放課後のトレセン学園。西日が差し込む使われていない空き教室には、数人のウマ娘たちの甲高い笑い声と、それに反比例するような、鼓膜を劈く極小の悲鳴が響き渡っていた。
「ギャハハハ!見てよコイツら、超ウケるんだけど!」
「マジで虫じゃん。踏んだらプチッて鳴るかな?」
「いやいや、コイツら人間と同じ形してんじゃん。踏んだらグチャッて感じでしょ。キモーい。でもちょっと潰してみたいかもー」
ウマ娘三人組の彼女たちが囲んでいる机の上には、透明なプラスチックの虫かごが置かれていた。
その中にいるのは、タキオンの実験室から漏れ出した(多分)身長わずか1センチほどの小人たち、十数名だった。
「ひぃぃぃっ!出してくれ!」
「た、助けて!何も悪いことしてないじゃないか!」
必死にプラスチックの壁を叩き、見上げるほど巨大なウマ娘たちに向かって命乞いをする小人たち。しかし、彼らの必死の形相は、ウマ娘たちにとって最高のエンターテインメントでしかなかった。
「ねえ聞いてよ、コイツら『悪いことしてない』って言ってるー!」
「ウケる!存在自体が目障りなんだっての。アタシらの目の前に勝手に湧いたゴミのくせに、いっちょ前に命乞いとかマジ笑えるんですけど」
「ほらほら、もっと泣き叫んでよ。お前らみたいな最底辺のミジンコが絶望する顔、サイッコーに気分いいからさ」
一人のウマ娘が、虫かごのケースを指先で弾く。ピンッという軽い音と共に、ケース全体が激しく揺れ、中にいた小人たちはピンボールの球のように弾き飛ばされ、壁に激突して鼻血を流した。
「あーあ、脆すぎ。やっぱただの虫だわ。すぐ壊れちゃいそー」
そんな残酷な遊びに興じる彼女たちの輪のすぐ後ろで、もじもじと指を絡ませながら立っている一人のウマ娘がいた。
黒い帽子に、青いバラの飾り。華奢で小柄な体格に反して、豊満に育った安産型の大きな臀部と太ももを持つ少女、ライスシャワーだった。
「あ、あの…みんな……えっと……」
ライスは、困ったように眉を下げ、控えめな声で友人たちに声をかけた。
「ん?どうしたのライス。一緒に見る?」
「えっと、その……こういうのって、お兄さまとか先生に見つかったら、怒られちゃわないかな……って……」
彼女は、小人たちが可哀想というよりは、自分たちが「いけないこと」をして後で怒られるのではないかという、ルールや他人の目を気にしているような、どこかピントのずれた戸惑いを見せていた。
「えぇ?何言ってんのライス。こいつらただの害虫じゃん。駆除してやってるんだから、むしろ褒められるっての」
「そーそー。ライスってば真面目すぎぃ。こんなゴミムシのことで怒られるわけないじゃん」
「……あ、待って。アタシ、超いいこと思いついたんだけど」
リーダー格のウマ娘が、ニヤリと口角を歪めた。彼女の視線は、虫かごの小人たちから外れ、おどおどしているライスの下半身…むっちりと肉を蓄え、ブルマの生地をはち切れんばかりに伸ばしている、その巨大なデカケツへと向けられた。
「ねえライス。ライスってさぁ、いっつも大人しいけどさ……体つき、特に下半身はすっごい立派だよねぇ。お肉たっぷりでさ」
「えっ……?ひゃっ、えっと……そ、そんなことないよぉ……」
ライスは恥ずかしそうにお尻を両手で隠そうとする。しかし、隠しきれる質量ではなかった。
「アタシ、いっつも思ってたんだよねー。ライスのその特大サイズの安産型デカケツだったら、何でも潰せそうだなって」
「うわ、天才!それ絶対面白いやつ!」
「ねえライス!ちょっとコイツら、ライスのお尻で潰してみてよ!」
友人たちの残酷な提案に、ライスは目を丸くした。
「ええっ!?む、無理だよぉ……!ライスが、お尻で……?そんなの、やったことないし……」
「えー、いーじゃんライス。ただ座るだけだよー?」
「そうだよ、ただの害虫退治じゃん。ここは1つさ?」
「この前もさー、誘ったの断ったじゃん?今日くらい付き合ってよー。ね?お願い!」
「えぇ……でも……」
強引に迫る友人たち。生来の押しに弱い性格のライスは、彼女たちの勢いに完全に呑まれ、これ以上強く拒絶することができなかった。
「ほら、決まり!準備するからさ!」
友人たちはライスの躊躇いをあっさりと押し切り、教室の真ん中に置かれた、座面が硬い木製の椅子を引っ張り出してきた。そして、虫かごのフタを開けると、無造作にケースをひっくり返し、十数人の小人たちを椅子の座面へとぶちまけた。
