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引き出しの中に閉じ込められてから、10分程たっただろうか。
「………」
「…………」
少しだけ目が慣れてきた俺は、同じく閉じ込められている周りの10人の小人が、無言で座ったり寝転んだりしているのを目に捉えた。…やはり小人たちには精気が感じられず、どこか感情が抜け落ちているような印象を抱いた。
そんな小人たちの中にいると、自分までそれが移ってしまいそうで。
(…駄目だ、はやくここを脱出しよう)
10分前に大きな振動を立てながらお風呂へと向かっていった妹。この部屋の持ち主がいない間に、ここから逃げなければ。とにかく、妹の部屋から抜け出しさえすれば、後は何とかなる気がした。…縮小スプレーはゴミ箱の中に捨てられてしまったが。
「……隙間が……」
よく見れば。引き出しは少しだけ閉めが甘く、2,3メートルの高さの天井に隙間が開いているような状態となっていた。妹の部屋の電気はだらしなく付けっぱなしになっており、明るい線のような光が引き出しの中に漏れ出ている。
俺は、引き出しの隅っこに置かれた消しゴムやメモ帳のようなものの上に立ち、引き出しの縁に手をかける。そして、
「ぐぅっ……」
少しだけ開いている隙間に身体をねじ込むように、自分の身体を引っ張り上げた。
その先に待っていた光景は。
「…………」
引き出しの細い縁の上に立った俺は、眼下に広がる目も眩む高さの崖に、一歩も動けなくなった。
…ここは、妹の机の引き出しだよな?
4,50メートルは軽くあるだろうか。下の方に広がる、クリーム色のふわふわした素材のカーペットはあまりにも遠い。山にでも登らないと、こんな景色にはお目にかかれないだろう。しかしその光景は明らかに妹の見慣れた部屋でしかなくて、たった一人の中学生が暮らすだけのこじんまりとした空間なのだ。
(こんなの……逃げられるわけ……)
一瞬で心を折られた俺は、既に引き出しから自力で逃げることを諦めていた。…閉じ込められた瞬間は、本気を出せばすぐにでも逃げられると思っていた。所詮、妹の部屋なのだから。でもこれは、気合でどうにかなるレベルではない。
少しだけ、自分が置かれている状況の重大さを理解し始める。
バンッ!!
「「あー、気持ち良かった~」」
「っっ!!??」
突然だった。大きな大きなドアが開け放たれ、巨人がズンッ!!ズンッ!!と柔らかいカーペットを踏みしめながら部屋の中に入ってくる。そういえば、妹は意外と早風呂だったことを思いだす。
(早く戻らないとっ…!!)
引き出しの縁の上に立っていた俺は、見つからないようにと引き出しの中に戻ろうとする。
しかし、
「え……」
巨人の歩行により、引き出しの開き具合が少しズレてしまっていて。もはや小人一人が通る隙間すら開いておらず、俺は50センチほどの幅の切り立った崖の上に取り残されてしまっていた。
ズンッ!!ズンッ!!
ぶわあっ……♡
「ひぃっっ!!!」
細い足場に立ちながら何とか壁に貼りつく俺の目の前を、お風呂上がりの妹のショートパンツと巨大な太ももがもの凄いスピードで通過していく。ただ部屋を歩いているだけの妹は、その太ももの通過だけで小さな俺に轟音と暴風を届けていく。
その暴風と共にあたりに充満する匂い。…妹の風呂上りの匂いなんていつも嗅ぎなれているはずなのに、違う匂いがする。いつもより匂いが強くて、濃くて、素の肌の生々しい匂いがする。
(………)
太ももの匂い。普段は妹よりも高い目線で、その高度の匂いしか届いていない。が、今は巨大な妹のむちむちの太ももと同じ高さなのだ。圧倒的に大きな下半身が生み出す、お湯でふやけたて、石鹸で洗い立てのフローラルでみずみずしい香り。そこにわずかな女の子の濃厚な匂いが混ざり合い、男を誘惑するに値するほどのフェロモンをあの妹巨人は振りまいていったのだ。
ズンッ…!!ズンッ…!!
