会話劇作るのなんか面白くなっちゃったのでもう一個投げます。
pixivとfanboxに投稿していた虎リーマンと×× シリーズから、虎リーマンとぼくとの会話劇です。
時系列的には完結編の相愛(https://ka-ga-ri.fanbox.cc/posts/4933080)後くらいかな~。
♂♀
「体洗うとき、どこから洗う?」
「…………、……なんかの診断か?」
「おぉっさすが鋭い。よくわかったね」
「わかったっつうか、勘っつうか……で、答えなきゃダメかそれ」
「うん。……あ、いやどっちでもいいよ。俺も信じてるわけじゃないしこないだTwitterで見ただけなんだけどさ、洗う部位によって性格がわかるとかで……ツイートどこやったっけかな」
「それだけだとイマイチ信憑性に欠けそうだな」
「それが意外と、結構当たってそうなんだよね」
「どうだかなァ……それ系の診断、っつうか質問ってキャバ嬢に手相聞くようなモンだろ」
「うーん……まあ確かに、悠伍さんのお風呂の風景を想像して楽しみたい気持ちはある」
「で、お前はどっから洗うんだ」
「この流れでぼくに聞く?」
「ヒトに名前聞く前にまず名乗れってことだ」
「う……でもそれ、逆に俺が言ったらもう言うしかないけどいいんだな!?」
「別に構やしねえけどな、洗う部位くらい」
「クッ、強い……!」
「で、どこだっけか。左腕だろどうせ」
「え、なんでわかるの?!」
「お前、右利きだろ?」
「う、うん」
「んじゃ右手でボディソープ取って、そのまま左腕を洗ってるだろ」
「あ、当たり。よくわかるね……」
「まあ、そりゃ……いや、これもただの勘だ」
「あ、さては体洗ってるときにそんなにぼくのこと見てるってことだな?! 悠伍さんのえっち! エロおやじ!」
「殴るぞ」
「殴らないくせにー」
「今度殴ってやろうか?」
「えっ、ど、どこを?」
「ケツとか」
「……それは……その……いや、殴るっつうか平手打ちじゃん!」
「好きだろ?」
「そういう話だっけ?!」
「で、その診断結果とやらはどうだって?」
「えっ、あぁ、えっと俺のは確か『効率重視』とか『要領がいい』とかだったかな。結構当たってる感じしない?」
「……まあ、誰にでも当てはまるようなこと言ってるだけだろ」
「なんて言うんだっけそれ、ハロー効果? ……違う、バーナム効果か」
「……よく覚えてんなそういうの」
「要領がいいものですから、ふふん」
「要領は関係なさそうだが……まあ愁慈は地頭良いからな、地頭は」
「えっ、手放しで褒められるとそれはそれで照れるかも……待ておい、地頭"は"って言った? 普通のノーマル頭は良くないの?」
「……ははは」
「すごい、ひとってこんな堂々と笑って話題をごまかしていいんだ」
「大丈夫だろ、愁慈のいいところはちゃんと俺がわかってるからな」
「えっなんで慰められてる?」
「人間、頭の良い悪いだけじゃねえさ」
「えっどっちそれ、励ましてんのか適当なこと言ってんのかどっち?」
「ちょっとバカなぐらいがかわいげあるって言うだろ」
「それ恋人に求めるかわいげじゃなくてペットとかに求めるかわいげじゃない……?」
「まあ俺は頭の悪いやつとは付き合えねえし大丈夫だろ」
「急に正論出すじゃん……そんでもってそれちょっと嬉しくなっちゃうからやめて、ずるいぞ」
「話が早くて助かるな、さすが俺の愁慈だ」
「何だよ急に……いやこれ何の話だっけ、悠伍さんの体洗う部位の話だよな?」
「……日も暮れてきたなぁ、今日はメシ何作るか」
「待て待て俺も言ったんだから教えるって約束だろ?!」
「約束した覚えはねえんだけどな」
「逃げるのか!? せっかくぼくが診断してやろうと言うのに!」
「アサシンめいた口ぶりだな」
「逃げるな卑怯者!」