「「「ぎゃあああああっ!」」」
「い、痛いっ!」
硬い木の上に叩きつけられ、うめき声を上げる小人たち。
友人たちは、その周囲をぐるりと囲み、スマートフォンを構えて録画の準備を始めた。
「さーて、ゴミムシども!耳の穴かっぽじってよーく聞けよ!」
リーダー格のウマ娘が、底意地の悪い笑顔で小人たちを見下ろした。
「お前ら、今から『処刑』されまーす!しかも、ただ潰されるんじゃないからね。ほら、あっち見てみ?」
ウマ娘の指差す先。そこには、えっとえっと、と戸惑いながらも、友人たちに背中を押されて椅子の前に立たされている、ライスの姿があった。
小人たちの視界に、ブルマに包まれた、山脈のように巨大で、圧倒的な質量を誇るお尻が飛び込んでくる。
「ひ……!な、なんだあれは……!」
「で、でかすぎる……!山かよ……!」
「ギャハハ!ビビッてるビビッてる!そうだよ、今からお前らは、あのライスの超特大デカケツの下敷きになって、ペーストになるんだよ!」
「見なよあのデカケツ!脂肪と筋肉がぎっしり詰まった、最強のプレス機だよ?お前らみたいな塵以下の存在は、あの重たいお尻に押し潰されて、プチプチッ、グチャァッ!って音立てて死んでいくの!想像しただけで笑い止まんないんだけど!」
「おい、もっとよく見とけよ!これがお前らの死神になるお尻だぞ!ブルマがパンパンで、今にもはち切れそうじゃん!お前らのそのスカスカの細い骨、ライスのあんな重たいお肉の塊に耐えられるわけないよなぁw」
「座られた瞬間、全身の骨が粉々に砕けて、内臓がパァンッ!て弾け飛ぶんだよ!あー、椅子が汚れちゃうかもだけど…まあいっか!」
「いやだ!いやだああああああっ!!」
「お願いです、許してください!潰さないで!あんな巨大なお尻の下敷きになるなんて、そんな死に方いやだっ!」
「狂ってる!悪魔だお前ら!!」
発狂したように泣き叫び、逃げ惑おうとする小人たち。しかし、彼らが逃げられる場所など、どこにもなかった。椅子の座面は彼らにとって広大な平原であり、周囲は巨大なウマ娘たちに包囲されている。
「ほーらライス、準備できたよ!後は座るだけ!」
「お前ら、ライスのお尻の感触、しっかり味わいながら死ねよ!ライスみたいな可愛い女の子が乗ってくれるなんて、お前らみたいなゴミには分不相応なご褒美じゃん?光栄に思いなよ!」
ライスは、椅子の前に立ち、ちらりと後ろを振り返った。
座面の上で、米粒ほどの大きさの何かが、必死に動き回っている。
(……本当に、潰しちゃっていいのかな……。なんだか、ちょっと可哀想な気もするけど……でも……)
ライスは、スマートフォンを構えて大はしゃぎしている友人たちを見た。
自分がここで断れば、せっかくの楽しい空気を壊してしまう。みんなの期待を裏切ることになってしまう。
(みんなが『害虫』って言うんだから……悪いことじゃないよね。ライス、みんなのお願い、ちゃんと聞いてあげなきゃ……)
押しに弱い彼女の心は、あっさりと同調圧力に屈した。強い罪悪感はない。ただ、「みんながやれと言うからやる」という、受動的な決意だけがあった。
「えっと……じゃあ、座るね……?」
「ゴミムシども、上を見ろ!今から潰されるんだから今のうちに精々目に焼き付けとけよw」
友人たちの煽り声に釣られ、小人たちは本能的に上を見上げた。
そこには、空がなかった。
視界の全てを覆い尽くす、濃紺のブルマの生地。
ウマ娘特有の、強靭な筋肉と豊かな脂肪が合わさった、あまりにも巨大すぎる二つの肉のドーム。
それが、ゆっくりと、しかし確実な死の宣告として、彼らの頭上へと降下してくるのだ。
「ひぃぃぃぃぃぃっ!!!」
「くるな!来ないでくれ!!!!」
ずむぅぅぅぅぅぅ…………。
ライスは、緊張もなく、ただ言われた通りに、ゆっくりと膝を曲げ、腰を下ろしていく。
小人たちの顔に、ブルマの生地が放つ熱気と、トレーニングで汗ばんだウマ娘の体臭が、濃密な死の匂いとなって吹き付けた。
光は完全に遮断され、座面の上は完全な暗闇に包まれる。
「あはははは!見て、完全に影に入った!あいつらもう何も見えてないよ!」
「人生の最後がデカケツに押し潰されるとかwかわいそーw」
「ほら、もっと足掻きなよ!ライスの重たいお肉が迫ってくる恐怖から逃げろ!」
「やめろォォォォォォッ!!!」
小人たちの最後の絶叫が響き渡る。
ライスは、小さく「えいっ」と呟きながら……
ドスンッ!!!!!!!!
