冷徹巨大上司と縮小社員
1.小人と巨大上司
始業時刻を大きく過ぎ、すでに目まぐるしく動き始めたオフィスフロア。
それは、遠くから響いてきた。
カツン……カツン……
最初は鋭いハイヒールの音だった。
しかし、近づくにつれてその音は次第に低く、重く変わっていく。
カツン……ズン……
一歩ごとに床が微かに振動し、身長1.7センチ程度の俺の全身に響く。
そして、音はさらに重みを増してくる。
ズシン……ズシン……
もはや足音ではなく、地響きだった。
床が大きく揺れ、俺の小さな身体がその振動でよろめく。巨大な質量が床を叩きつけたときに生じる、重低音の連続。
ただの足音でさえ、地が震える激震となり、小人となった自分の小ささを、これでもかと思い知らされる。
ズシンッ。
そして、俺のすぐ目の前に、黒光する大きな右足が降り立った。
ズシィン……。
目の前に落とされたトラック程の大きさを誇る黒いハイヒールは圧倒的だった。
艶やかな黒革の表面は巨大な壁のようにそびえ、細く鋭いピンヒールは俺の身長の何倍もある鉄塔のように床に突き立てられている。
爪先は俺の全身を容易く覆い隠せるほど巨大で、革のきしむ音と体重が床に沈み込む重低音が、周囲の空気を震わせていた。
『……遅刻ね。星野悠真』
冷たく感情をほとんど感じさせない声が、頭上から降り注いだ。
俺は痛いほど首を反らして見上げた。
黒崎 冴——179cmもある長身が俺を遥な高みから見下ろしている。
かなりの高身長ではあるのだが、小人の俺から見上げると空を覆う巨人にしか見えない。
Iカップを遥かに超える胸は、スーツを押し上げて信じられないほど膨らんでいる。
あまりにも大きいその胸部は、呼吸に合わせて二つの巨大な半球が微かに上下する様子が、その存在感をさらに際立たせている。
俺は首を限界まで反らしても、その全貌を捉えることができない。
視界の上部にわずかに覗く彼女の冷徹な瞳と、端正だが無表情な輪郭、それだけが、膨張した胸の谷間の遥か上空に浮かんで存在感を示している。
タイトなスカートは彼女の長い脚にぴったりと張りつき、軽く脚を開いただけで太腿の張りや太さが浮き彫りになって俺の視界を支配した。
背中のストレートヘアは真っ直ぐに長く、黒曜石のように艶めいている。
切れ長の瞳、通った鼻筋、引き結ばれた唇、完璧に整った顔立ちの中で、唯一感情を映すのは眉間に寄った深い皺だった。
その巨体が仁王立ちするだけで、俺には巨大な鉄塔が立ち塞がったように見えた。
それくらい、黒崎さんはオーラがあった。
『……聞こえているの?』
再び降ってきた声は、雷雲のように空から響くようだった。声の主の顔は半分ほどしか見えないが、その声色から苛立ちを感じ取れる。
「す、すみません黒崎さん! その……小人用のバスが遅れてしまっていて……!それで、乗り継ぎする電車も……時間通りに乗れなくて……!」
必死に言い訳を並べ立てる。取ってつけたような情けない言い訳だった。
しかし、言い終わる前に——
ズシンッ!
黒崎さんの右足が、俺のすぐ目の前に力強く踏み下ろされた。
地面が激しく震え、強烈な風圧が俺の身体を吹き飛ばしそうになった。
俺はバランスを崩しそうになりながらも、どうにか踏みとどまった。
目の前には雑居ビルくらいなら、余裕で踏み潰せるかと思わせる巨大なハイヒール。
もし、あと一歩、いや半歩ずれていたら、あの大型トレーラーのようなつま先に押し潰されていたかもしれない。
『言い訳は結構』
低く、圧倒的な威圧感を含んだ声が轟いた。
黒崎さんの靴先から視線を外し、恐る恐る頭上を見上げると、そこには俺を見下ろす冷たい目が睨みつけていた。
『あなたがどんなに小さな存在だとしても、それを言い訳に時間を守れないのは論外よ』
黒崎さんは上体を傾けて俺を見下ろしながら言う。
ビルほどもある巨大な影が俺に差す。
まるで巨大怪獣に狙われた市民のような錯覚を感じた。
圧倒的で物理的な体格差。この女性のハイヒールならば、俺など軽々と踏み潰されてしまうであろう。
恐怖のあまり、体中が凍りついたように硬直する。
逃げ出したい衝動に駆られるが、足が全く動かない。
『つまり……』と話しながら、黒崎さんの巨足が再び上空に上がっていく。
ゆっくりと、しかし確実に。
それは、俺の目には建設中のクレーンが動くのと同じ迫力があった。
圧倒的な質量を持った肉塊と革の塊が、空を占拠していくような、異様な光景だった。
俺は腰が抜けそうになりながらも、必死で首を反らし、見上げた。
視界いっぱいに広がるのは、底の抜けた暗闇かと思うほどの巨大な影。
いや、それは影などではない。
上空に懸かる、黒崎冴のハイヒールの裏底だった。
1.7センチの俺から見れば、それはもはや靴などという次元の代物ではない。
劇場ホールの天井と同じスケールの靴裏。
全長にして数十メートルはあろうかという巨大な平面が、俺の頭上数十メートル——彼女のスケールで言えば数十センチ、の高さに浮遊している。
まず目を奪われたのは、その表面に刻み込まれた幾何学模様だ。
滑り止めのための溝は、太い線が幾重にも交差し、複雑なパターンを描いている。
だが、俺の目にはそれが、たまらなく巨大な亀裂か渓谷にしか見えない。
その深く、穿たれた渓谷の一つに、道路の砂利がそのまま化石のように埋め込まれている。
俺の顔ほどもあるその小石は、彼女が歩くたびに押し潰されたのであろう、ゴムの肉に食い込んでいる。
日常の何気ない歩行の摩擦すら、俺には測りしえない規模に等しかった。
そして、次に目が行ったのは、アーチのあたり、ちょうど俺の真正上に君臨する、一点の輝きだった。
《26.5》
金色の箔押しで刻印された、彼女の靴のサイズ。
だが俺の目には、それはビルに掲げられたネオンサインか、あるいは道路標示のように見えた。
《2》の字だけで、俺の身長の倍は優にある。
優雅なフォントで描かれたその巨大な数字は、上空から俺を見下ろし、無言で語りかけてくる。
──お前など、この数字の隙間にすら入り込めない塵芥だ。
その金色の輝きは、俺の惨めさをこれ以上ないほど照らし出していた。
彼女にとって《26.5》というサイズは、市販の靴を履くための無機質な数字に過ぎない。
だが、俺にとってそれは、自分を無に等しい存在へと格下げする、絶対的な位階の証だった。
この金色の文字一つ分の面積にすら、俺の身体は収まらない。
俺が全力で手足を広げたところで、あの《6》の輪の内側にすら、届くかどうかだ。
靴底から漂う匂いが、鼻を突いた。
革の動物的な匂いと、足裏の蒸れた微かな汗の匂い、そして靴底のゴムの科学的な匂い。
それらが、巨大な質量と共に上空から押し寄せてくる。
まるで、彼女の足そのものが放つフェロモンのように、俺の呼吸を浅くし、精神を圧迫する。
俺はただ、呆然とその「空」を見上げることしかできない。
彼女が足を踏み下ろせば、この金色の数字が、溝のパターンが、そのまま俺の墓標になる。
跡形もなく潰された俺の死体と、アスファルトの砂利などが混じり合い、あのゴムの溝の底で区別がつかなくなるだろう。
圧倒的な体格差。物理的な暴力としての大きさ。
空を覆う巨大な靴底は、俺に自分が「人間」ですらないことを骨の髄まで理解させていた。
俺はただの、踏み潰されても気にもとめられない存在、1.7センチの虫けらに過ぎないのだと。
『……小さいなりに役割を果たしなさいってこと。それが、できないようなら……』
ズダアァンン!!
!!
最後の一言は、凄まじい轟音とともに吐き出された。
巨大なハイヒールが床に叩きつけられ、大地が激しく揺れた。わざと俺の真横で。俺を脅すように。踏みつけたらどうなるか、を見せつけるように。
俺は悲鳴をあげ、その場にへたり込んだ。
彼女のちょっとした足踏みで、俺の心は再起不能になりかけた。
耳をつんざく爆音が、頭蓋骨を直接殴りつけるように響き渡り、今でも耳鳴りがして頭が痛い。
目の前には、巨大なハイヒールが堂々と鎮座している。
黒崎冴が少しでも足を動かせば、俺の身体は埃のように大きく揺れる。
俺は地面に張り付くように、小さくなって震えていた。
『分かったなら、さっさと仕事を始めなさい』
冷徹な声が、空から降ってくる。
俺は涙を拭うこともせず、ただただ必死に頷いた。
そして、震える足で立ち上がろうとしたが、膝はガクガクと笑い、なかなか力が入らない。
すると、上空からフッと鼻で笑うような音が聞こえた気がした。
俺はハッとして見上げると、黒崎さんの唇の端が僅かに歪んでいるのが見えた。
それは嘲笑なのか、それとも単なる生理現象なのか、分からなかったが、彼女の顔は相変わらず無表情だった。
『ほら、早く席について。今日の仕事があるわよ』
彼女はそう言って、踵を返した。
ズシン……ズシン……ズシ……
巨大な足音がフロアに反響し、俺は彼女の後ろ姿を目で追った。
遠ざかる彼女の背中は、巨大な塔のように見え、俺との圧倒的な体格差を改めて認識させる。
恐怖と圧迫で頭が真っ白になり、生きた心地がしない毎日。
これが、今の俺の日常。縮んだ小人として生きる世界だ。
……すべては三週間前から始まった。
原因不明の「縮小病」。
突然発症し、体が急速に縮んでいく稀な病気。
俺は発症後わずか数日でこの1.7センチの身体になってしまい、入院生活を送っていた。
奇跡的に退院はできたものの、身体の大きさは変わらず、以前と同じような生活は望めない。
だからといって、働きもせず家族に養われるわけにはいかない。
両親もすでに年金暮らしであり、妹もまだ大学の最中だ。
そんな折に出会ったのが、今いるこの会社だった。
最先端の技術を売りにした大企業で、そこに「小人向けサポートプログラム」という採用枠があった。
通常の従業員に比べ給料が低いことは承知の上。それでも俺が選んだ理由は、ここ以外では働けないだろうと思ったから。
他の企業は小人を受け入れてくれないだろうし、何よりここでなら自分の力を試せるチャンスがある。
それに、縮小病患者として何か役立てることができたらと思って志願したのだ。
……そして採用通知が来た時は本当に嬉しかった。
これで少しでも家計の負担を減らせると考えていた。
しかし、配属されて初めて気づいた。
同僚は誰一人として小人ではなかったこと、そして上司があの黒崎 冴であるということに。
配属初日、彼女は俺を見下ろしながら、たった一言こう言った。
『ここでは、サイズの言い訳は一切通用しないわ。小人であろうと、成果が出なければ意味がないの』
それだけだった。激励もなければ、特別扱いの示唆もない。ただ淡々と、事実を突きつけられた。
そして彼女は有言実行だった。俺に割り当てられた業務量は、通常サイズの同僚と全く同じ。 データ入力、資料作成、クライアント対応の補助。
もちろん小人用の特殊端末は支給されたが、それを使いこなす時間的猶予すら与えられなかった。
黒崎さんはいつも正確で合理的で、そして容赦がなかった。
彼女の言葉は常に正論だったが、それは同時に、俺にとって過酷な指導でもあった。
それでも、俺は辞めるつもりは毛頭ない。
今更出て行っても行く宛もないし、俺には他にできることがないんだから。
それに、なんだかんだ言っても彼女の指導のおかげで成長できてる気がする。
問題は一つだけ。
彼女と関わるたびに、圧倒的な体格差を意識してしまうことだ。
179cmの巨躯が1.7cmの俺から見るとまるで城のようにそびえ立ち、声は低く響く轟音として俺の鼓膜を襲う。
特に彼女の履いているパンプスを毎朝見る度に思う。「あれに踏み潰されたら一溜まりもないな……」と。
ヒールの高さだけで俺の身長を超えるのに、足首から脹脛、ふくらはぎへと続く筋肉の隆起具合を見るともっと怖くなる。
その太さは丸太ほどもありそうで、もし本気で蹴られでもしたら、この小さな身体など何処まで跳んで行ってしまうのか、考えたくもない。
しばらくして朝礼が始まった。
俺の席は黒崎さんの席の上に設けられた、特注サイズの机と椅子だ。
彼女が使うデスクの上の空間にポツンと置かれた小人サイズのプラットフォーム。
普通の人から見れば、精巧なミニチュアセットのように見えるだろう。
俺はそこで1.7センチの身体を最大限伸ばして、彼女の話に聞き入っていた。
しかし、すぐに俺はまた別の問題に直面することになった。
黒崎さんが話し始めた途端に、彼女の大きな胸がゆさりと上下に揺れるのが目に飛び込んできた。
あれほど巨乳なのにまったく垂れず美しい形をしているなんて信じられないほどだった。
そして、その動きによって生まれた微弱な風圧が1.7センチの身体に伝わってくるのだ。
身体の大きさがこれほどまでに違うと、相手がただ話しているだけでも風圧を感じてしまう。
しかもその風には濃厚な匂いも含まれていた。香水なのか汗なのかわからないが甘くて濃厚な香りが鼻腔を刺激してくる。
いけないとわかっていながらもつい目が釘付けになってしまう自分がいることに気づく。
そもそもこんなに大きな胸を持っていて重くないのか不思議なくらいだ。
もし俺の上に乗せられでもしたら、潰されるんじゃないかと思えてくるくらい巨大なのだ。
そしてこの巨乳によって生じるバストプレッシャーとでも呼ぶべき圧迫感に押し潰されそうになっていたところで、ふわりと甘い香りが鼻腔をくすぐった。
香水だろうか?
