能性が上がるのは事実だ。可愛い妻を残して先立つことなどしたくないと考えれば、素直に受け入れるべきだろう。
手を伸ばせば、屈強な狼は自分から腕の中に入ってくれる。硬く広い体を抱きしめながら尻を揉みほぐすと、尻尾がそっと重ねられた。この狼、やる気満々である。
「んっ❤……ふふっ、私とボノラタス様で絞りつくせば、少しはおとなしくなりますかね❤❤」
「どれだけやるつもりだ。だが、どちらにせよ、働き口は欲しいぞ。ボノラタスからの依頼待ちでは安定性に欠けるからな。いつまでもお前らのヒモをやっているわけにはいかんだろう」
「余計なことをされるくらいなら、このまま無一文でいてほしいのですが? 私もボノラタス様も、クーデン様を養うことは苦ではありませんよ」
駄目魔族製造職人かお前ら!
まあ魔王の一人であるボノラタスと宰相であるエリアンだ。地位を考えれば妾を囲うのと大差なく、我に労働が期待されないも当然ではある。
「だが我にも矜持というものがある。後、単純に暇」
「まったく、どの口で私に仕事中毒なんて言えるのですか。ご自身も大概ではないですか」
「そうでなければ数百年も魔王やっておらんよ。寝ても覚めても、我が考えるべきは民の安寧だった。それが癖になっているというわけだ」
「でしたらやはり、ご自身の安寧になれていただくためにも強制的にお休みをしてもらうのが一番かもしれません。明日休みを取って、クーデン様の執事として誠心誠意お仕えしましょうか」
「だからなんでお前は休みという概念がないんだ。自分のために時間を過ごしてくれ」
「家族のために時間を使うことに何の問題が?」
「ああ言えばこう言うっ!!」
「それに――――」
ゆっくりと執事服をゆるめながら、狼は舌なめずりをして笑う。いつもの凶悪なものではないが、獲物をいたぶらんとする残虐性が見えるよ。さてはこいつ、笑顔下手か。
分厚くたくましい胸板が堅苦しい執事服から解放され、豊満さを強調するかのように弾む。ボノラタスほどの巨乳ではないが、雄とは思えないほどでかい。リラックス状態ではみっちりと肉の詰まったむちむちなのだ。最高。
さらにその下にある腹筋は毛皮もあるのにはっきりわかるほど溝が深い。下手な刃物など通さないほど鉄壁を体現している筋肉だが、我が優しく触ると初々しく震えるのだ。最高。
谷間から色気を出して我を誘う姿はなんともいじらしいではないか。これが人族の間で恐れられてるって嘘だろと言いたくな――ごめん我でもあの絶対零度スマイルは怖いわ。
だけど今浮かべているのは何とも妖艶で攻撃的な笑顔。雄ならだれもが魅了されるようなとげ付きの黒バラ、このエリアンを例えるならまさにそれだ。
「そろそろ夫婦の営みもしっかりしたいではありませんか、あなた❤」
「…………」
はい可愛い。我の妻すごい可愛い。今この世界の可愛いがすべてエリアンに集まってない? 我、勃起したが?
暇とは言ったが、セックスはすべてに勝る。特に極上の雄からモーションをかけられたとなれば、断る理由がない。
黒い毛皮と執事服の間に手を入れて、しっかりついた筋肉を揉みほぐす。服が開けた瞬間から清潔なパフュームが立ち上り、我の性欲をくすぐってくる。娶ってからというもの、この狼の色気がとどまることを知らない。
これは五つ子どころじゃすまないかもしれないな。
なんて思いながら屈強な狼をベッドまで誘い、シーツの海に沈め落とす。筋肉の塊は薄く笑みをたたえたままだが、口角が少しだけこわばっている。まだ慣れんのだろうな。
だが、誘ってきたのは向こうだ。指摘するのも野暮というもの。
柔らかい毛皮に手を突っ込んで腹を撫でてやれば、黒い鼻がぴくりと動く。それから甘い息が漏れ出して、瞳がじっとりと潤んでいった。
「あっ❤」
「いつ触ってもよいな。たくましく、実に我の好みだ」
「光栄です。ボノラタス様ほどではありませんが、これでも鍛えておりますから」
ボノラタスみたいなムチムチとした肉風船とは違い、逆三角を極めた体は鋭利な印象を与える。ずっしりとした重みからは、筋肉がみっちり詰まっていることがわかる。
ワーウルフ最強はだてではない。あの戦闘民族の頂点だ。魔法を縛られた状態なら、我でも勝てるか怪しいからな。そんな強さが、この肉体には宿っている。
「もっと強く触っても大丈夫ですのに❤❤」
「くすぐったい方が好きだろ?」
「意地悪な人ですね❤」
殴ったところでびくともしない筋肉の鎧だが、刺激を感じないわけではない。こうしてフェザータッチで愛撫すると、もどかしそうに太い腰が動くのだ。
「ん……❤」
「かわいいぞ、エリアン」
「そう思うのでしたら、存分に可愛がってください❤私も……頑張りますので❤❤」
はいかわいい。こいつ、普段冷血毒舌魔なのに、ベッドの中でだけこんなしおらしいの反則でしょ。
丁寧に黒狼から服をはいでいき、理知的な雰囲気を奪い取る。こうなると屈強な肉体を持つ凛々しい狼だけが残り、改めてその体のでかさに驚いてしまう。
エリアンは着やせするタイプだから、全裸にならないとこの起伏はすべてわからない。四肢の一本をとっても丸太のようで、パンチ一発で城の壁程度なら難なく壊せる剛腕だ。
それが我の手にされるがまま快楽に震えるなんて、興奮するなというほうが無理だ。
「いつも可愛がっているつもりなのだがな」
「じゃあ足りないということでしょう❤市井で他の雄と遊んでいた節操なしちんぽトカゲなら、もっと可愛がれますよね?❤」
「さらっと罵倒しないで」
だがまあ、町に出て分かったことはエリアンやボノラタスがやはり最上級ということなんだがな。これほど鍛え上げた肉体を持つ雄など、そういない。一般魔族に我の魔力は強すぎて毒だから、射精するにも気を使わねばならんしな。
だから我、強い雄とするセックス大好き!