ついに、彼女は椅子の座面に、その巨大なデカケツの全体重を預けた。
メチャッッ!!!グチャァァァァァァァッッッ!!!
バキバキバキバキバキッッ!!!!
それは、到底、生き物が発したとは思えない、おぞましい破壊音だった。
十数人の小人たちの脆弱な肉体は、ライスシャワーというウマ娘の、中でも特に質量を備えた巨大な臀部と、硬い木製の椅子の座面との間に完全に挟み込まれた。
柔らかく分厚い脂肪と筋肉が、彼らの逃げ場を一切奪い、上から下へと容赦なく圧殺する。
小さな頭蓋骨はスイカのように弾け飛び、肋骨は爪楊枝のようにへし折れ、内臓は圧力の逃げ場を失って体外へと一斉に噴出した。
彼らが感じた苦痛は、一瞬だっただろう。だが、その一瞬に凝縮された恐怖と絶望は、計り知れないものだった。
「うわっ!!いい音ぉぉぉ!!」
「ギャハハハハ!最高!マジで一瞬で潰れたじゃん!」
「やばーい、ライスのデカケツ、マジで最強のプレス機じゃん!」
小人たちの命が消え去った悲惨な音を聞いて、友人たちは手を叩いて大爆笑し、狂喜乱舞した。
ライスは、座ったまま、少しだけ目を瞬かせた。
彼女のお尻の感覚神経は、その下で起きた出来事を、生々しく脳に伝えていた。
(……あ、なんか……お尻の下で、プチプチって……潰れた……)
硬い木製の椅子の上に座ったはずなのに、彼女の臀部と椅子の間には、確かな厚みと湿り気があった。
押し潰された小人たちの肉と骨の破片、そして体液が、彼女のブルマにべっとりと染み込み、奇妙なクッションのような役割を果たしてしまっていた。
(ぐちゃってしちゃった……。ちょっと気持ち悪い感触だけど……でも、みんな笑ってる)
彼女は、自分が命を押し潰してしまったという事実よりも、友人たちが盛り上がってくれていることへの安堵感の方が勝っていた。
「ねえライス、お尻の下、まだ生きてる感じする?」
リーダー格のウマ娘が、スマートフォンのカメラを向けたまま、興味津々といった様子で尋ねてきた。
ライスは、もじもじとしながら、自分のお尻の下の微かな感触に意識を集中させる。
彼女の巨大で柔らかい尻の下敷きになっているのは、一瞬の圧力で弾け飛んだ者たちだけではなかった。運悪く、骨盤の隙間や肉の窪みにハマり込み、即死を免れた数名の小人たちが、暗闇の中で絶望的な痛みに喘ぎながら、ぴくぴくと痙攣していたのだ。
「えっと……あ、ちょっとだけ……ぴくぴくって、してるかも……」
「マジで!?うっわ、しぶとーい!まだ生きてるなんて、もうゴキブリじゃん!」
「キモwねえライス、そのまま完全に動かなくなるまで、お尻ですり潰してよ!」
「ええっ!?す、すり潰すの……?」
ライスは少しだけ驚いたように目を見開いた。
「そ!ぐりぐりーって!腰を回してさぁ!」
「そうそう、椅子とライスの重たいデカケツで、ゴリゴリすり鉢みたいにやっちゃって!早く早く!ペースト状の綺麗なジャムになるまでやっちゃって!」
「あいつらの骨が粉々になる音、動画にバッチリ収めたいからさぁ!お願いライス!」
友人たちの過激な要求と、スマートフォンを構えた熱狂的な眼差し。その期待に満ちた空気を前にして、ライス
が「嫌だ」と言えるはずがなかった。
「う、うん……わかったぁ……やってみるね……」
彼女は従順に頷くと、木製の硬い座面に向け、自らの巨大な臀部を、ゆっくりと、しかし確かな体重を乗せながら動かし始めた。
最初は、遠慮がちに。右に、左に。
ぐりっ……ぐりっ……
「ひっ……!ぎぃぃ……っ!」
まだかろうじて意識のあった小人たちから、地獄の底から響くような断末魔が漏れる。
だが、その微かな声は、ライスシャワーの豊かな肉と分厚いブルマの生地に完全に封じ込められ、外の世界には一切漏れ出ない。彼らの悲鳴は、彼らをすり潰している張本人であるライスのお尻に、微かな振動として伝わるだけだった。
「おおっ!いいよライス!もっと体重かけて!もっと激しく!」
「腰をこう、円を描くように回してみて!」
友人たちの煽りに乗せられ、ライスは言われた通りに、腰の動きを徐々に大きく、そして激しくしていった。
彼女の安産型の立派な骨盤と、椅子の硬い木材との間で、小人たちはすり鉢にかけられた状態だった。
みりっ……めりめりっ……ぐちゅ、ぐちゅぐちゅ……。
彼女が腰を回すたび、お尻の下からは、残っていた小人たちが完全に粉砕される、おぞましい音が絶え間なく鳴り続けた。