それともシャンプーだろうか?
さっきまで巨大な存在感のプレッシャーに押しつぶされそうだったのに、今度は甘くて濃厚な香りに包まれていると感じるようになる。
全く、彼女と一緒に仕事をすると色んな感情が目まぐるしく移り変わっていくせいで忙しいことこの上ない。
とにかく良い匂いなので嫌ではないが意識してしまうと、ドキドキして落ち着かない気持ちになったので平静を取り戻すべく深呼吸をしてなんとか耐えたところ、
ドンッ……!!
突然、机が大きく揺れた。
地震ではない。巨大な質量を持つ物体が高速で通過した衝撃によるものだ。
バタバタと紙が舞う音。
朝礼を終えた黒崎さんが俺の方にやって来たようだ。
いつものようにデスクワークをするつもりなのだろう。
だが今日は、邪(よこしま)な思考と視線で、いつもより近くて緊張してしまった自分がいたので慌てて姿勢を正し集中しようとした矢先、
ゴトッ。
俺の机の隣に、何かが置かれた音がした。
恐る恐る目を向けると、それは黒崎さんが普段使っているボールペンだった。
しかも太軸で直径2センチほどもありそうな立派なものであったため、小人からすれば丸太と言ってもいいかもしれないくらい大きいと感じるほどだった。
おそらくは手の大きな彼女が握りやすいサイズを選んだ結果なのだろうが、こちらとしては凶器並みに危険度高すぎてとてもじゃないが、持ち上げるどころか、転がるペンに巻き込まれないよう注意しなければならない代物なのだ。
幸い、巨大なペンは俺の所まで転がってこなかったが、その重量感に改めて畏怖を覚える。
彼女の手にすればただの道具でも、小人である俺にとっては恐ろしい脅威となるのだ。
この大きなボールペンと俺の身体を比べるだけで、それは火を見るより明らかだった。
その後、黒崎さんは巨大なペンを当たり前のように手に取り、使い始めた。
カリカリと走るペン先。それは、俺から見ればまさに削岩機。
彼女が軽く手を動かすたびに、隣にいる俺の机にまで、金属製の芯が高速で振動する鈍い音が伝わってくる。
そして何事もなかったかのように、パソコン画面に向かう。
彼女のモニターは30インチ近くあると推定され、俺からすればビル一面の巨大広告のようなサイズ感だ。その画面上を行き来するカーソルは俺が乗れるほど大きな光点に見える。
彼女がキーボードをタイピングするたびに、山脈のような指が規則的に動き、押されたキーが地面に沈む衝撃が俺の足元にまで響いてくる。
そしてさらに、息遣い一つとってみてもまるで嵐のように激しく荒々しい印象を受けてしまうのだ。
ゴオォッ!!
まるでジェットエンジンのような音圧を伴った吐息。
それがすぐ傍の空間を通ると、風か嵐か区別のつかない勢いで唸りながら荒れ狂う音の奔流が迫ってくる。
だが、これは嵐なんかじゃない。俺の遥か上空で黒崎さんが、ふぅ……と小さな溜め息を漏らしただけのことだった。
俺たちが日常的に出す吐息が、彼女クラスになると豪風になってしまう。
吐息の暴風が襲いかかると、俺の机の上の書類が一斉に巻き上がる。俺自身も吹き飛ばされそうになりながら、必死で紙が飛ばされないように、両手で紙を押さえた。
これでもし、紙が吹き飛ばされてでもすれば、集めるのがどれだけ大変か……。
広大なオフィスを歩き回り、大変な労力と時間を費やすことになってしまう事を考えると、ゾッとする。
さらに次の瞬間には、凄まじい振動と共に地響きが襲ってきた。
何か大型重機でも動かしたような衝撃が続いており、俺は慌てて自分の机を掴み体勢を立て直そうとする。
原因はまたもや彼女だった。
どうやら椅子の位置を変えようと、肘掛けに全体重を預け、そのまま回転させたらしい。
その際に生じた体重移動により床を伝わった衝撃がここまで届いてきたわけだ。
つまり彼女はただ単に座り直すために少しばかり姿勢を変えただけであり、それによって発生した地震規模の揺れに翻弄されているのは、矮小な俺だけということになる。
しかし、当の本人は気にした様子もなく、そのまま仕事を続けていた。
カリカリと響くペンの音と、キーボードを打鍵する音が、俺の耳にはビルの解体工事か、岩山を掘削しているかの様な騒音に聞こえるが、彼女にとっては些細な背景音なのだろうと思うと切なくなってくる。
それでも俺は、彼女の暴威の直ぐ側で、自分の仕事に専念するしかない。
縮小病に罹ってからというもの、これまでの常識とはかけ離れた生活を送っているため、まだまだ戸惑うことも多い。
だが、それに屈することなくやり遂げようと、俺も負けじと気合いを入れ直した次第である。
しばらくして、一区切りついたのか、黒崎さんがこちらを見下ろして来る気配を感じた。
『ところで、星野君』
上空から響く黒崎さんの声。
俺はビクリと肩を震わせた。彼女の声には、常に一定の緊張感が含まれている。
見上げると、彼女の唇がゆっくりと開かれようとしている。
整った唇の端に浮かぶ表情は、やはり読み取りにくい。
怒っているのか、そうでないのか。
ただ、圧倒的な力関係の中で、俺は息を呑んで次の言葉を待つしかない。
『頼んでおいた資料だけど、だいぶ粗が目立つわね。数値にも誤差が多いし……』
言葉自体は淡々としているのに、俺の心臓は破裂しそうになった。
縮小病のせいなのか、それとも彼女の体格差のせいなのか、けして怒られてはいないはずなのに恐怖を感じて萎縮してしまう。
彼女の吐息が、まるで遠くの雷鳴のように鼓膜を震わせ、その口元から漏れる言葉は、俺を容赦なく責め立ててくる。
「申し訳ありませんでした!すぐに修正します!!」
反射的に謝罪の言葉が出たが、もちろん修正には時間がかかる。だが彼女は冷徹に告げる。
『まあいいわ。今日中には提出して頂戴』
彼女がこちらを見据えて言う言葉には有無を言わさぬ威厳があり圧倒された気分になる。
「分かりました……」と答えるしかないのだが、その修正箇所はあまりにも多い。
だが、どれも彼女からの的確な指摘事項が記載されており、明確にどこが悪かったか丁寧に教えてくれる。
改めて、彼女の能力と細かさに感服した。
普段接する時には厳しさばかりが目立つのだが、こうして実際に指示を受けると彼女の仕事の能力の高さだけでなく、面倒見の良さまで伺えて、ただ厳しいだけでは無いことを示してくれるような感じだ。
だからこそ、せっかく優秀な上司に指導してもらっているんだし、期待に添わないといけないと、俺は気を引き締めた。
ただ、いつもの業務をこなしつつ、この資料を作り直すとなると時間がかかるだろう。今日は徹夜かな……と考えてしまう自分がいた。
2.誰もいないオフィスで乱れる巨大上司
黒崎さんに指摘された資料修正と通常業務に追われ続け、気づけば夜になっていた。
特に朝の件があってからというもの、色々なことに気を取られてしまいミスを連発してしまいその都度、黒崎さんから指摘を受け続けてしまった。
いくら身体の大きさが違っても、黒崎さんの様な容姿端麗な女性を間近で見ると、どうしても見惚れてしまうものだ。
特にスタイルの良さが際立つファッションに身を包むと尚更、魅力的に映ってしまう……。
それに加えて凛とした佇まいや仕草、時には見せる厳しさの中の優しさに惹かれることも多々ある。
だから、そういった要素を無意識のうちに探してしまい、気になって仕方なくなるのだ。
そんなわけで結局残業時間を大幅にオーバーしてしまいヘロヘロになる寸前といった具合なのだが、なんとか期限内に仕上げることができたと思う。
後は明日の打ち合わせに備えて準備をしておく必要があるのだが……。
「はぁ~疲れた……」
思わず独り言を漏らしてしまうぐらいにはぐったりしていた。
周りを見れば、誰もいなくなった深夜のオフィス。もう終業時刻をとっくに過ぎて、照明も落とされ、誰もいない静かな空間だ。
非常灯の微かなという電気音と、空調機の低い稼働音だけが静寂を保って、それ以外は完全に闇に包まれ、窓の外には街の明かりが瞬いていた。
この時間帯だと、俺たち小人用の電車は終電が出て終わってしまっている。
小人にとって夜は危険度が一気に増す。夜行性の動物に襲われるか、暗がりで気付かれずに踏みつぶされるか。
小人が夜に出歩くなど自殺行為。故に小人の交通機関は早々に切り上げてしまう。
必然的に今晩は会社に泊まることになった俺。
幸いなことに、この小さな体ならマッチ箱ほどのスペースさえあれば眠ることができる。
俺は自分の机の隣にあるレターケース(黒崎さんが使う一般向けサイズ)の隅っこに潜り込み、簡易ベッド代わりの布切れを敷けば、これで即席の仮眠所の出来上がりというわけだ。
こんな姿になったからこそ出来る、数少ないメリットと言えるかもしれない。
普通の人間では味わえない感覚だろう。
……などと、思い込んでいたその時、突如オフィスの廊下を、何か重いものが軋む音が近づいてきたのだ。
ギッ……ギイィッ……。
それは徐々に大きくなり、扉越しに微かに聞こえてくる。
まるで危険度を指し示すかのような身体を揺るがすような地響きを伴って、それは俺のすぐ近くへと近づいてきているのが分かる。
警戒しつつ様子を窺っているうちにとうとうその主は現れた。
ズシッ!!!
巨大なシルエットが室内に入ってきた瞬間、非常灯の照明が巨体に遮られ、その主の影が朧気に浮かんでくる。
反射的に身構えて視線を上げれば、薄暗い部屋の中心には一人の女性が立っていた。
暗闇の中に佇む姿。
月明かりが照らし出すその姿を見てハッとする。
(黒崎さん?! どうしてこんな時間まで残ってるんだ?)
驚きとともに疑問が浮かんだものの、彼女は俺のことに気付く様子もなく真っ直ぐ歩いてきて、自席に着くと、目の前の椅子に腰掛けた。
『ふぅ……』
一息ついた彼女を見てホッとするものの、まだまだ油断は禁物だと判断して距離を取りつつ、物陰に隠れて様子を伺うことに決めた俺であった。
『……はぁ』
しばらくの間、静かな時間が流れた。
(黒崎さん、すごく疲れているな)
昼間とは別人のように見えるほど、雰囲気がいつもと違う。
彼女は自分の大きな胸を机に預けるようにして肘をつきながら、ぼんやりとした眼差しを宙に向けてため息をつくばかりだった。
いつもの毅然とした態度は微塵もなく、どこか憔悴しているように見える。
『……んぅう、今日もつかれたなぁ~~……』
そう言いながら、両手を上げ背筋を伸ばすように伸びをする姿を見て、普段はあんなに凛々しい女性もこうやって疲労困憊することがあるのだと知り何だか新鮮な気持ちになった。
そんな彼女の両手を伸ばす姿勢は、胸の膨らみがさらに強調され、張り詰めたスーツ生地の上からもはっきりとわかるほど揺れ動く。
その動きに合わせて柔らかい曲線美が生まれており、思わず目を奪われてしまうほどだった。
普段であれば決して見ることができない、彼女の自然体な表情と仕草に見惚れている自分がいることに気付き、慌てて我に返ると再び覗き見はやめておこうと思った矢先、
(あっ……!!?!?)
俺の視界を遮る形で、何か巨大な物体がゆっくりと上昇してきた。
よく見れば、それは黒崎さんの手だった。
彼女の両手が胸のあたりまで来ると、巨大な山のような陰影と柔らかい曲面を描くジャケットを留めているボタンに伸びたかと思えば、なんとジャケットのボタンを全て外し、ブラウスの前を開いたのだ。
そしてそのまま、まるで窮屈な衣服から解放されるように腕を大きく左右に広げた。
バサッ! ブワッ!!
