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3. ピエロが来る
(F/F)
エリーが家に帰ると"いつもと変わらないリビング"で両親が食事の支度をしていた。
ハロウィンは目の前だが、エリーの家では特に飾り付けなどはされていない。これは毎年のことだ。
エリーは自室だけでも飾り付けをするのだが、両親はどうもハロウィンに特に思い入れがないようだった。
過去にあんな事件が遭ったからなのかは分からない。
ライラの両親は飾り付けをしているし、多分、人それぞれなのだろうと思う。
だけど、大人はエリーたちと違ってハロウィンに関心を示していない。
仕事とか家庭のことで頭がいっぱいなのだろう。ハロウィンどころではないのだ。
両親を見ているとエリーはなんだか焦りを感じた。
ハロウィンはもうすぐ目の前まで迫っている。
別にハロウィンが過ぎたって調査は続ければ良い。
ハロウィンは来年も、その先もずっとあるのだから。
でも、大人になったら。その時にようやく犯人が見つかったとしても…それはきっと意味がない。
その頃にはもう、エリーも両親みたいにハロウィンなんてどうだって良いと思っているに違いないから。
だから急がないといけない。
出来ることならば今年のハロウィンが来るまでに、"ゴースト"の正体を突き止めないといけない。
エリーはシチューとパンをぺろりと平らげて、シャワーを浴び、明日の調査に備えてすぐに自室に戻った。
2階へと続く階段を上がり、どうせ眠るだけだからと灯りをつけずに自室に入る。
窓が少し開いているのか、隙間風が冷たい。
よたよたと窓際のベッドに近づき、そのまま布団に飛び込んだ。
枕に沈めた頬に、乾いた感触が走った。
明らかに枕の質感ではないそれに違和感を覚えたエリーは頬を枕から離した。
枕の上に、紙切れが置いてある。
エリーの顔のせいでくしゃりとシワの寄ったそれを拾い上げる。
「なにこれ」
暗がりでよく見えないから、エリーは目を細め、窓から差す月明かりに紙切れを当ててみた。
紙切れに記された文字の羅列を見た途端、ずん、と鈍い一撃がエリーの心臓に打ち込まれる。
シャワーを浴びたばかりの全身からじゅわじゅわと冷たい汗が噴き出てくる。
"これ以上、黒いハロウィンに触れるな"
紙切れに記された警告文を、エリーは小さく唇を動かして読み上げる。
動けない。
熱っていた身体の体温がぐんぐんと下がっていく。
エリーは部屋の灯りを点けなかったことを後悔した。
これを置いたのは誰か。
頼りのない月明かりのみの薄闇の空間に、この警告文を置いた何かが潜んでいるかも知れない。
部屋を見渡す勇気もない。
声を上げれば、薄闇に潜む何かを刺激してしまうかも知れない。
カイリかライラがイタズラで置いたのか。
いや。あの二人とはとっくの前に別れている。跡をつけて来る理由もないし、今までそんなイタズラをされたことなどない。
じゃあ一体誰が──。
エリーの混乱で乱れた思考をさらに見出すように、ばたんとドアが閉まった。
見るつもりはなかった。
見るつもりはなかったのだけれど、ドアが閉まった音に釣られてエリーは反射的に音のする方を向いてしまった。
嘘──。
そう声に出したのか、心の中だけで漏れたのかさえエリー自身にも分からなかった。
真っ暗闇に。
真っ白い顔が浮かんでいる。
白い顔は笑みを浮かべている。
否。笑みを貼り付けている。
真っ白い顔に、吊り上がった口角。口端には真っ赤なハートな描かれ、鼻には赤いペイントが施されている。
異様に大きな目はぎょろりと剥いたまま、エリーを見つめている。
"ピエロ"だ。
見れば分かるものを、理解するのに時間が掛かった。
否。まだ理解など出来ていない。
何故ここにピエロがいるのか、これは果たして現実なのかどうか何も分からない。
声が出ない。
身体も固まったように動かない。
エリーにはただギュッとシーツを握り締めていることしか出来ない。
ごつ。ごつ。
厚底のブーツを鳴らし、そいつはベッドの上のエリーに近づいてくる。
月明かりにそいつの顔が照らし出された時、エリーは思わず息を飲んだ。ひぃと喉が鳴る。