砕けた骨の鋭い破片が、彼ら自身の内臓を突き破り、肉を切り裂いていく。そして、ライスの圧倒的な体重によるすりおろしによって、それらは全て泥のように混ざり合い、赤いペーストへと変わっていく。
(あっ、すごい……。なんか、下でぐちゃぐちゃになってるのが、お尻に伝わってくる……)
ライスは、その生々しい感触に少し頬を赤らめた。
最初は気持ち悪いと思っていた感触が、何度も腰を擦り付けているうちに、奇妙な麻痺を伴って、彼女の感覚を麻痺させていく。プチプチと硬いものが砕ける感触が減り、代わりに、ねっとりとした温かい液体がブルマの繊維に染み込み、座面との間で潤滑油のように滑る感覚へと変化していく。
「えへへ……なんだか、お尻がぬるぬる滑るようになってきたかも……」
「ギャハハ!最高じゃん!もっとやってライス!完璧に平らになるまで!」
「いいぞいいぞ!ライス最高!もっとグチャグチャに混ぜて!」
友人たちの狂気に満ちた実況が、空き教室に響き渡る。
ライスは、もう戸惑っていなかった。友達がこんなに喜んでくれている。自分のこの大きなお尻が、みんなを楽しませている。その事実が、彼女の罪悪感を完全に麻痺させ、行動をエスカレートさせた。
ぐりゅり……ぐじゅぐじゅぐじゅっ……ねちゃぁ……。
彼女は少し楽しげな表情すら浮かべながら、何度も何度も、執拗に腰を回し、すり潰し続けた。
もはや、下敷きになっているのが命を持つ生物だったことなど、彼女の頭からは消え去っていた。ただ、友達の
期待に応えるために、座面の上の汚れを完全に均等なジャムにする作業をこなしているだけだ。
やがて、硬い骨が砕ける音は完全に消え去った。
残ったのは、ただ粘り気のある水分が、ブルマの布地と木の板の間で擦れるような、じゅるり、じゅるりという不快な水音だけ。
「……もう、硬いところ……なくなっちゃったみたい。動くのも、全然ないよ」
ライスは腰の動きを止め、ふぅ、と小さく息をついた。
「よし!じゃあ立ってみてよ!どんな風になってるか見たい!」
友人たちに急かされ、ライスシャワーは「うん」と頷き、ゆっくりと腰を浮かせた。
べりべりべりっ……、ねちゃああぁぁぁ……。
血と内臓と肉のペーストをたっぷりと吸い込んだブルマの生地が、木製の座面から引き剥がされる。それは、分厚いガムテープを無理やり剥がすような、酷く粘り気のある、不快極まりない音だった。
椅子の座面には、もはや小人の原型を留めている者は、一人もいなかった。
頭も、手足も、判別できない。あるのは、完全にすり鉢ですり潰された原形をとどめない骨と臓器の残骸、そしてそれらが均等に混じり合った、広範囲に広がる赤黒い、酷く生臭い肉のペーストだけだった。
そして、ライスシャワーのブルマの臀部にも、彼女の安産型の丸みに沿って、その赤いペーストがべっとりと、スタンプのようにこびりついていた。
「うっっっわ!グロッ!マジでジャムみたいになってる!」
「ギャハハハ!ライスのデカケツ、破壊力ヤバすぎでしょ!あんなにいたゴミムシが、全部まとめてこの染み一つになっちゃった!」
「最高最高!これ動画撮ったから、後でグループに流そーっと!ライスのデカケツ処刑、絶対バズるって!」
ゲラゲラと手を叩いて笑い合う友人たち。彼女たちの目には、命を弄んだことへの罪悪感など微塵もない。
ライスは、振り返って自分が座っていた座面の惨状を見下ろした。
そして、自分のお尻が作り出してしまったその無惨な光景を前に、少しだけ困ったような、へらっとした愛想笑いを浮かべた。
「えへへ……。お尻、真っ赤に汚れちゃったね……。これ、お洗濯で落ちるかなぁ……?」
彼女の言葉に、生命を奪ったことに対する反省や罪悪感は、もはや完全に欠落していた。彼女が気にしているのは、ブルマの汚れと、この後の洗濯のことだけだった。
ただ、冷酷な笑い声と、むせ返るような血と内臓の生臭い匂いだけが、夕暮れの空き教室に充満していた。
友人たちがスマートフォンに映った処刑動画の再生と見せ合いで盛り上がっているその傍らで、ライスの視線が、ふと、椅子の脚の影へと落ちた。
薄暗いホコリにまみれた床の隅。そこに、小さな、本当に小さな黒い粒が、ガタガタと激しく震えているのが見えた。
(……あ)
ライスは目を丸くした。
一人の小人が、床に落ちていたのだ。おそらく、座面の端から床へとこぼれ落ち、地獄から間一髪で逃れた生存者だった。