黒い布地が一瞬で開花した花弁のようにひらめき、空中へ舞った。
その下からは雪原を思わせる純白が露わになった。
『んぅっ……♡』
彼女の口から熱い吐息が漏れる。
長い黒髪がはらりと垂れ、裸の鎖骨と肩甲骨を淫靡に彩った。
(うわっ……すごい……)
俺は目を見張りながらその様子を見つめ続けた。
ジャケットを脱いだ彼女は、それを乱雑に椅子の背に引っ掛けた。
白いシャツ姿になると、大きく張り出したバストと細いウエストのメリハリがより明瞭になる。
机の淵から辛うじて覗く椅子の上では、スカートの裾から伸びる太腿が、彫刻のように滑らかな肌艶を見せていた。
そして、彼女は誰もいないと思っているのか、躊躇なくブラウスのボタンに手をかけた。
指先が大きな胸を引き留めている巨大なボタンを、一個、また一個と外していく。
やがて、肌触りの良さそうな白いブラウスが左右に開かれ、中から豊満な双丘を押し込めた黒いレースのブラジャーが現れた。
カップの中央には小さな飾りが揺れ、彼女の呼吸に合わせて上下している。
俺の位置からでは、全体像は見えなかったが、それでも充分すぎるほどの迫力で、ブラジャーの縁取りに施された繊細なレースの糸一本一本まで視認できてしまいそうだ。
この角度からでも分かる、乳房の重力に逆らう弾力。そこらのグラビアアイドルなんか目じゃないモノがドンッと前に突き出ている。
彼女は身体を少しだけくねらせながら、左右の袖から腕を抜いた。
俺の目には、巨大な白い布地が緩慢な落下運動を行う様子が捉えられる。
白いブラウスを肩から滑り落とす巨大な上半身の動きと、宙を舞う衣類。まるで巨大な翼が羽ばたくように、布地が空気を切り、床に落ちる。
ブラウスが床に落ちたドサッ、という音は俺にとって、布団が落ちてきたかのような重々しい音になって届いた。
そして、目の前に現れたのは――。
二つの巨大なガスタンクだった。
いや、もはやそんな表現すら陳腐に思える。
俺の視界のほぼ全域を占有する、白く滑らかな膨らみ。
黒いレースのブラジャーはそれを辛うじて抑えているが、布面積は明らかに足りていない。
はみ出た谷間の肉厚さ、胸の丸みの曲線、そしてわずかな震え。
それは確かに女性の胸部であるはずなのに、あまりにも巨大すぎた。
彼女が『んぅ……』と身じろぎするたびに、その巨大な肉塊がタプン……タップン……と波打ち、重量感を訴えかけてくる。
圧倒的な存在感と質量をもって、俺の視界と意識を蹂躙する。
俺の十数倍はあろうかという巨大なバストは、自分の意思を持っているかのように、ユサ……ユサ……と悩ましく揺れ続けた。
『っ……はあぁ……』
彼女が息を吐くたび、巨大な塊が僅かに上下した。その質量は俺の体重の何百倍、下手をすれば何千倍もありそうだ。
その谷間は奈落への入り口のように深く、もし俺があの谷間に入り込み、彼女が少しばかり身じろぎしたら、即座にその漆黒の峡谷に飲み込まれ、二度と日の目を見ずに窒息死する運命だろう。
そんな恐怖を覚えるほどに、近寄り難く、荘厳なまでの威圧感を放っていた。
『……んっ、ずっと窮屈だったのよね……』
小さく唸りながら、彼女は右手を後ろに回す。
細く長い指が、大きな背中を滑り、肩甲下部付近の何かを探る。
その動きは至って普通の仕草のはずなのに、彼女の大きさのせいで、まるで世界がゆっくり動いているかのような錯覚に陥る。
シュルリ……。
微かな衣擦れの音。
その音源がどこにあるのか、俺にはすぐに察しがついた。
ブラジャーのホック。
彼女が外そうとしているのは、そのホックに違いない。
巨大なストラップが首筋から延びて背中で交差している。
その根元にあるホックも、百倍サイズともなると小屋の扉のような大きさになる。
彼女の指が、ホックにかかる。
金属製のバックルが触れ合うカチャカチャという音が、妙に大きく響く。
そして――。
パチン!
乾いた音が響いた。
巨大な山を支えていた杭が一つ抜かれたような大きな音。
重力が崩れた刹那に訪れる奇妙な静寂。
彼女の掌がゆっくりと背中から離れていく。
同時に、大きな胸を抑えていた拘束が緩み始める。
俺のはるか上空で、レースのブラジャー全体がゆっくりと弛緩していくのが分かる。
下着はもはや彼女の巨大な肉体を包み込む役目を放棄し、ただ滑り落ちるのを待つだけの存在になった。
『……ふぅ……』
彼女が満足げに息を吐いた瞬間。
巨大な布片が重力に引かれ、滑り落ちていった。
それは俺にとって巨大な布の塊。
目の前に落下してくる巨大な黒い影。
視界の全てが闇に染まっていく。
ドサッ!
鈍い音と共に、俺のすぐ横に黒いブラジャーが着地した。
片方のカップの広さは小部屋ほどになり、肩紐の長さは自分の身長の何倍もある。
レース部分は精緻な網目模様が織り込まれた巨大な蜘蛛の巣のようで、そこに絡め取られる恐怖を覚えさせた。
カップ内は先程まで黒崎さんの巨大バストを包んでいたために、内側の湿気もまだ残っているのか温もりを感じさせる。
そして、目の前には新たな光景が広がっていた。
彼女の白い肌が剥き出しになった上半身。
それが月明かりを浴びて艶めかしい光沢を放っていた。
乳房は、もはや抑え込まれている必要がないと言わんばかりに自由奔放に弾けている。
白く艶めかしい膨らみが、重力を受けてほんの少し楕円形に形を崩しているが、それでも張と弾力を持ったまま存在感を示しており、その大きさと迫力はまったく衰えず、むしろより野生的な力を増して、胸肉の曲線は滑らかで優美であった。
(まさか、本当に全部脱いでしまうなんて……)
俺の喉はカラカラに乾き、呼吸が浅くなっていく。
全身の血液が沸騰したように熱く煮えたぎるのを感じ始めた。
白い乳房が頭上で、月光と蛍光灯に照らされて妖しく煌めきながら静かに揺れていた。
ただ揺れているだけなのにその巨大さと重量感故に周囲の空気さえ圧迫するかのようだった。
乳房の根本から頂点まで続く扇状の盛り上がりは遥か遠くまで続いて見える。
『んぅ〜っ』
彼女は大きく伸びをすると鎖骨が浮き上がった。
白い肌の上で薄桃色の乳首がぷっくりと膨れ上がっている。
まるで宝石のように美しいピンク色だ。
その周囲には控えめな乳輪があり中央には小さな突起が見える。
『ふぁ……♡』
気怠げな吐息と共にゆっくりと乳房が上下する。
圧倒的質量と重量感。視界を埋め尽くす乳肉の海。
必死で首を反らして、胸の谷間を超えて目を凝らすと首筋から背中に流れる長く美しい黒髪は瀑布のごとき豪奢さで、首元から鎖骨前へと枝分かれして落ちる黒髪の束は、さながら岩肌を滑る分岐瀑のように広がって揺蕩う。
俺の脳内が激しく揺さぶられていく……。
まるで映画館で上映されているスクリーンのサイズそのままの、大人の女性の妖艶な肢体。
そんな映像が目の前にありありと映し出されているような錯覚すら覚えるほどの臨場感だった。
(凄すぎる……)
今まで幾度となく想像していた黒崎さんのおっぱいが今まさに目の前に現れているのだ。
しかもこんな至近距離で見ることができるとは夢にも思わなかったし予想もしていなかったことだ。
そのため緊張感と好奇心の狭間で思考回路がショート寸前まで追い込まれてしまうほど混乱している。
視界全てを占領する巨大バスト。
近づくと息苦しくなるような重量感が伝わってくる。
左右どちらも巨大な山岳群のように連なり聳え立っていた。
今や俺の視界にはその巨大なおっぱいしか映っていない状態であったということなのかもしれない。
そして、彼女はそんな俺のことなど知る由もなく……。
『ふぅ……これで楽になったわ……』
と呟きながら軽く身体を左右に捻る仕草をしただけでその巨乳を縦横無尽に躍らせながらその巨大な山脈が上下左右に波打ち始めた。
その迫力とダイナミックな動きは俺にとってあまりにも圧倒的かつ衝撃的なものとなり脳内麻薬物質が分泌され続けて止まらない状況となっていたのだと思う。
目の前に聳える半裸の女神のような美女から放たれているフェロモン成分なのか、あるいはその圧倒的な質量から来る威圧感なのか分からないが、とにかく強烈なオーラを感じつつ、しかしそれでも尚冷静さを取り戻そうと努めた。
だが、最早それすら不可能なほど興奮してしまい理性を保つのが困難になるほど高揚していた……。
下半身への疼きは、ズボンの中で激しく自己主張を開始し始めていたことに気付き焦燥感に駆られる俺……。
――これは夢じゃない。
現実だ。今、目の前で起きているのは、巨大な裸体の主が椅子に腰掛け、背凭れに身体を預け、同時に大きく息を吐き出し全身の筋肉の緊張を解いている。
一方で、今すぐこの場から立ち去るべきだと本能的に判断する俺。ここで黒崎さんに見つかりでもしたら、容赦なく叩き潰される。文字通りの意味で。
立ち去るべき。この場を離れないとヤバい。
俺は必死に理性を奮い立たせた。
しかし、熱を持った下半身は疼きを増す一方で、全身が磁石のように彼女の肢体に引き寄せられている。
(クソッ……!)
心の中で罵声を上げるが、下半身の疼きは収まらない。
その時だった。
『……ん…っ』
彼女が小さく息を漏らした。
次いで、巨大な両手が自分の身体を揉み始める。
最初は肩だ。
広大な両肩に、黒崎冴の手が大きく添えられる。
その指先が軽く沈み込む様子を、俺はただ呆然と見つめる。
彼女の指はまるでクレーンのアームのように太く、肩に沈み込む力は岩を砕く程だろう。
指の腹が筋肉にめり込む度に、肩甲骨がわずかに動く。
次に彼女の手は腰へと滑る。
細くくびれたウエストに指が絡みつく。まるで蛇のように彼女の胴回りを締め上げるかのようだった。
指圧するごとに、くびれたウェストラインが歪み、腰椎が浮かび上がるのが見える。
『はぁ……』
彼女の口から漏れる吐息が熱っぽい。
今まで以上に湿度を帯びていて、甘い。
その音だけで俺の腰がゾクゾクと粟立つ。
徐々に彼女の動きが変わる。
身体を解すような単調な動作から、もっとゆっくりで滑らかなものへ。
指が皮膚の上を這うように。
背筋から脇腹へと流れ、大きなバストの下のくびれに到達する。
彼女の手が自分の胸の付け根を優しく撫でた瞬間——。
『んぅ……っ♡』
艶めかしい声を漏らしながら、腰をくねらせ、その指先が乳房の山肌を登るように這い進む。
白い丘陵に、指が沈み込むたびに、その凹凸が微細な陰影を描く。
揉みしだくのではなく、あくまで撫でるだけ。
その動きすらも圧倒的なスケールと密度を孕んでいて、俺の視神経を焼き焦がす。
白い肌の頂には薄紅色の乳首がツンと尖って存在を主張している。
乳輪は直径3メートルはあるだろうか。
濃いピンク色の乳首を中心に放射状に広がる乳輪は俺が並んでも負けない程の大きさであり、芸術的な美しさを湛えていた。
『はぁ……んっ……♡』
相変わらず、頭上の彼方から、艶を帯びたため息が降り続いている。
彼女の白魚のような手が、乳房を離れゆっくり
と動き始めた。
その五指は、巨大な天蓋のように上空を横切り、向かう先は——腹部の下、タイトなスカートに包まれた秘部だった。
椅子に深く腰掛けた姿勢のまま、黒崎冴はスカートの裾をわずかに持ち上げる。
捲れた布地の隙間から、薄い影がちらりと覗く。
それは先ほどのブラジャーと同じ黒いレースがあしらわれ、脚の付け根を覆う、下着の縁取りだった。
彼女の下腹部を覆う白い肌と、その中心にある黒い布のコントラストが扇情的に映し出される。
(……まさか、ここで……?)