盛り上がったおっぱいに手を這わせ、そのふくらみを堪能する。楚々とした乳首は我が念入りに開発した結果、かなり敏感になっている。毛皮に埋もれた乳頭を探り当て、優しくひっかいてやると、黒い巨躯が跳ねた。
「あっ、ああっ❤❤」
「だいぶ感度も上がったな。この調子だと、毛皮から飛び出すほどでかくなるかもしれん」
「男性の方は本当におっぱいが好きなのですね❤ボノラタス様を見習って、もっと鍛えておけばよかったです❤❤」
「このままでも十分デカいぞ。ボノラタスとは違った良さがある」
このどっしりデカパイは雄らしさの塊であり、胸板という言葉がこれ以上当てはまるおっぱいはないだろう。それでいてリラックス状態ではむっちむちなのだから、崇めたくもなる。
清楚乳首をつねると、甘い息が漏れる。最終目標は乳首だけで射精なので、目下丁寧に育成中だ。おかげで黒い毛皮を少しめくれば、赤く熟れた乳首が見えるようになった。
「そうですか、んんっ❤あまりいじるとシャツから浮いてしまいますよ❤」
「その時は保護するしかないな。母乳が出るまで育てるつもりだから、そのつもりでいてくれ」
「かしこまり、まっ……うぅん❤した……❤❤張ったらちゃんと飲んでくださいね❤」
ただでさえでかいのに、母乳がたまったらどうなるのか。我、楽しみ。
しかし、ここまで話しても子どもに授乳という言葉が出ないあたり、本当にそういう概念がないのだろう。ボノラタスが、自分が育てると意気込む理由もわかる。
エリアンのちんぽはもう臨戦態勢で、体の大きさに見合ったでかぶつがそそり立っている。理知的な顔の股間にこんなとげ付き凶悪グロマラがあるの、誰が想像できるよ。雌なら放っておかない逸材。だが、我の妻なんだ許せ。
「相変わらずでかいな。玉も大きいし、さぞかしすぐ溜まるだろう」
「この程度、問題ありません❤最近はクーデン様が射精させてくださいますから❤❤」
このでか金玉でよく百年我慢できたな。ボノラタスはディルドでアナニーにふけっていたみたいだが、エリアンのしている姿が想像できん。
「そうですね……わ、私は……その……夢精で……全部済ませておりまして……」
「はぁ?!?!」
驚きすぎて顎が外れるかと思った。夢精って言葉、我には数百年縁がないから一瞬意味が分からなかった。
エリアンは毛皮越しでもわかるほど顔を真っ赤にして、そっぽを向いた。でかい体を縮こまらせ、耳を伏せながらこちらを横目で見る。可愛すぎてキレそうになった。
だが、エリアンくらいになれば雄だろうが雌だろうが食い放題なはずだ。ワーウルフ最強にしてこの国の宰相。地位も実力も申し分ないというのに。どうしてまた?
「そ、それは……」腕で顔を隠しながら。「……………………夢でなら、お会いできましたから」
「は?」
ごめんキレた。可愛すぎる。犯罪だろ。
そしてこんなかわいい雄を統治時代の後半放置してた暗黒竜がいるってまじ? そいつ死刑にした方が良いよ。土下座する勢い。
誰と、なんて聞く必要はない。我に決まっている。そうでなければこうして嫁いでくるわけがないからだ。
「エリアン」
覆いかぶさってその照れた顔を見つめながら、愛しい妻を呼ぶ。
我は馬鹿だ。雄を見る目がないとエリアンに罵倒されるのもしょうがないこと。
腕をどかして現れた顔は見たことないほど真っ赤で、普段はきりりとしていた眉も下がり、潤んだ目が我を捕らえていた。可愛いの暴力。
すぐさまその可憐な唇に食らいつき、口内を貪るために舌を突っ込む。マズルを傾けてより奥を目指しながら、唾液を混ぜあった。
「あふっ❤んっ❤あっ、クーデン、さまぁ❤❤」
「んんっ❤ちゅぅ❤んぐぅ❤」
広い肩幅を持つ屈強な狼から蕩けた声が漏れ、目頭からこぼれた涙が毛皮に染みこんでいく。この程度で酸欠になるはずがないので、ただ単に感情が高ぶっているだけだろう。
案の定、エリアンは我の顔を両手で包みながら、率先して舌を噛ませてくる。何度も喉を鳴らし、百年以上飲めなかった体液を喜んで嚥下した。
「んぐ、んぐ❤ああっ❤んんんっ……❤」
我もまた、キスをしている間、黒い肢体に手を這わせていた。
逆三角を極めて扇状に広がる広背筋から、引き締まってくびれを作るエロい腰。そして筋肉で出来た脚部をつなげるでかい尻。
まさに美しさとエロさを兼ね備えた黒狼だ。肉密度が圧倒的に高いせいで、どこを触っても弾力が強すぎる。その雄々しさを覆う漆黒の毛皮が、つややかなエロスを醸していた。
「エリアン」
キスを終えた我は、その口のほてりが冷める前に何度も黒狼に押し付けた。
頬から首筋、そして胸から腹筋へと、わざとらしくついばむ音を立てながら頑丈な肌に淡い刺激を垂らす。
「んっ❤んっ❤」
エリアンの一物はすでに汁を垂らしており、鼠径部が先走りでぐっちょりと濡れている。そこから汁を掬い取り肛門に塗りたくると、わずかに狼が息を飲むのがわかった。
「まだ慣れぬか?」
「申し訳ございません……毎度あまりに気持ちが良いもので……」
「ここはこんなに熟れているというのにな」
すでに我が食い荒らした肛門は性器としての自覚が出てきているようで、指を二本同時に突っ込んでも問題ない様子。圧倒的筋力から繰り出される締め付けは相変わらず強いが、それに加えて貪欲さが増している。
我の指をじゅぶじゅぶと咥えてはむ肛門は、マンコと評して差し支えないだろう。
「おおぉおぉっ❤❤すごいっ❤いつも、私のおおっおん❤いいところを、ごりごり、っどおおぉ❤❤❤」
「ここが好きなのだろう? 狼ちんぽも先走りを飛ばして喜んでいるぞ」
「んっおおぉおぉ❤❤❤そご❤だべでず❤❤子宮が、きゅんってぇえぇっへえぇ❤❤❤」
慣れてきたとはいえ、我の性技の前では赤子同然。前立腺をこりこりとしてやるだけで、とげ付きグロチンポからぴゅっぴゅっとおもらししている。
こうなれば先ほど見せた黒バラのごとき美麗さなどかけらもないが、その落差が我をより興奮させる。我、強い雄が喘ぎ狂うの大好きだから。
「夢の我はここまでしてくれなかったのか? 我がお前のようないい雄を蝶よ花よと愛でるわけがないだろうに」
「じで、まぜんでした❤❤私が、寝所によばれだ、どきもおおぉ❤❤なぜか、クーデン様はっ❤❤んおおぉ❤急に愛撫を、お゛おおぉ、やめられるのでえええぇ❤❤❤こんな、強いの゛❤わだじは、しりまぜんでじたっ❤❤❤」
「あ」
思い出した。我がエリアンを呼ばなくなった理由。