小人は、頭上の座面から滴り落ちてくる仲間たちの血と内臓の雨を全身に浴びながら、信じられない惨劇を特等席で見上げ、恐怖のあまり声も出せずに腰を抜かしていた。
ライスは、盛り上がっている友人たちをちらりと盗み見た。彼女たちはまだ画面に夢中で、床の隅にいる生存者には全く気づいていない。
ライスの胸の奥で、何かが小さく、しかしひどく生々しく跳ねた。
それは、彼を助けたいという慈悲ではない。もっと歪で、もっと残酷な……自分の中に生まれたばかりの、ドロドロとした好奇心だった。
(まだ、生き残りがいたんだ……)
彼女は、誰にも気づかれないように素早くしゃがみ込むと、床の上の小人に手を伸ばした。
「ひっ……!く、来るなっ……!やめっ……!」
小人が掠れた声で命乞いをするが、ライスはそれを全く聞く耳を持たず、両手でそっと、しかし絶対に逃げられないような力強さで彼を包み込んだ。そして、そのまま自分のブルマのポケットの奥深くへと、素早く滑り込ませた。
「……ねえ、みんな」
ライスはゆっくりと立ち上がり、何事もなかったかのように友人たちに声をかけた。
「ん?どしたのライス?」
「えっと、ごめんね?ライス、ちょっと……お兄さまに頼まれてた用事を思い出しちゃって。急いで行かなくちゃいけなくて……」
「えー、もう帰んの?せっかく今からこの動画にスタンプとかエフェクトつけて遊ぼうと思ってたのにー」
「ごめんなさい……また、明日ね?」
「まあいっか。ライス、今日はありがとね!また遊ぼ!」
「バイバーイ!」
友人たちの軽い見送りを受けながら、ライスは足早に空き教室を後にした。
夕暮れの廊下を歩きながら、ライスはポケットの中にそっと指を差し込み、ガタガタと震える小人を二本の指でつまみ上げた。
そして、歩みを止めることなく、そのまま彼を自分の顔の高さまで持ってくる。
「……さっきは、ごめんね?」
それは、心の底からの謝罪とは程遠い、羽のように軽い言葉だった。
「ライス、あんなことするつもりなかったんだけど……でも、みんながやれって言うから。ライス、断れなくて」
言い訳をしながらも、歩きながら小人を見つめる彼女の瞳に罪悪感はない。それどころか、甘く歪んだ好奇心で満ちていた。
彼女の臀部には、まだ先ほど小人たちを完全にすり潰した時の、骨がミシミシと砕け、肉がぐちゃりと平たくなる、あの悍ましくも生々しい感触が色濃く残っている。
「でもね……ライス、さっきお尻でみんなをぐちゃぐちゃにしちゃった時の感触が、まだ残ってるの。最初は気持ち悪いって思ったんだけど……でも、お尻の下で、みんなが潰れてくあの感じ……。なんだか、とっても不思議な気持ちになっちゃって」
「ひっ……あ、悪魔……!降ろしてくれ!」
「悪魔じゃないもん。ライスだよ?ねえ、もっと知りたいなって思っちゃったの。だから、教えて?」
ライスは歩き続けながら、無邪気な、しかし底知れない狂気を孕んだ声で尋ねた。
「ライスのお尻が、上から降ってきた時……下から見てて、どんな風に見えたの?どんな気持ちだった?」
「い、嫌だ……思い出したくもない……!お前ら、みんなイカれてる……!」
「ねえ、教えてってば。教えてくれないと、ライス、困っちゃうな……」
ライスは、つまんでいる指先に、ぎゅっと少しだけ力を込めた。
「…っ!」
肋骨が軋む。少しでも力を込められれば、先ほどの仲間たちと同じように、ここで潰れて死ぬことになる。
「ほら、お話しして?言わないなら、今ここで、この指でプチッてすり潰しちゃうよ?」
「い、言う!言うから!潰さないでくれ!」
脅迫に屈した小人は、空中で宙吊りにされたまま、涙と鼻水を流し、全身をガタガタと震わせて語り始めた。
「そ、空が……真っ暗になったんだ……!お前の、その……巨大な塊が、空を全部覆い尽くして……逃げ場なんて、どこにもなかった……!」
「うんうん、それで?」
ライスは、面白くてたまらないというように、目を輝かせながら相槌を打つ。
「ものすごい熱気と……汗のむせ返るような匂いがして……それから……!」
「ライスのお尻、そんなに汗かいてた?ふふっ、恥ずかしいな。……でも、すっごく大きくて、逃げられなかったでしょ?ねえ、その時、どう思ったの?もうダメだ、潰されるって、絶望した?」
ライスは小人の顔を覗き込み、ねっとりと煽り立てる。
「…あぁ、も…、もう……終わりだって……」
「そうなんだ!それから?それから、どうなったの?」