ドスッ……
「「あつ~…」」
一瞬で右から左へ俺の前を通過した妹は、俺から見て左の方にある座椅子にどすんと座り込み、Tシャツの襟をつまんでぱたぱたと扇ぎ始めた。そのままテレビをつけ、リラックスした顔でスマホを弄り始める。白いTシャツの袖から柔らかそうな二の腕や、曲線を描く鎖骨が見え隠れしている。灰色のショートパンツからはすべすべの太ももが惜しげもなく披露され、あぐらをかいた体勢により内もものかなりきわどい付け根の部分までが見えてしまっている。
何でもない、いつもリビングで見ている妹のだらしない姿。いつもと変わらないものを見ているはずなのに、その対象が自分よりも途方もなく巨大な存在であるということを認識するだけで、何か別の感情が湧いてきてしまう。
それは巨大なものに対する恐怖なのか、それとも。
「「よっと」」
ミシッ……
ドンッ、ドンッ!!
(ひっ、お、落ちるっ……)
再び立ち上がって机の方に向かってくる巨人の歩行で、俺はぐらぐらと揺れる引き出しの縁の上から落下しそうになる。
ダンッ!!!
「「確かこの辺に……」」
むちっ……♡
引き出しの目の前に立ちはだかった、ぶっとい2本の太もも。まだ細くて華奢なはずの中学生太ももが、今や巨大建造物のように圧倒的にそびえたち、その張り出した肌の質感が女の子らしさを主張する。その性的な匂いを感じさせる景色に視界を占領され、俺はどぎまぎしつつ声も出せない。
こんな所に立っていたら、すぐに見つかってしまう。早く引き出しの中に戻ろう。いずれにせよ、こんな高さからでは逃げることは不可能だ。
そう思い、先ほどの振動で再び隙間が広くなった引き出しの中に、足から入ろうとした瞬間。
「「……なーにしてんの」」
「っっ……!!」
上空から響いた柔らかく軽い口調は、俺の心臓を震えさせるには十分だった。
「「そんな所から降りられないでしょー?危ないよ?」」
逃げ出そうとしていた小人を、妹はしかし起こることも無く、優しい母性を持った言い方でたしなめるだけだった。小さな小人たちが、高い引き出しの中から逃げられるわけがないと確信しているのだ。
そんな妹の余裕感が、巨人と小人の立場の差を残酷にも突きつけていた。
「「…降りたいなら、降ろしてあげる」」
少しだけ愉快そうな感情の混じった口調でそう言うと、
ぶわぁっ!!
「やめっ、な、なにっ……」
暴風を縦の方向に起こしながらしゃがみ込み、それでもなお引き出しの上に取り残された俺を上から見下ろす妹は。
ぎゅっ……
「ひぎっ…!!」
1時間ほど前にされたように、再び大きな大きな指で軽々と摘まみ上げられると、そのままもの凄い勢いで高度を下げられていく。そして、
「「はい、床に到着~♪」」
ごろんっ……
「いてぇっ……!!」
自分の身長ほどの厚みがある親指から解放された俺は、床に広がるだだっ広いカーペットの上に転がされる。柔らかい素材とは言え、乱雑に転がされた痛みが全身に広がる。
「「よっと」」
ダンッ!!ダンッ!!
しゃがんだ状態で俺を解放した妹は、そのまま巨大な素足をカーペットに叩きつけながら、立ち上がる。
「……あ…………」
立ち上がった巨人を目の当たりにした俺は、あまりの光景に絶句した。
「「………」」
都会で見たどんな巨大建造物よりも、圧倒的に太くて高い。目の前の一軒家サイズの素足から伸びる肌色のふくらはぎ、太ももだけでも、見上げるだけで首が痛くなってしまう。自分の身体なんて、あの肉付きの良いふくらはぎに比べたら本当に虫みたいなもので。健康的な中学生のむちむち脚のどの部位であっても、俺が勝てる要素はないように思えた。…何せ、脚の小指ですら俺の身長くらいデカいのだから。
脚だけでもそれくらいのスケール感なのに、その先に上半身が伸びているのだ。白いTシャツに包まれた上半身はもはやローアングルすぎて全貌を掴み切れず、Tシャツの裾から見え隠れするお腹周りの肌色に見下ろされるだけ。Tシャツの裾と、張り出した胸の形状によって、巨人の顔はもはやこちらからは見えなかった。ご尊顔すら拝めない体格差。俺から見えるのは、巨人が無意識に存在させている生脚とTシャツくらいのものだった。
「「ちょうどいいから、皆ごはんにしよっか」」
顔の見えない巨人はそう言うと、
ドンッ!!ドンッ!!