すでに理性は限界を超えつつあったが、それでもなお目を逸らすことができない。
彼女は左手を内ももの上に置き、右手だけでそっと布地に触れる。
視線を上げれば、彼女の美しい顔が微かに火照っている。
『……ふふっ……♡』
小さく笑う声が聞こえる。
『こんな所で……ねぇ……』
と自嘲気味に呟くように続ける彼女は、自分の下腹部に視線を向け、微笑んだまま、そしてゆっくりと指を下ろしていく。
『ん……っ…!』
彼女の身体が軽く揺れた。忍ばせた指先がクロッチ越しに自身の敏感な箇所を押したらしい。
微かに漏れたその声に応えるように彼女の細い指がその場所を擦り始めると、吐息も益々熱を帯びていく。
『ん……んっ……♡』
堪えるように息を詰めるたびに、喘ぎ声が一段と甘くなっていく。
スカートの奥では、ゆっくりと円を描くように指が動いている。
指の腹で擦るように刺激したり時に軽く押し込んだりする度に彼女の大きなバストはぶるんっと揺れ動きその迫力は圧巻だ。
『あっ……はあぁん……っ♡』
「すごい……」
思わず呟いた俺の声はか細くて虚しく響いた。
上空の彼女はもう何も気に掛けていない様子で、ひたすら自分自身への快感を求め続けるようだった。
その声は次第に大きくなり彼女の豊満な乳房も大きく上下し始めた。
大きな白い乳房が揺れる度に汗ばんだ肌が蛍光灯に照らされて光沢を増して行くのが見える。
(こんなにも近くで……俺なんかが……)
そう思いつつも目が離せない。
上空の彼女は一心不乱に秘部を弄くり回すことで得られる快楽に酔いしれている。
俺という、虫けら同然の存在のすぐ上空で、堂々と自慰に耽る大女。
彼女にとって俺は眼中にない存在だが、俺にとっては絶対的な支配者であり憧れの対象でもあるのだ。
その大きさ故に破壊的なまでに目立つ白い双丘が、彼女の自らの手による愛撫の波によって、弄ばれている様に揺れる姿はあまりにも艶めかしかった。
そしてその度に俺の身体も反応してしまうほど興奮している事が嫌でも自覚させられてしまった。
『んっ……はぁぁ……♡』
彼女が甘い喘ぎ声と共に天井を仰ぐと同時に身体を大きく仰け反らせた。同時に乳房もぶるりと大きく揺れた。
その際に噴出した汗粒が宙を舞うのが見えた。
それは流星群のように美しい。
そして同時に発散される甘酸っぱい体臭が鼻腔を刺激してくる。
(これは……堪らないな)
鼻腔の奥まで突き抜けるような芳醇な芳香。
花のような香しさの中に混じる汗の匂い。
その両方が溶け合ったような濃厚な香りは、彼女の体温を感じさせる刺激的で淫靡な雌の香りだ。
『んぅ……っ♡』
俺が夢中で鼻をひくつかせているうちに彼女の指先から、グジュッ……ヌチョッ!と、粘っこい水音が耳に届く。
『あ……あ…あっ……♡』
腰がくねりだした彼女の動きに合わせて乳房の揺れ方も変わった。
揺れ幅が大きくなるにつれて空気を切り裂くような風圧が生じ始める。
ブォ゙ンッ!!と響く重い風切り音とともに空気が渦巻く様は、それが人間の胸が揺さぶられて起こる音とは到底思えなかった。
乳房と言うよりも巨大な肉の塊といっても良い巨大さでありながらも、柔らかな重量感溢れるボリューム感。
そして張りのある表面。白い肌。吸い付きたくなる桃色の乳首。
そのどれもが性的で暴力的だ。
彼女の左手は自分の豊満な乳房を揉みしだき、右手は秘部のクロッチを撫でている。
グチュッグチュッ!と下品な音を奏でながら指先で何度も往復させるたびに、湿り気を帯びた音と共に色っぽい吐息も増していく。
『んぅ……はぁ……♡はぁ……♡』
息遣いは益々荒くなる一方で、興奮の度合いもどんどん高まっていっている事がよくわかるほど呼吸音も大きくなっていた。
その様子に、こちらまで影響されて息苦しくなってくるほどだった。
俺はこの圧倒的な迫力に押し潰されそうになるのを必死に堪えながら、目を閉じることなく凝視し続けた。
心臓が高鳴り、手汗が滲む。
脈拍が痛いほど加速していくのを感じる。
彼女の喘ぎ声と下品な水音が辺りに響き渡る。
その二重奏が耳にこびり付くほどに鼓膜を刺激してくる。
そして同時に彼女の身体から溢れ出るフェロモンが俺の脳を焼き焦がす。
『んっ……はぁ……♡』
俺の眼下で彼女の股間が開き始める。
椅子に座り、大きく足を開いたまま膝を立てて座る彼女。
まるで舞台の幕が上がるように、スカートの裾が大きく捲れ、秘密の園が完全に姿を現す。
そこに広がっていたのは、漆黒のサテン生地。薄く透ける布地に覆われた神秘の空間。
彼女自身の体温で暖められて蒸されて、そこだけ湯気が立っているかのように湿度を感じさせた。
クロッチの中心は既に湿って色を濃く変えて、濡れそぼっていた。
そこからは強烈な雌臭が立ち上り鼻腔に流れ込んでくる。
そして黒いレースの生地越しでも分かるほど膨らんだ恥丘。
彼女の指は止まらない。
恥丘をクロッチ越しに執拗に愛撫を続けるその動きには一切の迷いも躊躇もない。
むしろ欲望の赴くまま本能的な行動と言えるくらい過激で直接的なものになっているように思えた。
グチュグチュッ!!
(すごい音だ……!)
小人の耳には、その粘液の水音は大きな釜の中でスライムをかき混ぜているような音として届いていた。
彼女の指先が秘所を掻き回すたびに、粘っこい糸が引かれ、それと共に強烈な匂いが立ち上る。
汗と、石けんと、香水の甘い匂いと……そして濃厚な女性特有の発情臭。
それらが混ざり合った甘く蠱惑的な香り。嗅ぐだけで頭がクラクラしてしまいそうだ。
『はっ♡はっ♡はっ♡んくぅぅっ♡』
上空の彼女は短く甘い声を上げながら身体を捩らせ続けている。
その度に波打つように揺れ動く二つの山脈。
月明かりと蛍光灯の明かりで照らされた視界を埋め尽くす巨大な女体。
それも、俺の100倍も大きい怪物級の美人OL。
彼女が、今、俺のすぐ頭上で、自慰をしている。
それなのに、ただ見上げて見守ることしか出来ない俺。見向きもされない。存在すら気付かれない。
悔しさと無力感を覚えつつも、身体は正直な反応を示してしまいペニスは痛い程腫れ上がってしまっていた。
『ふっ……♡ふぅ……♡ふぅぅ……っ♡』
鼻腔からの呼吸音も艶っぽさを増してゆき官能的な響きとなっているのが分かるほど色っぽかった。
(凄い……これが大人の女の喘ぎ声なのか……)
大きな嬌声を上げながら全身を痙攣させる黒崎さん。
その淫靡な旋律に誘われるように、俺は我慢できずに自分のモノに手を伸ばす。
既に先走り汁でヌルヌルになっていたそれを握り締め、ゆっくりと扱き始めた。
彼女の動きに合わせて自らを慰める。
卑猥な水音を立てる彼女の自慰行為を鑑賞しながら自らのペニスを慰める。
「あぁ……っ」
なんて最低な行為なんだと思いながらも止められない。止められるわけがない。
憧れの黒崎さんの痴態を見せつけられて、しかもそんな彼女が自分のすぐ上空で自慰をしていると言う事実が脳髄まで染み渡っていくように快感となって流れ込んでくるのだ。
一方の彼女の方も最高潮を迎えようとしているようで指の動きが更に早くなってきていた。その動きに合わせて、愛液が溢れ出している。
そして俺の顔や身体にも少しだけ飛沫がかかる。
生暖かい飛沫が肌を打つたびに、甘酸っぱい匂いが鼻腔から脳に突き抜け、思考が蕩ける。
『んふぅぅぅ……っ!』
ついに声が我慢出来なくなったのか甲高く甘い嬌声を上げた彼女。
それと同時に身体を痙攣させながら絶頂を迎えたようだった。
ビクビクッと腰を跳ね上げ、背中を大きく仰け反らせている彼女の身体。
その反動で巨大な乳房がぶるんと揺れ弾む。
俺の頭上を覆う天蓋のように広がったそれは重力に抗うように張り詰めつつも形良く保たれている。
白い肌には汗の珠が浮かび上がり、輝きを放っている。その様子を見ながらも、俺自身もまた限界寸前だった。
(あぁ……黒崎さん……)
感嘆の息を漏らす俺の視線の先で、彼女は目を瞑りながら、己の世界に没頭していた。
スカートはすっかり捲れ上がり、太股のさらに奥までが露出している。
黒いレースの下着に包まれた彼女の秘部がよりはっきりと剥き出しになり、それはまるで巨大な肉の塊が蠢いているかのような壮絶な光景だった。
ギッ……ギシッ……
椅子の脚が軋む。
彼女が腰をくねらせ、スカートの裾から露出した太腿が揺れて擦れる度に軋んでいる。
黒崎さんの脚は細く引き締まっているように見えて実はかなりムッチリとしている。
男の脚とはまるで違う、しなやかで柔らかい太股同士が擦れ合う度に、弾力のある脂肪の層が波打つのが見て取れる。
『んっ……!』
「……ッ」
上では黒崎さんが艶めかしく腰を動かしている。
スカートの中の黒い下着が擦れ、クチュ……クチュ……と粘液質な水音が響き始める。
『はぁっ……! はぁっ……! んぅっ!!』
喘ぎが激しくなり、黒崎さんの腰が宙に浮いた。
ズン……ッ!
再び彼女が椅子に腰を落とすと、俺の小さな身体をも揺らす。
尻肉が椅子の座面を打ちつけた衝撃で、俺の立っている机も揺れが伝わるのだ。
「っ!!」
危うく転倒しそうになった俺は慌ててバランスを取る。
だがそれでも黒崎さんは自慰に夢中で気づく素振りすらない。
(うわぁ……!激しくなって……っ!)
そんな状況になっても尚彼女は自慰行為を続行するのだった。
ズンッ……ズシンッ!
彼女が喘ぎながら身を捩るたびに、俺のいる机全体が震動する。
巨大な尻が椅子に打ち付けられる音は、爆撃のように轟いた。
机の脚が軋み、雑居ビルほどもある周りの備品がカタカタと音を立てる中、俺は振り回されないように必死で棚に掴まった。
『んふっ!んふっ!んふっ!』
黒崎さんの呼吸が加速していく。それに比例するように指の動きも激しさを増し続けた。
クチャッヌチョッグッチョ!!
湿った音を奏でるそこはもはや洪水と言っても過言ではなく透明な液体が溢れ出しているほどだ。
それほどまでに濃厚な愛液を流し出す彼女の下腹部は熱を帯びて汗ばみ、光沢を放っていた。
黒崎さんは片手で胸を強く握り締めながら、もう片方の手を股間に宛てがって、何度も前後に往復させているようだった。
指先が秘裂にめり込む度に溢れる愛液の量は増え続け今や洪水のようになっている。
『あぁっ!ふっ……ふうぅ……!んんっ……♡』
腰がガクガクと震えだし、足先がピンと伸びきってしまう程だったようだ。
その光景を見ただけでこちらも昂ってきてしまっている自分がいるのであった。
『イク……イクッ……♡』
俺は息を飲む。絶頂が近いのだ。それも最大級のモノが。
見上げれば彼女の美しい顔も蕩けているのが見て取れる。
『イッちゃ……イッちゃうぅ……っ♡』
「……あッ!?」
息を殺していたのに、興奮して思わず声を上げてしまった。もしかすると、彼女の耳にも届いてしまっただろうか。
恐る恐る顔を上げると、彼女は依然として夢中でオナニーを続けていた。
どうやら俺の存在には気付いていないようだ。
俺は安堵の息を漏らす。
しかし同時に悔しさもこみ上げてきた。
こんなにも近くにいながら、声を上げても、彼女は俺のことなど全く意識していないし、気付きもしない。
その事実に苛立ちを覚える。
(畜生……)
男として悔しさに歯噛みしながらも俺の股間は正直だった。
ズボンの中のそれは痛いほど張り詰めており先走り汁で下着がぐしょ濡れになっていたからだ。
そんな状態で目の前で繰り広げられる光景に釘付けになってしまうのも仕方がないことだと思う。
そんな俺の様子を知ってか知らずか、彼女は益々乱れていくようだった。
『あぁぁ……んっ!ふうぅぅっ♡ひゃあぁぁんっ♡』
彼女は完全に理性を失ったかのように乱れ狂っていた。
絹糸のような艶やかな黒髪が激しく揺れ動き、汗の雫が舞い散る様は美しく見えた。
その上、瞳は潤んでいて頬は紅潮しているものだから余計に色気を感じるようになっていたのだ。
(綺麗だ……)
乱れ狂う彼女の姿に、ただひたすらに魅了されてしまっていた。
『あぁっ♡あぁぁぁっ♡イクッ!♡♡♡♡♡』
一際大きな声を上げた瞬間彼女の身体が激しく痙攣したその瞬間、彼女の秘部から大量の液体が吹き出した。
それは1.7センチの俺にとっては、鉄砲水のような水流だ。
白濁した蜜が、滝のように秘裂から溢れ出し、サテンを貫通して床に落ちていく。
その奔流に巻き込まれたら、俺の小さな身体など簡単に押し流すほど激しく、床を叩きつける音はスコールのように響き渡った。
俺は咄嗟に机にしがみつきながら息を殺してその様子を見守った。
『はぁー……はぁー……はぁ……んぅぅ……♡』
黒崎さんは脱力したように息を整えている様子で天を仰ぎながら放心状態となっていたようだ。
(すごい……黒崎さん、本当にイッてる……)
俺は呆然とその光景を眺めていた。尊敬する上司が、目の前で、あんなにも激しく、淫らに絶頂を迎えたのだ。
俺の知っている黒崎さんは、完璧な上司で、冷静沈着で、決して感情を表に出さない人だった。
それが今、目の前で、快楽に溺れ、淫らな姿を晒している。
『はぁ……はぁ……♡』
落ち着きを取り戻した黒崎さんはまだ余韻に浸っているらしく恍惚とした表情で、虚空を見つめていた。
彼女はぐったりと椅子にもたれかかり、秘部からまだ蜜が滴り落ちている。
もっとよく見てみたい。
俺はゆっくりと棚の端に近づき、そっと顔を覗かせた。
『はぁ……ふぅ……♡』
まだ快感の余韻に浸っている彼女の顔は紅潮し、目は虚ろに天井を見つめている。
口元も緩んでおり、普段の凛々しい黒崎さんからは想像もできないほど無防備で艶めかしい姿だ。
俺は思わず、息を呑んだ。あまりにも美しくて、色っぽくて……。
『んぅ……はぁ……ふぅ……♡』
彼女は再び艶やかな吐息を漏らすと、ゆっくりと瞼を閉じた。
(黒崎さん……)
俺は、思わずゴクリと唾を飲み込んだ。この光景を、ずっと見ていたいと思った。
彼女の淫らな姿を、もっと見ていたいと思った。
だが、同時に、恐ろしくもあった。この巨大な存在が、いつか俺の存在に気づき、潰すかもしれないという恐怖。
彼女の前では、俺はあまりにも無力だった。
『……やだ、私ったらこんな所で……』
ようやく我に返った彼女は恥ずかしそうに照れ笑いを浮かべ、乱れた服装を整え始める。
彼女の身体は汗と体液で光り輝いており、それはとても艶やかで非常に魅力的であったが、そのまま服を着れるわけもなく、机の上にあるティッシュを取る為に、俺のいる方向へ彼女は手を伸ばしてくる。
彼女の巨大な乳房が、目の前に迫る。重力に従い、ゆさりと揺れ、甘い香りが鼻腔をくすぐり、俺はクラクラしてきた。
彼女の大きな手が、さらにゆっくりと伸びてくる。
このままだと見つかると思った俺は、とっさに近くに置かれた山のような布切れに隠れることにした。
ここなら、きっとバレないはずだ。
何の布かはよくわからないが、俺の数十倍、いや百倍はありそうな、巨大な布地。
この山の中なら、黒崎さんの目からも、きっと俺の姿は見えないはずだ。
黒崎さんは、ゆっくりと棚の中を覗き込むと、ティッシュを何枚か取り、それを使って、汚れた手や、スカートの内側を拭い始めた。
その間、彼女の乳房が、俺の目の前で揺れ続けている。
(……!?)