カラフルなストライプ模様の道化師服の胸には膨らみがある。
──女…のようだ。
やっぱり、ライラかカイリで──。
ピエロの手がにゅうと伸びて、エリーの首を掴む。
べたり。
口に何かを貼り付けられた。それが銀色のダクトテープであることに気づくのに少し時間を要した。
ピエロは人差し指をエリーの塞がれた口に当てて黙るようにジェスチャーした。
殺される。
エリーは目を閉じ、肉体を支配する恐怖心を振り払ってピエロの腕を掴む。
だが。
ピエロは凄まじい力でエリーをベッドに押し倒し、腰のあたりに馬乗りになった。
ずん、と体重が腰のあたりに掛かる。
細身のエリーはそれでも手脚をバタつかせるが、ピエロはそんな抵抗など気にする様子も見せず、何故か指をこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ〜っと蠢かせた。
細くて長い指が宙でこちょこちょと踊る様を見た途端。
エリーはなんだかとても。
とてもとても。
嫌な予感がした。
昔。
悪さをして近所の歳上グループにおもらしするまでこちょこちょされたことがある。
それがトラウマで、エリーは以降、くすぐりが大の苦手になった。自分以外の誰かがくすぐられているのを見るだけでも寒気が止まらなくなるほどに。
殺されたメレディスの死因も確か笑わされ過ぎたことによる笑い死にだったか。
ピエロがゆっくりと首を曲げる。
その次の瞬間、両手がエリーの両脇の近くに食らいつき、こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょーっと暴れ出した。
「むむぅっ!!?むふふっ!?むむむむむっ!!?んむぅぅぅふふふふふっ!!?」
予期せぬ刺激に襲われたエリーはその細身の肉体を跳ねさせ、脚をバタバタと暴れさせる。
何故。
何故。
自分がなんでくすぐったさを感じているのか、分からない。
理解したくても、ピエロの細長い指が腋の下にほど近い肋のあたりをこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょー!!っと掻き回して思考回路を乱す。
「む"っっ!!?むぅふふふふふふ!!?やめ"っ!!?んふふふふふふふふふふふふっっ!!?んふぅぅぅふふふふふふーっ!!?」
こちょこちょと指先がエリーの肋の表皮を引っ掻くたび、トラウマが心の底からむくむくと込み上げてくる。
エリーはぺしぺしとピエロの両腕を叩く。
ピエロは鬱陶しそうにエリーの腕を見つめ、何を思ったのか腰を浮かせ、今度は胸の辺りにどっしりと座り込んだ。
「ぐぇっ!?」
ピエロの両膝が二の腕を押し上げ、脇が開いたまま固定されてしまう。
「んんんっっ!!?」
エリーは必死にピエロの下から抜け出そうとする。
ガラ空きの腋の下にこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょと蠢きながら細長い指が迫ってくる。
この状態でワキをこちょこちょされるなんて信じられない。
エリーはうんうんと甲高い声で唸りながら、身を捩らせる。
抜け出さないと。
逃げないと。
己の脇に迫る細長いこちょこちょ指に怯えながらエリーは必死に暴れる。
ピエロがずいっとその不気味な顔をエリーの顔に近づける。
そして。
その脇の下に十本の指を喰らい付かせ、モジョモジョモジョモジョモジョモジョモジョモジョモジョモジョモジョモジョモジョモジョモジョモジョーっと穴でも掘るようにくすぐった。
「んほぉほほほほほほほほほほほっ!!?んぉぉぉぉあああああああああああああああああああああああーっ!!?あああああああああああああああああーっ!!?」
敏感な神経がみっちりと集合した脇の下を、ピエロの繊細な指先がこちょこちょこちょこちょと蹂躙する。
その指先や爪の先が的確に、腋の下の特にこそばゆいミゾをこしょばしてくる。
モジョモジョモジョモジョモジョモジョモジョモジョモジョモジョモジョモジョモジョモジョモジョモジョモジョモジョモジョモジョ!!!