カーペットの上で震える俺を無遠慮に跨ぎ越す。普段ほとんど見ることのない、妹の足の裏が上空にかざされる。少しだけシワの入ったすべすべの足裏は、俺という存在を踏みつぶしたとしてもなお余りある面積を持っていて。そんな質量のものが上空にかざされたら、それはもはや拳銃やナイフを突きつけられているようなものだった。…いや、かざされなくても、妹の足元にいるだけで、常に生死を握られているような状態なのだ。
ガラガラッ……
「「みんなおいでー」」
引き出しを開けた妹は、その中に右手を突っ込んで何かをかき集めている。10秒後、上に向けられた右の手のひらが引き出しの中から上がってくる。明らかにその中には、生きている10人の小さな人間が乗せられていた。感情と意識を持った、完全なる人間。それを文字通り手中に収めているのが自分の妹だとは、到底信じられなかった。
「「この子もかな」」
ぶわあっ……♡
むちぃぃっ…♡♡
「ぎゃあっっ!??」
突然の巨人のしゃがみ込みに、絶叫して腰を抜かしてしまう。巨大なビルのような建造物が倒壊してくるような錯覚で。遥か高くにそびえていた上半身が猛烈な勢いで落下し、タワーのようなむちむち生脚が折りたたまれ、ふくらはぎと太ももの肉が挟み込まれてむにゅぅっ…♡♡と柔らかくはみ出てしまう。そんな圧倒的質量の物体の落下で生み出されたエネルギーは、巨人の素足の踏ん張る力だけで容易に支えられて。絶妙なバランスでしゃがみこんだ妹巨人は、ぱつっ…♡ぱつっ…♡と股間に食い込むショートパンツの生地を見せつけながら、その間で震える小人を威嚇するのだ。
怖い。妹の巨大な股間部が、怖い。女の子の性に関わる部位の大きさが、自分の大きさを遥かに凌駕しているという事実が怖い。
「「ん…」」
そのまま俺に向かって、ぶっとい指を伸ばしてくる妹。完全に精神がへし折られていた俺は、無抵抗のまま指と指に挟みこまれる。…そのまま気づけば、他の小人と一緒に右手の上に乗せられていた。
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「「クッキー持ってきたから、皆で食べてね」」
そう言った妹は。座椅子にあぐらをかいて座ると、右手に乗せた俺たち小人をゆっくりとその上のあたりまで移動させていき、
ぐらっ……
「お、落ちるっ!!」
ぱらぱらっ……
むにっ…♡むにゅっ…♡
あぐらをかいた脚の太ももの上に、11人の小人がぱらぱらと落とされた。
(こ、これが…あいつの……脚……?)
