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サキュモスハンター(侵攻編)【16】【二対の蜂を落として……夜蜘蛛の支配地域へ】【1433文字】
【第15話より】
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「くっ!私たちまで……」
「お姉さま……ごめんなさい……でも、まだ……」
「そうね、きっとあのお方が……」
二対の蜂は撃墜された。
大地に体を横たえる二対の蜂の女王。
「はぁ……はぁ……あぐぅ……♡」
「はぁ……♡ぁぁ……♡」
だが、リットもイサネも無事では済んでいなかった。
蜜で濡れ、装備の一部も破損していた。
淫気を注がれ、身体の中に情欲が流れ込んでいた。
淫気に悶える体。
そんな状態でありながら、とどめを刺そうとリットは剣を振り上げた。
「ふふ、もう私たちはここまでですけど……♡」
「もう、この場所は私たち……♡」
「「サキュモスの、も・の♡」」
リットが振り下ろす前に彼女たちは霧散した。
根本的な部分では消えず、冬眠のような状態へとなっただけだ。
人の精がなければ、復活することはできない。
つまるところ、ここで都市の崩壊を許せば、彼女たちの復活にもつながる。
そのため、こんなところで負けるわけにはいかないのだ。
「ヴァルトアーテ……」
「イサネ……でいいわよ」
「そうか、では、イサネ。これからどうする」
どうするというのは、この北西に襲撃を仕掛けてきたビーキュモスはあらかた討伐できた。残党はいるかもしれないが、ビーキュモスの性質上、女王を倒した時点で彼女たちは戦力にならない。ほとんどは巣に戻っていただろう。
だが、こちらも損害がすさまじかった。
リットが預かった部隊で戦闘に参加できるものはいない。そこいら中に転がった兵は、アヘ顔晒して倒れ伏していた。
「私たちの部隊も、残っているのは私だけ」
「こっちも預かった部隊は、このざまだ」
「そのうえ、北東の城門は……落とされた」
「なに……イサネでも倒せなかったのか」
「いや、相手が悪い……私やあなただと相性が悪いわ」
どんな相手なのか。そう聞く前に彼女は言った。
「姿は見えなかったわ。でも、毒の煙を使う敵だった」
「なるほど、それなら確かに戦いずらいな。特に俺達には……」
「北の中央は、まだ戦闘中だったけど……その全体までは見えなかったわ。あれは、なんだったのかしら」
蜜で髪を濡らしながらも、冷静に状況を分析するイサネ。
リットも同じように考える。
状況的には中央に進むべきだった。
「なにかなんて、いってみればわかるだろう」
「選択肢は、ありそうでないのよね……見捨てるわけにもいかないし」
「まだ持ちこたえていればいいが……」
市民たちは家の中に閉じこもっていた。
それでいい。
力を持たない者は、このような事態には何もできない。
「皆さん、もうしばらくの辛抱です。そのまま隠れていてください。私たちが、サキュモスをすべて殲滅してみせます」
イサネの声が響いた。
サキュモスは近くにいない。
扉の隙間、窓を少しだけ開け、彼はその声を聴いていた。そして、閉じられる扉。それはまだ抵抗をしようとする意思だ。
「いくわよ」
「あぁ」
イサネが駆けていく。
それに続いてリットも駆けだした。
中央に待ち受ける地獄を知らずに……。
***
「こ、これは……」
北の門前、中央には……誰もいなかった。
暗い夜空の元には誰も残っていなかった。
「なんで……そんな」
「ここ、だったのか……」
ここが戦闘地域だったのは、間違いない。戦闘の痕跡がそこかしこに残っている。
なのに、そこで戦っていたはずの人の姿がなかった。
「どういうことだ……」
リットは前へ足を踏み出す。
そうしようと思った。
「待て!!」
その言葉に……。
【選択肢】
・即座に後ろへ飛び下がった。【第21話へ】
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・反応が一歩遅れた。【第17話へ】
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