「おかえり、てんかい」
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体がだんだん元に戻ってゆく。
「……ぐぅ、うぅぁあぁ…!!」
全身が千切れそうな激痛が襲いかかる。
このまま痛みで死んでしまうのではないか…?
幼稚園に放り込まれたあの日、子供扱いに耐え続け、数え切れないくらいおむつを濡らし、その醜態を魔界全土に晒された記憶が走馬灯のように駆け巡る。
し、死んでたまるか!
呪物のようにわたしに突き刺さっていた悪魔のツノが消えてゆく。
鋭い牙もポロリと抜け落ち…
……わたしは天使に戻った。
強力な呪いの解除により体が拒否反応を示しているのか…?
わたしの体はひどい体調不良のような状態になっていた…
床に倒れ込むわたしをマオは嘲笑の目で嘲笑う。
くそ、憎たらしい…
元に戻ったなら…魔法が使えるはずだ…
「うぅ、う、ぬぅぅっ!!」
だめだ…魔力が足りない……
『なはは!!魔力もおもらししてなくなっちゃったのだ?』
『天使の貴様にはこれがお似合いなのだ。おもらし天使サン?』
マオはわたしの左脚をいとも簡単に…
砕いて破壊した。
「!!!っがああっ、あ……」
「(絶対に……絶対に……おねしょも失禁癖も治してやる……)」
ここでわたしの意識は途絶えた。
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見覚えのある…天井…
そこは、マオにボコボコにされた後大体担ぎ込まれる病院の天井だった。
まだ意識があやふやのわたしに1人の男が声をかけてくる。
「モチ…ヅキ…せん、せい…?」
『そうやそうや、記憶は大丈夫そうやなあ』
彼はモチヅキ医師。
言動や態度が少々鼻につく男だが、外科医の腕はなかなか。
主にわたしを担当している。
『ウィルさん、おむつ濡れてはりますわ…』
なんだって…
意識がない間にもおねしょをしてしまっていたと言うのか……
「……おむつ、替えて」
なぜかわたしの口から飛び出したのは幼い幼児のような言動。
考えていることと口から出てくる言葉が全く違う。なぜだ……!なぜだ……!
わたしは子供じゃない!!
な…のに……
『えらく甘えん坊やなあ。いつもならそんなこと言わへんのに。』
「えへへ…ぐしゅぐしゅできもちわるいの」
自分で言っているのに出てくる言葉があまりにも恥ずかしくて、けど、頭はふわふわしてて……
『はは、おねしょシーツも汚してしもうて〜オシッコしたかったらはよ言うんやで〜』
普段のわたしだったらこんなこと言われたら羞恥でどうにかなってしまうだろう。
けれど今は、そんな言葉が、少しうれしかった。
久しぶりに天界族と話せて安心してこうなってるだけ……決してぼくが、おかしいわけじゃない……
『ウィルさんならこの程度の怪我、1週間もしないうちに良くなるやろうし、トイレの介助くらいはしたるわ』
トイレ……、ってなんだっけ……どうやって使うんだっけ……
「…うん…?」
とてつもなくねむい…
起きたらいつものぼくにもどってるはず……
『あらぁ…寝ちゃった。おむつ綺麗にしたから安心しちゃったんかなあ〜』
心に異常をきたした大天使ウィル。
治療は長引きそうだ……
続く…
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