足元に広がる肌色の台地が、妹の太ももであるなんて。太ももの産毛やきめ細かい肌の模様まで見えるスケール感で、リラックスモードのだらしない太ももお肉を見せつけられる。
むあっ……♡
風呂上りで上気した太ももからは、瑞々しく甘い香りが強く立ち上っていて。さらに周囲を取り囲む、妹のショートパンツやTシャツからも、しみ込んだ妹のフローラルな香りが存分に漂ってくるのだ。…自分の妹であることを抜きにしたら、男だったら骨抜きにされてしまうかもしれないほどの魅惑的な香り。そんな匂いに、11人の小人たちは巨大な太ももの上で捕らわれていた。
(………)
"自分の妹であることを抜きにしたら"。そう、自分に言い聞かせる。間違っても、俺は妹の太ももに乗せられただけで興奮することなんてない。数年前まで小学生だった子どもの太ももに、魅了されるわけなんてない。…でも、足元で広がるむちむちでぶっとい巨大な脚は、そんな妹のイメージから乖離していて。上空を見上げなければ、ただただ豊満でえっちな、それでいて張りのあるうら若き女の子の太ももでしかないのだ。
…この巨人が妹であることを忘れれば、取り返しのつかない感情を持たされてしまうかもしれない。でも、こんなにも性的な景色と匂いを目の当たりにしながら、それが実の妹のものであることを意識しつづけることもまた、地獄のようだった。
「「あむっ……」」
ぼりっ、ぼりっ……
ぱらぱらっ……
(うわっ……食べカスが……)
小人たちを太ももに乗せたまま、妹は持ってきたクッキーを頬張る。しかし唇の端から零れ落ちたクッキーのかけらが、小人たちの上からあられのように降り注いでくる。太ももの上はすぐ、散らばった細かなクッキーだらけになってしまう。…なんと行儀の悪い食べ方だろうか。
…しかしそれは、別の意味を持っていた。
「え……?」
気づけば、周りの小人たちは皆、太ももに散らばったクッキーのかけらを拾い集めにいっていた。俺以外の10人全員が、躊躇なく妹の食べカスを集めに柔らかな太ももの地面をぐにっ、ぐにっと歩いている。そして拾った食べカスを、
(食べ、てる……)
何の迷いもなく。一度妹の唇に付いた正真正銘の食べかけのものを、大の大人だったはずの小人ですら必死で頬張っている。その光景はどこか宗教的にも見え、気味が悪いものに感じた。
「「美味しい?」」
膝上の小人に上から笑いかける妹。妹は自分の食べかけを食べろなどとはっきり言っていなかったはずなのに、暗黙のルールが出来上がっていた。この小人たちは妹と初対面のはずなのに。
…小人とは、いつもこういう扱いをされている人たちなのだ。そう気づいた。相手が妹でなくても、今まで飼われてきた巨人はそういう触れ合い方を強要してきたのだろう。それに慣れてしまった小人たちは、自分たちの上から食べカスが降ってきただけで、それを餌と捉えてしまうのだ。
こんなの、奴隷じゃないか。
(…………)
お腹は、減っていた。今日は何となくお昼を食べていなかった。身体が縮小してからは、当然夜ご飯を食べていない。胃が痛くなるほど、空腹状態ではあった。
「「みんな素直で可愛いねー♪」」
上空から妹の声が響くたびに、びくっとしてしまう。先ほど服を脱がされた時のことを思いだす。周りの小人と違う行動を取っていたら、また強制的に虐められるのではないか。そんな同調圧力を感じていた。…そして、このまま巨大な妹から逃げ出すチャンスを失ったまま夜を越すことになれば、この強烈な空腹を抱えたまま就寝しなければならない。もはや寝れないかもしれない。そう考えると、ここで何かを口にしておきたい思いもあった。
「う……」
俺は、たまたま足元に転がっていた、こぶし大のかけらに気がついた。無意識にこぼれおちてきた、クッキーのかけら。それをしゃがんで、両手に取る。一見、形がいびつであること以外には何の問題も無く美味しいクッキーに見える。いや、実際そうなのだろう。…しかしこれは、妹がクッキーを噛み砕いたときに生成されたもので。あの巨大な唇や舌に触れているかもしれないし、そうでないかもしれない。妹の唾液が付いているかもしれないし、付いていないかもしれない。
俺は意を決して、そのクッキーにかぶりついた。
「ぐ、う……」
クッキーが口の中に入った瞬間だった。明らかな違和感を覚える生臭さ、そして爽やかなリップクリームの香り。ほおばったクッキーのかけらは、あまりにも巨大なご主人様の口元の存在感を残しすぎていた。思い切り唇に触れ、唾液成分が染み込んだ後の食べカス。それを頬張ってしまった俺は、しかし何とか噛み砕いて飲み込もうとする。
「んぐっ……うぅっ……」
妹の成分ごと飲み込んだ俺は、やや涙目になりながら座り込んだ。…食べられないほどのものではなかった。食べカスに染み込んだ甘い妹の香りはそこまで嫌悪感を覚えるものではなく。しかし、兄として妹の食べカスを口に入れて飲み込んでしまったという事実が、もはや兄妹という関係性を壊してしまう危険性を孕んでいた。そして…妹の香りにあまり嫌悪感を覚えなかったという事実も、俺の心をぐちゃぐちゃにかき回し始めていた。
「「みんなよく食べてるね~」」
スマホを弄りながら、他人事みたいに呟く妹。スマホでメッセージを返しながらクッキーを頬張り、ちょっと手が空いたタイミングで暇つぶしと言わんばかりに太ももの上で食べカスに群がる小人たちを眺める。俺たちの必死の食事など、妹にとっては風呂後の暇つぶしでしかないようだった。
「「食べやすいように集めてあげるね」」
ぐらっ!!ぐらっ!!