「お"ほほほほほほぼっっ!!?んぉっ!!っっほほほほほほほほほほほほほほほっっ!!?やめ"っ!!やめ"ぇっ…!!」
ピエロの爪がカリカリモジョモジョと脇を引っ掻くたびにエリーが出来るのはせいぜい脚をバタつかせることくらいだ。
涙がじわじわと溢れ出てきて、視界が滲む。
ピエロがケラケラと嗤った。
ピエロの指先が、エリーの腋の下の溝の奥底にある一点──とってもこちょばゆい神経の集合した一点に触れ、そこのみを集中的にこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょーっとくすぐり嬲った。
「んぇ"っ!!?んぇへへへへへへへへへへっっ!!?んへぇっ!!っっへへへへへへへ!!?っっ!!!くぇぇへへへへへへへへへへははははははははは!!?」
くすぐったさのあまりエリーは目をギョッと剥いて鼻水がぶっと噴き出す。
ピエロは嗤いながら、細長い指を器用に操り、エリーの脇の弱点のみを執拗に執拗にこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょとイジメ抜く。
「え"へへへへへへへっ!!?んぉほほほほほほほほほっっ!!?おお"っ!!?おおおおおほほほほははははははははははは!!?けほっ!?げほっっ!!」
エリーはぶんぶんと頭を振り回し、長い髪が乱れる。
女の妙にスベスベした指先やツルツルとした爪の感触が生々しいほど脇に伝わってくる。
このままではメレディスのように殺されてしまう。
いやその前に、くすぐったさを浴びせられ過ぎて精神が壊れてしまいそうだった。
ピエロがまた腰を浮かせた。
その一瞬の隙をエリーは見逃さなかった。
今しかない。
エリーは咄嗟にシーツを掴み、這うように逃げ出す。
だが。
ピエロはエリーの髪を掴んでベッドに引き戻し、うつ伏せのエリーの腰にのし掛かった。
「ん"ーっ!!!」
ピエロはエリーの細い両腕を背中に回し、結束バンドで縛り上げた。
「んぎぃっ!!」
──お仕置き。
ピエロはエリーの耳で囁き、大きな手で腰のあたりを掴むと、エリーの骨盤の窪んだところにぐにゅっと中指を食い込ませた。
「んひぃっ!!?」
骨盤の窪みに濃厚なくすぐったさが注入され、エリーはびくんっと腰を震わせた。
全身に鳥肌が立ち、だらだらと冷や汗が溢れ出す。
骨盤の窪んだところ。
そこも、エリーの大嫌いなウィークポイントだ。
「やめ"っ──」
涙目でエリーがテープ越しに声を漏らすが──。
けけっ。そう嗤ったピエロはお構いなしにグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュ!!っと骨盤のツボを指圧した。
「ん"ぇ"っ!!?んぇぇぇぇぇへへへへへへへっっ!!?んぉおおおおおおおおおっっ!!?んおほほほほほほほっ!!?んぉぉぉほほほほほほほほほほっっ!!?」
指先の感触と暴力的なくすぐったさが同時にグイグイと骨盤のツボに食い込み、エリーから呻き声を搾り取る。
どれだけこしょばされてもエリーは呻き、涙を流し、身を捩ることしか出来ない。
肩の関節が痛む。だがそれが吹き飛ぶほどのくすぐったさが絶え間なく骨盤の窪みに押し込まれてくる。
グニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュ!!!
「お"ほほほほほほほっっ!!?やめでっ!!!お願いっっやめっっ…!!!お"ほほほほほほほほははははははははははははははははははははっ!!?」
口を塞ぐダクトテープの隙間から唾液が溢れ出ていく。
骨盤のツボを押されるたび、腰が抜けるような感覚と共に凄まじいくすぐったさが爆発し、エリーは何度も失禁しそうになっていた。
突然、エリーの涙で滲んだ視界に文字が浮かび上がった。
いや。
ピエロが紙切れをエリーに見せていたのだ。
──さいごは、こちょこちょ丸焼きの刑。
紙切れには、そんな残酷な単語が記されていた。
「んんんっー!!!」
エリーは喉が潰れるほど叫んだ。
"さいご"
このピエロの言う"さいご"が何を意味するのか。
考えたくもない。
エリーは泣き呻きながら、ベッドの上で芋虫のように身を捩らせた。
ピエロは暴れるエリーの両足首を結束バンドで縛った。
「んんんんんーっっ!!」
両手足を縛られたエリーはベッドの上で魚のように跳ねる。
ピエロはわざとエリーの目の前に両手を近づけ、細長い指をワキワキッと蠢かせた。
「んんーっっ!!!」
分かったからっ!!ごめんなさい!ごめんなさい!もう事件のことは調べないからっ!