愛撫してる最中でもあの最強ワーウルフの覇気駄々洩れ冷笑フェイスを放ってくるので、金玉ヒュンってなったからだわ。あの当時は絶対嫌われてると思ってたもん。
だが、本当は我のことが大好きで、百年封印を守るくらい大好きで、出会ってすぐ結婚するくらい大好きで……いや、そんなの気づかんよ。毎回金玉の心配してた。
百年って改めて長いわ。あのエリアンがこんな丸くなるんだから。
確かに、最近エリアンが愛をささやくのも納得だ。素直にならないと、我、全く分からんかった。
謝罪の意味を込めて、また前立腺をトントン叩いてやろう。
「お゛っ?!?!❤❤❤❤❤」
「そうかそうか、それは悪かった。これからはその分たくさん愛してやろう。我に愛されればもう雄には戻れんが、いいな?」
「もちろん❤❤心得て、ございます❤それに、もともと……んぬぅ❤子どもをたくさんっ、産むつもりでしたから❤❤雄であることなど……どうでもよいのです❤❤」
「よくぞ言った」
それなら遠慮はいらんな。元から遠慮なんてしてなかったとかいうツッコミはなしで。
手マンしていた指を抜いて狼の口元に持っていけば、上目遣いで舐めてくれる。しゃぶるのではなく、舐める。赤い舌をのぞかせて、指の間までを丁寧に、愛液を唾液に置換してくれた。
この狼、男心というものがよく分かっている。
「どこかの唐変木黒トカゲとは違いますので❤」
「今いい雰囲気だったじゃん!」
「失礼、これでも内心はしゃいでいるので、つい乱暴な言葉遣いになってしまいましたワン」
「犬キャラを取ってつけるな!」
さて、馬鹿なことを言っている間に、エリアンは呼吸を整えたようだ。
それならと、膝立ちになってかわいい狼を股間に呼ぼう。我の股間はもうびしょびしょになっていきり立っており、雄の匂いを芬々と振りまいていた。
「くぅ~ん❤❤」
察したエリアンは巨体に見合わないほど可愛らしい声を上げて、うつぶせになって鼻面を根元に突っ込んだ。
「んお゛っ❤くせぇ……❤❤」
エリアンさん、お怒りバージョンの口調でそんなこと言わないで。我、悲しいから。
「魔力のよどみが❤鼻に突き刺さるっ❤❤おおおぉ❤まったく、こんなものを嗅がせるなんて❤悪いお人です❤❤」
とか言いながら根元のスリットから汁を舐めとる狼。ふさふさの尻尾が揺れているところを見るに、嫌がっているわけではないようだ。
「んふふ❤夢の中では匂いまで鮮明ではありませんでしたから❤それに、魔王だった頃のクーデン様はここまで臭くありませんでしたし❤」
「やめて、泣いちゃう……」
「早いところ魔力の循環を整えてくださいね❤そうしないと、生まれてくる子どもからも、パパ臭いなんて言われてしまいますよ❤❤」
「泣いた……」
「まあ……私は嫌いではありませんが❤❤ここにクーデン様がいるというのが、はっきりとわかりますから❤❤」
なんて嬉しいことを言ってのけて、幹に滴る先走りをぺろぺろ舐めてくれる。まるでアイスキャンディーを舐めるかのように、下から上へ、丁寧に。
最強の狼をシーツに這いつくばらせて奉仕させる興奮は、加虐的な色に満ちている。背筋をゾクゾクと駆け上がるほの暗い欲望を悟られまいと、尻尾を振ってごまかそう。
さすがに妻にそんなことはできん。我にだって良心はある。
「んっ❤❤れろ……❤はぁ……なんて雄臭い❤強い雄の匂いを嗅ぐと、どうも下腹部がうずいてしょうがありません❤」
「それはワーウルフの特性か?」
「おそらくは❤強い子を求める本能のようなものでしょう❤そう考えれば、私とクーデン様の利害は一致しているようですね❤……八人くらい産んでもいいですか?」
常時妊娠するつもりか?
さすがに母体の負担……いやこいつ我より肉体強度あるかもしれん奴だった。心配するだけ杞憂だわ。
「別に構わんが……大丈夫なのか、その、後継ぎが多いとお家騒動とかは?」
「さあ、そういうのは適合者が適当に継ぐでしょう❤強いものは兵へ、賢いものは政治へ❤なにせ、私とクーデン様の子なのですから、どちらにも適性があるはずです❤」
「なくてもかまわんがな。子というものは何であれ愛らしいのだから」
まあいたことないから想像だけど。きっとそう。
でもできれば勇者に対抗できるくらい強いと嬉しいな。我の憂いが減る。
エリアンはその答えに満足したのか、普段からは考えられないほど柔らかい笑みを浮かべる。まるで氷が解けた雪解けを思わせる温かさに、目をむいてしまった。
こいつ、こんな顔もできるのか。
「わかってもらえたようで何よりです❤❤」
そうして、エリアンはご褒美と言わんばかりに、我のデカマラを根元まで一気に咥えこんだ。
「……くぅ!❤」
「んぶぅ❤んっ❤んっ❤❤❤ジュポ……❤」
身体能力が高い我らにとって多少呼吸ができなくとも問題はない。しかも喉奥を突かれての生理的反応すら、エリアンは掌握している。
だから奥まで悠々とフェラできるし、えずくこともない。ただ生暖かい口腔内に包まれながら、舌先の愛撫を堪能することができた。
「んんっ❤ちゅうぅ❤ずぞぞぞぞぉ❤❤❤」
「あー凛々しいイケメン狼の顔から汚いフェラ音出るの最高❤」
「ん……心の声駄々洩れですよ。しょうがない方ですね❤」
「ばれてもいいと思って言っているからな。気持ちが良いぞ、エリアン」
「それはよかった❤ボノラタス様に比べればつたないでしょうが、精いっぱい頑張りますね❤❤」
我の太ももに両手を置いて、エリアンはフェラに戻る。顔を前後させれば、ぬぽぬぽと粘膜の奏でる音が響いていく。エリアンの口から出た巨根が満足そうに輝いており、ここに種付けしたいとちんぽが震えた。
「んぶぅ❤じゅぞ❤ぐうぅぅうぅ❤❤ずるるるるぅぅ❤❤」
「ああ……たまらん……❤良いぞ❤好きなだけしゃぶるがいい。どうせザーメンなど何発も出せるからな」
妻二人と数日盛れる性欲だ。射精一発程度、誤差でしかない。
それでもエリアンは早々に我のちんぽを口から引き抜くと、唾液と先走りにまみれた口でキスを登らせていった。
スリットからへそへ、おっぱいから口へ。先ほど我がしたことへの意趣返しだろう。同じようにキスを振らせて、狼は屈強な腕で抱き着いてから、我を押し倒した。
「ああ……クーデン様❤❤」
口周りの唾液を舐めとって、うっとりと笑うエリアン。我の胸板を嬉しそうに触りながら、尻尾を振っている。
さらには頬まですり寄せ、高く上がった尻をゆっくりと振る始末。上目遣いで媚びるさまがあまりに堂に入っていて言葉に詰まった。あのエリアンが、だぞ。
待って、そんな男を殺すポーズどこで覚えた?