突然、足元の太ももが激しく揺れ始める。妹はあぐらをかいていた体勢から、両足をゆっくりと伸ばし始めた。俺を含む小人たちはむにむに柔らかな太ももの地面にみっともなくしがみつき、衝撃でぷるっ…♡むにっ…♡と揺れる太ももから振り落とされないように必死だった。
そのまま両足を伸ばしきった妹は、
ずりずりっ…!!
右足と左足をぴったり合わせるように、閉じ始める。右太ももと左太ももに5人と6人、小人が分断されていたが、それらを同じ地続きの大地に集めるように、両太ももを合わせていく。
そして、
ぴちっ…♡
「「みんな落ちなかったね、えらーい♪」」
みっちりと太ももを合わせた妹が、脚の揺れに翻弄され続けた小人を楽しそうに見下ろしている。
ぐらぐらっ…!!
「うわぁっ!!!??」
さらに太ももの揺れは収まらず。左右にわざとらしく揺らされる太ももの動きに、もう小人たちは抵抗できなかった。太ももの上に散らばっていた食べかすは既に太もも同士が作る谷の間にするすると落ちていき、それを追うようにして小人たちが為す術もなく太ももの斜面をずり落ちていく。その落ちる先は、むっちり内ももが作り出す肉の両壁。
「ま、まって…!!」
俺は必死で良い匂いのする内ももの斜面にしがみつき、上の方まで上がろうとする。しかしあまりにもすべすべできめ細やかな太ももに引っかかりなどなく、まるでアリジゴクのように小人を捕えて離さなかった。
そのまま俺は、
ずぼっ……むにゅぅぅ…♡♡
「んんっ……くっ……」
鳥肌が立つほどに柔らかな、妹の巨大な内ももが作り出す谷間にすっぽりと下半身を挟まれてしまった。
「「あははっ、みんなちっちゃくてくすぐったいかも」」
気づけば他の小人たちも全員、巨大な内ももの谷間に囚われていた。その谷間は妹の太ももの長さしかないはずなのに、11人の小人が容易に収納されていて。その光景を上から見下ろす妹からしたら、これほど滑稽なものはないだろう。自分が擦り合わせた脚の間に、小人たちが抵抗もできずぴっちりと捕らえられているのだから。
「「んふっ…」」
むににっ……♡♡
「っ…!!おいっ、待っ…「「むにゅぅぅぅっっ♡♡♡」」
一瞬の出来事だった。身体の前後に立ちはだかる内ももの壁に一気に圧し潰され、圧倒的な柔らかさだけが支配する空間に閉じ込められた。巨人の火照った脚の体温はたちどころに小人の全身を蒸しあげ、小人たちが誰一人感じたことのない甘美で豊満な感触の中に強制的に連れ込んでしまった。
むにぃ…♡むにゅっ……♡
熱い。柔らかい。苦しい。女の子の匂い。気持ちいい。
…気持ちいい?