小人の脳裏に、あの絶望的な光景がフラッシュバックする。圧倒的な質量の前に、虫けらのように潰れ、弾け飛んだ仲間たちの姿。
「みんな……一瞬で、グチャグチャに……お前の肉の下敷きになって……!骨が折れる音と、肉が潰れる音が響いて……みんな、みんなペーストになって……!!」
「そっかぁ。みんな、ペーストになっちゃったんだ」
ライスはつまんでいた小人を、自分の背後……あの惨劇を引き起こし、今もなお凶器としての存在感を放つ巨大なデカケツの方へとゆっくり移動させた。
「ひっ……!な、何をするんだ……!?」
「ほら、よく見て?」
小人の視界に、彼女のブルマにべっとりと張り付いた、赤黒い生々しい染みが飛び込んでくる。それは、数分前まで一緒に言葉を交わしていた、仲間たちの成れの果てだった。
骨や肉の繊維が、ブルマの布地にこびりつき、むせ返るような血と内臓の匂いを放っている。
「これが、小人さんのお友達の今の姿だよ。ライスのお尻に押し潰されて、こんなに綺麗なジャムになっちゃったの。とっても綺麗でしょ?」
「ああ……ああああっ……!!」
「ねえ、小人さんの仲良しのお友達、どーこだ?この赤いとこかな?それとも、こっちのよく分かんないのがいっぱい混ざってるとこかなぁ?ライスのお尻のほっぺたに、みんな仲良くくっついてるよ。もう誰が誰だか、全然わかんないね。ライスがぐりぐりってしたからかも」
彼女は、小人の顔をその生々しい染みの数センチ手前まで近づけ、狂気の笑みを浮かべて言い放った。
「あんなにたくさんいたのに、たったこれだけの染みになっちゃうなんて。小人さんたち、本当に弱いよね」
「だぁぁぁっ!狂ってる!お前、頭がおかしいぞ!」
小人が絶望のあまり発狂寸前になるのを、ライスは心底楽しそうに眺めた。
「ねえ、教えてくれてありがとう。とっても参考になったよ。……それでね」
カチャリ、と鍵を開け、部屋に入る。
「小人さんは、どうやって死にたい?」
ライスは小人を机の上に転がす。小人は、錯乱したように叫び、机の上で暴れ始めた。
「ふ、ふざけるな!なんで俺が死ななきゃならないんだ!俺は生き残ったんだぞ!助けてくれるんじゃないのか!?お前が助けたんだろうが!」
その必死の抗議に対し、ライスは、少しだけ悲しそうな、心底困ったような顔をした。
「え……?だって……みんな、ライスのお尻で潰れちゃって、あんなに綺麗に潰れちゃったのに……小人さんだけ生きたまま残るのって、なんだかすごくおかしいかなって…。」
「おかしいのはお前の頭だ!!」
「小人さんだけ生き残ったら、仲間外れになっちゃうよ?それって、すごく不公平だよね。ライス、一人ぼっちは可哀想だと思うの。だから、小人さんもみんなと同じにしてあげなきゃって」
「そんな理不尽な……!やめろ、ふざけるなっ!俺は死にたくない!」
小人が必死に逃げ出そうと机の上を走り出すと、ライスはわざとらしく、深いため息をついた。
「そっか……。ライスに潰されるのは、そんなに嫌なんだね。わかった」
彼女の巨大な手が伸び、逃げる小人をふんわりと捕まえた。
「じゃあ、さっきの三人のところに持っていってあげようか?」
「え……?」
小人の動きが、ピタリと止まる。
「あの子たち、すっごくそういう遊びが好きなの。ライスより、ずっとずっと残酷なこと、平気でできちゃうんだよ?」
「あの子たちに引き渡したら……どうなるか、わかるよね?ライスみたいに、お尻で一瞬でドスンって潰してあげるような優しさ、絶対ないよ?」
「例えばね……あの子たち三人にぐるっと囲まれて、上から一斉にドロドロの唾をペッ、ペッて吐きかけられるかも。小人さんの体なんて一瞬で唾液の海に沈んじゃうから、ネバネバした他人の唾の中で、息もできずに溺れていくの。あの子たち、それを見て『キモいキモい!』って大爆笑しながら、スマホで動画撮るんだよ?」
「ひぃっ……!」
「一日中履いてた蒸れ蒸れのローファーの中に放り込まれるかもしれないよ?足の裏で踏まれ続けて、分厚い指の間に挟まって、汗でぐじゅぐじゅになりながら……あの子たちが一歩歩くごとに内臓を絞り出されるの。暗くて、息苦しくて、絶対に抜け出せない地獄だよ」
「い、いやだ……!」
「あとは……汗びっしょりの脇の下に挟まれて、熱気と匂いでじわじわ蒸し焼きにされたりするかも。ウマ娘の体温ってすごく高いから、挟まれたまま身動きも取れずに、サウナみたいにゆっくりと息絶えていくの。」