その時、俺は、あることに気づいた。
この布地。肌触りは滑らかだが、妙に湿り気があり、温もりが残っている。
まるで、つい先程まで誰かが身につけていたかのような。
(まさか、これ……)
恐る恐る顔を上げると、その全体像が見えきくて、それは——
黒崎さんの巨大なブラジャーだった。
彼女が脱ぎ捨てた、あの黒いレースのブラジャー。
それが、山のように見えた布の山の正体だったのだ。
俺は今、黒崎さんの巨大なブラジャーのカップの中に潜り込んでいた。
彼女の体温が残る柔らかなレースの隙間で、俺は呆然としていた。
鼻孔をくすぐるのは、彼女の汗と肌の香り。
甘酸っぱいようで、どこか熟した果実のような、複雑な匂いだ。
それは、俺の脳髄を麻痺させる毒のように作用し、理性を侵食していく。
(黒崎さんの……ブラジャー……)
俺は、無意識のうちに、その巨大な布地に頬ずりしてしまった。
柔らかく、そして、温かい。
まるで、彼女の肌そのものに触れているかのような錯覚に陥る。
『ふぅ……』
黒崎さんのため息が聞こえた。彼女は、棚の前でしゃがみ込み、汚れた手を拭っている。
ココにいては、いずれ見つかってしまう。
そう思った俺は、恐る恐る、巨大なブラの中から逃げ出そうとしたのだが、
『こんなことしてる場合じゃないわ。はやく帰らないと……』
黒崎さんは、そう呟くと立ち上がり、そして、ブラジャーが置いてある棚に手を伸ばすと、それを取り上げてしまう。
(しまった!)
黒崎さんがブラを手に取った瞬間、俺と彼女は目が合った。
巨大な黒崎さんと、小人の俺。100倍の体格差。あまりに非現実的な光景。それが、今はっきりと、視線が交わったのだ。
彼女の瞳が、驚愕と困惑に見開かれる。
そして、ゆっくりと、俺の方に向き直った。
巨大な影が俺を覆い尽くす。
巨木が倒れてくるような圧迫感。
『あなた……ここで何をしているの?』
黒崎さんの声は、低く、重く響いた。
それは、地響きのようでもあり、俺の全身を震わせるほどの迫力があった。
3.特別指導 ~谷間と肉洞の玩具~
(どうすればいいんだ……)
俺は必死に言葉を探した。だが、彼女を前に、俺の声は、蚊の鳴くようなものにしかならない。
黒崎さんは、ゆっくりとかがみ、俺に顔面を近づける。
さらに巨大な手が、俺を包囲するように左右に置かれた。もう逃げ場はない。
目の前で、巨大な彼女の顔が、俺を見下ろしている。
その瞳の深さ。鼻梁の高さ。唇の厚み。
すべてが、圧倒的だ。
『まさか、ずっとそこで、盗み見てたんじゃないでしょうね?』
彼女の声は、どこか含みがあるような響きを帯びていた。俺は、心臓が止まりそうになるほど、動揺した。
「ち、違います! そんなつもりじゃなくて……!」
俺は必死に弁解しようとした。しかし、彼女の視線は冷たいままだ。
『じゃあ、何をしていたっていうの? そんなところで隠れていたら、潰されても文句は言えないわよ?』
彼女は、俺が潜り込んでいたブラジャーを指差した。巨大な人差し指がぐっと迫り、俺をさらに追い詰める。
(どうする……正直に言うしかないのか……? だが、言ってしまえば、俺は……)
黒崎さんは、俺の思考を読んでいるかのように、口元に冷笑を浮かべた。
『あなた、私が何をしていたのか……全部わかってるんでしょう?』
俺は、震える声で、観念した。
「……ごめんなさい。見ていました。黒崎さんの……オナニーを……」
黒崎さんは、小さくため息をついた。その音すら、俺にとっては轟音のように感じられた。
『ふーん、見ていた……だけ?それだけじゃないんでしょう? あなた?』
彼女の指が、ゆっくりと俺の顔を撫でた。その感触は、巨大な鉄柱で軽く押されているような圧迫感。
「うぅ……っ」
俺は、その圧力に耐えながら、小さな声で言った。
「見て……興奮して……。それで……オナニーを……してしまいました……」
黒崎さんの口角が、ゆっくりと吊り上がる。それは、獲物を見つけた獣のような、嗜虐的な笑みだった。
『そう……やっぱりね。コソコソ隠れて私のオナニーを覗き見しながら、自分で慰めて……。どうしようもない変態ね』
彼女の巨大な指が、俺の顎をクイッと持ち上げた。
その力は俺の抵抗など、無意味であることを悟らせるほどの強さだった。
「黒崎さん……お願いです……許してください……!」
俺は、涙を流しながら懇願した。しかし、彼女の笑みは、さらに深まるばかりだった。
『許してほしい? 私の秘密を覗き見して、あまつさえ、興奮して、オナニーしていたあなたを?』
彼女の指が、俺のズボンに触れた。彼女は、俺の股間がまだ硬く勃起していることを知っていた。
「や、やめ……!」
『ふふ……どうして? 硬くなってるじゃない。こんなに小さいのに、ここはちゃんと男の子なのね?』
彼女の声は、嘲笑を含んでいた。
だが、その奥底には、何か別の感情が芽生えているようにも感じられた。
「黒崎さん……!」
『それとも……本当は、こうしてもらいたかったんじゃないの? 小さな男は、大きい女にいじめられるのが好きって聞くし?』
俺は、言葉を失った。彼女の言葉が、否定できないほど真実だったからだ。
俺は、恐怖と羞恥と、そして、それ以上の歪んだ興奮に支配されていた。
『ふふ……図星みたいね。じゃあ、せいぜい感謝しなさい。あなたが望んだ通りにしてあげるから』
黒崎さんはそう言うと、彼女の指が、俺の股間の上でゆっくりと揺れ動いて、円を描く。
その瞬間、俺は激痛にも似た快感に襲われた。
「あ……あぁ……っ!」
俺の背丈よりも巨大な指が、俺のペニスを軽く撫でる。
その圧力は、優しく繊細なタッチだったが、俺の身体を押しつぶすほどの途轍もない力が秘められており、いつでもプチッと潰してくるような圧迫感と、鋭敏な神経を蹂躙される刺激が同時に襲いかかる。
『小さくて可愛いわね。私の指一本で簡単につぶれてしまいそう……』
黒崎さんは、楽しそうに俺のペニスを指で弄んだ。
その度に、俺の身体は弓なりに反り返り、悲鳴のような喘ぎ声を上げた。
それは、痛みと快楽がないまぜになった、未知の感覚だった。
「んっ……くぅぅ……っ!」
俺は、その圧倒的な力と刺激に、為す術もなく翻弄される。
黒崎さんは、まるで玩具で遊ぶかのように、俺のペニスを指先で転がしたり、軽く摘んだりしては、その反応を愉しんでいるようだった。
『あら、ちょっと強くしすぎたかしら?……でも、ほら、喜んでるじゃない?』
彼女はそう言うと、今度は指の腹で、俺の亀頭をゆっくりと撫で回した。
巨大な指が、俺の最も敏感な部分を滑る度に、脳髄を焼くような強烈な快感が走り、俺は絶叫した。
「あぁぁぁっ! だ、だめぇっ!」
俺は、小さな身体を痙攣させながら、必死に抵抗しようと、必死で大木のような指を押しのけようとした。
だが、彼女の指は、逃がさないとばかりに俺の小さな腕を指先一つで払い除け、容赦なく責め続ける。
『駄目? 何が駄目なの? こんなに悦んでるくせに』
「あぁぁっ! だ、だめぇっ!」
俺の絶叫は、彼女の耳には蚊の鳴くようなものだったろう。
黒崎さんは面白そうに目を細め、指先で俺のペニスをもてあそび続ける。
まるで、指の上で暴れる小さな虫を観察するような、残酷な好奇心に満ちた視線だった。
── こんなに悦んでるくせに
その言葉通り、俺のペニスは苦しいほどに勃起し、先走りで下着を濡らしていた。
巨大な指先がそのぬるりとした感触を楽しむようにゆっくりと円を描き、俺の理性を削り取っていく。
「うぐ……っ! もう……やめてくださ……いぃっ……!」
『ふふ……強情ね。まだ反抗する元気があるなんて』
黒崎さんはそう言うと、指の動きをぴたりと止めた。
突然訪れた静寂に、俺は喘ぎながら彼女を見上げる。
彼女の表情には、さらなる愉悦の色が浮かんでいた。
『ここは素直でいい子なのに……。そうやって私に楯突こうとする生意気なところ、どうしてくれようかしら?』
彼女の巨大な影が、さらに俺を覆い尽くすように近づいてくる。
彼女の身体から漂う甘い汗と熱気が、俺の思考を霞ませた。
『いい機会だから、その小さな身体に、たっぷり教え込んであげる。あなたが仕事中、ずっとチラチラ見上げていたこの胸で、ね?』
「……し、知ってたんですか……?」
黒崎さんは、小さく鼻で笑った。
彼女の指が、俺の顎をすくい上げ、強制的に上を向かせる。
目の前には、天井のようにそびえる黒崎さんの巨大なバスト。
それは、俺の視界のほとんどを支配するほどの大きさだった。
『当たり前じゃない。あなたがデスクから私を見上げるたびに、どんな目をしてるか……気づかないわけがないでしょう?』
彼女の声は、俺の罪悪感を容赦なく抉る。
昼間、彼女の胸元に釘付けになっていた俺の視線は、全て筒抜けだったのだ。
羞恥と絶望が押し寄せる。
『仕事中に、小さい視線でジロジロと……。あなたが普段から何を考えているか、よくわかったわ』
黒崎さんは、そう言って唇の端を歪め、ゆっくりと腕を身体に寄せると、自身の両胸を下から支えるように持ち上げた。
ずっしりと重たそうな肉塊が持ち上げられると、白い肌に淡く浮かぶ血管が、圧倒的な存在感を放つ。
『ほら……よく見なさい。いつもあなたが盗み見ていた、おっぱいよ』
俺に見せつけてくる巨大な胸。目の前には、もはや視界を埋め尽くすほどの乳肉の壁。
その肌は薄暗いオフィスの光を吸い込むように白く輝き、頂点の桜色の突起は、俺の存在など意に介さず静かに佇んでいる。
俺は逃げようとした。だが、巨大な手が俺をあっさりと掴み上げた。
その力は絶対的で、抵抗する意思を粉砕する圧力をもって俺を拘束する。
「あっ……!」
抵抗するも虚しく、俺の身体は宙に浮かび上がり、目の前の巨大な乳肉の渓谷へと導かれていく。
迫り来る肌色の崖壁は圧倒的で、逃れる術などどこにもなかった。
『さぁ、いらっしゃい』
その囁きと共に、俺の身体は黒崎さんの深い谷間に叩き込まれるようにねじ込まれた。