そう叫びたくても、テープのせいで言葉にならない。
ピエロはエリーの薄いシャツを捲り上げ、素肌を剥き出しにする。
今から素肌をめちゃくちゃにくすぐり殺すぞ。
そう言わんばかりに、ピエロの両手の指がこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょとうねり、素肌に近づいてくる。
こちょ…こちょ…こちょ…
宙をくすぐりながらそれはゆっくりと迫ってくる。
エリーは跳ねながら、腹を凹ませ数ミリでもその指先から逃れようともがく。
ピエロの顔がエリーの耳元に近づく。
ピエロはすぅと息を吸い込んだ。
そして。
「こぉちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょーっ!!!」
奇妙なほど甲高いこちょこちょボイスと共にその悍ましい指先をエリーの剥き出しのお腹に吸い付かせ、爪の先で掻き回した。
「ぐぇっ!?うへっ!?っはぁぁぁぁあははははははははははははははははははは!!?かはっ!!?っは!?っっはははははははははははははははははははははははははははははははーっ!!?」
シャツ越しとは全く違う、爪の味がよくよく伝わってくる解像度の高い生々しきくすぐったさが腹部をめたくそに掻き回す。
エリーの体内からごっそりと酸素が奪い上げられる。
「こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ」
ピエロは壊れたおもちゃみたくこちょこちょこちょこちょと歌い続け、エリーの細くて締まった腹部を爪で蹂躙し続ける。
ワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャ!!
こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ!!
「んへへへへへへへへへっ!!?くるじっ!!?くるっっじっっ!!?ぇへへへへへははははははははははははははははははははははは!?ごめっっごめんなざっっっぃ"っ!!!」
エリーはただ跳ねて、テープで塞がれた口で謝ることしか出来ない。
しかしどれだけ謝っても、ピエロの指先は止まらない。
腹部を掻き回していた指が今度は横っ腹をこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょと這い回った。
「んへへへへへへへへへへっっ!!?やめっっ!!?ちょっっお"っ!!?おほほほほほほほほははははははははははは!!?」
素肌の横っ腹を歩くようにこちょこちょとくすぐっている爪の先が、ゆっくりと腋の下に近づいてくる。
「やめ"っ…!!!」
腋の下を直接こちょこちょされたら──。
それこそ本当に死んでしまう。
エリーの熱っていた身体にゾッと寒気が走る。
「んんんんんん"ぅっ!!!」
エリーは目を血走らせ、必死にピエロから逃げようと暴れた。
だがそんな抵抗は、抵抗にさえならず──。
ピエロの細くて長い魔指は、エリーの脇の下に滑り込み、ゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョー!!っと思い切りくすぐり回した。
「はええええええええええええええ"っっ!!?死ぬっ!!じぬっっ!!?じっっ!!?ぅぅぅぁぁぁぁあああああああああああああああああはははははははははは!!?」
腋の下に、ピエロの爪のつるつるとした感触が染み込み、猛烈なくすぐったさが刻み込まれる。
エリーの視界が激しく揺れ、エリーは自分が寝ているのか跳ねているのか分からなくなる。
ゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョ!!!
「ぐぇへへへへへへっっ!!?ゆるじっっでぇっ!!!ゆるじっ!!!っっぇへへへへへへはははははははははははははははははははははははははははははは!!?」
意味が分からない。
苦しい。
苦しい。
苦しい。
ひたすらに、苦しい。
トラウマが甦ってくる脇の下へのこちょぐったさに悶え狂っていると、今度はまたお腹に爪の感触が這い回った。
ワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャ!!