「お前は少し見ない間にどんどんエロくなるな……」
「ふふっ❤私とて常にリードされっぱなしと言わけにはいきませんから❤ボノラタス様にご意見を乞うて、日々研究中です❤」
「夢精で済ませていたうぶさが懐かしいな」
「至らないままではいられませんから❤結婚式での不甲斐なさから、自分はそういうことが苦手なのだと認識しました……❤」
真面目で努力家なところがエロ方向にまでいかんなく発揮されているよ。それでこそエリアンだとは思うが、夢精うんぬんで恥ずかしがっていた面影も残っているので、エロさのクオリティが上がりまくっている。
おかげで我の股間が収まることを知らんよ。まじで八つ子を産むかもしれん。
「この体勢でやるのか?」
「はい、今日は私がクーデン様を悦ばせて見せようと思います❤❤いつまでも抱かれてばかりでは、飽きられてしまいますから❤」
こんなおいしい肉体に飽きるなんて絶対ないと思う。まさかとは思うが、統治時代の後半呼ばなかったことを気にしてる?
信頼がないせいで無理をさせるのは本意ではないな。我の無責任の後始末は、しっかりしなければ。
我は騎乗位でまたがるエリアンへ手を伸ばし、顎下をさする。黒狼は目を細めて、愛撫を受け入れていた。
「愛しているぞ、エリアン。妻たるお前に飽きるなど、どうしてあり得る。そんなに怯えることはない」
「口説き文句だけはお上手でいらっしゃる❤男心などみじんもわからぬくせして❤」
「急に殴らないで?」
「ですが、お気持ちだけはありがたく頂戴いたします❤まあ、それはそれとして、騎乗位はさせていただきますが❤」
どうやら自分がやりたいのもあるらしい。だとしたら、文句を言う筋合いもない。
上体を起こしたエリアンは、体の分厚さがより誇張されているように感じられる。胸と背中のくぼみから見えるたくましさが半端なく、その分重量がのしかかる。ボノラタスの筋肉がぎゅっと濃縮されているようないかつさは、見た通り重いのだ。
だが、我にとっては軽い軽い。駅弁もできるしな。
引き締まっているくせにでかい尻を揉みほぐすと、谷間にちんぽを収めてゆすってくれる。尻コキもばっちり覚えている執事ってエロすぎないか。
「んう……❤ハメたいとご所望ですか?❤」
「ああ、そろそろ出さないとお前を押し倒してしまいそうだ」
「くすっ、かしこまりました❤」
我が性欲に任せて乱暴を働いたことなど統治時代から一度もないと知っているくせに、しょうがないなと笑ってくれる。たぶん、そうされてもいいと思っているんだろう。
エリアンは腰を上げて、我のちんぽに穴をあてがい呼吸を整える。しかも我が見えやすいようにとがに股だ。おかげで筋肉の盛り上がる太ももからでかい尻まで丸見え。ちんぽがさらに硬くなったね。
「それでは……失礼します❤❤」
ほぐれた穴が我のちんぽを飲みこんでいく。指よりもでかいものが自分を広げていく感覚に、エリアンは何度も息を吐いて衝撃を逃そうと努めている。
すでにやり慣れた穴だというのに、こいつのマンコはいつだってきつきつなのだ。
「んはぁ❤く、クーデン様……❤❤」
亀頭だけを飲みこんで、狼が胸を逸らす。見ろ、ということだろう。
意を得て、体温から逃げるためにぶら下がる金玉袋をのれんのようにかき分けると、肛門の肉がちんぽをはむ光景が広がっていた。毛皮のないそこは真っ赤で柔らかく、愛液をだらだらとこぼしている。
「スケベすぎるだろう。我をそんなに興奮させて、悪い狼だな」
「でしたら、きちんとしつけをしない主の責任かと❤」
「言うではないか」
あおられては仕方がない、黒狼の腰に手を添えてその顔をうかがう。エリアンは余裕ぶった表情を浮かべているが、口角がわずかに緊張している。
それもそうだろうな。先ほどから慣れない所作をしすぎだ。こんな雄をたぶらかす淫魔のような態度は確実にボノラタスの教育だろうし、エリアンにはまだ早い。
だが、こんなにけなげな狼を前にして、止めるなど野暮同然。それに我も興奮するから別に問題ないしな。
だから、男心をくすぐられたお返しに、しっかりハメてやるとしよう。
腰をつかむ手に力を入れて引き寄せればエリアンは素直に追従し、我専用の子作りマンコの奥まで肉槍が貫いた。
「ん――――おおおおおぉぉぉおぉぉぉっ~~❤❤❤❤」
きつい締まりを突破して奥を突けば、ぎゅむっと柔肉が絡みつく。もはや性器と化したマンコはちんぽへの敬愛を忘れることはなく、無数の舌で奉仕してくれているようだ。
そんなマンコの持ち主は可愛らしい遠吠えを上げながら、顔を天井に向けている。とげ付きグロチンポからは透明な汁がびゅと噴きだして、雌の快楽に打ち震えているようだった。
「はぁ……」ようやく柔肉にありつけた我は満足そうにため息を吐いて。「相変わらずいい穴だ。貪欲に絡みついてくる」
「そ、れはなにより……ひぅ❤奥までぶち抜かれると、もう、もう……❤❤❤おマンコに子種が欲しいと、我慢できなくなってしまいます❤❤」
衝撃にあえぐ黒狼はわずかに焦点の合わない瞳に我を映し、もどかしそうに腰を揺らす。いまだ我がつかんだままである故、むさぼることができないのだ。
「慣れるのを待たなくていいのか?」
「必要だと思いますか?❤私の体が強いことなど、周知でしょうに❤❤」
「だが丁寧に扱われるのは嫌いではあるまい? このようにな」
張り出した胸にそびえる乳首を引っ張ってやると、一層マンコが締まる。ただでさえきついというのに、隙間なくみっちりと肉が詰まっていくのがたまらない。密封されているような気分になる。
「ひ、あああぁっ❤❤おっぱいは、今……だめ、ですうぅ……❤❤❤」
「何が駄目なのだ」
そう言いながらつねってひっかいて、快楽を注ぎ込んでやる。
「んおおっ❤❤め、メスイキスイッチが❤入ってしまいますっ❤このままでは……❤❤」
「なんだそんなことか。いいではないか、我は乱れるお前を見るのも好きだぞ❤」
「で、ですが、まだ入れたばかり、なので❤これでは、結婚式から、ひぅ、何も進歩していないではありませんか……❤❤」
とはいうものの、エリアンの中はうごめきを強くして早くいきたいと切羽詰まっているようだ。この貪欲さは子への欲求ではなく、ただ己の快楽のためだろう。そそり立つ肉塔からは先走りが止められておらず、自由になった腰が勝手に踊っていた。