「「コリコリして気持ちいー♡」」
むにむにっ♡♡ずりゅ、ずりゅっ♡♡
(っっっ!???!!?)
激しく動かされた脚が、そのなかに囚われた小人をめちゃくちゃに揉みしだく。自分の脚がどれだけの熱とフェロモンを振り撒いて小人たちを圧倒しているのか、妹は分かっているのか、分かっていないのか。全身を柔らかく練り上げられ、妹自身が放つ生の匂いをずりゅ、ずりゅ♡と染み込まされる。このまま太ももの一部になってしまうのではないかと思えるほど、俺の身体は妹の脚の動きと共にぐちゃぐちゃに揉まれ、全身圧迫され、何度も何度も妹が気づかないうちに巨大な内ももにキスさせられる。
「「はい、休憩ねー」」
かと思えば、妹の気まぐれでその地獄と甘美が入り混じった世界から突き放される。妹は、左脚だけをあぐらの状態のように折り曲げ、右脚だけを体育座りのように立膝にする。左脚の内ももの上に取り残された俺たちは、むっちりフェロモン地獄から解放されて息も絶え絶え、それぞれが膝と手をついて肩で息をするだけだった。それを上から見下ろす飼い主は、何かうずうずとした表情で。
「「………」」
「え……ひっ……」
ぐら、と。何か大きな質量が上空にかざされた気配がした。上空を急いで見上げた俺は、剥き出しになった魅惑の巨大な太ももが、天変地異のようにこちらに落ちてきていることに気づいた。
直感的に、死ぬ、と思った。
「「潰れちゃえっ♡」」
ぱぁんっっ!!!♡♡
全身を巨大なトラックに轢かれたような、途方もない衝撃だった。全てが肌色の世界になった瞬間、俺はここが妹の脚の中であることを何故か思い出した。次の瞬間には片側の鼓膜が破れて音が聞こえなくなり、骨も内臓もぐちゃぐちゃに砕けたのではないかと思えるほど、全身の感覚があまりの痛みに無くなってしまう。自分と言う存在が、太ももに激しく打ち合わされることで消え、妹の内ももの中に染み込んでしまったのではないかと、そう思えるくらいだった。
だが、絶望的に大きな右太ももが上空へと離れてから、遅れて周囲の音と激しい痛みが襲ってくる。
「あ、がぁっ……」
しかし、それを理解したときには、無慈悲にも右太ももが再び頭上まで迫ってきていた。
ぱぁんっっ!!!♡♡
五感が吹っ飛び、戻りかけた思考が四散する。脳内に認識されるものすべてが妹の巨大な太ももの感触、匂い、色、恐ろしさ、それだけになる。自分という生命の存在感が無くなり、上位の生物と一体化する感覚。
「「ほら、女の子の太ももだよ~♪」」
ぱぁんっ!♡
ぱぁんっっ!!♡♡
ぱぁんっっ!!!♡♡♡
何度も、何度も、何度も。世界全てが太ももで圧し潰され、救済されたと思ったらすぐにまた無に戻される。激しい苦痛と、甘美な感触に圧倒される恍惚。しかし一瞬戻る聴覚に届いてくる妹の巨大な声が、俺を無理やり現実に引き戻そうとする。自分が恍惚を感じているこの太ももは、実の妹の脚でしかなくて。兄である自分が妹の太ももに太刀打ちもできず、それどころか生死を委ねて甘美に浸っているなんて。
もう、この巨大な存在を妹と思えない。思いたくない。
「「いっぱい匂い嗅いでいいよー♡」」
ぱぁんっっ!!むにっ、むにっ、…♡♡
小人たちを明らかに性的に弄ぶ道具として使う妹。それはごっこではなく、本物の人間を相手にした淫靡ないたぶり。マシュマロのような悪魔の内ももに全身をビンタされ、刷り込まれる度、感情も、尊厳も、ぐちゃぐちゃになっていく。
ずりゅ、ずりゅ♡♡
ぱぁんっっ!!♡♡
むにぃぃぃー……♡♡
自分が妹の脚のどこで弄ばれているのかも分からず、ただ分かっているのは、数秒おきに豊満な質感の生脚が自分を押しつぶすという事実だけだった。俺の認識する世界は無くなり、全てが妹の脚で塗り替えられる。
「ああああああっっ!!うううっっ…!!」
途中から、巨大な太ももにたびたび擦り上げられる股間部が、快感を覚えていることには気づいていた。まだ女子にほとんど触れたこともないのに、妹とはいえぷにぷにの生脚にこれでもかというくらい全身を擦り上げられているのだ。こんなの、こんなの…!!