「鬼でも追ってんのか。あー、わかったわかった。別にもったいぶるようなもんでもねえしな……」
「そうこなくっちゃ、男に二言はないもんな! ……んで、どこ?」
「尻尾だ」
「……しっぽ?」
「おう。……そんな意外か?」
「いや、いつもそうだったっけなーって思って……悠伍さんのことだからもっとこう」
「もっとこう?」
「普通にちんぽとか玉袋とかから洗ってるのかと……」
「……まあ、それも否定はしねえけど」
「でしょ? サウナとかでも金玉伸ばしてるし水風呂でも冷やしてたりするもんな」
「お前なんでそんなとこまで見てんだよ」
「いやその、えっちだなって思って……へへ……」
「……お前なぁ」
「わーっごめん、呆れないでっ。え、えーとしっぽ、尻尾ね? ちょっと待ってなブクマしてたはずだから……でも尻尾のイメージなかったけどなぁ……」
「そりゃそうだろ」
「え、なんでさ」
「なんでってそりゃ……お前が俺の体洗ってるとこ見る機会なんてそもそも少ないだろ?」
「いやでも一緒に入ったりするじゃん? そん時どうだったかなーって思って……あ、見られるの気にしてその時は洗ってないとか?」
「いや……まあ当たらずとも遠からずだが、大体お前と入るときってヤった後とかヤる前だろ……?」
「え、あ、まぁ……そ、そうかも」
「だったら流石に俺も尻尾以外のとこから洗うってだけで、お前が見てないのも無理ねえンじゃねえか」
「それは……口ぶり的に、尻尾洗ってる場合じゃねえ的な……?」
「……まあ、そういうことだな。別に洗ってるとこ見られても何とも思わんしな」
「前の尻尾が黙っちゃいない……ってコト?!」
「お前ね」
「ごめん今のはぼくが悪かった」
「はぁ……んで、診断とやらはなんだって?」
「あ、そうだった。えーとね……あっ」
「?」
「これ、ヒト用の診断だった……」
「ダメじゃねェか」
「まあそう気を落とさないで、こうなったら俺が代わりに診断するから!」
「本末転倒だろ、」
「ン~……風呂場で尻尾から洗うムキムキで素敵な恋人のアナタは……そうですね……いやでも、こっちも捨てがたいな……」
「絶対そんな組み分け帽子みたいな調子じゃねえだろ、その診断」
「出ました!」
「おう」
「ズバリ、『寂しがり屋』でしょう!」
「……」
「普段は大人っぽく気丈に振舞っていますが本質的には構ってちゃんなので、寂しがらないように適度に構ってやる必要があります」
「……」
「よ~しよし今日もかわいいねぇ~ん~お顔も凛々しいね~、どしたの~? わぁ~お耳ふさふさだね~」
「(心底不愉快そうにゴミを見る目)」
「恋人に向ける目じゃなくないか?」
「そうさせてるのはどこの誰だ?」
「…………う、腕の縞々もかっこいいね〜」
「そんで続けンのかよ……」
「始めた以上責任は取らないと……!」
「時折発揮するその芸人根性はなんなんだ、人間はもっと弱くていいはずだろ」
「まあこれはその、収拾がつかないとも言います」
「いつものことだろ」
「それもそうか」
「……で、オチは?」
「何にでもオチを要求するの、人間の悪い癖だと思います」
「そうか? せっかくどうやって尻尾洗ってるか教えようと思ったんだが」
「えっ!? ほんと!?」
「嘘」
「…………」
「いや、普通に夜見ればいいだろ。どうせ一緒に入ンだろ?」
「あっ……う、うん、それもそうだね……」
「そこは照れるのかよ……」
「『こっちの尻尾も洗ってもらおうか?ギンッ……』とかするのかなって思って……」
「……いや俺が何か言う前にお前のほうから触ってくるだろうが」
「それは、まあ……というか悠伍さんだって体洗ってやるとか言ってあっちこっち触るくせに!」
「当たり前だろ、恋人の体なんだから触り放題で何が悪い」
「……」
「…………メシの前に風呂行くか?」
「……行く」