エリアンが腰を上げるたびに粘液の柱が伸び、ちぎれてはぼたぼたと落ちていく。くぷっと粘液を生む音が聞こえるから、肛門が開閉して泡を生んでいるようだが、ぶら下がるデカ玉が邪魔でよく見えない。
どかしたいのだが我は乳首いじりに忙しく、エリアンは屈伸運動に忙しい。一息に全部飲みこむと、尻が当たって小気味のいい音が鳴った。
「ふおおぉ❤お゛❤お゛っおん❤❤深いっ……❤❤あだっでるっ❤クーデン様のちんぽが、おぐにいいぃ❤❤」
ぴゅっと飛びだした先走りがこぼれ、次に腰を上げた時には金玉袋にも柱が生まれていた。綺麗な毛皮は汚れるたびに筋肉の隆起をはっきりとさせ、汗が香水のベールを突き破って我の鼻まで届いてくる。
まどろんでいるかのような表情と相まって、我の精巣が煮え立ってしょうがなかった。
「違うだろうエリアン」
「んっごおぉおぉ❤❤な、なんでしょう……❤お゛っ❤❤おおぉおぉん❤」
尻を落とす前に乳首をつねり、待ったをかける。可愛い狼は亀頭だけを咥えこんだまま、ちんぽを振って問う。
「お前のメスイキスイッチはこんなところにない。お前ならどこかわかっているはずだ」
「…………はい❤❤」
意地の悪い問いだとは思うが、このまま腰を振られてはまたすぐにいってしまう。熱くてとろけるマンコを堪能するためにも、このお遊びでごまかすのが良いだろう。
狼は腰をゆっくりとまわし、いいところを探し出そうと努めた。前立腺がちんぽの裏にあるため、後ろ手を付いて腰を突き出す形になっているが、それはそれでエロいからあり。
我が何度も教え込んだ場所だ、わかっているに違いない。そして、恐る恐るそこにちんぽを押し当てると、鼻から上ずったような声が漏れた。
「ん、ううぅうぅん❤❤❤」
「見つけたか、エリアン」
「はい❤ここ、です❤ここが私のメスイキスイッチです❤❤」
体を逸らした胸とちんぽを突き出す体勢のエリアンに、ちょっとちんぽを押し込むだけで尻尾の先まで毛皮がとがる。もはや開発済みスイッチは、屈強な最強狼だろうと我慢できないほどの快楽を生み出すようになっていた。
「お゛っんおおぉおぉ❤❤ここっ❤すごい❤ほおぉおぉ❤❤」
「自分で当ててみるといい。練習になるぞ❤」
「かし、こまり゛っ、いいいぃいぃぃいいぃ❤❤❤んお、おっ❤んんん゛ん゛ん゛っ❤❤」
エリアンが素直にヘコ❤ヘコ❤と当ててくれて、歓喜に打ち震えた。狼の中で生まれる快楽は強すぎるだろうに、律儀に腰へこを続ける。浅い呼吸は本当に犬のようで、尻尾の代わりにちんちんを振る。
中がキュンキュンしているのが我でもわかる。亀頭をきゅっきゅっとついばむようにマンコがうごめいていて、幹がうらやましそうにうずいているのだ。
だが、我慢だ。こんなスケベかわいい狼を貪ってはい、おわり、ではやり捨てくそちんぽでしかないからな。
「そのまま押し付けてみるがいい。子種が欲しくならんか?」
「あ゛、ぐうぅうぅうぅぅぅう❤❤なりまずっ❤クーデン様のザーメンで、孕みたくて仕方がぁあ~❤ありませんっ❤❤❤……あ」
快楽によって茹った頭が一瞬だけ油断した。
体重を支えていた腕から力が抜け、重力に導かれるまま一気にちんぽが最奥まで突き刺さっていく――前立腺を捕らえたまま。
「しまっ――――❤❤❤」
距離にしては大したことないだろう。いや、我のちんぽの長さは大したことあるぞ。
それでもエリアンはずっと我のちんぽを受け入れているため、慣れていたはずだ。
しかしメスイキスイッチをえぐって奥まで、それも不意を突かれた状態で、だ。ただでさえ発情状態で、とろけていたマンコにはきつすぎる。
だからそんなものにエリアンが耐えられるはずがなかった。
「んごぉっ?!❤❤はいるうぅう❤❤お゛っ、ふぉおおぉおぉぉおおおぉっ❤❤❤あぉおおおおおおおおぉぉぉぉ~~~~ん❤❤❤❤❤❤」
城中に響き渡るような遠吠えとともに、狼ちんぽがザーメンを噴く。もうストッパーなど失くしてしまって、おもらしのように頭上高く打ちあがった。
漆黒の巨体は通電したかのように硬直し、毛皮を逆立てて衝撃を物語る。見開かれた黒目がまぶたの裏に隠れ、口の端から唾液がしたたり落ちても、咆哮は止まらない。
「ん゛っひぃい❤うお、わおおおぉおぉん❤❤❤❤出る❤どまり゛まぜんんん❤❤ドラゴンちんぽ硬いっ❤硬いのがごりっでええぇえぇ❤❤❤❤」
エリアンの射精は我の顔にまで届くほど強く、ねばねばとした雄臭い汁が角を彩っていく。その濃さたるや格別で、鼻が孕みそうになる。我がそう感じるなどめったになく、ワーウルフ最強とうたわれるほどの雄の強さを遺憾なく見せつけていた。
だが、その汁は雌の快楽で出したもの。当の本人はメスアクメの衝撃で発狂している。
「グルルルっ、がうっ……畜生っ❤また先にいっちまったあああぁ❤❤❤今度こそ、クーデン様を先にいかせようと思ったのにいいいぃぃ❤❤」
粗暴な面を出しながら何ともかわいいことを言う。完璧執事の弱点は、我をこの上なくたぎらせた。
だから、射精の余韻も覚めぬうちにエリアンを押し倒し、立場を逆転させる。足を抱えてプレスするような体勢、いわゆる種付けプレスだな。我もいきたいんだ。
絶頂を堪能した狼の顔は凛々しさなどかけらもないが、その可愛さに愛しさが沸き上がってくる。口角に滴る唾液を舐めとれば、ヒスヒスと小さく鼻が鳴った。
「も、申し訳ありません……結局クーデン様を満足させることができず……❤❤」
「よい。お前が乱れている様を見るだけでも、十分楽しめた。だが、ここから我をさらに満足されてくれるか?」
「もちろん、喜んで❤❤」
お返しにと我の顔に付いたザーメンを舌ですくい、エリアンは微笑んだ。いったばかりだが、ここでやめてはエリアンが悲しむ。それくらいはわかるようになってきた。
それに、エリアンもわかっているだろう。萎えることを忘れた我の一物が熱した鉄心のように赤々と燃えていることが。柔肉の興奮を裏付ける熱さとはまた違う、たぎった雄の性欲が醸す熱だ。そんなものをマンコで感じるエリアンが、やめることを望むわけがない。
「遠慮なくどうぞ❤私は頑丈ですから❤❤」
「それなら、お言葉に甘えよう」
引き抜けばグチョと汚らわしい音が鳴る。それでいて汗にまぎれた香水が鼻をくすぐるのだから、混乱してしまう。
我らの結びに清楚はいらん。どこまでも汚く、雄々しく、盛りたい。我、そういうの大好きだから。
「あっあっ❤」
追いすがるマンコ肉を無視してぎりぎりまで腰を上げ、エリアンに視線を移す。
