DESCRIPTION
彼女の名前はアンジェラ。
魔法王国を統治する理の女王の一人娘。
ある日、突如優しかったはずの母が変貌し彼女は王国を追い出され、その原因の追究と解決のために旅をしていた。
世界には様々なモンスターがいるが、彼女は得意の魔法を操りことごとくその障害を退けていた。
度重なる強敵との戦闘のうちにたどり着いた生物として極みの境地、Lv99…
そんな強さを極めた彼女も人の身である以上人としての生活は必須であった。
そしてそれに付随する問題がいつものように今日も訪れていた。
「旅の資金が……どうしよ~~…」
なんとかやりくりしていた資金も底をつく…
宿に泊まるための資金も足りず、彼女は途方に暮れていた。
そこへタイミングを計ったように怪しい男が近寄ってくる。
「へへへ、お嬢ちゃん…いい仕事探してないかい?」
「え、なになに!?」
彼女は旅人ではあるが、温室育ちの期間が長かったためか人を信じすぎるところがあるようだ。
「お嬢ちゃん、闘うのは得意かい?へへ、素手の話だがな。」
「私、専門は魔法なんだけど……」
引き下がろうとしたが、背に腹を変えられない彼女はグッと恐怖心や自身のなさを堪え、取引に応じた。
「げへへ、大丈夫だ…お嬢ちゃんの体なら…金になる」
男の思惑通り、彼女を拳闘場に引き連れることに成功した。
彼女の若く鍛えられたしなやかな体、整った美しい顔立ち、そして何より男の劣情を掻き立てる豊かな乳房……
「(これは、いい見世物になる…対戦相手の男に嬲られる姿はきっと観客も大喜びだ……)」
「さぁ、お嬢ちゃん、出番だ…」
「ちょっと…!何よこれ!?この格好で出ろっていうの!?」
両手には拳闘用のグローブ(ボクシンググローブ)、短い履物にロングブーツ、だが上半身は何も着るものがない。
「当たり前だ!ここでは男女の垣根等ない、同じ格好で正々堂々闘うんだからな…」
「うそ、信じらんない…!」
「さぁ、ぐだぐだ言ってないで行け!!」
男に押し出されるように彼女はリング上に案内された。
連れ出されたという方が正しいのかもしれない。
ワーーーーーーーーー!!!!!
突如耳をつんざくほどの大歓声。
そこにはリングを囲むようにたくさんの観客。
すでに会場は彼女の登場により熱狂の渦中にあった。
すでにリングの対角には対戦相手のガタイのいい男がたたずんでいた。
明らかに実力者だ。
「あの人を倒せばいいのよね?」
「へへへ、そうだ…それができればな………」
彼女は詳細が何もわからいまま試合開始のゴングが鳴ってしまった。
カーーーンッ!!
彼女がわかったことはどうやらこの男を拳で倒せばいい、ということだった。
「私があの人を殴り倒せって言うの?そんなの…」
彼女はこれまでの旅で盗賊、魔物、獣人、様々な敵と戦い、退けてきた。
そしてたどり着いたLv99……
今更、人など敵ではない。
対戦相手の男の攻撃、あくびが出るほどに、遅い。
ボッ!!
空を切る男の拳…
「なっ!?」
想定だにしない出来事には男から驚嘆の声が漏れる。
「悪いけど、賞金は軽くいただくわよ!」
バチンッ!!
彼女の軽く繰り出したパンチが男に当たる。
だが軽く繰り出したはずのパンチは男を大きく弾き飛ばした。
「あら……?」
相手の男がよろける姿を見て、彼女は何か高揚するような謎の感情を感じていた。
「あは、そうね❤」
彼女の内で何かが目覚めたようだった。
「そうよ、そうよね!せっかくこんな形で戦う機会があるんだから…楽しまないと…ね…❤」
妖艶の笑みを浮かべる彼女。
もう先ほどの彼女のパンチで大ダメージを負った男はグロッキーになっていた。
その男の元へ彼女が高速で近寄る。
見たものを誘惑する魅惑の双丘を思う存分揺らしながらパンチを繰り出す。
彼女には魔法のほかに得意技があった。
修行の末に身に着けた"必殺技"、「10t」
10tの重りを召喚して相手を圧殺する技なのだが、その10tの重りを容易く操るにはすさまじい腕力が必要なのだ。
そう、その腕力はパンチにも存分に活かされる。
「10t!!!!」
彼女のパンチの一撃一撃がまさに10tの重さの威力。
そのパンチが幾度となく男に叩き込まれる。
ドボッ!!グシャッ!!グチュッッ!!!ドゴォォォ!!バガァァッ!!
「あびゅっ!?げぶっ!?おべぇぇっ!!」
そのパンチに全く耐えることのできなかった男はその場に卒倒する。
「あは❤」
「必殺技で決まったわね、気持ちよかった~❤」
彼女はすっかりその拳の感触に虜になっていた。
拳闘と呼ばれた怪しい見世物試合はアンジェラ、彼女の圧勝で幕を閉じたのだった。
そして、彼女は今宵枕を高くしてぐっすり眠れたのだった。