親戚の法事のため、豪は一週間ほど田舎の家で過ごすことになった。
けれど、地域の子どもたちはみんな自分より年下で、話していてもいまひとつ面白くない。都会でできるような遊びもなく、豪が胸を張れそうなものといえば、得意のミニ四駆くらいだった。
「へへっ。いっちょ、田舎者との違いを見せてやらないとな!」
そんなふうに最初から見下した態度で乗り込んできたのだから、素直に受け入れてもらえるはずもない。
豪は意気揚々と村の子どもたちを集めた。けれど、その鼻につく物言いが決定打になったらしい。気づけば彼は、集まった子どもたちに囲まれ、袋だたきにされていた。
いくらわんぱくとはいえ、所詮は井の中の蛙だった。
相手は年下ばかりだ。けれど彼らは毎日のように野良仕事を手伝い、山や畑を駆け回っている。そんな田舎育ちたちが集団でかかってくれば、豪に太刀打ちできるはずもない。
気がついたときには、大切な愛車は取り上げられていた。つちぼこりまみれの服は全部剝がされた。豪は情けない格好のまま地面に転がっている。
「へっ、大したことない奴!」
「…ちくしょう…!!へっぽこぴーどもめ…ぐはっ!」
リーダー格(それでも低学年のちびっこ)が、豪のでべそ腹を蹴り上げる。そして奪ったマシンを手のひらで弄びながら笑った。
「いいか、お前。ここにいる間は、俺たちの言うことを聞け。マシンを返してほしかったら、おとなしくしてるんだな!」
「この村じゃ一番格下は、こうやってはだかんぼにされて、連れまわされるんだぞ!大人にいっても無駄だからな。こんな遊び、ここらへんじゃ普通だから。元気に遊んでるとしか思われないぞ。」
「別におれたちはチンコぐらい見られたって平気だけど、都会っこのお前はどうだろうな。へへっ、お前、みによんく?だとそこそこ有名なんだろ? チンコ出して走り回ってるところ、見せてやったっていいんだぜ。」
「ほら、わかったら散歩に連れてってやるよ。みによんくなんかより、お前を走らせるほうがよっぽど面白いや!ほらほら、ついてこい!!」
「う……ううう……! こ、こんな奴らに……!」
豪は悔しさに震えながら、少年たちを睨み上げる。けれど、逆らう手段など残されていなかった。