舌を出して荒い呼吸を繰り返しているが、その目には確かな興奮と期待が光っている。高位魔族が一度の射精で収まるわけもなし。早く突き入れてほしいと、手を伸ばして抱き寄せながら狼は言うのだ。
「く、クーデン様❤おマンコが寂しいのです❤ですから、どうか……❤」
「愛らしいな。すぐにでもくれてやろう」
はい、我の妻の可愛さを再認識したとこで、一気にちんぽをぶち込んでいく。
先ほどのエリアン自身の重さで入れた時とは違う、雌を孕ませるための一撃。子宮に降りて来いと命令するかのような遠慮のない抽挿は、全く違う圧をマンコに響かせる。
案の定、エリアンはすぐさま顔をのけぞらせ、ネジのとんだ嬌声をわめきたてる。
ここが防音効いててよかったなと思う程度にはでかい声が、屈強な雄を雌にしているという所感を確かなものにしてくれた。我、満足。
「うううぅおおぉおぉ~~~~ん❤❤❤❤一気におぐは、さすがに……強いぃ❤❤」
「だが、これで終わりではないぞ❤」
「わかっでぇ、おりまずとも❤❤早く❤早く強い雄の子種をわらひにいいぃい❤❤❤」
杭打ちをするたびに結合部から汁が飛び散って、生まれた泡がつぶされていく。エリアンのマンコは孕まされることへの期待から奥へ咥えこもうとうごめいて、愛液で満たした場所へ招待してくれる。
ノックというには無作法がすぎる勢いで亀頭を押し込むが、返ってくるのは感謝の嬌声だけ。むしろ狼ちんぽが潮を噴き始める始末で、自分の顔にびしゃびしゃとかけているというのに、陶酔とした笑みが崩れることはなかった。
「んごおぉおぉ❤❤お゛おおぉ❤んぐ❤雄がぁ❤マンコに叩きつけられる❤❤っほおぉ❤❤クーデン様❤孕みたいです❤ずっと、ずーっと子作りしましょう❤❤クーデン様と、私でええぇ❤大家族を作り、ましょうっ❤❤❤」
「そういうところはワーウルフなのだな。可愛いぞ」
いくら理知的にふるまっていても、種族のさがというものはごまかせない。我という雄に抱かれて、エリアンの中のワーウルフとしての本能が、一層貪欲に我を求めてきた。
それが柔肉にも顕著に表れ、フェラでもされているのかと錯覚するほどの吸引と締め付けがちんぽを襲う。
「んおぉ❤エリアンのマンコは欲張りが過ぎるな、良いぞ❤」
「お褒めに預かりっ❤んっ❤光栄ですううぅ❤❤」
我のちんぽは格好の獲物として、このワーウルフの生殖欲を満たす餌となっていた。
ひだは牙として、愛液は唾液として、凶悪な噛みつきがちんぽに暴力的な快楽を与えている。ボノラタスの奉仕する蕩けた肉とは全く違う、狼という獣の具現化のようなマンコだ。
「子ども❤ほしいぃ❤この雄の子どもを❤❤絶対、絶対に孕むううぅぅ❤❤❤ああぁ❤もっどもっどおおぉおぉぉ❤❤❤❤クーデン様の愛を、もっとくださいいぃ❤❤」
それに応えるべく、我は何度も抽挿をした。
奥を突けば黒い巨躯は歓喜に震え、ちんぽからもはや何なのかわからない汁をこぼす。整えられた毛皮は湿り、ただケダモノとしての本能だけがむき出しになっていく。
だが、それは我も同じ。愛しい妻を孕ませたいという本能が強くなり、腰を止めることができないでいた。この雌の中で種付けをする、それは絶対の行動指針だ。
「良いぞエリアン❤我も出そうだ、心せよ」
「あああぁぁ❤クーデン様の子種❤欲しいぃ❤ぜひ、このエリアンの中に……❤注いでくださいっ❤❤」
接合は激しさを増し、もはや我にも遠慮という文字が薄れていく。エリアンが屈強なワーウルフだからいいものの、魔族によっては荒々しいと非難されるだろう。
だが愛液に何度付け込んでも、我の一物は冷める気配すら見せない。しとどに濡れそぼるマンコは、絶えず泡を吹きながら新鮮なマン汁を出してくれているというのに。我のちんぽときたら、柔肉に愛撫されるだけで血管を浮かばせては温度を上げていくのだ。
「クーデン様のちんぽ❤熱い……❤私で、こんなに興奮っ❤されては、はぁん❤❤こちらもおおぉ❤またすぐ、いってしまいそうです❤❤」
「何度でも出すがいい。どうせ一日中盛るのだろう?」
「はいっ❤強い雄の子種をっ❤たくさんもらうことこそおぉ❤❤我が一族の宿痾っ❤❤私はっ、それを身をもって知っているのですううぅうぅぅ❤❤❤」
ぎちぎちとマンコの食い込みを強くして、エリアンはワーウルフとしての幸せを歌う。我の精子を飲み干すのだと、体が語っていた。
狼の四肢が固く抱き着き、二人の間が熱くなる。そんな親愛をしめされては我とて黙っているわけにもいかず、こちらも抱き着いて一塊の黒と化す。
「んっ❤クーデン様のおおぉう❤❤たくましい体❤強い雄❤はあ、はあぁ❤ああっ❤孕みたいっ❤孕みたいっ❤❤早く、私にっ❤❤んっほおぉお❤子種をおおぉおぉ❤❤❤」
背中をかき抱きながらピストンの合間におねだりする黒狼の何と可愛いことか。思わず抱きしめる手が強くなり、突き入れては奥に押し付ける様に腰をこすりつける。
「お゛❤お゛❤お゛おおぉんおおおぉおぉ~~❤❤❤そんな子宮にっ❤開けとでもいうような腰使い❤❤んふぅ❤たまりませんっ❤❤このエリアン❤クーデン様の子をっ❤❤責任をもってぇ❤孕ませていただきますっ❤❤❤」
今は孕ませる魔法を使っているわけではなく、エリアンの言っていることはただの睦言だ。それでもハートに蕩けた瞳で必死に乞われると、本当に起こりそうな気がする。
本当に起こっても構わんのだがな。我は元からそのつもりだし、正直、妊娠腹のエリアンを見たくないかと言えば嘘になる。絶対かわいいだろ。
「ふっぐおおぉおぉ❤❤はぁ~❤中でビクンってしましたぁ❤射精ですかクーデン様❤❤射精❤射精❤❤絶対このエリアンの中で❤んお゛おぉ❤お願いしますよっ❤❤❤絶対ですからねぇえぇ❤❤❤」
ドチュンドチュンと無遠慮ピストンのまにまに、我のちんぽの状態を感じ取るのはさすがだ。駄目押しとばかりにマンコの食いつきがよくなって、無数のヒダが全体を愛撫する。
カリの段差や血管の凹凸まで綺麗に舐められているようだ。しかも、腰をくっつけると肛門が根元に吸い付いてくる。こんなマンコに舐めしゃぶりつくされて、我も放出の時が迫っていた。
「エリアン、わかっていると思うが、ここは我専用だ。いかなる雄にも開くことは許さん」
まあ妻であるボノラタスくらいなら許すがね。
ちんぽをわざと震わせて奥に押し付ければ、可憐な声と共に何度も頷いて返された。