「くはぁっ!!?っっははははははははははははははははははははははははははははははははは!!?ちょっ"っっ!!?そごはっっ!!そごはもう"っっ!!っっはははははははは!!?」
エリーは指をわなわなと痙攣させながら吠える。
ピエロの指は、また横っ腹をくすぐり、脇の下や胸を爪で掻き回す。
くすぐられる箇所が次々に変わって、脳が追いつかない。
狂ってしまいそうだ。
「んぅっ!!?」
突然、下半身──股間にほど近い鼠蹊部に違和感が走った。
ピエロがエリーの股に手を突っ込み、鼠蹊部を掴んでいるのだ。
「んんんんっ!!?」
鼠蹊部など他人に触られたことがない。
だけど。
分かる。
ここは──とてつもなくくすぐったい箇所だと。
エリーの顔から血の気が引いた瞬間、ピエロは両手でグニョグニョグニョグニョグニョグニョグニョグニョグニョグニョグニョグニョグニョグニョグニョグニョ!!っと鼠蹊部の敏感な神経を揉み殺した。
「ん"ちょぉぉおおおおおおおおおおお"っ!!?おほほほっ!!?おあ"っっ!!!ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああははははははははははははははははははーっ!!?」
親指でグニュグニュと鼠蹊部の神経を揉まれ、気絶さえできないような凶悪なくすぐったさが全身を駆け抜ける。
エリーの身体がベッドの上でのたうち回る。
苦しい。苦しいのに、口角はずっと吊り上がったままだ。
グニョグニョグニョグニョグニョグニョグニョグニョグニョグニョグニョグニョグニョグニョグニョグニョグニョグニョグニョグニョ!!!
「お"ほほっ!!?お"ぉっ!!?おほほほほほほほほほほほほほっっ!!?ほっっひゃぁぁぁあははははははははははははははははは!!?もうゆるひへぇぇぇぇぇええ!!」
鼠蹊部をグニュグニュとお仕置きされるたびに襲っていた脱力感が最大にまで達した時、エリーの股間から生温かい液体が溢れ出した。
同時にエリーは気を失った──はずだった。
こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょっ!!!
「んひぃっ!!?」
腋の下へのこちょぐったさが、気絶しかけていたエリーを覚醒させた。
ピエロの姿は見えないが、あの不気味な笑みを浮かべてけらけらと笑っている様は容易に想像できた。
「はぁはぁっ…これ以上なにを…」
エリーがもごもごと言った時。
「んっ!!?」
エリーは目を見開いたまま固まった。
口からも、鼻からも息が吸い込めない。
ピエロによって呼吸口を完全に塞がれたのだ。
ずくり。とピエロの手が腋の下に差し込まれる。
指の関節がゆっくりと折り曲げられ、爪の先が腋の下の表皮に触れる。
「んんんんんっ!!!」
エリーはふるふると首を横に振る。
メレディス・ブレイク。
彼女の名前がふと頭に浮かんだ。
自分の生首が玄関先に並べられる光景が、浮かんだ。
それらの光景は、腋の下をクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュ!!っと揉むようにくすぐられた瞬間に弾け飛んだ。
「んぉっ!?んひょっ!?ひょぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああ"っ!!?あはは!?あははははははははは!!?あっっっはははははははははははーっ!!?」
シーツにぐしゃぐしゃと皺を寄せながら、エリーの身体が千切れんばかりに跳ね、震え、飛び上がる。
鼻も口も塞がれたエリーの笑い声は全て、体内で爆発する。
完全に腋の下は捕まえられており、逃げる術などない。
クチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュ!!!
「ん"ぁぁぁああああああははははははははははははははははははははははははははははははは!?ごめんなざっっっぃっっっ!!ごめんなざぃぃぃぃぃっっっ!!!ぃぁぁぁぁあはははははははははははははは!!?」
笑わされ過ぎて腹筋が裏返っている。
横隔膜が悲鳴を上げている。
また、尿が股を濡らした。
ピエロの指は、指の腹を使って器用に敏感な神経をクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュとコネ回していく。
「ぁぁぁぁあははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!?死ぬ"っ!!死ぬ"っ!!死んじゃう"ぅぅぅっっっ!!!あぁぁぁぁあああははははははははははははは!!?」
酸素ゼロの状態でひたすらに脇の下をこちょこちょとくすぐられ続け、エリーは全身の筋肉が引き攣るような感覚に襲われた。
だがその痛みは容易く、くすぐったさによって上塗りされてしまう。
もがいても叫んでも、腋の下から指の感触とくすぐったさが消えることはなかった。
エリーの意識が、完全に絶えてしまうまで。