「むぐうううううっ!!」
視界は一面の白に塗り替えられ、柔らかな圧力が四方八方から俺を圧殺する勢いで襲いかかった。
巨大な二つのガスタンクが互いに押しつけ合い、その間で俺という虫けらが藻搔く。
息苦しさと共に、温かく湿った独特の匂いが鼻腔を襲い、頭が朦朧とした。
それは彼女の汗と体臭が混ざり合った濃密なフェロモンの香りだった。
「む……ぅ…っ!」
窒息しそうな圧迫感の中、俺は必死で首を動かし、わずかな空間を探る。
だが、動けば動くほど乳房の谷間は俺を更に深く飲み込もうと密着を増していく。
まるで生き物のような乳肉が全身を包み込み、熱を伝えてきた。
『逃がさないわよ』
頭上から降ってくる黒崎さんの声。同時に乳房による拘束が一層強まる。
押し潰されそうなほどの柔軟な力で俺の身体は完全に封印された。
「むぐっ……! むぐぐっ……!」
必死で手足をばたつかせるが、何の役にも立たない。
周囲は柔らかく滑らかな肌のみ。それはどんな檻よりも堅牢な牢獄であり、100倍の体格差を持つ巨大な女性の谷間という絶対的な囚獄だった。
『どうかしら? 気分はいい?』
彼女の問いかけに答える余裕など欠片もない。
俺は呼吸のために喘ぎ、全身全霊でこの圧倒的な柔肉から逃れようと試みるが、どんなに両手両足で押し返そうとしても、巨大な乳肉はびくともせず、寧ろその抵抗を楽しむかのように柔軟に形を変えながら俺を抱擁する。
『あなたはここから出られない。だって、あなたの弱すぎる力じゃあこの胸すら押し退けられないでしょ?』
彼女の言う通り、確かにそうだ。どんなに藻搔こうとこの圧倒的質量は微塵も動かない。
彼女がほんの少し力を込めただけで俺など簡単に潰されてしまうという明白な事実に打ちのめされる。
『可哀想に。一生懸命頑張ってるけど、全然効果ないわね。逆にほら』
突如として谷間がきゅっと締めつけられ両胸を
擦るように揺らす。
俺の小さな身体は乳肉に挟まれたまま圧縮され、骨が軋むほどの圧力を受けた。
摩擦による刺激と圧迫感が快感と苦痛を入り交ぜた複雑な信号となって脳裏を駆け巡った。
『あら? 馬鹿みたいに体をヒクヒクさせてるわよ?』
頭上から降ってくる蔑みの言葉。
俺は抵抗することも忘れ、ただただ乳肉の海に溺れるばかりだった。
熱く湿った谷間で体中を拘束され、もてあそばれる。
それは恐怖であり同時に甘美な屈辱感でもあった。
『ふふ……。そんなに気持ちいい? ならもっとサービスしてあげましょうか?』
突然のことだった。
圧倒的な圧迫感が緩和されるとともに視界が明るくなった。
束の間の休息。
乳肉の外へと開放され、圧迫されていた肺が新鮮な空気を求め、大きく息を吸い込んだ俺は茫然とするしかなかった。
見上げればそこには巨大な彼女の顔。
黒曜石のような瞳は勝利者の色を湛え冷たく輝き俺を見下ろしていた。
「ぷはぁ……! はぁ……はぁ……!」
『ずいぶん嬉しそうね? 私の谷間で悶え苦しむ姿……とっても可愛かったわよ?』
彼女の唇が悪魔的に歪む。
俺は返答する暇もなく次の衝撃に見舞われた。
開かれた胸の谷間が再び閉じられたのだ。
「ぶふっ……!」
今度は先程とは異なり僅かな隙間さえ与えられない完全な密閉状態だった。
甘い香りと熱気が充満する閉鎖空間で圧倒的圧力が全身を襲った。
呼吸するために口を開こうとも肌色の壁から溢れ出す甘露によって阻止される。
舌に感じるそれは彼女の汗でしかなく極めて濃厚な味わいだった。
「んん……むぅう……!」
『ほらもっと深く沈みなさい。私の胸であなたを窒息させてしまうまで』
巨人の両腕で抱え込まれた胸からは、もう逃げる手段すら奪われた状況だった。
胸の中心に向かって押しつぶされるような感覚。
抵抗する意志を飲み込む柔らかさと力強さが一体となった凶器となり俺の心身を侵蝕した。
『あなたが悪いのよ? こそこそ隠れて見ていただけでなくオナニーまでしていたんですもの。これは当然の報いでしょう?』
返事などできよう筈もない。
ただただ、この圧倒的な巨大柔肉に揉み潰されることしか許されていない惨めな存在になっていた。
視界は白で満たされ唯一感じ取れる情報源である触覚すら過剰な情報量により飽和状態となる。
『ほら……さっきよりもっと強く押し付けてあげる』
宣言と共に乳肉壁が一段階接近すると同時に密度を増した甘美な圧迫感によって脳裡が真っ白になるほどの刺激を受けた。
体中の感覚器官を通じて送り込まれる疼痛と陶酔が融合した未曾有の快感衝撃。
その瞬間理解するしかなかった。すでに俺は完全敗北者となったのであると。
『ふふっ……いい反応。そうやって大人しくしていれば、ひと思いに潰してあげてもいいんだけど……さてどうしましょうかね?』
頭上より投げかけられた声には明らかな愉悦色が宿っていた。
圧倒的弱者となった今では唯々諾々と従う他選択肢はないことが骨身に沁みて感じられた。
「はぁ……っ! 黒崎……さ…」
乳肉の海で喘ぎながら声を絞り出すが最後まで言い切ることが叶わない。
『さあ……これからもっと面白いことしてあげるわ。覚悟しておくことね?』
ゆっくりと白い軟壁が離れていき、俺は意識が飛ぶ一歩手前で解放された。
白い海が割れると形容すべき光景。
巨人の谷間から解放された俺の身体は、汗と彼女の体液によって左側の乳房の側面に、ベタっと無残に張り付いたままであった。
「あ……う…」
『まあ。ずいぶん可愛い顔になって。泣きじゃくりそうなくらい』
黒崎さんは俺の無様な姿を見下ろしながら優雅に微笑んだ。
「はぁ……はぁ……っ」
俺は、息も絶え絶えになりながら、黒崎さんを見上げた。
巨大な乳房越しに覗く彼女の顔は、ぞっとするほど美しく、そして冷酷だった。
その瞳には、もはや憐れみなど一片もなかった。ただただ、獲物を甚振る悦びに満ち溢れていた。
『これで終わりだと思ってるなら大間違いよ』
そう言いながら彼女は右手の指先を乳房に貼り付いたままの俺に向け近づける。
俺を摘み上げるつもりなのだろう。捕まれば、再び圧殺される恐怖を味わうことに違いなかった。
だが、悲しいことに俺の身体は瑞々しい肌の弾力と粘度に捕らわれて僅かに震えることしかできない。
「ま、待ってください……!」
俺は掠れ声で懇願する。しかし、それが何の効果ももたらさないことは分かりきっていた。
黒崎さんの長い睫毛に縁取られた目が愉快そうに細まり挑発するような表情で俺を捕らえてくる。
最早、逃げ道など存在しない。100倍も隔絶した体格差の前に抗うことなど不可能なのである。
俺の小さな身体を巨大な指で優しく掴み上げ、天高く掲げる。
「ひぃっ……!」
俺は、その圧倒的な力に、悲鳴をあげた。巨大な指先だけで、俺の小さな身体は簡単に持ち上げられてしまった。
『ふふ……そんな顔しないの。まだまだお楽しみはこれからよ?』
黒崎さんは、そう言いながら、俺の小さな身体を自分の唇に近づけてきた。
彼女の唇は当然のことながらデカい。俺の身体よりも大きく、まるで小さな洞窟のような開口部を見せていた。
小人の力では絶対にこじ開けられない唇がぱっくりと開き、その奥には赤い舌と鋭い犬歯がちらりと見えた。
「ちょっ……! 黒崎さん!? 何を……!?」
俺は、恐怖に慄きながら、叫んだ。
黒崎さんの巨大な口が、俺の小さな身体に迫って、彼女の吐息が俺の全身にかかる。
『フフ……怖がらなくてもいいわ。ただ……あなたの味を確かめるだけよ……』
黒崎さんは、そう言いながら、俺の小さな身体をゆっくりと、自分の舌に押し当てた。
「んんっ……!?」
全身を生暖かいヌルッとした感触に包まれ、思わず身を捩った。
黒崎さんの巨大な舌が、俺の小さな身体を舐め回す。
『んふ……♡ 小さくても、ちゃんと味があるわね……』
彼女は、そう言いながら、俺の全身を舌で舐め回し始めた。
ねっとりとした唾液が、俺の全身を覆い尽くし、甘酸っぱい匂いが鼻腔をくすぐる。
その感触に、俺は恐怖と同時に、奇妙な快感を感じ始めていた。
「んんっ……!んんっ……!」
俺は必死に抵抗しようとした。
だが、黒崎さんの巨大な舌は、俺の小さな身体を捕らえて離さない。
『ほら……暴れないの……。私の舌で、もっと弄んであげる……♡』
黒崎さんは、そう言いながら、俺の小さな身体を摘まんだまま、高々と掲げると、その下で獲物を待ち構えるかの如く、彼女の巨大な唇が大きく開かれた。
眼下に広がる巨大な穴。
その奥には、さらに深い闇が広がっているように見えた。
「やめ……!」
俺は食べられない為に、力の限り必死に抵抗しようとした。
だが、黒崎さんの巨大な指は、俺の小さな身体を容易く掴み、その圧倒的な力で俺を彼女の口の中へと誘おうとしていた。
『フフ……大丈夫よ。ちゃんと優しくしてあげるから……』
彼女は、そう言いながら、俺の小さな身体を確実に巨大な口腔の真上に近づけていく。
眼下では巨大な唇から大蛇のような舌が姿を表し、唇を舐めながらも準備万端といった感じで蠢いている。
そして——
「あぁ……っ!」
黒崎さんの指が離された瞬間、俺の小さな身体は、彼女の口の中に、ぽとり、と落ちた。
(なっ……何だこれは……!?)
俺は、その異様な感覚に戸惑った。生臭い匂いと、粘着質な感触。そして、何よりも、この息苦しさ。
まるで、巨大なブラックホールに吸い込まれてしまったかのような、圧倒的な力に押しつぶされそうになる。
『んふ……♡小さいのによく感じるわ……♡』
黒崎さんは、そう言いながら、俺を舌で舐め回し始めた。
巨大な舌が、俺の全身を這い回り、そのヌルッとした感触が、俺の身体を蝕んでいく。
「んんっ……!んんっ……!」
俺は、その激しい攻撃に、抵抗する力も無く、ただ、彼女の舌に翻弄されるしかなかった。
全身を舐め回され、唾液にまみれ、窒息しそうになりながら、俺は、彼女の口の中で溺れるまいと、唾液のプールの中、必死にもがいて抵抗していた。
(このままじゃ……本当に……!)