「やめろ……もうやめてくれ……!」
「太ももの間に挟まれるのもあるかも。ウマ娘の太ももってすごく筋肉質だから、万力みたいにギリギリって締め上げられるの。内臓が口から飛び出しそうになっても、あの子たちはお構いなしに足を組んで、小人さんの体をすりこぎみたいにぐちゃぐちゃにすり潰しちゃうんだよ」
小人の顔から、全ての血の気が失せていく。あの空き教室での、ウマ娘たちの狂気に満ちた嘲笑と冷酷な眼差しが脳裏に蘇る。あいつらの手に渡れば、間違いなく、今の言葉通りの、あるいはそれ以上の、地獄よりも凄惨な拷問が何時間もかけて行われる。
「でも……ライスのお尻なら、一瞬だから」
ライスは、悪魔の囁きのように、甘く優しい声でその言葉を落とした。
「ライスのお尻の下なら、真っ暗になって、あっという間にぺちゃんこにしてあげる。痛いのは、本当に最初のドスンっていう一瞬だけだよ?あとは、ライスの重たいお肉が、小人さんの骨も内臓もぜーんぶ、綺麗にすり潰してあげるから。あの子たちに嬲り殺しにされるより、ずっと幸せだと思うな。ね?」
それは、究極の選択だった。拷問の末に時間をかけて嬲り殺されるか。それとも、目の前の少女のデカケツの下敷きとなって、一瞬の圧力でミンチにされるか。
生き残るという選択肢は、完全に絶たれていた。
ライスは、もう片方の手で自分のスマートフォンを取り出し、画面をタップして通話画面を開いてみせた。
「……決めて?ライスに潰されるか、あの子たちにオモチャにされるか。もし選べないなら、今すぐあの子たちに電話して、君のこと渡しに行っちゃうからね」
「ま、待ってくれ……!」
「待たないよ。じゃあ、カウントダウンするね。……3」
ライスの指が、発信ボタンの真上で止まる。その冷酷なまでの無表情に、小人の心は完全にへし折られた。
「2……」
「や、やだ!あいつらは嫌だ!あんな風に殺されるのは嫌だっ……!」
「じゃあ、どうしてほしいの?小人さんの口から、ちゃんと教えて?」
「1……」
「た、頼む……!お前のお尻で……潰してくれ……!」
それは、命ある者が口にするにはあまりにも惨めで、屈辱的な言葉だった。自ら進んで、この圧倒的な暴力の下敷きになることを懇願させられたのだ。小人は涙と鼻水にまみれながら、ガクガクと震えて叫んだ。
「お前の……そのお尻で……一瞬で、俺を殺してくれぇ……!!」
その言葉を聞いた瞬間、ライスの瞳が底知れない愉悦に染まった。
彼女はスマホをしまい、悪魔のように甘く、そして満面の笑みを浮かべた。
「ふふっ……わかってくれたみたい。いい子だね」
ライスは、完全に抵抗を諦めた小人を、二本の指で優しく、愛おしむように摘み上げた。
そして、自分の部屋にある、座面が平らで硬い学習机の椅子の上に、彼をそっと置いた。
「さっきお友達が潰れた場所と、おんなじだよ。硬い木の板の上。クッションなんてないから、逃げ場はどこにもないからね」
彼女は、小人の真上に立ち、ゆっくりと背を向けた。
そして、あの空き教室の時と同じように、だが今度は誰に強要されることもなく、自らの明確な意思と強烈な加虐心を持って、その巨大な質量を誇る臀部を降下させ始めた。
「ライスのお尻、ゆっくり、ゆっくり降りていくからね……。いきなりドスンって潰しちゃったら、心の準備ができないもんね?」
ずむぅぅぅぅぅぅ…………。
空が、再び暗黒に染まる。
濃紺のブルマの生地が、小人の視界を完全に覆い尽くしていく。
先ほどの仲間たちの血と肉の匂いがべっとりとこびりついた、強烈な鉄の匂いと、ウマ娘のむせ返るような熱気。
ライスは動きを止めず、しかし残酷なほどゆっくりとした速度で、その巨大な肉のドームを小人に向かって降下させ続けた。
「ねえ、匂い、わかる?小人さんのお友達の匂い。それと、ライスの汗の匂い。今、小人さんはライスの大きなお尻のお肉に、すっぽり蓋をされてる状態なんだよ。右を見ても、左を見ても、ぜーんぶライスのお尻。逃げ道なんて、1ミリもないの」
ライスの声は、どこまでも甘く、そして容赦がなかった。
「もうすぐ、お友達と会えるかもね?ライスのお尻に、べっとりくっついてるから。さっきも言ったけどぐりぐりってすり潰しちゃったから、どれがどの子かはもう分かんないけど……小人さんなら、わかるかな?」
「ひっ……ああああ……っ!」
「お友達、どんな顔して潰れてると思う?ライスのブルマの繊維にぐちゃぐちゃに絡みついてるの。ねえ、小人さんも早くお揃いになりたいでしょ?」