「くぅん❤❤はい、はい……わかっております❤❤このエリアンは、貴方様の妻❤貴方様を想い、百年待った妻です❤どうしてそんな不貞を働くことがありましょうか❤❤」
「なに、ただの確認だ。お前の忠義や愛を疑ったことなどありはせん。だから、たっぷりと注いでやろう」
「ああ❤ああぁ❤❤この大陸をどれだけ探しても、クーデン様以上の方など存在しないでしょう❤❤私の憧れ、私の主……そして、私の旦那様❤❤❤」
最後の声はとびっきり甘く、我の下半身を撫でるような声音だった。金玉を声で愛撫されるとは思いもしなかった。普段の凛々しさなどまるでない、まどろむ乙女のような愛らしさが、その声にはあった。
「……ぐぅ!」
だから我の精巣は張り切って、白濁を噴火で打ち上げようとしていた。印を刻むかのような濃さが煮えていると、わかっている。その興奮をすべて、エリアンの中にぶちまけたいと思ってしまった。
「エリアン……出す、出すぞっ!」
「はい❤❤❤どれだけでも注いでください❤」
「ぐ、お……おおおおおおおぉぉぉっ!!」
尿道を駆け上がる圧に歯を食いしばり、我はいった。
鈴口がぱっくり開いていると自分でもわかる。それくらいの量と濃さがエリアンの中にぶちまけられている。
まるで自分の中身が溶けて出ていってしまっているような、それくらい気持ちがよくて腰が引けてしまうような射精だった。
「ぅわおおぉおぉ~ん❤❤❤あ、あふれる❤種が多すぎて❤❤子宮からっ、もれるううぅうぅ❤❤❤❤」
エリアンが言う通り、我の根元に逆流したザーメンが当たっている。だくだくと吹き上がる勢いは尻から射精しているみたいだ。頑張って肛門を締めているようだが、それはただ逆噴射の圧を強めているだけに過ぎなかった。
ブビューブビューと大量のザーメンに孕まされるエリアンは、断続的な嬌声を上げて体を硬直させる。興奮と快楽による絶頂が近いことは、すぐに分かった。
「あ❤あひ❤ふふっ❤ふふふふっ❤こんないっぱいぃ……❤❤私の体に、クーデン様のっ❤子種が、こんなにっ❤❤あ、ああぁ❤❤」
そして狼は体をのけぞらせ――
「――――――おっおおおぉおぉぉん❤❤❤❤」
アクメを決めてみせた。ベッドをきしませるほどの勢いで跳ねるものだから、マンコからの逆流が強くなり尻尾にも当たった気がする。今尻からちんぽを引き抜いたら、間欠泉もかくやな噴射を見せてくれることだろう。
そこまで強い絶頂を味わったエリアンは我を抱きしめる腕から力を抜き、我の手から離れて大の字となってベッドに体重を沈めた。逆三角が過ぎた体形ゆえ、扇形の筋肉が見せる分厚さはいかついというほかない。
だが、その表情は締まりがなさ過ぎて、いつものエリアンを見慣れた者ならば二度見するくらいにゆだっている。はみ出した舌からこぼれる唾液がシーツにシミを作り、眼球もひっくり返ってしまっていた。
「おおおぉ、出る出る! エリアン、無事か?」
「ひゃい……❤ふへへぇ❤❤」
だが我は未だ射精中で、知能指数が激烈低下中なんだ。許せ。
本能のままに腰を押し付けて孕ませようとするせいで、狼の口から緩い笑い声を押し出している。
やはり慣れてきたとはいえ、本気腰振りの連続はちょっとやりすぎたかも。
特に強い雄を求めて孕みたがるワーウルフだ。我とのセックスで感じる興奮もかなりのものなのだろうな。
「……ふぅ、出したなぁ」最後に残滓を奥に漏らして。「こんなに出したのはいつ以来か……いや最近だと結構あるな。我の妻が可愛すぎるせいで、ちんぽの乾く暇がないな」
「そ、それはなによりで、ございます……❤」
息も絶え絶えだが、嬉しそうに口角だけは緩んでいる。相当満足したようだ。
だが、これ以上はさすがに駄目だな。エリアンに負担をかけることは本意ではない。
そう思い引き抜こうとするのだが、上目遣いの視線が我を縫い留める。
「クーデン様……❤もう少しだけ、そのままでお願いします❤」
「構わんが、体は良いのか?」
このままだと我はまた興奮してやってしまいそうなんだが。
もちろん、そんな言外の意味などエリアンは理解していた。
「この程度問題ありません❤今はただ、孕んだことを喜ぶ時間が欲しいのです❤」
なんて言われたら離れるわけにはいかないじゃん。まだ我の一物はやる気満々なので、押し込めながら体を前に倒し、エリアンに口を近づけよう。
狼は目を閉じて受け入れる体勢を取ってくれたから、遠慮なく。
優しいキスを振らせることにした。
****
「最近、無性に孕みたくないですか……?」
執務室でぐったりしている筋肉トカゲ、ボノラタスが書類につっぷしながらうめき声をあげる。
それに応える黒狼は恭しく湯気の立つお茶を机に置いて、かみしめるようにうなずいた。
「わかります。私もクーデン様の子が欲しくて欲しくて……そろそろ孕む魔法をかけてもいいかと思っております」
「いいですよねエリアンさんは……この前もクーデン様と二日ほどエッチしてたみたいですし……おれなんてファラヴァナと作戦会議ですよ。こっちはあの馬鹿猫に殴りかかろうとする腕を抑えるのに必死でしたよ」
「ですが、そのおかげで他の同盟相手のめどが立ちそうではありませんか」
「くそ……つやつやした毛皮しちゃって……」
「こちら、疲労に効くお茶です。今のボノラタス様に必要なものかと存じます」
要するにまだ働けということだ。ボノラタスは引きつった笑みを浮かべて、一気にお茶を流し込んだ。少し熱い程度、高位魔族には問題ない。
「……ぷはぁ、まあそれもクーデン様のおかげなんですけどね。ポゼルダインの行いが反感を買ってくれたおかげで、付け入りやすかったですよ。そういえば、噂は流しておきました?」
「ええ、もちろん。近隣諸国に『ポゼルダインと旧魔術研究所の所長、ハカガラスが組んでいる』と、広めてありますよ。それと、有力者に今回の毒沼に使われたと思われる研究資料も渡しておきましたから、信ぴょう性も十分でしょう」
「対応策の部分まで渡してないですよね?」
「そんなへまするはずがないでしょう」
今からその対応策で儲けるつもりなのだ、流出してしまっては元も子もない。
「まあ、エリアンさんですから心配なんてしてません。ただの確認です。旧魔術研究所の研究がベースになっていることから明白ですし、これでハカガラスはポゼルダインと組むしかなくなりましたね。適当なところで切り捨てて金儲けするつもりだったんでしょうけど、残念でしたー! こっちにはクーデン様がいるんですよあの傲慢カラスが! あーっはっはっは!」
