DESCRIPTION
「どう? 男バレ今年は全中行けそ?」
茹だる様な暑さの体育館で夏休み中の練習後、
そう言ってきたのは幼馴染の葵衣(あおい)だ。
「無理なのわかって聞いてるよな・・・⁉」
葵衣の所属する女子バレー部は、県の強豪で全中の常連、
しかも葵衣は、今年チームののエースときている。
知らない間に背も追い抜かれるし、バレーの実力も
追い抜かれてしまった。
もともと、引っ込み思案な葵衣をバレーボールに誘ったのは
俺なのに・・・
「何か自信なさそうだねぇ?一緒に自主練していく?w」
「しねぇよ!だいたい補欠の俺を誘っても背負うがないだろ・・・」
「えぇ~!私は、かっちゃんと練習したいなぁw」
「なに言ってんだか・・・」
「私は、かっちゃんと全中いけたら嬉しい・・・」
「からかうのもいい加減に・・・」
横に並んで座っている葵衣の顔を見ると、
ちょっと目を潤ませて、俺を見つめていた。
「・・・・・・」
「今日は帰るわ・・・」
急に気恥ずかしくなった俺は、あわてて立ち上がった。
なぜか?恥ずかしそうに頬を赤らめる葵衣は、
「うん・・・」
とだけ言って、ニコッと笑う。
「そう言えば、葵衣の家って、因尾山の方だったよな?
最近、変質者が出るらしいから気をつけろよ!!」
気まずさを紛らわせるため、何でもない話をして
俺は帰宅した。
その日の夕方、葵衣は複数の男に因尾山の奥に連れ込まれ
レ●プされた・・・
俺は後悔している・・・
葵衣と自主練すればよかった・・・
一緒に帰ればよかった・・・
守ってやれればよかった・・・
葵衣は今入院中で、俺に会いたいと言っているそうだ・・・
今はまだ、俺は葵衣に会う勇気がない・・・