俺は、必死に、黒崎さんの口の中で暴れ回った。
だが、彼女の巨大な舌は、俺の小さな抵抗を簡単に封じ込め、ますます俺を弄び始める。
『んふふ……♡ いいわよ……もっと暴れて……♡ その方が楽しいわ……♡』
彼女は、そう言いながら、俺の小さな身体を舌で押し潰そうとし始めた。
俺は彼女の口の中でグルグルと回転させられながら弄ばれて、柔らかな粘膜の壁に押し付けられて、潰されそうになる。
胸の谷間とは比べ物にならないほどの圧迫感と息苦しさに襲われて、意識が遠のきそうになる。
粘着質で生臭い匂いに満ちた空間で、俺は生暖かい怪物を振り払おうと格闘する。
だが、俺の力では、彼女の巨大な舌を振り払うことはできなかった。
薄暗い口腔内でも、その大きさがよくわかる。太さだけでも2〜3メートルはありそうな、全身筋肉のピンク色の怪物。その長さは軽く10メートルは超えていそうだ。
そんな化け物に生身で立ち向かったところで、全く刃が立たない。
俺は粘着質な唾液の海で溺れかけ、息が出来なくなって焦りながらも、なんとかこの空間から脱出しようと試みる。
『んっ……♡』
黒崎さんが舌を動かすたびに生唾が泡立った沼が暴れまくる。
そこに舌で軽くすくわれるだけで体全体が撥ね上げられる。
「んんっ……!」
俺は口内の壁に叩きつけられて息が詰まりそうになった。
その度に鼻腔や皮膚にまで異臭が入り込み吐き気がする。
逃げようとしても、上顎と舌に挟まれ、身動き一つ取れない状況に陥ってしまう。
壁の粘膜に張り付き身動きが取れなくなる。
呼吸がうまくできず頭がふらふらしてしまう。
そのまま意識が飛びそうになりそうになると突然舌が引っ込んでいったため少しばかり楽になった。
すると、唾液の流れが恐るべき勢いで変わった。
激流、奔流、瀑布。
どう説明したら伝わるだろうか?とにかく、抗うこともできない生唾の海流に流される。
流れの行く先は、唇がほんの少し開いた事によって生まれた僅かな光だった。外の景色が見えた。
俺は理由もわからず出口に向けて流されていく。
光はどんどん大きくなってくる。
そして、光の中に出ると、ぺちゃりと音を立てて黒崎冴の手のひらに投げ出された。
どうやら彼女は俺を吐き出したようだった。
『フフ……お疲れさま』
「はぁ……はぁ……っ」
俺は、息も絶え絶えに手の平の上で這いずって必死で息を整えようとする。
だが肺の中に溜まった彼女の唾液を吐き出すことはできない。
必死に咳払いをするたびに喉奥で黒崎さんの唾液が粘ついて呼吸が苦しくなる。
気づけば、いつの間にか服は無く、全裸になっていた。
一体いつ脱がされたのだ?そんな事を考えていると、黒崎さんは口をすぼめて、俺の隣に唾を一滴垂らすと、その塊に俺の服一式が混ざっていた。
あの唾液の撹拌の中、器用に脱がされたのか……。
俺の顔は信じられない恐怖で、おそらく青ざめていただろう。心臓はバクバクと激しく脈打っていて額からは脂汗が出ている。
巨大な黒崎さんはそんな俺を覗き込みながら悪戯っぽく微笑んだ。
『おいしかったわよ。それであなたはどうだった?私の口の中……』
彼女の言葉は頭に入ってこなかった。
意識は朦朧としており体には全く力が入らない。
酸欠によって意識が混濁し思考能力も低下してしまう。
俺は口の中を弄ばれて疲労困憊になっていた。
それに加え全身は彼女の唾液まみれになり、体が重く思うように動かない。
息苦しさと不快感が凄まじい。
しかし、そんな俺の様子など気にも留めないかのように黒崎さんは言葉を続けていく。
『次はどこで遊んであげようかしら?』
そう言いながら俺を見下ろす巨影。
彼女の瞳は残酷なまでの興奮と欲望に満ちており、上唇を軽く舐める仕草をする。
それは俺にとって死刑宣告以外の何物でもなかった。
俺は震えながら後ずさりするものの巨大な指が俺の肩を掴んで拘束した。
肩に乗せられた親指。人差し指と中指がそれぞれ左右を挟み込むようにして固定される。
小さな抵抗など容易く抑え込まれてしまう絶望的な体格差。
100倍も巨大な女上司の巨大な指によって完全に自由を奪われてしまう現実を突きつけられる。
そして俺を見下ろす黒崎冴の美貌には愉悦と嗜虐心が混じりあって妖しく光る瞳。
圧倒的支配欲を前に俺はただ怯えるしかなかった。
『そうね……次は……こうしてみようかしら?』
僕の背中に乗せられていた親指が離れた次の瞬間、俺の足首を指で摘み上げた。
そのまま足を引っ張られて彼女の顔の前まで運ばれていく。
巨大な指に掴まれては逃げられない。こんなに小さくなった以上、すすべなし。
俺の身体は逆さ吊りの状態で運ばれていく。
「やめ……!」
俺は悲鳴を上げた。
だが黒崎さんは全く意に介すことなく俺の小さな上半身に顔を近づけると舌を出しペロリと舐め上げた。
「ひぃっ……!」
生暖かい舌が腰から喉元へと這いまわる感触に鳥肌が立つ。
巨大な彼女の舌が俺の体を舐め回しているという信じられないような光景。
『ふふ……美味しい……』
「くぅ……っ!」
俺は歯を食いしばって耐えた。
だが黒崎さんは容赦なく舌を動かし、すっかり硬くなってしまった俺のものを重点的に攻め立てる。
舌の先端が尿道口を抉るようにして刺激を与えられると下半身から稲妻が走るような快感に襲われた。
「ああっ!」
思わず声を上げてしまった。すると黒崎さんは意地悪く笑って言った。
『あら?随分素直な反応するようになったじゃない。それとも早く虐めて欲しくてそんな演技してるのかしら?』
そう言うと彼女は俺のペニスを中心に鳩尾から太ももまでの範囲を大きくねぶり回した。
俺は巨大な肉の塊に蹂躙されて悶絶するしかない。
まるで全身が性感帯になったかのような錯覚を覚えるほどだ。
その都度快感と同時に強烈な羞恥心が湧き上がるのを感じた。
「や、やめてください……!」
俺は懇願するように叫んだ。だが黒崎さんは聞く耳をもってくれない。
それどころか舌技のスピードを速めてさらに執拗に俺を攻め立てる。
『どうしたの?そんな辛そうな顔をして……』
黒崎さんの舌が激しく動き回り刺激が強すぎて痛いほどだった。
あまりの快感と屈辱に耐えきれずに叫ぶと黒崎さんは楽しそうに目を細めながら囁いた。
『ふふっ……まだまだこれからよ』
そして遂に射精欲が臨界点に達そうかといったところで舌の動きがピタリと止まった。
寸止めされて放出できなかった俺のペニスはピクピクと痙攣しながらビンビンに張り詰めていた。
「あっ……」
思わぬ中断に呆然とした表情で黒崎さんを見る。
しかしそんな俺を見て彼女は口角を吊り上げながら微笑んだ。
『ダメよ。すぐに終わらせたらつまらないもの』
そして黒崎さんの指先が俺を摘んだまま、下方向に運んでいく。
『次はここで楽しんでみましょうか?』
俺は空中を運ばれながら眼下に広がる彼女のスカートが、もう片方の手によって捲くられていくのを目にする。
純黒のサテンが露わになった秘裂。そこからは蜜が滴り落ちていて甘い匂いを放っていた。
「ひぃ……!」
俺は恐怖で声を上げた。
こんなところで食べられるなんて冗談じゃない。
必死に藻掻くけれども指先の力は弱まってくれなかった。
『フフ……安心なさい。ちゃんと加減するから』
黒崎さんは俺の身体を持ったまま俯き、股を開くと、巨大な鼠蹊部の谷間に向かって彼女の太い指が俺をそこへ誘う。
俺は恐怖に震えながらもその迫り来る秘境に目が釘付けとなっていた。
さっきまで覗き見ていた下着の奥。そこにある聖域。
そしてついに辿り着いてしまった黒崎さんの股間。近づくにつれてその巨大さがより鮮明になる。
あれからさらに濡れてしまった下着は、ピッタリと彼女の秘部に張り付いて、陰唇の形がはっきりと浮かび上がり、レース部分は完全に透けて、そこから見える巨大な岩盤に刻まれた亀裂の入口と思われる割れ目は、大人一人なら飲み込んでしまえそうな幅があった。
『んふぅ……♡』
黒崎さんが興奮気味にため息をつく。彼女も十分昂ぶっている証拠だった。
そして俺は運命を受け入れるしかなかった。せめて苦しまずに逝ける事を祈るのみだった。
『フフ……感じる?ココの疼き……♡』
黒崎さんはそう言って俺を下着のクロッチのちょうど真上に下ろしていく。
俺はサテンの布一枚で隔てられただけの場所に置かれて全身が総毛立った。
下からは熱気と共に甘酸っぱい匂いが上がってくる。
「うっ……!」
そのあまりにも濃厚で圧倒的な香りの前に俺は、意識が遠のきそうになった。
濡れた下着と、秘所の熱気が、俺の身体を包み込み、甘酸っぱい匂いが鼻腔をくすぐる。
下を見れば、布越しに肉襞がうねうねと動き、眼の前に置かれた俺という獲物を今か今かと待ち望んでいる。
ぬるぬるとした蜜の海と肉壁を布一枚を隔てて、俺はカゴに入れられた生き餌の様に、沙汰を待ち続けるしかなかった。
『さぁてと……』
そして黒崎さんはそのまま手のひらで俺を覆い隠した。
巨大な掌が俺を完全に包み込み、指先が俺の身体を下着の上に押し付け、動きを封じた。
指で背中を押され、肋骨がきしむような痛みを感じると共に肺の中の空気がすべて吐き出される。
『ほらほら……苦しい……? それとも気持ちいいかしら?』
黒崎さんはそう言いながら俺の身体を使って下着越しに愛撫する。
スカートの暗闇で全身を舐め回されるような感覚に襲われる。
巨大な指と下着の狭間で無理やり上下左右に捏ねくり回された。
「うぐ……っ!」
俺は苦悶の声を上げた。だが黒崎さんは止めてくれない。
それどころかますます強く揉みしだいてくるではないか。
肉唇と巨大な下着の間で身動きができなくなる。
『あらあら……そんな可愛い声出して……我慢できないのかしら?』
そう言われて初めて自分が喘ぎ声を上げている事に気づいた。
確かに苦しい筈なのにどうしてだろう。
今この瞬間だけは彼女が与える苦痛が妙に心地よいものだった。
『あなた……思った以上に素質があるみたいね? 巨大な女性にいじめられて感じるなんて相当なMじゃなければ出来ないことよ?』
黒崎さんはクスクスと笑いながら言う。
どうやら自分でも気づかないうちに俺は黒崎さんに苛められる事で快感を得る性癖を植え付けられてしまっていたらしい。
「違う……!そんな……!」
俺は必死に否定するがそれさえも彼女を楽しませる材料に過ぎなかった。
『ふふっ……強情ねぇ。まあいいわ。その弱っちぃプライドを徹底的に壊してあげる♡』
そう言うと黒崎さんはスカートの中で蠢いていた手を一旦止め、俺を椅子の座面に降ろした。
だが解放されたわけではないようだ。
彼女は腰を上げたかと思えば、そのままスカートの中に両指を差し入れ、自ら下着を下ろし始めた。
俺は、椅子の座面に膝をついたまま、ただ見上げるしかなかった。
視界のすべてを、彼女の下半身が占拠していた。
スカートの裾が広がり、その奥に、今までは布一枚で隠されていた領域が、じわじわと、剥き出しになっていく。
まず最初に現れたのは、漆黒の縮れ毛だった。
「……っ」
息を呑む。
俺の髪よりも太く、鋼のワイヤーのように固そうで、それでいて鈍く湿った光を帯びて艶めいている。
一本一本が俺の指ほどの太さはあるのではないかと思うほどだ。それが無数に絡み合い、濃密な森林のように茂り広がっていた。
黒崎さんの指がさらに下着を下ろす。
布が肌を擦るシュルシュルという音が耳に入る。
そして――
「……これが……」
目の前に聳え立つのは、巨大な峡谷だった。
それはもはや、“秘所”というような慎ましやかな呼称では収まりきらない代物だった。
スカートの暗い闇の中、大木のような太腿の奥で、黒々とした剛毛の森を切り裂くようにして、パックリと開かれた巨大な肉門。
その深淵は、黒々とした翳りを纏いながらも、割れ目の内側から滲み出る湿潤な輝きによって妖しく光り、見る者の理性を奪う禁忌的な美しさを放っている。
さらにその上方に位置するのは、直径1メートルにも及ぶであろう巨大なクリトリスだ。
それは通常の人間ならば豆粒程度の大きさであるはずの器官が常識を超えて肥大化し、荘厳な存在感で威風堂々と屹立している。
表面はぬらぬらと粘液にまみれることで艶めく光沢を放ちつつ、不規則に痙攣しており神秘的かつ妖艶な印象を与え、先端部は充血してツンと尖り桃色よりも深みのある鮮紅色で染まっておりまさに熟した果実そのものだ。
裂溝から湧き出す粘稠な分泌液は、女性特有の甘い匂いを伴って巨大な二つの肉襞へと伝って、亀裂の溝へ流れ込んでゆく。
湿り気を帯びた肉襞の重なりは厚みを持っており僅かな動きにも反応してしなやかに蠢く様子は生物そのものの躍動を感じさせる。
俺は呆然とその光景を見つめていた。言葉も出なかった。
恐怖という言葉だけでは到底表現しきれない。
畏怖、畏敬、戦慄――様々な感情が混濁しながら俺の精神を削り、正常な判断を鈍らせていく。
目の前に聳え立つそれは紛れもない城壁だった。
俺なんかが到底理解し得ない壮大な規模の肉の要塞だった。
その桁外れの存在に対して、己の矮小さを思い知らされ、彼女の女陰の前に跪くように座り込んでしまう。
俺は、男として、女性器だけでここまで精神的に追い詰められる、あまりの体格差に愕然として言葉を失ってしまっていた。
『どう……? これで分かったかしら?』
頭上で甘く蕩けるような声が響いた。
反射的に見上げると黒崎冴の巨顔が視界いっぱいに映り、漆黒の双眸に縁取られた美麗な容貌が嗜虐的な笑みを浮かべている。
『あなたの小さい体なんて、簡単に飲み込んでしまうほど大きいでしょう?』
その台詞に含まれる支配欲と侮蔑に満ちた響きを感じ取った途端、身体中の血液が急速に沸騰したようになり鼓動が激しく早まるのを自覚した。
このままでは彼女の巨大な女性器に屈服させられてしまう。そう思い立ち上がろうとした刹那だった。
巨大な手が降ってきて俺を押さえつけたのである。
視界が一瞬暗くなり次に見えた時には視線の真正面に黒崎冴の巨大な女性器が鎮座している状況へと変化していた。
眼前に広がるのは肉厚で生々しい粘膜の壁だった。
ヒダ状に幾重にも折り重なった粘膜同士が擦れる度にネットリとした水音を立てている。
「あ、あ……」
喉奥から低い嗚咽のようなものが漏れ出るのを感じた。
息をする度にむせ返るほどの濃密な雌臭に包まれて頭がクラクラしてくる。
熱気と湿度を帯びた空間に閉じ込められているうちに段々意識が朦朧としてくる。
『ふふっ……堪らないでしょう? もっと近くで見せてあげる……♪』
黒崎さんはそう言うと指先で俺を軽くつまみ上げるとゆっくりと近づけて行った。
眼前には巨大な花弁が迫ってくる。
その割れ目の奥から湧き出る芳香はもはや甘ったるいとかいうレベルではない。
脳髄まで直接染み渡ってくるような激烈な匂いだった。
俺の身長よりも遥かに大きいだろう生きた深淵は、今も微かな開閉運動を繰り返しており、その度に内部からネバネバした淫液が糸を引きながら地面へ滴り落ちてくる。
『フフ……さあどんな気持ち? 大きなお口で喰べられるのは?』
黒崎冴の囁きが、地鳴りのように俺の鼓膜を打った。
俺は返事をする間もなく、巨大な指先に挟まれたまま、ゆっくりと、彼女の秘裂へと導かれていく。
眼前に迫る肉の洞窟。
それは、もはや、生殖器というよりも、貪欲な捕食器官のように見えた。
左右の肉唇が、小さな獲物を求めて、蠕動運動を繰り返している。
そこからの匂いは、どこまでも濃厚で、嗅いだだけで思考回路が麻痺してしまいそうになるほどだ。
(嘘だろ……こんな……こんなのに……!)