「「~~~♪」」
一切の抵抗を許さない重量感で俺を押しつぶす巨大な脚。その隙間からたびたび見える妹の顔が、既にスマホに向けられていることに驚愕し、絶望する。鼻歌を歌いながらメッセージを返す妹は、片手間に脚を適当に動かすだけで小人たちをここまで蹂躙できるのだ。
勝てるはずがない。敵うはずがない。こんなにも圧倒的な存在に、生かしてもらえていることがありがたいことだとすら、思えてしまう。
ずりゅ、ずりゅ♡♡
むにっ、むにっ、…♡♡
「っっっっ!!!!♡♡♡」
ドクドクと快感がこみ上げてくる。全身を潰し込む生脚の感触全てが気持ちいい。生々しい体臭と汗のすっぱい匂い全てがえっちで。むっちりふくよかな太ももが近づいてくるたびに、1秒後に自分を襲う快感を想像してゾクゾクする。この脚の持ち主が妹であることははっきり分かっているはずなのに、興奮が止まらない。あまりにも魅力的な巨大脚に理性が支配され、原始的な興奮に塗り替えられていく。
気持ちいい。気持ちいい。気持ちいい……!!
「「…ん、そろそろ寝ようかな」」
「………あ………え…」
強烈な快感が、あと寸前のところまで押し寄せた瞬間に。たぷたぷと揺れる右太ももが、小人たちの上空から去っていった。
「「引き出しの中に戻すよー」」
淡々と告げた妹は、左の太ももの上で瀕死状態になっている小人たちを、手のひらの上に再び乗せる。射精寸前だった俺は、残酷なまでの寸止めを食らったまま、広い手のひらの上に転がされる。
なんで、もう一回、太ももで、お願い……いや、なんで、そんなこと…妹、だぞ…。
意識も思考も混濁する。妹の太ももを性的な意味で求めていた自分の思考に驚愕し、しかし理性は戻り切らない。あの巨大な太ももに圧し潰される被支配感をもう一度感じたい。
ぼーっとする頭のまま、気づけば引き出しの中に格納されていた。
「「じゃあみんな、おやすみ♪」」
ばいばい、と可愛らしく手を振って、こちらに挨拶をする妹。そのまま引き出しはバタンッ!!と閉められ、外界との接触を遮断される。
「……………」
俺は火照り切った体のまま、パタンと引き出しの中の床に倒れ込む。まだ息が荒い。股間は収まり切ってない。脳裏から肌色の光景が離れない。妹の匂いが自分の身体に染み付き、取れない。
ズンッ!!ズンッ!!
引き出しの中に入ってもなお、部屋の中を歩行する妹の衝撃が全身を襲う。常に妹の所作に支配され、妹が残した感触や匂いで脳をジャックされる。
これが、小人の世界。
「はあっ…はあっ……」
俺はこの部屋から逃げ出すということも忘れ、ただただ息を切らしながら、引き出しの中で悶々とする感情と戦うしかなかった。…他の小人たちがいる空間ではことを致すこともできず、限界まで誘導された快感に悶えつつも、何とか気持ちを押さえつけるのに必死だった。
そのまま、眠気も襲ってくる。
「………」
こんな感情を持ったまま眠ってしまったら、起きたときにはどうなっているのだろう。今までの、兄としての自分でいられるだろうか。
そんな恐ろしさを心の中に残したまま、俺はゆっくりと意識を失っていくのだった。
---続く---