吐き捨ててから尻尾を振り回し、高笑いするボノラタス。疲労のせいでテンションがおかしなことになっているなと、エリアンは冷静に観察していた。
「あとは二人まとめてぶっ潰せば、領土獲得ってわけです。さすがに今回のポゼルダインはやりすぎですから、他魔王からの反感も強い。それに、ハカガラスの持つ旧魔術研究所の遺産もあるとなれば、扇動文句としては十分でしょう」
つまり、ボノラタスは戦争を起こそうという。クーデンから情報を得たトカゲはその根回しに必死だった。
「あの二人の結びつきに気づいてくれたクーデン様には感謝ですね。クーデン様は複数魔王の統治に肯定的ですが、おれは違います。百年停滞して腐った魔族領なんてごめんですからね」
ボノラタスはクーデンが治めていた魔族領を愛していた。
適切な統治の下、発展する経済とあまねく広がる安寧。そしてそれを司るクーデンを守れることに誇りを抱いていた。
だが、クーデンが封印されてから、愛する魔族領は衰退してしまった。
各魔王は己の欲を満たすことばかりで、魔族領の未来について憂いている魔王の少ないこと。それが、ボノラタスには許せなかった。
だから、エリアンと魔王の旗揚げをするときに、自らが魔王の席に座ることを求めたのだ。
「だから、統一を果たすと?」
「別におれだって唯一魔王になりたいわけじゃないですよ。ですが、今の魔王は多すぎます。勇者が攻めてくる前に、足並みをそろえられる程度にまで間引きしておく必要があります」
「それは同意ですが、果たしてあの傲慢な方々が少数になったとはいえ足並みをそろえるなんてできるでしょうか」
「させます」
意志は強く瞳に宿り、ボノラタスは断言する。
「おれが、させてみせます。例えそれがクーデン様の後継ぎ候補たちだろうと、元反政府組織だろうと、魔族領のためにやってみせます」
そのためにボノラタスは立ったのだ。
加えてエリアンもおおむね同意している。そうでなければ、あの滅私奉公を徹底する暗黒竜は自分らを置いて自爆する。それが他の魔王にとって都合がいいことだと分かったうえで、彼はすべてを受け入れて死ぬだろう。
そんなことを許せる二人ではなかった。そんなことのために百年封印を守り続けたわけでは断じてないのだから。
エリアンはお茶を継ぎ足してから恭しく礼をする。二人の信念は一致しており、魔王はボノラタスだ。狼は臣下としての礼を見せ、恭順を示した。
「かしこまりました。このエリアン、ボノラタス様の理想のため、邁進していきたいと思います」
「おれも頼りにしてますよ。正直おれだけじゃ心もとないですし……」
と、そこでノックの音が響き、エリアンがそっとそばに控えた。
城主たるボノラタスの意見を求める案件は少なくない。今回も臣下が報告に来たのだろうと思い、気負いなく招き入れた。
「はーい、どうぞー」
「失礼するぞ」
ぬっと入って来たのは黒い竜、前魔王クーデンドライヴァだった。
ボノラタスは驚き立ち上がり、カップから少しお茶がこぼれた。
「く、クーデン様?! どうしてここに?」
「なに、最近ボノラタスが忙しくて大変だとエリアンから聞いてな、ねぎらおうと思ってきたわけだ。邪魔でないか?」
「そんなことあるわけないじゃないですか! うわっ、書類まみれの汚いところですいません」
「構わん。忙しい統治者の部屋などえてしてそんなもんだろ。だが、情報の漏洩には気を付けた方が良い。少し待つことにしよう」
あくまで客としての身分をわきまえている竜は、書類を見ないという意思表示をしている。その隙を縫ってエリアンがてきぱきと片付けを始めており、ボノラタスが気づいた時には、机はきれいさっぱり片付いていた。
「相変わらず仕事が早すぎる……。ともあれ、ありがとうございますエリアンさん」
「機密保持も私の仕事ですから。どうぞ、せっかくクーデン様がいらしてくれたのですから、甘えてもいいでしょう。私はこの前存分に愛してもらいましたから、お気になさらず」
「でしたらお言葉に甘えて……」
嬉しさに尻尾が揺れる。感情のまま、でかくムチムチと実ったトカゲはいそいそと愛しい竜のもとに飛び込んだ。
「クーデン様ぁ! お会いしたかったです! 最近ほんっとうに忙しくて……!」
「うむうむ、そうだろうとも。あの情報を活用しようと思ったら、やることはたくさんあるだろうしな」
胸に埋もれた暗黒竜はねぎらいながら横乳を揉んでいる。彼は前まで乳首にぶら下がっていたピアスが無くなっていることに気づいたが、今はつっこむ話題ではないと無視することにした。
「んんぅ❤ひょっとしておれのおっぱいが恋しくなったんですか❤」
「それもあるな。お前ほど肉感豊かな雄はそういないから、我の方が寂しくなったのかもしれん」
「嬉しいこと言ってくれるじゃないですか。せっかく来てくれたんですから、存分に堪能してくださいね❤」
ボノラタスがちらりと視線をずらせば、エリアンが超速で書類を仕分けしているのが映る。おそらく自分で処理できる案件とそうでない案件を分けているのだろう。ボノラタスの仕事を減らすのは、今晩は盛ってもいいよということを意味していた。
(エリアンさん、ありがとうございます)
内心でお礼を言って、愛しい竜を全力で抱きしめる。飼い殺しのような待遇をしているというのに、それでもクーデンは待ってくれている。それがボノラタスにとっては、とても嬉しい。
トカゲは胸元を開き、巨乳に竜を招き入れる。脳裏にはここでやったら書類が汚れること、仕事を肩代わりしてるエリアンに申し訳ないことがきちんとめぐっている。
だが、連日の疲労を溜めた体が目の前の竜とのセックスを優先してしまう。暗黒竜からほとばしる膨大な魔力と精を求めるのは、淫魔の血をひくトカゲの本能でもあった。
「じゃあクーデン様❤疲れたおれのおマンコをねぎらってくれますか?❤❤」
「当然。エリアン、しばらくボノラタスを借りるぞ」
「ええ、どうぞ。ここは私が片付けておきますから、良い夜をお過ごしください」
マンコを濡らし始めたトカゲを制して、竜はねぐらである図書館へ連れて行こうと手を引っ張った。
握った手が温かいことが嬉しい。百年ずっと死んだように眠っていた竜が生きているのだから。
この温度を守らなければならない。
ボノラタスは、そしてそのだんらんを見ていたエリアンも。
強く意志を固めた。