100倍の体格差。
人間と蟻ほどの差。
もはや逃げるという選択肢はどこにも存在しなかった。
『大丈夫よ。すぐに慣れるわ。ほら……入ってらっしゃい』
黒崎さんの声は、悪魔の囁きのように甘い。
だが、その指先は容赦なく、俺を彼女の体内へと誘った。
ぷちゅっ、と濡れた肉の奥へ巨大な指によって
押し込まれていく。
ぬるりとした感触が全身を通して伝わり、視界のすべてが、肉色に染まっていく。
「う……ああっ……!」
指は俺を挟んだまま、ゆっくりと進行する。
周りを囲む肉壁は柔らかく温かく、そして尋常ではない圧力で締め付けてくる。
ぬるりとした粘液が体中にまとわりつき、滑りやすくなる一方で、その圧力はますます強まっていく。
やがて指は奥へと到達したのか、そこで動きを止めた。
俺は暗く湿った空気の中、ただ息を潜めるしかなかった。
体中が愛液まみれになり、生臭い匂いが鼻腔を焦がす。
周囲からは粘膜の蠕動する音と、黒崎さんの脈が、重く、規則正しく打つ音だけが聞こえる。
(暗い……狭い……でも……)
そこは生々しいほどに温かく、そして確かに彼女の一部だった。
その圧倒的な存在感に押しつぶされそうになりながらも、不思議なことに恐怖だけではなく、歪んだ安堵感も覚えていた。
『ふふ……入っちゃったわね。どう? 私の中』
洞窟内に黒崎さんの声が響いた。その声音には明らかな喜悦の色が含まれている。
その言葉と共に、指がゆっくりと動き始めた。
「ひっ……!?」
ぐにゅり、と指先が俺を掴み直し、肉壁に押し当てる。
柔らかな肉壁が俺の身体を受け止め、全身を包み込むように締め付けた。
『フフ……可愛い……震えてるのがよくわかるわ♡』
黒崎さんの巨大な指先が、俺を膣壁に押し付け、グラインドし始めた。
肉壁はうねり、ぬめり、そして熱く俺を包み込む。
柔らかく弾力のある肉が俺の体を擦り上げる感覚は筆舌に尽くしがたい。
まるで、巨大な舌で全身を舐め回されているかのような錯覚に陥る。
ぐちゅぐちゅという湿った音が聞こえるたびにその強さを感じることができた。
生々しい肉が擦れ合う感触と粘液を掻き分けながら奥へ進む圧迫感が交互に押し寄せ、気持ち悪い筈なのに妙な快感を覚えてしまう自分がいることに驚いていた。
『んふ……良い反応ね。まだ序章よ? 今からたっぷり可愛がってあげるわね?』
黒崎さんの指先が更に激しく蠢く。
膣内の奥深くへと招き入れられた俺の体はまるで洗濯機の中で揉まれているかのごとく揺さぶられまくった。
「うぐ……っ!?」
指が再び動き出す。
ぬるぬるとした粘液にまみれた指が俺の小さな身体をすくい上げ、また肉壁に擦り付ける。
その度に俺の全身に電流が走るような快感と苦痛が入り混じった感覚が襲い掛かった。
『どう? すごい締め付けでしょう? あなたみたいに小さくて何もできない存在なら余裕で握りつぶせるくらいよ。でもそんなことしても楽しくないわよね? あなたはただの小さな玩具。それならもっと遊んであげなくちゃ』
黒崎さんの言葉とともに指の動きが加速した。
俺を挟み込むように肉壁へ押し付けたまま上下左右へグラインドするように捻り回す。
膣内のヒダが俺の体を這い回り包み込んでくる。
熱く湿った粘膜が全身を覆い尽くし、敏感な皮膚を通じて彼女の興奮状態がダイレクトに伝わってきた。
『んっ……♡ ふぅ……♡ もっと激しくしてあげる……♡』
黒崎さんの吐息が荒くなる。
それに呼応するように指が激しく動いた。
先程よりも速く大きく動き始め肉壁への圧迫も強まる。
彼女の蜜壺の中で嬲られているという事実は情けない事だとわかっていながらも快感のほうが勝っていた。
膣壁から溢れ出る愛液が俺を包み込みその温度と臭気に意識を持って行かれそうになる。
「あああ、っ!?」
彼女の指が俺を深く押し込み、その瞬間、息が詰まる。
肉壁が俺の身体を押し潰さんばかりに締め付け、肺から空気がすべて搾り取られるようだった。
『フフ……苦しい?でも、休憩なんてさせてあげないわよ』
指は俺をさらに深く押し込み、肉壁はさらに強く締め付けてくる。
呼吸困難状態に陥り、喉から変な咳が出るほどの圧力を受けたまま、上下左右斜め全ての方向から万力の如き力で押し潰されそうになり、視界が徐々にボヤケていく。
(まずい……これ以上締め付けられたら本当に死ぬ……!)
そう思い必死で身体を捩る。
なんとか脱出しようと抵抗するもののそれがかえって悪い結果となるようだった。
『んっ♡あっ♡いいわそれ……っもっと動いて……♡』
俺がもがく度にそれは逆効果となり、内部の粘膜への摩擦を与えて、さらなる悦楽を与える結果となっているようだった。
俺を掴む指が奥へ奥へと押し込む動きに変わっていく。
暗闇の中でもうどれぐらい進んだのか分からないくらい奥へ引き摺られて、途中の壁からの圧力も凄まじく、呼吸することさえままならない程に窮屈になって来た。
『フフ……気持ちいい……♡ あなたがこんなに頑張って抵抗してくれるから私も凄く興奮してきたわ♡』
俺が声を上げるたびに彼女は嬉しそうに笑った。
そして俺を弄ぶ速度を徐々に上げていった。
「うっ……ぐぅ……っ!」
もう限界だった。
酸欠状態となり意識が飛びかける中、それでも必死になって耐え続けた。
『んっ♡ あっ♡ いいわ……♡ もっと……もっとよ……♡』
黒崎さんの声が、さらに上擦り、甘く蕩けた響きを帯びていく。
膣内の脈動が、先程までとは明らかに異なるリズムを刻み始めた。
規則正しかった脈拍が乱れ、肉壁の収縮が断続的になり、間隔がどんどん短くなっていく。
(黒崎さん……もう……!)
俺の予感は、すぐに現実となった。
膣内の律動が最高潮に達し始めたのだ。
『んんっ……! くる……♡ もう……だめ……♡』
黒崎さんの吐息が荒くなり、指先に込められる力がさらに強まった。
もはや彼女にとって俺は快感を貪るための単なる道具でしかなかった。
俺は彼女の指に挟まれたまま、内壁を猛烈な速度でこねくり回される。
ぬちゅっ! ぶちゅっ! ぐちゅぐちゅ!!
粘液が掻き混ぜられる卑猥な水音が、暗い膣内にこだました。
激しい上下運動に加え、指が左右に捻られ、俺は文字通り、肉体がバラバラになりそうな衝撃に襲われる。
「うぐああっ!」
全身の関節が軋み、骨がきしむような激痛。
だが、それと同時に、皮膚を這う無数の肉ヒダが、全身を愛撫するようにまとわりつき、絶え間なく快感の波が押し寄せる。
極限の圧力と激しい摩擦。
それはもはや苦痛なのか快楽なのか判別不能な領域へと俺を追いやった。
『ああっ! いいわ♡ あなたのおかげで……すごく……♡』
黒崎さんの嬌声が一段と甲高く響く。
膣内の収縮がさらに激しさを増し、指を掴む力も最大級にまで高まった。
そのときだった。
俺は、急激にせり上がる高揚感に飲まれていった。
周囲から放たれる膨大な量の雌のフェロモン。
生温かい淫液が五感のすべてを侵蝕していく。
酸欠気味の頭はぼんやりとし、思考能力はほとんどゼロに等しい。
だが、本能だけが猛り狂っていた。
巨大な女の圧倒的な性の力に蹂躙され、弄ばれる。
その屈辱と恐怖が、歪んだ興奮として俺の中で化学反応を起こしたのだ。
『あっ……! 来る……!♡ い……いくっ……!♡』
黒崎さんの絶頂の叫びが響いた瞬間――
俺は、完全に決壊した。
頭の中で何かがパチンと切れる音がした。
全身が痙攣し、制御不能なほどの多幸感と快感が脳髄から脊髄を通って末端の指先まで一気に駆け抜ける。
「ああああああっ!!!」
俺は絶叫と共に、熱い迸りを放った。
それはこれまで経験したことのないほどの大量で激しい吐精だった。
全身の生命力を一滴残らず搾り取られるかのような疲弊感と共に、脳が焼け付くほどの快感が支配した。
その俺の放出を感知したわけでもないだろうが、膣内がそのタイミングで激しく収縮した。
黒崎さんの絶頂だ。
『ああああっ!! きた……!♡ すごい、……っ!』
俺の身体は、強烈な締め付けに晒された。四方八方から押し寄せる肉壁の圧力。
俺の精液と、黒崎さんが放った大量の愛液が混ざり合い、膣内は洪水状態だった。
『んんんっ!! 逝っちゃう……!!イクゥウウッ!!』
最後の絶叫と共に、膣内が激しく痙攣し、俺の身体を激しく揉みくちゃにした。
熱い淫液が滝のように流れ込み、俺はそれに呑み込まれて窒息しそうになった。
視界は真っ白に染まり、意識は遠のいていく。
やがて、
『あぁぁぁぁっ!!♡♡♡』
絶叫。
鼓膜が破れそうなほどの歓喜の叫びと共に、肉壁が極限まで収縮した。
俺という小さな存在など塵芥のように感じさせない、絶対的な圧殺。
内臓が悲鳴を上げ。骨がきしむ。視界が真っ赤に染まり、そして漆黒へと落ちていく。
(あ……)
最後に感じたのは、凄まじい勢いで噴き出した粘液の奔流と、俺という存在を完全に無視して快楽の極致へと昇り詰めた彼女の痙攣する膣壁の脈動だけだった。
俺はその濃密な闇の中へと意識を手放し、深い底へと沈んでいった。
***
「うっ……ここは……」
重い瞼を無理やり持ち上げると、視界に飛び込んできたのは見慣れない天井だった。
身体を起こそうとすると、全身を走る激しい倦怠感に呻きそうになる。
まるで金縛りにあったかのように関節が軋む。
だが、不思議なことに痛みはない。あれほど圧迫され、内臓がひしゃげるかと思った激痛の名残が嘘のように消えていた。
それどころか、俺の身体は——清潔だった。
あの濃厚な粘液と汗にまみれ、生臭い匂いに包まれていたはずの肌は、今やさっぱりとしている。
髪の毛の一本一本まで丁寧に洗い流されたかのように、あのベタつきも匂いも跡形もない。
まるで、誰かが壊れ物を扱うように、入念に沐浴させてくれたかのようだ。
服も洗濯したかのように綺麗になって畳まれている。
(俺は……助かったのか?)
最後の記憶は、絶対的な圧殺と濃密な闇。黒崎さんの絶頂と共に押し潰され、意識を手放したはずだ。
それなのに、なぜ俺はこうして穏やかなベッド──の様に見えるがハンカチタオル──の上にいるのか。
カチャリ。
ドアノブが回る音に、俺は反射的に身構えた。タオルを握り締め、息を詰める。
開かれたドアから入ってきたのは、黒崎さんだった。
だが、その姿は俺の記憶に焼き付いているあの淫らな女とは別人のようだった。
すでに身支度を完全に整えている彼女は、仕立ての良いグレーのスーツに身を包み、艶やかな黒髪は後ろで厳かに束ねられている。
冷徹なまでに美しいその顔には、先ほどの快楽に溺れ蕩けた表情の欠片もない。
そこにあるのは、いつもの完璧でクールな上司の仮面だけだ。
『……起きたのね』
低く、よく通る声。
彼女はゆっくりと俺に近づき、見下ろしてきた。
その瞳には感情の色がなく、まるで汚れた衣服を洗濯機から取り出したかのように、ただ事務的に俺を観察しているように見えた。
「黒崎……さん」
俺は掠れた声で呼びかけた。
彼女の威圧感に押され、自然と頭が下がる。
『ここは私の自宅よ。昨日、気絶したあなたを運んで、お風呂にも入れておいたわ。――何か問題でも?』
彼女は淡々と事実を述べた。
その口調は、社内で業務報告を受ける時と変わらない。
あれほどの痴態を俺に晒し、俺を快楽の道具として使い潰した張本人とは思えないほどの冷淡さだ。
「い、いえ……そこまでしていただいて、ありがとうございました」
俺は深く頭を下げた。
恐ろしい相手だが、気絶した俺を運んでくれて、身の回りの世話までしてくれたのは事実だ。
感謝しないわけにはいかない。
『礼には及ばないわ。私の都合でやったことだから』
黒崎さんは短くそう言うと、腕時計を一瞥した。
『さて、もう出勤の時間よ。あなたも会社に行く必要があるでしょう?』
「えっもう、そんな時間なんですか。でも……」
俺は顔を上げた。ここが彼女の自宅だということは、俺の住むエリアとは距離が離れているはずだ。
「すみません、黒崎さん。俺、小人用の電車かバスを使うにしても、この辺りは通っていなくてですね……。今から戻るには、時間がかかってしまって……」
遅刻は免れないだろう。
そう告げようとした俺に対し、黒崎さんは鼻で笑うようにフッと息を漏らした。
『そんなこと最初から分かってるわ。だから、私と一緒に行けばいいじゃない』
「えっ? 一緒に……?」
こうして、俺は黒崎さんと共に出勤することとなった。
それがどんな結果になるのか、今の俺には想像もつかなかった。