ゆっくりと、しかし確実に迫りくる死の天井。布地が放つ熱波が小人の肌を焼き、仲間たちの血の匂いが鼻腔を刺激する。
「これからね、ライスのお尻のお肉が、重たくて分厚いクッションみたいに小人さんを押し包んじゃうから、身動き一つ取れなくなるんだよ。そうしたら、まず細い手足の骨が、パキッ、パキッて折れていくと思うな。痛そうだね」
「や、やめ……やめてくれぇ……!」
「やめないよ?だって、自分で頼んだんだもんね。みんなと同じになるんだから。……手足が折れたら、次は肋骨かな。ミシミシって音を立てて、肺に刺さっちゃうかも。息ができなくて、血を吐いて……でも、ライスのお尻がぴったりくっついてるから、叫ぶこともできないの」
小人の歯がガチガチと鳴る。極限の恐怖で、心臓が破裂しそうだった。ブルマの生地が、刻一刻と近付いてくる。消して止まらず、止めることも出来ない。
「最後は、頭とだね。ライスのこの安産型のお尻、すっごくお肉がついてて重たいから。グチャッ!って、トマトみたいに一瞬で潰れちゃうと思うな。そして色々飛び出したものがブルマにべちゃってくっついて……それで、完成♡」
まるで料理のレシピでも語るかのような、狂気に満ちた実況解説。
彼女は自分の圧倒的な質量と力が、小さな命を今まさに蹂躙しようとしていることに対する、暗く、ねっとりとした愉悦に満ちていた。
そこで初めて、ライスは降下をピタリと止めた。
ブルマの生地が、小人の髪の毛を微かに撫でている状態。
「ねえ、今、どんな気持ち?ライスのお尻に押し潰される未来を想像して、絶望してる?もうすぐ、みんなとおんなじになるんだよ。ライスのお尻の、汚れにね」
「あ……ああ……あああああぁぁぁっ……!」
「ふふっ、いい声。それじゃあ……バイバイ」
甘い、絶対的な死の宣告。
動きを止めた状態から、ライスは一気に勢いをつけて、腰を振り下ろした。
ドッッッッッッッッッッッッスン!!!!!!!!
メチャッッッ!!!グチャァァァァァァァッッッ!!!
バキバキバキバキバキッッ!!!!
先ほど空き教室で響いたのと同じ、いや、たった一人に向けられた分、さらに生々しく、破壊的な音が、静かな自室に響き渡った。
小人の体は、硬い座面と、ライスの柔らかくも強靭な筋肉の壁との間で、逃げ場を完全に失い、一瞬にして爆発するように粉砕された。
頭蓋骨が砕け散り、肋骨が折れ、行き場を失った内臓が弾け飛び、血液がブルマの繊維にさらに深く染み込んでいく。
「あっ……♡」
ライスは、座った瞬間、自分のお尻の下で確かに一つの命が潰されたその強烈な感触に、思わず恍惚とした吐息を漏らした。
プチプチと骨が折れる微かな振動。ぐちゃりと肉が平たくなる生々しい感触。
それは、彼女の隠された加虐心を、完全に満たし、そして溢れさせてしまっていた。
「んんっ……ぐり、ぐり……っ」
彼女は、ただ座るだけでは飽き足らず、先ほど友人たちに教えられた通りに、腰を大きく円を描くように回し始めた。
木製の座面に、小人の残骸をすり鉢のように執拗に擦り付ける。
みりっ……めりめりっ……じゅる、じゅるり……。
不快な水音と、骨の欠片が木に擦れる音が、部屋に響く。彼女は、もはや誰の目も気にする必要がないこの密室で、心ゆくまで、自らの巨大な臀部を使った最後のジャム作りを堪能した。
完全に硬い感触が消え、お尻の下がぬるぬるとしたペースト状の滑りだけになるまで、彼女は息を荒げながら、何度も何度も腰を擦り付け続けた。
「……ふぅ。これで、みんなとおんなじだね。一人ぼっちじゃなくなったよ」
やがて動きを止めたライスは、満足げなため息をつきながら、ゆっくりと立ち上がった。
べりべりっ……、ねちゃぁ……。
椅子の座面には、先ほど空き教室で見たのと同じ、完全に原形をとどめない、赤黒い肉と骨のペーストだけが、べったりと広がっていた。たった一人の生存者は、彼女の歪んだ論理と巨大な質量の前に、最も残酷な形で仲間たちの後を追うこととなった。
「えへへ……。綺麗に潰れたね」
ライスは、自分のブルマに新しく追加された、生々しい赤い染みを見下ろし、心の底から嬉しそうに微笑んだ。
もう、彼女の中に悪いことをしたという戸惑いは、欠片も残っていなかった。
あるのは、自分の巨大なお尻が、これほどまでに圧倒的な力で命をすり潰せるという事実に対する、病的な執着と喜びだけだった。